やんまの目安箱

やんまの目安箱

ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

特撮雑談クラブ 第8回「赤青」

03/05 第9回「数字/名前」21:00〜23:30
今回はテーマを2本立ててみようっていうお試し回です。それぞれ深掘りできるテーマなので、いつもここで書いてるガイダンスも2つ用意しました。まぁもし括るなら「記号」ってことになるのかな?
まずは「数字」。
"1"は絶対的なもの。唯一神であり唯一王、ひとつしかなければ"数える"までもない、あらゆる数字的認識に先立つアプリオリな概念。クウガ,ゼロワン……。
"2"は矛盾と対立、或いは一対。2人目の人類であるイブは蛇にそそのかされ知恵の実を食べ、アダムをも誘い2人で神の元から追放された裏切りの数字。龍騎,555,カブト,W,ビルド,ジオウ……。
"3"は世界。わたし(1)とあなた(2)以外の全ては"三人称"として認識され、点が3つ合わされば∴(故に)……つまり根拠を持った確実なものとして認められる。2つに分裂した意見をまとめあげ(父と母と子)、三竦みなどの均衡をもたらし、陸海空,天地人など世界の全てを表す。アギト,響鬼,オーズ,ドライブ,ゴースト,ジオウ……。
"4"は不安と調和。日本では死の数とされるように3で得た均衡を崩しかねない危うさと、それまでのように4本線ではなく四やⅣとして、個々を認識することを諦め"多数"として割り切ることで得られる安息。四方位や四元素など、ある種の秩序をもたらす。クウガ,剣,電王,キバ,フォーゼ,ウィザード,エグゼイド……。
"5"は中心。四方位に中心を加えて5つ。人間が5本指であること、頭と両手両足を合わせて五体満足と言うこと……12進法の方が利便性はあるが人間を中心として考えたときにキリが良い数字。戦隊,55ん5,ゼロワン,リバイス……。
数字はそれだけである程度の意味やイメージが付属していて、なかなか面白い概念なのでぜひ。

次は「名前」。
バクマン。』にキャラの名前を作品のタイトルに入れるのはありがちだって話があったけど(キャプテン翼,ヒカルの碁,ドラえもん,NARUTO……)、特撮ではほとんどがそのルールに則って付けられている。
戦隊は作中に出てくる戦士を包括したタイトルだけど、ライダーの場合は主役だけがタイトルに掲げられる不思議。『ジオウ』なんかはそこを逆手に取ってゲイツやウォズたちもソウゴの夢見る物語の登場人物に過ぎないみたいなニュアンスを持たせていたけど、他の作品ではどうか。逆に『響鬼』なんかはヒーローも響鬼だし変身する人間もヒビキだしで、分かりやすいんだかややこしいんだか。
そもそも"仮面ライダー"とはなんぞや、なんて話は折に触れて上がるけど、名前というのはそのものが持つ特徴を定義付けしたり、こうなって欲しいという願いが込められていたり、先立つ実存から後付けで名付けられたりと様々。
精神障害LGBTのように、名前が付くことで安心したり、自認することで行動(実存)に影響することもある。仮面ライダーを"名乗る"からにはヒーローとして振る舞う責任が伴うだとか、敢えて名前を"騙る"ことで名誉を傷付けるだとか。
そういった諸々を含めた"名前"の意味について。

同時視聴作品は『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』を19:00から見ます。
僕が挙げた2つの候補であるところの、数字が名前になっている『555』『ゼロワン』から、巧が覗き見されるのではなくて自分から名を名乗る第4話「おれの名前」と、総集編をやりながら「それが仮面ライダー○○だ」という定義付けを行い始めた第25話「ボクがヒューマギアを救う」の2本もアンケで同票だったので、これも18:00から見ます。

03/12 第10回「武器」 
03/19 第11回「仮面」
03/26 第12回「戦隊」
4月以降は未定です

特撮雑談クラブ 第7回「冬季」

 

第8回「赤青」
スピーカー:やんま, SONGEN, のーと, イゴマス, セイバーを見守るワンダーワールド(以下WW)

やんま「とりあえず僕の方で挙げた話題候補としては、色んなライダーの赤と青のキャラを挙げてみたりとか、青い炎の方が温度が高いとか、アークとゼアは青い方が善いもので赤い方が悪いものって印象を付けてたりとか、男女が赤と青で分かれてたりとか……。
あと紫についての話もできるかなってところで。悪いやつとか、曖昧なやつ。曖昧っていうか、複雑だから、ちょっと高貴なイメージもあったりして。ジオウとかピンクって言われがちですけど、どっちかって言うと僕、紫のイメージなんですよね。ベースが黒っぽい色だからっていうのもあるし」
SONGEN「体の部分のどっかに紫っぽいのが入ってた気がするな」
やんま「そっかあるのか、ラインが。ピンクとは別に」

SONGEN「紫が高貴な色ってやつは、むらさき醤油って言うじゃないですか。その諸説ある中のひとつが、紫は高級な色だったみたいな」
やんま「あれですよね、冠位十二階で紫が一番上だった説みたいな。それのイメージがあるのかな、多分」
SONGEN「戦隊で言うと『キュウレンジャー』のリュウコマンダーとか。まぁリュウタロスのあれもあるんだろうけど、マントとか付けてるし、似合ってるなと思いますけど。
リュウタロスはね、ちょっと禍々しい感じの。憑いた時期的にもモモタロスとウラタロスのちょうど間みたいな」
やんま「そうそう、ゼロノスが緑だから、紫と赤青は補色の緑と対になるんだけど、キンタロスだけ浮いてるんですよね、そう考えると」
SONGEN「キンタロスはね、元々別の人のイマジンだったとか……まぁそこまでね、たまたま符合してるだけかもしれないけど」
やんま「いや、いや考えてると思いますよ?」
SONGEN「かなぁ? でも、男の子に人気の色ってあるじゃないですか。そういう意味で付けてるのもあるんじゃないかなとは。僕は『ビルド』は何も考えてないと思ってるから(笑)」
やんま「さっき『ビルド』の色ってまんま『電王』だなと思って。赤,青,金,紫……」
SONGEN「コラボしないかなとか言ってましたもんね、当時」
やんま「『ビルド』で緑はいないのか……」
SONGEN「『Vシネ グリス』の敵が緑っぽかった……あれはなんか、モスグリーンっていうか、ミリタリーチックな感じ」
やんま「そっか、それくらいか。基本フォームチェンジで緑ってなかった……カイゾクレッシャーか。濃い緑はなかったな、意外と……(※掃除機フルボトルがある)」

