やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーエグゼイド 第1話「I'm a 仮面ライダー!」 肯定的感想

第1話「I'm a 仮面ライダー!」


・永夢少年は交通事故に遭ったらしい。大森Pの前作『ドライブ』はまさに自動車のライダーであって、交通事故というのはその最たる弊害だろう。これはちょっと面白いかもな。危険なものである車を肯定的に描いたからには、それによって起こる悲劇に対するアンサーをきちんと用意しないといけないという意味で、本作は医療をテーマに選んだのかもしれない。
多分あの作品がロイミュードという擬似AIを扱うことになったのは、これから一般化するかもしれない自動運転におけるトロッコ問題が興味深い話だからなのかなと思ったりもするけれど、本作も実質的にはAIものとしての要素はあるので、その辺のリンクは気にしてみたいところ。

・「こんな状態でオペ」というのはどんな状態なんだろう。成功する見込みが低いときは何もしないのか? もちろん大災害などにおけるトリアージで黒と判断して生きてるけど処置できない,しないということはあるかもしれないけど、優先度の高い患者がいないのであれば、ダメ元でも手を尽くすもの……なんじゃないのか? 違うのかな。
それとも他にもっと重篤な患者がたまたまいて、そっちに人員を割かれていてまともなオペができる状態じゃなかったとか……うーん分かるような分からないような。

・ただサボってる訳じゃなくて、病院の近くにいることから恐らく患者さんやその家族たちを楽しませてるんだな、何気に。他人がゲームやってるとこって、僕は友達と遊んでるのに相手がゲームやってたらつまんないなと思ってたクチだけど、そこは天才ゲーマーというか、"魅せる"プレイもできるのかね。

・微小な方のバグスターウイルスは不思議な形をしてるけど、よく見たら別にgameのgではないっぽいな? 強いて言うなら"Bug"を縦に繋げたらあんな感じの○4つになりそうではある。

 

・キャラ紹介の字幕フォントが割ときっちりした明朝体で、例えばまるっこかった鎧武とは違う大人っぽい雰囲気。内容も堅苦しい漢字ばっかで、子供にとっては果たして意味があるのか謎なんだけれども、まぁそこは児童誌とか図鑑で勝手に補完するか。僕も子供の頃、本編ではほぼ呼ばれてないはずの『響鬼』のアイテム名、変身音叉・音角とか烈雷とかの名前知ってたもんな。

・お菓子の食べ過ぎね……確かに子供って、自分の欲望をコントロールできなくて自ら病気になることが多い生き物よね。まぁ大人でもそうだけど、子供は特に。歯磨きサボって虫歯になったり、危ないことして怪我したり。
周りの人や医者の心配をよそに、自ら病気になる愚行を許容する意味もあって、永夢は小児科研修医なのかもしれない。まぁ、病人がいないと商売あがったりというのもあるだろうし。

・天才ゲーマーなら適合者になれるとはどういうこと? 言葉の綾みたいなものであって、適合手術をしたあと、ゲームの力で戦う仮面ライダーとしてうまくやれるだろうということだろうか。
日向が適合者は一人で十分ではないかと言ってるのは、手術に失敗して適合できなければゲーム病患者になってしまうリスクを恐れているからだったりするのかな。

・日向先生が衛生省のトップになっているのは偶然じゃなくて、永夢の手術をしたとき既にゲーム病の存在に勘付いていたからだったりするのかな。あんまりそこの繋がりに疑問を持ったことなかったけど、仮に何か関係があるとしたら多分そういうことだよね。
まぁ外科手術で感染症の有無に気付けるとは思えないけど、術後に様子見で通院してた時に気付いた可能性もあるからゼロではないか。症状はないから永夢本人を治療しようとしたりする必要はなかったけど、血液検査か何かで謎のウイルスに対する抗体が検出されたとか……うーん、コロナみたいに対象となるウイルスが明確な状態で検査することはできても、普通に検査してて偶然発見されることはなさそうな気がするけど、別に医学に精通してる訳じゃないのでなんとも言えない。

・ちなみに仮面ライダー図鑑によると、市販版のマイティアクションXはガシャットロフィのように端子部分が短く、黒い枠のない外見をしているらしい。確かにまぁそれなら似ている。

