やんまの目安箱

やんまの目安箱

ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーエグゼイド 第3話「BANしたあいつがやってくる!」 肯定的感想

アレルギーとマッチポンプ

・子供って割と喘息になること多いよね。うちの弟も小さい頃はそれで何回か入院繰り返したりしてたけど。
"呼吸"って最近は『鬼滅の刃』の影響でよく取り沙汰されるイメージだけど仮面ライダー的にも結構重要なファクターで、そもそも1号は風をベルトから取り込んでそのエネルギーで変身するって設定はめっちゃ呼吸だよねって話を『アギト』の感想でもした。あの作品は『DEEP BREATH』という挿入歌があることからも分かるように実は呼吸という概念が作品の基本設定においてかなり重要な位置を占めている。
(参考:仮面ライダーアギト 11,12話「繋がる過去/湖の激突!」 感想)

まぁその話はもうしたのでよくて、喘息の原因について調べてみたら実はあれってアレルギーによって引き起こされていることが多いらしい。全然知らなかった。
アレルギーってのもなかなか面白い概念で、要するに「悪に対する過剰反応」と言い換えることができる。実際に指摘されているところだと『クウガ』のジャラジに対して怒りをあらわにしてタコ殴りにするシーンとかがそうで「確かに悪いことするやつが悪いのは大前提だけど、そこまでする必要って本当にある?」という問題。大して悪いこともしてない怪人が爆殺されたりするのはもちろんのこと、逆にどんなに悪いことしてようが殺すのはよくないって意見もある。まぁこれは人間や、それと同等の権利があると認められた存在が相手の場合にしか成り立たない議論だけど。
それともうひとつ「自分で自分を苦しめるマッチポンプ」的な側面もある。怪我の痛みなんかは身体の異常に気付いて対処できるように脳がわざわざ出してる信号だってのは有名な話だけど、花粉なんかは本来なんの毒性もないはずなのに、それを体外に出そう出そうとしてくしゃみとか涙とかが出るんだろう、多分。

前者は"ゲーム病"などと言ってやたらと危険視して子供にやらせまいとする親とか、後者はたかだかゲームの中の話なのに思い通りにいかなくて逆にイライラしたりすることとか、そういうものと繋げて考えられる。
ゲームってストレス発散のためにやるもののはずなのに、それでストレス溜め込んでたら本末転倒よね。僕はいわゆるエンジョイ勢であることが多くて、例えば音ゲーなんかでもフルコンボを目指そうとするとイライラするのは目に見えてるから最初っからそれは目指さずに、結果が云々じゃなくてプレイしてる過程を楽しめれば達成率が何%でもいいかなって思う方。難しいとかじゃなくて、ただコツコツやれば実現可能なもの……全曲一通りプレイするとか、ポケモン図鑑を埋めるとか、そういう目標は立てるけどね。

 

価値観が違うと得をする

・大我が株で儲けてるのは、単純にウイルス用語の"変異株"ってのとかけてるんだろうね。最近はコロナのおかげでだいぶ身近な表現になってて、デルタ株とかオミクロン株とかがよく聞く。なんとなく、本当になんとなく頭良さそうに見えるし。

加えて『エグゼイド』のテーマと関係あるかは微妙だけど株取引ってのもまた面白いのよね。普通人が得をしたいときに一番簡単な方法って他人から幸福度を奪うことで、プリンが食べたいから持ってるやつから取り上げるとか、楽をしたいから掃除を誰かにやらせるとか、何も考えずただ欲に従ってたら基本的には他人を不幸にすることで自分だけが幸せになってしまうのが普通だと思うんだけど、自分も相手も得をしたいときに一番重宝されるのって"価値観の違い"なんだよね。
これは給食のイメージだけどプリンが嫌いな人だったら喜んで譲ってくれるだろうし、掃除が苦にならない,むしろ楽しいって人ならさほど嫌がらずに引き受けてくれるだろう。もし全人類が総じてプリン好きだったとしたらそれはもうとんでもない奪い合いになるかもしれないけど、好きじゃない人もいることで双方が利益を得られる可能性が生まれる。
今の例は一方的にプリンをあげる話だったけど、これは「プリン好きじゃないなら、あんたが好きなこのリンゴをあげるからくれよ。俺はリンゴ好きじゃないんだ」みたいなケースでも結局同じことが言える。リンゴがお金に置き換わっても同じことで、お金が好きじゃないって人はいないかもしれないけど、プリンと比べたら今持ってる100円は要らない,払ってもいいなって思うから"買う"という行為は成立する訳で。