キャラのカップリング

SONGEN「(バカレッドについて)漫画っぽくすることで、一気に主人公力が上げるのかなみたいな。成長する主人公みたいな」
やんま「なんか戦隊は、最近はマンセーとかされてそうでもないのかもしれないけど、人数がいるから、役割分担っていうか……こいつはバカ担当、こいつは考える担当みたいな」
SONGEN「『デカレンジャー』で言うと、赤と青が一応「相棒」で繋がってるけど、バカ組は赤とピンク,バンとウメコで、かしこ組がグリーンとイエロー,センちゃんとジャスミン。でそうすると、ホージーあぶれちゃうんですよね。……と思ったら、デカブレイクが出てきて、先輩僕に嫉妬してるんじゃないですか? みたいな感じで」
やんま「ありましたね、青組で」
SONGEN「そういうカップリングの掛け合わせを変えられるのがうまかったなと。だから結構ホージーはおいしいポジションなんですよ、赤とも絡みがあるし、テツとも絡みができて。デカブレイクにも青いラインとか入ってたりするし。
「フェイク・ブルー」面白かったですよ。単体で見て、面白いなと思って。あぁいうつまんで見るのにちょうどいい」
 のーとさん参加
やんま「そうですね、僕ホージー……前見たときはあんま好きじゃなくて、でも今回見て結構見直したっていうか、かっこいいなと思って」
SONGEN「俺は戸増宝児なんだ! みたいな、姿が変わっても。あれもいいですよね」
やんま「デカレンジャーじゃなくなっても、怪物の姿になってもちゃんと正義のために戦うし、しかも結構優勢にまで持ってくっていう」
SONGEN「まぁなんか、トリックっていうかロジック? 相棒って言っちゃうみたいな、敵が。あぁいうのは小細工だなって感じするけど、お約束みたいな感じですよね。どっかで見たことあるような感じのする話だけど、そういうキャラクターを濃く出せる話。
あと基地が乗っ取られちゃうじゃないですか、あれもなんか面白いなと思って。やっぱ武力を行使してる訳だから、デカレンジャーも」
やんま「あのデカベースロボが暴走するのは、子供の頃うっすらと記憶があって……」
SONGEN「そうそう、俺も記憶あったんですよ。あの回だったのかなぁみたいな」
やんま「怖かった思い出が、ちょっと蘇ってきて」
SONGEN「中にちゃんと人がいたりとか。あとデカマスター1回負けちゃうんだと思って」
やんま「ブルーの体がどうなってもいいのかみたいな流れで」
SONGEN「デカマスター出てきたじゃんと思ったら、無敵なのかなと思ってたけど、結構ピンチでしたよね」
やんま「結構甘いですよね、彼は。あの5人に」
SONGEN「それは、言いますよね。……そんな感じで、戦隊で……まぁライダーもですけど、カップリングなんすよね。そこに注目し始めたのがその辺なのかなって」
やんま「『デカレン』辺り?」
SONGEN「っていうかちょっと前から……バカレッドも遡ればもっと、レッドファルコンとかもアカデミアの中では落ちこぼれの方みたいな。『ライブマン』の、つっぱることが男の……」
のーと「こんばんは〜。ちょっと前の話の流れが分かんないところもあるんですけど、カップリングっていう話になったとき。まぁ同性同士,異性同士で色々あると思いますけど、塚田さんの作品はそこら辺が、どの組み合わせでも割と面白くなるようにできてるのかなと思ったりします」
SONGEN「『W』とかも、そうだと思うんでよね。意識してなのかは分かんないですけど、やっぱり『相棒』っていうドラマが東映にある訳じゃないですか。そんなに詳しくないけど」
のーと「まぁバディもの、ですよね。一対一の関係じゃなくても、例えば『ゲキレンジャー』は塚田さんですよね。だからそういうところとか……キャラクター1個1個を立たせて、そのキャラクターだけの話じゃなくて必ず2人以上で絡めてくっていうのは、時期的なものっていうよりかはスタッフの方の影響なのかなって思ったりはしました。
ヒーローのキャラクター同士がライバル関係になったりとか、お互いに戦ったりって、『ハリケンジャー』の裏が『龍騎』だったりとか、その前が『アギト』だからそっちかなとか思ったりもするんですけど、でもよくよく考えたらスーパー戦隊の方がずっと前からそういうのやってるから。『アギト』とか『龍騎』とかは揉めてるけど、同族殺しって文脈があるからってだけじゃなくて、そもそもスーパー戦隊でそういうの前からやってたかなっていうのはあるかも」
やんま「追加戦士とは割と戦ってるイメージ……まあま2000年より前のは分かんないけど、タイムファイヤーも狼鬼も戦ってたし」

SONGEN「実はあんまり赤と青が絡んでる戦隊ってあんまりイメージがないみたいな話があったじゃないですか。最初から言うと、宮内洋アオレンジャーじゃないですか。元々あの人はヒーローやってて、『ゴレンジャー』の青やってくださいってなったときに、なんで俺が二番手なんだよみたいな感じになったらしい……まぁそれも尾ひれついてるかもしんないけど、言いそうじゃないですか。そこで平山Pかな、が説得したのが、赤が宮本武蔵で青が佐々木小次郎のイメージなんだみたいな。だから並び立つ2人の……まぁ俺『ゴレンジャー』未見だから雑語りになっちゃうけど」
やんま「僕もWikiで読んだかな、その話は」
のーと「実際、アオレンジャーの紹介っていうかOPでキャストの並びって一番最後ですもんね。ナンバリングとしてはアオレンジャーが2番だから12345っていけばいいはずなのに」
やんま「実際つまんで見てても、アオレンジャーだけ結構浮いた活躍してたりとか……」
SONGEN「なんかマシン乗ってたりとかするのは、やっぱり別撮り? 他ので忙しかったから」
やんま「あーそういうことなのかな。機械担当っていうか、他の人と別行動してることが多くて」
SONGEN「ズバットととかもね、赤だし。その代わり、V3,ズバット,アオレンジャー並ぶと結構綺麗なんですよね。俺は三浦参謀長官のイメージなんですけど、『オーレンジャー』の。
……そもそもそこから始まってるから、それ以降どっからか分かんないけど『サンバルカン』とかからか? 3人とかになっちゃうと、赤とその他みたいになっちゃうじゃないですか。……なってんのか分かんないけど。
ジェットマン』は、『ガッチャマン』のあれもあるのかなとは思うんですけど」
やんま「へー、これ5人なんだ。知らなかった」
SONGEN「白いリーダーがいて、コンドルのジョーがいて、紅一点がいて、後はなんかちっちゃい子供みたいなのと大きい人みたいな、デコボコ感」
やんま「なんか『パーマン』みたいですねって言おうと思ったけど、あれって戦隊より前なのかな? (調べながら)1967年ってことは、ライダーより前か。ライダーは'71年ですもんね。じゃあ『パーマン』の方が先なんだ、へぇ〜」

