やんまの目安箱

やんまの目安箱

ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーエグゼイド 第2話「天才二人はno thank you?」 肯定的感想

第2話「天才二人はno thank you?」


・灰馬が颯太くんの件に一切触れないということは、1話でバグスターを倒してからCRに戻るまでの間に僕が思ってるより時間が経っていて、彼に関しては事なきを得たという連絡が入っていたのかもしれない。
ただ、だとしたら仮面ライダーが手術をした以外の可能性は考えられないので、永夢がCRに招かれてるのを見て「君が報告にあった仮面ライダーエグゼイドか?」ぐらいのことは察せても良さそうなもんだけど……まぁポッピーのことだからそんな細かく教えてなくて、「仮面ライダーが倒した」とだけ……つまり飛彩が間に合ったんだろうと理解した、のかな?

・「ドクターは二人も必要ない」……自分が失敗するならともかく、他人に任せて失敗されるのは許せない、という感情はまぁ分からんでもない。況して、実際過去にそういう経験がある訳だしね。
ノーサンキューってそう言えば口癖だったな。

グラファイトが中に向かってウイルスを散布してるけど、本当にこの方法で感染するのか? 人から人へ感染しないってことは飛沫感染もしないってことだから、バグスターは空気に触れたら割とすぐ死ぬもんなんだと思ってたけど……解釈は2通り思い付いて、まずはグラファイトがバカ……というか"なんか敵キャラっぽい動き"をしてるだけで本質的な意味は何もないというパターン。バイオテロリストだから空気中に散布してるのかなってイメージを再現してるけど、実際に感染させるときはバグヴァイザーを押し当てるとか、少なくとも対象となる人間を目の前にして散布するなどする必要がある。
もうひとつはバグヴァイザー自体が特殊な機器なので、何らかの形でウイルスを保護して大気中を長時間浮遊できるように細工した上で散布してる場合。これはもう「できるんです」と言われたらそうか……と納得するしかない。設定を見る限り"散布"という言葉がよく使われているので、多分こっちの説が正しい。

・「僕なんか必要ないよなぁ……」と不思議に思う永夢。ゼロワンの或人は先代社長にも名指しで指名されて、引き受けてからも事あるごとに「俺!?」と驚くくらい何かやるよう言われていたから、えらい違いだ。
ゼロワンは一応仕事の話なので"やらなきゃいけない"ニュアンスが強いけど、エグゼイドは半分ゲームの話なので"やらなくてもいいことをやる"という描き方なんだろう。

飛彩のお付き、みずきとさつき

・看護師を侍らせて身の回りのことやらせる飛彩、普通にフェミ界隈からぶっ叩かれそうだけどよくやるな……。医者だからとかオペ以外のことに集中力を使わせないってのは理屈として分かるけど、見え様の問題として。
別に道具として扱ってるつもりはないのかもしれないけど、若干天津っぽくもある。あの看護師が何か提言しても「道具が意志を持つな!」とまでは言わずとも、絶対言うこと聞かないよな。実際そんな感じの描写は、さつきだったかみずきだったかどっちか忘れたが、飛彩に安静にするよう言ったら「そんなことは分かっている!」ってキレたシーンくらいだったと思うけど。ってかあれ以外にこの2人が喋るシーンってあったかなぁ?

・1話では肉団子の怪物だったけど、今回のバグスターユニオンはご存知バクテリオファージというウイルスの一種。一瞬なるほどなって思うけど、他のは銃になったりタイヤになったりとゲームに沿ってることが多いので、むしろこれだけデザイン的には浮いてるのよね。まぁ化け物っぽいウイルスの見た目として使わないのはもったいないけど、他にのはまるっこいだけだったりするからそれで統一するのは無理だったってところだろうか。まぁこの辺は全て黎斗の遊び心と言われればそれで済んでしまいそうだから矛盾でもなんでもないんだけど。

・エグゼイドは何気に、ゴースト,セイバーと同じで変身バンクを採用してるのよね。途中から省略するけど。ライダーにおいてはあんまりないことだと思ってたけど、調べてたらダークキバとかもやってたって言われて確かに、と。

・ゲンム乱入するも、ブレイブの剣を折っただけで退却。タドルクエストの設定だから最初はデフォルトの剣なだけで、黎斗的にはさっさとガシャコンウエポンのデータ取りをして欲しいから折った……? ゲームの販促にも……なる? まぁのこの辺も全部彼の趣味で片付くけど。

・ゲームスコープで診断は済んでるにも関わらず患者の診察をするべきだと永夢が言うのは、作中人物の視点からはまだバグスターは謎が多いから、もしイマジンやグリードのように母体となる人間の悩みなどと生まれたバグスターの行動原理に何か関連性がある可能性もあるから、とにかく色々と情報を集めるに越したことはないという意味なら確かに分かる。
実際、ストレスが原因でウイルスが活性化するということに気付けた訳だし……まぁ病気として当たり前といえば当たり前なんだけど、バグスターは元がゲームと関係してる訳だから、溜まったストレスをゲームで発散するように、ストレスをエネルギーとしてバグスターは活性化する特徴を殊更持ってるのかもしれない。

患者には関わらない

・現在の医療倫理的には、基本的に医者が患者に深入りすることはあまり望ましくないこととされているので、それでヒーローの鑑なんて大層な名前が付けられてるんだろうか。仕事は仕事と割り切るスタイル。
井上敏樹もヒーローが身近にいたら怖いから助けてくれたら去らなきゃいけないって話をしてたけど、そういう意味でも深く関わらない態度は理想のいち形態ではあるのかもしれない。
飛彩個人の心情としては、勉強ばかりで恋人にかまわなかった結果知らぬ間にゲーム病になってて死んじゃったという過去があるから、その時の自分を恥じず、曲げないことがむしろ小姫に対する筋の通し方だって思ってるのかな。そうでもなかったら、普通は患者の様子をもっと気にするようになるよね。

AIは"モノじゃない"のか

・「患者はモノじゃないんですよ?」
これは何気にキーワードだな。普通に考えたら患者というのは人間のことなのでモノじゃないのは当たり前なんだけど、ここにはもうひとつバグスターというAI的要素を持ったゲームキャラがモノかどうかという文脈も含まれている。というのは、ゲーム病を発症した患者は体を乗っ取られて実質ゲームキャラになってしまうことや、1話で永夢がゲームのキャラに対して「死ぬな! 頑張れ!」とまるで死にかけの患者のように声掛けをしていたことと紐付けて考えるとそうなる。
もうひとつ面白いのは、バグスターの元ネタであるプログラムにおける"バグ"という概念。プログラムが誤作動を起こすのであればそれは基本的にはプログラマの責任であって、バグ(虫)が何か悪さをしている訳では本来ない。にも関わらず、意図的か否かはさておきプログラマが「自分のミスではない」というニュアンスを付けるために、"バグ"というプログラマから独立した責任転嫁先を設けるという心理的な営みが、ことエグゼイドにおいてはとても重要で。
さっきも言った通りバグスターは実態としてはAIみたいな存在であって、自分たちは人間の遊び道具ではない尊厳ある生命体なのだという主張と照らし合わせて見ても、ヒューマギア(滅亡迅雷)の行動理念とほぼ同じと言っていい。
"つくられた存在"に対して心があると見做すかどうかの重要な分かれ目として、プログラマの持つ「責任を負いたくない」という感情はとても面白い。成人するまでは子供のやったことに対して親は責任を取らなくちゃいけないが、ずっと取り続ける訳にもいかないから子供に自由意志というものを認めて、自分で自分の責任を取ってもらう"ことにする"。これが自由意志という幻想の本質を担う一端であって、実は意外と「相手を対等な価値のある存在だと認めている」ことが尊厳を認める動機の発端ではないのかもしれない。
或人にそんなつもりはないのかもしれないけど、飛電からすればヒューマギアが暴走するのはバグやハッキング、或いは自由意志によって"勝手に"起きたことであった方が都合がいい。

・バグスターもゲームエリアを展開できるらしい。基本的に感想で書くのはそのエピソード特有の話題を優先して、基本設定についてみたいないつ触れてもいいネタは温めておくことが多いんだけど、これはあんまりやってたイメージというか記憶がないのでタイミングを逃さないように触れておく。
仮面ライダーがやるのは仮想空間を展開することで現実に被害を出さないためってのが主な理由だからバグスターが展開する意味はあまり内容にも思えるけど、単純にホームグラウンドというか、ゲームの世界で戦った方が何かバフがかかるとか、今回みたいにツタを出現させて縛るみたいな現実では有り得ない能力を使うためにはゲームエリアの中でやる必要があるとか、そんなところだろうか。

・仕事は仕事として割り切る態度というのは、医者も勿論そうだけど軍人とかには特に必要なメンタリティよね。人の体に危害を加えて、血を見ることに対する心の防衛という意味で。
医療行為というのは基本的には人の体をいじくって危害を加えることなので、だからブラックジャックや大我のような無免許医は本来存在してはならない。あくまで法によって限定的に認可を受けた場合のみ人の体にメスを入れることが正当化されるのであって、そうでなければナイフで人を刺す犯罪者と同じ。

・「ドライブは人を助けるライダー、マッハは敵をぶっ潰すライダー」って分類はなかなか的を射ていて、色んな場面に当てはめられるので引用してしまう。今回のエグゼイドとブレイブの対立も大雑把にはそう。
・ところでブレイブって、先輩っぽい雰囲気出してるけど設定的には多分今回が初戦闘だよね。一応YouTube限定のスピンオフシリーズ『ヴァーチャルオペレーションズ』……まぁ実際の内容は従来の"変身講座"なんだけど、そこで仮装空間での模擬戦闘をする描写があるので、実践は初でもシミュレーションは何度かやったことあったという認識でいいのかな?

マリッジブルーを乗り越えられたのは、患者が病気になったり人質に取られたりしたことで、離れたくない,一緒にいたいという気持ちを再確認できたってことでいいのかな? 裏でも言った通り別に永夢が悩みを解消した訳ではないんだけど、まぁ質問をすることで「本当は結婚したい」という気持ちを引き出したのは意味のないことではないかな。

・ポッピーが食べられるのかはよく分からないけど、アップルパイをきちんと4等分する飛彩。まぁ4切れにしたからといって必ずしも4人で分けて食べるとは限らない訳なのでなんとも言えないけど、飛彩的には病院長である灰馬の息子かつ天才外科医な自分に逆らうやつなんて周りにいなかったから、小児科医の癖に噛み付いてくる永夢の度胸だけは認めたとか、そういうあれがあるのかもしれない。

 

エグゼイド感想一覧

裏面

仮面ライダーエグゼイド 第2話「天才二人はno thank you?」 否定的感想

 

前回

仮面ライダーエグゼイド 第1話「I'm a 仮面ライダー!」 肯定的感想

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特撮雑談クラブ 第8回「赤青」

03/05 第9回「数字/名前」21:00〜23:30
今回はテーマを2本立ててみようっていうお試し回です。それぞれ深掘りできるテーマなので、いつもここで書いてるガイダンスも2つ用意しました。まぁもし括るなら「記号」ってことになるのかな?
まずは「数字」。
"1"は絶対的なもの。唯一神であり唯一王、ひとつしかなければ"数える"までもない、あらゆる数字的認識に先立つアプリオリな概念。クウガ,ゼロワン……。
"2"は矛盾と対立、或いは一対。2人目の人類であるイブは蛇にそそのかされ知恵の実を食べ、アダムをも誘い2人で神の元から追放された裏切りの数字。龍騎,555,カブト,W,ビルド,ジオウ……。
"3"は世界。わたし(1)とあなた(2)以外の全ては"三人称"として認識され、点が3つ合わされば∴(故に)……つまり根拠を持った確実なものとして認められる。2つに分裂した意見をまとめあげ(父と母と子)、三竦みなどの均衡をもたらし、陸海空,天地人など世界の全てを表す。アギト,響鬼,オーズ,ドライブ,ゴースト,ジオウ……。
"4"は不安と調和。日本では死の数とされるように3で得た均衡を崩しかねない危うさと、それまでのように4本線ではなく四やⅣとして、個々を認識することを諦め"多数"として割り切ることで得られる安息。四方位や四元素など、ある種の秩序をもたらす。クウガ,剣,電王,キバ,フォーゼ,ウィザード,エグゼイド……。
"5"は中心。四方位に中心を加えて5つ。人間が5本指であること、頭と両手両足を合わせて五体満足と言うこと……12進法の方が利便性はあるが人間を中心として考えたときにキリが良い数字。戦隊,55ん5,ゼロワン,リバイス……。
数字はそれだけである程度の意味やイメージが付属していて、なかなか面白い概念なのでぜひ。

次は「名前」。
バクマン。』にキャラの名前を作品のタイトルに入れるのはありがちだって話があったけど(キャプテン翼,ヒカルの碁,ドラえもん,NARUTO……)、特撮ではほとんどがそのルールに則って付けられている。
戦隊は作中に出てくる戦士を包括したタイトルだけど、ライダーの場合は主役だけがタイトルに掲げられる不思議。『ジオウ』なんかはそこを逆手に取ってゲイツやウォズたちもソウゴの夢見る物語の登場人物に過ぎないみたいなニュアンスを持たせていたけど、他の作品ではどうか。逆に『響鬼』なんかはヒーローも響鬼だし変身する人間もヒビキだしで、分かりやすいんだかややこしいんだか。
そもそも"仮面ライダー"とはなんぞや、なんて話は折に触れて上がるけど、名前というのはそのものが持つ特徴を定義付けしたり、こうなって欲しいという願いが込められていたり、先立つ実存から後付けで名付けられたりと様々。
精神障害LGBTのように、名前が付くことで安心したり、自認することで行動(実存)に影響することもある。仮面ライダーを"名乗る"からにはヒーローとして振る舞う責任が伴うだとか、敢えて名前を"騙る"ことで名誉を傷付けるだとか。
そういった諸々を含めた"名前"の意味について。

同時視聴作品は『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』を19:00から見ます。
僕が挙げた2つの候補であるところの、数字が名前になっている『555』『ゼロワン』から、巧が覗き見されるのではなくて自分から名を名乗る第4話「おれの名前」と、総集編をやりながら「それが仮面ライダー○○だ」という定義付けを行い始めた第25話「ボクがヒューマギアを救う」の2本もアンケで同票だったので、これも18:00から見ます。

03/12 第10回「武器」 
03/19 第11回「仮面」
03/26 第12回「戦隊」
4月以降は未定です

特撮雑談クラブ 第7回「冬季」

 

第8回「赤青」
スピーカー:やんま, SONGEN, のーと, イゴマス, セイバーを見守るワンダーワールド(以下WW)

やんま「とりあえず僕の方で挙げた話題候補としては、色んなライダーの赤と青のキャラを挙げてみたりとか、青い炎の方が温度が高いとか、アークとゼアは青い方が善いもので赤い方が悪いものって印象を付けてたりとか、男女が赤と青で分かれてたりとか……。
あと紫についての話もできるかなってところで。悪いやつとか、曖昧なやつ。曖昧っていうか、複雑だから、ちょっと高貴なイメージもあったりして。ジオウとかピンクって言われがちですけど、どっちかって言うと僕、紫のイメージなんですよね。ベースが黒っぽい色だからっていうのもあるし」
SONGEN「体の部分のどっかに紫っぽいのが入ってた気がするな」
やんま「そっかあるのか、ラインが。ピンクとは別に」

SONGEN「紫が高貴な色ってやつは、むらさき醤油って言うじゃないですか。その諸説ある中のひとつが、紫は高級な色だったみたいな」
やんま「あれですよね、冠位十二階で紫が一番上だった説みたいな。それのイメージがあるのかな、多分」
SONGEN「戦隊で言うと『キュウレンジャー』のリュウコマンダーとか。まぁリュウタロスのあれもあるんだろうけど、マントとか付けてるし、似合ってるなと思いますけど。
リュウタロスはね、ちょっと禍々しい感じの。憑いた時期的にもモモタロスとウラタロスのちょうど間みたいな」
やんま「そうそう、ゼロノスが緑だから、紫と赤青は補色の緑と対になるんだけど、キンタロスだけ浮いてるんですよね、そう考えると」
SONGEN「キンタロスはね、元々別の人のイマジンだったとか……まぁそこまでね、たまたま符合してるだけかもしれないけど」
やんま「いや、いや考えてると思いますよ?」
SONGEN「かなぁ? でも、男の子に人気の色ってあるじゃないですか。そういう意味で付けてるのもあるんじゃないかなとは。僕は『ビルド』は何も考えてないと思ってるから(笑)」
やんま「さっき『ビルド』の色ってまんま『電王』だなと思って。赤,青,金,紫……」
SONGEN「コラボしないかなとか言ってましたもんね、当時」
やんま「『ビルド』で緑はいないのか……」
SONGEN「『Vシネ グリス』の敵が緑っぽかった……あれはなんか、モスグリーンっていうか、ミリタリーチックな感じ」
やんま「そっか、それくらいか。基本フォームチェンジで緑ってなかった……カイゾクレッシャーか。濃い緑はなかったな、意外と……(※掃除機フルボトルがある)」

キャラのカップリング

SONGEN「(バカレッドについて)漫画っぽくすることで、一気に主人公力が上げるのかなみたいな。成長する主人公みたいな」
やんま「なんか戦隊は、最近はマンセーとかされてそうでもないのかもしれないけど、人数がいるから、役割分担っていうか……こいつはバカ担当、こいつは考える担当みたいな」
SONGEN「『デカレンジャー』で言うと、赤と青が一応「相棒」で繋がってるけど、バカ組は赤とピンク,バンとウメコで、かしこ組がグリーンとイエロー,センちゃんとジャスミン。でそうすると、ホージーあぶれちゃうんですよね。……と思ったら、デカブレイクが出てきて、先輩僕に嫉妬してるんじゃないですか? みたいな感じで」
やんま「ありましたね、青組で」
SONGEN「そういうカップリングの掛け合わせを変えられるのがうまかったなと。だから結構ホージーはおいしいポジションなんですよ、赤とも絡みがあるし、テツとも絡みができて。デカブレイクにも青いラインとか入ってたりするし。
「フェイク・ブルー」面白かったですよ。単体で見て、面白いなと思って。あぁいうつまんで見るのにちょうどいい」
 のーとさん参加
やんま「そうですね、僕ホージー……前見たときはあんま好きじゃなくて、でも今回見て結構見直したっていうか、かっこいいなと思って」
SONGEN「俺は戸増宝児なんだ! みたいな、姿が変わっても。あれもいいですよね」
やんま「デカレンジャーじゃなくなっても、怪物の姿になってもちゃんと正義のために戦うし、しかも結構優勢にまで持ってくっていう」
SONGEN「まぁなんか、トリックっていうかロジック? 相棒って言っちゃうみたいな、敵が。あぁいうのは小細工だなって感じするけど、お約束みたいな感じですよね。どっかで見たことあるような感じのする話だけど、そういうキャラクターを濃く出せる話。
あと基地が乗っ取られちゃうじゃないですか、あれもなんか面白いなと思って。やっぱ武力を行使してる訳だから、デカレンジャーも」
やんま「あのデカベースロボが暴走するのは、子供の頃うっすらと記憶があって……」
SONGEN「そうそう、俺も記憶あったんですよ。あの回だったのかなぁみたいな」
やんま「怖かった思い出が、ちょっと蘇ってきて」
SONGEN「中にちゃんと人がいたりとか。あとデカマスター1回負けちゃうんだと思って」
やんま「ブルーの体がどうなってもいいのかみたいな流れで」
SONGEN「デカマスター出てきたじゃんと思ったら、無敵なのかなと思ってたけど、結構ピンチでしたよね」
やんま「結構甘いですよね、彼は。あの5人に」
SONGEN「それは、言いますよね。……そんな感じで、戦隊で……まぁライダーもですけど、カップリングなんすよね。そこに注目し始めたのがその辺なのかなって」
やんま「『デカレン』辺り?」
SONGEN「っていうかちょっと前から……バカレッドも遡ればもっと、レッドファルコンとかもアカデミアの中では落ちこぼれの方みたいな。『ライブマン』の、つっぱることが男の……」
のーと「こんばんは〜。ちょっと前の話の流れが分かんないところもあるんですけど、カップリングっていう話になったとき。まぁ同性同士,異性同士で色々あると思いますけど、塚田さんの作品はそこら辺が、どの組み合わせでも割と面白くなるようにできてるのかなと思ったりします」
SONGEN「『W』とかも、そうだと思うんでよね。意識してなのかは分かんないですけど、やっぱり『相棒』っていうドラマが東映にある訳じゃないですか。そんなに詳しくないけど」
のーと「まぁバディもの、ですよね。一対一の関係じゃなくても、例えば『ゲキレンジャー』は塚田さんですよね。だからそういうところとか……キャラクター1個1個を立たせて、そのキャラクターだけの話じゃなくて必ず2人以上で絡めてくっていうのは、時期的なものっていうよりかはスタッフの方の影響なのかなって思ったりはしました。
ヒーローのキャラクター同士がライバル関係になったりとか、お互いに戦ったりって、『ハリケンジャー』の裏が『龍騎』だったりとか、その前が『アギト』だからそっちかなとか思ったりもするんですけど、でもよくよく考えたらスーパー戦隊の方がずっと前からそういうのやってるから。『アギト』とか『龍騎』とかは揉めてるけど、同族殺しって文脈があるからってだけじゃなくて、そもそもスーパー戦隊でそういうの前からやってたかなっていうのはあるかも」
やんま「追加戦士とは割と戦ってるイメージ……まあま2000年より前のは分かんないけど、タイムファイヤーも狼鬼も戦ってたし」

SONGEN「実はあんまり赤と青が絡んでる戦隊ってあんまりイメージがないみたいな話があったじゃないですか。最初から言うと、宮内洋アオレンジャーじゃないですか。元々あの人はヒーローやってて、『ゴレンジャー』の青やってくださいってなったときに、なんで俺が二番手なんだよみたいな感じになったらしい……まぁそれも尾ひれついてるかもしんないけど、言いそうじゃないですか。そこで平山Pかな、が説得したのが、赤が宮本武蔵で青が佐々木小次郎のイメージなんだみたいな。だから並び立つ2人の……まぁ俺『ゴレンジャー』未見だから雑語りになっちゃうけど」
やんま「僕もWikiで読んだかな、その話は」
のーと「実際、アオレンジャーの紹介っていうかOPでキャストの並びって一番最後ですもんね。ナンバリングとしてはアオレンジャーが2番だから12345っていけばいいはずなのに」
やんま「実際つまんで見てても、アオレンジャーだけ結構浮いた活躍してたりとか……」
SONGEN「なんかマシン乗ってたりとかするのは、やっぱり別撮り? 他ので忙しかったから」
やんま「あーそういうことなのかな。機械担当っていうか、他の人と別行動してることが多くて」
SONGEN「ズバットととかもね、赤だし。その代わり、V3,ズバット,アオレンジャー並ぶと結構綺麗なんですよね。俺は三浦参謀長官のイメージなんですけど、『オーレンジャー』の。
……そもそもそこから始まってるから、それ以降どっからか分かんないけど『サンバルカン』とかからか? 3人とかになっちゃうと、赤とその他みたいになっちゃうじゃないですか。……なってんのか分かんないけど。
ジェットマン』は、『ガッチャマン』のあれもあるのかなとは思うんですけど」
やんま「へー、これ5人なんだ。知らなかった」
SONGEN「白いリーダーがいて、コンドルのジョーがいて、紅一点がいて、後はなんかちっちゃい子供みたいなのと大きい人みたいな、デコボコ感」
やんま「なんか『パーマン』みたいですねって言おうと思ったけど、あれって戦隊より前なのかな? (調べながら)1967年ってことは、ライダーより前か。ライダーは'71年ですもんね。じゃあ『パーマン』の方が先なんだ、へぇ〜」

SONGEN「さっき言った『カクレンジャー』とかだと黄色とか青のイメージが、好きだったけど薄くて。最初は赤青で始まるんですけど、あの2人が封印説いちゃって、妖怪の。白とブラックも親の因縁があったりとか……」
のーと「『カクレンジャー』は……赤と白と黒のドラマが強いから……」
SONGEN「思い返してみると、黄色と青がその他のバカの2人みたいな。そっから……なのか分かんないけどだんだん多分そこを、あぶれちゃう2人を組み合わせて目立たせていこうってしたのが、多分……『タイムレンジャー』かなぁ? 緑と黄色が兄弟っぽい感じでいるじゃないですか。その前の『ゴーゴーファイブ』だったら兄弟戦隊だし、『ギンガマン』は炎の兄弟がいるじゃないですか。あぶれ者同士を兄弟扱いで一緒くたに描いちゃう。『ガオレンジャー』になるとそれを踏襲したか分かんないけど、「二人でネバギバ!!」っていう青とブラックの回があるんですよ。そんな感じで『ガオレンジャー』だと、黄色が赤にサブリーダーとリーダーのポジションだったりして……(あぶれるキャラをなくすために)ついには3人戦隊になるみたいな」
やんま「3人って『サンバルカン』と『ライブマン』があったぐらいで、そっから『ハリケン』までないんでしたっけ。なんか『タイムレンジャー』のスーパー戦隊特集みたいなの(Case.File51)で、『サンバルカン』が唯一の3人戦隊って言われてて。『ライブマン』は追加されたから3人じゃない扱いなんだと思うんですけど」
SONGEN「そう、50何話もあるけど、描ける人数って結構限られてるって印象があって。まぁでも『ハリケンジャー』も『アバレンジャー』も結局5人になりましたけどね。追加戦士って文化が発生したから」
やんま「そっか、じゃあずっと3人だけなのは『サンバルカン』だけなのか」
のーと「『ハリケン』は3+2のフォーマットに近いですよね。てかあれが初めてですけどほぼほぼ。まぁ『ライブマン』も3+2ではありますけど……『ゴーオン』はモロ『ライブマン』のあれですけど、色もそうだし。
ゲキレンジャー』もそうなんだよな。レンジャーキーがあるからとかないからとかそういう話以前の問題として、スーパー戦隊のナリはしてないけど3+2ですよね、あれは」
SONGEN「あー、リオメレか」
のーと「でも『ゲキレンジャー』はもう一歩……いや違うな、『ハリケンジャー』と同じなのか。ひと番組2戦隊みたいな感じ」
SONGEN「『ルパパト』の原型の原型みたいな感じ。"赤青"に沿ってるか分かんないけど(笑)」
やんま「まぁゴウライジャー赤青だしいいんじゃないすか?」
SONGEN「そういう工夫の中で……赤青で組み合わせるんじゃなくて、描き方のひとつとしてそういう手法が確立したんじゃないかなと思って。それを色濃く出したのが『デカレンジャー』とかだったりするんじゃないかなと。まぁ『タイムレンジャー』もでも、やっぱりそこはエポックだと思うんですけど、結構。どこまで自覚的だったかはあれだけど」

ポケモンの赤青

一番手が赤
響鬼のマジョーラ
 イゴマスさん参加
ボーイミーツおじさん
ヒートトリガー
 セイバーを見守るワンダーワールドさん(以下WW)参加
響鬼ライダーのデザイン

暴走の赤

イゴマス「赤と青についてで、いま私ウルトラマンシリーズの『大怪獣バトル』シリーズというのを見てまして、絶賛履修中ってかんじなんですけど、これに出てくる……そもそもまずウルトラマンって赤いじゃないですか。その一方で、この『大怪獣バトル』シリーズに出てくるラスボス的な宇宙最強の宇宙人みたいなのがいるんですけど、そいつが青系の宇宙人なんですね。この最強の宇宙人レイブラッド星人は遥か昔に生きた存在で、今は肉体が滅んでて精神帯になってるって設定なんですけど、その後継者探しをするのがこの『大怪獣バトル』シリーズっていう怪獣使いの力を各宇宙人が引き継いで戦わせあって、最強の怪獣マスターがレイブラッド星人の後を継ぐみたいな設定なんですけど。
地球人の怪獣使い代表がこの作品の主人公で、中でも特にレイブラッドの血を色濃く継いでる感じの人で、レイブラッドっぽい姿に変身する能力があるんですね、地球人なのに。そいつが、レイブラッドがが青ということで青い姿に変身するんですよ。ただそれが暴走すると、赤くなるんですね。だから逆にウルトラマンに近い色になってるんだけど、その実態は暴走して暴れまわるっていうのはなんかちょっと、ウルトラシリーズから見ると逆転的で面白いなと思いながら、DVD見てて。
平成ライダーとかでも赤と青は結構対比的に使われてることが多いと思うんですけど、赤か青の片方が正義で、もう片方が暴走形態もしくは悪として直球的に扱われることってあんまりないイメージがあるんですけど、どうかなって思って。赤いやつがいいやつ、青いやつが悪いやつ……もしくは、青いやつは冷静で正義の味方、赤いやつは悪役、みたいな。あんまりこういう直球の分け方することがライダーシリーズはないのかなという風にちょっと思ってたんですけど」
WW「プリミティブって青でいいんですかね? ちょっと緑っぽいけど」
イゴマス「そうですね、水色的な。確かにセイバーのプリミティブはそうか、青が暴走で赤くなったら正義の心みたいな」
WW「どちらかというと白に近い気は……」
イゴマス「暴走形態は多分ウルトラよりライダーの方が遥かに多いと思うんですけど、暴走形態を色で表すとなるとクウガの目の色くらいしかパッて浮かばないなと」
やんま「あー、そっか。あれもでも赤は正常だもんな」
イゴマス「赤が正常で黒が暴走……まぁ黒が悪いやつはなんとなく分かりやすいかなと思いますけど」
やんま「バーニングフォームが若干暴走したぐらい?」
イゴマス「あー。ただあれも別に正常になったから色がクールになったとかって訳ではないですよね」
やんま「それはないですね。まぁ白くなったりするけど(荒っぽかったバーニングのアクションが、シャイニングになるといつもの姿勢正しいスタイルに戻る)」
WW「暴走すると全体の色が変わるってのがまず珍しかった印象……」
イゴマス「暴走専用形態みたいなのがそもそもない」
WW「エレメンタルも見たとき、そういえばこういうのなかったような気がするなって思ってた記憶が」
やんま「……暴走ではないけど、熱血の赤,クールな青ってことで言えば電王とか?」
のーと「それこそあれじゃないですか、友達ロボット イゴマスのウルトラマンコスモスは、ブチ切れると赤くなるじゃないですか。コロナモードになって……っていうところもあるのかなって」
SONGEN「あれはなんか冷静と……」
イゴマス「優しさと強さ……ですよね。力づくというか」
やんま「太陽と月の」
のーと「コスモスで思い出したけど、カオスウルトラマンのカラーリングはコスモスと逆になるのか」
WW「ジードの目の色は、確か赤と青で暴走……一応ウルフェス限定ではあるけど、そんな使い分けがあって」
SONGEN「目はなんか、表しやすいですよね。ミラクルワールドのバーニングフォームとか。赤目ってでも……あれもそうじゃないですか? 永夢が……」
やんま「あー、生身の」
WW「確かブレイブも目が赤くなりましたよね、暴走したときに。初めてファンタジーゲーマーに変身したときに」
やんま「ありましたね」
イゴマス「ポッピーも確か悪いときは赤で、味方だったら青ですよね」
SONGEN「だからやっぱ、デジタル的な存在は……分かりやすいんだと思いますよ」
やんま「信号機のイメージなのかな? 赤が悪くて、青がいい」
SONGEN「そうですね、信号機は近いかも。危険……色のイメージの話もします?」
やんま「さっき出たとこだと、赤は情熱,青はクールみたいなのがありますけど、『カブト』は逆ですよね。クールな赤,パッションの青……まぁ目の色が逆になってたりするんですけど。カブトが青い目で、ガタックが赤い目で」
SONGEN「ガタックは赤い目だから結構、熱血なイメージ残ってる」
やんま「『カブト』における青は、青二才的なニュアンスもありますよね。天道……が作中で言ってたのかな、"青いな"って」
のーと「言ってましたね(「友情とは、友の心が青くさいと書く」)」
SONGEN「あれはもう、多人数ライダーで色をパキッとしようとしたんだとは思うんですよね。別にカブトムシに赤のイメージ、特にないじゃないですか。まぁカブタックとかその辺のあれはあったけど」
やんま「色のイメージで言うと、最初に出てきたカリスは、赤いけど風属性っていうのがなんか珍しいなと思って。まぁ赤ってだいたい炎と結び付けられがちだからだけど、赤で風属性ってなかなかいないなって思った……んだけど、戦隊は意外とレッドがトリになりがちだから、風属性っちゃ風属性なのかなと思って(ハリケンレッドとか)。……色と動物のイメージって話題があったんで、触れとこうかなって思って」
SONGEN「それで言うとガオレンジャーのイーグルが、黄色でサブリーダーって珍しいなって思ったんだけど、ガオキングになると一番上が黄色なんですよね。尾羽が王冠みたいになって。だからあの配置は、ブラックが下から支えててみたいなイメージはあるのかなって」
やんま「ゼンカイガオーンも黄色ですしね」
SONGEN「遡ると、バルイーグルは夕日のイメージありますよね。青いサメも……見たことないけど、海だから? ランドスタイル黄色みたいな、で陸海空じゃないですか」

仮面ライダーの赤い目

イゴマス「ちょっと前の話掘り返すんですけどいいですか? 目の色の話がさっき出て、なんとなく赤が情熱系……或いは危険っていう色という話があったと思うんですけど、一番最初に石ノ森章太郎先生が仮面ライダーというもののデザインをつくったときに、目の色に赤を選んだのがすごいなと、いまふと思いまして。
それまでって多分どのヒーローも、アメコミ系の影響を強く受けてると思うんですけど、目が赤いヒーローはアメコミでもなかなかいないんじゃないかな?」
SONGEN「今思いついたのは、デアデビルくらいかな」
イゴマス「デアデビルは体の色が赤い……まぁ目が見えないですもんね」
SONGEN「色付きサングラスみたいな」
やんま「赤……じゃなくて、何色の目が多いんですか?」
イゴマス「そもそも目が、あぁいうでかい目っていうのがだいぶ独特なところがあって。日本人が参考にできるヒーローって言うと当時……ゴジラがいてウルトラマンがいて、まぁ月光仮面がいるくらいまでがせいぜいだと思うので、黒とか白系の目にするなら分かるんですけど、石ノ森章太郎先生が描いてる仮面ライダーって確か最初からだいぶ赤かったと思うんですね。バッタがモチーフのヒーローで、バッタの目も当然黒いので、なんでいきなり赤い目を真ん中にドンと据えたんだろうと、ふと気になった」
やんま「……まぁ緑に赤はすごい映えますよね、目立つっていうか(補色だから)。なんで赤なんだろう? クロスファイヤー(仮面ライダーのボツ案)……があるから?」
SONGEN「暗闇に映えるとかそういうのもあったかもしんないですね」
やんま「そっか光るのか、複眼が。でも別に赤く……ピンクに光るのか」
イゴマス「最初はピンク系ではありますね。ただ、その前にスカルマンみたいな前身がある訳じゃないですか、仮面ライダーのデザインには。最初は骸骨から始まって、そこにバッタの要素を付け加えて……突然目が赤くでっかくなって、国民的ヒーローになっちゃったみたいな。石ノ森章太郎の絵を見ると実写ほどピンク色は少なくて、多分最初から赤い目を意識してたんじゃないかなぁと思うんですけど、どっからこんな巨大な赤い目が出てきたんだろうと」
やんま「(調べながら)スカルマンの目も赤いっすね。クロスファイヤーも赤くて十字(でかい)だし、赤い目ってのは最初から決めてたのかな、じゃあ。なんでなんだろう……やっぱ復讐に燃えるみたいなイメージなのかな」
イゴマス「ちょっと石ノ森章太郎流の赤のイメージは、気になるところですね」
やんま「サイボーグとかは、赤い服着てましたよね」
イゴマス「『サイボーグ009』とか『ゴレンジャー』の赤とか……でも赤自体がヒーローの色っていうのは、ウルトラマンが先輩としていたんで分からなくもないんですけど、目が赤ってだいぶ……充血みたいなどっちかっていうと悪いイメージが浮かびやすいので。やっぱいきなり赤い目をドンと据えたのはすごいな、やっぱ天才の発想なのかなみたいな」
やんま「考えたことなかったなぁ」
イゴマス「地味に青い目のライダーって、カブトの前……G4とかか」
SONGEN「あーG4悪いイメージありますね」
イゴマス「あとは仮面ライダーナイトか。あいつも一応目ありますからね、青く光る……オープニングだけ光るみたいな。だから平成に来るまで青い目って、まぁそもそも赤い目が仮面ライダーって昭和の時代は紐付けられちゃってて、緑色のシャドームーンが限界だったと思うんですけど」
やんま「平成ライダーは赤い目多いですね……青い目は本当にカブトとビルドくらいかな、主役だと。左右で違う(オッドアイ)っていうのも、斬新ですよね」イゴマス「そこはビルドでかいところ……Wから更に一歩踏み込んだ……」
やんま「パラドクスもね、左右で違いましたけど。だからもう完全にパラドクスとビルドはそっくりっていうか、『平ジェネFINAL』でも言われてたけど」
SONGEN「その前にキカイダーとかもね、あるかもしんないけど」
やんま「キカイダーって目……あれ赤い?」
イゴマス「目は黄色……かな? 目が黄色い先輩も一応ウルトラセブンとかがキカイダーから見ても先輩に当たるはずなんで」
SONGEN「パラドクス、本当は2人変身者がいるとかでしたっけ? 最初は」
やんま「へぇ〜知らないそれ……でもなんかちょっと聞いたことある気もするなぁ」
SONGEN「パラドの混ざる前のやつ結構好きなんですよね、デザイン的に。でもなんか結局パラドってなると青の方になっちゃったじゃないですか」
やんま「あぁ、パラドも青がメインで赤がサブっていう(珍しい例ですね)」
SONGEN「あー、でもそれはなんかなっちゃったって感じがする。結局混ざってみたいな……だからあんまり99の方は好きじゃなくて。……でビルドですよね、俺前ちょっと"はしたない"って言ったけど。赤と青混ぜちゃって……みたいな。
そもそも『ビルド』って、武藤さんが来るまでの前の話が一回白紙に戻ってるって大森さん言ってて、元々何でも対応できるようにおもちゃのデザインは考えてたんですって。だから放っとくと、動物モチーフをつけたがるらしくて。フルボトル……成分みたいにして理由付けてはいるけど、結局動物,無機物である必要ってないじゃないですか……あれって結構おもちゃ先行で。さっきまで固体気体の話もされてて(※1)、スチームパンク風のファウスト組とかね、デザインかっこいいんですけど。そんなに意味付けは多分、後付けなんだろうなって」
やんま「動物はモチーフとして出しがちですよね」
SONGEN「最近もうホントに節操なくやってますよね。『リバイス』も……『セイバー』はやってないか、『セイバー』は結構属性タイプでしたけど、『ゼロワン』もそう」
やんま「戦隊の方法論なのかな」
WW「全員、動物のイメージはありますね。令和ライダーは全員。ブレイズが一応ライオンカテゴリに入りますし。子供に親しみやすいですよね、やっぱり動物が」
SONGEN「そうそう……『リバイス』も、パワーアップ形態が属性になりましたからね」
やんま「なんだっけ、サンダーゲイル? 僕黄色好きなんで、カッコいいなと思いましたけど(笑) オクトパスライトみたいな色で」
SONGEN「それこそ節操ないなって思いましたね、めちゃくちゃ色混ざってるし。リバイスも赤青っちゃ赤青ですよね」
やんま「そうですね。最初の情報解禁……映画のポスターの時は、バイスが青い方で映ってて、赤青コンビって風に見て欲しいんだろうなって思いましたけど」
SONGEN「『ビルド』は2号ライダーも青いじゃないですか。あ、その前に万丈のドラゴン、イメージめちゃくちゃ問題もありますけど」
やんま「めちゃくちゃ問題?」
SONGEN「キックのとき背後に出るのは東洋風の青龍なんだけど、クローズドラゴン,変身アイテムは西洋風」
やんま「あー、そうですね。腹がでかいドラゴンっぽいですね」
SONGEN「キャッスルドランタイプのね。お前ホント適当だなみたいな(笑) ……なんか元々バディもので、赤青でやるつもりでビルドも赤青だったのかな? と思ったら合体したら、金銀のもありましたよね。あの辺、どう思います? 元から合体するつもりで青だったんですかね、クローズは」
やんま「いやーそれはだって『Be The One』だから……合体するんじゃないすか? そりゃあ(笑)」
WW「最終フォームの候補だったっていうのは聞いたことありますね、クローズビルドフォームは」
やんま「納得感はありますよね、最終フォームって言われても。あのーなんだっけ、キービジュアルでも、クローズの情報何も出てないのに載ってたし。まぁ大きなお友達はみんな知ってたと思うけど」
WW「あれ、後ろ姿しか映ってなかったのっては、まだベルトが完成してなかったんですかね? 後ろだったらクローズドラゴンが映る必要もなかったんで、まだ開発中だったから……」
やんま「あー、なるほどね。それはあるかもしれない。サウザーの目が変わったりして、結構変わることは割とあるっぽいから。
あ、サウザーの目の話もちょっとしたかったんだ。あれも青目で、紫になったんですよね。ネタバレのカタログでは、だから多分設定の段階では水色の目だったんだけど、本編では紫だったよねっていう」
SONGEN「それは覚えてないっすね……。サウザーはもうなんか、いやらしい金みたいなイメージ」
やんま「あー、まぁまぁちょっと分かる。けど、ムテキ見てたから全然僕いい方だなと思っちゃった」
SONGEN「ムテキは……バカの金ですよね」
やんま「めちゃくちゃ下品ですよね」
SONGEN「いやあれは俺好きなんですよ。バカの金……子供が好きそうな、キンキラキンみたいな」
やんま「サウザーは銀が差してあるから、結構……」
SONGEN「大人しめには見えますよね。でも成金的なイメージは持ちやすいのかな?(デザイナー曰く)」
のーと「サウザーおもちゃ屋さん向けのカタログだと、目が青いのもありますけど銀色の面積も大きいですよね、黒い部分がない」
やんま「そうそう、なんかちょっと印象が違うんですよね」
のーと「本編に出てきたサウザーの方が、悪者っぽいですよね」