・あっぶねー! よくあるドタバタコメディで大した意味はないだろうと思って言及せずに飛ばすとこだった。
颯太を追いかけて永夢が台車にぶつかって坂を滑り落ちていくシーン、これいわゆる"すべりやすい坂"の比喩なのか。確かにエグゼイドが扱う命のデータ化の是非みたいな議論をするにあたっては、体の機械化,サイボーグ化を認めて行った先でテセウスの船的な問題に突き当たるように「この程度なら大丈夫、が積み重なると最終的には倫理的にまずい自体が起こる」という意見はありがちな気がする。

 

"ゲーム感覚"とは

・君はマイティなんだという声掛け、まぁ半分くらい意味分かんないけど言いたいことはなんとなく分かる。医者も色々やるけど、だいたいは本人の免疫によって病気は治すものだから、ウイルスに打ち勝つのは最終的には自分自身であると。
で、要するに『鎧武』の1話みたいなことをやりたかったのかなと。五代は最終的に「まぁはぐれたらつらいか」ってなってるけど、紘汰は「そういう勝負、ゲームだと思ってみなよ。泣いちゃったら負けのゲーム。泣かない方法を見つけたら勝ちだ」と励ましている。
本作における"ゲーム"は、概ねこの文脈に沿っているように思う。何かしらのクリアするべき課題に対して、嫌だなぁとか面倒くさいなぁとか思わずポジティブに向き合うための思考法として。だから「ゲーム感覚で命を預かる手術をするなんてありえない」という批判は成立しない。ただの言葉の綾なので。

・マイティアクションXは制作発表から完成まで5年以上掛かったらしい。5年前といえばゼロデイだが関連性は?
そもそも衛生省は正宗を逮捕している以上ゼロデイ当時からゲーム病の感染源が幻夢コーポレーションであることは突き止めているはずで、だからこそ専門家としてライダーシステムという対応策を提供してもらう関係になったんだとは思うが、黎斗の思惑としてはおそらくこの新発売のマイティアクションXにもバグスターが仕込んであって感染者を増やそうとしてるのだと考えられるので、なんだかなぁという感じ。ただのゲームを開発するのに5年も計画が遅れたと考えるより、衛生省のチェックを潜り抜けつつゲーム病に感染させられるよう調整するのが難しかったとかそういうことな気がする。

抑圧するものとしての医者

・NS「採血をします。右腕と左腕どっちがいいですか?」
ぼく「どっちもやです」
NS「じゃあ右腕ね(ブスッ)」
仮面ライダーにおいては特にそうだけど、医者は"あなたのため"を押し付けて自由を制限してくるパターナリズム的な悪としてのイメージがついてるよね。勝手に拉致して"改造手術"でバッタ人間にするなんてのは極端だけど、歯医者さんで痛いことされたり、苦い薬を飲まされたりさ。仮面ライダーシリーズで医者側の話をやるのは、必然というかいつかやるべき課題ではあったのかもしれない。
尤も、医療倫理の原則では患者の自由意志を尊重するようにと言われているんだけど、特に相手が子供だと我儘を尊重してたらキリがないし将来的に本人がもっとつらい目に遭う訳なので、多少の押しつけがましさは(もちろん保護者の許可を得た上では)仕方ない部分はある。
というのを踏まえた上で、ソルティの話に続く。

・「じゃあソウタくんはもう……」のとこ、これ笑ってる……よね? 微妙に口角が上がってるし、SEで印象付けまでしてるからには何か意味があるはずなんだけど、マジで全く分からん。いくらMでも患者が死んでわざわざ喜ぶような趣味の悪さは持ってないはず。
あー、ここで笑ってるのはパラドなのかな? 人間を発症させてやったぞよしよしみたいな。或いは、困難な壁を前にして笑うタイプみたいな意味でM人格が出てるのか。

 

・成り行きとはいえ、どうしてバグスターを前にして悠長に話をしてるのかと不思議だったんだけど、永夢に事情を説明することでまだ近くにいるかもしれないMを一緒に探してもらうため……とするなら、まぁギリ通るかな。