SONGEN「さっき言った『カクレンジャー』とかだと黄色とか青のイメージが、好きだったけど薄くて。最初は赤青で始まるんですけど、あの2人が封印説いちゃって、妖怪の。白とブラックも親の因縁があったりとか……」
のーと「『カクレンジャー』は……赤と白と黒のドラマが強いから……」
SONGEN「思い返してみると、黄色と青がその他のバカの2人みたいな。そっから……なのか分かんないけどだんだん多分そこを、あぶれちゃう2人を組み合わせて目立たせていこうってしたのが、多分……『タイムレンジャー』かなぁ? 緑と黄色が兄弟っぽい感じでいるじゃないですか。その前の『ゴーゴーファイブ』だったら兄弟戦隊だし、『ギンガマン』は炎の兄弟がいるじゃないですか。あぶれ者同士を兄弟扱いで一緒くたに描いちゃう。『ガオレンジャー』になるとそれを踏襲したか分かんないけど、「二人でネバギバ!!」っていう青とブラックの回があるんですよ。そんな感じで『ガオレンジャー』だと、黄色が赤にサブリーダーとリーダーのポジションだったりして……(あぶれるキャラをなくすために)ついには3人戦隊になるみたいな」
やんま「3人って『サンバルカン』と『ライブマン』があったぐらいで、そっから『ハリケン』までないんでしたっけ。なんか『タイムレンジャー』のスーパー戦隊特集みたいなの(Case.File51)で、『サンバルカン』が唯一の3人戦隊って言われてて。『ライブマン』は追加されたから3人じゃない扱いなんだと思うんですけど」
SONGEN「そう、50何話もあるけど、描ける人数って結構限られてるって印象があって。まぁでも『ハリケンジャー』も『アバレンジャー』も結局5人になりましたけどね。追加戦士って文化が発生したから」
やんま「そっか、じゃあずっと3人だけなのは『サンバルカン』だけなのか」
のーと「『ハリケン』は3+2のフォーマットに近いですよね。てかあれが初めてですけどほぼほぼ。まぁ『ライブマン』も3+2ではありますけど……『ゴーオン』はモロ『ライブマン』のあれですけど、色もそうだし。
ゲキレンジャー』もそうなんだよな。レンジャーキーがあるからとかないからとかそういう話以前の問題として、スーパー戦隊のナリはしてないけど3+2ですよね、あれは」
SONGEN「あー、リオメレか」
のーと「でも『ゲキレンジャー』はもう一歩……いや違うな、『ハリケンジャー』と同じなのか。ひと番組2戦隊みたいな感じ」
SONGEN「『ルパパト』の原型の原型みたいな感じ。"赤青"に沿ってるか分かんないけど(笑)」
やんま「まぁゴウライジャー赤青だしいいんじゃないすか?」
SONGEN「そういう工夫の中で……赤青で組み合わせるんじゃなくて、描き方のひとつとしてそういう手法が確立したんじゃないかなと思って。それを色濃く出したのが『デカレンジャー』とかだったりするんじゃないかなと。まぁ『タイムレンジャー』もでも、やっぱりそこはエポックだと思うんですけど、結構。どこまで自覚的だったかはあれだけど」

ポケモンの赤青

一番手が赤
響鬼のマジョーラ
 イゴマスさん参加
ボーイミーツおじさん
ヒートトリガー
 セイバーを見守るワンダーワールドさん(以下WW)参加
響鬼ライダーのデザイン