※1

セイバーVシネ
ほっとかれがちなブルーと4番手なブルーン

ビルドの戦争描写

やんま「『ビルド』の話します? 戦争の……のーとさんも仰ってた、結局宇宙人が悪いで良かったのかって話」
SONGEN「俺、それはずっと思ってますけどね」
のーと「ニチアサとしては全然OKだと思う。単純明快だし、話締める4クール目で仮面ライダーが全員協力して悪いやつをやっつけてっていうのは。分かりやすいし面白いし盛り上がるんですけど……」
SONGEN「あーそれ。下手したらニチアサの都合だからそうなっちゃったみたいに言われそうだけど、俺は単純に武藤さんが落としどころ見つけられなかっただけだと思います、それは」
WW「っていうよりは、個人的には大森さんが多分とりあえず黒幕を出して、敵味方団結させて黒幕を倒すって展開が好きだからって感じしません? 大森さんの作品ってだいたい、正義と正義が戦ってる最中に黒幕がでてきて、ちょっとなんかその話はなかったことになるみたいな印象は」
SONGEN「フォーマットができつつある。紫は敵かと思ったら寝返ってくるみたいな」
やんま「(黒幕枠は)蛮野,クロノス,エボルト,アーク……」
WW「セイバーも一応マスターロゴスいるんですけど。僕的にはマスターロゴスも彼なりの正義を持って欲しかったっていうのは、個人的な心残りではあります」
SONGEN「あー、そういう人もいるんだけど、俺マスターロゴスはあれでいいと思うんですよね。むしろなんかポッと出のストリウスがラスボスになっちゃったんだって思ってましたね。なんか対比うまくできたかもしんないけど、飛羽真と。でもなんか元々ラスボスの予定ではなかったですよね、多分。……そういうところは好きなんですけど。話が追ってく中で変わってくのは好きなんですけど。
でもエボルトが宇宙人なのはでも決まってたじゃないですか、きっと」
のーと「だったら、最初の設計からして問題があったんだろうなって思います。まぁ『ビルド』は、戦争って色々ありますけど内戦ですよね、取り扱ってるのは。内戦が始まるにあたって裏で糸を引いてるやつがいるっていうのはまぁよくある話なんで、別にそれはそれでひとつアリかなって思うんですけど、でも韓国のファンの方々からご意見をいただくやつとかっていうのは、まさに内戦の当事国であるところの人たちから見れば、そう……当然見えるだろうし。
で、『ビルド』がやってる前も後もだけど、シリアとかイラクとか。まぁイエメンとかもそうなのかな、要するに世界中でそういうことはやってる訳じゃないですか。"昔あったこと"とかじゃなくって。
今回まぁ、たくさんの子供が見る……人によっては、僕はあんまりそうは思わないけど、教育番組であるってことを言う人もいるじゃないですか。っていうことが求められる番組の中で、内戦を1クール目から3クール目辺りまで主要な仕掛として取り扱うってところで、ちゃんと、もうちょっと考えてやらないといけなかったんじゃないのかなと、やっぱり思うんですよね」
やんま「なんかでも、エボルトって明言はされてないけど、めっちゃ人工……生物じゃないですか?」
SONGEN「そうですか? 俺それは初めて聞いたな」
やんま「僕割と……前からちょくちょく言ってるんだけど、未来から来た人間が作った科学の終点みたいな存在なんじゃないかなと思って。(公式としては)絶対どこでも言われてないと思うけど、でもしかしたら小説でやるかも知んないけど」
SONGEN「あー、そう落とせばうまくいくってことか」
やんま「そう、エボルト個人がっていうか、ブラッド族自体が……って僕は思ってるんですけど」
のーと「僕は単純にプレデターみたいなやつだろうなって」
SONGEN「あと俺『ビルド』の良くないところって洗脳を軽々しく使うところがね。洗脳ってズルじゃないですか、顔変えるのもズルだけど。あれがね……面白くない、本当に。おちょくられてる感が。
洗脳ってストレスかかるんですよね、視聴者からすると。なんか率先して使う設定じゃないなと思ってて。簡単にカズミン操ってデータ持っていったりとかするじゃないですか」
やんま「あーあったな、そっちか。難波重工とかじゃなくて」
SONGEN「パンドラボックスの光もそうだけど、それもうトリックとかご破産になるじゃないですか。そういう謎引っ張りでやってる割には、うまい設定……適当な設定で誤魔化してるところが」
やんま「そうですね、昨日今日見返してたけど、そこ適当なんかいみたいなところ結構あったかな。
僕がさっき言ったエボルト未来から来た説っていうのは、まぁモチーフが蛇と龍でウロボロス的なニュアンスがあるからっていうのもそうなんだけど、ベルナージュのことを戦兎が人工知能って言ってたんですよ。でも人工知能……ってことなくない?と思ったんだけど、(脚本でわざわざその表現を選んだということは、単なるミスリードではなくて裏設定を匂わせてる可能性があるので)仮に人工知能だとして考えてみたら、未来の科学が発展してどうにもならなくなった地球人が、火星……すごい過去の火星に移住してきて、文明を築いたのがベルナージュたち火星の民で(場合によってはこのとき既に今と同じ形の人類は滅んで人工知能だけの社会になってて、それなら確かにベルナージュは人工知能ということになる)、エボルトたちは追放されたんですよ、宇宙のどっかに。
なんでそう思ったかって言うと、ベルナージュが手貸し過ぎなんですよ」
SONGEN「あれはだから、ご都合……ご都合さんですよね(笑) ベルナージュの名前がその後出てきてないんですよ、死んでから全く出てこない」
やんま「そう、都合がいい。ベルナージュは地球……なんか別に関係ねーじゃんって話なのに、なんでそんな力を貸すかって考えると、多分ブラッド族を生み出した負い目があるからなんですよ、戦兎たちと一緒で」
SONGEN「今の話聞いてると『ゴースト』っぽいなって思いましたけど」
やんま「そうそうそう、多分絶対『ゴースト』意識してるんですよ、『ビルド』は」
SONGEN「いやしてない……多分大森さんは『ゴースト』とか眼中にないと思う、本当に」
やんま「そんなことないですよ、だって『ゼロワン』も『ゴースト』じゃないですか、めっちゃ(ゴーストも意識をデータ化,AI化する話だし)」
SONGEN「それもなんか分かんないんですよね……」
やんま「あの……眼魂島。映画『100の眼魂とゴースト運命の瞬間』見たんですけど、この間。眼魂島が宇宙にふわふわ浮いてて……だから目玉ですよ。目玉が宇宙にふわふわ浮いてて(地球を見てる)って絵面が、完全にゼアじゃないですか。ゼアもあれ目玉……でしょう?」
SONGEN「え? あー、そういうこと?」
WW「あー、うーん、まぁ確かに目っぽいかたちはしてますね」
やんま「あ、あれが目玉っていうのは『2001年 宇宙の旅』みたいな、カメラ(目)がAIの象徴みたいなニュアンスがあるからなんですけど。あれも」
のーと「それは、あると思います」
やんま「(人間をじーっと観察している)1つ目のカメラがAIの象徴みたいなニュアンスがあるから、ゼアも」
SONGEN「いやだからそれは、そういうSFのひとつじゃないですか? 『ゴースト』の意識かどうかっていうとちょっと微妙かな」
やんま「あー、そっか。それはそうかな」
SONGEN「(『ゼロワン』は)どっかで見たことあるような展開が多いんすよね、だから。だから面白味がないっていうのもあるし、設定がご都合主義すぎるとかあるし。
……戦争もね……時節柄、戦争の話になるのかな」
やんま「そうそう、エボルトが本当に外からの侵略者だと、なんかテーマ的に成立しないっていうか」
SONGEN「成立してないんですよ、あれは」
やんま「そうだから、そう考えるとおかしすぎないですか、だって。制作陣何考えてんのって話になるから、あんまりそういう解釈好きじゃないんですよね。あんまり制作陣を低く見過ぎるっていうのは」
SONGEN「なるほどね。今やっとなんか、やんまさんのことが分かりました(笑)」
のーと「僕も気持ちとしてはやんまさんと同じなんですけど、『ビルド』のその部分に関しては、多分駄目だったんだろうなって思って」
SONGEN「俺はとっくのとうに見限っちゃったから、もう」
やんま「小説……でやるのかな? でもなんか、今更って感じもするし」
SONGEN「後付け、後付けですよ」
のーと「いや、されるべきでしょ。時節柄ってSONGENさんのあれが出ましたけど、全世界的なそういう……何が良くて何が悪くてっていう、そういう価値観を揺るがす事件っていうのがありますよね。それが日本だけに関わるときもあるし、世界全体に関わることもあるけど、例えば9.11があって『龍騎』があって……っていうのは有名なところじゃないですか。っていうところに、子供が見る良いやつが悪いやつを倒すっていう番組とか、それに伴う小説みたいなコンテンツ全般ですよね、っていうところが真摯な応答をしないっていうのはありえないことだと思うんですよ、僕は。そうした方がいいんじゃない? じゃなくて、しなければならないとすら思う」
SONGEN「ここへきて本当に、『ビルド』のことはもう一回考えた方がいいと思いますね」
のーと「だからもう、『ビルド』の小説は何年延びてもいいからちゃんとしたのが読みたい。ちゃんとならないかもしれないけど、でもとりあえず期待するだけしておきたいなって思う」
SONGEN「あー、でエボルトのモチーフで言うと、俺ちゃんと見てないけど『家族ゲーム』にあると思うんですよ」
のーと「あー、櫻井くんのやつ」
SONGEN「あいつも、なんでも超人みたいな感じで立ち回って暗躍してみたいなやつなんすよ。家族をね、混乱させて。そこで、これは本当に俺の妄想になっちゃうけど、武藤さんがそこに万能感を得て、メアリー・スーとか言われてるエボルトを生み出して、とりあえずめちゃくちゃにして、オチ付けられませんでしたで終わったのが『ビルド』だと思うんですよ。僕の中では。
まずなんか、仮面ライダーを兵器として扱ったのも『ビルド』が許せないところのひとつではあるんですけど。多分その辺はアメコミとかからきてると思うんで。『アイアンマン』がね、ひとつあると思うんで」
やんま「あー、アメコミの話全然しませんでしたね。スパイダーマンの話とか出ると思ったのに。赤と青ってアメリカの色じゃないですか、割と」
SONGEN「『アベンジャーズ』で言ったら赤と青……キャプテン・アメリカが実質アベンジャーズのリーダーっぽいけど、MCUの始まりで言うとアイアンマンからで、そこも同率みたいな感じでうまくいってる。
『アイアンマン』意識は多分あったんだろうなと思います。それは大森さんかなぁ? 映画好きらしいから。『ドライブ』は『ナイトライダー』でしたっけ?

……でなんか『ビルド』で一発限りのネタかなって思ったら、仮面ライダーは兵器,商品ですみたいなのがあったと思ったら、天津垓も同じこと言ったなみたいなのがあって。まだそれ言うんかいみたいな
やんま「まぁ、それはあったかな」
SONGEN「それでいいの? って。そこからのフォローがないんですよね、だから。兵器で終わっちゃってる気がする、兵器じゃないよみたいなのができてない」
やんま「え、それは『ビルド』は結構、しつこくやってませんでした?」
SONGEN「あー、言うだけ言ってるって感じ。でも、適正に使われてるかどうかは微妙じゃないですか? あー違う、『ビルド』の嫌いなところはだから、結局独りよがりなんですよね、戦兎が。マスクシャに代表されるように。ラブ&ピースって口だけで言ってるだけみたいな、それを鵜呑みにしてる視聴者も結構多いと思うけど。ラブ&ピースって言ってればいいみたいな……それは『3年A組』でもそうだけも。ネットの書き込みでお前ら適当なこと言うなって言ってるだけ。投げかけっぱなし。それをうまく話の中でまとめきれてないっていうか、支持されないまま終わってる」
やんま「支持されないまま?」
SONGEN「周りから理解されなくていいんだけど俺は正しいことやってるんだみたいな、のが多分ある。そこが……オチてない、話として」
のーと「その……言うだけじゃなくって、それがちゃんとかたちになってうまくいく感じになったらいいかなって思ってたんですけど、最後全部創り直す感じになっちゃったんで」
SONGEN「そう、だからね。勝手に神様になってる」
のーと「エボルトにめちゃくちゃにされちゃった元々の世界っていうのがあるじゃないですか。めちゃくちゃになってもうどうしようもないんだけど、そのどうしようもないところからちゃんと創り直さないといけないのが本当にやらなきゃいけないことなんじゃないの、とは思うし。それを頑張ってやっていくための心がけって言ったら、まだちょっと全然駄目かもしれないけど、口だけの部分を口だけじゃないところにしていきたいねっていうのは、そうするしかなくないですか?」
やんま「うん、そこは……なんでもそうっていうか」
SONGEN「……『クローズ』なんか嫌われがちですけど、こんな後付け要らないみたいな。だから先の戦争でみたいな、元々の地球で救われなかった人がいるって描いたのは、真摯だったなと。そこはめちゃくちゃ、俺は評価してるんですよ」
やんま「そうそう、だからエボルトが味方になるって展開……」
SONGEN「そこは本当にただキャラクター動かしたかっただけ、エボルト万丈のコンビをつくりたかっただけだと思う」
やんま「エボルトはだから、さっきの解釈(笑) でいくとそこは結構納得行くっていうか。ずっと人間に対して、お前らこっちの破滅の道に来るんだろ? 行くんだろ? っていうのを試してる訳だから。(そのバッドエンドに)いかないんであれば、それはそれでじゃあ協力していいよみたいなスタンスなんですよ、多分あいつは。いかないことを願ってる……願ってもないんだけど別に」
SONGEN「うーん、じゃあやっぱ小説で帰ってくるべきなんですかね、エボルトは。帰ってきて、で倒すだけじゃないってことですよね、だから。エボルトと決着つけろよって声が多いけど、やっぱり」
やんま「そう、いやうーん。それはどうなんだろうな?」
SONGEN「エボルトの出自を明らかにした上で、人間の業というものは何かを描いて、これから私たちはどうするべきなのかを提示して、それでやっと初めて完結するってことですよね。『ビルド』は」
やんま「倒す……倒す可能性はあると思うけど、全然。人間の"有り得なかった未来"として倒すんですよ、『電王』のカイみたいな。破滅に行く未来はないよってことで、その未来の象徴としてエボルトを消して、だからエボルトが生まれない世界を創るっていう。っていう意味で倒すっていうのはあり得ると思うけど」
SONGEN「あー、子殺し的なことですよね、だから逆に。それは綺麗かもな、確かに」
やんま「まぁ共存エンドも全然あると思うけど。いや(エボルトという"人格"との)共存エンドは……微妙だな、分かんないけど」
のーと「僕は共存エンドの方がいいとは思う。あぁいうエボルトみたいなやつっていうのは、いて欲しくないけど、いるんですよね。まぁあそこまで規模の大きいことするやつってのはなかなかないないけど、現実の世界に。でも大なり小なりそういうことするやつっていうのはいて。それを脇に除けてっちゃうのも、選択肢としてはアリなんだけど、でも大体の場合そううまくはいかないし。なんとか同じところでやってかなきゃいけないから……っていうのをフィクションの中のお話だけど、できたら希望のある終わり方なのかなって思う。戦争を取り扱ったからにはっていうのもあるけど」
やんま「あー、そうですね。そっか"戦争"ってことを考えると、相手を滅ぼして終わりじゃ駄目かな」
のーと「そううまくはいかないけど、でもこいつヤだなって思ってても、とりあえず一緒にいてっても良いかなぐらいにはオチてくれると嬉しいかなとは思います。あ、だからそれも含めて『Vシネ クローズ』ちょっと好きかもしれない」
SONGEN「生き返ったことがね」
のーと「お前が生き返っていいのかって気持ちはあるけど、まぁいるからにはしょうがないからいさしてやるか、ぐらい」
SONGEN「これどんだけ知られてるか分かんないけど生き返らせたのは大森さんであって、武藤さんはえぇ? みたいな感じだったんですよね。俺は商業的にエボルトを生き返らせたんだと思ってますけど、もしすごいちゃんと考えて映画も読み込んでメッセージを受け取ってる、で自分でも発信していきたいとと思ってる人であれば、エボルトを生かした上でちゃんと落としどころを考え直そうって気だったなら……同盟執筆ですもんね、大森武藤。やってくれるんだったら俺はもう、そのときは手のひらをジクウドライバーのように返します(笑)」
やんま「あーだからそう、僕『ビルド』の感想記事でも言ったけど、あの世界で一番悪いのってエボルトじゃなくて難波なんですよ。あいつはパンドラボックスの光とかなしで難波チルドレンとかいうやばいことやってるやつだから(※スカイウォールは10年前だが27歳の紗羽が子供の頃からやってるはずなので、確実ではないがそうかも? ぐらい)」
のーと「普通にやばい」
やんま「あいつみたいなのがいるから、未来でエボルトが生まれてっていう話だとするなら、一番やばいのは難波で、あいつをなんとかしなくちゃいけないんですよ。……で、それをやったのが『ゼロワン』だから。難波を天津にすげ替えて」
のーと「あー、そう読めばそういうことにはなるのか」
やんま「だからエボルトは人工知能アークですよね、まんま」
のーと「これ、監修とかじゃなくって本当に「武藤将吾 大森敬仁」なんだな」
SONGEN「『ドライブ』も書いてるんでしたっけ、大森P」
やんま「『ドライブ』はそう、一人で……長谷川さんが監修でしたっけ」
のーと「そうですそうです。だからプロデューサーと脚本家でどっちか監修とかじゃなくって、2人が同じ大きさでっていうのは、すごいなこれは」
やんま「小説でってなかなかないですよね、共同脚本は結構あるとけど」
SONGEN「相性悪いと思うんだけど(笑)」
やんま「そこは『ビルド』だからなんじゃないですか?(笑)」
SONGEN「エモい(笑) そう、『ビルド』のバディ感って、それもなんかうまくいってない」

(参考:

86ma.hatenablog.com)


バイスの今後

 

次回 第9話「数字/名前」

特撮雑談クラブ 第7回「冬季」

次回 第8回「赤青」 02/26 21:00〜23:00
見たまんま、赤と青についての話です。敢えてこじつけに近い例を上げるならG3とG4の目、フォーゼやエグゼイドXXのようなオレンジと水色の補色も対立構造として含めましょう。今見ているゴーストなんかでは赤い空と青い空というのはアランにとって非常に大事なポイントだったりするし、ウルトラマンコスモスではルナ/コロナモードというかたちでそれぞれ月と太陽に重ねているのが面白い。ネクサスもだけど、ウルトラマンでは結構赤青って多いイメージ。クロスセイバーの時に話題になった「青い炎は赤い炎よりも温度が高い」って話もあるね。
ゼロワンではアークとゼアを通じて赤に悪,青に善というニュアンスを付属させている。赤が燃え上がる炎のイメージに対して青は落ち着いた色なので、あんまり強い敵のカラーには選ばれないイメージかもしれない。現実ではトイレなどで男は青、女は赤だったりもする。
更にそれらを混ぜた紫についての話もできる。闇,毒タイプっぽいので基本は悪役の色だが、ティガや響鬼など主役に当てられることもある。曖昧な中間色というのはそれだけで悪さの記号になりうるが、それを利点として捉えて葛藤や複雑さを内包する高尚さのニュアンスも表現できる不思議な色。
同時視聴する作品は『デカレンジャー』Episode.19「フェイク・ブルー」と、『ビルド』第27話「逆襲のヒーロー」の2本にします。

03/05 第9回「数字/名前」
03/12 第10回「武器」 
03/19 第11回「仮面」
03/26 第12回「戦隊」

特撮雑談クラブ 第6回「贖罪(小説 仮面ライダークウガ)」

 

第7回「冬季」

スピーカー:やんま, のーと, そうた, SONGEN

やんま「今回は冬から色々なところに話を広げていけたらなって感じで考えてるんですけど。クリスマスのエピソードだったり、氷とか雪とかそういうものも特撮で扱われてることが多いんで、そこからの連想で白いキャラとか。さっき僕が見たとこだとシシレッドオリオンとか、『デカレンジャー』にも白いのいましたよね、2人くらい」
のーと「デカブライトデカスワンですかね」
やんま「ブレイクも一応白……じゃあ結構いるのか」
のーと「冬場に出てくるやつは、サンタさんとか雪だるまとかそういうモチーフもあるので、割と白いキャラクターっていうのも出てくるんじゃないかなって思う。『電王』にもそんなイマジンがいたような気がしますし。トナカイだか雪だるまだか分からないやつ(スノーマンイマジン)。あとは雪とは全然関係ないけどダグバとか」
やんま「白いし、雪山だし……あとは『剣』のドンドコドーンのシーンとか。体がボロボロになるって言われて、嘘だ! って言うシーンですよね。なかなか雪のシーンって、あんまり見ないから印象に残るよなぁと思って」
のーと「さっきダグバ言ったついでだと、雪山に白って埋もれちゃうんですね。割とまわりが真っ白なのに着ぐるみも真っ白だとちょっと見えにくいなってのはあるかもしれないですね」
やんま「でもダグバのシーンは白で血が余計に目立ってたりして」
のーと「そうですね、血と……金具と」
やんま「あれはわざと埋もれさせたのかな……でもクウガはすごい映えるのか、黒いから。
あと『FIRST』にも雪出てきましたね、結構綺麗なシーン」
のーと「水の結晶……ですよね」
やんま「本郷が、雪を見て目を覚ますんでしたっけ。あのシーン僕すごい好きで、綺麗だなぁと思って」
のーと「結構綺麗ですよね。なんかまぁ……水の結晶自体は擬似科学みたいな感じであんまちょっとノれない感じもありますけど、それはまぁフィクションだからええかって感じ」
やんま「いい言葉を言えば……ってやつ。あとあれか、『響鬼』の凍鬼とか『キバ』のレイとか」
のーと「冷たいやつとか氷とか、そういうあれは白っぽい感じになりますよね。マジマザーとかもそうなのかな?」
やんま「そうですね、あの人は名前も深雪だし。僕白いキャラ好きなんですよね」
のーと「割と真っ白みたいなやつって少ないですからね。今回の話題にあった『キュウレンジャー』のシシレッドオリオンも、完璧に真っ白ではないけどメインカラーは白ですよね」
やんま「初期メンのホワイトとかも、ピンクと一緒にされがちというか。純粋な白だけってなかなか……あんまいないですよね」
のーと「スーパー戦隊の白は、ヒロインの色……だからピンクと大体立ち位置が同じのホワイトか、ビッグワン的ホワイトかのどっちかなのかな。ビッグワンとか、オリオンもそうか。でゼンカイザーも」
やんま「(女性は)だいたいみんなピンクがあしらわれてるかな……」
のーと「そんな気はしますね、ガオホワイトとかもそうなのかな。配信やってる『ジェットマン』もそうか。ホワイトスワンもピンクっぽいのか」
やんま「シロニンジャーなんかは、ピンク(モモニンジャー)がいるのにピンク……(笑)」
のーと「そっか『ニンニンジャー』はピンクとホワイト一緒にいるのか。なるほど。
今回冬場だから何でもやっていい感じですけど、ニチアサに関して言えば、4クールなのは変わんないんだけど、放映開始時期がズレたから。仮面ライダーも冬映画もそうだし、冬であるタイミングが半年分ズレてるから、なんかそれでちょっと、あれですよね。昔は最初と最後が冬って感じで、今は最初と最後が夏か秋か……そんぐらいじゃないですか?」
やんま「そうですね、ちょうど中間ぐらい……『ゼロワン』が9月だったから本当に変わり目くらい」
のーと「変わり目くらいですよね。最近は9月も暑いですけど、だいぶ。だから割と平成最初の一期のライダーとか、スーパー戦隊は今もそうですけど、割と終盤のいい感じのシーンに雪とかあったりして、それはそれでロマンチックだなみたいなことは思ったりしますね。この前見た『アバレンジャー』も最後の方そんな感じでしたね。5人揃って初めての時とか。ライダーはズレちゃうけどスーパー戦隊は変わらないのか。
逆にロマンチックでもなんでもないのが最近の『ゼンカイジャー』だったりとか。『ゼンカイジャー』は季節感を大事にしてるんでしたっけ。東映の方だかテレ朝の方だかどっちか忘れちゃったけど、どっちかのプロデューサーが季節感と行事を大事にみたいなことを言ってたような気がする。……で、盆と正月が同時にくる話をクリスマスにやってて、何を大事にしてるんだろうみたいな(笑)」
やんま「とりあえずやれば、時期は問わない(笑)」
のーと「逆に『アバレンジャー』の映画は真夏にクソ寒い話をやってたりとか。『アバレンジャー』は季節感おかしいですよね。冒頭真夏のビーチで、後半は南極になっちゃうし」
やんま「……なんか冬って、切ないイメージですよね。終わり頃っていうか、植物も散っちゃうし動物も眠っちゃうし、作品が終わる時期としてはいいっていうか。年も終わるし……」

 

オフショットのベンチコート

やんま「服装の話を、のーとさんがしてて……防寒対策の話か」
のーと「冬場の撮影っていうか、これは東映の特撮に限らずなんですけど、4クールものだったら必ず撮影期間のどっかが冬に被りますよね。で2クールやるやつも1クールのやつも時期によっては冬場のやつがあったりとかして、割と特撮の……悪役の方が多いのかな。薄い衣装ないしは肌の露出多すぎな衣装でずっと撮影してる感じなのが、いつ見ても寒そうだなって思うし、公式サイトとか雑誌とかに載ってるインタビューとか見ても、あの時期は暑かったねあの時期は寒かったねって話が必ずあると思うんですよ。
これ純粋な疑問なんですけど、今やってる『ドンブラザーズ』もそうだし、『ゼロワン』とかもそうだったかな? 最近はみんなそうか。オフショットで衣装を隠すためなのか防寒なのか、まぁどっちもなんでしょうけど、膝の下ぐらいまである長いコート着てますよね。あれはあれで暖かそうだなとは思うんですけど、あれっていつからあるんでしょうね? なんか最近はあるなって思うんですよ、けど自分がすごい熱心に調べものしてる平成のゼロ年代の辺りとかって、そういうオフの写真とか見てもないなって思って。
自分がちゃんとよく見てる『響鬼』とかだと、童子と姫っているじゃないですか。あれが、衣装がひたすら薄くて、死ぬほど寒いんだと思う。で水場にも入るからめちゃめちゃ寒い。ライダーの人は別の撮影があるから、童子と姫は基本的に山と川にしか出ないけど……例外を除いて。ヒーロー側は次の撮影だとかなんとか言ってロケバスに乗って暖かいの着ますけど、どっか行っちゃうけど、我々はそれがなかったって言ってるのがすごい印象的だったし。
後は終盤ヒビキさんって服装固定されてた気がしますね。これ全然分かんなかったらいいんですけど、固定までいかなくても水色のコートの衣装を羽織ってるのが多くて。それなんでなんだろうなって思って調べてみたら、水色のコート自体は猛士の備品っていう、まぁロゴも入ってるしそういう扱いなんだけど、衣装さんによるとそこらへんの番組後半の衣装の選定っていうのは割と細川さんに一任してたみたいな話があって、それ読んだときになんでなんだろうなって思って、色々考えたんですけど多分暖かいからじゃないかなと思って。一番暖かいんじゃないかな(笑)」
やんま「なるほど、自分で選ぶとそうなっちゃうと(笑)」
のーと「絶対そうだと思う、そこまでは書いてないけど。っていうことも考えると、昔やっぱなかったんじゃない? って思って。いつから例のコートはあるんでしょうね。っていうのずっと気になるなぁって思って、まぁ今確認できるだけの色んな公式サイトとかTwitterとか遡ったら、だいたいこれくらいの年からみんな同じコートを着始めててっていうのが分かるかもしれないけど、そんなんもうめんどくさいからやりたくない(笑)」
やんま「その、昔のオフショットっていうのは、そのまま衣装でいるんですか? それとも暖かそうなのは一応着てるんですかね?」
のーと「暖かそうなの羽織ってるのもあるし、衣装まんまなやつもあるし。で、暖かそうなの羽織ってるにしても、今みたいにみんな同じ柄みたいな感じじゃないなと思って」
やんま「なんか、昔はオフショットだからって言って気を抜かないというか、そのまま衣装で写真撮るっていう感じだったのかなって思ったんですけど、別にそういう訳じゃないのかな?」
 そうたさん参加
のーと「どうなんでしょうね? 人によっては、コート羽織れない事情もあるのかなって。最近見直した『大魔神カノン』ってやつでは、イパダダっていう怪人が、全身白塗りで森の中を駆けずり回らないといけないっていうシーンがあって、多分上から服とか着ちゃうと塗ったのが落ちちゃうだろうし、ブログの方を見たらほぼほぼ全裸に近い男性がストーブに当たってる姿とか見て、これ意味ないだろみたいに思う(笑) 『カノン』の撮影って9月から12月とかのはずなんで、ものすごい寒いと思うんですけど。死んじゃいますよあんなの。童子と姫は薄着ですけど、イパダダはあれ隠してるだけですからね」
やんま「よく、やらせるな……(笑)」
のーと「……で、はじめまして……ですかね?」
そうた「あ、はじめまして、そうたと申します」
やんま「はじめまして〜」
そうた「さっきのコートの件で、私『龍騎』の特別編集の本持ってて、今見てたんですよ。そしたらオフショットなんですけど、杉山さん……優衣ちゃんの人と、北岡先生の人と、あとは須賀さんが、コート着てます」
のーと「あー、じゃあ昔からあるんだ」
そうた「今ぐらいのはベンチコートって言って、あの膝丈のよくスポーツとかで選手が着てるような。北岡先生はそんな感じの厚手のコートを第50話のクランクアップのときに着てる写真がありました」
のーと「そっか、クランクアップの写真はあるかも、割と。昔のやつは」
そうた「そうです。で、北岡先生たぶん薄着の衣装だったんですよね、最終回だったから。最終回っていうか、最後のシーンっていうか、ソファの横たわってる。あと吾郎ちゃんと王蛇と秋山蓮も写ってるんですけど、もうそれぞれはコートみたいな上着を着た衣装なので、防寒しなくてもいいのかなと思うんですけど。だからこの頃にはコートあったんじゃないかなっていう、補足を」
のーと「あーなるほど。ありがとうございます」
やんま「じゃあもう、由緒正しい感じなんだ」
のーと「超全集で昔のやつ見返したらもしかしたらあるかも」
やんま「あ、超全集ってオフショットもあるんですか?」
そうた「(少なくとも)私が見てるのは、超全集じゃなくて『テレビマガジン特別編集 仮面ライダー龍騎』なんですよ」
のーと「ムックですよね」
そうた「そうですそうです。それの本当1ページだけに、舞台裏って形でメイキングの写真が載ってるっていうだけです。あとは各話のあらすじのとかが詳細に載ってる本です」
やんま「そういうのって載せていいもんなんだ。子供はあんま見ないのかな」
そうた「だと思います。子供向けでは明らかになさそうな本なので」

キャラ付けとしての服装

やんま「(調べながら)これか、なるほど……。
服装ってことでいうと、『アギト』の翔一くんって、割といつも暖かそうな格好してんなと思って。一番イメージがあるのは、白いもこもこの……なんて言うんです? あれは。ジャンパーっていうか(1話で着てるやつ)」
そうた「あぁ、パタゴニアの……ジャケットっていうか、フリースでもなく……」
やんま「そうそう、そんな感じの上着羽織ってたりとか、あと真司も結構ジャンパーっぽいの着てますよね」
そうた「そうですね、ダウンジャケットみたいなの着てますね」
やんま「でも五代くんはなんか、Tシャツとか薄い感じの服が多いイメージで、キャラ毎にそういう服装のイメージってあったりするなと思って」
のーと「キャラ毎……ちょっと気になってそうたさんのとは別のやつ見てて、浅倉ってすごい……ですよね。これ浅倉冬でもインナーとか着てないんですよね、上裸にあのジャケット羽織ってるんですよね」
そうた「ホントだ! 第50話でも上裸のジャケットだ(笑)」
のーと「ですよね。だってこれ今見てるの冬のやつだなって思ってたら。言われてみればって感じですけど、すごいな。浅倉のジャケットって、脱獄してどっかから万引きっていうか勝手に盗ったやつですよね」
やんま「多分……あ、そういう設定があるんだ?」
そうた「適当なお店から、服がないからもうわーって盗ってきて、それがこれだったっていう感じです」
のーと「そうですそうです。で、それはいいんですけど、寒くても新しく盗りなおしたりしなかったんだって(笑)」
そうた「インナーがない……(笑)」
のーと「だからキャラクター性と服装で言うと浅倉面白いなって」
そうた「確かにずっとこの衣装ですよね、みんな何かしら違うのに」
のーと「服着なきゃって意識はあるけど、寒いからあれしようっていうのはないんだって」
そうた「逆に神崎士郎はずっとコートですよね、暑くないのかな」
やんま「あいつはなんかもう、着替えるって概念がなさそう。"そういう存在"っていうか、あれ含めて神崎士郎みたいな」
のーと「あれ含めて神崎士郎って言うんだったら、『RIDER TIME 龍騎』あったじゃないですか。あれって役者さん菊池謙三郎じゃないけど、あぁいう神崎士郎っぽい服装を着てたらそれっぽく見えるよねっていう。役者さんじゃなくても、パッと見の服装でキャラクターがもう分かる。
服装で言ったら、折角『龍騎』の話なんで『龍騎』だったら、『RIDER TIME』の人たちってなんかオリジナルと似てるんだか似てないんだか分かんない微妙なライン攻めてる人が多かった気がするんですよね」
そうた「確かに。あれはもう、オリジナルとして見てましたね。ベルデとか違うじゃないですか」
のーと「ベルデはもう全然違いますよね」
そうた「あと私、ライアの人初めて見たとき誰? ってなっちゃって……顔が」
のーと「そうですね、顔も体型も割と……」
そうた「でも服装で、あれもしかして……ってなったんですよね。もしかして、手塚? ってなって」
のーと「芝浦は割と芝浦のまんまだったかなってイメージがありますね……どうだろう」
やんま「なんか結構、幼さを残した感じの……」
そうた「『RIDER TIME』も浅倉これでしたっけ? 衣装」
やんま「ヘビ柄の(笑)」
のーと「『RIDER TIME』もそう……ですね(笑) あぁそっか、タイガは全然違う服装だけど、インペラーは割と佐野くんもこういうの着るかもぐらいな」
そうた「確かに、このジャケットっていうか。社長になってからはスーツですけどね、ずっと」
やんま「あー、タイガこれは着なそうだな」
のーと「で、シザースもだいぶ別ですね」
やんま「あの人は刑事だから、スーツでしたっけ?」
そうた「そうですね、コート着てる」
やんま「だいぶカジュアルな感じに変わってますね」
のーと「今画像検索したついでにシザースの石橋やってた中島健っていうモデルのブログ見てるんですけど、「皆さん色々な意味で大好きな仮面ライダーシザース 石橋役演じています。卑怯もらっきょうも大好きだぜ〜 ってな」って書いてあるんですけど、卑怯もらっきょうも大好きなシザースって『ディケイド』ですよね(笑)」
やんま「そうですよね、本編じゃ言ってない……どこで知ったんだろう」
のーと「シザースって登場回数が少ないから、5,6話とTVSPと、で『RIDER TIME』とって感じだから、割合で言ったら「卑怯もらっきょうも大好きだぜ」が10%弱ぐらいあるんじゃないかなって(笑) 全シザースの中だと」
やんま「結構占めてる(笑)」

 

