やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーエグゼイド 第2話「天才二人はno thank you?」 肯定的感想

第2話「天才二人はno thank you?」


・灰馬が颯太くんの件に一切触れないということは、1話でバグスターを倒してからCRに戻るまでの間に僕が思ってるより時間が経っていて、彼に関しては事なきを得たという連絡が入っていたのかもしれない。
ただ、だとしたら仮面ライダーが手術をした以外の可能性は考えられないので、永夢がCRに招かれてるのを見て「君が報告にあった仮面ライダーエグゼイドか?」ぐらいのことは察せても良さそうなもんだけど……まぁポッピーのことだからそんな細かく教えてなくて、「仮面ライダーが倒した」とだけ……つまり飛彩が間に合ったんだろうと理解した、のかな?

・「ドクターは二人も必要ない」……自分が失敗するならともかく、他人に任せて失敗されるのは許せない、という感情はまぁ分からんでもない。況して、実際過去にそういう経験がある訳だしね。
ノーサンキューってそう言えば口癖だったな。

グラファイトが中に向かってウイルスを散布してるけど、本当にこの方法で感染するのか? 人から人へ感染しないってことは飛沫感染もしないってことだから、バグスターは空気に触れたら割とすぐ死ぬもんなんだと思ってたけど……解釈は2通り思い付いて、まずはグラファイトがバカ……というか"なんか敵キャラっぽい動き"をしてるだけで本質的な意味は何もないというパターン。バイオテロリストだから空気中に散布してるのかなってイメージを再現してるけど、実際に感染させるときはバグヴァイザーを押し当てるとか、少なくとも対象となる人間を目の前にして散布するなどする必要がある。
もうひとつはバグヴァイザー自体が特殊な機器なので、何らかの形でウイルスを保護して大気中を長時間浮遊できるように細工した上で散布してる場合。これはもう「できるんです」と言われたらそうか……と納得するしかない。設定を見る限り"散布"という言葉がよく使われているので、多分こっちの説が正しい。

・「僕なんか必要ないよなぁ……」と不思議に思う永夢。ゼロワンの或人は先代社長にも名指しで指名されて、引き受けてからも事あるごとに「俺!?」と驚くくらい何かやるよう言われていたから、えらい違いだ。
ゼロワンは一応仕事の話なので"やらなきゃいけない"ニュアンスが強いけど、エグゼイドは半分ゲームの話なので"やらなくてもいいことをやる"という描き方なんだろう。

飛彩のお付き、みずきとさつき

・看護師を侍らせて身の回りのことやらせる飛彩、普通にフェミ界隈からぶっ叩かれそうだけどよくやるな……。医者だからとかオペ以外のことに集中力を使わせないってのは理屈として分かるけど、見え様の問題として。
別に道具として扱ってるつもりはないのかもしれないけど、若干天津っぽくもある。あの看護師が何か提言しても「道具が意志を持つな!」とまでは言わずとも、絶対言うこと聞かないよな。実際そんな感じの描写は、さつきだったかみずきだったかどっちか忘れたが、飛彩に安静にするよう言ったら「そんなことは分かっている!」ってキレたシーンくらいだったと思うけど。ってかあれ以外にこの2人が喋るシーンってあったかなぁ?

・1話では肉団子の怪物だったけど、今回のバグスターユニオンはご存知バクテリオファージというウイルスの一種。一瞬なるほどなって思うけど、他のは銃になったりタイヤになったりとゲームに沿ってることが多いので、むしろこれだけデザイン的には浮いてるのよね。まぁ化け物っぽいウイルスの見た目として使わないのはもったいないけど、他にのはまるっこいだけだったりするからそれで統一するのは無理だったってところだろうか。まぁこの辺は全て黎斗の遊び心と言われればそれで済んでしまいそうだから矛盾でもなんでもないんだけど。

・エグゼイドは何気に、ゴースト,セイバーと同じで変身バンクを採用してるのよね。途中から省略するけど。ライダーにおいてはあんまりないことだと思ってたけど、調べてたらダークキバとかもやってたって言われて確かに、と。

・ゲンム乱入するも、ブレイブの剣を折っただけで退却。タドルクエストの設定だから最初はデフォルトの剣なだけで、黎斗的にはさっさとガシャコンウエポンのデータ取りをして欲しいから折った……? ゲームの販促にも……なる? まぁのこの辺も全部彼の趣味で片付くけど。

・ゲームスコープで診断は済んでるにも関わらず患者の診察をするべきだと永夢が言うのは、作中人物の視点からはまだバグスターは謎が多いから、もしイマジンやグリードのように母体となる人間の悩みなどと生まれたバグスターの行動原理に何か関連性がある可能性もあるから、とにかく色々と情報を集めるに越したことはないという意味なら確かに分かる。
実際、ストレスが原因でウイルスが活性化するということに気付けた訳だし……まぁ病気として当たり前といえば当たり前なんだけど、バグスターは元がゲームと関係してる訳だから、溜まったストレスをゲームで発散するように、ストレスをエネルギーとしてバグスターは活性化する特徴を殊更持ってるのかもしれない。

患者には関わらない

・現在の医療倫理的には、基本的に医者が患者に深入りすることはあまり望ましくないこととされているので、それでヒーローの鑑なんて大層な名前が付けられてるんだろうか。仕事は仕事と割り切るスタイル。
井上敏樹もヒーローが身近にいたら怖いから助けてくれたら去らなきゃいけないって話をしてたけど、そういう意味でも深く関わらない態度は理想のいち形態ではあるのかもしれない。
飛彩個人の心情としては、勉強ばかりで恋人にかまわなかった結果知らぬ間にゲーム病になってて死んじゃったという過去があるから、その時の自分を恥じず、曲げないことがむしろ小姫に対する筋の通し方だって思ってるのかな。そうでもなかったら、普通は患者の様子をもっと気にするようになるよね。