暴走の赤

イゴマス「赤と青についてで、いま私ウルトラマンシリーズの『大怪獣バトル』シリーズというのを見てまして、絶賛履修中ってかんじなんですけど、これに出てくる……そもそもまずウルトラマンって赤いじゃないですか。その一方で、この『大怪獣バトル』シリーズに出てくるラスボス的な宇宙最強の宇宙人みたいなのがいるんですけど、そいつが青系の宇宙人なんですね。この最強の宇宙人レイブラッド星人は遥か昔に生きた存在で、今は肉体が滅んでて精神帯になってるって設定なんですけど、その後継者探しをするのがこの『大怪獣バトル』シリーズっていう怪獣使いの力を各宇宙人が引き継いで戦わせあって、最強の怪獣マスターがレイブラッド星人の後を継ぐみたいな設定なんですけど。
地球人の怪獣使い代表がこの作品の主人公で、中でも特にレイブラッドの血を色濃く継いでる感じの人で、レイブラッドっぽい姿に変身する能力があるんですね、地球人なのに。そいつが、レイブラッドがが青ということで青い姿に変身するんですよ。ただそれが暴走すると、赤くなるんですね。だから逆にウルトラマンに近い色になってるんだけど、その実態は暴走して暴れまわるっていうのはなんかちょっと、ウルトラシリーズから見ると逆転的で面白いなと思いながら、DVD見てて。
平成ライダーとかでも赤と青は結構対比的に使われてることが多いと思うんですけど、赤か青の片方が正義で、もう片方が暴走形態もしくは悪として直球的に扱われることってあんまりないイメージがあるんですけど、どうかなって思って。赤いやつがいいやつ、青いやつが悪いやつ……もしくは、青いやつは冷静で正義の味方、赤いやつは悪役、みたいな。あんまりこういう直球の分け方することがライダーシリーズはないのかなという風にちょっと思ってたんですけど」
WW「プリミティブって青でいいんですかね? ちょっと緑っぽいけど」
イゴマス「そうですね、水色的な。確かにセイバーのプリミティブはそうか、青が暴走で赤くなったら正義の心みたいな」
WW「どちらかというと白に近い気は……」
イゴマス「暴走形態は多分ウルトラよりライダーの方が遥かに多いと思うんですけど、暴走形態を色で表すとなるとクウガの目の色くらいしかパッて浮かばないなと」
やんま「あー、そっか。あれもでも赤は正常だもんな」
イゴマス「赤が正常で黒が暴走……まぁ黒が悪いやつはなんとなく分かりやすいかなと思いますけど」
やんま「バーニングフォームが若干暴走したぐらい?」
イゴマス「あー。ただあれも別に正常になったから色がクールになったとかって訳ではないですよね」
やんま「それはないですね。まぁ白くなったりするけど(荒っぽかったバーニングのアクションが、シャイニングになるといつもの姿勢正しいスタイルに戻る)」
WW「暴走すると全体の色が変わるってのがまず珍しかった印象……」
イゴマス「暴走専用形態みたいなのがそもそもない」
WW「エレメンタルも見たとき、そういえばこういうのなかったような気がするなって思ってた記憶が」
やんま「……暴走ではないけど、熱血の赤,クールな青ってことで言えば電王とか?」
のーと「それこそあれじゃないですか、友達ロボット イゴマスのウルトラマンコスモスは、ブチ切れると赤くなるじゃないですか。コロナモードになって……っていうところもあるのかなって」
SONGEN「あれはなんか冷静と……」
イゴマス「優しさと強さ……ですよね。力づくというか」
やんま「太陽と月の」
のーと「コスモスで思い出したけど、カオスウルトラマンのカラーリングはコスモスと逆になるのか」
WW「ジードの目の色は、確か赤と青で暴走……一応ウルフェス限定ではあるけど、そんな使い分けがあって」
SONGEN「目はなんか、表しやすいですよね。ミラクルワールドのバーニングフォームとか。赤目ってでも……あれもそうじゃないですか? 永夢が……」
やんま「あー、生身の」
WW「確かブレイブも目が赤くなりましたよね、暴走したときに。初めてファンタジーゲーマーに変身したときに」
やんま「ありましたね」
イゴマス「ポッピーも確か悪いときは赤で、味方だったら青ですよね」
SONGEN「だからやっぱ、デジタル的な存在は……分かりやすいんだと思いますよ」
やんま「信号機のイメージなのかな? 赤が悪くて、青がいい」
SONGEN「そうですね、信号機は近いかも。危険……色のイメージの話もします?」
やんま「さっき出たとこだと、赤は情熱,青はクールみたいなのがありますけど、『カブト』は逆ですよね。クールな赤,パッションの青……まぁ目の色が逆になってたりするんですけど。カブトが青い目で、ガタックが赤い目で」
SONGEN「ガタックは赤い目だから結構、熱血なイメージ残ってる」
やんま「『カブト』における青は、青二才的なニュアンスもありますよね。天道……が作中で言ってたのかな、"青いな"って」
のーと「言ってましたね(「友情とは、友の心が青くさいと書く」)」
SONGEN「あれはもう、多人数ライダーで色をパキッとしようとしたんだとは思うんですよね。別にカブトムシに赤のイメージ、特にないじゃないですか。まぁカブタックとかその辺のあれはあったけど」
やんま「色のイメージで言うと、最初に出てきたカリスは、赤いけど風属性っていうのがなんか珍しいなと思って。まぁ赤ってだいたい炎と結び付けられがちだからだけど、赤で風属性ってなかなかいないなって思った……んだけど、戦隊は意外とレッドがトリになりがちだから、風属性っちゃ風属性なのかなと思って(ハリケンレッドとか)。……色と動物のイメージって話題があったんで、触れとこうかなって思って」
SONGEN「それで言うとガオレンジャーのイーグルが、黄色でサブリーダーって珍しいなって思ったんだけど、ガオキングになると一番上が黄色なんですよね。尾羽が王冠みたいになって。だからあの配置は、ブラックが下から支えててみたいなイメージはあるのかなって」
やんま「ゼンカイガオーンも黄色ですしね」
SONGEN「遡ると、バルイーグルは夕日のイメージありますよね。青いサメも……見たことないけど、海だから? ランドスタイル黄色みたいな、で陸海空じゃないですか」