クリスマスの退場と売り上げ

のーと「あと、ちょっと今回の冬ってテーマからはズレちゃうんですけど、僕そうたさんはお初にお目にかかるんですけど、アイコンが秋山くんでヘッダーもナイトってことで、『アギト』『龍騎』『555』が特に好きって感じなんですけど、『龍騎』がやっぱり一番好きな感じなんですかね?」
そうた「難しいですね……話としては『アギト』が好きだけど、変身者としては『龍騎』が好きで、ライダーとしては『555』が好きみたいな、そういう感じなんですよ」
やんま「あーなるほど、そういうのありますよね」
のーと「えっと、じゃあそうなるとライダーが好きっていう『555』はガワが好きってことですか?」
そうた「基本そうですね、ガワが好きです」
のーと「なるほど、ありがとうございます。……このスペースに集まってる人たぶん、年齢的に平成一期の頃ドンピシャの方が多いと思うので。僕もそうなんですけど」
そうた「あ、でも私も世代『クウガ』とか『アギト』ぐらいなんで」
のーと「じゃあおんなじぐらいですね」
そうた「でもライダーにハマったのが『セイバー』からだったんで、全然知識とかないので、ちょっと聞いてみたいなって思って」
のーと「え、すごい気になるな。それは『セイバー』きっかけで見始めて……」
そうた「で、色々見始めたんです」
のーと「わぁ、すごい」
やんま「あんまり聞かないタイプですね」
そうた「なんか仕事が、おもちゃ売るようなお店で働いてるんですよ。で、次の仮面ライダー小説家と剣豪ってナニ? ってなって、ちょっと見てみようかなって思って見てみたら、賢人くんのビジュアルにハマってしまって、エスパーダのガワも大好きになって、一応半分くらいまでは見たんですよ。で賢人くんがあんなことになったのでちょっと、心が保たなくなって脱落して、あとは色々……『ビルド』とか『ゼロワン』とか、で今は平成一期にすごいハマってるって状態です」
のーと「"あんなこと"になっのも冬場……なんですかね」
そうた「あ、12月ですね」
のーと「冬場……クリスマスって言うと、『エグゼイド』辺りからかな? 割と定期的にいなくなられる方がいらっしゃいますよね」
やんま「そうですね、味をしめたっていうか……(笑) なんか『エグゼイド』の時は一回炎上してましたけど。……Twitterで"なんできりやすぐ死んでしまうん"ってハッシュタグ付けて、公式Twitterが炎上したんですよ」
のーと「あー、ありましたね」
やんま「だからなんて言うの、それを踏襲する? クリスマスに退場ってのを踏襲する勇気はちょっとすごいなって思ったりして」
そうた「そうなんですよね、なんか変にドキドキしちゃうっていうか。映画とかもちょうど冬じゃないですか。だからこれが下手したら最後の姿に……とかって思うとすごい悲しくなっちゃって、純粋に見れなくなっちゃったっていう」
やんま「なるほど……」
のーと「さっきおもちゃ屋さんって話があったと思うんですけど、例えば今回の『リバイス』とかだと、ヒロミさんのベルトはプレミアムバンダイだからあんまり関係ないかもしれないんですけど、クリスマスでいなくなっちゃうキャラクターのおもちゃって、売れたり……逆に売れなかったりとかってあるんですか?」
そうた「えーっと……特に動きはなくて、『セイバー』の時はソードライバーが共通だったじゃないですか。だからそもそも特にそれがなくて、『ゼロワン』は迅くんでしたっけ? 『ゼロワン』はそのとき全然知らなくて、興味がなくて覚えてないんですよね……でもクリスマスは、エビルとライブのベルト(ツーサイドライバー)が結構売れてました」
やんま「そっか、クリスマスくらいか」
そうた「下手したら普通の、一輝くんが使ってるの(リバイスドライバー)より売れてんじゃないかって錯覚するぐらいのときありましたよ」
のーと「じゃああれなのかな、リバイスのベルトは先に買って、クリスマスプレゼントはエビルのやつみたいな感じになるのかな?」
そうた「……の可能性はありますね。その頃にまたライブが活躍っていうか、いい感じだった記憶が」
やんま「変身音的にも、リバイスドライバーはレックスだけだけど、2種類変身聞けるからお得ではあるよなぁ」
そうた「でも正直厳しいですね、動きがあんまりない」
やんま「あんまり関係ないんだ、へぇ……。さっきの迅なんかは、そもそもファルコンが先行で発売されたんだったかな、確か。だからあんまりクリスマス商戦とは関係なかったりして」
そうた「あ、そうなんですか?」
やんま「そうでしたよね、確か。ファルコンキーが先行で発売して……スタート前に。『ジオウ』の映画(『Over Quartzer』)に先行登場したのもファルコンだったんですよ、ゼロワンのファルコンが先行登場して、先行発売っていう形で。だからクリスマス商戦っていうことで言うと、滅亡迅雷フォースライザーが……だから滅かな? まぁ滅も死んだけど、あの辺りになるのかな。あとあれか、シャイニングホッパーとアサルトウルフもそれくらいか」
そうた「『ゼロワン』のとき見てなかったんで、滅亡迅雷とかってなんでこんな物騒な名前のベルト……って思って、すごい戸惑った記憶があります」
やんま「そうですよね、"滅亡"って……(笑)」
そうた「でサウザーの見てすごいフォームいかつくない? と思いながら売り場に出してました」
やんま「ツノがいっぱい生えてて……」
そうた「そうなんですよ。で上司とかから、やっぱ昔の平成ライダーのときはベルト、開店前から人がたくさん並んでて大変だったって言ってて。結構大変だったみたいですね、平成の最初っていうか」
やんま「へぇ〜! あれかな、『555』辺りのことかな? 『555』は結構ベルト売れたって聞くけど」
そうた「そうなんですね。ちょっといつかは分かんないですけど、一期とか二期とか……。オーズまでぐらいじゃないですか?」
やんま「あー、売上的には『フォーゼ』が一番なんでしたっけ? 確かそうだったと思います、玩具売上的には」
そうた「そうなんだ、すご……。なんかおもちゃの、『ゼロワン』でいうプログライズキーとか『セイバー』でいうライドブックみたいな変身アイテム、あれの形態が毎年違うじゃないですか。私それで結構売上左右されると思ってるんで……なんか、機能が付きすぎてるっていうか。光る音が鳴るで、もう1400円はするじゃないですか、確定で。鳴らないとまぁ1000円弱。だからやっぱりこれからもそれくらいの単価になるのかなって予想は、個人的にしてましたね」
やんま「そうですね、これから音も鳴らない光らないっていうのは、あんまりなさそうかな……でもライドブックは光んないのか。プログライズキーは光って鳴って、ライドウォッチもそうか」
そうた「私、平成初期のベルトの……変身アイテムを見たことがないので、おもちゃ買ったことあんまなくて。どんな感じだったんですか? 結構簡易的な……フォームとか」
やんま「簡易的……うーん、まぁベルト一本買えば、何フォームかに変身できるって感じで……」
そうた「え、お得……」
やんま「そうですよね(笑) クウガは基本4フォームになれるし、アギトも3フォームなれるし……まぁ龍騎はちょっと例外で簡易的だけど(※実際はデッキケースがナイト,ゾルダ分も付いてて、3ライダーに変身できたらしい)」
そうた「『龍騎』はデッキがバラ売りだったんですか?」
やんま「あれ……どうなんですか?」
のーと「デッキがバラ売り……ですね。例えばゾルダの武器を買うとゾルダのデッキ(カード)が付いてくるみたいな」
そうた「え、ゾルダのデッキ売ってたんだ!」
のーと「そうですね。割と『クウガ』と『アギト』の売り方をパワーアップさせたみたいな。『クウガ』はライジングフォームのセットを買うと、武器をパワーアップさせるついでにベルトも金色のやつが付いたりとか。で『アギト』はバーニングフォームとシャイニングフォームの武器を買うと、変な白いあれがベルトにくっつくじゃないですか。ドラゴンズネイルが武器のおまけでくっついてて、バーニングフォームのかたちのベルトになりますよって」
そうた「え、すごい」
のーと「っていう感じなんで、『龍騎』と『555』は『クウガ』と『アギト』の売り方をちょっと変えた感じになるんじゃないかなって思います」
やんま「ファイズはそもそもあれか、フォーム数が少ないから……あんまりお得感みたいなのはないけど。考えてみたらあれでベルト売れたってすごいな(※フォームの代わりに武器や電話として使える付加価値がある)」
そうた「……私『フォーゼ』見たことないんですけど、あれって4つあって、全部に挿すんですか?」
やんま「全部取り外せますね。あ、でも変身のときは最初から付いてて、いちいち付けたりはしないんですけど」
そうた「へぇ……フォームチェンジは入れ替えるってことですか? あれを」
やんま「そうですね、右の1個だけを基本」
そうた「右の1個だけ……」
やんま「一番右のが基本的にはフォームと一対一対応になってて、フォームチェンジが2種類あって、中間が変わり種で右と左の2個変えるってやつが出てきて、って感じですね」
そうた「結構なんか複雑……っていうか」
のーと「ですね。『セイバー』と同じ感じで、フォームチェンジのきっかけになる特別なアイテムがいくつかあるみたいな感じですね」
そうた「なるほど。最近『ジオウ』の……ベルトの機能が凄すぎて、一人で泣いて感動しましたもん。回るって、めっちゃ感動して今めっちゃ欲しいんですけど、めっちゃ高いっていう」
やんま「あ、そうなんですか? 今高いんだ」
そうた「それでも6000円とか」
やんま「あーそっか。安くなるやつは安くなりますもんね」
のーと「今その……さっき売り上げの話が出たから、ちょっと怪しげなサイトをたくさん見てるんですけど、曰くやっぱり『フォーゼ』が長いこと1位だったんですけど、『ジオウ』が結構売れてるみたいで、今んとこ数字だけで見ると『ジオウ』かも」
やんま「あ、そうなんだ! 更新されたんだ、知らなかった」
そうた「じゃあ2位が『フォーゼ』……?」
のーと「2位が『フォーゼ』なんですけど、ただ『ジオウ』のおもちゃって割と凝ってたんで、売り上げで見ると『ジオウ』が多分一番なんですけど、おもちゃをつくるコストですよね。フォーゼのスイッチって、すごいつくりが簡単だったんで」
やんま「えっ、そうですか? 割と……」
のーと「あー、なんて言えばいいんだろ? 構造は複雑っちゃ複雑なんですけど、液晶とかなかったじゃないですか。だからそういうこと考えると一番儲けてるのはやっぱ『フォーゼ』なんじゃないかなって思う」
やんま「あー、そうですね儲け……いやでもライドウォッチも言うて(金型つくらず)シール変えただけじゃないですか?」
のーと「そっ……か、そういえばそっか。一応音は鳴るには鳴るけど、フォーゼも鳴るスイッチはあるか」
やんま「で、めちゃくちゃ数出してるから。最強フォームとか、プレバンとか」
そうた「でも、ランキングいま見てたんですけど、2位(※当時)が『鎧武』ですか?」
のーと「……『鎧武』も売れてる方ではあるんじゃないですかね」
そうた「『鎧武』もちょっと見たことがないんですけど、これはロックシードですか?」
のーと「『鎧武』はロックシードのギミックがすごい面白かったんで、最悪ベルトなくてもロックシードだけあれば、なんか音鳴るしみたいな感じ」
そうた「へぇ……やっぱ平成二期が大半を締めますね、ランキングだと」
のーと「そうですね……これ『響鬼』ホントに酷いな(苦笑)」
やんま「あぁ……売り上げ?(笑)」
そうた「あ、『響鬼』は見ました!」
のーと「どう……でしたか?」
そうた「面白い、めっちゃ感動して泣いちゃって最終回」
のーと「良かった……!」
そうた「"良かった"(笑) あの、噂は聞いております。でも予想以上に面白くて……人間ドラマって感じじゃないですか、もちろんカッコいいですけど。それが非常に、心に刺さりました」
やんま「そうですね、『響鬼』は割とドラマ重視ですよね。……ドラマ重視っていうか(偏重っていうか)」
のーと「"ドラマチック"ではないんだけど、細かい積み重ねとかはたくさんある感じですよね」
そうた「もう早く音叉が何か、コンセレが出てくれないかっていうのを、毎日願っている……」
のーと「それは……『響鬼』のファンは多分みんな(笑)」
そうた「だから、前なんかCSMのタグあったじゃないですか。あのとき本当に心から願ってタグを打ちました」
のーと「ありがとうございます(笑)」
そうた「いや全然(笑) 欲しい……でも映画見てないです、まだ」
のーと「映画面白いですよ」
そうた「色んな鬼の人が出てくるっていうのは分かるんですけど、話はまだ分かんなくて」
のーと「多分『アギト』の話とか『555』の話とか好きだったら超好きなんじゃないかなって。……多分、多分ね」
そうた「なんで保険を(笑) 面白いという話は聞いてます、いつか絶対見ますんで」
のーと「ぜひぜひ」

現実との経過時間のズレ

のーと「……で、今回やんまさんの方がお題をいくつか用意してくれてて。まぁ冬だから白いキャラとか雪山のシーンとかは分かるんですけど、一番最後の"困難を乗り越える"って、これなんですか?」
やんま「あー、まぁ"冬を越す"っていうのは、困難を乗り越えるっていう意味の……慣用句? っていうか。動物的にも、植物が生らなくてなかなか食べ物が手に入らなくて、冬を越すにはどうしたらいいかっていうのを、知恵を絞ってるっていうか。だから割と1年の中だと一番、きつい時期なのかなって思って」
のーと「まぁ、そうですね」
やんま「言っちゃうと、話題が欲しいから色々こじつけたんてすよ(笑) 特撮だから、困難乗り越えるシーンはいっぱいあるだろうと思って」
のーと「本編の時系列で言うと、『クウガ』とかは直接それじゃないかなって。冬を乗り越えてるっていうか、雪山であれして、後日談の時系列が4月27日なんで、まさにそういうところに当てはまる……かな? と思ったぐらい。冬が終わって春が来てっていうことで」
やんま「そうですね、『クウガ』のキャラクターってみんな植物だから、冬は結構キツいんじゃないかな」
のーと「あぁ、そういう……全然こじつけですけど、椿とかは冬でも花が咲くなぁって思って」
やんま「あーそっかそっか。たくましい……」
のーと「全然これは、なんの意味もない思い付きですけど。『クウガ』は割と、作中の日付でもまる1年なのかな。1月29日の夜からだから……まる1年」
やんま「他の作品も基本は、だいたい沿ってますよね。まぁ本当にだいたいですけど」
のーと「まぁ『アギト』は『クウガ』みたいに、今が何月何日でみたいな気持ち悪い細かさはないからあれだけど、でもレストラン開業するまでの間は割と時間が空いてるのか?」
やんま「後日談っていうか、エピローグは割と時間経ちがちですね。『龍騎』も最後は……あれ時間結構経ってるのかな」
のーと「時間というか……」
やんま「時間というか(笑)」
そうた「『龍騎』ですか? えっと、日にちが出るシーンはあって……優衣ちゃんの誕生日の日とか。あれが放送日と一致してるかっていうのを、ちょっと今見てます。『響鬼』の最終回も何年後とかでしたよね、何ヶ月? 飛んでましたよね」
のーと「『響鬼』は1年後……」
やんま「1年後、へぇ……え、でもなんか白衣着てましたよね」
のーと「あれは……『響鬼』の最終回ちょっとおかしくて。いや、おかしいのかおかしくないのかは解釈が分かれるところですけど、おかしいんですよ。だってお医者さんになりたいっていう夢はまぁ、いいじゃないですか。でもなんかお医者さんになりたいから病院で白衣着てバイトするっていうのはなんかちょっと変な感じですよね」
やんま「そうですよね、白衣……着るか?(笑) っていう」
のーと「で、ご飯食べてるときも勉強してっていうシーンがありますけど、医学部の大学入試の対策じゃなくって、国家試験の方のテキスト見てる……なんか、なんか変なんです。絵的な分かりやすさ重視だと思うんですけど。
絵的な分かりやすさ重視じゃなかったら、その……あるじゃないですか、明日夢くんが3話とか4話の辺りで、受験勉強を放ったらかして屋久島の写真見てるときとか、図書館で。だから、なりたいもの,憧れのものを見つけたときの明日夢くんがちょっと背伸びし過ぎてなんかよく分かんないことしてるみたいな感じだったら、キャラクター性かなってぐらいで。屋久島の写真見てもヒビキさんには近づけないでしょって、いま病院のバイトしてもお医者さんに近づけないでしょって(笑) でもそれが明日夢くんのかわいいところだよね、で納得してもいいかも(笑)」
やんま「それいいな(笑)」
のーと「僕はその、お医者さんっていう夢を決めたんだよっていうのを、メインの視聴者は子供な訳だから、分かりやすく見せるためにそうしてるんだと思うけど、まぁそうじゃないんだったら明日夢少年の微笑ましい部分かなって」
やんま「どうなんだろう、並行して勉強する余裕とかあるのかな?」
のーと「いや、ないですよ(笑)」
そうた「……あ、『龍騎』調べました。優衣ちゃんの誕生日が近付くと……みたいな話あったじゃないですか。優衣ちゃんの誕生日が1月19日なんです、でその誕生日まであと1ヶ月だよねって話の放送日が12月15日だったんです。だから一応リンクしてるっちゃしてるって感じなのかもしれないです」
やんま「あー、なるほど」
そうた「あとタイムベント使ったときあったじゃないですか。真司くんがもう1回同じ月日を繰り返すみたいな。で、確か時が戻ったときのカレンダーの日付けが確か2月だったんですよ。『龍騎』の放送開始が2月3日とか10日とかなので、まぁ合ってるなっていう感じですね」
やんま「じゃあだいたい、放送してる日付けに沿ってって感じなんだ。まぁでもだいたいそうですよね、たぶん。そう離れてるやつはいないんじゃないかな」
のーと「割と『555』とかは時間の進みとかどうでもいいんじゃないかなって。あれはもう、半年……3ヶ月くらいの話って見てもまぁいいだろうし、2年3年ぐらいの話って見ても別におかしくはないだろうし、ぐらい。あんまり長いとおかしいですけど」
やんま「『555』季節ネタ……やってたっけ? なんかクリスマス祝ってたりとか……してないか(※スーパーヒーロータイムのコーナーでサンタの格好はしてた)」
のーと「『555』は季節ネタはない……んじゃないですか?」
やんま「ないか、そっか。じゃあその辺はズレてても分かんないのか」
のーと「……『響鬼』はかなりかっちりしてるのか。『響鬼』は何かにつけてあったな。明日夢くんの受験もそうだし夏祭りもそうだし。
……『W』とかも割とどうでもいいに近いかも? 時間は進んでるんですけど、確かに。別にそれが何ヶ月……っていうか、ペース的にはどうでもいいっていうか。もちろんフィリップがいなくなった期間っていうのはちゃんと決まってるんですけど。だから『風都探偵』にしろ本編にしろ、依頼が来て、揉めて、犯人が分かって解決して……っていうお決まりのパターンはあるんだけど、どれくらいのスパンで起きてるかとかは割と、そんなかっちり決まってないのかな」
やんま「そんな定期的(2週間おき)に起きてても変ですしね」
のーと「だから半"サザエさん時空"ぐらい」
やんま「そう……ですよね、クリスマス祝ってたのも映画だしなぁ」
のーと「だから、白倉さんの言う『サザエさん』的番組に近いのは『W』みたいなやつなのかな。同じフォーマットで永遠に話を続けられそうなやつ。1年ものって制約があるから、話の縦軸みたいなのを用意してるけど、みたいな。『風都探偵』にも一応あるけど、進みがそんな早い訳じゃなくて。『ゼンカイジャー』もステイシーの話なかったら3年とか4年とかやれるみたいな。やってどうするんだって感じだけど。
『フォーゼ』とかはそれが、『W』以上にできないようになってる。季節ネタ,行事ネタがかなりあるから。……そっか、『フォーゼ』冬って言ったら卒業式のネタがあるのか」
やんま「なんだっけ、あの……ダンス? プロムか」
のーと「あれ、さっきやんまさんから冬は切ないよねって話があったけど、そんな感じですよね」
やんま「あれって冬……? なのか、そっか」
のーと「かみのけ座のコーマ・ゾディアーツのあれは、僕『フォーゼ』見てるときはだいたいそれぐらいの年頃だったんで、すごい分かるなって思っちゃった。この学校にずっといられるんだったらいたいよねみたいな。で、後から見たときに感情移入する方が違ってたのかなって思いました。後から見直したときに、中学生高校生くらいのときに見てたときは、ずっと入れたらいいよねってことを思ってたけど、何回か自分が卒業とか入学とか繰り返してると、だんだん綺麗に出てくのもいいよねって思いが出てきたりして。見方は年によって変わるかもしれないですね」
やんま「あんまり年経ってないと、あの頃に戻りたいなぁとか思いがちですね」
のーと「かもですね。だから仮面ライダー,スーパー戦隊,その他諸々、子供番組であることはまず間違いないんですけど、見る歳によって見方がちょっと変わるっていうのはあるかなって思うし、いいことかなって思います」
やんま「……「現実と時系列が全然違うの、99×2で最終回でまだ本編開始から半年しか経ってない『ゴースト』とか」」
のーと「あー、あったな(笑) 闘魂ブーストの回とか、今まですごい進みが遅かったのに、えげつない勢いで日数が進んでくやつとか。もっと真剣に探せよって思ったりもするけど、それはともかくとして」
やんま「あれも切ないですよね、御成がカレンダーを見てなくシーン。あれも……冬? 年末か」
のーと「あれも年末年始ぐらいですよね」
やんま「じゃあなんか、クリスマス……の原型みたいな?」
のーと「クリスマスで死ぬやつ0号みたいな、なるほどね(笑) ……これ『ゴースト』すごい好きな人いたら申し訳ないんですけど、残された時間はあと何日っていう仕掛けがあったじゃないですか。あれを『ゴースト』がものすごく雑に扱ってるのって……度々リセットがあったりとか、すごい勢いで進んだり進まなかったりとかっていうのは、わざとそうしてる……んですかね? 日数の経過をきっちり管理してヒリヒリさせるっていうよりかは、頻繁にそこのルールをかき乱してアップダウンをつくるとか、そういうつくりってことなんですかね?」
やんま「どうなんだろう……公式読本のインタビューとか読んでる感じだと、最初の設定のときから年末辺りで1回死なせたいから、3ヶ月(1クール)ぐらいってことで100日だよねって逆算して決められてるはずなのに、それがまぁ、あぁなってる訳ですよね。だからなんなんだろう、どうしてあぁなったのかな」
のーと「どうなんでしょう。すごーく嫌な見方をすると、1クール目はそれでって感じで、後のことはあんまり……ってことだったのかもしれないけど。転がしてみてから考えるみたいな」
やんま「……僕も……まぁ『クウガ』もだけど、あんまり『ゴースト』の日数って気にして見たことなかったな。当時も」

 

冬の時代とウルトラマンの統一性

のーと「この"冬の時代"っていうのが気になるんですけど」
やんま「あーあれですね、例えば仮面ライダーだったらやってない期間があったり……みたいなことも言えるし、売り上げ的に不振だった時期とか、そういう広げ方もできるかなと思って」
のーと「今のウルトラシリーズって、商業的には好調だけど、マニアからはそこまでウケてない『トリガー』とか。っていうのはあったりするけど、一応シリーズ……ニュージェネとして続いてて、昔みたいに4クールとかそれ以上みたいな感じではないけど、ってことを考えると、冬の時代って訳ではないのか」
やんま「なんか、だんだん……春もうすぐ来るかな? くらいの感じなのかな」
のーと「昔に比べると展開の仕方も多様になってきてる感じですし。僕は『ウルトラギャラクシーファイト』とか見てると、なんか昔見てたウルトラマンがわちゃわちゃしててかっこいいなぁとか思ったりしますけど」
やんま「『ギャラファイ』ってあれでしたっけ、タルタロスとかが出てくるやつ? 坂本監督が撮ってる」
のーと「そうですそうです。割と色んな作品のキャラクターが出てきたりもして。なんて言うんだろ、東映の春映画とはだいぶ趣が違うなって思ってて、大集合系でも。割とキャラクターに沿った見せ場とかを用意してるっちゃしてるのかな、たまにすごい雑なのもありますけど。雑っていうか、お気に入りのキャラクターだったのにこんなことが……みたいな時もあるけど、まぁまぁそれはいっかみたいな感じなんで、春映画的……運動会的な見せ方とはちょっと違うなって思うし」
やんま「運動会、なるほど(笑)」
のーと「みんなで走ってる感じ……(笑) とはちょっと違うなって思うし、割とそっち方面のつくり方だったら東映よりこっちの方がまだ好きかもって。
好きなんだけど、今はウルトラ……あ、昔もそうですね『アンドロメロス』とか『レッドマン』とかあるから、円谷のヒーローもバリエーションがないって訳じゃないんですけど、ウルトラの方は割とデザインのコンセプトがずっと一貫してる感じじゃないですか。それこそさっき出てきたアブソリュートタルタロスとかは変化球ですけど。だからバリエーションって言えばいいんですかね、造形の……とか見ると、華があるのは東映の方かなって思っちゃう。まとまりが……」
やんま「そうですね僕……あんまり見てないからかもしれないけど、あんまりウルトラマンは見分けが付かないっていうか、みんな同じに見えちゃうっていうか。だから、たまにいる青いやつとかがすごいかっこいいなって思ったりするんだけど。子供の頃もネクサスのブルーが好きだったかな」
のーと「青いと目立ちますよね。僕もかなり好きですジュネッスブルー、かっこいいですよね。ネクサスのブルーは代替わりして、赤いときと比べるとアクションが軽快な感じなのかな。最初にネクサスに変身してた人は、落ち着いてる雰囲気もあったし、苦戦することもまぁまぁあったんですけど、割と青になってからスピーディーな感じだなみたいな。
『ネクサス』以前もウルトラマンが軽快にアクションするっていうのは割とあったんですけど、それこそティガの紫とかダイナの青とか。そういうのはあったんですけど、なんかそれよりもうちょっとスマートな感じなのかなって、見てて面白いなって。小さい時に見たときもそう思ったのかな。もっさりしてないっていうか。だから今でも割と好きですね」
やんま「へぇ〜! 僕が子供の頃に好きだったっていうのは、雑誌とかで見てって話なんで(笑) 本編はあんまり分かんないんですけど。放送……してなかったのかな? 僕んとこは。でもめっちゃスマートでかっこいいですよね」

のーと「……冬の時代って言ったら、仮面ライダーとかは平成でやりなおしてそっからうまいことシリーズが続いたからあれですけど、そういうリブートものっていうか、あれが続かなくてあんまりウケもしなくてっていうのは、結構あると思うんですよね。『キカイダー』とかは定期的に触れられたりするけど、でもテレビでやるってことでもないし、シリーズものって訳でもないし。
この前やってたやつだと『妖怪大戦争』ってあるじゃないですか。あれはメディアミックスだから小説もあるし映画もあるしって感じで、2000年代にも映画化してたし、最近も『ガーディアンズ』っていうのがやってたし、それぞれ面白いところとどうしようもないところがあったりするんですけど……何年かに1回映画やってるから完全に絶えてはいないんだけど、でもなんかもうちょっとたくさんやってもいいのよ、みたいな」
やんま「大映……って『ガメラ』のとこでしたっけ」
のーと「そうそう、大魔神なんかも出しちゃったりして。……だから、割とテレビで見たいなってちょっと思ったりする。もうちょっとだけ欲を言うとさっきの『サザエさん』的番組じゃないけど、そんな大したストーリーとかなくていいから、長く見たいなって。話はいいからキャラクター……キャラクターはすごい立ってると思うんですよ。昔のやつもそうだし最近やってるやつもそうだし。だから冬の時代っていうのはあまりにもあれですけど、面白い……シリーズではないか、面白いタイトルだから、映画だけじゃなくて、もうちょい身近な感じで見たいなって感じで思ったりもします。身近っていうか、テレビ付けたらやってるよぐらいの」
やんま「身近ね……そうですよね、なんかゴジラはテレビシリーズとかやんない……じゃないですか、やってたのかな?(S.Pはテレビアニメだったそう) っていうのは、でかいからあんまり何度も現れると有難みがなくなるからだと思うんですけど、それをちゃんと毎週放送でやってるウルトラマンって意外とすごいのかなって思ったりして。成立させてるっていうか、別にそんな有難み薄れてる……"有難み"って言い方は変ですけど、でかいから頼りになるなって感じは変わってないっていうか、昔から。
……ちょっとウルトラ怪獣の魅力っていうのは、僕あんまり、ピンときたことないんですけど」
のーと「僕も実はあんまりって感じ……ですね。まぁでも怪獣もいるし宇宙人もいるしロボットもいるしみたいな感じで、それぞれにデザインが割と凝ってたりするんで、それは面白いかなって思います」
やんま「あそっか、ウルトラマンは年間通してコンセプトがあるとかじゃなくて、割と自由にポンポンポンッて出る感じなのか」
のーと「かなりバラエティに富んでますし、怪獣を生み出すアイテムみたいなのが最近は出たりしますけど、アイテムは共通だけど出てくるやつはてんでばらばらみたいなとこもあるし。それと最近は昔の怪獣を使ったりとかすることも多いんで、まぁウルトラはずっと前からそうですけど。ってことで、何かコンセプト的に共通させようとしてた部分があっても、全然違うのがたまに入り込んだりとかっていうのがあるんで、結果的にバラバラみたいな。バラバラなのが魅力的なのかな」
やんま「統一されてるウルトラマンとの対比で……みたいな?」
のーと「だからもしかしたら、円谷と東映の特撮両方好きだって人はまぁまぁいるだろうし僕もそうですけど、どっちかに偏る場合ってのがあるじゃないですか。何かその、理屈っぽい方が東映の怪人とかに惹かれるのかな……ってか仮面ライダーの方か。なんか単一のルールとかお約束で理解しやすい。怪人と仮面ライダーはだいたい同じようなもので、それぞれシリーズ化されてるから見栄え的としても統一されてるし、これはこういうもんだよねって納得するときにも、しやすい。
ウルトラマンはちょっとよく分かんないところっていうのが元々ある……一応M78星雲その他もろもろマルチバース色々あるけども、だいたい出身が分かってて……っていうのは設定としてあるんだけど、なんか神秘性みたいなのってのがずっと昔からあって。さっき言ったように敵のキャラクターはバリエーション豊富で分類不能だしみたいな感じの、ごっちゃり感って言えばいいんすかね。よく分からない感みたいな」
やんま「そうですよね、ウルトラ怪獣って僕でも知ってるような有名どころだとバルタン星人とか、キングジョーとか、レッドキングとか? 今出た3つだけでも宇宙人,ロボット,怪獣って、バラバラですもんね」
のーと「バラバラですよね。まぁバルタン星人とかゼットンとかっていうのは、似てるやつっていうか同種のやつとか何代目とかあるから、そういうラインナップというかあれの中に入るんだろうけど、でもすごい有名じゃないやつらですよね。なんなんだこれみたいなのもたくさんいる訳で。例えば僕が見てた中だと『ウルトラマンコスモス』だと、なんか戦国時代の怨霊が怪獣になってたりとか。人型なんですけどもう完全に、落ち武者に女の顔みたいな見た目なんですけど。歪なんですよね造形がすごい。そういうのもある一方で『コスモス』の場合はカオスヘッダーっていう割と1年ちょっと、テレビシリーズ通して戦う敵もいたりして。まとめたいのかバラエティに富ませたいのかちょっとよく分かんないんだけど(笑) それが混在してるのも面白いかなって」
やんま「ウルトラマンっぽい見た目の敵も結構いますよね。……結構ではないか」
のーと「にせウルトラマン系列ってことですか?」
やんま「僕が知ってるとこだとベリアルくらい……かな」
のーと「ベリアルはマジウルトラマンだけど……」
やんま「あ、あとダークザギ? とか」
のーと「ウルトラマンっぽいやつってなんか、マニアの人だったら厳格な決めごとがありそうですけど、僕はにわかなんであれですよね、そこら辺はぼんやりとしたイメージしかないけど、もしかしたら『ガイア』のブリッツブロッツとか……あれはデザインモチーフとしては烏天狗ってことらしいんですけど、でもなんか割とツートンカラーでまとまってて、飛んだり跳ねたり胸のところが開いたりっていうのがなんかウルトラマンぽいなって思ったりするし……イメージの話ですよ。あとはブリッツブロッツより遥かにウルトラマンぽいのは、最近も出てきたキリエロイドとか。点滅するし形も変わるしみたいな。ウルトラマンじゃないけどウルトラマンぽいやつってのはいますよね」
やんま「僕はそういうにニセ○○みたいなの好きでしたね、子供の頃から。ヒールライクっていうか、悪者なんだけどちょっとかっこいいっていう」
のーと「そうなるとあれなのかな、『コスモス』だとカオスウルトラマンってのがいたりして、まぁちょっと遡るとイーヴィルティガとか、あとカラーリングの違うダイナの偽物とかいるんですけど、割とカオスウルトラマンってのは度々出てきて結構強いライバル役みたいな感じになってて。っていうのがあれなんですかね、リュウガとかの走りだったりするんですかね? 分かんないですけど。いますごい適当なこと言ってますけど(笑) 主人公とよく似てるんだけど、根っこの部分が違ったりする感じですよね」
やんま「ファイズは……(オーガとは)別にそんな似てもないか」
のーと「カイザはまぁ似てますよね、一応。デルタは微妙だけど」

 

『555』の勘違い

のーと「この"成人式"って……」
やんま「あ、なんかあります?」
のーと「いや成人式ないなと思って。これ何を思って入れたんだろうって(笑)」
やんま「たまたま考えてたときに目に入ったのかな。なんか、大人になる儀式みたいなニュアンスで入れたんですけど」
のーと「まぁ成人式も一応1月にやるから冬ですけど……あれですよね、変身するタイプの特撮だと、何か新しいアイテムで新しい姿になりましたとか。っていうのがそういう表現の代替にあるから、それで少ないんですかね? 大人になりました、大人になる儀式ですっていうの見せたら、まぁそれはそうなんだけど、でも特に物語上の意味もないし」
やんま「そうですね、実際の成人式ってホントなんも変わらないですもんね」
のーと「同窓会ですからね。あーでも流星塾とかは……」
やんま「あーそうだ! 同窓会で話そうと思ったんだ。なんか後々の客演とかも同窓会チックだし。それこそさっき言った『RIDER TIME 龍騎』とか。なんか戦隊の……"帰ってきた"シリーズ(10YEARS AFTERのことを言いたかった)とか、そうだそれで話せるかなと思ったんだ」
のーと「同窓会で言うと、井上敏樹が同窓会って怖いよなって話を確かしてたと思うんですけど。今ちょっと引っ越しの準備で本を詰めちゃってるんで、また後で確認取れたら補足しますけど。
記憶が間違ってなかったら、なんで怖いかって言ったら知ってるはずのやつなんだけど、なんか変わってるから……だったかな? だったと思うんですよ」
やんま「そんな感じのこと言ってましたね」
のーと「流星塾とかは割とそうなのかな? 流星塾は後が怖い……」
やんま「そうですね……会って、みんな変わっちゃうっていう。死んじゃうやつもいれば凶暴になっちゃうやつもいて」
のーと「久しぶりに会ったあいつと、みたいな……で、草加以外はそのことを覚えてない。まぁ同窓会あったことはみんな覚えてるし、後々共同生活をするぐらいには絆みたいなのもあるんだけど、本当のところは草加しか分かってなくて。不気味さって言えばいいんですかね、薄気味の悪さ」
やんま「なんか流星塾生(メインキャラはともかく、名前覚えてないようなモブ達)同士の横の繋がりって、あんまり僕イメージないんですけどありましたっけ? 俺とお前、結構仲良かったよなみたいな」
のーと「それが……あんまり分かんないんですよね。漫画版の『913』とかでもそうだったし。割と"流星塾生の絆"みたいなこと言うときって、草加とかは言ってたイメージあるんですけど、でも実態としてはそれほどでもなかったんじゃない? みたいな。だって事実として草加はいじめられてたし。だから流星塾の事件に関わって、オルフェノクにベルト絡みで狙われることになって、団結したしたりとか繋がりを維持するためにそういう言葉っていうのが使われるけど、でも実際そんなのあんまないんじゃない?」
やんま「そうですよねあんまり、仲がいいイメージはない……運命共同体だから、一緒にいるけどみたいな」
のーと「デルタで凶暴になったみたいなやつも、凶暴になったっていうよりかは地金が出てるんじゃないみたいな。元々そんな仲良くないんじゃない? 流星塾を離れた時期っていうのもそれぞれちょっとずつ違うだろうし」
やんま「そっか、孤児だから他に居場所を見つけることもできないのか。なかなか」
のーと「そういうどうしようもなさみたいな感じですよね」
やんま「腐れ縁みたいな感じなのかな……腐れ縁はもっと、割といいニュアンスか」
のーと「あとは『555』の好きなところって言っていいのかどうか分かんないんですけど、それ客観的に見て事実じゃないけどこいつの中では絶対そういうことになってるんだろうなみたいなのが結構あるのがいいなって思う。良いところもあるし悪いところもあるんですけど。良いところでいくと三原が最後の方で、草加……お前の強さを俺にくれ、みたいなことを独白するシーン。草加が死んだあとに。でもそれって、三原はものすごく強がってる草加しか見てなかったからじゃないかなって。巧は草加の弱っちいところたくさん見てるから、ちょっと態度が同情的になったりする部分もあったりするけど。だからなんか強さ弱さみたいなのも絶対的なあれじゃなくて、人からの見え方でだいぶ違ったりして。草加の強さっていうのは客観的に見たらそうでもないかもしれないけど、三原の中ではそういうことになってるし、それが三原の支えにもなってるしみたいな。まぁ正しくはないんだけど、ちょっと綺麗かなって思ったりして」
やんま「勘違いだけど、それに意味がない訳じゃないっていうか。勘違いがいい影響を生むこともあるしってところですよね」
のーと「後は草加……強がってる部分はあったと思うんですけど、それが生きてる間にはあまりうまくいかない部分もたくさんあったけど、それが死んだあとに三原から認められてっていうのは皮肉かなって思ったりして。まぁ味方に回った草加は頼もしかったりするんだけど。でもなんか根っこの弱っちい部分っていうのは、巧にはバレてるし、真理とか啓太郎にもなんとなく薄々そういうところが見えちゃったりしてるし。木場……」
やんま「木場さんもそうですね、勘違いの代名詞っていうか」
のーと「木場さんの中ではそうなってるんだけど……木場さん自身が勘違いすることもあるし」
やんま「巧は木場が人殺してること知らない……ですよね(※知ってたかも?)。知らないから「お前も人間だ」って言えるんだけど、その勘違いが巡り巡って最後に共闘するきっかけになるっていう」
のーと「これ多分前にも言ってるんだけど、最後の最後まで自分が実は人殺したことあって……って言えない木場さんが好き(笑) 「その答えを君が俺に教えてくれ」とは言うけど、なんで迷ってるかまでは、まぁ言うタイミングがないって言えばそれまでなんですけど」
やんま「わざわざ言うことでもない……いやでも、隠してるのはちょっと感じ悪いよなぁ(笑)」
のーと「その感じの部分が分かんないまま終わるっていうのも、なんか切なくていいなって思うし。
だからあれかも、『ドンブラザーズ』もしばらく一緒の撮影がないみたいな話もあったし。ピンクの説明文になんか不穏なことが書いてあるみたいなのも話題になってたし。既婚者でサラリーマンやってるんだけど、何も失うものがないみたいな。失うものない訳ないだろって(笑) で多分5人それぞれなんらかの事情があるんじゃないかなって、まぁブラックは事情だらけだしブルーはかっこいい無職だし。多分一緒の撮影がないってことは本当にアバターなんだろうし、気失ってる感じでしたよね変身したあと。だから井上流すれ違い劇みたいなのが多分絶対見られるんだろうなって思うとすごいわくわくする(笑)」
やんま「そこをやらないはずがないっていう(笑)」
のーと「やらないはずがない、めっちゃ楽しみもう。『ゼンカイジャー』みたいな毎週付けて、なんかだいたい同じ話がやってるのとはまたちょっと違うのがスーパー戦隊で見れるなって思うと、そうそうこういうの見たあとは次……みたいな感じで切り替えられていいかも」
やんま「そうですよね、『555』みたいなつくり方は『ゼンカイジャー』とはもう本当対極っていうか。見る回ごとに色々変わっててっていう」
のーと「忙しいですよね。『555』とか1週2週飛ばしたらもう絶対分かんなかったと思う。あっ、だからリアルタイムで見てたときとか、木場さんがファイズになるときとかって、多分そのちょっと前の回とか飛び飛びで見たりとかしてて……飛び飛びじゃないか、巧が怪人になるのが嫌で。それでちょっと見たり見なかったりみたいな、見たくないとこを飛ばしたりとかしてたら急に木場さんがファイズになってたりしてびっくりしたって。それ子供のときの思い出かな」
やんま「なるほど(笑) 確かにそれまで別にそれっぽい素振りなかったもんな……海堂がファイズになったりはしたけど、木場さんは全然」
のーと「まぁ木場さんのファイズかっこいいんで、今見返すと。いいんですけど、びっくりしたなぁって感じ」