AIは"モノじゃない"のか

・「患者はモノじゃないんですよ?」
これは何気にキーワードだな。普通に考えたら患者というのは人間のことなのでモノじゃないのは当たり前なんだけど、ここにはもうひとつバグスターというAI的要素を持ったゲームキャラがモノかどうかという文脈も含まれている。というのは、ゲーム病を発症した患者は体を乗っ取られて実質ゲームキャラになってしまうことや、1話で永夢がゲームのキャラに対して「死ぬな! 頑張れ!」とまるで死にかけの患者のように声掛けをしていたことと紐付けて考えるとそうなる。
もうひとつ面白いのは、バグスターの元ネタであるプログラムにおける"バグ"という概念。プログラムが誤作動を起こすのであればそれは基本的にはプログラマの責任であって、バグ(虫)が何か悪さをしている訳では本来ない。にも関わらず、意図的か否かはさておきプログラマが「自分のミスではない」というニュアンスを付けるために、"バグ"というプログラマから独立した責任転嫁先を設けるという心理的な営みが、ことエグゼイドにおいてはとても重要で。
さっきも言った通りバグスターは実態としてはAIみたいな存在であって、自分たちは人間の遊び道具ではない尊厳ある生命体なのだという主張と照らし合わせて見ても、ヒューマギア(滅亡迅雷)の行動理念とほぼ同じと言っていい。
"つくられた存在"に対して心があると見做すかどうかの重要な分かれ目として、プログラマの持つ「責任を負いたくない」という感情はとても面白い。成人するまでは子供のやったことに対して親は責任を取らなくちゃいけないが、ずっと取り続ける訳にもいかないから子供に自由意志というものを認めて、自分で自分の責任を取ってもらう"ことにする"。これが自由意志という幻想の本質を担う一端であって、実は意外と「相手を対等な価値のある存在だと認めている」ことが尊厳を認める動機の発端ではないのかもしれない。
或人にそんなつもりはないのかもしれないけど、飛電からすればヒューマギアが暴走するのはバグやハッキング、或いは自由意志によって"勝手に"起きたことであった方が都合がいい。

・バグスターもゲームエリアを展開できるらしい。基本的に感想で書くのはそのエピソード特有の話題を優先して、基本設定についてみたいないつ触れてもいいネタは温めておくことが多いんだけど、これはあんまりやってたイメージというか記憶がないのでタイミングを逃さないように触れておく。
仮面ライダーがやるのは仮想空間を展開することで現実に被害を出さないためってのが主な理由だからバグスターが展開する意味はあまり内容にも思えるけど、単純にホームグラウンドというか、ゲームの世界で戦った方が何かバフがかかるとか、今回みたいにツタを出現させて縛るみたいな現実では有り得ない能力を使うためにはゲームエリアの中でやる必要があるとか、そんなところだろうか。

・仕事は仕事として割り切る態度というのは、医者も勿論そうだけど軍人とかには特に必要なメンタリティよね。人の体に危害を加えて、血を見ることに対する心の防衛という意味で。
医療行為というのは基本的には人の体をいじくって危害を加えることなので、だからブラックジャックや大我のような無免許医は本来存在してはならない。あくまで法によって限定的に認可を受けた場合のみ人の体にメスを入れることが正当化されるのであって、そうでなければナイフで人を刺す犯罪者と同じ。

・「ドライブは人を助けるライダー、マッハは敵をぶっ潰すライダー」って分類はなかなか的を射ていて、色んな場面に当てはめられるので引用してしまう。今回のエグゼイドとブレイブの対立も大雑把にはそう。
・ところでブレイブって、先輩っぽい雰囲気出してるけど設定的には多分今回が初戦闘だよね。一応YouTube限定のスピンオフシリーズ『ヴァーチャルオペレーションズ』……まぁ実際の内容は従来の"変身講座"なんだけど、そこで仮装空間での模擬戦闘をする描写があるので、実践は初でもシミュレーションは何度かやったことあったという認識でいいのかな?

マリッジブルーを乗り越えられたのは、患者が病気になったり人質に取られたりしたことで、離れたくない,一緒にいたいという気持ちを再確認できたってことでいいのかな? 裏でも言った通り別に永夢が悩みを解消した訳ではないんだけど、まぁ質問をすることで「本当は結婚したい」という気持ちを引き出したのは意味のないことではないかな。

・ポッピーが食べられるのかはよく分からないけど、アップルパイをきちんと4等分する飛彩。まぁ4切れにしたからといって必ずしも4人で分けて食べるとは限らない訳なのでなんとも言えないけど、飛彩的には病院長である灰馬の息子かつ天才外科医な自分に逆らうやつなんて周りにいなかったから、小児科医の癖に噛み付いてくる永夢の度胸だけは認めたとか、そういうあれがあるのかもしれない。

 

エグゼイド感想一覧

裏面

仮面ライダーエグゼイド 第2話「天才二人はno thank you?」 否定的感想

 

前回

仮面ライダーエグゼイド 第1話「I'm a 仮面ライダー!」 肯定的感想

次回

仮面ライダーエグゼイド 第3話「BANしたあいつがやってくる!」 肯定的感想