仮面ライダーの赤い目

イゴマス「ちょっと前の話掘り返すんですけどいいですか? 目の色の話がさっき出て、なんとなく赤が情熱系……或いは危険っていう色という話があったと思うんですけど、一番最初に石ノ森章太郎先生が仮面ライダーというもののデザインをつくったときに、目の色に赤を選んだのがすごいなと、いまふと思いまして。
それまでって多分どのヒーローも、アメコミ系の影響を強く受けてると思うんですけど、目が赤いヒーローはアメコミでもなかなかいないんじゃないかな?」
SONGEN「今思いついたのは、デアデビルくらいかな」
イゴマス「デアデビルは体の色が赤い……まぁ目が見えないですもんね」
SONGEN「色付きサングラスみたいな」
やんま「赤……じゃなくて、何色の目が多いんですか?」
イゴマス「そもそも目が、あぁいうでかい目っていうのがだいぶ独特なところがあって。日本人が参考にできるヒーローって言うと当時……ゴジラがいてウルトラマンがいて、まぁ月光仮面がいるくらいまでがせいぜいだと思うので、黒とか白系の目にするなら分かるんですけど、石ノ森章太郎先生が描いてる仮面ライダーって確か最初からだいぶ赤かったと思うんですね。バッタがモチーフのヒーローで、バッタの目も当然黒いので、なんでいきなり赤い目を真ん中にドンと据えたんだろうと、ふと気になった」
やんま「……まぁ緑に赤はすごい映えますよね、目立つっていうか(補色だから)。なんで赤なんだろう? クロスファイヤー(仮面ライダーのボツ案)……があるから?」
SONGEN「暗闇に映えるとかそういうのもあったかもしんないですね」
やんま「そっか光るのか、複眼が。でも別に赤く……ピンクに光るのか」
イゴマス「最初はピンク系ではありますね。ただ、その前にスカルマンみたいな前身がある訳じゃないですか、仮面ライダーのデザインには。最初は骸骨から始まって、そこにバッタの要素を付け加えて……突然目が赤くでっかくなって、国民的ヒーローになっちゃったみたいな。石ノ森章太郎の絵を見ると実写ほどピンク色は少なくて、多分最初から赤い目を意識してたんじゃないかなぁと思うんですけど、どっからこんな巨大な赤い目が出てきたんだろうと」
やんま「(調べながら)スカルマンの目も赤いっすね。クロスファイヤーも赤くて十字(でかい)だし、赤い目ってのは最初から決めてたのかな、じゃあ。なんでなんだろう……やっぱ復讐に燃えるみたいなイメージなのかな」
イゴマス「ちょっと石ノ森章太郎流の赤のイメージは、気になるところですね」
やんま「サイボーグとかは、赤い服着てましたよね」
イゴマス「『サイボーグ009』とか『ゴレンジャー』の赤とか……でも赤自体がヒーローの色っていうのは、ウルトラマンが先輩としていたんで分からなくもないんですけど、目が赤ってだいぶ……充血みたいなどっちかっていうと悪いイメージが浮かびやすいので。やっぱいきなり赤い目をドンと据えたのはすごいな、やっぱ天才の発想なのかなみたいな」
やんま「考えたことなかったなぁ」
イゴマス「地味に青い目のライダーって、カブトの前……G4とかか」
SONGEN「あーG4悪いイメージありますね」
イゴマス「あとは仮面ライダーナイトか。あいつも一応目ありますからね、青く光る……オープニングだけ光るみたいな。だから平成に来るまで青い目って、まぁそもそも赤い目が仮面ライダーって昭和の時代は紐付けられちゃってて、緑色のシャドームーンが限界だったと思うんですけど」
やんま「平成ライダーは赤い目多いですね……青い目は本当にカブトとビルドくらいかな、主役だと。左右で違う(オッドアイ)っていうのも、斬新ですよね」イゴマス「そこはビルドでかいところ……Wから更に一歩踏み込んだ……」
やんま「パラドクスもね、左右で違いましたけど。だからもう完全にパラドクスとビルドはそっくりっていうか、『平ジェネFINAL』でも言われてたけど」
SONGEN「その前にキカイダーとかもね、あるかもしんないけど」
やんま「キカイダーって目……あれ赤い?」
イゴマス「目は黄色……かな? 目が黄色い先輩も一応ウルトラセブンとかがキカイダーから見ても先輩に当たるはずなんで」
SONGEN「パラドクス、本当は2人変身者がいるとかでしたっけ? 最初は」
やんま「へぇ〜知らないそれ……でもなんかちょっと聞いたことある気もするなぁ」
SONGEN「パラドの混ざる前のやつ結構好きなんですよね、デザイン的に。でもなんか結局パラドってなると青の方になっちゃったじゃないですか」
やんま「あぁ、パラドも青がメインで赤がサブっていう(珍しい例ですね)」
SONGEN「あー、でもそれはなんかなっちゃったって感じがする。結局混ざってみたいな……だからあんまり99の方は好きじゃなくて。……でビルドですよね、俺前ちょっと"はしたない"って言ったけど。赤と青混ぜちゃって……みたいな。
そもそも『ビルド』って、武藤さんが来るまでの前の話が一回白紙に戻ってるって大森さん言ってて、元々何でも対応できるようにおもちゃのデザインは考えてたんですって。だから放っとくと、動物モチーフをつけたがるらしくて。フルボトル……成分みたいにして理由付けてはいるけど、結局動物,無機物である必要ってないじゃないですか……あれって結構おもちゃ先行で。さっきまで固体気体の話もされてて(※1)、スチームパンク風のファウスト組とかね、デザインかっこいいんですけど。そんなに意味付けは多分、後付けなんだろうなって」
やんま「動物はモチーフとして出しがちですよね」
SONGEN「最近もうホントに節操なくやってますよね。『リバイス』も……『セイバー』はやってないか、『セイバー』は結構属性タイプでしたけど、『ゼロワン』もそう」
やんま「戦隊の方法論なのかな」
WW「全員、動物のイメージはありますね。令和ライダーは全員。ブレイズが一応ライオンカテゴリに入りますし。子供に親しみやすいですよね、やっぱり動物が」
SONGEN「そうそう……『リバイス』も、パワーアップ形態が属性になりましたからね」
やんま「なんだっけ、サンダーゲイル? 僕黄色好きなんで、カッコいいなと思いましたけど(笑) オクトパスライトみたいな色で」
SONGEN「それこそ節操ないなって思いましたね、めちゃくちゃ色混ざってるし。リバイスも赤青っちゃ赤青ですよね」
やんま「そうですね。最初の情報解禁……映画のポスターの時は、バイスが青い方で映ってて、赤青コンビって風に見て欲しいんだろうなって思いましたけど」
SONGEN「『ビルド』は2号ライダーも青いじゃないですか。あ、その前に万丈のドラゴン、イメージめちゃくちゃ問題もありますけど」
やんま「めちゃくちゃ問題?」
SONGEN「キックのとき背後に出るのは東洋風の青龍なんだけど、クローズドラゴン,変身アイテムは西洋風」
やんま「あー、そうですね。腹がでかいドラゴンっぽいですね」
SONGEN「キャッスルドランタイプのね。お前ホント適当だなみたいな(笑) ……なんか元々バディもので、赤青でやるつもりでビルドも赤青だったのかな? と思ったら合体したら、金銀のもありましたよね。あの辺、どう思います? 元から合体するつもりで青だったんですかね、クローズは」
やんま「いやーそれはだって『Be The One』だから……合体するんじゃないすか? そりゃあ(笑)」
WW「最終フォームの候補だったっていうのは聞いたことありますね、クローズビルドフォームは」
やんま「納得感はありますよね、最終フォームって言われても。あのーなんだっけ、キービジュアルでも、クローズの情報何も出てないのに載ってたし。まぁ大きなお友達はみんな知ってたと思うけど」
WW「あれ、後ろ姿しか映ってなかったのっては、まだベルトが完成してなかったんですかね? 後ろだったらクローズドラゴンが映る必要もなかったんで、まだ開発中だったから……」
やんま「あー、なるほどね。それはあるかもしれない。サウザーの目が変わったりして、結構変わることは割とあるっぽいから。
あ、サウザーの目の話もちょっとしたかったんだ。あれも青目で、紫になったんですよね。ネタバレのカタログでは、だから多分設定の段階では水色の目だったんだけど、本編では紫だったよねっていう」
SONGEN「それは覚えてないっすね……。サウザーはもうなんか、いやらしい金みたいなイメージ」
やんま「あー、まぁまぁちょっと分かる。けど、ムテキ見てたから全然僕いい方だなと思っちゃった」
SONGEN「ムテキは……バカの金ですよね」
やんま「めちゃくちゃ下品ですよね」
SONGEN「いやあれは俺好きなんですよ。バカの金……子供が好きそうな、キンキラキンみたいな」
やんま「サウザーは銀が差してあるから、結構……」
SONGEN「大人しめには見えますよね。でも成金的なイメージは持ちやすいのかな?(デザイナー曰く)」
のーと「サウザーおもちゃ屋さん向けのカタログだと、目が青いのもありますけど銀色の面積も大きいですよね、黒い部分がない」
やんま「そうそう、なんかちょっと印象が違うんですよね」
のーと「本編に出てきたサウザーの方が、悪者っぽいですよね」