 

年末商戦ライダー・最光,サウザー

やんま「さっき「最近の冬は売上的にも冷え込んでますよね。正直サウザーと最光という変わったキャラが年末商戦に出されるのは狙ってるのか何も考えてないのか、分からない」っていうツイートがあったんですけど、僕はサウザーも最光もすごい好きなんで……まぁ変わり種だなとは思いますけど。そうか、最初は最光……微妙だったか、そういえば。何? 剣がライダーって、みたいな。あれは度肝抜かれたなぁ、今でこそ好きだけど。
ユーリのキャラ……あのとぼけた感じっていうか、あれがすごい好きで、最光も好きになったんですけど」
のーと「なるほど。これ別に悪口って訳じゃないんですけど、ユーリの人のセリフが割と平坦な感じだったのって、あれはキャラづくりなのか普通の棒読みなのかちょっと分かんないんですけど、どっちなんでしょうね。あれ」
やんま「どう……なんだろう(笑) もしかしたら本人は本気でやっててあれなのかもしれないけど、そこを分かった上でキャスティングしたのかもしれない……(笑)」
のーと「結論から言うとっていうか僕の素直な感想だと、あれは全然技量のない棒読みだとしても好きだなって思う」
やんま「かわいい(笑)」
のーと「かわいいんだよあれ(笑) すごい深刻な話なんだけど深刻じゃない雰囲気も出るし……とぼけてる感じですよね、さっき言ってた」
やんま「かわいいんだけど、めっちゃ頼りになるし」
のーと「なんか『セイバー』中盤以降の独特な空気感っていうか、雰囲気づくりにものすごい貢献してると思う。もしかしたら合わない人は合わないかもしれないし、何なら僕もちょっと慣れるまでなんだこれって。なんかもうこれはこういうもんだなって思っちゃうと逆にそれがハマってくるっていうか」
やんま「『ゴースト』『セイバー』ってよく分かんなさ(不可思議)みたいなのをウリにしてるところがあるっていうか、なんか禅問答みたいなところがあるから、(ユーリは)それをひとつのキャラに凝縮したっていうか、自分的には『ゴースト』『セイバー』組(高橋P,福田脚本)の最高傑作みたいなイメージがあって。よく分からなさがちゃんと魅力になって、成立してるっていう。『ゴースト』のときはちょっとふわふわしてて、それが良くない方向で言われがちだったけど、ユーリはよく分かんないやつ"だからいい"じゃないですか」
のーと「そうですね。後から実はこうだったんだよねって言われると、まぁお前だったらそっか、みたいな。お前だったら別にいいよって」
やんま「何でもアリっていうか、何でもいいよ(笑)っていう」
のーと「ソフィア様が後から大事なこと言うと、お前先言えよってなるけど、ユーリだったらまぁいっかってなる(笑)」
やんま「剣だし……(笑)」
のーと「あとは、刀鍛冶に対してはちょっとだけパワーバランスがおかしくなってるのも好きかもしれない。他の剣士よりは半歩先というか一段上くらいだけど、本体が剣だから自分が疲れちゃったときとかって戻っちゃうじゃないですか。戻っちゃうと、どこからともなくあの不審者が現れて……チェックしようとしてくる(笑)」
やんま「ボディチェックを(笑)」
のーと「あのバランス結構いいなって思いましたね。他の剣士に対してはまぁ偉そうではないけどちょっとだけ先輩だしっていうのはあるんだけど、一人ぐらいちょっと苦手……苦手っていうか、明らかにあれなやつがいてもいいかなって。弱みっていうか、弱点っぽいのがひとつあるだけでいいと思う」
やんま「飛羽真とは割と対等……うーん微妙かな?」
のーと「まぁでも対等じゃないですか?」
やんま「そうですよね、結構信頼してる感じで。あのふたりも結構……だから僕、年明けの『セイバー』がすごい好きなんですよね。まぁ自分が個人的に入院してたりで娯楽が欲しかった時期っていうのもあるんですけど。
……「ゼロワンの天津は別の方法でキャラに深みを出してほしかった。変に味方ヅラしてほしくなかったというか……結構お前ひどいことしてません?って思っちゃう」……なるほど。天津もね、結構賛否ありましたよね」
のーと「……ちゃんとケジメ付けろよとは思ったけど。aiboの回でそれに代えたと思ってるならもうちょっとちゃんとしろよとも思う」
やんま「あー、うんうん。僕、天津も好きなんだけど、aiboの回はそんなにあれだったかな……」
のーと「あれで許されキャラになったのかなとか、パンツで許されキャラになったのかなと思うとそれは違うなって思うし。前にも話したと思うんですけど、一方で『REAL×TIME』のこれから仲良くすればいいっていうのは、まぁそれはそれでアリだなって思う。だってそれしかないんだもん」
やんま「人は変われる(『ゴースト』のセリフ)っていうか、あのメッセージはすごい良いですよね」
のーと「その割にはお前……昔とそう変わってねぇなっていう……まぁそれも含めて好き(笑) それで、天津がもう根っからのすげえいいやつになってたら、ちょっと説教くさいなって思うんですけど、お前まだちゃんとしてねぇのにそういえこと言うなよっていうぐらいで、まぁいい感じのバランスになってるのかなって思いたい(笑)」
やんま「あいつらしいなっていうのは崩さずにっていう感じですよね。
"味方ヅラ"か……そっか。なんかそもそも、天津がなんで悪いかって、あんまり背景がないっていうか……さうざーの回で、お父さんに1000点取れって言われて歪んじゃったみたいなあれがあったけど、なんか別にそれ関係ない(関係なく、悪くない)っていうか……なんて言うんだろうな」
のーと「アークに細工したことっていうのも、それ自体は良いとも悪いとも言えないぐらいじゃないですか。だから天津の行為の良い悪いの線引きって実はちょっと難しかったりする……」
やんま「そう、別に嘘教えてる訳じゃないし」
のーと「曖昧なラインだから……ってことなのかな」
やんま「うんうん。だから『ゼロワン』制作陣は天津のことそんなに悪いと思ってないんですよ」
のーと「あ、そうなんですね」
やんま「多分……たぶん(笑) 悪いと思ってないっていうか……みんなどっかしらの面から見ればすごい悪いよね、っていうのの、天津はたまたまその悪い面が(悪そうに)視聴者に見えちゃってただけっていうか。
本編では副添とかにエステとか岩盤浴とか、私利私欲にお金を使って! みたいなこと言われてたけど、それ私利私欲じゃなくない? って僕思ってて。それは社長としての身だしなみ……仕事として多分彼はやってる(から必要経費だと本気で思ってる)んだろうなって僕は勝手に思ってて。だからすごい悪く言われてるけど、彼って意外と私欲では動いてなくて。義務感っていうか、使命感でやってるところが多いから、彼が悪いっていう……言い方? はあんまり僕ピンときてなくて(結果として悪いことはあっても、悪気があってやってることはあまりない)。会社の社長として利益を出さなくちゃいけないとか」
のーと「割と或人に対する態度とかもそんな感じなのかな」
やんま「うんうん……あ、でもあれは割と私欲……の側には寄ってたか。飛電に対する態度っていうのは」

 

次回「赤青」

仮面ライダーエグゼイド 第1話「I'm a 仮面ライダー!」 肯定的感想

第1話「I'm a 仮面ライダー!」


・永夢少年は交通事故に遭ったらしい。大森Pの前作『ドライブ』はまさに自動車のライダーであって、交通事故というのはその最たる弊害だろう。これはちょっと面白いかもな。危険なものである車を肯定的に描いたからには、それによって起こる悲劇に対するアンサーをきちんと用意しないといけないという意味で、本作は医療をテーマに選んだのかもしれない。
多分あの作品がロイミュードという擬似AIを扱うことになったのは、これから一般化するかもしれない自動運転におけるトロッコ問題が興味深い話だからなのかなと思ったりもするけれど、本作も実質的にはAIものとしての要素はあるので、その辺のリンクは気にしてみたいところ。

・「こんな状態でオペ」というのはどんな状態なんだろう。成功する見込みが低いときは何もしないのか? もちろん大災害などにおけるトリアージで黒と判断して生きてるけど処置できない,しないということはあるかもしれないけど、優先度の高い患者がいないのであれば、ダメ元でも手を尽くすもの……なんじゃないのか? 違うのかな。
それとも他にもっと重篤な患者がたまたまいて、そっちに人員を割かれていてまともなオペができる状態じゃなかったとか……うーん分かるような分からないような。

・ただサボってる訳じゃなくて、病院の近くにいることから恐らく患者さんやその家族たちを楽しませてるんだな、何気に。他人がゲームやってるとこって、僕は友達と遊んでるのに相手がゲームやってたらつまんないなと思ってたクチだけど、そこは天才ゲーマーというか、"魅せる"プレイもできるのかね。

・微小な方のバグスターウイルスは不思議な形をしてるけど、よく見たら別にgameのgではないっぽいな? 強いて言うなら"Bug"を縦に繋げたらあんな感じの○4つになりそうではある。

 

・キャラ紹介の字幕フォントが割ときっちりした明朝体で、例えばまるっこかった鎧武とは違う大人っぽい雰囲気。内容も堅苦しい漢字ばっかで、子供にとっては果たして意味があるのか謎なんだけれども、まぁそこは児童誌とか図鑑で勝手に補完するか。僕も子供の頃、本編ではほぼ呼ばれてないはずの『響鬼』のアイテム名、変身音叉・音角とか烈雷とかの名前知ってたもんな。

・お菓子の食べ過ぎね……確かに子供って、自分の欲望をコントロールできなくて自ら病気になることが多い生き物よね。まぁ大人でもそうだけど、子供は特に。歯磨きサボって虫歯になったり、危ないことして怪我したり。
周りの人や医者の心配をよそに、自ら病気になる愚行を許容する意味もあって、永夢は小児科研修医なのかもしれない。まぁ、病人がいないと商売あがったりというのもあるだろうし。

・天才ゲーマーなら適合者になれるとはどういうこと? 言葉の綾みたいなものであって、適合手術をしたあと、ゲームの力で戦う仮面ライダーとしてうまくやれるだろうということだろうか。
日向が適合者は一人で十分ではないかと言ってるのは、手術に失敗して適合できなければゲーム病患者になってしまうリスクを恐れているからだったりするのかな。

・日向先生が衛生省のトップになっているのは偶然じゃなくて、永夢の手術をしたとき既にゲーム病の存在に勘付いていたからだったりするのかな。あんまりそこの繋がりに疑問を持ったことなかったけど、仮に何か関係があるとしたら多分そういうことだよね。
まぁ外科手術で感染症の有無に気付けるとは思えないけど、術後に様子見で通院してた時に気付いた可能性もあるからゼロではないか。症状はないから永夢本人を治療しようとしたりする必要はなかったけど、血液検査か何かで謎のウイルスに対する抗体が検出されたとか……うーん、コロナみたいに対象となるウイルスが明確な状態で検査することはできても、普通に検査してて偶然発見されることはなさそうな気がするけど、別に医学に精通してる訳じゃないのでなんとも言えない。

・ちなみに仮面ライダー図鑑によると、市販版のマイティアクションXはガシャットロフィのように端子部分が短く、黒い枠のない外見をしているらしい。確かにまぁそれなら似ている。

・あっぶねー! よくあるドタバタコメディで大した意味はないだろうと思って言及せずに飛ばすとこだった。
颯太を追いかけて永夢が台車にぶつかって坂を滑り落ちていくシーン、これいわゆる"すべりやすい坂"の比喩なのか。確かにエグゼイドが扱う命のデータ化の是非みたいな議論をするにあたっては、体の機械化,サイボーグ化を認めて行った先でテセウスの船的な問題に突き当たるように「この程度なら大丈夫、が積み重なると最終的には倫理的にまずい自体が起こる」という意見はありがちな気がする。

 

"ゲーム感覚"とは

・君はマイティなんだという声掛け、まぁ半分くらい意味分かんないけど言いたいことはなんとなく分かる。医者も色々やるけど、だいたいは本人の免疫によって病気は治すものだから、ウイルスに打ち勝つのは最終的には自分自身であると。
で、要するに『鎧武』の1話みたいなことをやりたかったのかなと。五代は最終的に「まぁはぐれたらつらいか」ってなってるけど、紘汰は「そういう勝負、ゲームだと思ってみなよ。泣いちゃったら負けのゲーム。泣かない方法を見つけたら勝ちだ」と励ましている。
本作における"ゲーム"は、概ねこの文脈に沿っているように思う。何かしらのクリアするべき課題に対して、嫌だなぁとか面倒くさいなぁとか思わずポジティブに向き合うための思考法として。だから「ゲーム感覚で命を預かる手術をするなんてありえない」という批判は成立しない。ただの言葉の綾なので。

・マイティアクションXは制作発表から完成まで5年以上掛かったらしい。5年前といえばゼロデイだが関連性は?
そもそも衛生省は正宗を逮捕している以上ゼロデイ当時からゲーム病の感染源が幻夢コーポレーションであることは突き止めているはずで、だからこそ専門家としてライダーシステムという対応策を提供してもらう関係になったんだとは思うが、黎斗の思惑としてはおそらくこの新発売のマイティアクションXにもバグスターが仕込んであって感染者を増やそうとしてるのだと考えられるので、なんだかなぁという感じ。ただのゲームを開発するのに5年も計画が遅れたと考えるより、衛生省のチェックを潜り抜けつつゲーム病に感染させられるよう調整するのが難しかったとかそういうことな気がする。

抑圧するものとしての医者

・NS「採血をします。右腕と左腕どっちがいいですか?」
ぼく「どっちもやです」
NS「じゃあ右腕ね(ブスッ)」
仮面ライダーにおいては特にそうだけど、医者は"あなたのため"を押し付けて自由を制限してくるパターナリズム的な悪としてのイメージがついてるよね。勝手に拉致して"改造手術"でバッタ人間にするなんてのは極端だけど、歯医者さんで痛いことされたり、苦い薬を飲まされたりさ。仮面ライダーシリーズで医者側の話をやるのは、必然というかいつかやるべき課題ではあったのかもしれない。
尤も、医療倫理の原則では患者の自由意志を尊重するようにと言われているんだけど、特に相手が子供だと我儘を尊重してたらキリがないし将来的に本人がもっとつらい目に遭う訳なので、多少の押しつけがましさは(もちろん保護者の許可を得た上では)仕方ない部分はある。
というのを踏まえた上で、ソルティの話に続く。

・「じゃあソウタくんはもう……」のとこ、これ笑ってる……よね? 微妙に口角が上がってるし、SEで印象付けまでしてるからには何か意味があるはずなんだけど、マジで全く分からん。いくらMでも患者が死んでわざわざ喜ぶような趣味の悪さは持ってないはず。
あー、ここで笑ってるのはパラドなのかな? 人間を発症させてやったぞよしよしみたいな。或いは、困難な壁を前にして笑うタイプみたいな意味でM人格が出てるのか。

 

・成り行きとはいえ、どうしてバグスターを前にして悠長に話をしてるのかと不思議だったんだけど、永夢に事情を説明することでまだ近くにいるかもしれないMを一緒に探してもらうため……とするなら、まぁギリ通るかな。

患者に甘い医者としての永夢

・マイティはお菓子を食べて強くなるらしい。健康にはあまり良くないけど、嗜好品を食べることでやる気が出るとか、逆に食べたからには運動しなきゃってなることの比喩かな? 当時エナジーアイテムチョコっていうそのまんまなお菓子が売ってて、チョコ自体はまぁ普通の銀紙にエナジーアイテムのシールが貼ってあるだけのものなんだけど、おまけでついてくる縦長の台紙が形状的にほぼ栞で、本の虫としては無視できなくって安売りしてるのを何個か買って使ってたっけな。
・それに対してソルティは塩がモチーフ。正直何だそのチョイスは……って感じで、元ゲームであるMAXの設定的にマイティとの対置というのは分かるにせよ、敵モチーフとして流用されることがわかっていながら何故そこをそういう設定にしたのかって話になる。
冒頭のマルオくん(食べてないよ〜)の話と合わせて考えると、殺菌効果がある塩と、甘い誘惑という対比なのかなと。しょっぱい≒けちくさいというのは従来通りの医者に対するイメージであって、安静にしてなさい,お菓子を控えなさい,運動をしなさい……という厳しい態度。永夢はそれに対するアンチテーゼとしての患者を笑顔にする医者で、ベッドで寝てなくていいよ,ゲームしていいよ,お菓子も食べちゃおうという"甘い"対応を是とするキャラクターなんだろう。もちろんそれは、日向が患者にゲーム機をプレゼントしたのと同じくって意味で。
そういえば確かに、主治医からの個人的な差し入れでこそないけど、歯医者さん行って頑張ったら小さいおもちゃとかシールとか、なんならアメちゃんとか貰えるシステムって子供の頃はあったっけな。

また塩ってことでナメクジの要素も入ってるらしくて、これはなんか繋がりそうでビビッとは繋がらない。NARUTOでは綱手が医療担当だったようにナメクジは薬になると言われていたとか、あとは逆にアスクレピオスの杖として医療のシンボルであるヘビに対して三竦み的に有利であるとか、颯太くんが訴えてた目眩の主原因である三半規管の近くには蝸牛(カギュウ/かたつむり)があるなとか、なんか関係してそうだけどイマイチ決め手に欠ける。

・ただレバーを動かすだけでいいという、ゲーマー的には「レベルアップってそういうもんだっけ……?」と思うような謎の仕様を、説明書を読まない性格と合わせてある種のゲームをクリアしたみたいな描き方にするのはちょっとうまいかもな。
あるもんねそういうミニゲーム、空気を読んで何をしたらいいか察せってやつ。『空気読み』っていうそのまんまなタイトルのもあるし、『メイドインワリオ』なんかもその類型よね。僕は発達障害で空気が読めないからなのか、昔やらして貰ったけど何をするゲームなのか全く訳が分からなくて混乱した記憶がある。

・もう周知の事実だとは思うけど、相変わらずエグゼイドのデザインってよくできてるよなぁ。大枠はカービィ的なピンクでお菓子を食べるとかそういう部分も意識してると思うんだけど、そのチョコをマリオのブロックに見立てて、ゴーグルの下部がヒゲにも見えるようになってる。武器のハンマーも『ドンキーコング』におけるマリオの無敵状態になるあれだし、色々ごちゃまぜにしてスポーツ要素を足した結果きちんと"エグゼイド"という唯一無二のが意見になってるのが流石というか。

・塩がどうして電気攻撃につながるんだ……?と思ったけど、食塩水は電解質だから流れるというか、金属板を使って頑張れば電池みたいに使えるのか。
生理食塩水とか言って人間の体液にもイオンが何か関係してるんだろうか?・仮面ライダーのお約束として爆発したけど、ウイルスはどうなったのかな。ウイルス自体が破壊されたと見るべきなのか、はたまた空気中に散らばっただけなのか。空気感染はほぼしないと思われるので設定的にはそれでいいっちゃいいのかもしれないけど、特に今コロナで飛沫とか気にしてる身からすると、なんかウイルス散らばってんじゃないのかなーって気になっちゃうよね。爆炎の高温で死滅してる可能性もあるけど。

 

エグゼイド感想一覧

裏面

仮面ライダーエグゼイド 1話「I'm a 仮面ライダー!」 否定的感想

 

次話

仮面ライダーエグゼイド 第2話「天才二人はno thank you?」 肯定的感想

劇場版 仮面ライダーゴースト 100の眼魂とゴースト運命の瞬間 感想

 

・ダークネクロム3人衆は、赤青黄と3色揃ってるかつ敵なのもあって"鬼"っぽいニュアンスが強いかも。
アルゴスはともかくとして、彼らは一体何者なんだろうね。他にも眼魔はいたから、別に彼らだけが特別眼魂島にいるって訳じゃなくて、イーディスはそれなりの数の民をここに送ってたんだろうけど。
素体が英雄ゴーストのものと同じだから、パーカーチェンジしちゃうともはやネクロムの面影は完全に消えてしまう。一応ベルトとプロトメガウルオウダーが付いてるけど、フェイスもゴースト同様の仮面を被るのでパッと見ではほぼ判別できない。

・しかし、ダークネクロムにすぐやられるしいいように使われるしでやけにみんな小物になってるけど、やはり英雄ゴーストというのは本人の魂ではないのかもしれない。音楽家たちが氣志團メンバーになってるとか意味分からなすぎるから、あくまで生まれ変わりとか、魂の質が似ている人を代理にしてるとか、そういう設定なのかな。人は死んだら終わりだけど、その人の魂(精神性)は受け継がれて永遠に不滅なものとなるって話だし。

・もしかしてと思ったけど、アルゴスの話を聞く感じやはり英雄の村が平和でみんな幸せそうなのは、みんなゴーストであるが故に肉体に縛られず、全てが思った通りになるからしがらみがないのかもしれない。様々な時代や国の人たちが仲良くしているのも、思っていることが物理的な音声としての言語を介す必要なしに、謂わばテレパシーで直接伝えられるからこそ、みんな分かり合えて平和なのかもしれない。
だからこそ、肉体を持っていて根本的な理解まではできないアランや御成たちは、いくら英雄と言えども不気味な異物に見えたんだろう。
みんなが楽しそうにしている姿を見てタケルは「これが本来の人間の姿なのかも」とまで言っていたけど、ゴーストになることは是としない……。ちなみに直後にユルセンが何かを言って仙人に叱られてるんだけど、大事そうなセリフなのに1ミリも聞こえないので誰か分かる人いたら教えて下さい……。

ご飯を食べたい

・あー……なるほど? ゴーストが何故そこまで食事にこだわるのかイマイチ理解できてなかったんだけど、魂(ここでは"精神"とは別ものとする)が不滅であり永遠に不変の存在なのだと仮定したら、肉体とは常に変化し不安定でいつか消えるものだと対置することができる。
その意味で、他を取り込んで自分の血肉とし、肉体を変化させる……つまり代謝を行うために必要な"食事"を、本編42話で言われていた「人は変われる」というようなニュアンスでの変化や可能性の象徴として肯定するかたちになるのか。

・確かに、タケルが切ない気持ちになるのはゴーストが不便だからじゃなくて「みんなと一緒じゃない」という部分が大きいんだろうから、アルゴスの言うことにも一理はある。
だからこそみんなと同じ人間に戻りたいタケルと、その反転として全員自分と同じゴーストにしてしまえば解決というアルゴスなのか。

・イーディスお前さぁ……アルゴスには全てを話した上で協力してもらうつもりだったのに裏切られたから、タケルには真意を隠したまま手伝ってもらうことにしたとかそういう流れかと思ったら、全く同じ轍踏んでるじゃん。今回はたまたまタケルが聖人だったから許してくれただけで。
アルゴスが離反する理由もなんだか分かるようで分からんし、どういうことなの? 「確かにイーディスには彼なりの目的があったけど、それはそれとしてアルゴスが生き返ることもできるはず」ってことが伝わればいいだけの話なのに。勘違いが起こるのも個として生きてるから、グレートアイのように集合体になってしまってないからこそのことだよねってことで済ませればいいんだろうか。

・でもマコトと大悟の確執もそうか。マコトが一方的に突っかかって、大悟も罪の意識から弁明できなくて、それでどんどん勘違いが深まるけど、ちゃんと話すことさえできればすぐに分かり合える。意識的に繋げてるなら、そういうことなのかな。
ゼロスペクターが3本ツノなのはよく分かんないや。ゼロゴーストはゴーストと同じ1本ツノのはずなんだけどな。

・エクストリーマーのモチーフである孔雀について調べてたら、そのままアルゴスという名前の100の目を持つ巨人について書いてあってびっくりした。明言されてないモチーフって、普段はここまであからさまに分かることって少なくて、いつも頭をひとひねりふたひねりくらいしないと分かんないから。まぁそれは僕の知識不足とか察しの悪さによるものかもしれないけど。百々目鬼くらいしか知らなかったから、調べても全然ハマらないなぁと思ってたのよね。
そういえばストロンガーに百目タイタンってのがいたけど、あれのモチーフも彼か。
ただ、だからといってそれを倒すタケルにヘルメスの要素があるようには思えなかったし、その巨人をモチーフにしてるからどういうテーマがあるとかまではにわか知識じゃ分からなかったので、そこはまたいつか考える。

最終決戦

・ゴースト化が半分起こってるからこそ、アカリたちも人を超えた存在、霊体としてタケルに力を貸すことができるというのは、なんか理屈じゃなく感動した。これまでなんだかんだで無力感を覚えていたんだろうから、やっとそれが報われたというか、タケルもタケルで死んでしまうかもしれないけど、最後の最後でゴーストになるという感覚を仲間に理解してもらえて、精神的に独りじゃなくなってから消えられるというのは。
マコトとアランも、自分たちが普段体張ってというか命をかけて戦ってるからこそ、最悪自分を犠牲にしてでもみんなを助けたいというタケルの決意を察して、それを無駄にしないよう帰ろうと促すのもなんか良かった。

 

ゴースト感想一覧

特撮雑談クラブ 第6回「贖罪(小説 仮面ライダークウガ)」

特撮雑談クラブ 第7回「冬季」 21:00〜23:30
ちょうど変わり目なので、季節ネタは押さえておこうということで、冬をテーマにした回です。
仮面ライダーの冬映画は勿論として、冬の風物詩であるクリスマスを扱ったエピソードは少なくないはずだし、年末と正月に成人式なんかも加えて、これまでの振り返りや整理をする時期でもある。バレンタインも一応その文脈で捉えられるかな、自分や相手の気持ちを改めて確認する儀式。
また冬に限らずそこから連想するもの、氷属性のキャラ(凍鬼,レイ)や雪山のシーン(クウガ,剣)、冬の星座といえばってことでオリオン・ゾディアーツ……いっそ白いからフォーゼとか。
慣用句としては"冬の時代"なんてのもあったりして、植物が生らないからだろうけど出歩かずに眠って過ごす動物も多いくらい、"冬を超す"というのは厳しい環境やハードルを超えることの比喩になり得る。特撮における冬の時代(個人的に見てなかった時期とか)を語るもよし、困難を乗り越えるといえばで話を広げるもよし。
ともかく、いつも以上に自由に連想して話を広げてみる回としてやってみようという回です。

同時視聴する作品は『ギンガマン』第一章「伝説の刃」と『キュウレンジャー』Space.30「ヨッシャ!奇跡のキュータマ」の2本にします。時間はいつも通り19:00からです。

02/26 第8回「赤青」
03/05 第9回「数字/名前」
03/12 第10回「武器」 
03/19 第11回「仮面」

特撮雑談クラブ 第5回「邪鬼」

 

第6回「贖罪」

スピーカー:やんま, のーと

第一章「空白」

分業の『クウガ』と兼業の『アバレンジャー

やんま「基本的に今回は『小説 仮面ライダークウガ』の話をできればなと思うんですけど。小説版っていうのは本編の13年後に出版された小説で、舞台もちょうど13年後ということで。また新たなグロンギが現れて、それをどうするかっていう……だいたいの概要はそんな感じなんですけど」
のーと「一応ページ毎にここか面白いとかここが気になるみたいなのはメモして書いてあったんですけど」
やんま「じゃあ話に沿っていきます? 一旦」
のーと「そうしましょうか。全部で五章に分かれてるんで、一章目「空白」から」

のーと「(小説を)書いた荒川さんが、『仮面ライダークウガ』っていうのは五代雄介の話っていうよりかは、五代雄介とか関わることになった人たちの話だよねってことを言ってたから、『小説クウガ』もそういう風な感じで、あなたも五代くんに関わったうちの一人としてってことを言ってたんで、それで回想シーン多めなのかなって。我々は全然五代くんと直接やり取りした訳じゃないんだけど、あたかもそうであるかのようにみたいな」

やんま「みのりっちとおやっさんが結婚式に呼ばれてないっていうのが、なんか僕……考えてみたらそうなんだけど、すごい新鮮というかびっくりしたんですよね」
のーと「一条さんはポレポレのお客として来てるけど、杉田さん桜井さん辺りは来てないからってことなんですかね」
やんま「面識がそもそもないんですよね、考えてみたら。同じ『クウガ』の作品で、結構出てきてる人達なのに、そこで"壁"があるんだなって思ってびっくりしました」
のーと「それこそさっきの五代くんと関わった人の……かもしれないですけど、視聴者として見てるとなんか全員知り合いなのかなみたいな感じに思えてきちゃうけど、実はあんまりそうじゃない」
やんま「そこも、機会をつくって混ぜることもできるはずなんだけど、敢えてしないっていう。"日常"と"警察"を分けるっていうのは。そこは意図的にやったとこなのかなと思ったりして」
のーと「最後の最後まで、雄介が"クウガ"って言ってるのが4号だって気付かないじゃないですか。それやるには、警察の人たくさん来てたら駄目かなって。流石に分かるから。
雄介が、俺クウガとして頑張ってるからとか、クウガだよって言って、"クウガ"が何かは説明しないのいいなって思ってて。クウガがやってることってあんまりいいことじゃないじゃないですか。から、クウガだよとまでは言えるけど、クウガやってるってどういうこと? って言われたらちょっと言えないみたいな、そういう」
やんま「なるほど。なんかしら頑張ってるよってとこだけ認識して欲しいみたいな、分かって欲しいみたいな」
のーと「だから最後の最後まで言えなかったのかなって。あんまりギャグみたいな感じじゃないのかやって、そこは」
やんま「本当に何も言わないのはちょっと耐えられないからポロッと言うんだけど、何とまでは言わない……」

のーと「あと第一章で面白いところ……」
やんま「アマダムが完全に消えるまで戻ってこれないみたいな話があったのも一章でしたっけ。五代がいなくならなくちゃいけなかったのは、グロンギと同じでお腹の中に石が入ってて、超人になれてっていう状態だと、万が一椿が言ってたように"戦うためだけの生物兵器"になっちゃう可能性が0じゃないから、人間の集落に戻ってこれないってことなのかなって思ったんですけど(五代自身の笑顔を取り戻す云々とはまた別に)」
のーと「ちょっと先の話になりますけど、なくなってて欲しいなって思ったものが結局ずっと残ったままで、それが最後の最後で役に立っちゃう……そこにあり続ける限りなくなったりしないし、でもものすごく頼り甲斐のあるものっていうところで、最後の方で原発の話が出てきたのって絶対偶然じゃないなと思うんですよね。郷原/ライオがなんか言うシーンあるじゃないですか、なんかちょっと唐突じゃないですか? あれ。そっか、この『小説クウガ』の世界でもあったんだ、って」
やんま「そうですね。ちょっとドキッとする」
のーと「なんであれがあるのかなって考えた時に、(実加への)煽り以上になんか意味があるとしたら、そういうことなのかなって」
やんま「必要悪っていうか、なくしちゃったら困るけど、でも怖いものって、ヒーローですよね」
のーと「今回のテーマに贖罪っていうのがありますけど、何かひとつふたつ良いことをやったからってそれでオッケーって、まぁそういうパターンもあると思うんですけど、昔やったことがあって、それに対して付き合い続けないといけないねっていうのもひとつあるかなって」

のーと「『アバレンジャー』が『クウガ2』かどうかはとりあえず置いとくとして、『小説クウガ』がちょっと『アバレンジャー』っぽいなっていうのはあるかなって」
やんま「逆にね。今回見た22,23話なんかは本当にまんまで」
のーと「CDの話とドリンクの話をバラしてそれぞれに振ってる感じなんですかね」
やんま「人間を信じるか信じないかみたいな話も……人間っていうか、マネージャーさんが凛を信じるか信じないかみたいな話もあって、表層だけじゃなくてテーマ的にも結構似通ってて」
のーと「井上敏樹とかそうですけど、また同じ話してる……んだけど、これもそのうちのひとつかもしれないですけど、ちゃんとうまいこと『クウガ』に合うような形にはなってますよね。
アバレンジャー』って謎解きっていうか捜査のパートがすごい、なんて言うんだろ……ちょっと良くない言い方ですけど、あのー……ジャリ番チックですよね(高寺さん曰く一人で何役も兼ねると子供番組になるので『クウガ』では"分業"を意識したらしい)。これは全然『アバレンジャー』がひどいって訳じゃなくて。例えばカレー屋にすごい装備があって、すごい機械動かしたらとっとと分かってっていうところは『小説クウガ』ではできないから、『クウガ』らしい一歩一歩積み重ねてみたいな。推理パートというか」
やんま「そうですね、らんるがなんか開発して(トリノイド探知できる)みたいなのはちょっと、うわ急だなって思ったけど」
のーと「らんるが何か開発して、えみぽんかスケさんの方がちょちょっとあれを動かしてみたいな。『クウガ』のおもろいところって、まぁ『響鬼』もそうかもしれないけど、そういうコマい手続きをコマいまま見せてくれるとこなんで、小説でそれがちゃんとあったのはすごい、読み直してみて良かったというか、これが『クウガ』だよなみたいな。クソ短い戦闘の尺も含めて」
やんま「『シークレット・シグナル(作中作)』について実加ちゃんが目を付けて、一回一条さんが、いやそれは考え過ぎなんじゃないか? って否定するところがすごい、"ぽい"なと思って。普通の作品だったらそのまま、それだ! ってなるとこなのに……そこまで一致してたら、もういいんじゃない? みたいな風に思ったけど、そこをしないっていう」
のーと「グロンギと音楽で言ったら、一条さん現役(本編)のときは気付いてそれだ! でやってるとき会ったじゃないですか。でも音楽のジャンルが違かったりとか、ブランクが空いてるとやっぱりちょっと慎重になるとか、あるのかなって。相手はグロンギかどうかも分からないから。ウミヘビの回……」
やんま「ドレミファになってるやつ」
のーと「ベミウだ! もうおじいちゃんだから怪人の名前全然出てこない(笑)」

ザルボはサルか、サボテンか

やんま「特に『クウガ』は元の、名前の由来が分かりづらいっていうか、ホースオルフェノクとかだったら、馬の怪人だなって思えばすぐ分かるけど」
のーと「名前って言ったら、僕は小説に出てくるザルボってやつ。ザルボはサルだろうなって思うんですけど」
やんま「ブログ読みました」
のーと「ありがとうございます。単純にあれですよね、ザとルの間に何か入るとかじゃないから多分サルじゃないかなって思ったんだけど、考えてもしょうがないやって途中で思っちゃって(笑)」
やんま「でも僕、面白く読めたんで良かったです。あのちっちゃくなるやつ(ザルボは極小の生命体を操ってゲゲルを行っていた)の話、サルにしろサボテンにしろなんでそんな能力があるんだろって思ってたので、確かにと思って」
のーと「小説のゲラグって電気……10万ボルトみたいなことしてるし、ライオは火炎放射してるけどよくよく考えたらクラゲとライオンって電気出さないし炎吐かない。だからそれでいくとあれかなって思ったぐらい。
あと、だいたい特撮のサルの怪人って孫悟空がモチーフのやつとかっているじゃないですか。『ルパパト』にもいたし、エックスの初めての回のやつ。とか、ちょっと地味だけど『ゲキレンジャー』にもそういうの(シュエン)がいて、あれは一応ハヌマーンてことになってるんですけど、ビジュアルはモロ孫悟空だなって、分身もしてるから多分そういう感じなんじゃないかなみたいな。クラゲが10万ボルトうって、ライオンが火炎放射するんだったら、サルの怪人も分身するやろぐらいの(笑)」
やんま「あ、今パッと思っただけなんですけど、昨日たまたま友達んちに行ったら多肉植物を育てていて、多肉植物は葉っぱが落ちて、それがそのまま子株っていうか子供になるって話をしてて、もしサボテンもそうなんだとしたら、それも分身っぽいなぁと思ったりもして……サボテンもそうなのかな、ちょっと"多肉植物"としか聞かなかったんで。一応思い付いたから言っとこうかなって。あ、でも花が……」
のーと「サボテンは花が咲きますね」
やんま「花があるなら、種で殖えるのかな」
のーと「Wikipediaを見る限りだと(笑)、種で殖える種子繁殖と、挿し木と接ぎ木ですね。だからあるといえばあるかな……」
やんま「なるほど、じゃあちょっと微妙って感じかな、こっちは。でも孫悟空は確かに分身してたなぁと思って、そういえば」
のーと「毛を吹いて分身するやつ」
やんま「そうそうそう、めっちゃそれっぽいなと思って」
のーと「これはちょっと映画にしてもらわないと分かんないな(笑)」

マイティの赤は血の色

のーと「あと第一章これだけはってところなんですけど、マイティフォームの説明のとき、白から赤に変わる時に……回想のシーンですけど、19Pか。「白かった戦う姿が、今度は赤くなった。まるで全身に血が通ったかのように」……そういうイメージなんだと思って、炎とかじゃなくて。まぁどっちもあるんだろうけど、改めて言われるとそう言われればそうかみたいな。"血が通った"って感じ、そこで初めて雄介のものになったみたいなそういう感じなのかな。グローイングのときは……ミイラ? みたいな感じで」
やんま「虫って血流れてるんでしたっけ? 一応あるのか、体液みたいなのが。なんか白いクワガタはいるけど(成虫というよりは幼虫の白かも)、赤いのっていないから……」
のーと「赤みがかってるくらいですよね」
やんま「クワガタの力だけじゃなくてそこに人間の力が加わってみたいなイメージなのかなって、ちょっと思いました。"クワガタ人間"みたいな」
のーと「改造人間(笑)」