"等価交換の法則"ってよく言うけど、本当にその人にとって同じだけの価値しかないんだったら、そもそも別に交換する必要がない。お金は食べられないけど、プリンは食べられる……その時点でそのものが持ってる価値は全く違うし、だからこそ交換した結果「嬉しい」と思えるのだ。
株取引やFXみたいな、100円で買ったものをなんの付加価値も付けていないのに110円で売るような営みはまさに「ものの価値とは人や状況によって変わるものであって、一律に等価である/ないなどと決められるものではない」という根本法則があるからこそ成り立つものな訳で、そこが面白いなって思う。


・今回1〜4話の中で最もユニオン戦があっさりしてるのは、大我/スナイプが仮にも唯一実戦を経験してるから手際がいいってのはあるのかな。
レベル1って要するに「1話につき2回戦闘シーンを入れる」という都合で一度は怪人を取り逃さなきゃいけなくて、それでもまだ何かしらのカタルシスをつくろうってことで"バグスターを分離"っていう手順が生まれたんだろうけど、所詮は前哨戦でしかないので必殺技とか使わないのよね基本。
そんな中でスナイプにだけはレベル1専用の自らが弾丸になって突っ込むっていうちょっとした技が用意されてて面白いよね。一応、自分はどうなってもいいっていう大我のキャラとも合ってるし。

・バグスターが悪さしてるのがどうして患者に伝わるのか、結局きちんと説明はされなかった気がする。前回なんかは特に、アランブラが協会で婚約者をさらった瞬間CRにいた患者がストレスを感じていた。体を共有してるから、永夢とパラドのシンクロみたいにバグスター目線での映像が見えたりしてるんだろうか? もしそうだとしたら、バグスターを倒そうとしてるスナイプに対して勇樹くんがかなり怖がってたのは納得がいくかもしれない。
4人の中では永夢に次いでゲームのこと分かってそうなキャラなのに、バンバンシューティングの設定を無視して雑魚ばかり倒してるのはどうしてなのか不思議に思ったんだけど、仮にそのことを大我が知識として知っていたなら、リボル本人は攻撃すると勇樹が消滅しかねないから攻撃できないけど、雑魚は1匹でも逃したら他のところで感染者を増やす可能性があるから退治しなきゃいけないという葛藤をしながら、更にそれを隠した上でヘラヘラとゲーム狂みたいな演技を続けてるんだろうか。流石にそこまでは考えにくいけど。

 

永夢とMの境界線

・エグゼイドの概要について知ってれば知ってるほど案外気付かないけど、普段の永夢とは違うゲームやってるときの人格が天才ゲーマー"M"ってことになってるのって、劇中ではなかなか触れられてないのよね。1,2話では完全にスルーされていて、今回初めて「ゲームするときは性格変わるタチか」と言及されている。
そもそもセリフの上ではどちらも"エム"なので区別が付かないこともあり、本編だけを追っていたら実はなかなか把握するのが難しい設定なのかなと思った。
というのは「分かりにくいから悪い」って話ではなくて、こうやって文面でMという別の名前表記をすることに慣れていると、自然と永夢とMは"別の人格"だという感覚が強くなってしまうので、放送当時の僕なんかは「なんで永夢はオペをMとかいうゲーム狂に丸投げしてて平気なの? 多重人格って記憶なくなるんじゃないの? っていうか精神科行って治せよ」とずっと思っていたんだけど、そもそもその認識が間違っていたのかもしれない。
Mは永夢の一部であって、解離した別人格というつもりでは描いてないと。そもそも多重人格という設定は『電王』のときにNGが出ているのに何故本作ではできているのかという疑問についても同様に、そもそも多重人格じゃないのでOKということなんだろう。
もともとひとりの中に2人いたんじゃなくて、ただ「ゲームすると口が悪くなる人」として認識されていたから、2人に分裂したくらいでみんなびっくりしてたのかな。永夢とMは区別が難しいんじゃなくて、区別する必要が別にない曖昧なものだと。


・"ゼロデイ"という単語が出てきたのは今回が初。なんでも元々はIT用語で、プログラムの脆弱性が見つかってから対処がなされるまでの期間のことを言うらしい。ゲーム病に対応させて言うなら、バグスターウイルスが発見されてからその対処法であるライダーシステムが確立するまでの間ということになる。
なるものの、どうやら1,2日くらい経てば対抗手段も立てられるけど、0日目……つまり脆弱性の発見当日やそれ以前にそこを攻撃されたらどうしようもないよねってニュアンスでゼロデイという表現になってるらしいので、発端である2000年問題から11年も経って起こった事件の名前としては微妙にしっくりこない気もする。