※1

セイバーVシネ
ほっとかれがちなブルーと4番手なブルーン

ビルドの戦争描写

やんま「『ビルド』の話します? 戦争の……のーとさんも仰ってた、結局宇宙人が悪いで良かったのかって話」
SONGEN「俺、それはずっと思ってますけどね」
のーと「ニチアサとしては全然OKだと思う。単純明快だし、話締める4クール目で仮面ライダーが全員協力して悪いやつをやっつけてっていうのは。分かりやすいし面白いし盛り上がるんですけど……」
SONGEN「あーそれ。下手したらニチアサの都合だからそうなっちゃったみたいに言われそうだけど、俺は単純に武藤さんが落としどころ見つけられなかっただけだと思います、それは」
WW「っていうよりは、個人的には大森さんが多分とりあえず黒幕を出して、敵味方団結させて黒幕を倒すって展開が好きだからって感じしません? 大森さんの作品ってだいたい、正義と正義が戦ってる最中に黒幕がでてきて、ちょっとなんかその話はなかったことになるみたいな印象は」
SONGEN「フォーマットができつつある。紫は敵かと思ったら寝返ってくるみたいな」
やんま「(黒幕枠は)蛮野,クロノス,エボルト,アーク……」
WW「セイバーも一応マスターロゴスいるんですけど。僕的にはマスターロゴスも彼なりの正義を持って欲しかったっていうのは、個人的な心残りではあります」
SONGEN「あー、そういう人もいるんだけど、俺マスターロゴスはあれでいいと思うんですよね。むしろなんかポッと出のストリウスがラスボスになっちゃったんだって思ってましたね。なんか対比うまくできたかもしんないけど、飛羽真と。でもなんか元々ラスボスの予定ではなかったですよね、多分。……そういうところは好きなんですけど。話が追ってく中で変わってくのは好きなんですけど。
でもエボルトが宇宙人なのはでも決まってたじゃないですか、きっと」
のーと「だったら、最初の設計からして問題があったんだろうなって思います。まぁ『ビルド』は、戦争って色々ありますけど内戦ですよね、取り扱ってるのは。内戦が始まるにあたって裏で糸を引いてるやつがいるっていうのはまぁよくある話なんで、別にそれはそれでひとつアリかなって思うんですけど、でも韓国のファンの方々からご意見をいただくやつとかっていうのは、まさに内戦の当事国であるところの人たちから見れば、そう……当然見えるだろうし。
で、『ビルド』がやってる前も後もだけど、シリアとかイラクとか。まぁイエメンとかもそうなのかな、要するに世界中でそういうことはやってる訳じゃないですか。"昔あったこと"とかじゃなくって。
今回まぁ、たくさんの子供が見る……人によっては、僕はあんまりそうは思わないけど、教育番組であるってことを言う人もいるじゃないですか。っていうことが求められる番組の中で、内戦を1クール目から3クール目辺りまで主要な仕掛として取り扱うってところで、ちゃんと、もうちょっと考えてやらないといけなかったんじゃないのかなと、やっぱり思うんですよね」
やんま「なんかでも、エボルトって明言はされてないけど、めっちゃ人工……生物じゃないですか?」
SONGEN「そうですか? 俺それは初めて聞いたな」
やんま「僕割と……前からちょくちょく言ってるんだけど、未来から来た人間が作った科学の終点みたいな存在なんじゃないかなと思って。(公式としては)絶対どこでも言われてないと思うけど、でもしかしたら小説でやるかも知んないけど」
SONGEN「あー、そう落とせばうまくいくってことか」
やんま「そう、エボルト個人がっていうか、ブラッド族自体が……って僕は思ってるんですけど」
のーと「僕は単純にプレデターみたいなやつだろうなって」
SONGEN「あと俺『ビルド』の良くないところって洗脳を軽々しく使うところがね。洗脳ってズルじゃないですか、顔変えるのもズルだけど。あれがね……面白くない、本当に。おちょくられてる感が。
洗脳ってストレスかかるんですよね、視聴者からすると。なんか率先して使う設定じゃないなと思ってて。簡単にカズミン操ってデータ持っていったりとかするじゃないですか」
やんま「あーあったな、そっちか。難波重工とかじゃなくて」
SONGEN「パンドラボックスの光もそうだけど、それもうトリックとかご破産になるじゃないですか。そういう謎引っ張りでやってる割には、うまい設定……適当な設定で誤魔化してるところが」
やんま「そうですね、昨日今日見返してたけど、そこ適当なんかいみたいなところ結構あったかな。
僕がさっき言ったエボルト未来から来た説っていうのは、まぁモチーフが蛇と龍でウロボロス的なニュアンスがあるからっていうのもそうなんだけど、ベルナージュのことを戦兎が人工知能って言ってたんですよ。でも人工知能……ってことなくない?と思ったんだけど、(脚本でわざわざその表現を選んだということは、単なるミスリードではなくて裏設定を匂わせてる可能性があるので)仮に人工知能だとして考えてみたら、未来の科学が発展してどうにもならなくなった地球人が、火星……すごい過去の火星に移住してきて、文明を築いたのがベルナージュたち火星の民で(場合によってはこのとき既に今と同じ形の人類は滅んで人工知能だけの社会になってて、それなら確かにベルナージュは人工知能ということになる)、エボルトたちは追放されたんですよ、宇宙のどっかに。
なんでそう思ったかって言うと、ベルナージュが手貸し過ぎなんですよ」