 

第二章「幻影」

深呼吸, 青空, 笑顔

やんま「第二章は、酸素カプセルの事件が杉田さんから持ち込まれてっていう……流れですけど、僕なんで酸素カプセルなんだろうってずっと思ってたんですけど、このあと出てくるリオネルと『SUNNY! 8O'clock GO!(快晴、8時だGO!!)』……凛ちゃんのゲゲルと合わせて考えると、まぁリオネルが"笑顔"じゃないですか、でSUNNYが"青空"……まぁ晴れた空ってことで……」
のーと「あ、"棺"……ですか? あ、いやそれは違うか……?」
やんま「あ〜、それもあるか。僕は酸素カプセルだから"深呼吸"かなと思って」
のーと「あー! 五代くんがよくやるやつ」
やんま「EDでも言ってるし。「深呼吸、青空になる〜♪」って。だから、五代側の要素を全部悪くした感じのイメージなのかなって。全員、今回のやつは」
のーと「そっか、じゃあ僕読み違えてたんだ。3人のゲゲルが五代と関わりあるっていうのは思ってたんですけど、そっか深呼吸ですね」
やんま「多分そうですよね、酸素カプセルってことは。まぁ棺もあると思うけど……今言われて、それもある! と思って。そっかでも、五代は棺には入らなかったか……」
のーと「いやーヤだな、笑顔にさせてくるやつと気持ちよく深呼吸させてくるやつか」
やんま「機械的(物理的)にね、笑顔にして。笑顔……になれば何でもいいって訳じゃないのに。
……で、そのザルボの事件があって、実加ちゃんが出てくるのかな、その後に」

帰ってきたクウガ

のーと「「五代さんが、帰ってきてくれたから」……これウルトラマンが帰ってきたと思ったら全然別人だったっていうのが『帰ってきたウルトラマン』ですけど(笑)」
やんま「あーなんか、話には聞いたことあります。ジャックでしたっけ」
のーと「ウルトラマンジャックっていう初代のウルトラマンによく似てるんだけど、全然違うやつが帰ってきた、番組のタイトルは『帰ってきたウルトラマン』なんだけど」
やんま「あれ人間の世界は同じなんですか?」
のーと「世界観が地続きかどうかは微妙……っていうか……」
やんま「じゃああくまでメタ的に、視聴者にとって"帰ってきた"なんだ」
のーと「そうです……でもそこら辺は割とウルトラ兄弟みたいな話が出てきたりするから、ちょっと曖昧なんですけど、そこは。独立してるのか繋がってるのかっていうのは。
あとウルトラシリーズで言ったら、一条さんのお父さんが暗渠に落ちちゃった人を助けるために命を落としたって話が小説の方でありますけど、『ウルトラセブン』て割とそんな感じだったなって思って。セブン自体は宇宙人なんですけど、地球人の薩摩次郎っていう男が自分の危険を顧みずに人を助ける姿に感銘を受けて、彼の姿を借りて地球で戦ってくみたいなそんな感じなんですけど。一条さんがそういうお父さんの姿を見て……お父さん死んじゃうんですけど、『ウルトラセブン』と違って。そういうお父さんの姿を見て自分もそうなりたいそういう男でありたいって思うのは、なんかそれっぽい感じするなぁって思った。ウルトラマンぽいなって。ヒーローになりたいっていうか」
やんま「そうですね、高寺さんはウルトラマンお好きらしいから……」
のーと「だし、最後のあれも『ウルトラセブン』の最終回がやりたかった『クウガ』はって、言ってるからそういうことなのかなって。荒川さんも多分『帰ってきたウルトラマン』『ウルトラセブン』『ウルトラマン』好きだと思うし、てか間違いなく好きだし。小説の中でもペガッサ星人の話とか出てくるけど、そういう直で出てくるところ以外にもウルトラっぽいなってとこを探すとしたらそんな感じかなって」

やんま「実加ちゃんが出てきて、本編の2回のエピソード……ペガサスフォームの「信じて」ってやつ」
のーと「7,8話「傷心/射手」ですよね」
やんま「と、42,43話「戦場/現実」のフォローが入って、最初に読んだときすごい感動して。ようやくか……! と思って。8話の時に、結局五代が説得したじゃないですか、実加ちゃんを。実加ちゃんは警察に不信感を抱いてるのに、それを五代くんが説得して、一条さんは最後、生きててよかったって言っただけで終わっちゃったんですよ。だから一条さんからごめんとか、信じてくれなりなんなりないのかなって思ってたから、小説読んで、言ってる……! と思って。ようやく! って。謝らなきゃいけないと思ってたって」
のーと「フルートの時も、すぐ事件が起こっちゃったから話もそこそこにって感じでしたもんね」
やんま「そうですね、あれも……怖くなって、あれも結局五代がフォローしたのか」
のーと「だから一条さんと実加ちゃんが、面と向かってというかガッツリ絡むのは、小説が……初めてではないけど」

やんま「実加ちゃんが今回……さっき『帰ってきたウルトラマン』の話で本物のクウガかと思ったら違うクウガだったって話ですけど、もしクウガが女だったら一条さんは付き合ってたのかみたいな。五代と一条がBL的な文脈で言われることがあるけど、もしクウガになる人が女だったら一条さんはどうしてたのかっていうifの物語でもあるのかなって。
まぁ実加に対しては、責任を取れないからってことで距離を置く感じだったんだけど、もしあれが五代だったらどうなってたんだろう。もし五代が弱みを見せてたら」
のーと「うーん……でもグロンギが出てる以上やるしかないから、もうちょっと重たい話になるのかなって。本編でやってた以上に五代が弱音を吐く感じだったら、一条さんが早く死んじゃいそうな気はしますね。もし五代が、本編のときみたいに大丈夫ですから! できる限りの無理なんで、全然大丈夫ですよみたいな感じじゃなくて、いやーしんどいっすってなってたら、そんなにしんどいんだったら俺が頑張んなきゃって……ってことになるのかな……って」
やんま「じゃあ結局くっつきはしないのか。やっぱなんかそういう、仮に女だったとしてもくっつかないよ、そういう関係じゃないよみたいな意味もあるのかなと思って」

のーと「あと"動く力の塊"みたいな表現は面白いなって思いました、76P。一条ではない何者か……みたいな。これも一条の見た目が変わってる訳じゃないけど、"変身"してるみたいな感じなのかな」
やんま「ここはなんか、映像で伝わりきらなかったところを文章で補完したみたいな感じで、すごい言語化してくれて良かったなって思ったところですね。
僕映像では……血が出てて欲しかったって、感想では言ったんですけど。実加ちゃんが一条さんを怖がる上で、犯人の手元を撃って拳銃を落とすって流れでしたけど、そこでちょっと血が出てたら、実加ちゃんが怖がるのもすごい分かったなと思って。だから本編だとあんまり実加ちゃんに感情移入しきれなかったところがあったんですけど、小説で結構心情を言語化してくれてたから、すごい見方が変わったっていうか、これを読んだ上で見返したらなるほどなって」

 

第三章「天飛」

やんま「三章のまず冒頭は、椿のくだりですね。椿が、フィアット500Fに乗ってるやつ(笑)」
のーと「"これ"……言いそうですよね。椿も、こう言ったら変ですけど椿的キャラになったのってピラニアのビランの回、だから井上先生が書いてる蝶野の回辺りからですけど、荒川先生それちゃんと、井上先生じゃない回でも拾ってますよね。一度そうなったら、そうみたいな」
やんま「面白いなって思ったのかな? それとも仕方なく……なのかな。でもここ(小説)でもやってたら面白いと思ったのかな?」
のーと「これ椿のセリフだなぁ……あの、次のページ。チェリーな女好きからダンディな女好きに進化したそうです(笑) この「失礼なこと言うな!〜夏目くんとつきあえ!」みたいなのを、多分異常な早口で言ってる大塚よしたか(役者)まで見える(笑)」
やんま「「おまえが女に翻弄される情けない姿を見たいんだ、俺は」……これめっちゃ好き(笑)」

のーと「高寺さんイズムなのか荒川さんイズムなのか分かんないっていうところだと、結構腑分けが難しいところがあって、神崎先生の話ってあったじゃないですか。さっき同時視聴で、やんまさんがこれ神崎先生っぽいよねっていうこと言ってて(※1)、『アバレンジャー』は高寺さん噛んでないですよね。
その神崎先生のお話っていうのが、『クウガ』の当時のインタビューの本にも高寺さんのコメントとして載っててっていうのは前の特雑でも話した通りで。そうなるとこれは荒川さん主導なの、高寺さん主導なのってのがちょっと分からない感じがするんですけど、でもよくよく辿ってみると神崎先生の話を書くにあたっては荒川さんの方が結構熱心に取材をしてて、高寺さんがそれにつられる感じ……みたいな、っていう感じだったらしいんで」
やんま「それは知らなかったなぁ……なんかね、説教くさいとこは全部高寺さんなのかなとか思ってたけど」
のーと「実はそうじゃないらしい。だから、これもよくないけど『大魔神カノン』について腐すときは、高寺さんが高寺さんがって言うんじゃなくて、いや荒川さんもホンで参加してるでしょって言わないといけないのかもしれない(笑)」

のーと「贖罪と絡むかどうか自信ないんですけど、贖罪までいかなくても、"負い目を感じる"ぐらいのことって、割とあったりするじゃないですか。普通に生きてても。で、自分が損したときって負い目感じることないですけど基本的に。負い目感じるっていうのは自分がちょっとだけ得したときですよね。悪いね、みたいな。ごめんね、みたいな」
やんま「他人が損しちゃったときもかな」
のーと「桜子さんが准教授になってますけど、割と人文系っていうか歴史系とか考古系で、そういう常勤のポスト得るのって難しいんですよ。まぁ分野によるんですけどこれは。……から、桜子さんも業績があって多分そういうポジションについてて、一条さんも出世のタイミングとかはあるんだろうけど、現場を希望し続けてみたいな感じ。割と警察の人はキャリア順調に積んでって感じじゃないですか、小説では。
それって、まぁ本人たちの努力もあるんだけど、割と五代くんがいたからっていうのもあるのかなって思ってて。だから割とみんなそこそこいいポジションに付いてるけど、五代だけいないみたいな」
やんま「それもあって一条さんはずっと現場にいるんですかね。まぁ元から現場畑の人ではあるけど」
のーと「それはそれでどうしようもないから、今のところやれる仕事をちゃんと頑張ることでやるしかないみたいな」

やんま「改正マルエム法……この法律の話も良かったですよね。本編では警察たちは法律があったから、人間のかたちをしたグロンギを倒すことに、多少罪の意識を感じずに済んだと」
のーと「「改正前の法律にはマジで救われたよな」っていうのが……」
やんま「ホンネ感がすごいですよね」
のーと「前もちょっと言いましたけど、ドルドを撃ち殺したときにホッとしたような感じの杉田さんと桜井さんがいるっていう、あれがすごい怖くてヤだなって思って。あれは本当にホッとしてたんだなって」
やんま「それで言うと一条さんって、冷徹な感じしません? ちょっと。当時から、グロンギはテロとして解釈すれば云々みたいなことも言ってましたけど、杉田さんほど救われた感みたいなのはあんまり感じない……僕は文章からあんまり感じなくて。五代は結構、許せないっていう怒りだったりとか、義憤みたいなもので戦ってるところはありましたけど、一条さんて意外と……冷静にというか淡々にというか、あんまりすごい"許せない!"みたいな熱い感じってなかったなと思って」
のーと「そう……ですね。もしかしたら、警察官になる動機っていうのがちゃんとあったから、この言い方が適切かどうか分かんないですけど杉田さん桜井さんは義憤ブーストみたいなのがないといけないけど、一条さんは別にそうじゃない……」
やんま「あ、そうだ。一条さんの過去って話で言うと、一条さんのお母さんがニコニコマークを書いてたってことで、まんま五代……。五代と一条さんの関係を改めて記述するっていうか、一条さんにとって五代は、まぁ言っちゃうと母親みたいな存在だったんだっていうのがハッキリ言われた訳ですけど。それはなんかすごいしっくりきたっていうか。……これ二章の話かな、さっき言い忘れちゃったんで。
母親のような安心感、「大丈夫!」っていう。母親も確か大丈夫って言ってましたよね、お父さんが事故に遭った時に言ってたのかな」

のーと「育ちの話でいくと、霧島拓くんていたじゃないですか。霧島くんが将来その後どうなったのかっていうのを小説で触れてないの、いいなって思う。別に拓くん、何になってもいいじゃんっていうのもあるし」
やんま「結局神崎先生も出てこなかったですよね」
のーと「神崎先生とか拓くんがこの後どうするかっていうのは、もう『クウガ』ではやらないことなのかなって。そこまでフォローした、それこそ過保護っていうか」
やんま「こないだ言ってた蝶野が出てこないのと一緒の理由……ですよね。"失礼"って」
のーと「蝶野もいい大人なんだし」

クウガ2』として見る『アバレンジャー

のーと「ちょっと脱線しちゃうんですけど、『アバレンジャー』さっきまで見返してたから、その話をしたくてしょうがなくて(笑)
前は全然そんなこと思わなかったんですけど、仲代壬琴/アバレキラーっているじゃないですか。あれ、普通に見たらグロンギのやり直しみたいな感じで、僕もそう思ったし、今回見直してそれが変わることもないんですけど、その一方で、仲代先生って蝶野の要素を全部逆にしたらこうなるんじゃない? って。だから『アバレンジャー』の方が過保護というか過干渉というか、『クウガ』の方が割と蝶野的ポジションの人の自立を信じてる方なのかなって。
まぁもちろんアバレキラーっていうのが、ほっとくと悪いことするやつだから構ってやらないといけないっていうのはあるんだけど、いい大人っていうか成人男性ふたりが、人を信じる信じないで2クールに渡って揉め続けるのってすごいなって思って」
やんま「そんなやってるんだ」
のーと「今すごいネガティブなニュアンスで言っちゃいましたけど、すごい良いところもあって。20話ぐらいかな、レッドの凌駕くんに仲代先生の方から、お前は俺に似ているって言うくだりがあって。凌駕ってすごい良いやつだから、どこが似てるんだよみたいな感じになるじゃないですか。『クウガ』でも同じようなのがあって、一条と五代が似てるっていうの。あれは分かりやすいし、結構早めに回収される感じだけど、凌駕と仲代先生ってどういう感じで似てるんだろうっていうところ……根っこの部分、ダイノガッツを持ってるところとか、どうしても思い通りにならないときに暴力に頼ってしまう、頼らざるをえないとか。色んな意味の重なりがあるし、それがドラマを引っ張ってく力になってるし。一番最後の最後で仲代先生がいなくなっちゃうところで、似てるって言ってくれたこと忘れませんからって凌駕が言うところで綺麗に締まるんですけど。荒川さんは『クウガ2』のつもりで書いてないよって言ってるんだけど、でもすごい、いい『クウガ2』だなと思って。ブラッシュアップされてるっていうか」
やんま「あの人は結局死ぬんでしたっけ、最後」
のーと「最後死んじゃいます。だから今回のテーマ「贖罪」にも絡むんじゃないかなって思ってて。
仲代先生って体の中にすごい悪いやつがいて、そいつのせいで今まで悪いことしちゃってたんですよっていうフォローが入るんだけど、いやそうじゃなくてって。これ全部俺がやりたくてやったことだから、故に責任を取らないといけない。色々言い訳は立つはずなんだけど、そこもいい感じなのかなって」
やんま「引き受ける……背負うの方がいいか」

罪との向き合い方

のーと「贖罪、罪の贖い方っていうのはそれぞれですけど、割と罪の償い方,責任の取り方には色々アリますけど、『アバレンジャー』は割とニュートラルっていうか、色んなやり方を肯定してくれてるなみたいな。
仲代先生はストーリー的にも、物語の設定的にも、あとは本人のキャラクター的にも、自分が最後いなくなって、綺麗に罪を償ってって感じですけど、アバレブラックのアスカと奥さんのマホロは、そういう罪の償い方っていうのは許されないんですよ。終盤敵の剣に串刺しになっちゃって、今まで色々……まぁマホロもアスカもすごい悪いやつじゃないんですけど、色々間違いを犯しちゃったところはあって。だからこれでやっと罪を償えるみたいな、すごい良い感じで死ぬのかなって思ったら、イエローがそれは違うでしょって。やっと一緒になれたんだから、生きて何かしなきゃみたいな。だからキラーみたいに死んで責任取るやり方もなくはないけど、生きてこれからやることで挽回していこうとか。まぁ挽回って言い方は変ですけど、そこまで悪いことしてないから。これからやることを重視してやってこうよみたいなっていうところで、どっちかが良いどっちかが悪いっていうことはしてないのが、好感触だなって思いました」
やんま「あ〜。それは……やってることの度合いとかじゃなくてですか?」
のーと「度合いもあるにはあるんですけど……」
やんま「あ、マホロは敵なのか」
のーと「マホロは……どうなんだろ、殺しはやってるか分かんないですけど、微妙ですね。まぁでも一応画面上の見え方としては仲代先生の方が悪いよねみたいな感じに見えますよね。その差はあるかもしれない。
そう考えると、割と『クウガ』は極端かも。本編の当初のアイディアで五代が死なないといけないとか、今回みたいに長いこと失踪してないといけないとか、あとは先代のクウガみたいにずっと人柱してないといけないとか。そこで、一人だけじゃなくてみんなでっていうのが、今回のあれかもしれないですけど」
やんま「僕、第1話の感想で『クウガ』は許しを得ない話だみたいなことを言いましたけど……教会は許しの象徴だから、それを燃やすっていうのは、五代の奮った暴力は許してもらわなくていいみたいなテーマがあるんじゃないかって。だから五代は、自分のやったことの責任をずっと抱えなくちゃいけないし、そういう意味では一条もそうなのかな。法律を言い訳にしてなかったってところはあるのかもしれない、自分の中で。分かんないけど。
あー、これも広がんない話かもしれないですけど、所謂キリストが贖った原罪? 原罪ってキリスト教の話では現代の人間に、男性は労働,女性は出産の苦しみとして罰を与えられてるみたいな話があったじゃないですか。で、こないだツイートもしたけど(※2)、『クウガ』って割と"仕事"の話だなぁと思って、その辺うまく繋がるなぁと。一条さんたちは仕事として、中途半端はできない。きちんと罪に向き合わなくちゃいけないし、五代は仕事ではないけど、義務感っていうところですよね。クウガだから、やらなくちゃって。誰かがやらなくちゃいけないことを、やるっていう……(現代人が食事をする上で"殺し"をせずに済んでいるのは、屠殺を仕事として請け負ってくれている人がいるから、とか)」
のーと「みんな五代にやらせたい訳ではないけど、五代しかいないからやらせないといけない」
やんま「キリストになっちゃうっていう……」

 

第四章「強敵」

やんま「五代くんが夢に出てくる……"夢を追う男"だったのが」
のーと「夢で追われる男に(笑)」
やんま「そうそう(笑) ……あの"夢"って結局何だったんですかね、別に言われてないですよね? 本編では」
のーと「漠然としてますよね。「みんなに笑顔でいて欲しい」っていうのがもしかしたらそれかもしれないですけど……」
やんま「あーそうですね、大道芸学んだりして、楽しませる人ではあったかな」
のーと「もしそれが夢だとすると、クウガってものすごい歪んだ形で夢を叶えさせられてるみたいな感じがしてヤダ。クウガとして戦うことでみんなを笑顔にできるけど、それは別に自分がやりたいことじゃない。細々とした設定の話ですけど、アークルは持ち主の願いを叶えてくれるみたいなってところで、そういうとこ考えるとすごい邪悪だなって」
やんま「うわぁ……イマジンじゃないんだから(笑)」
のーと「え、叶ってるよね? って」

のーと「四章以外のサブタイトル……空白,幻影,天飛,青空は本編になかったけど、"強敵"だけ45話と被ってるのなんでなんだろうなって。これ外してる……天飛なんて露骨に外してる(霊石)のかなって思ったらこれだけ被ってるから、思い付かなかったのかわざとなのか分かんない」
やんま「どういう話でしたっけ、強敵」
のーと「カブトムシの怪人に、ガドルにぼこぼこにされて……って回。もしかしたらなんかあるかもしれないけど、なんもないかもしれない(笑)」

黒目になってしまった実加

のーと「174P辺りから、実加ちゃんの話が続くパート……つらいですよね、これ」
やんま「殴っても殴っても効かなくて……それでも殴るしかなくて……」
のーと「五代くんも多分同じこと思ってたのかなって」
やんま「それを実加が時間差で理解して、理解っていうか共感して」
のーと「共感して、「あんなやつ死ねばいいと思ってたのに、(中略)たまらなくなって……」までいってるじゃないですか。ここまでいったら、もう赤になれそうとか、或いはクウガとして戦うの嫌だとか、そうなってもいいじゃないですか。
でも、次の章の話先取りしちゃいますけど、そこまで分かってるのに、郷原に煽られたら「今度こそ殺す……絶対に殺す!!」まで言うっていう。そう簡単にはいかないですよね。頭では……頭と気持ち両方で分かってるのに……。
こんな極端なケースって僕らの日常生活ではないんですけど、でもスケールを二回り三回り四回りくらい下げたらありますよね。こういうのは良くないんだよって分かってはいるけど、でもどうしても……って。
クウガ』本編の中だけで言っても、「でもこうしたらこうくるかもしれない」とか。奈々ちゃんのところ(衝動/抑制)。あれはことの重大さとか、そもそもクウガに変身できるできないのところはあるにせよ…………あーでもあるにせよって言ったらいけないのかな? やっぱクウガに変身できる、暴力を振るえる力があるってことが、一線を超えるあれになるんですかね?」
やんま「あーなるほど……。基本、普通人が暴力を振るわない理由って、それこそやったらやり返されるかもっていうのがあるからだと思うんですけど、クウガみたいな力を持ってると、やったらやったきりになっちゃう可能性があるじゃないですか。それってすごい怖いことだなと思ったりして。一時的な感情の高まりでやっちゃって、もうそれは取り返しがつかないっていう……人間同士だったらごめんねで済むかもしれないけど。
……あれですね、実加は変身自体が2回……3回目だったからっていうのもあるのかな?」
のーと「えっと……遺跡で1回目?」
やんま「あーそれもあり得るか、目撃されたときのを僕は1回目に数えたんですけど」
のーと「あぁそっか、ザルボのときで1回。でクラゲで2回、ライオンで3回なので3回目ですね」
やんま「五代はずっと嫌な感じを味わってきたからあれだけど、実加はまだその積み重ねがなかったから、一時的な感情で乗り越えちゃったのかなって」
のーと「そっか、五代が踏んでるステップを別に踏んでる訳じゃないのか」
やんま「警察の人ともね、連携してる訳じゃないし。一条さんだけが繋がりだったのに……あと杉田さんか。一条さんには、一番大事なところでうまく頼れなくてっていうか……ちょっと飛んじゃうんですけど、あのシーン僕すごい好きなんですよね。実加が一条さんに慰めてくださいって言うとこ。で一条さんがそんな無責任なことはできないって言って遠避けるんだけど、最後の実加が闇落ちっていうか、クウガだって分かったところか。あのときもっと話を聞いてあげてれば……みたいな(「なぜ気づいてやれなかったのか。なぜ抱きしめてやれなかったのか。無責任だろうと何だろうと、強く抱きしめて一晩隣にいてやれば、彼女は冷静になれたのではないか。(中略)俺は何度同じ後悔を繰り返すのだろう……!?」)。
あの後悔がすごい……なんて言うんだろうな。無責任だからできないじゃなくて、もう責任を取る、やるしかないんだっていう決断? をする……ちょっと嫌な言い方をすると"男気"というか(文脈から性的なニュアンスが付きかねないのが嫌だったけど、単純に決断力とか責任感みたいな意味)」
のーと「私なりにきちんと関わりますってセリフもつらいな……中途半端はしないってことですから」
やんま「これね……自分を追い込んじゃう感じですよね……」
のーと「あと、その後のページで実加のお母さんが亡くなられてるっていうところがありましたけど……262Pですね、「三年前くらいにお母さんが亡くなられましたよね?」っていうところで、実加はもう本当に独りだったんだなと。本当に独りになっちゃったのと同じタイミングで、クウガになった……だから新しい寄る辺を見つけたみたいな感じにもなっちゃってたのかなって。もうお父さんはダグバに殺されてて、お母さんもいなくて、一応警察官として一条さんに憧れてっていうのもあるけど、なんかそれは遠い存在で。ってところでタイミングよくクウガになっちゃって。
響鬼』のあきらっているじゃないですか。あれと小説の夏目実加ちゃんがすごい似てるなっていうのは、いずれまとまった文章にしようかなって思ってるんですけど、自分の周りにいる親とか親戚みたいな親しい人がいなくなっちゃったときに、自分のアイデンティティっていうかをどうにかするもののなかに、渡りに船みたいな感じでハマっちゃったのかなみたいな。実加の場合は新しいクウガだったし、あきらの場合は鬼だったし。まぁそれは元からあったものだけど」
やんま「やっぱクウガ=五代だから、五代さんがそばにいてくれるみたいな……だから安心できるみたいなニュアンスも」
のーと「五代と、おんなじになる。でそれだけなら良かったけど、復讐の相手が来ちゃったもんだから」
やんま「やることができちゃった」
のーと「別にクウガであることっていうのはそれ自体はなんも特別なことがないっていうか、別に変身しなかったら石も変わんないし」
やんま「そうですね、意志を持ったから……グロンギを倒さなくちゃっていう」
のーと「……200P辺りから読むのが本当に辛いな……特撮絡みのやつでノベライズとか読むのあったけど、『小説 龍騎』の次くらいに嫌やなこれ」
やんま「自分が追い詰められて、加害者側にまわっちゃうっていう」
のーと「さっき言った渡りに船の話もこれかなって思います。実加の場合はクウガで、お母さんの場合はグロンギだっただけみたいな。大して変わんないのかなって。
あと、これやんまさんが言ってたんでしたっけ。そんなに悪いことしてない……非行少女……? なんでしたっけ」
やんま「僕……が言ったのはあれかな、タトゥを入れるのを嫌がったぐらいのことを理由に、お母さんを責める……非行少女も改心しようとしてたのにって実加は言うけど、でもその子、母親が死を考えるくらいDVしてたんでしょ? っていう」
のーと「あぁそっか、逆だと勘違いしてた」
やんま「そう、だからお母さん本当につらい……。でも、だから多分そこで責められるってことは、椿の(蝶野に対する)叱咤もそうですけど、人間の中の弱さっていうのが『クウガ』の中の敵っていうか。のーとさんの説だと、グロンギもそういうダグバに脅されてみたいな部分もあるかもっていう話があったけど、だとしたら『クウガ』が割と蝶野みたいな弱い人に厳しいのは、そもそも弱さが敵だから当たり前っていうか、"そういう作品"だったのかなって思って」
のーと「あのー、実加ちゃんがお母さんを責めるところ。今ちょっと思いついたきりなんですけど、自分のメンタルが不安定なときに実加はクウガっていう新しいあれをゲットして、お母さんはグロンギに縋って解決を図るってところで、ちょっと似てるかなって思った……から、実加もなんか薄々そうなのかなって自分のこと思ってるから、ちょっと強めに責めてるみたいな。
人が強い言葉で他人を責めるときって、本当に相手のことを糾弾したいときか、自分にも後ろめたいときがあるときのどっちかじゃないですか。だからもしかしたら後者の方かもって」
やんま「そうですね、そのニュアンスはあるかもしれない……」

グロンギの価値観

やんま「若干戻っちゃうんですけど、凛が人間なんか生きてる価値がないから死んじゃないなっていう、RIN伽部の意味のシーンかな。あれはなんか僕、若干グロンギの言い分というか……とは違うなと思って。"殺す"じゃなくて"死ね"って言い方をしているのが……僕の中のイメージだと、テレビ本編のグロンギは"殺す"なんですよ。なんだけど、凛は"死ね"って表現をしてて。その視点の違いっていうのかな……普通の人間も、自分の嫌な気持ちを発散したいときに"殺す"じゃなくて"死ね"って言うじゃないですか。その感じが、ニュアンスがすごい人間に近付いてるっていうのかな……それとは言いたいことがちょっと違うんだけど。
まず価値がないから死んじゃいなってとこ? 別に本編のグロンギはリントに価値がないから殺してるとかっていうことではないと思ってて、あんまりそんな感じしなくて」
のーと「むしろ点数として尊重すらしてると思う……」
やんま「そうそう。人間に価値がある存在かとかそんなこと考えてなくて……別にウサギを狩る人はウサギは価値がある存在かとか思わないじゃないですか」
のーと「それそのものには、そんなに感じないですよね」
やんま「ウサギがなんか、環境に良い影響をもたらしてるかどうか、悪い影響をもたらしてるから殺して食うとか、そんなこと考えてる訳じゃないじゃないですか。グロンギはそんな深く考えてないはずなんだけど、凛はそういう価値判断をしているっていうのが、なんて言うんだろう。やっぱそれも人間ってことになるのかなぁ? グロンギにしては意外だなって思ったんですよね、それは郷原もそうですけど。
なんか理屈っぽいじゃないですか。本編では「ゲームはゲームだ」で済んでたところが、お前たちには価値がないからとか、「馬鹿は死んでいいんです(270P)」みたいな」
のーと「僕はなんとなくなんですけど、ガドルの考え方をもう一歩か二歩進めるとこうなるのかなって思ったぐらい……。ガドルは戦うリントの戦士、警察官の男だけを殺すっていう……あと殺す価値があるとも言ってますよね。まぁよくよく考えると、ガドルと人間の男性の警察官の力の差って歴然なんで、お前何言ってんだよって感じにはなると思うんですけど。でもガドルの中ではそういうプライドというか、そういう価値の基準がある訳ですよね」
やんま「あーなるほど。そこは確かに郷原の言い分と重なるのか。プライドっていうか、だから力が云々じゃなくて、戦う気概がある戦士ってことですよね」
のーと「気概がある戦士……殺し甲斐がある、殺す意味のある。っていうところで、ガドルぐらいだとまだゲームの的自体に何らかの価値を見出せるぐらいだったのが、長いこと人間社会で生きてきて……まぁ長いことっつってもそう長くはないですけど、少なくとも1年そこらではない期間で観察してるうちに、やっぱこれ的自体にそんなあれじゃないのってことに途中で気づいたんじゃないかな。ガドルとかバダーみたいに、ゲームの的自体に価値を見出すっていうのはまぁそういうやつらもいたけど、でもよくよく考えたらそんなことないじゃんみたいな。っていうところの変化かなって思いました、僕は」

 

第五章「青空」

これから、自分にできることを

のーと「ちょっと飛ばしますけど、一条さんの「クウガに限らず、誰かが特別に犠牲になるべきじゃない。だから力を合わせるんだ(247P)」って……でもできない。「それは必ず可能になると俺は信じてる」……でもできない。
アバレンジャー』のさっきの回もすごいビター、ビターどころじゃない終わり方でしたけど、『小説 クウガ』もそんなに明るい終わり方じゃないですよね」
やんま「うんうん。救いは、ないんだけど……」
のーと「僕は、この話の中だけだと本当に救いがないと思うんですよね。もうちょっと言うと本編の『クウガ』も、すごい名作だって言われてるし僕もものすごくよくできたものだと思ってるんですけど、でも結局五代に全部押し付けてるじゃないですか。
じゃあそうしないようにするためにはどうしたらいいよねっていうやり方はふんわり提示してくれるんだけど、『クウガ』の世界は厳しすぎてそれができてない。できてない話を受けて、できてない話が良くないよねって言うんじゃなくて、その後になんかしてねっていうのは多分俺たちのことなんだろうって思う。
それはもう『クウガ』はメインターゲットは子供だからっていうのはそうなんですけど、あんとき子供だったやつ、若しくは『クウガ』を見てた大人だった人も、見て、改めてこれ読んで、自分のできることとかをしようよねって。そういう感じなのかなって」
やんま「うんうん、なるほど……。
なんかこの小説の終わり方っていうのは、『ジオウ』の剣(ブレイド)編と比べてですけど、剣編は本編じゃできない救いをやっちゃったから、まぁちょっと賛否分かれたところじゃないですか。そういう見方でいくとこの小説は、本編でできなかったことはできないままなんだけど、でも一条さんが「行くなっ!」って自分の気持ちを伝える……そこだけがちょっと変わってるっていうのが、それこそビターっていうか、いい塩梅だなって思ったんですよね」
のーと「そうですよね、バランスですよね」
やんま「救う……解決できちゃったらそれはもう絵空事になっちゃうっていうか、できないからこそこっちに、なんとかしなくちゃっていう問題意識を残すっていうか。解決しちゃったら、安心で終わっちゃうから」
のーと「そうなんですよね。あと最初の方でも原発の話しましたけど、それわざわざ出してるっていうのは、これ2013年に出た小説じゃないですか。震災後の後始末の話も盛んに言われてたときで、『小説 クウガ』の中……まぁ本編もそうですけど、誰かひとりに押し付けるんじゃなくてみんなでみたいな。だけど現実はそうじゃなかったっていう。こんなのが功績になるっていうのは恥ずかしいんですけど、石原慎太郎が死にましたよね。で、石原慎太郎は功罪相半ばする政治家だったけど、震災のときに放射能で汚染されてるかもしれない瓦礫とかっていうのを、どこも受け入れなかったときに東京都は受け入れるっていう鶴の一声、それはいいことなんですよ。いいことなんだけど、なんでそれごときのことが功績なのかって。みんなが引き受けてないってことじゃん。それは瓦礫の処理とかに関わらずなんですけど、震災にまつわることって。2011年に震災があって'13年にこれが出てっていうのは、なんかそういうところも踏まえてるのかなって。
本編の『クウガ』で、こうできたらいいねみたいなことを言って、でも結局現実はそうはなってなくって。そうはなってないから、『クウガ』の続きをやるとしたらこうなるのかなみたいな。……これは本当に言ったら、子供向けの番組なんだからそんな影響力なんてさぁみたいなことを言ったら、それはそれで正論なんですけど、でも『クウガ』って作品は割とその中だったらその後の影響力はあったものだし、高寺さんも荒川さんもそういう枠にとらわれずにこうできたらいいねってものを詰め込んでた訳じゃないですか。だから俺たちは子供向け番組だからって思うかもしれないけど、作り手である荒川さん的には残念だなぁって思うところかあったのかなと思うんですよね。で、残念だなぁって思ったときに、一条さんに新しく行くなって言わせるくらいのバランスはあるんだけど、結局やっぱり駄目でしたねっていうのは、本当にそういうことなんだなって思う。
……だから、もうこれ気持ち悪いファンのあれですけど、別に時期遅くないと思う。今からでもいいから映画とかにしていいと思う」
やんま「それはちょっと変えてってことですか?」
のーと「年齢とかは多少変わるだろうし、さっき西興部さんが共有してくれたブログ見て、映像化は難しいだろうねって、厳しいって言ってるけど、でもさっきの話で言ったらこの本出たってそんな全然良くなってないんだから、別にもっかいやったってバチ当たんねぇだろって思う。あんな『大怪獣のあとしまつ』みたいなカスみたいな映画が出るんだから。
あれ酷いと思う。何が酷いって今回の原発の話が出たからそのまんま行きますけど、『シン・ゴジラ』のパロディですよねあれは。で『シン・ゴジラ』におけるゴジラと、ゴジラの驚異に立ち向かう官僚が何を意味してるかってのは自明のことですよね。そのことなんて分かりきってることじゃないですか、分かりきってることで、『大怪獣のあとしまつ』っていうあぁいうのが出たっていうのは、もう福島のことをバカにしていいっていうメッセージだと思ったんですよ、僕は。そう受け取ったんですよ。
試みとしては、三木聡って監督がいて、『シン・ゴジラ』的なリアリティのある会話劇の部分っていうのを、三木流の脱力コメディみたいな感じにしても面白いものが撮れるよねっていう見込みで企画されてると思うんですけど、それで取り扱うには結構……もうちょっと慎重になって良かったはずだと思うんですよ。バカにしてるし」
やんま「センシティブな話題ですよね」
のーと「……から、それもヤだなって思った。これ、全然関係ない話になっちゃいましたけど。酷い映画ですよ、酷い映画。あの、あの高寺成紀が怪獣映画なのに怪獣の部分褒めないでオダギリジョーのことしか褒めないっていうのはおかしいですよ」
やんま「そういえば、そうだったな(笑)」
のーと「そういえばそうですよ! 流石にあの高寺成紀と言えど、オダギリジョーと怪獣だったらギリ怪獣の方が好きだと思うよ、それでオダギリジョーしか褒めないのはやっぱりおかしいですよ(笑)
……ちょっとごめんなさい小説の話しましょう、っていうかもう時間なのか」
やんま「そうですね、時間が(笑) あんまり贖罪の方に話を寄せられなかったけど、基本は『小説 クウガ』の話ってことだったんで。贖罪についてはまた罪と罰みたいなテーマを設けてもいいですし、これから先」

 

次回「冬季」

 

※1
神崎「最近、時々テレビを見ていて恐ろしくなってしまうんです。悩んだりなんかしなくていい。もっと面白いものをたくさん買って、面白い場所でお金を使って、何も考えずに生きよう。誰も彼もが、そう言ってるように聞こえてね」

凌駕「そんなに視聴率が大事ですか? 子供たちに、悪魔の番組を見せたいんですか!?」
社長「視聴者は退屈している……刺激を求めているんだ。だからウケればそういうものをつくるしないんだ!」

※2
「戦場/現実」を見ながら
・リントそのものが暴力的に変わったというより、"役割分担"というものを覚えたのでそれぞれの分野については人並外れた特殊性を持つようになっただけ。
板前が平気で魚をさばくのと、警察が暴力を奮うのと、洗濯屋が洗濯するのは、仕事という意味では同じ。"仕事"という概念がリントを変えた。
これ要するに多分戦争に行く兵士と同じで、"与えられた役割"という概念が人を化け物の域にまで突き動かす。多分、個人的な動機や欲望だけではなかなか超えられない一線というものがあるんだけど、義務感はそれを容易にジャンプする。
・激情に任せたものはともかくとして、計画的な犯罪というのも自分で自分に義務を課して、それをこなしている感覚なのではないか。ゲゲルの縛りや人数と同じ、達成するべき"タスク"として。
リストラで仕事を奪われた犯人は、代わりに復讐を自分の仕事に据えてしまった……?