・設定としては放射線科医の大我が独自にバグスターウイルスを発見したってことになってるけど、そんなことってあるのかね。前にも日向がバグスターの存在に気付いてたか否かって話をしたけど、自覚症状もないのに全く別の病気についての検査からウイルスの感染って分かるものなのか。少なくともネットで軽く調べたくらいでは、放射線を使ってウイルス感染を判断する方法なんてものは出てこなかったので、よく分からない。
あーでも単純に考えるなら、これはコロナとかのウイルスとは同列に語れないバグスターウイルスに特有の現象なのかもしれない。『スナイプ エピソードZERO』では元々癌の放射線治療をしていた患者を診察していて発見したということだったので、初期症状として腫瘍のようなものが確認できて、それがどんどん大きくなってバグスターを形成する細胞になるのだとすれば、分かるかも。ウイルス性の癌ってあるしね。

大我の闇診療所

・なんと、ポッピーは大我の診療所を把握してたらしい。次回もさらっと「誰の紹介だ?」と言っていたので、つまり大我という闇医者を患者に紹介している仲介人の医者(?)がいるということになる訳で、仮面ライダーとして再度戦い始めるよりも前から、ひょっとすると聖都大学附属病院や灰馬は大我の医療行為を黙認していたのかもしれない。道理で全く逮捕される様子がない、どころか日頃から堂々と白衣なんて着てる訳だ。
それはいいとして、近くに保険も効くから安く受けられる結構ちゃんとした病院があるにも関わらず闇医者を頼るメリットがあるんだろうか? 考えられるのはそもそも犯罪者だったり、不法滞在してる外国人だったりして正規の医療を受けられないみたいな場合だけど、22,23話で黎斗を殺すか殺さないかって議論で彼は殺すべき派だった訳なので、犯罪者に対して医療を施すタチかどうかは微妙なところ。
或いは単純に放射線治療のエキスパートだった経歴があるので、例え無免許でお金がかかろうとも花家先生に治療して欲しいという人がいるのか。こっちのパターンなら灰馬たちが黙認してることにも一定の説得力はある。だって実際に世界初の手術をこなすだけの確かな腕があるらしいんだから仕方ない(エピソードZEROより)。
元はと言えばそういう大我でないと治療が難しい患者に頼み込まれて、仕方なく闇医者業を始めたのかもしれない。彼自身が自暴自棄になっていたのもあるだろうけど、それでも自分を必要としてくれる人がいたら治したくなる気持ちも分かるし、一回違法に医療行為をしたからには免許を再取得することも難しいだろうから、それでもう引き返せなくなってしまったのかな。

 

永夢と飛彩の交錯

・「早く終わらせるしかない」という永夢の判断は、ある意味では前回の飛彩と同じよね。アランブラが人質を取っていたからエグゼイドはレベルアップを躊躇っていたけど、人質が攻撃される前に素早く攻撃することで解決していた。
これを「前回飛彩を否定していたのに同じことするなんて矛盾してる」と捉えるか、それとも「意見は否定しつつも結果的には患者を救ってみせた腕は認めていて、参考にした」と捉えるかは受け取り手次第……。

・医者が自分の命をかけて患者の治療に望むことって、普段はなかなかないよね、多分。もちろん災害時とか今みたいな感染症が流行ってる場合は、それなりのリスクと戦いながら仕事をする必要にかられると思うけど、基本的に危険なのは患者であって医者がかけるのは社会的地位とかそのくらいな気がする。
そういう意味で自分が死ぬくらいなら患者を見捨てる飛彩の判断は、多少仕方ない部分もあるのかもしれない。もちろん、自分が生きていることでもっと多くの命を救えるという自負があってのことだろうけど……主に天才外科医的な意味で。

・結局アイテムゲットで逆転してたから「さっきまでのピンチは何だったの?」と思っていたけど、これは僕の読み違い。勇樹を説得してストレスを抑えてから逆転するって流れでないとまたストレスで敵が強くなるだけなので、命がけで戦う姿勢を見せたのは意味があった。

・それはそれとして残りゲージ1には割と余裕があるらしい。あくまで危険を知らせるだけというか、本当に死んでしまったら困るので「もう危ないですよ」というサインを早めに出しているのだと思われる。天才ゲーマーとしてはそういう事情を知ってか知らずか利用して、飛び込んでいったんだろう。

・大我が隠れてた本物のリボルを倒したのは、さっき言ったように同じガンナーとして自分なら影に隠れていたいという心情が分かるからこそ見抜けたって感じなのかな。

・Mとしてテンションの上がってるときに安請け合いした約束を律儀に守る永夢は、誠実なんだかそうじゃないんだか。
飛彩はリスクの高いオペをしたからだと責めていたけど、裏を返せばリスクの高い状況でさえなければ永夢が勝てたと思ってる……のか?
自分が手も足も出なかった状況を解決してくれたのにお礼を言うどころか皮肉を言うのも前回の永夢と裏返しになっている。もしこれが意識的なものなら、前回の永夢と同様に飛彩も「結果的に患者を救った功績は認めてるけど、そんな素直にはなれないので口では責め立てている」のかもしれない。
まぁそもそも飛彩も大我を負かすことでガシャット奪おうとしてた訳なので、賭けのことは知らなくても「負けたから取られた」ことはすんなり受け入れられるのかもしれない。