SONGEN「あれはだから、ご都合……ご都合さんですよね(笑) ベルナージュの名前がその後出てきてないんですよ、死んでから全く出てこない」
やんま「そう、都合がいい。ベルナージュは地球……なんか別に関係ねーじゃんって話なのに、なんでそんな力を貸すかって考えると、多分ブラッド族を生み出した負い目があるからなんですよ、戦兎たちと一緒で」
SONGEN「今の話聞いてると『ゴースト』っぽいなって思いましたけど」
やんま「そうそうそう、多分絶対『ゴースト』意識してるんですよ、『ビルド』は」
SONGEN「いやしてない……多分大森さんは『ゴースト』とか眼中にないと思う、本当に」
やんま「そんなことないですよ、だって『ゼロワン』も『ゴースト』じゃないですか、めっちゃ(ゴーストも意識をデータ化,AI化する話だし)」
SONGEN「それもなんか分かんないんですよね……」
やんま「あの……眼魂島。映画『100の眼魂とゴースト運命の瞬間』見たんですけど、この間。眼魂島が宇宙にふわふわ浮いてて……だから目玉ですよ。目玉が宇宙にふわふわ浮いてて(地球を見てる)って絵面が、完全にゼアじゃないですか。ゼアもあれ目玉……でしょう?」
SONGEN「え? あー、そういうこと?」
WW「あー、うーん、まぁ確かに目っぽいかたちはしてますね」
やんま「あ、あれが目玉っていうのは『2001年 宇宙の旅』みたいな、カメラ(目)がAIの象徴みたいなニュアンスがあるからなんですけど。あれも」
のーと「それは、あると思います」
やんま「(人間をじーっと観察している)1つ目のカメラがAIの象徴みたいなニュアンスがあるから、ゼアも」
SONGEN「いやだからそれは、そういうSFのひとつじゃないですか? 『ゴースト』の意識かどうかっていうとちょっと微妙かな」
やんま「あー、そっか。それはそうかな」
SONGEN「(『ゼロワン』は)どっかで見たことあるような展開が多いんすよね、だから。だから面白味がないっていうのもあるし、設定がご都合主義すぎるとかあるし。
……戦争もね……時節柄、戦争の話になるのかな」
やんま「そうそう、エボルトが本当に外からの侵略者だと、なんかテーマ的に成立しないっていうか」
SONGEN「成立してないんですよ、あれは」
やんま「そうだから、そう考えるとおかしすぎないですか、だって。制作陣何考えてんのって話になるから、あんまりそういう解釈好きじゃないんですよね。あんまり制作陣を低く見過ぎるっていうのは」
SONGEN「なるほどね。今やっとなんか、やんまさんのことが分かりました(笑)」
のーと「僕も気持ちとしてはやんまさんと同じなんですけど、『ビルド』のその部分に関しては、多分駄目だったんだろうなって思って」
SONGEN「俺はとっくのとうに見限っちゃったから、もう」
やんま「小説……でやるのかな? でもなんか、今更って感じもするし」
SONGEN「後付け、後付けですよ」
のーと「いや、されるべきでしょ。時節柄ってSONGENさんのあれが出ましたけど、全世界的なそういう……何が良くて何が悪くてっていう、そういう価値観を揺るがす事件っていうのがありますよね。それが日本だけに関わるときもあるし、世界全体に関わることもあるけど、例えば9.11があって『龍騎』があって……っていうのは有名なところじゃないですか。っていうところに、子供が見る良いやつが悪いやつを倒すっていう番組とか、それに伴う小説みたいなコンテンツ全般ですよね、っていうところが真摯な応答をしないっていうのはありえないことだと思うんですよ、僕は。そうした方がいいんじゃない? じゃなくて、しなければならないとすら思う」
SONGEN「ここへきて本当に、『ビルド』のことはもう一回考えた方がいいと思いますね」
のーと「だからもう、『ビルド』の小説は何年延びてもいいからちゃんとしたのが読みたい。ちゃんとならないかもしれないけど、でもとりあえず期待するだけしておきたいなって思う」
SONGEN「あー、でエボルトのモチーフで言うと、俺ちゃんと見てないけど『家族ゲーム』にあると思うんですよ」
のーと「あー、櫻井くんのやつ」
SONGEN「あいつも、なんでも超人みたいな感じで立ち回って暗躍してみたいなやつなんすよ。家族をね、混乱させて。そこで、これは本当に俺の妄想になっちゃうけど、武藤さんがそこに万能感を得て、メアリー・スーとか言われてるエボルトを生み出して、とりあえずめちゃくちゃにして、オチ付けられませんでしたで終わったのが『ビルド』だと思うんですよ。僕の中では。
まずなんか、仮面ライダーを兵器として扱ったのも『ビルド』が許せないところのひとつではあるんですけど。多分その辺はアメコミとかからきてると思うんで。『アイアンマン』がね、ひとつあると思うんで」
やんま「あー、アメコミの話全然しませんでしたね。スパイダーマンの話とか出ると思ったのに。赤と青ってアメリカの色じゃないですか、割と」
SONGEN「『アベンジャーズ』で言ったら赤と青……キャプテン・アメリカが実質アベンジャーズのリーダーっぽいけど、MCUの始まりで言うとアイアンマンからで、そこも同率みたいな感じでうまくいってる。
『アイアンマン』意識は多分あったんだろうなと思います。それは大森さんかなぁ? 映画好きらしいから。『ドライブ』は『ナイトライダー』でしたっけ?