仮面ライダーゴースト 第4クール 感想

第39話「対立!父と娘!」

・アデル「力の根源を手に入れるには、具体的にどうすればよい?」
ガンマイザー「それは、意志の力」
アデル「"意志の力"……だと……」
ここ何回見ても笑える。ゴースト的にはこれが精一杯の"具体的"らしい、そりゃふわふわした印象も受ける訳だよ……。
真面目に解釈すると、アデルはただ父の理想を完成させるという受け売りの目的しか持っていなくて、自分の強烈な願いというものが分かってないから、接触できないのだろう。グレートアイが強い感情の高まりに呼応して現れるのは、小説版で説明されている。

鬼のツノ(ウィスプホーン)の有無

・アリアが変身するダークネクロムピンク。イゴールがプロトメガウルオウダーを使うときは、いつも眼魔スペリオルを素体にして変身しているんだけれど、今回は何故かグレイトフルが召喚する英雄ゴーストと同じ"ツノのない目の紋章"が胸に書かれた素体が使われている。召喚ゴーストの場合は確かにツノはないのでそれで合ってるんだけど、ダークネクロムはツノあるので、この辺はただ"流用したから"ってだけでなく設定があったりするのかな?
そもそもツノの意味について考えたことなかったかもな。こないだの特撮雑談クラブ 第5回「邪鬼」では鬼の象徴として、ゴーストのライダーは"鬼"の本来の意味である死者の魂としてのニュアンスもありつつツノが生えてるから一種の鬼だよねって話をしたけども、死者であることの記号として見なすと、召喚ゴーストやアランが体を取り戻した後のネクロムがはみ出る。
ツノを動物のツノ、つまりオス同士が対決をしてメスを奪い合う、或いは見てくれの良さとして競い合うような"男性性"の象徴として見るなら、タケルに従うだけの召喚ゴーストにはなくてアデルにも果敢に立ち向かうアリアにあるのはまぁ分かる。んだけど、結局素体の胸に刻まれたマークについてはよく分からないまま。彼らに関しては公式読本にも記述がないので……。

・仕事を理由に約束を守るってのはおかしな話だよな。そもそも「この日は出勤、この日はお休み」という"約束"を会社側としたはずなのに、それを破って出勤を要請する会社もおかしいし、それを受け入れて娘との約束を破る(そして悪びれない)父親もおかしい。尤も、往々にして他の社員が急病とかで仕方なく約束を破った結果、そういう反故の連鎖が起こってるんだろうけど。
でも思ってたよりどうでもいい約束だったな。みんな毎日は思い出してられないから命日をきっかけにして亡くなった人に思いを馳せる訳だけど、別にその日じゃなきゃいけない訳では全くない。

・相反する2つの感情ってことで言うなら、ガンマイザーマグネティックブレード(ニュートン,ムサシ)じゃなくて、ニュートンとヒミコにしても良かったのでは? と思ったが、ヒミコに対応するガンマイザーはさっき出てきたプラネット……土属性っぽいやつだったらしい。"出土"とかその辺のイメージかもしれないけど、あのピンクだったヒミコ感はない……。

 

第40話「勇気!悲壮な決断!」

・タケル,マコト,アランの父親に対する価値観がそれぞれ違うところ、すごく良かった。それでこそ3人いる意味がある。

謝らないタケル

・「一気にトドメだ!」
ここ前に見たときからずっと引っかかってて、知らなかったとはいえおじさんの心が入ったガンマイザーを殺そうとして、作中キャラの何人かはそれに気付いて「やめて!」って言うんだけど直撃して、そしたら結果的に元に戻ったから謝罪の一言も何もないままなぁなぁになるっていうのが、話の運びとしておかしいだろってずっと思ってたんだよね。……何より娘の方が「いいよね、タケルくんは立派な父親がいて」って言ったことを謝ってたから、タケルの方から何もないことに疑問を感じざるを得ない。どう考えても「死んでたとは知らずに思いやりのない発言をする」よりも「入れ替わってるとは知らずに危うく殺してしまいそうになる」の方が、過失としての度合いが酷いのに、前者は謝って後者は謝らないという不平等感。
ただ「怪人のせいで起きたあれこれは怪人さえ倒せば全て解決する」という特撮のお約束に則って考えるなら、父娘の入れ替わりを戻すためにガンマイザーを撃つというタケルの判断は別に何も間違ってないから、劇中ではスルーというかたちになったのかな。だとしたらまぁちょっとは理解できた。

・ゴーストって、インタビュー読む感じ諸田監督の意向なんだろうけど、平成ライダーにしては割と戦う場所が単なる市街地じゃないというか、海辺とか岩場とか、昭和ライダーのようなロケーションを楽しむような見方が比較的できる作品なのかもしれない。勿論普段は市街地だけど。
戦闘も面白いな、グレイトフルの能力で敵を追い詰めて、必殺技はムゲン魂という風な使い分けがうまい。

 

第41話「激動!長官の決断!」

・これまではずっとコピーマコトの方から仕掛けてくるからそれを払うかたちだったけど、今回さらっとマコトの方からふらふら歩いてるコピーマコトを襲って狩るという流れになってたのが気になった。
軍服なんてそうはいないので、目立つが故に不可思議現象研究所に目撃情報が来てる可能性もあるけど、胸の痛みで繋がっているから自力で探知することもできるのかもしれない。自我同一性を守るために倒したくなる気持ちは分かるけど、あいつらも一応見てくれが同じだけでひとつの命というか、そのなり損ないなので、容赦なく倒してくのはなんだかなと思ったり。そっか、Vシネで言ってた罪ってのは主にこれのことか。作中で一番取り沙汰されてたのは「ダントンを信じたこと」だったので、いや別にそれ言うほど罪ではないじゃんってずっと思ってたので、ちょっと納得がいった。

長官と仙人の関係

・仙人とイーディスって、実は同じようで違う人物だったりするのか? 今回はドロンしてたけど、特に10年前なんかは今と違って龍,五十嵐,西園寺の眼魔侵攻を防ぐ研究に精力的に力を貸してたんだろうから、そううまく両方の世界で立ち回れる時ばかりではないだろうし、もしかすると彼だけアバターを2つ操作している可能性もあるのかもしれない。眼魔世界でのしがらみや体裁を繕う本アカのイーディスに対して、サブアカの仙人では眼魔を倒す算段を立てたり、時にはコスプレしておちゃらけたりと自由に過ごす。流石に研究のために体がいくつも欲しいからイーディスは何体もいるのだ……みたいなことは、意識がひとつな以上はコントロールしきれなくて無理そうだけど。

・アデルがアリアを活かしておくのは、もちろん彼の最後の良心というか捨てきれない家族への未練みたいなものもあるんだろうけど、ゴーストのテーマ的にも、例えアデルが世界そのものと一体化して完璧な存在となっても、それを目で見て観測するものがいなければ意味がないというか、仮にアデルの目指すものが神だとするなら、それを信仰する人間がいなければ神は存在できないのと似たような繋がりなのかな。

・イーディスが変身する「眼魔ウルティマ・エボニー」かっこいいよね。ジャイロあたりが使ってもっとかっこよく活躍してる姿を見たかった。
Ebonyというのは意味的には漆黒とか、黒檀という仏壇にも使われる木材の名前でもあるらしい。

・アランも元は弥生時代の人間だからヒミコは力を貸したのか? あんまりそうは思えないけど。


第42話「仰天!仙人の真実!」

・皆が口々に仙人を責めるとこで、元は眼魔として侵略してた側、もっと言えばタケルが死ぬ原因をつくった側とも言えるアランが何も言えずに黙ってるのいいな。彼は彼で、長官が仙人として人間界にスパイしていたと知って色々聞きたいことや問い質したいこともあるだろうに。

・タケルが仙人に感謝するとこ、もうまんま『ビヨジェネ』じゃん。一応仙人は世界を守るためだったのに対して、映画の百瀬はただのマッドサイエンティストとしての行動だったという大きな違いはあるけど、人外になったことでみんなを守れたんだから良かったという現実をポジティブに受け入れる姿勢は共通している。
この辺のロジックは弦太朗とも通ずるものがあるか。殺された本人が許しちゃうならまぁいっか、ってやつ。

正義から来る怒りは正義に帰すべき

・悪に対して抱く怒り……即ち義憤は、正義やヒーローという概念と近しいところにある。他人を利用し命を弄んだ仙人を、悪を許せないと思う心そのものは悪くないし、むしろ必要なものですらある。でもその感情に任せて敵を痛めつけるのではなく、あくまで正義という目的のために何をすべきかを大局的に考え、人間界のために技術を提供してくれる仙人を許し受け入れる決断をするというのは、ちょっと面白いな。陳腐な表現をするなら、罪を憎んで人を憎まずというか。タケルを利用してたことに怒ることと、仙人と和解することは矛盾しない。
仙人が悪をなしてでも叶えたかった眼魔世界の存続と、人間側がそれに対して怒る理由である人間界の存続……進撃の巨人でもアルミンが似たようなことを言ってたけど「みんなが平和になる道」を考えることこそ真の正義なのではないか。

・ただ、眼魔世界が完璧じゃなかったとかガンマイザーがいま障害になってることに関してはまぁ医療過誤というか、別に悪気があった訳じゃなくて最善を尽くした結果なんだからそう責めるものでもないけどね。
赤い空の影響で民が次々と死んでいくという切迫した状況の中で、ギリギリ導き出した答えなんだから。

・回想の中で、イーディスはどういう気持ちで龍と戦ってたのか全く分からなかったんだよね。あんたら仲間じゃなかったの? って。でも今回のテーマと照らして考えると、イーディスは眼魂システムによって人間性を捨て去ることで理想郷を実現したけど、それが不完全だと知った上で「もう引き返せない」と思ってしまったからこそ、人間界を侵略して民を、生命エネルギーを増やすことでしか解決はできないと諦めていたところを、龍と戦ってそれは間違いだと気付かされた……という流れなのかな。
そこは分かったんだけどさ、仮にも科学者なら奇跡奇跡言って思考停止しないでタケルの現状を解析して蘇る方法探せよって話なんだよな。眼魂システムに頼らずとも、人間界を侵略せずとも何か方法はあるはずだと気付かされたのなら、もっと研究しろよって。
あー、でもそっか。10年前の計画では「英雄眼魂でガンマイザーを無効化してグレートアイに接触すればあとはなんとでもできる」って感じだったんだろうから、元々イーディスは最終的に、奇跡というか解析不可能な神秘に頼りがちな人なのか。眼魂システムもガンマイザーも、確かグレートアイの力を借りて開発したって話だったはずだし。

・細かい話だけど、七つの大技は基本形態でのオメガ○○という技とそれぞれ対応していて、今回初めて使ったイカリスラッシュはガンガンセイバー 二刀流モードで放つオメガスラッシュに当たるものなんだけど、何故か二刀流モードじゃなくブレードモードとサングラスラッシャーの二刀流でやってるのよね。まぁアイコンタクトでやってる訳じゃなくてあくまでレバー操作でムゲン眼魂の方から武器に力を注いでるんだろうから、そういうこともできるのかなで済む話ではあるんだけど。

 

第43話「接続!天才少年!」

スタッフのリサーチ

・天才少年が読んでる『P≠NP予想へのアプローチ』という本、これみよがしにタイトルが見えてるので気になったので調べてみたら、いわゆる数学のミレニアム懸賞問題についての話題だった。難し過ぎて、解けたら100万ドル貰えるというアレ。
P≠NP予想というのは計算理論に含まれる問題だそうで、チューリング完全がどうこうみたいな話題が出てくる計算可能性の分野はなんとなく色んなとこで聞いたことあるけど、計算複雑性についてはあんまり聞き馴染みがない。
まぁこの問題自体はともかくとして、気になるのは眼魔文明はこのような問題についての答えを既に導き出した上で、デミアを使うことで人間にもそれが解けるようになるのかを試してるのか、それとも眼魔世界でも解けてないからデミアの実験をするついでに何かしら進展があればいいなぐらいのノリなのかってとこ。
本編を見ている限りでは、一般大学生であるアカリでも中和剤をつくれる程度の赤い空に苦しめられてたらしいので、グレートアイがすごいだけで文明としてはまぁ弥生人にしては何百年もかけて発展したんだろなってぐらいで、現代科学とそこまでの大差はないのかなって気がするので、僕は後者かなって思うんだけど。眼魂システムも仮面ライダーも、多分イーディスがゼロからつくったというよりはグレートアイの力添えがあって初めて成せたことなんじゃないかな。
・それとはまた別の話として、こうやって小道具として出すからにはゴースト制作陣はこの作品をつくるために計算理論というコンピュータについての研究分野をきちんと調べたと見ていいのかなと思う。元々プロデューサーとかやるような人はいい大学出てる人が多いから既に知ってたのかもしれないけど、オカルトに見せかけて実はSFであって、ゴーストになるというのは要するに精神をデータ化することで……みたいな設定を考えれば、コンピュータの可能性と不可能性は確かに知っとかないといけない。
それが悪いとは言わないけど、僕ら視聴者はそういうベースの知識とかないまま「これ意味分からん、おかしい」とか簡単に否定する訳で、なんかそれは悲しいことだよなと思うのよね。他の作品でもそうだけど例えばゼロワンとかも、AI開発についての本とか読み始めると「あの展開はこの話が元ネタだったのか」みたいなことがボロボロ出てきたりして、なるほどなぁってなることも多くてさ。
そりゃあ、作品だけを見てる視聴者にきちんと伝えられてない制作陣が悪いということもできるし実際そういう側面もあるんだけど、せっかく真面目にリサーチして作品にフィードバックした努力が報われないのはあんまりなので、なるべくその溝を埋めたいなと思って僕はこうやって、色々調べながら感想書いてる訳なんだけど。
…………とかせっかく書いたのに、天才少年が語りだしたのはなんとフェルマーの最終定理についてで、ご丁寧にポアンカレの名前まで出してるから、単に数学における未解決問題のひとつとして持たせただけかもしれない。まぁ、もしフェルマーの最終定理をコンピュータに計算させることで解く方法を模索してるんだったら繋がるのかもしれないけど、コンピュータ特有の可能性をひとつひとつ潰していく方法は有限の時間では不可能なので、僕にはイマイチ想像できない。

 

第44話「起動!デミアの恐怖!」

・デミアという世界と繋がる革新的なデバイスを、お母さんではなく子供だけが使用してるって状況に違和感しかないんだけど、どういう流れなんだろうね。世間の声も聞かないまま子供に使わせるには、眼魔云々を抜きにしても得体が知れなすぎるし、子供に使わせるほどいいものだと思ってるなら買い与えた本人が使ってない理由が分からない。
考えられる可能性としては、父親がデミアをいいと思ってて子供にも与えたものの母親だけは訝しんで使わなかったというパターンだけど、母子家庭なのかなというくらい父親の話が全くと言っていいほど出てこないので納得感はあまりない。だってその場合、父親も変になってるはずだし……。

御成の変身願望

・御成に変身願望があるのはパンクロッカーだったことや、仏になることが最終目標な修行僧であることからも分かるって話をずっと前にしたな。3話か、あのときタケルが変身するのを見て羨ましがる様子が描かれていた、そういえば。
そういえば繋がりでいくと夢の世界の回で御成がアランの顔に落書きをするシーンなんかもあったけど、今回は体を乗っ取って変身までする御成って、アランのこと嫌いなの? 確かに敵ではあったけど、別にアランが御成を個人的にいじめたことはなかったはずで、だってアランがネクロムになって本格的にドラマに絡んできた時期には、ちょうどイゴールが出てきて御成はそっちと主に関わってたので、アランとは多分直接会話したこともそんなにない。
大天空寺の住職代理の座をジャベルに奪われたりして御成の最後ってなんでか結構不憫でそこがずっと謎だったんだけど、アランに対して心の奥底では眼魔だからと差別する気持ちがあって、それに対する罰としてあんな最後を与えられた……いやいや、なんでわざわざそんなことしなくちゃいけないのか分からないな、それは。アフロになったのは単純に、ジャベルに対して言ってた「生きる意味とは色んな経験をする上で探していくもの」ってセリフと繋がるんだと解釈する方が遥かに納得感はある。

 

第45話「戦慄!消えゆく世界!」

深淵もまたこちらを覗いている?

・確かにディープスペクターと一連のコピーマコトの件は「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いている」という有名な言葉に似ているものがある。『善悪の彼岸』読んだことないけど、どうやら怪物を倒そうとして同じにならないように注意しろ、ミイラ取りがミイラになるなみたいなニュアンスで受け取られることが一般的らしい。そう言われてみるとアデルが世界と一体になるというまさにグレートアイと同じ道を辿ろうとしていることや、それに対抗するために様々な人の心と繋がり半グレートアイ化しているタケルと、ギリギリその一線を踏み越えていないディープスペクターとの対比というか構図が、その理屈を当てはめると結構分かりやすく整理されて理解できるかもしれない。
……んだけど、僕はどうもその解釈があんまりピンとこないのよね。だって、この格言の中で一番ショッキングというか強調されてるのって「深淵もまたこちらを覗いている」の部分じゃん。でも深淵を見ることで自分の中にその情報がラーニングされて、それで自分の方が怪物になってしまうんだから、「自分が怪物(深淵)と同じになるなよ」と警告したいのであれば、強調するべきは"自分が覗いている"行為の方だよね。
だから元の文章のキモというか重点が置かれてる部分は、むしろ「怪物の方が"自分"を見ることで人間に近付いてくる」という、つまりコピーマコトがガンマイザーのようにマコトと戦うことで戦闘データなどを学習して、本物のマコトと遜色ない存在になってくる恐怖の方のはず。ゼロワンでいうならAIがより人間に近づき、もしくは人間を超えるような状態。
まぁ強いて言うならドライブの「人間じゃないやつがこんなに優しいのに……(それに比べて人間のなんと醜いことか)」というセリフのように、そうやって「あれ、いつの間にか入れ替わってる?」という極端な状況を想像させることでより、人間が怪物になることに対する戒めを強めているという見方もできなくはないか。

・サブタイを見て、別に世界は消えてないよなぁと思ったけど、世界とひとつになりつつあるタケルが消えたことでそれを表現してるという解釈でいいのかな?


第46話「決闘!剣豪からの言葉!」

・世界と同化して遍在する存在になりかけているタケルを描写するのに、これまでに英雄だけでなくゲストとして心を繋いできた今を生きる普通の人たちを例として出すのは分かりやすくていいな。

武蔵の言う"空"の心

・空の如く……。本を読んだ限り、武蔵の二天一流というのは、二本の刀を太陽の月の二曜に見立てた上でのネーミングらしい。
それと関係あるかは分からないけど、剣術の心得として"有構無構"ということを言っていて、ざっくり要すると「型にとらわれてはいけない。上段,中段,下段などの"構え"とはあくまでも特徴的なケース別にまとめたものに過ぎず、本来の戦いにおいては相手の出方によって臨機応変に変えるものであり、そのどれとも取れないような構え方をするのが世の常だ」みたいな意味だと思うんだけど、剣術書に書いてあること(見えるもの)を鵜呑みにするのではなくて、そこには常に書いてないこと(見えないもの)があることを意識せよみたいな話だと理解すると、彼の著作である『五輪書』の「空」の巻で言っていることとも通ずるかなって感じ。
本編の流れと合わせて考えるなら「お腹空いたな」とか「明日休みだー」みたいな声はあくまで"意識"のものであって、そうじゃなくて言語化されていない無意識の、海や大地や動物が発する静かな声というものもある。そういうものにも耳を傾けたことによって、ガンマイザーに乗っ取られて本来聞こえるはずのないゲスト3人の助けを求める声が聞こえるようになった……ということなんだろう。
見えるようになったのはイマイチ分かんないけど、不特定多数と溶け合うことでタケルのアイデンティティが不安定になったから見えなくなってたのが、空即是色みたいな理屈で自分を取り戻したから、みたいなことなのか。知らんけど。

 

第47話「呼応!それぞれの覚悟!」

不殺生を説く仏教と、人を斬り殺す武蔵

・今回のタケル殿は、僕ちょっと嫌いだな。アデルは嫌だって言ってんのに無理やり心の中を覗いて、剰え「お前はいいよな、母親の記憶があって」みたいなことを言い出すのは、神経逆撫でしてるというか……無意識に性格悪いよ。
大切な人を殺されたことに激昂するのはまぁ一般的な感覚ではあると思うけど、今回のファーストインプレッションがこれだったので以降も冷めた目で見てしまう。
なんだかなぁ〜! 脚本上のフォローの入れ方が「代わりに御成がアデルを殺せ派になって、タケルは多少落ち着いてアランの気持ちも汲む」っていうコントラストのつくりかたで、あまりにも御成が汚れ役すぎる。「拙僧は修行が足りないので仕方ない!」って、一番言っちゃ駄目なことじゃない? 御成が修行に勤しむ様子をめちゃくちゃ描いてきたならともかく、不可思議現象研究所としての活動を「これも修行」と言い張るだけで所謂修行のようなものを積んでる描写はそれほど多くない。1話で座禅してたとか、12話で滝行してたとか、そのくらい。
「あんなに修行してたのにそれでも許せないなんて、相当龍さんのことを慕ってたんだね……それはもう仕方ないよ……」じゃなくて「……うん、足りないね」ってなって終わりじゃん。

・話はズレるけど、たまたま最近読んだ寒川恒夫『日本武道と東洋思想』で勉強した内容と通ずるものがあったので紹介しておく。まず仏教には"非行非坐"といって、日常で行う全ての行為が修行であるという考え方をする派閥もある。たぶん、修行ってのは滝行や坐禅のようなものに限らないよってことで非行非坐という表現なのだと思われる。
でもってこの本の取り扱う一番面白いところは、本来"不殺生"を重要な戒律として設定している仏教の教えや精神修行のメソッドが、人を殺すための技術である武道……剣道や弓道などに取り入れられたという矛盾。
宮本武蔵なんかが顕著な例だけど、彼の著作『五輪書』はまさに仏教用語から引用されているし、内容そのものも軽く解説を読んだ限りかなり仏教……というか禅の思想に影響を受けていることが見て取れる。その一方で彼は嘘か真か吉岡道場というところで百人斬りをしたという伝説もあれば、佐々木小次郎の決闘でも明らかに敵を殺している。
現代に伝わっているようなドラマチックな展開だったかはさておき、彼がまだ生きるか死ぬかの時代に身を置いていた上で、仏教の教えを取り入れていたことはおそらく確かだろう。
全ての行いが修行ならば戒律を破って殺生をしてしまうこともまた修行の一貫だと考えることもできる。理性を手に入れた後の人間が暴力の罪悪感や葛藤を鎮めるために宗教を利用するようになって、時代が進むにつれて暴力を正当化するために様々な思想が生まれていく様子は非常に面白かったので、2章まででいいから読んでみて欲しい。

 

第48話「終結!悲しみの連鎖!」

・アカリも御成も普通の人間なんだから、眼魔世界に行ったら赤死病になるんじゃないのか? それは分かりきってるから最初から中和剤のSHIKIを貼ってるのかもしれないし、わざわざ劇場版とのリンクに言及したからにはラストで霊体化してタケルと一体になってたから2人とも"普通の人間"ではなくなってたりするんだろうか。

すれ違いも認める

・目の前でアランが「兄上を殺すなんてできない……」と崩れ落ちてるのに、そこから「絶対に許せない! (殺してやる!)」ってなるのは流れとしてあまりにもおかしすぎない? 案の定アランは「やめてくれ!」って言ってるし。
まぁこの辺はあれかな、アデルのように全人類が統一された存在にならず、各々の考えでもって勝手に動くからこそのすれ違いというか、それも含めて素晴らしいよねってことを描きたいのかもしれないけど。マコトが頑なにタケルを頼ろうとしないとか、アランが一人で勝手に眼魔世界に行っちゃうとか、もちろんアデルがアドニスからの愛を受け取れてなかったとかその辺の流れも含めて。

・っていうやりたいことは分かるけど、分かりながらも「随分あっさりと済ませたなぁ」という印象は拭えなかった。
本末転倒を起こした結果グレートアイに乗っ取られて、でも命は無限に繋がってるから殺すことで救済する……という流れはまんま『セイバー』のメギド3人衆と同じだな、今思うと。「死は終わりじゃない、だから殺す」っていうのはなかなかヒヤヒヤするロジックではあるんだけど、まぁなんか作風的にそんな重たい感じにはならないから見れるものにはなってるな。

 

第49話「無限!人の力!」

ゴーストと釈迦力=シャカリキスポーツ

・『エグゼイド』から先行登場、仮面ライダーゲンム。
あんまり意識したことなかったけど、よくよく考えてみればシャカリキスポーツの"シャカリキ"って、漢字表記をすると"釈迦力"……つまり仏教に関係してる用語な訳で、実はゴーストからのバトンタッチとして先行発売されるアイテムとしてはなかなかマッチしてるのか。

先週分でも話題に出した『日本武道と東洋思想』からまた引っ張るけど、そこで遊戯というものについても論じられていた。
仮面ライダーで"遊戯"と言えば『クウガ』のゲゲルに始まり、『アギト』こそ翔一くんが割となんでも楽しんで世界は素晴らしいと考えるタチだったけど、続く『龍騎』『555』ではやはりライダーのバトルは真剣勝負であって、そこに楽しみを見出すのは悪であるという扱いがなされていた。
その構造を大きく打ち崩したのは『電王』辺りからなんだけど、要するにメイン視聴者である子供はただの遊戯として仮面ライダーになりきり、ごっこ遊びをするんだから、そっちに寄り添った方がいいんじゃないかという流れでもあると思うのよね。もちろん、命をかけた戦いってものにリアリティが感じづらくなってきてると云う側面もあると思うけど。

遊戯(ゆげ)というのは仏教用語で、何ものにも束縛されず自由自在にことをなせる悟りの境地のことを指し、『ゴースト』の文脈で言うならOPにおける「思いのままに」がそれにあたることから考えても、本来とてもポジティブな言葉。
これはそう書いてあったんじゃなくて僕が思ったことだけど、武力を正当化して自分たちの葛藤を解消するために思想を取り入れて武道に昇華していくうちに、典拠である仏教の念願叶ってなのか最終的にはやっぱ「殺さないのが一番いいじゃん」ってことに落ち着いたんだろうね。元は平和を勝ち取ったり維持したりするための手段だった暴力が、完全にスポーツとしてそのものが目的にすり変わりつつあるのが現代な訳で。
「全ては所詮遊びに過ぎない」という感覚は色即是空的な世界観に通ずるところがあるし、sportの語源は「(心を苦しめる事柄から)離れる」という意味のラテン語deportareらしいことを考えるとやはり煩悩をなくすことで救済されることを目指す仏教とスポーツは似通っていると言える。
仏教モチーフといういいパスを貰ったからこそ、ゲームやスポーツがモチーフで"究極の救済"を意味する『エグゼイド(EX-AID)』が生まれたのかもしれない。


・母の愛を知って再起する展開、正直今見ても分かんないっちゃ分かんないんだけど、少しは分かったような気がする。
タケルの中にはまだ自分が人でなくなることに対する葛藤があって、そのせいでムゲン魂の本当の力を引き出せずにいたんだけど、人の声が聞こえたりとおかしな能力を使えるようになってもなお、息子として呼び掛け続けてくれる母の声で吹っ切れて、例えどれだけ人の域を超えた化け物になったとしてもタケルはタケルであり龍と百合の子供……"オレはオレだ"ということに気付いて、思いのままにリミッターを外すことでアイザージャイアントやグレートアイザーを倒すまでの力を発揮できたという流れなのかな。なるほど。


最終話(特別編)「未来!繋がる想い!」

清濁合わせ飲む

・13話の仙人の話では「眼魂を集めれば龍の魂も助けられるかも」ってことだったけど、結局あれは「闘魂になって融合したときからもう訳分からんのじゃー」って言ってた時点で白紙になってたのかな。まぁどっちにしろそれはグレートアイならなんとかしてくれるかもってことだったんだろうから、龍はタケルがそこまでは願わなかったから生き返らなかったということになる。当然、アデルも。
この辺のバランス感覚は、まぁ難しくて当然だよな。『ゴースト』のテーマである生きることの肯定っていうのは、その時点で既にいつか死ぬことの肯定でもあるので矛盾を孕んでるし、ご飯を食べたいっていうのも他の命を殺して食べたいってことなので、やはり"純粋な命の尊重"ではないことが分かる。
清濁合わせ飲んでこそのテーマなので、救われない部分があるのは仕方ない。
御成がひとりぼっちになって終わるのも……。

 

ゴースト感想一覧

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仮面ライダーゴースト 第3クール 感想

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エグゼイド感想一覧

仮面ライダーランダム視聴 5週目

 

29日目

BLACK 第17話「杏子の不思議な夢」

ゴルゴムの作戦なのも事実だけど、信彦の命が消えかけてて杏子が行かないと死んじゃう(?)のも本当なのが面白いな
「夢を本気にして、制止も聞かず暴走した結果敵に捕まる」みたいなヒロインのシチュエーションって戦犯としてヘイト溜まりがちだけど、そういう意味ではある意味で筋の通った行動と取れなくもないのでストレスが少ない

555 第32話「絡み合う糸」

草加はなんで洗車してるんだ? 本人の車……ではなさそうだし、クリーニング屋が洗車まで始めたとも思えないし……
いつもサイドバッシャーを手入れしてるから、それを見た近所の人が「うちのもお願いしようかしら」とか言い出して、啓太郎とか真理あたりが「いいじゃん、やってあげなよ」とか言って請け負ったんだろうか
……調べたら、店の配達とかで使ってる車だった
草加って弁が立つから、何気にもっともらしい理屈を言うことが多いイメージ
同じ人の姿をした存在を倒すことに対する呵責の扱いとか、今読んでる小説クウガで触れられてたことだし、かなり踏み込んだことをさらっと言ってる
しかもその精神状態は、むしろ冴子が言ってたオルフェノクのあり方に近いというのが皮肉
・海堂はオルフェノクだから、人助けができる
・2台のパソコンが向き合う

 

30日目

V3 第19話「ハリフグアパッチの魚雷作戦!!」

・海に流されてたのに連絡があったってどういうこと? 改造人間として、電話なんかなくても通信できる機能が付いてるってことなのだとしたら、便利すぎて扱いに困りそうだけど……
・呼吸ができないことの表現として、わざわざV3の口元を灰色に塗ってるのか?
なんかリペやリデコされると「もう二度と元のスーツは見られない……」とかって騒ぐ人がいるけど、本当にちゃんとスーツ改造の変遷を見てみると、案外塗って直してまた塗ってを繰り返されてることも多いから、その必要さえあればまた普通に見られると思うんだよなん

バイス 第16話「守りたい想い…時代は五十嵐三兄妹!」

・オルテカってかなり若く見える(役者は22歳)けど、アギレラを下に見て全ての黒幕ヅラできるような年齢ではないよな?
一応闇医者として働いてる裏設定があるので実際は25〜30歳くらいなのかしれないが、だとしてもデッドマンの幹部としてアギレラを幼少の頃から育てていたことに最初から関与していたとはとても思えない
・ヒロミ……に説明されても説得力ないんだよな
まぁ狩崎はチャラ過ぎるから、見た感じ真面目そうで、しかも戦闘時以外は暇そうな彼が選ばれたのかな? ちゃんと根拠があって言ってるならいいけど、なんで特別なのかは全く説明しないのズルいよな
あー、狩崎もよく分かってなくて、本人にそれ言わせると無能に見えかねないから、代役を立てることで濁してるのか
・本当にヒロミの発案なの?
・お母さんがラブコブ殴るの「無自覚に子供を抑圧する親じゃんしんど……」ってなって欲しいんだろうけど描き方が下手くそ過ぎない? 心配して戦わせたくないって言ってた人が今度は我を忘れて暴力的なまでに応援するってどういう状況なのよ
・カメレオンってあくまで怪人としての能力で擬態してる訳だから、そう見えないだけで他の奴らと違って普段からずっと怪人態ってことなのかなーと思いながら見てたら、どうやら元の姿に戻れなくなってたらしい
殺すことにはなるけど、リバイスが倒すことで元の姿に戻れてある意味では救われた……みたいな話になるのかと思いきや「悔しいなぁ」だから別にそういうことではなかったらしい

 

31日目

初代 第7話「死神カメレオン 決斗!万博跡」

・そっか、ナチスドイツの残党って設定は、ドイツと同盟を組んでた日本ならではのものなのか……全然気付かなかった
僕は歴史にはとんと疎いので分からないけど、ドイツと手を組んだ過去を、否定するのではなく背負いながらも戦うのが、ヒトラーの残した宝である仮面ライダーの使命なんだとしたら、その辺もきちんと勉強しないといけないな……

龍騎 第9話「真司が逮捕!?」

・その自慢の勘で、神崎兄妹を救ってやれなかったのか? と思ったけど、逆なのか
彼女が虐待に勘付いて2人を引き取って、失踪したとはいえ兄も大学行ったりするような歳まで育てきたからこそ自信を持つようになった、でも実は既に優衣が死んでて、士郎もそのせいで歪んでいたなんて知る由もないと……
・面会室って、なんだかすごく鏡っぽいな……これは重松清の『疾走』で、主人公が面会した犯罪者の中に自分を見出して道を踏み外してくのを見たから思うことかもしれないけど
あちらとこちらを現実とミラーワールドの比喩として見るなら、誘拐犯というのはミラーモンスターのことだろうけど…真司はモンスターみたいなものなのか? なんで?

 

32日目

スカイライダー 第3話「勇気だ!コウモリ笛の恐怖」

・勇気を見せればいじめられなくなるって本当なのか? のび太の癖に生意気だって殴られるだけじゃないのか?

カブト 第26話「激震する愛」

ガタックの力を手に入れて、自意識が若干肥大し気味だった加賀美にゲンコツ食らわせる田所さんが、すごく常磐順一郎
・間宮って寄生獣の田宮にも似てるけど、キバのクイーンっぽさもあるな
ワーム同士だから、剣やひよりがワームだと知った上で恋に落ちたりしてるんだろうか、この人たちは


33日目

初代 第27話「ムカデラス怪人教室」

・別に作品内でどう描こうが関係なく、ヒーローと敵を順番こに演じることで子供は勝手に"やられる側"の気持ちを学ぶのか
・てか、ごっこ遊びするのにわざわざ顔面ペイントまで再現するの凝ってるな……
・「頭が良かったりスポーツ万能だったりするとショッカーに狙われちゃうぞ」って、子供番組としてはなかなかアレだよな……まぁ逆に成績悪くても殺されちゃうんですけど

ゼロワン 第18話「コレがワタシのいける華」

・「サクヨは正々堂々勝負したのに」……まぁ素直と言えばいいことだけど、相手の助言を受け入れるのは自分の実力での勝負を放棄してるとも取れるのがなんとも
・立花がサクヨの生け花を脅威に思ったのは、同じAI搭載のザイアスペック越しで評価しているからという側面もあると思われる
将棋におけるAIの評価と人間の評価に少しズレがあるように
・永遠の24歳を自称しながら"若さ"を軽蔑する天津……やはり彼は私欲ではなく社長としての義務感であのナリを保っているらしい
エステ云々も汚職じゃなく、必要経費だと捉えていた説が濃厚
・生け花、無機物に心を見出す立ち場
・ジャックライズに対して、ザイアのテクノロジーをコピーしたアサルトグリップ
立花流からラーニングしたサクヨと、サクヨに教えられる立花
・ヒューマギアぶっ潰すマンとしての不破が、人間がマギアに対抗するレイドライザーを普及させる


34日目

X 第10話「GOD秘密警察!アポロガイスト!!」

・モチーフとなるギリシャ神話の解説を本編でしてくれるの優しいな!?
・例え味方であろうとも、少しでも落ち度があれば見限るのかアポロガイスト
ディケイドで彼が出たことと、ジオウで魔進チェイサーが出たことにはなにか関係があるのかな

鎧武 第7話「大玉スイカ、ビッグバン!」

・傭兵でもあったってのは詰め込みすぎな気もするが、フルーツを自在に切り刻むイメージでパティシエ設定なのか
・勝負を見世物にするのは云々……って、ヒーロー番組への皮肉のつもりなのかなぁ? 紘汰も勝てると分かりきってる相手を叩きのめすこと、これから普通にあると思うけど
・無茶苦茶な理論だなぁ……シャルモンは結構高い金取ってんだろ? 対してビートライダーズはどんだけ練習しようが名声は得られても金にはならない(多分)
そんな妬みで弱いものいじめして楽しむってどんだけ器が小さいんだ、大人の癖に
・戦闘のプロにドライバーを渡したくないって、それ単純に貴虎さんが自分の力で抑え込めないかもしれなくて怖いってこと? 結構タジタジなんだな……
・し、自然淘汰と"進化"をごっちゃにしてる人だ……凰蓮自身が努力してプロになったように、いい結果を残すのはいい遺伝子を持った者とは限らないのに
・スイカの敵役としてブラーボを立てたって話だったのに別にブラーボ倒す訳でもなく、スイカ自体もただ盗んだのを渡されたので使いましたって、つまんねぇなぁホント
山には木の実が、海には魚がいるからその辺にあるもの採って食ってれば生きてこれた日本人的ではあるのかもしれないけど


35日目

V3 第31話「呪いの大幹部 キバ男爵出現!!」

・いま改造されたんじゃなくて、ずっと昔から化け物だったらしいやつが出てきた……原始人みたいなナリしてるだけで実は意外と現代人だったりするのか、それとも古代の超科学で改造したのか

電王 第19話「その男、ゼロのスタート」

・色んな人から求婚されて愛理さんはまるでかぐや姫みたいだけど、わざわざキャラとして設定されてるからには彼らにも何か意味があるのかな?
カイは生まれ得ない訳だから、愛理さんに振られた男たちの子供……という可能性も考えてみたが、流石にそれはなんか発想が不潔なので却下
・相変わらずイマジンは無茶苦茶言ってんな……これも、恋人とタイムカプセルを埋めたのに関係ない子供が埋めたやつを掘り起こすとかいう"支離滅裂な物語"を語ってるということになるのかな

 

前回

仮面ライダーランダム視聴 4週目

次回

仮面ライダーランダム視聴 6週目

スーパー戦隊ランダム視聴 5週目

 

29日目

ライブマン 第14話「ナベ男勇介の叫び」

・怖い怖い怖いやめてよこれ……ナベ男って書いてあるからたい焼き名人みたいなのが出てくんのかと思ったらめちゃめちゃつらいやつじゃん……
・こんな奴らのために……って思っちゃうのは仕方ないけど、それよりもまず感電させないように気を付ける描写が足りない
メモのシーンとか、別に手渡しする必要なかったじゃん? そういうとこで気を使ってもなお感電させてしまってるなら被害者ヅラするのも分かるけど、少なくともあの一件だけは半分自業自得じゃん
って言っても、ミスしたことない者だけが石を投げなさいって怒られるんだろうけど
・レッドの個人回かと思いきやほか二人が仲間思いなことの方が目立ってて、良かったけどそれでいいのかな
・3人戦隊なのにロボの頭にはVって書いてあるのね

シンケンジャー 第22話「殿執事」

・ことはには自主性がないのね、確かにトノサマトノサマ言ってるイメージだ
・なんでわざわざ丈瑠なんだ? 流ノ介あたりなら、丈瑠が命じれば卒なくこなしそうなのに
アヤカシが憑いて以降は、分かるとして
・話は何も動いてないけど、いつもと主従が逆転して落ち着かないことはと、割と様になってる丈瑠、この二人の演技を楽しむ時間というのは、ドラマならではで面白いな
・家柄じゃなくて自分個人を見てほしいゲスト
作品が作品(ウィザードとか)なら命を奪いかねない行為が、人を助けることもある……不思議なもんだ
ゲストの好きな気持ちを利用するアヤカシに重ねて、殿様に対して肯定的すぎることはが否定的な行動を取ることを試練に置くのはなるほど
・スシチェンジャー用ギミックの折れるディスクをイカのヒダに見立てるの天才だな……
東西南北の4モード変形できるダイカイオー好き、欲しい


30日目

メガレンジャー 第31話「止めるぜ!ギレールの暴走」

・機械に心を見出す省吾
ゴーゴーファイブといい小林さん意外と機械ネタ好きね、ゴーバスが楽しみだ
・手段と目的の逆転というのはありがちなネタだけど、目的のために手段を選ばないのなら本当に目的以外の全てを奪ってやろうというのは、なかなか見ないタイプの描き方だな、怖過ぎる……
・メカがふわふわ浮きながら分離したりくっついたりするお約束も、宇宙空間でやっちまえば成立するという逆転の発想が面白い
・ロボを大切に思って戦わせないというのはそれこそ本末転倒だから、例え壊れようとも戦う使命に殉じさせてあげるという選択に鳥肌が立った
生き物を目的のために殺すのは悪いことだけど、機械なら目的のために壊してもいい……このヒリヒリ感はゼロワンを見てるときのそれに近いな、めちゃんこ面白い
・ちょっと待て、あれだけ盛り上げといて「なんともありませんでした」はふざけてるでしょ
無事なら無事で「良かった、なんとか耐え切れた」とかそういう一言ないの?