患者に甘い医者としての永夢

・マイティはお菓子を食べて強くなるらしい。健康にはあまり良くないけど、嗜好品を食べることでやる気が出るとか、逆に食べたからには運動しなきゃってなることの比喩かな? 当時エナジーアイテムチョコっていうそのまんまなお菓子が売ってて、チョコ自体はまぁ普通の銀紙にエナジーアイテムのシールが貼ってあるだけのものなんだけど、おまけでついてくる縦長の台紙が形状的にほぼ栞で、本の虫としては無視できなくって安売りしてるのを何個か買って使ってたっけな。
・それに対してソルティは塩がモチーフ。正直何だそのチョイスは……って感じで、元ゲームであるMAXの設定的にマイティとの対置というのは分かるにせよ、敵モチーフとして流用されることがわかっていながら何故そこをそういう設定にしたのかって話になる。
冒頭のマルオくん(食べてないよ〜)の話と合わせて考えると、殺菌効果がある塩と、甘い誘惑という対比なのかなと。しょっぱい≒けちくさいというのは従来通りの医者に対するイメージであって、安静にしてなさい,お菓子を控えなさい,運動をしなさい……という厳しい態度。永夢はそれに対するアンチテーゼとしての患者を笑顔にする医者で、ベッドで寝てなくていいよ,ゲームしていいよ,お菓子も食べちゃおうという"甘い"対応を是とするキャラクターなんだろう。もちろんそれは、日向が患者にゲーム機をプレゼントしたのと同じくって意味で。
そういえば確かに、主治医からの個人的な差し入れでこそないけど、歯医者さん行って頑張ったら小さいおもちゃとかシールとか、なんならアメちゃんとか貰えるシステムって子供の頃はあったっけな。

また塩ってことでナメクジの要素も入ってるらしくて、これはなんか繋がりそうでビビッとは繋がらない。NARUTOでは綱手が医療担当だったようにナメクジは薬になると言われていたとか、あとは逆にアスクレピオスの杖として医療のシンボルであるヘビに対して三竦み的に有利であるとか、颯太くんが訴えてた目眩の主原因である三半規管の近くには蝸牛(カギュウ/かたつむり)があるなとか、なんか関係してそうだけどイマイチ決め手に欠ける。

・ただレバーを動かすだけでいいという、ゲーマー的には「レベルアップってそういうもんだっけ……?」と思うような謎の仕様を、説明書を読まない性格と合わせてある種のゲームをクリアしたみたいな描き方にするのはちょっとうまいかもな。
あるもんねそういうミニゲーム、空気を読んで何をしたらいいか察せってやつ。『空気読み』っていうそのまんまなタイトルのもあるし、『メイドインワリオ』なんかもその類型よね。僕は発達障害で空気が読めないからなのか、昔やらして貰ったけど何をするゲームなのか全く訳が分からなくて混乱した記憶がある。

・もう周知の事実だとは思うけど、相変わらずエグゼイドのデザインってよくできてるよなぁ。大枠はカービィ的なピンクでお菓子を食べるとかそういう部分も意識してると思うんだけど、そのチョコをマリオのブロックに見立てて、ゴーグルの下部がヒゲにも見えるようになってる。武器のハンマーも『ドンキーコング』におけるマリオの無敵状態になるあれだし、色々ごちゃまぜにしてスポーツ要素を足した結果きちんと"エグゼイド"という唯一無二のが意見になってるのが流石というか。

・塩がどうして電気攻撃につながるんだ……?と思ったけど、食塩水は電解質だから流れるというか、金属板を使って頑張れば電池みたいに使えるのか。
生理食塩水とか言って人間の体液にもイオンが何か関係してるんだろうか?・仮面ライダーのお約束として爆発したけど、ウイルスはどうなったのかな。ウイルス自体が破壊されたと見るべきなのか、はたまた空気中に散らばっただけなのか。空気感染はほぼしないと思われるので設定的にはそれでいいっちゃいいのかもしれないけど、特に今コロナで飛沫とか気にしてる身からすると、なんかウイルス散らばってんじゃないのかなーって気になっちゃうよね。爆炎の高温で死滅してる可能性もあるけど。

 

エグゼイド感想一覧

裏面

仮面ライダーエグゼイド 1話「I'm a 仮面ライダー!」 否定的感想

 

次話

仮面ライダーエグゼイド 第2話「天才二人はno thank you?」 肯定的感想