……でなんか『ビルド』で一発限りのネタかなって思ったら、仮面ライダーは兵器,商品ですみたいなのがあったと思ったら、天津垓も同じこと言ったなみたいなのがあって。まだそれ言うんかいみたいな
やんま「まぁ、それはあったかな」
SONGEN「それでいいの? って。そこからのフォローがないんですよね、だから。兵器で終わっちゃってる気がする、兵器じゃないよみたいなのができてない」
やんま「え、それは『ビルド』は結構、しつこくやってませんでした?」
SONGEN「あー、言うだけ言ってるって感じ。でも、適正に使われてるかどうかは微妙じゃないですか? あー違う、『ビルド』の嫌いなところはだから、結局独りよがりなんですよね、戦兎が。マスクシャに代表されるように。ラブ&ピースって口だけで言ってるだけみたいな、それを鵜呑みにしてる視聴者も結構多いと思うけど。ラブ&ピースって言ってればいいみたいな……それは『3年A組』でもそうだけも。ネットの書き込みでお前ら適当なこと言うなって言ってるだけ。投げかけっぱなし。それをうまく話の中でまとめきれてないっていうか、支持されないまま終わってる」
やんま「支持されないまま?」
SONGEN「周りから理解されなくていいんだけど俺は正しいことやってるんだみたいな、のが多分ある。そこが……オチてない、話として」
のーと「その……言うだけじゃなくって、それがちゃんとかたちになってうまくいく感じになったらいいかなって思ってたんですけど、最後全部創り直す感じになっちゃったんで」
SONGEN「そう、だからね。勝手に神様になってる」
のーと「エボルトにめちゃくちゃにされちゃった元々の世界っていうのがあるじゃないですか。めちゃくちゃになってもうどうしようもないんだけど、そのどうしようもないところからちゃんと創り直さないといけないのが本当にやらなきゃいけないことなんじゃないの、とは思うし。それを頑張ってやっていくための心がけって言ったら、まだちょっと全然駄目かもしれないけど、口だけの部分を口だけじゃないところにしていきたいねっていうのは、そうするしかなくないですか?」
やんま「うん、そこは……なんでもそうっていうか」
SONGEN「……『クローズ』なんか嫌われがちですけど、こんな後付け要らないみたいな。だから先の戦争でみたいな、元々の地球で救われなかった人がいるって描いたのは、真摯だったなと。そこはめちゃくちゃ、俺は評価してるんですよ」
やんま「そうそう、だからエボルトが味方になるって展開……」
SONGEN「そこは本当にただキャラクター動かしたかっただけ、エボルト万丈のコンビをつくりたかっただけだと思う」
やんま「エボルトはだから、さっきの解釈(笑) でいくとそこは結構納得行くっていうか。ずっと人間に対して、お前らこっちの破滅の道に来るんだろ? 行くんだろ? っていうのを試してる訳だから。(そのバッドエンドに)いかないんであれば、それはそれでじゃあ協力していいよみたいなスタンスなんですよ、多分あいつは。いかないことを願ってる……願ってもないんだけど別に」
SONGEN「うーん、じゃあやっぱ小説で帰ってくるべきなんですかね、エボルトは。帰ってきて、で倒すだけじゃないってことですよね、だから。エボルトと決着つけろよって声が多いけど、やっぱり」
やんま「そう、いやうーん。それはどうなんだろうな?」
SONGEN「エボルトの出自を明らかにした上で、人間の業というものは何かを描いて、これから私たちはどうするべきなのかを提示して、それでやっと初めて完結するってことですよね。『ビルド』は」
やんま「倒す……倒す可能性はあると思うけど、全然。人間の"有り得なかった未来"として倒すんですよ、『電王』のカイみたいな。破滅に行く未来はないよってことで、その未来の象徴としてエボルトを消して、だからエボルトが生まれない世界を創るっていう。っていう意味で倒すっていうのはあり得ると思うけど」
SONGEN「あー、子殺し的なことですよね、だから逆に。それは綺麗かもな、確かに」
やんま「まぁ共存エンドも全然あると思うけど。いや(エボルトという"人格"との)共存エンドは……微妙だな、分かんないけど」
のーと「僕は共存エンドの方がいいとは思う。あぁいうエボルトみたいなやつっていうのは、いて欲しくないけど、いるんですよね。まぁあそこまで規模の大きいことするやつってのはなかなかないないけど、現実の世界に。でも大なり小なりそういうことするやつっていうのはいて。それを脇に除けてっちゃうのも、選択肢としてはアリなんだけど、でも大体の場合そううまくはいかないし。なんとか同じところでやってかなきゃいけないから……っていうのをフィクションの中のお話だけど、できたら希望のある終わり方なのかなって思う。戦争を取り扱ったからにはっていうのもあるけど」
やんま「あー、そうですね。そっか"戦争"ってことを考えると、相手を滅ぼして終わりじゃ駄目かな」
のーと「そううまくはいかないけど、でもこいつヤだなって思ってても、とりあえず一緒にいてっても良いかなぐらいにはオチてくれると嬉しいかなとは思います。あ、だからそれも含めて『Vシネ クローズ』ちょっと好きかもしれない」
SONGEN「生き返ったことがね」
のーと「お前が生き返っていいのかって気持ちはあるけど、まぁいるからにはしょうがないからいさしてやるか、ぐらい」
SONGEN「これどんだけ知られてるか分かんないけど生き返らせたのは大森さんであって、武藤さんはえぇ? みたいな感じだったんですよね。俺は商業的にエボルトを生き返らせたんだと思ってますけど、もしすごいちゃんと考えて映画も読み込んでメッセージを受け取ってる、で自分でも発信していきたいとと思ってる人であれば、エボルトを生かした上でちゃんと落としどころを考え直そうって気だったなら……同盟執筆ですもんね、大森武藤。やってくれるんだったら俺はもう、そのときは手のひらをジクウドライバーのように返します(笑)」
やんま「あーだからそう、僕『ビルド』の感想記事でも言ったけど、あの世界で一番悪いのってエボルトじゃなくて難波なんですよ。あいつはパンドラボックスの光とかなしで難波チルドレンとかいうやばいことやってるやつだから(※スカイウォールは10年前だが27歳の紗羽が子供の頃からやってるはずなので、確実ではないがそうかも? ぐらい)」
のーと「普通にやばい」
やんま「あいつみたいなのがいるから、未来でエボルトが生まれてっていう話だとするなら、一番やばいのは難波で、あいつをなんとかしなくちゃいけないんですよ。……で、それをやったのが『ゼロワン』だから。難波を天津にすげ替えて」
のーと「あー、そう読めばそういうことにはなるのか」
やんま「だからエボルトは人工知能アークですよね、まんま」
のーと「これ、監修とかじゃなくって本当に「武藤将吾 大森敬仁」なんだな」
SONGEN「『ドライブ』も書いてるんでしたっけ、大森P」
やんま「『ドライブ』はそう、一人で……長谷川さんが監修でしたっけ」
のーと「そうですそうです。だからプロデューサーと脚本家でどっちか監修とかじゃなくって、2人が同じ大きさでっていうのは、すごいなこれは」
やんま「小説でってなかなかないですよね、共同脚本は結構あるとけど」
SONGEN「相性悪いと思うんだけど(笑)」
やんま「そこは『ビルド』だからなんじゃないですか?(笑)」
SONGEN「エモい(笑) そう、『ビルド』のバディ感って、それもなんかうまくいってない」

(参考:

86ma.hatenablog.com)


バイスの今後

 

次回 第9話「数字/名前」