リュウソウジャー 第33話「新たなる刺客」

・コウたちを取り込み、物理的に"ソウルをひとつに"して全ての技を使えるようになるウデンのような見かけだけテーマに沿ったことをする敵に対して、離れていても心をひとつに重ねるという一次元上の回答を見せることでテーマの本懐を描くのは割とよくある手法よね
・ナダがガイソーグとしてなんか悪いことしてたのかはよく知らないけど、わざわざ自分が嫌いだって言ったりビデオまで残してあった訳だから、これは彼なりの償いというか、自殺として見るべきなのかもしれない?
なんとなく当時から、真に受けるものではない気はしていたのよね、ドルイドンとの戦いのまっ最中なのに、今戦わずに一体いつに備えて修行するんだって感じだし


31日目

カクレンジャー 第8話「化猫ショップ!!」

付喪神……何か酷い扱いを受けたり、逆に大切にされたりすることで心が芽生えたり人の姿になったりする訳だけど、僕らも誰か……神様に酷い扱いをされたり優しくされたりしたから、今の姿になったんだろうか
・可哀想なところがあるから倒さないで放置するって選択をするとまたそいつにいじめられて悪意を持つやつが現れるし、じゃあ猫をいじめた人間も可哀想な部分がないかと言うとそうでもないだろうし、ヒーローにできるのはせいぜい目の前の悪行を止めることくらいなのかもな

ハリケンジャー 第32話「死神と最終奥義」

・獣が街を埋め尽くす……最終奥義って、ディケイドクウガ編の"究極の闇"にそっくりだな
医者は神崎先生だし
・必ず多対一で戦うオオカミの習性を否定する意味


32日目

ゴレンジャー 第1話「真赤な太陽!無敵ゴレンジャー」

・ここでサッカーやってるから、ハリケーンラグビーだと気付くのにめちゃくちゃ時間かかったのか
・メンバーは各地支部の生き残りで、敵の襲撃がある種の選抜試験となるというのは面白いな
黒十字軍がどういう思想なのかは分からないが、ショッカー的な超人社会を理想としているのだとしたら、皮肉だ
・バスジャックみたいに敵が子供を襲う理由として、"弱いから"というのがあるのかな
改造人間のような強いものだけが生き残ればいいと言うしそうなのだとしたら、弱くて他人の助けがないと生きられない子供を襲うのは分かる

ゴーカイジャー 第28話「翼は永遠に」

・子供って指名手配犯の方が感情移入できるのか
何か悪さをして、親という警察から「やべっ見つかった!」って逃げる
てか海賊が警察の力使ってんのおもろいな
・キアイドー完全に更木剣八だけど、もっと昔の元ネタあるのかな
敵から与えられた弱点を付いて勝つことに躊躇を覚えた?
井上敏樹のキャラって、聞く側がドキッとすることは言うけど、本人は腹の底の底ではすべて無意味だと思ってる感じがするというか、ある意味で北岡(英雄ってのはさ)のように出任せばかり喋っているような印象を受ける
・他の人を戦わせないために、自分が戦う……これはジオウみたいに、今回だけに留まらずゴーカイジャー全体に言えることだったりするのかな
ただ、他の戦隊メンバーは守られるだけで本当にいいのかという問題はついてまわるけど


33日目

フラッシュマン 第6話「ほえろ!マシーン」

・バイクの騒音が楽器の演奏を消してしまうってのを良いこととして描くのか、斬新だな
・ひとりひとりは欠けてても、補い合えば一人前になるというのは仲間の描き方としてよくあるやつだけど、それをメカでやるのは説得力があって面白いな

キラメイジャー 第14話「孤高のエース」

・言うほど黒くないのに真っ黒だと馬鹿にされてるのは、泥が混じったワインみたいな話なのかね
少しでも汚れがあると、輝きは意味をなくしてしまう……?
・地味〜に宝路が「限界は超えるためにある」って言ってるな、だからシルバーだけゴーアロー使わないのか?
・自分ひとりで十分だと言いながらも、ストーンを見つけられたのはあくまでチェンジャーのおかげ
例えモノであっても力を借りていることには違いないと気付いて協力を了承するのは、同期のゼロワン的にも面白いかも

 

34日目

バイオマン 第11話「新戦士ジュン登場」

・黄色だから、キレンジャーの交代をオマージュして意図的に戦士の交代劇を描いてるのかと思いきや、そういう訳ではないらしい
・な、なんだこの巨大に見えない巨大戦は……
ロボ戦だけは他のシーンとは別にまとめ撮りしてるみたいな話も聞いたりするけど、黄色交代のゴタゴタで急に撮影してるからこうなってるのか?
でも逆にだからこその工夫も見られて面白いな
・待ってくれ、めちゃくちゃドラマに活かすじゃんうますぎるな
ジュン本人が命がけで戦う決意をセリフで言わないまま設定的なとこで仲間として認めるのはちょっとモヤったけど、あの高い崖を降りたことといい忠告されても戦場に向かってきたことといい、軽そうな口とは裏腹にちゃんと覚悟決めてることは読み取れる

ニンニンジャー 第4話「でたゾウ!パオンマル!」

オルグも無機物だったけど、やっぱ付喪神っていうのは怪人のデザインとしてありがちなのかね
というか動物にしろ無機物にしろ、人間社会に対するアンチテーゼという意味合いが強そう
てか頭を冷やせってそういう……スパイダークーラー
・天晴の出たがりなところはめちゃくちゃ"子供"って感じするな……ニンニンは設定的にほぼ兄弟なので、例え実際に協力せずとも「あいつらには負けたくない」っていう動機として存在することで天晴の強さが引き出されてる部分もあるんだろう
おでんに例えるのも直感的で好きだ、「大根が好きです……」は超笑った
・"天晴がパオンマルも使ってみる"というかたちで多様性を表現するのは、ジオウっぽくもあり面白いな

 

35日目

ジェットマン 第51話「はばたけ!鳥人よ」

テトラボーイパイロットなしなのか、オートバジンみたいだ
・フェニックスとか吸血鬼とか、井上さんは不死身なものと何か縁があるんだろうか?
戦士であるうちは何度やられても立ち上がれる実質的な不死身だけれど、平和が戻って普通の人に戻ったからこそ、ただのナイフで死んでしまう……陳腐な表現をするなら超人の否定、簡単に死んでしまうことも含めて生身の"人間"を賛美するラストに見えた
・それと並行して、結果的には生きてたとはいえ一度は仲間である竜を殺す決断をした凱に対する罰……或いは本人の呵責による死という側面もあるのだろうか

ルパンレンジャーVSパトレンジャー 第3話「絶対に取り戻す」

・仕事としての警察/私情としての快盗に対応して、仕事してのジュレ/プライベートな国際警察という部分も交差した関係になってるのか
・仇であるギャングラーに対する八つ当たりというくらいしか意味のなかったルパンのロボ戦も"一見無駄な寄り道"なのかもな
本編ではしなかったけどもしザミーゴが巨大化していたとしたら、ロボ戦に慣れていないと目的を完遂できなかったかもしれない
・朔也の方も、ミスした分を取り戻すって意味でかかってたんだと気付いたはいいけど、つかさを忘れるくだり絶対要らないんだよな……

 

前回

スーパー戦隊ランダム視聴 4周目

次回

スーパー戦隊ランダム視聴 6週目

特撮雑談クラブ 第5回「邪鬼」

02/12 第6回「贖罪」21:00〜23:30
まず前提として、次回は『小説 仮面ライダークウガ』ありきの回です。それをメインに話すことから逆算して、テーマは最終的にこの"贖罪"に落ち着きました。ただそこから広げて他の作品の話もできればな、と。
『555』のオルフェノク組や、深央を殺してしまい自殺を試みる渡、勝手な決断をした/決断をしてこなかった過去のために戦うWのふたりなんかは明確に"贖罪"だし、父の罪を帳消しにするためにロイミュードを倒す剛や、記憶喪失になる前の葛城巧が兵器開発に携わったという事実から戦いを余儀なくされる戦兎なんかは、自分ではない者の罪を肩代わりするという意味で面白いかもしれない。旬な表現をするなら「あとしまつ」とも言える。
更には特撮全般において、悪事を働いた怪人に対し、その命を奪うことで罪を贖わせることの是非とか、その辺にも突っ込んでいけたらいいな。

予習作品は小説版クウガに加えて『アバレンジャー』22,23話「娘たちのアバレ歌/アバレ電波ドギューン!」を19:00から同時視聴します。余裕のある方はクウガ EPISODE42,43「戦場/現実」を各自で見ておくと、小説版に対する理解が深まると思います。
#特雑

02/19 第7回「冬季」
02/26 第8回「赤青」
03/05 第9回「数字/名前」
03/12 第10回「武器」

特撮雑談クラブ 第4回「初代」


第5回「邪鬼」
スピーカー:のーと, やんま, SONGEN

 話題候補
①【鬼】
■『ガオレンジャー』『響鬼』『鬼ヶ島の戦艦』など
■特撮における正統派な「鬼」キャラクター
②【吸血鬼】
■『仮面ライダー』『555』『キバ』
■「ふやし鬼」モンスターと仮面ライダー
③【殺人鬼】
■『クウガ』『ウィザード』
■一線を超える「鬼」
④【復讐鬼】
■『響鬼』『キバ』『W』
■人が「鬼」へと変身するとき
⑤【鬼ごっこ
■『Sh15ya』『響鬼』『電王』など
■何か/誰かを追い求めるものとしての「鬼」
⑥【デーモンとゴースト】
■『響鬼』『リバイス』/『電王』『ゴースト』
■怪物としての「鬼」、そして霊魂としての「鬼」
⑦【風と雷】
■『セイバー』『剣』『ハリケンジャー』など
■「鬼」といえば風神と雷神が定番のセットだが……?
⑧【泣いた赤鬼】
■『剣』最終回
■忌避され続ける他者――「鬼」を演じるということ
⑨【境界】
白倉伸一郎『ヒーローと正義』
■境界を侵犯するもの――異人としての鬼
⑩【暴太郎戦隊ドンブラザーズ】
■プロデュース:白倉伸一郎 脚本:井上敏樹
東映の「鬼」

 

桃太郎の敵、温羅(ウラ)

のーと「『百獣戦隊ガオレンジャー』のオルグとか、『響鬼』で仮面ライダーとして出てる鬼とか、或いは『電王&ディケイド 鬼ヶ島の戦艦』のオニ一族とかありましたよね。あれ以外に鬼って何かありましたっけ?」
やんま「鬼……のーとさんも仰ってましたけど、ゴーストとスペクターとかはちょっと鬼……特にスペクターなんかは怒ったような顔してて、ディープスペクターは地獄の炎がモチーフですし(多分)、まぁ鬼っぽいイメージはあるのかなって思いますね」
のーと「ゴーストもスペクターも、それからネクロムも、一応ツノが生えてますからね。見た目としても鬼っぽいかもしれないですね。
で、見た目として鬼っぽいっていうところだと『手裏剣戦隊ニンニンジャー』のボスとかは鬼ですかね、どうでしょう」
やんま「あー、どんな感じだっけ。牙鬼幻月でしたっけ……そっか、鬼って言ってるわ」
のーと「ってことで、これは鬼ですってお名前が付いてなくても、割と鬼っぽく……ビジュアルとして見えるやつって結構いますよね。
今ゴーストのディープスペクター鬼っぽいよねって話が出ましたけど、⑥に"デーモンとゴースト"って感じで設定したんですけど。日本語の"オニ"って、一本ないしは二本ツノが生えてる怪物みたいな鬼じゃないですか。で、鬼って漢字の大本であるところの中国の方だと"鬼(キ)"っていうのはオバケとか、死んだ人の魂みたいな感じの意味なんですよね。だからなんかそういう意味でいくとゴーストのビジュアル、ツノも生えててオバケだしで、ダブルで鬼っぽいなって思ったりしますね。
で、それでいくと『電王』とかもそうなのかなって思ったりするんですよ」
やんま「あ〜確かに生きてないですね」
のーと「イマジンはこれから生まれてくるかもしれない人ですけど、多分。憑依する前は人魂みたいな感じで飛んできて、実体になったら赤鬼、青鬼になったり……青鬼? カメかなあれは、微妙ですね。でもウラタロスの"ウラ"っていうのは多分、ってかもしかしたらぐらいですけど、この前やんまさんが言ってたみたいに鬼の名前の"温羅(ウラ)"、あれともかかってるかもしれないし。キンタロスはなんでか知らんけどツノが生えてるしみたいな感じ。あれもオバケの鬼と怪物のオニが両方重なってる感じなのかなって思ったりしますね」
やんま「温羅って『桃太郎』に出てくる鬼の名前なんでしたっけ、確か」
のーと「そうです、だから(モモとウラは)仲悪いのかな(笑) ウラタロスが温羅と関係あるかどうかはともかくとして、『ガオレンジャー』にはウラってのが出てきますよね」
やんま「はいはいはい、そのまんま"ウラ"なやつ」
のーと「なんでしたっけ、シュテンとウラと……ラセツ、青いやつですよね。『ガオレンジャー』って直前が『タイムレンジャー』だったりしたせいで、ストーリーは何かにつけて、そのとき奇跡が……みたいな感じがあって、ちょっとなみたいなとこがなくはないんですけど、でもビジュアルとかって結構良くないかなって思ってて。それこそハイネスデュークのシュテン,ウラ,ラセツのデザインもすごいキマってるなって思うし、毎週出てくるオルグも結構個性的な見た目してましたよね」
 SONGENさん参加
SONGEN「あとラクシャーサもいましたよね。Vシネマ(『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』)に」
のーと「あの……ふわふわの毛がついてるやつ」
SONGEN「なんか雪男チックな感じの……でしたっけ、あんま覚えてないなビジュアル。ウラタロスが温羅ってのは面白いですね確かに」
のーと「もしかしたらかかってるのかな……って」
SONGEN「ギリ考えてそうではありますね、白倉Pか靖子にゃんか」
のーと「あとあれですよね、イマジンってみんな昔話の敵だから、なんかふんわり鬼みたいなフレーバーはあるかもしれませんね。いいやつの桃太郎サイドがいて、敵はじゃあ鬼みたいな……まぁかもな、ぐらいですけど。
今ちょっと記憶を掘り返すためにイマジンとかオルグのやつ見てるんですけど、蒸気機関オルグってイカれてないですかこれ(笑) これすごいな……」
SONGEN「幅広いですよね、オルグ
のーと「コピーオルグとか……オルグのコンセプトが、多分無機物を鬼にしたみたいな感じなんですかね」
SONGEN「付喪神的な感じはしますよね。人間の作り出したモノと、自然派ガオレンジャーとみたいな対立ですけど、ふんわり。俺その辺好きでしたけどね、そういう……身近にあるものが敵になっちゃうので。子供からしたら分かりやすいっていうか」
のーと「さっき出てきたラセツが食器をたくさん使うもんだから、なんかその……子供の頃に使わされるじゃないですか、使うトレーニングを。それが怖くて嫌で。なんか抵抗が……みたいなっていうのはあったかな」
SONGEN「あ〜。一概に身近過ぎるとってことなんですかね、じゃあ」
のーと「だからさっき特撮の鬼であまり思いつかないっていうのがあったんですけど、オルグのデザインざーっと見てるとバリエーション豊富すぎて」
SONGEN「オルグはちょうどいい怖さな気がする」

のーと「さっき『電王』の敵は昔話だからっていうのがありましたけど、オルグマスターっていうのがいることになってたじゃないですか、『ガオレンジャー』って途中まで。でもオルグマスターって本当はいないやつでしたよね。
オルグマスターを復活させるために頑張りましょうみたいな目標で、とりあえずヤバイバとツエツエは頑張ってた訳ですけど、結局オルグマスターってのはいなかったんだけど、ハイネスデュークが3人合体してみたいな。
面白いなって思ったのが、鬼っておとぎ話の敵役なのに、オルグマスターっていうのがそもそも架空の存在で、ヤバイバとツエツエはそれに、架空のおとぎ話的存在に騙されてたっていうのがすごい、いいなぁって思う」
SONGEN「そっか、なんか結構裏切られたみたいな感じでしたっけ。ヤバイバとツエツエは愛されキャラでしたからね、割と。ヤバイバ好きでしたね、ずっと」
のーと「コミカルで。僕も好きですね、今でも好きですね。ツエツエはともかくヤバイバは口癖とかも割と分かりやすいし」
SONGEN「「こいつはヤバイバ!」って、ワルドみたいな(笑)」
のーと「そうそう(笑) 口癖があるとっていうのはありますよね」

地獄の炎と、天空の風と雷

SONGEN「……なんか、すごい頑張って『響鬼』にまず行かないようにしてますね(笑)」
のーと「『響鬼』に行ったら『響鬼』の話しかしなくなっちゃうから……(笑) だから今回なるべく『響鬼』に行かないように、鬼のバリエーションっていうのがあるじゃないですか。さっきも話してたんですけど、日本語のオニはツノが生えてる化け物だけど、中国の鬼はオバケだよね、とか。元々の意味は死んだ人の魂みたいな感じ」
SONGEN「あぁ、"鬼籍に入る"とか言いますもんね」
のーと「そうですそうです。それで言ったらゴーストとかもそうだよね、とか。あとはヴァンパイアとかシリアルキラーも、吸血鬼だったり殺人鬼だったりみたいな感じがして……」
SONGEN「人ならざるもの的なね、意味もあるんですかね」
のーと「そうですね、人じゃないやつの総称みたいな感じですね」
SONGEN「仕事の鬼……みたいなそういう言い方もしまね。それはちょっと違うか、強いみたいな意味合いも……鬼強いみたいな」
のーと「強い、怖いとかですよね」
やんま「すごい、とか。リバイスもね、ボルケーノレックスがオニアツーイ!って言うから」
SONGEN「なんかちょっと古いなって思ったんですよね、それ。そんな鬼ヤバいとか言うか?みたいな」
やんま「どういう意図なんでしょうね、あれも地獄の業火的なあれなのかな?」
SONGEN「リバイスのあれは、轟焦凍かなって思いました、『僕のヒーローアカデミア』に属性2つ使うキャラがいるんですよ」
やんま「氷と炎を……」
SONGEN「……あそうだ、"ツノ"って言ってたんで確認したいんですけど、『クウガ』の頃の高寺さんかな? 分かんないけど、触角だったものをツノにしちゃったから、そりゃカッコよくなるよねごめんなさいみたいなこと言ってましたよね」
のーと「言ってます言ってます」
SONGEN「それで言うと仮面ライダー結構ツノだなと思って、最近のは」
のーと「平成以降は特にそうじゃないですか?」
SONGEN「石ノ森プロの人が初めてカッコいいデザインだと思いましたって言ったのが、キックホッパー/パンチホッパーで、あれもうまいことバッタのトンガリが……(ツノになってて)結構好きなんですよね、デザイン。ショウリョウバッタですよね」
のーと「仮面ライダーのバッタではないですよね、あんまり」
SONGEN「そうですよね、でも一番身近なバッタってショウリョウバッタじゃないですか?」
のーと「トノサマバッタよりはいっぱい見ますよね」
SONGEN「いっぱい見るし、捕まえやすいし。いい感じに色も緑と黒に分かれてて好きなんですけど、最近……『ゴースト』以降結構、一本ヅノライダー増えたじゃないですか。やんまさんは(ゴーストが)なんか『ガンダムUC』みたいだって言ってましたけど、あれもうまいですよね。一本ヅノが開いてVになる。俺も『UC』見てて一本ヅノライダーの方がカッコいいよなぁと思ってて、そしたらゴースト出てきてグリスも出てきて、『セイバー』も結構一本ヅノ……」
やんま「そうですね、『セイバー』ツノあるなと思って、剣斬とエスパーダ(風と雷)の話も話題候補として一応出したんだけど」
のーと「そういえばツノ生えてる……そっか。風神様と雷神様っていうのは、鬼だったら定番の取り合わせみたいな感じですよね。例えば『響鬼』の威吹鬼,轟鬼とかも一応そんな感じで、逆に響鬼が浮いてるみたいな。
で、風と雷っていうのはそもそも仮面ライダーとマッチするのかな。ひとつ前の『剣』もそうだし(カリスとブレイド)、初代ライダーとストロンガーとかもそうなのかな。だからそれでいくと、なんか自然にぴったりハマりそうな感じではありますね」
SONGEN「雷……イナズマンもそうですね。やっぱ自然の力みたいなのはありますよね」
やんま「なんか"空"のイメージですよね、風と雷って」
のーと「『ハリケンジャー』も、ゴウライジャーと合わせて風と雷」
やんま「……で、それを合わせた天空忍者(シュリケンジャー)」
SONGEN「面白いですね、鬼は地獄の生き物なのに、風神雷神は空のイメージ……」
やんま「さっきの死者のイメージだと空って感じですけど、風神雷神は死者の魂ではないよなぁ」
のーと「あれはなんか、モンスターみたいな感じ……」
やんま「なんか神様……的な意味での鬼(鬼神)ですよね」

SONGEN「だいたい鬼だったのかなぁ……妖怪の話になってきますね。妖怪もなんだかんだツノがある」
のーと「ツノがあるやつ多いですからね」
やんま「さっき見たナナシもツノ生えてましたからね、『響鬼』の」
のーと「牛のツノでしたね」
SONGEN「ナナシってなんでしたっけ、見たんだけどな」
のーと「ヤマアラシとウブメをがっちゃんこさせたやつ」
SONGEN「あー、あれナナシって言うんだ」
のーと「ナナシって言うらしいです。"ナナシ"っていう言葉が『響鬼』の作中に出てこないんで、あれなんですけど……。で、ヤマアラシの頭が牛だから、牛のツノが残ってたのかな」
SONGEN「『響鬼』のあれは結構本当にモンスター、怪獣ですよね。妖怪……合成獣でもあるし。合成獣結構好きなんですよね。『ドラえもん 日本誕生』ってあるんですけど、のび太が動物を育てる道具で、龍とペガサスとグリフォンをつくるんですよ。本当は別々の動物として育てるんですけど、のび太は道具使う天才だから、合成獣つくっちゃってみたいな。あれ夢があって好きですね、まぁ本当は実験生物って、望まれて生まれる生き物じゃないけど……結構マッドなことしてるんだけど、のび太は夢のある感じでやっちゃうから、面白いなって。そういう感じでつくってるのかな、ナナシも」
のーと「洋館の男女が魔化魍をつくってるのって多分そういう感覚なんでしょうね」
SONGEN「のーとさんのブログ読んで、人に迷惑かけたいみたいな感じて言ってたけど、なんか普通に実験を楽しんでる感じでもあるんですかね」
のーと「多分結果より過程の方が楽しいのかなって思ったりはしますね」
SONGEN「そうなんですよね、やっぱり。怪獣好きなのって高寺さんですよね。それってどうしようもないものじゃないですか、"怪獣が好き"って。DNAに刻まれているというか。俺は怪獣そんな好きじゃないですけど、別に。それってなんか、そういう感じで肯定していくべきなのかなみたいな。男の子がかたいもの、のりものとか好きだったりするのと同じように怪獣もそんなかの選択肢にあって……」
やんま「怪獣をつくりたいから、副次的に人間を食わせなくちゃいけない……って感じなのかな?」
SONGEN「高寺さんも怪獣を映像で出したいし、作中の人物である洋館の男も、怪獣をつくりたいっていう、ある種投影されたものなのかなとは」
のーと「マニアック……ですよね。多分彼の行動の理由付けというか動機は、おやっさんが言ってた裏をかいてやりたいっていうのもあるんだろうけど、ちょっと先の話ですけど、鎧の蜘蛛つくるとき。これこれこういう強いバケモンがつくれたから鬼を倒せると思うよじゃなくて、傀儡の方に細工をしたらもっと強いのがつくれると思うよみたいな、そういうクリエイティブな方に興味があるのかなって思ったりはしますね。その結果としてどうなろうが、どうでもいっかっていう」
SONGEN「まぁだからつまんない言い方をしちゃうとマッドサイエンティストみたいな一言で片付けられちゃうけど、そういう感じの人ですよね多分。割と伝染する悪意みたいな感じで描かれてるみたいなこと言ってましたけど、割と普遍的にどこにでも怪獣好きな人はいるよねみたいな、そういう話なのかなって」
のーと「どっちかっていうとつくったもん使って何か悪いことしてやろうっていうのは女の方なのかなって。男の方は自分のつくりたいものを特に迷惑とか考えずにつくりたいタイプで、女の方はつくったもん使って悪さしたいとか」
やんま「遊びたい、的な?」
のーと「みたいなイメージですね。だって女の子の方って男がやってる作業自体にあんま興味ない感じじゃないですか。……この言い方が適切か分かんないですけど、オタクにできた彼女ってあんな感じなのかなって。えー何やってんのそれー、えー面白そうー、あたしのやつでもやってみてよーって、そういう(笑)」

負けた方が鬼

のーと「特撮で出てくる鬼っていうのは、例えば『ガオレンジャー』のオルグとか、『鬼ヶ島の戦艦』のオニ一族とか……」
SONGEN「あれ……覚えてないなぁ」
のーと「覚えてないけど、あんだけオニオニ言ってればオニでしょっていう」
やんま「それは……ゴルドラ,シルバラの話ですか?」
のーと「そうですね」
SONGEN「あれはなんか、ふんわりモモタロスが鬼だったから、ガッツリやりましょうみたいな……ガッツリやったのかな? 覚えてないやホントに」
やんま「いや、やってましたよガッツリ」
のーと「ガッツリやってたし、僕の中だとまた『響鬼』になっちゃうけど、『鬼ヶ島の戦艦』って1時間ちょっとに圧縮した『響鬼』だなって思って。1時間ちょっとで少年が成長して自立してる、っていう」
やんま「あー! 確かに!」
のーと「あとクチヒコ(ゴルドラ)が、勝ったほうが歴史なんだって言うやつ。どっちが鬼か……」
やんま「「負けた方が鬼なのだ」って言ってましたね。あれ好き」
のーと「『令ジェネ』だし『Over Quartzer』だし……」
やんま「白倉さん節ですよね」
のーと「あれ白倉節ですよね、小林節じゃないですよね(笑) ……僕『電王』全然詳しくないんですけど、あの鬼の戦艦って何だったんですかあれ」
やんま「どうなんだろうあれ……なんかデンライナーと関係あったりするのかな、でかいし」
のーと「一応時間を行き来できるとは書いてあるからデンライナーっぽいものかのかなとは思うんですけど」
やんま「まぁなんか電車よりは……戦艦てか船の方が古そうですよね(だからプロトタイプ的な何か?)」
SONGEN「舞台装置ですかね」
のーと「まぁそんなこと言ったらあれか、見た目が戦艦だから違和感あるだけでガオウライナーとかも十分無から生えてきてるのか。あんまり考えてもしょうがないっすかね」
SONGEN「考えたら面白いのかもしれない」
やんま「裏設定はあるのかもしんないけど、今のところ伝わってきてないっていう。まぁだから考えるのが面白いところもあるんですけど」
SONGEN「連想ゲームでもありますよね、ガオウライナーはチクタクワニですよね。『ピーターパン』の」
のーと「あ〜、そっかそういうあれなのか」
SONGEN「で、ツーカイザーが乗ってるのもワニ。あれも……海賊だからワニみたいな連想らしいんですよね。フック船長は追われる身では? みたいなこと言ってましたけど、チクタクワニに。それはでもデザイナーさんが上げてきたらしくて、白倉さんは関与してない……」
やんま「『ONE PIECE』でも、フックで"クロコダイル"とかいますしね」
SONGEN「そっか、『ONE PIECE』も確かにシャレが効いてる。シャレなんですよね、シャレ」
やんま「モモタロスも、桃太郎と鬼ダブルモチーフだし、敵と味方って一緒にされがちなんですかね(ひとつの"物語"として見たときには)」
のーと「白倉さん的には意図的に混ぜてるんじゃないって思ったりはしますね」
SONGEN「モモタロスが味方なのはやっぱり、あぁいう見た目で味方ってのが、仮面ライダーは元々悪の力を転ずるみたいなのありますけど、やっぱ見た目があんな鬼でも、いいやつだよみたいなところがやっぱり、やりたかったんじゃないですかね。見た目で判断されちゃう……子供にとっては。でもそれがちゃんとウケたから良かったですよね、モモタロスは」
のーと「もう見慣れちゃってるからあんまり悪いやつにも見えないんですよね」
SONGEN「どうなんだろうな、当時の子供たちのあれが気になりますよね。やっぱり、分かんないですけど」
のーと「なんか名前……もヘン、他のイマジンたちと違うし。モモタロスイマジンって言われても、バットイマジンとかカメレオンイマジンとかとなんか違うじゃないですか」
SONGEN「名付けることが大事だったんですかね、良太郎が。じゃあモモタロスって、名付けることが味方にする儀式みたいな」
やんま「……なんか当時僕が子供(8歳)として見てた感じだと、モモタロスが鬼とか悪いやつって認識はなかったです正直。最初からだって割と味方として出てくるし、そういう見た目だけど……見た目は別に気にしてないかな? "こういう味方"って感じでしたね。おふたりは当時割と……あれなんですか?」
SONGEN「もうお歳を召されてましたね」
のーと「僕はまだランドセル背負ってたので……『響鬼』が面白くって(笑)」
SONGEN「響鬼もあんな見た目で……って言っちゃ失礼か、ヒーローですからね」
のーと「昨日もツイートしましたけど、『響鬼』のファッションだいたいグロンギと同じですからね」
やんま「ほぼ裸」
のーと「上半身なんか変なの付けてて、下ふんどし……」
やんま「でもなんか、めちゃくちゃ鬼っぽいですよね。ほぼ裸で、ちょっと何か付けてて」
のーと「『響鬼』の鬼が我々の思ってる鬼に近いかどうかはともかく、オルグっていうのが無機物と合成されてるとても鬼には見えないやつで……まぁツノは生えてるけど。シルバラとゴルドラってのは、なんかちょっと仮面ライダーっぽい見た目で。ってところでいくと、やっぱり『響鬼』の鬼がまぁ和風っぽい鬼ってことにはなるのかなとは思いますよね」
やんま「確かに見た目的にすごい鬼っていうのは、響鬼くらいかなぁ……」
のーと「まぁでもディープスペクターも鬼ですよね。顔も鬼っぽいしカラーリングがすごい響鬼に似てるって思う。イメージの話ですけど」
やんま「ちょっと分かります」

ごっことしての『電王』

のーと「別のテーマに移ろうかなぁなんて思ったりすると、鬼の果たす役割って色々あるじゃないですか。一番身近なところだと、まぁ節分は年1だから身近かどうかあれですけど、鬼ごっこっていう遊びをするじゃないですか。鬼ごっこっていう遊びの敵役っていうのに鬼がいる訳ですけど、『響鬼』と『電王』っていうのはなんかそんな感じしませんか?」
やんま「そうですね、『電王』はまんまですけど……そっか『響鬼』もそうですね、さっきなんか特に、追いかけてましたね」
のーと「鬼が、童子と姫とか魔化魍を追いかけて……みたいな感じ。『電王』がまんまっていうのは、桜井さんですよね。あ、だからイマジンが鬼っぽいって言ったんだ。昔話の味方が桃太郎で昔話の敵が鬼で、イマジンが鬼だから、鬼ごっこの鬼としてイマジンは桜井さんを追いかける、ってことになるんですかね」
やんま「うんうん。でそのイマジンを、またモモタロス達が追いかけるっていう」
のーと「二重鬼ごっこが『電王』……なんですかね。
あれですよね、僕リアルタイムで見てたときって、コート着て帽子被ってる謎の男の人(桜井さん)って絶対悪いやつだと思ってて。だってそれなんでかって言ったら、傀儡と見た目がだいたい同じなんですもん。『響鬼』の、なんか杖持ってるやつ」
SONGEN「時計(みたいなの)がいっぱい付いてるやつ」
のーと「あれが全身真っ黒男で帽子被ってたから、全身真っ茶色男もきっと悪いやつなんだろうなって(笑)」
SONGEN「それで言ったら鳴滝もなんか、あんな見た目ですよね。あいつもよく分かんないやつですけど」
やんま「まぁ鳴滝はまだ顔が見えるからあれだけど、桜井さんは顔見えないんで余計に怪しいですよね」
のーと「毎回毎回、いい感じのとこに意味深な感じで出てくるし」
SONGEN「あれ、なんでいるんだっけ」
やんま「桜井さんは逃げ回ってるだけ……っていうかただ"いる"だけなんだけど、イマジンから逃げ回ってるって設定ですよね、確か(桜井が潜伏している時間にイマジンが飛ぶので、毎回電王とニアミスする)」
SONGEN「そっかそっか、それで鬼ごっこって言ってたんですね。まぁそういうの分かんなくても楽しめるって設計ですもんね。カイとかもよく分かんないけど」
やんま「まぁでも、女の子(ハナ)が生まれるか男の子(カイ)が生まれるかっていう……ところで見ると、ちょっと分かりやすくなるっていうか」
のーと「あれですよね、昨日か一昨日誰かが言ってた、カイっていうのは桜井さんと愛理の別のルートの子供か、みたいな話」
SONGEN「それって考察のひとつなんですか? なんかどっかにあるんでしたっけ、資料」
のーと「あるんですけど、別にそれはぶっちゃけどうでもよくて、愛理とか桜井の血縁じゃなくても、生まれたかもしれない男の子ぐらいでいいと思うんですよね。"かもしれない"のやつらが、なんでか知らないけどこっちの方に干渉してきてる……ぐらい」
SONGEN「なんかスカッと敵を倒して終わりって話じゃないですよね、『電王』は。『カブト』もそんなイメージあったんですよね、スカッと終わりじゃなかったから……『響鬼』もか。ヒーローものとしてはラスボス倒して大団円が一番清々しい」
のーと「そう……ですね、でも『電王』は清々しい方かなと思います」
SONGEN「『電王』はなんかね、みんな一緒にいて、ハッピーな感じだからいいですよね。うまいですよね、だからそれ狙ってつくったならすごいっすよね。
最近なんかアメコミ映画とかも、明確なヴィランが存在しないみたいな設定のことが多いなと思うんですよね、割と。いるときはいるんですけど、一番それ感じたのは『アントマン&ワスプ』なんですけど。敵も被害者みたいな感じ……」
のーと「カイは……被害者っちゃ被害者ですけど、でもモモとかウラとかが、最後良太郎に覚えててもらったから消えずに済んだみたいな感じじゃないですか。だから、カイとかイマジンも最初っからみんなと仲良くしてればよかったんですよね。それができたかどうかはともかくとして。仲良く……まぁ仲良くじゃないですけど、自分たちの居場所を元あるところから力尽くで横取りしようとするんじゃなくって、っていうところで、そこなんじゃないかなって思うんですよね」
やんま「でもそこはうまいですよね。設定的に、そもそも自分が存在できないかもしれないっていう切迫感っていうか」
SONGEN「混濁してますよね、記憶も……記憶なのかな」
のーと「カイってもしかして積み上げがないんじゃないかなって思って」
SONGEN「急に来ましたしね」
のーと「だから僕のイメージでは"赤ちゃん"なんですけど。ハナは実際に生まれてくるルートがあるからそういうのがあるんだけど、カイは多分なくって、急に自分が特異点であるっていうところだけができて、あれができてるみたいな。だから自分がやってることとか自分の考えてる気持ちとかも確認しないと、それが確かなものにならない」
やんま「人生ずっとストリーミング再生みたいな」
SONGEN「リュウタロスも子供っぽい感じでしたけど……特異点って言葉も、なんか最近『FGO』とかでもありますけど、あれもすごい面白い言葉ですよね」
やんま「割と便利に……使われてますね。まぁ"変なポイント"ぐらいの、元は意味ですけど」
のーと「僕は『電王』の中だったら"昔話の語り手"ぐらいのイメージなんですよね。「むかしむかし……」の人。特異点に覚えてもらわないと存在できないっていうのはそういうことかなと。だからカイは全然違う話をする人ですよね、むかしむかしあるところに……で、急に存在しないことを言うやつ」
やんま「めっちゃマイナーな童話を語りだすやつ(笑) 良太郎は桃太郎とか……まぁ龍の子太郎とかナニソレみたいなのもいるけど」
のーと「自分でイマジン送ったときのカイって消えちゃいますけど、あれは多分ものすごく無理な話をしたから破綻しちゃった、だと思うんですよ。むかしむかしあるところに、3千年後の地球ではドラゴンが……みたいなこと言い出したら、お前何言ってんのみたいな感じになって、話がおじゃんになっちゃう。話が駄目になっちゃいました、で砂になるのかなと」
やんま「俺いまどういう話してたっけ? みたいな(笑)」
のーと「で、それを確認してくれる人もいない」
やんま「なるほど、瞬瞬必生の権化なんだあの人は。それが否定されてるの面白いですね、なんか。まぁ『電王』はそもそも電車だから、既定路線っていうかレールに沿った動きが肯定される(脱線がタブー)なのは分かるっちゃ分かるんですけど、それって珍しいですよねライダーだと」
のーと「そう……ですね、あんまりこういう見方してもよくないかもしれないですけど、プロデュースする人とかお話書く人って、世に出たもの以外に絶対大量のボツを生んでると思うので、そういうのもあるのかなって思います」

のーと「あと、"鬼ごっこ"に一応『Sh15ya』って出してるんですけど、『Sh15ya』っていうのは、悪いことをした少年少女を、近くにいた大人がピースっていう怪人に変身してやっつけにいこうみたいな、そういう一連の流れがルーティーンとしてあるんですけど。非行というか、一線を越えちゃいそうになったやつを懲らしめにいくっていう感じなんで、割と見方によっては正義の味方みたいな感じだったりして。田崎監督とかは、現場では追っかけるピースのこと"電子なまはげ"って言ってると。バーチャルなまはげですよね」
やんま「あーなるほど。「悪い子はいねがー」って」
のーと「なまはげっていうのも、まぁ本気で信じてる人いたら申し訳ないですけど、近所の大人の人がお面を被ってなまはげになるわけですよね」
やんま「あー! そっかそっか、"近所"のね」
のーと「『Sh15ya』の中だと、その電子なまはげから逃げることもできるし逃げないこともできるみたいな感じで、それもちょっぴり鬼ごっこかなと思ったりします」
やんま「あ~、なるほど。(その方が楽しいから)敢えて鬼になる子もいるみたいな」
のーと「だからなんか、役割みたいな感じですけど、何かを追っかけてると自動的に鬼の役割が振られて……みたいな。そんなのもあるかなぁって思ったりします。悪い子を追いかけるとか、特異点……分岐点の鍵を追いかけるとか、ヒビキさんの背中を追いかけるとか」
やんま「「先を行く者とそれ追う者」……なんだっけ、『カブト』か」
のーと「すごいこじつけですけど、デーモン(悪魔)て鬼じゃないですか。てか鬼がデーモンじゃないですか、訳語が。だから五十嵐一輝のうしろにずっとくっついてるあれも鬼ごっこの鬼みたいな感じするなって。あと鬼ごっこの鬼って役割入れ替わりますよね」
やんま「そうですね……そっかそっか、鬼じゃなくなるのか」
のーと「鬼じゃなくなる時もある、だからカゲロウくんとかもそうなのかなって。っていう風にこじつけていくと『リバイス』もそういう風な感じで見れるかな? ぐらい」
やんま「なんかあんま(話が)広がんないけど、バイスの見た目は『青の祓魔師』の燐っぽいところがあるなって思いました。耳が長くて……ってのは"悪魔"全般の記号だけど」
のーと「主人公の、眼鏡じゃない方」
SONGEN「『青エク』の舞台って、全然話違いますけど、ディケイドとディエンドの役者が、どっちもやってるんですよね」
のーと「へー!」

『剣』と『泣いた赤鬼』

やんま「……ディケイド,ディエンドも鬼ですよね」
のーと「赤鬼,青鬼ですかね」
やんま「パッと見……まぁディケイドはね、まんま鬼だけど。鬼っていうか破壊者っていうかデーモン(悪魔)っていうか」
SONGEN「二本ヅノに見えますね」
のーと「『スーパーヒーロー大戦』って"泣かなかった赤鬼"なんですかね(笑)」
やんま「あれか、ディエンドが敵になるやつ……そういうことか、(海東がいなくなっても)別に悲しくねーよみたいな?」
のーと「逆『泣いた赤鬼』みたいな……」
SONGEN「『泣いた赤鬼』……って全然記憶にないっていうか、そんなに面白い話ですか?」
やんま「まぁまぁ、印象には残ってますね。僕子供のころ聞いて」
のーと「切ない話ではありますよね」
SONGEN「あれもでも、鬼だって泣くんだよみたいなそういう感じにしか捉えられてないことが多いみたいな印象を受ける。エモい話みたいな」
やんま「すごいヒネた子供だったけど、鬼にしなくてよくない? とは思ったかな、主人公。鬼にしたからわざわざ可哀想ぶってるけど、みたいな(子供心に、優しくて人を食べないならそれはもはや"鬼"ではないじゃんと思っていた)。
でも確かにディエンドが敵役になるやつは、すごい『泣いた赤鬼』の青鬼っぽいというか、敵役を"演じる"みたいなニュアンスはあったかな」
SONGEN「『剣』もそうって書いてあるけど……」
のーと「これ……は僕の発案じゃなくてやんまさんがそう言ってたのを拾ったんだと思うんですけど、そうでしたっけ」
やんま「そう……ですけど、これ別に僕が言ってた訳じゃなくて、なんかの書籍で読んだのかなぁ? 白倉さん辺りが言ってそうな感じはする……」
SONGEN「『泣いた赤鬼』はそうですね、『ヒーローと正義』で」
やんま「そう、そこで『剣』については言ってないと思うけど、なんかしらで言ってたと思うんですよね」
SONGEN「え、つまり……あぁ、去ったからってことか?」
やんま「そう青い人(ブレイド)が去って、赤い人(カリス)が人間の中で暮らせるっていう。まぁちょっと、ツノの数は違うけど(ブレイドは一本ヅノだが青鬼はだいたい二本、赤鬼は一本のこともあるがカリスは二本)。形式的にはまぁまぁそうだよねっていう」
SONGEN「なんか八百長みたいな話でしたっけ、言い方悪いけど。だからなんか俺、そんなにいい話だとは思ってないんすけど。でもそっか『剣』は、そこの選択権は剣崎の方にあるんですよね。お前は人の中で生きろって言って。まぁ始さんが生きたいって言ったかどうかは別として、結構だから剣崎のエゴでそうなってるっていう感じのイメージ。だから俺『MISSING ACE』もあって良かったなと思うんですよね、普通に封印しちゃってるっていう」
やんま「始の方が消えるエンド……」
SONGEN「あれも提示されててよかったなって。まぁそっちに行かないようにした……會川さんが言ってたのかな、井上さんが映画書いてくれたことによって、なんか色々定まったみたいなこと言ってた気がして」
やんま「言ってましたね『語ろう!』で、整理されたみたいなニュアンスのことを。
さっき"八百長"って言ってたけど、『泣いた赤鬼』の赤鬼がいいやつなのは事実なんで、青鬼が悪さしたのも嘘だから、本当は二人ともいいやつ……だから、別になんか悪い嘘じゃないっていうか。青鬼は青鬼で、まぁ別のところでそれなりに普通に暮らしてるんだろうし……」
SONGEN「あーそうなのかな、そう思いたいですよね。最近よくTwitterに上がる、女の子が女の子に泣きついてる絵(※1)で……慰めてる女の子の方が、後ろから矢がいっぱい刺さっててみたいな、見たことありません? あの感じがしてすごい嫌なんですよね。か弱い女の子を助けてあげてるちょっとお姉さんぽい女の子がいて、そっちの子の方がいっぱい傷付いてるみたいな。青鬼はだから誰にも理解されてない……」
のーと「まぁでも『剣』の場合は、剣崎がやったことっていうのは割とみんなに……やったことの意味は分かられてますよね。その上で、會川さんが書いた訳じゃないけど、小説版の『剣』の方だと、やっぱりそれずっとやってかなきゃいけないのは辛くてみたいな……。でも『小説 剣』は割と大胆にアレンジしてるんで、これはこれでアリかなみたいな。『剣』にそこまで思い入れがないからかもしれないけど」
SONGEN「思い入れって難しいですよね……」

のーと「おそらくっていうか、自分の観測範囲内でも『ジオウ』の剣編は割と不評だったんじゃないすか?」
やんま「そうですね。僕は好き……っていうかまぁ普通でしたけど」
のーと「僕はちょっと……"品がない"なって思いました」
やんま「あー、品はないな(笑)」
SONGEN「あれは白ウォズ退場編がかかってるから、ゴチャッとしてるんですよね」
のーと「だから僕、あれで『仮面ライダージオウ』っていうのはレジェンドのためにあるんじゃなくて『ジオウ』の話のためにレジェンドを使うって方向に振ってくんだなって思って。それだったらいいじゃんと思ってたんですけど、でも響鬼とかアギトってレジェンドの比重の方が大きいじゃないですか。なんでやねん! て、だったら響鬼とアギトもメタメタにしろよって。いや俺は響鬼編好きだけど!」
やんま「なんか僕当時言ったんですけど、『剣』ラストの解決策がポーカーにおけるロイヤルストレートフラッシュだとしたら、『ジオウ』ではルールがジャンケンに変わってて、チョキ出されて負けちゃったみたいな(笑) 本当は最強というか、最善手だったんだけど、でもこのルールでは俺の勝ちだからみたいな」
SONGEN「あぁ、トランプ(パー)をチョキで切っちゃったんだ(笑) 最強の切り札、切りますみたいな」
やんま「そうそう、そういうところでちょっと受け入れられないところがあるのかなって思ってましたね」
SONGEN「俺割と『ジオウ』はそういう捉え方を最初からしてたんで、なんか別に……レジェンドのためじゃないというか、割と歴史の簒奪者じゃないけど。それを悪い風に描かなかったのがちょっとあれかなとは……難しいっすね、剣編の話は難しい。あれは……あんなもんだと思いますよ」
やんま「逆にじゃあどう触れるかって話ですよね……」

のーと「今思い付いた斜め上の擁護だと、『剣』って作中でもなんか、毎回ルール変わってたなって思ってて。ルール変え合戦みたいな(※2)。バトルファイトのルールがあって、でもその封印の石(モノリス)縛ったから仮面ライダー最強にしまーすっていうのがあったりして、全部そういうのが通用しなくなったからじゃあ俺ジョーカーになりますとか、映画ではバトルファイトとか関係なくキング4枚揃えた俺勝ち!っていうエクゾディアみたいな感じ。だから……割とそういうどんでん返しっていうか、ハシゴを外すのが『剣』っぽいっていうんだったら、『ジオウ』のあれも『剣』っぽいのかなぁって(笑)」

『ドンブラザーズ』

のーと「(事前に挙げた中で)1,5,6,7,8はざっくりさらった感じなんですけど、2.ヴァンパイア,3.シリアルキラー,4.復讐鬼の中で、なんかこれはっていうのあります? ……これはこじつけですね。最初に特撮で"鬼"って考えたときに、ストレートに鬼っていうのがあんまりなくて、『響鬼』の話はするとそっちばっかりになっちゃうからこじつけで、あれも鬼これも鬼って感じで増やしてったんですけど」
SONGEN「敢えて『鬼滅』の話はしないでおきましょうか(笑)」
のーと「『鬼滅』……『セイバー』の話ですか?(笑)」
SONGEN「『セイバー』って別に『鬼滅』じゃなかった……って聞いてますけどね」
のーと「別に『鬼滅』ではなかった……」
SONGEN「むしろオニシスターの方が『鬼滅』っぽい。『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』いきますか。『暴太郎戦隊』は多分メタバースとかそういうとこも意識してると思います。"アバター"じゃないですか。あと『ゴーバスターズ』を拾いもするんじゃないかなぁって、サングラスもかかってるし。あとはCG技術とか」
のーと「CGとのバランスは割と『ゼンカイジャー』とかでも()とかやってるんで、次を見越してってことだったのかなとは」
SONGEN「なんか明るい感じにはなりそうだなぁって思いましたね」
のーと「そうですね、この前のゲストでの雰囲気を見る限りだと」
SONGEN「そういう方がいいっすよね、日曜の朝には。武部さんが『ゴーバス』やってたから、どういう感じでやってくんのかなーって。あの不揃い感がいい感じになるんじゃないかなと思って。『ゼンカイジャー』言っても、メンバーの中では結局介人が目立っててって感じだったんで、モモタロウはちゃんと5人で話を回すのかなっていう」
のーと「かもしれないですね。また白倉さんお得意のあれかもしれないですけど、どうしてこれは◯◯なんだろうって感じで。『ゼンカイジャー』はどうしてスーパー戦隊の各メンバーの見た目は似たような感じなんだろう?から外してる感じですよね。みんな同じ感じの色違いじゃなくてみたいな、形は違うけど色で分かれてるみたいな。『暴太郎戦隊』の方はもうちょっと単純で、どうしてみんな身長がだいたい同じくらいなんだろう?っていう(笑) どうしてみんな体型が同じくらいなんだろうって」
やんま「それはもう、(揃えてるとかじゃなくて)"人間として揃ってる"ところですけど……(笑)」
SONGEN「どっちが先なんでしょうね。『ゼンカイジャー』も別にコロナ対策で着ぐるみなんですかって言ったら違いますって。だからCGが先に使いたくてあれなのか……なんなんですかね」
やんま「え、違うんだ!? ……あぁ、前々から考えてはいたよとか、そういうあれなのかな。たまたまコロナにも都合がいいから採用しただけで」
SONGEN「『ゼンカイジャー』やりながら『暴太郎』考えてたってすごいですよね」
のーと「『アギト』『龍騎』『555』の頃とはちょっと違いますよね。『アギト』終わって次考えるの大変だなぁとか、『龍騎』終わって次考えるの大変だなぁとかじゃなくて、どうせ次もやるんだろうなぁみたいな。じゃあ次何やろうかな、やってねぇのなんかないかなみたいな」
SONGEN「白倉,井上,田崎でつくるのはこれが最後ですって『555』の時に言ってたはずですからね、すごいことですよね」
のーと「『ドンブラザーズ』……白倉,武部,井上,田崎で、なんかこれ以上やりたいことなんかあんのかなって思ったりするんですけど、何やりたいんでしょう。っていうのは()のオニシスターとか使ってとかじゃなくて、話の上でなんか、そのスタッフじゃないとできないことがあるって思ったんですかね」
やんま「なんかもう……出枯らしだけど、だから見た目で遊んでる感じはしましたね……」
のーと「あー、まだ始まってもないのにこう言うと、すごいあれですけど(苦笑)」
SONGEN「まぁでもなんか、やり直しをやるんだと思いますよ結局、同じことで」

やんま「ツイートの方で「男性ピンクが生まれた件について一言」ってきてるんですけど」
SONGEN「あれあっさりやってるの好きですね、男性以前に身長どうですかみたいなのが、とぼけ方って言うか」
やんま「うまいですよね、あれは。論点ずらしっていうか、性別より先にツッコむとこあるよねみたいな」
SONGEN「あの不揃い感が……アベンジャーズとかも不揃いだし。でも主従関係があるんですよね、それはなんか……レッド一強体制に対して思うところみたいな、ところなんですかね。4クールあっても、戦隊の5人描くって結構大変なことだから、そこに対する答えを見つけるのか……。多分井上さんがやるってことは一人脚本やる、やりきるつもりなんじゃないですかね。香村さんもやったし、ほぼ」
のーと「45話ぐらい書いて、3回ぐらいピンチヒッターが入るくらい……なのかな。割と『ゼンカイ』も香村さんバリバリ働いてますからね」
やんま「うーんどうなんだろ。井上さんが速筆だからこそ、他の人に仕事振れそうな感じがする。だから次作のメイン候補の人とか使って、実験とかして欲しさはある」
のーと「『アギト』の小林さんの回とかも、お試しみたいな感じなんですかね」
SONGEN「試験運転みたいな……」
のーと「あと試験的にって言うところだと、やんまさんが『セイバー』で内田裕基さんは盛り上がる回を担当させてもらってるから(変に評価が高い)……みたいな話をしてたと思うんですけど、それでちょっと様子見てるのかなって思ってて。なんかゲストのライターがしょうもないの書いてたら、こいつダメだなって感じになるじゃないですか、評判的に。新しいおもちゃとかが出る回とかは絶対どう頑張っても盛り上がるから、そこで……まぁどんぐらい書けるかとかじゃなくて、この人と打ち合わせしてみてどんぐらいのあれできるかなみたいなのをスタッフがはかってるのかなぐらいのイメージでしたね」
やんま「出物(販促物)をどんな感じで捌けるかみたいなのも見てるんですかね」
のーと「あとは多分、というか東映の特撮だいたいそうだと思いますけど、おもちゃの販促スケジュールがあって、プロデューサーがおおよその話を考えて、それを形にしてもらうみたいな感じだと思うんですよ。作家性がすごい強いライターを連れてきた場合はその限りじゃないと思いますけど。だから、そういうところでどんぐらい意思の疎通ができるかとかっていうのを見てるのかなって思ったり」
やんま「そう、なんかあんまり内田さんの個性みたいなのは感じなかったって言うか。すごいこれまでの流れを汲んでるし、そういう意味ではうまいことやったって感じなのかな。『セイバー』が積み上げてきたものをうまく使ったって感じかな」

復讐鬼、戻れる一線

のーと「強引に鬼に戻したいんですけど、例えば『セイバー』のストリウスとかもそうですけど、元々人だったんだけど、何かのきっかけで一線を越えてしまって、化け物になってしまうとかっていう感じでいくと、例えば日本語には"復讐鬼"って言葉があったりしますけど……『W』の照井さんとか、鬼ではないけどお母さんの仇を討とうとしてた『キバ』のゆりとか、もっと直接的に鬼だと『響鬼』の天美あきらとかはそうですよね。っていうところで、人っちゃ人なんだけど、明らかに何か別の動機に突き動かされていてヤバいことしてる人みたいな感じの鬼っていうのはあると思うんですけど。
で、その鬼って一度なったら戻れないって訳じゃなくて、割と選択可能みたいなところがあったりして。まぁやるって決めたらやってもいいけど、別にやめたかったらやーめたでもいいかなっていう、後戻りができるっていう感じ……」
やんま「だから感情……怒(angry)っていう感情そのものの比喩としての鬼、みたいなところはありますよね」
のーと「そうですね。『響鬼』だと復讐の鬼って言ったらシュキっていうのがいますけど、あれってなんか、『響鬼』のライダーを全然見ない状態で仮面ライダー朱鬼の見た目見たときって多分、額のお面がでかくなったんじゃなくて、鬼のお面被ってるように見えないですか? "仮面"ライダーですよね」
やんま「なんか奇妙な顔ですよね。こないだ調べ物してて、"般若"が女の鬼だっていうの知ってへーそうなんだって思ったんですけど、般若っぽいイメージなんですかね」
のーと「だからなんか、鬼のフリをしてるみたいな。今は復讐の鬼ですよっていうお面を被ってるみたいなイメージがあるんですよね。だからそれがすごい仮面ライダーっぽいっていうか、V3っぽいんですかね」
やんま「へー『V3』……ライダーマン?」
のーと「あ、まぁライダーマンもそうなんですけど、ライダーマンは自分が何かされたからじゃないですか。V3は「父よ母よ妹よ」ですから。だから仮面ライダーが被る仮面って何パターンかあると思いますけど、ひとつは初代の仮面ライダーみたいに自分の悲しい顔とか傷跡を隠すためのお面があって、もうひとつがV3とかライダーマンもそうかな? みたいに、仕返しするときの怒った顔を隠すためのお面みたいな」
SONGEN「でもその初代の悲しみを隠す仮面みたいなのって、後付けじゃないですか? って思いません?」
やんま「まぁね。あんまピンとこないところは……」
SONGEN「なんか後からうまいように言ったなって思うんですよ」
のーと「今はツイートの方で、復讐ライダーは『ZX』の村雨良もそうだし、あとは『怪傑ズバット』ですかね」
SONGEN「割と昔は肯定されてたテーマなんですかね。そっから正義に転じるよみたいな」
やんま「まぁ悪いやつに復讐するのはいいこと……ってことなんじゃないすか?」
SONGEN「いいこと……炭治郎もそうなのかな、分かんないけど。最近だと『アメイジングスパイダーマン』は割と、最初はゴリゴリ……クライムファイターじゃないけど、おじさんの仇って話をしてて。正体を隠すためだけに、変質者としての仮面を被ってるんですよ。だから1作目はめちゃくちゃ怖い目してるんですよね、2作目は不評だったからテコ入れもあるんですけど、目がでっかくなって可愛くなって」
やんま「復讐鬼か……」
のーと「やめどきのある鬼みたいな感じ。照井くんはパパでちゅよーになったりするし……」
SONGEN「照井の相手は……井坂先生か。あれはでもゴリゴリV3……」
のーと「ですね、まんまですよ。お父さんとお母さんと妹と」
やんま「"一線を超える"って言うと、さっきツイートでも来てましたけど木場とか澤田とかが思い付くんですけど。まぁ木場さんはね、最終回でちょっと味方側になったりして、鬼であることをやめた人でもあるのかなと思ったり。
で強引に鬼に繋げると、馬の形の鬼いたなと思って。牛頭,馬頭(ゴズ,メズ)だっけ」
のーと「木場さんは……俺やっぱり人間かもしれない、俺やっぱり鬼かもしれない……どっちかにしろよって(笑)」
SONGEN「でも西洋的なイメージありますけどね、オルフェノクとか。でもあれも一本ヅノか。……エラスモテリウムも一本ヅノ?」
のーと「でかいサイ」
SONGEN「なんかユニコーンを辿ってくとエラスモテリウムなんじゃないかみたいなのを見たんですよね、昔の人が。サイの祖先みたいな感じですけど、それをモデルにイメージしたのが、なんとなくウマになってってみたいな。そこをうまく繋げてるのか分かんないですけど、ユニコーンぽいし木場さん。あいつの正体分かんないですもんね、戻れない……」
やんま「あー、戻れなくなったのか」
のーと「僕、木場さんの鬼は前も言いましたけど、オルフェノクがヴァンパイアっぽいから、そういう感じなのかなって思って見てました。鬼ごっこの話と強引に絡めると"ふやし鬼"かなって」
やんま「そっか、ふやし鬼は鬼になったら戻れないのか。じゃあ確かにヴァンパイアだ」
のーと「鬼になったら鬼のまんま……一応体としては(人を襲うかどうかは選べる)」
やんま「あーちょっと今、腑に落ちた」
のーと「まぁでもふやし鬼に参加してやる必要はないんで。木場さんは最初に人殺しちゃったんだけど、それってあなたふやし鬼のルールに則ってやりましたよね?って、はいって言いたいんだけど、言っちゃったら引っ込みがつかないから、いやー分かんないですみたいな。
で長田さんは割と積極的にやってますよね。積極的にっていうか……なんだろ。長田さんは長田さんでルール無視してるんじゃない?って思う」
やんま「あんまりオルフェノクだから襲ってるって感じはしないですよね。自分の私怨、人間に対する恨みを発露するきっかけみたいな。まぁ他の人も大なり小なりそうなんだろうけど」
のーと「スマートブレインて元締めがあるから、大義名分が」
やんま「やらなきゃやられる……」
のーと「グロンギのあれも大義名分なんですかね、やらなきゃやられるで参加してるやつなのか、そういう環境であることをいいことに楽しんでる奴らなのかで見方が変わっちゃいそう」
やんま「ズ以上っていうか、結構ランクが高くなってるやつは、割と積極的にっていうか自分の中にそういう動機があるから、ノリノリでやってるから強いのかなみたいな。やらなきゃ感でやってるやつは、ベとかそういうやつに……200人くらいいるんでしたっけ」
のーと「ズ,ベ合わせて200人くらい」

やんま「ウェザードーパントって鬼っぽいですね見た目。風神雷神ぽさもあるし、ツノ……はないけど」
のーと「ウェザーは武士……ですかね、侍ですよね」

鬼の要素――ツノと髪と名前

やんま「ツノ……パブリックイメージとしての鬼って、ツノ3本以上あることないですよね基本。なんだけど、威吹鬼は3本ヅノだったり。僕がこないだ『響鬼』は3がテーマだみたいな話をしましたけど、あんまり鬼と3って数字はイメージないのに、風神雷神も2だし。そこをわざわざ3にして出したっていうのは、やっぱり意味があるのかなと思って」
のーと「威吹鬼がですか?」
やんま「あー、宗家の鬼として出てきてる威吹鬼が3本ヅノだし、風神雷神で終わらせずに響鬼を足してメインライダーが3人だし(クレストは三つ巴だし)」
のーと「まぁ威吹鬼の3本ツノは、デザイン的な意味でいうと帽子……最初はアメリカ帰りのガンマンで、テンガローハット」
やんま「へぇ……知らなかった」
のーと「ツイートで「鬼のツノは作品によってはツノの数で位が決まる」みたいなのもありますね、『ガオレンジャー』。
まぁ確かに鬼って3本ヅノそんなにないかなって思いますね」
やんま「威吹鬼が3本だとすれば、轟鬼が1,響鬼が2,威吹鬼が3でちょうどいいし」
のーと「弾鬼が1,裁鬼が2,鋭鬼はこれ1ですかね、3ですかね」
やんま「鋭鬼さん……1っぽいけど。これ色変わってないからやっぱツノか微妙ですよね」

のーと「鬼って髪の毛ありますよね、普通は」
やんま「あー、天パみたいな」
SONGEN「フィフティーンは? 髪の毛ライダー。なんかなまはげっぽいのかなって思ったけど」
やんま「あいつもそっか、死者って意味では鬼っちゃ鬼なのかな。あいつ本人は死んでないけど、ドクロだったりデザイン的には死んでますよね」
SONGEN「バダンは地下帝国じゃなくて黄泉の組織なんだよみたいなひっくり返し方してましたね」

のーと「今ツイートの方で「『響鬼』ライダーも髪の毛生やそうとしたけど、雑誌に載せるための画像で抜くのが大変だから諦めた」って書いてありました」
SONGEN「それって『事情』でしたっけ、『事情』で見たな。俺も髪の毛ライダーは本当にアリだなと思ってて。まぁ『エグゼイド』のムテキで面白い……プロレスラーが。で、ブレイズの強化形態(タテガミ氷獣戦記)でまたフィフティーンみたいなモサモサになりましたよね。歌舞伎っていうか、そういう分脈から見たらあぁいうデザインあってもいいなって。まぁ敵っぽく見えますけどね」
やんま「そうですね、威圧感が」
SONGEN「威圧感あるけど、かっこいいなとは思いますね。『FIRST/NEXT』で後ろ髪、襟足がチラッと見えるの好きなんですよね」
やんま「あれオシャレですよね」
のーと「(そういう意味で)仮面ライダーは髪が見えるものっていう風に考えるんだったら、『エグゼイド』って実は仮面ライダーっぽいんですかね(笑)」
やんま「全員髪ありますからね(※ライドプレイヤーはハゲだけど)」
SONGEN「髪の毛で言ったら『アキバレンジャー』とか」
やんま「あー! 僕見てないんですけど、そういえばそうだ。全然『エグゼイド』最初じゃないじゃん(笑)」

やんま「「『バトルフィーバー』とか昔のヒーローには結構髪の毛生えてる印象」だそうです」
SONGEN「あぁ。『アキバレンジャー』の頃に『バトルフィーバー』っぽいって言われてましたね」
のーと「今フォロワーの人で「童子と姫は髪が見えてますよね」ってあって。怪童子と妖姫だと思うんですけど。鬼の必要条件っていうか必要パーツとしてツノの他に髪があるとしたら、酒呑童子とか茨木童子とかって鬼がいますけど、童子と姫……ってか魔化魍の方も鬼の要素を半分ずつぐらい貰ってる感じになるんですかね? 響鬼さんたちはツノと◯鬼で、怪童子と妖姫は髪の毛と◯童子みたいな、どっちも鬼……みたいな感じ」
やんま「人型で……(でも人ならざるもの)ってことでいうと鬼ですよね、魔化魍は"バケモン"だけど、童子と姫は鬼っちゃ鬼」
SONGEN「魔化魍に鬼は登場しないんでしたっけ」
のーと「魔化魍に鬼はいないです」
やんま「牛鬼はあれ、魔化魍扱いなんですかね」
のーと「『ディケイド』の牛鬼は鬼ですけど……」
SONGEN「『事情』で同一性をつくろうとして諦めたみたいなのありましたよね。なんで諦めちゃったんだろうと思ったんだけど」
やんま「"童子と姫"っていう名前って、童子酒呑童子童子だったり……っていう、鬼としての名前なんですかね、あれは。それ以外の解釈とか意味ってあるんですか?」
のーと「どうなんでしょうね。私は『響鬼探求』とかを読んだついでで思い付いただけなんですけど」
やんま「◯◯童子とか、女の鬼で◯◯姫って呼ばれるやつもいるのかな。調べた感じだと鈴鹿姫(鈴鹿御前)とか出てきたけど、僕よく知らないんでそいつ」
のーと「鬼……じゃないかもしれないですけど、清姫とかはバケモンかなぁ……『安珍清姫』の」
やんま「あーあれか! あれは鬼っぽいですね、僕『FGO』でしか知らないけど」
のーと「石燕の描いた清姫はツノが生えてるんですよね」
やんま「(調べながら)ホントだ」

響鬼』と『カクレンジャー』の妖怪

SONGEN「……魔化魍、ホント面白いデザインしてますよね」
のーと「魔化魍は、単純に動物ふたつくっつけただけなのに。ナナシは実質的に4つくっついてるから、バケモンですよね」
やんま「あー、"ふたつくっつける"か。じゃあ魔化魍の理念に沿ってるんですね、ナナシって。くっつけちゃえ! っていう」
SONGEN「"蒲田くん"ぽい」
のーと「目がね」
SONGEN「ウブメの目か」
やんま「魚ですよね、蒲田くんも。キモいですよね、魚の目は」
のーと「ウブメの魚は深海魚か。……これ、魔化魍のデザインのあれ見てると、青木哲也(デザイナー)のコメントが載ってるんだけど、これは高寺さんが最初に描いたイラストが元になっててとか、高寺さんのアイディアを清書してみたいなこと書いてて、ずっと。だから怪獣……好きな人ですよね(笑)
「あくまでもデザインは髙寺さんで、僕はクリンナップを担当したという感じです。だから特に苦労はしませんでした」……それ言っていいのか?って思う(笑) ヤマアラシについてですね」
やんま「白倉さんがプロデューサーはなんでも屋だって言ってたけど、そこまで何でもやってるんだ、すごいな……(笑)」
のーと「魔化魍のデザインの原案、シナリオの原案……。高寺さんは白倉さんから芸術家肌って言われてましたけど、そうですよね。サラリーマン的なつくり方ではないですよね」
やんま「全部自分でやりたいっていう……」
のーと「だから『完全超悪』はさっき『響鬼』はあんまり他の本では載ってない話も見れてっていうのは、そういうとこです(笑) 魔化魍のデザインに関する話って『宇宙船』とかに前半のやつは載ってたりするんですけど、そこまであけすけには話してなかった」
SONGEN「今だからこそ……」
のーと「なんですかね。『宇宙船』はそれこそ『響鬼』の途中で休刊になってますからね」

SONGEN「(魔化魍にバケガニがいるのに対し)ディスクアニマルにもカニいましたよね。その辺の被りは別にいいんですかね」
のーと「被りっていうか、わざと被らせてるのかなって」
やんま「他に被りあるかな……」
のーと「ちょっと怪しいけど、イッタンモメンとヘビはちょっとだけフォルムが似てるかな……まぁあれもツバメとエイだから全然違いますけど」
やんま「このディスクアニマルのチョイス……前から気になってたんですけど、メイン3種はまぁ『桃太郎』のお供ってことでいいじゃないですか」
のーと「イヌとキジとサルと」
やんま「残りのヘビ,カニ,カエルって、なんかルールあるんですか?」
のーと「あれは……僕は知らないです」
SONGEN「メインこれ、そうなんですか?」
やんま「タカとサルとオオカミ、まぁ犬かどうかって感じだけど、まぁまぁ『桃太郎』かなって感じですよね」
SONGEN「桃太郎にはしなかったんでしたっけ、響鬼は。逆桃太郎って言葉が出たのは響鬼でしたっけ。そっか、名残なのかな……。
でもディスクアニマルの強化、装甲響鬼にくっつくのはカニなんすよね」
のーと「そこがちょっと分かんないんですよね」
SONGEN「ヨロイガニ,ハガネタカ……この辺はもう白倉さんが入ってきてる……カブトオオザル」
やんま「タカはクチバシが硬いからかな……」
のーと「僕は単純に、バリエーションでカニが少なかったから出したのかなって思う。それ言ったらカエルとヘビもバリエーション少ないんですけど。おもちゃ的な都合かなって」
SONGEN「ディスクアニマルはプレックスさんから出てきたんでしたっけ。なんか似たようなおもちゃありますからね、今でも。もじバケるとか」
やんま「面白い発想ですよね。Aパートアイテム(メモリガジェット,カンドロイド,フードロイド……)って意味でも、後の作品に引き継がれてるし」
SONGEN「なんか『響鬼』ってドラマパート多いですよね、印象ですけど。やっぱ最近のライダーって一発目バン! て戦闘やって、ドラマやってっていう、そういう制約もあるのかなって。とりあえず子供を飽きさせないために」
やんま「(1話の中で)2回戦闘みたいなのは、よく聞きますね」
のーと「昔からそうですよね、昭和から」
SONGEN「1回退散してみたいな……。望月Pが『キュウレン』の始まる前ぐらいに、1回負けなきゃいけないのがなぁ……みたいな風に言ってたんですよね。強い戦隊にしたいからみたいな。それができてたかは分からないですけど、確かになぁと思って。Aパートアイテムはそれを解決してるのかな?」
のーと「誤魔化し……にはなりますよね」
SONGEN「今回見た『響鬼』そんなに戦ってなかっ……まぁ戦ってたか」
のーと「21,22話は戦ってる方なんですよね、かなり」
SONGEN「あ、そうなんだ。ドラマパート長ぇなと思いながら見てました。なんか雰囲気が長い感じになるのかな? セリフ運びとかが、セリフの応酬とかじゃないですもんね」
やんま「まぁのんびりした感じはありますよね、アットホームっていうか」
SONGEN「(のーとさんのアイコンを見て)ツチグモはこれトラ?」
のーと「寅年なので」
SONGEN「鬼のパンツと言えばトラ……」
やんま「強いぞ〜♪」
のーと「なんで響鬼の褌って虎柄じゃないんだろうって、なんで無地なんだよって」
SONGEN「でも西鬼がいますよね。阪神タイガース(笑)」
やんま「うしとら……(※一般的な鬼のイメージは、艮が鬼門であることから牛のツノと虎の牙orパンツのかたちになったと言われている)」
のーと「艮(うしとら)は"鬼門"ですよね」
やんま「なんか(鬼は)方角と関係あるから、明日夢くんはコンパス貰ったのかなぁと思って」
のーと「日菜佳ちゃんのセリフにも風水とか方位学みたいなのがあったから、そういう絡みがあんのかなと思ったら特になかった(笑)」
やんま「あんまり表には出てこないですよね」
のーと「それこそ予習のために『響鬼探求』っていう、『響鬼』の妖怪の部分をすごい好きな人がつくった本があるんですけど、今回同時視聴した21,22話って浅間山で戦うじゃないですか。浅間山って"鬼押出し"があるから……鬼押出しっていう、火山が噴火して溶岩が固まってみたいな感じですごい奇妙なかたちの石がたくさん転がってるところがあって、そこの名前が鬼押出しって言うんですけど。わざわざそこで戦ってるからにはというか、ナナシをそこでつくるっていうのは、とても妖怪的に意味のあることなんじゃないかみたいなのを考える人がいて、いたんですけど、別に高寺さんのツイート見てると全然そんなのなかったみたいな」
SONGEN「でも、そうなんじゃないですか? たまたまではないと思うけど。あやかった、ぐらい」
のーと「後から寄せたかもしれない」
やんま「わざわざやっぱ地名とか設定してるからには、何かしら意味は持たせてると思うんだけど……僕らは、っていうか僕はあんまり知らないから、分かんないけど」
のーと「でも21,22話は結構ロケーションいい感じでしたよね。『響鬼』っていう作品の中だけでも何回か使い回されてる山とか川とかありますけど、あそこはオンリーワンだし、なんか自然の中で戦ってる感じがして良かったなと思います。
あとは地名がってところだと、オロチ現象ってあるじゃないですか。オロチ現象の地名ってすごい適当で、さいたまスーパーアリーナの近くで出てきたやつは"さいたまのテング"になるし……あれはもう……俺もうそれでいいと思う(笑)」
やんま「いちいち付けてらんないっていう(笑)」
のーと「あとは屋久島のツチグモとか奥多摩のヤマビコって、なんか伝承の怪物みたいな感じしますけど、四谷のカシャとか港区のウワンて都市伝説みたいで良くないですか?」
やんま「あー何か分かるかも」
SONGEN「うわんはだって人に絡む妖怪ですからね。四谷は……四谷怪談? 妖怪好きなんだよな、『カクレンジャー』が好きだったから妖怪も好きなんですよね」
のーと「僕も好きです。高寺戦隊っていうの抜きにしても好きです。あ、メインが違うのは承知してますけど」
SONGEN「単純に俺は世代だからっていうのがあるんですけど」
のーと「『カクレンジャー』のドロタボウ好きですね。割と最初の方ですよね、出てくるの……」
SONGEN「あれか、なんか白菜みたいな顔したやつ」
のーと「『響鬼』のドロタボウも好きだけど、妖怪のデザインでちゃんと遊んでるのは『カクレンジャー』の方がすごいやってるかなって思う」
SONGEN「アメコミ風の妖怪もいるけど、元の妖怪はこうだよみたいな絵があるじゃないですか。あれ書いた同人誌がまとめられてたっていうのが最近知って、めっちゃ欲しいんですよね。もう亡くなった絵師さんだけど、野口竜さん?が描いてて。絵巻っぽい妖怪もちゃんと描き下ろしてるんですよね。超全集だとすごいちっちゃくしか載ってなくて、いつかしっかりみたいなと思ってたら、10年以上前くらいにコミケに出てたっていう」
のーと「いいな、欲しいな。『カクレンジャー』は、昔の妖怪はこうだったけど今はこうっていうのがちゃんとあったから。『響鬼』はそれがないじゃないですか。なくてもいいと思うけど、ないから妖怪とは違う……本当に"怪獣"と戦ってる感じがしてて」
SONGEN「なんか別アプローチを目指してたのかなって思ったけど、怪獣好きって話を聞いてるとやっぱ怪獣が好きでこうなってるのかなみたいなところもあるし」
のーと「だから妖怪の敵ってところで見たら『カクレンジャー』の方がすごいなって」
SONGEN「でもヌリカベとか、魔化魍も有名どころはおさえてる感じが」
のーと「おさえてますね。でもヌリカベは……『響鬼』の方が好きかも」
SONGEN「俺もこれいいなって思いました。今見てて」
のーと「ナメクジと……木と、多分貝ですよね。二枚貝。それ掛け合わせるって……何食ってたらそんなの思い付くんだろって(笑)」
SONGEN「オトロシってこれガメラじゃないですか?」
のーと「オトロシはガメラですよ、これ。もう隠す気もない(笑)」
SONGEN「好きだなぁこれ(笑) ガメラって言ってるからガメラなんでしょうけど」
SONGEN「鬼の鎧は……『変身忍者嵐』か。『カクレンジャー』は鬼いたかな、酒呑童子はいたと思いますけど」
のーと「貴公子ジュニアのジュニアって童子ってことなんでしょうか(笑) 分かんないですけど」
SONGEN「ガシャドクロでしたけど、正体……」
のーと「ガシャドクロのちょっと迷彩が入ってる感じのデザインもすごい好きですね。
そろそろ、残り4分とかなんで10回目を決めたいんですけど」

 

 

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