まとめ

画が派手で見ていて楽しい。でもその分ゲームっぽさは犠牲になっていて、そういうステージっていう設定なのは分かるけど、パッと見でゲームっぽいなとはなかなか思えない。ドットを始めとするゲームらしさってあくまで技術の限界が味として定着したものだから、表現が難しいよな。
諦めて変身解除することで医療手段を守った飛彩と、無茶を覚悟で患者を守った永夢、変身したまま隠れていて漁夫の利でトドメを刺した大我……一応三者三様の対応が見られて面白かった。

 

エグゼイド感想一覧

裏面

仮面ライダーエグゼイド 3話「BANしたアイツがやってくる!」 否定的感想

 

前回

仮面ライダーエグゼイド 第2話「天才二人はno thank you?」 肯定的感想

次回

仮面ライダーエグゼイド 第4話「オペレーションの名はDash!」 肯定的感想

特撮雑談クラブ 第10回「武器」

03/19 次回「仮面」21:00〜23:30
同時視聴作品は以下の通りです。
18:00~『美少女仮面ポワトリン』第1話「神様の贈り物」
18:30~『龍騎』第15話「鉄仮面伝説」
19:00~『仮面戦隊ゴライダー』MAZE1,2,3

特撮雑談クラブ 第9話「数字/名前」

 

第10回「武器」
スピーカー:やんま, R眷属, のーと, SONGEN

銃,剣を兼ねた武器

やんま「今回は大雑把に武器の話をするんですけど、どういう話をしよっかなぁ……? 今朝僕が考えてたのは、銃剣(銃にも剣にもなる武器)は結構あるけど、純粋な銃とか剣だったりっていう武器を使うキャラクターって、最近じゃあんまり見かけなくなったなと思って。
(初期装備として)銃剣を主人公で最初に使い始めたのが、多分カブト……まぁあれは剣じゃなくて斧だけど。銃と近接武器の両方使えるっていうのはカブトから……なんだけど、一応前作の響鬼さんが音撃棒を使って火の玉飛ばしたりとか、烈火剣にもなったりって言うことをやってるから、一応それが走りっちゃ走りなんだけど」

やんま「さっき変形しない武器は少ないよねって話をしたんですけど、でも『ビルド』は結構出してたんですよね。ホークガトリンガー,4コマ忍法刀,ビートクローザー……。大森さんの作品って思い返してみると結構、複数の武器を兼ねないような単体で使う武器が(他の比較して)多いなと思って。『ドライブ』のハンドル剣とかドア銃も変形しないし、トレーラー砲も。エグゼイドはハンマーから剣になりますけどどっちも近接武器だから、あんまり銃と剣を兼ねようっていうのが大森さん的には少ないのかなと思って。
まぁ、あるにはあるんですけどね。フルボトルバスターとか、ガシャコンキースラッシャーとパラブレイガンもそうだし。なるべく序盤は単体のプレイバリューで売ろうっていうあれがあるのかなと思って。
『エグゼイド』の2,3号ライダー(ブレイブ,スナイプ)なんか、剣から剣に変形するガシャコンソードと、銃から銃に変形するガシャコンマグナムっていう、それまでの"変形"観念からするとよく分かんないものを使ってて(笑)」
 「銃と剣兼ねるやつか……スーパー戦隊はそういうの多い気がしますね。最近だと『ゼンカイジャー』もゾックスが、クールに侍シンケンフォームとか言って」
やんま「そっか、そう考えるとゼンカイジャーは剣使ってることほぼないのか? まぁジュランがジュランソード使ってたくらいで」
 「ガオーンが爪みたいので……五色田介人には結局、武器らしい武器って変身銃くらいしかなくて」
やんま「あとはゼンリョクゼンカイキャノンくらいですよね。『ゼンカイ』は(初期装備としての)武器玩具が全く出なかったのか、そういう意味ではすごい変わった戦隊ですよね。一応食玩ではジュランソードとか出てたけど」
 「香村さんの作品だと『ルパパト』もあんま武器印象に残ってませんね。あんまり玩具売れてないみたいなこと、よく聞くんですけど。マジックハンドみたいなの(ルパンソード)も印象なかったから、香村さん的にはもう敢えて銃だけでよくねみたいな? ……風に思ったりもするんですけどね。そこら辺の真相はちょっと分かんないですけど」
やんま「そうですね、あんまり印象にないかな……ルパンマグナムが初登場の回は印象的だったかなってぐらいで。『ジュウオウジャー』も……あれも銃と剣になるやつ(ジュウオウバスター)だったかな」
 「スーパー戦隊は結構銃が多めなのかな? 考えてみたら、剣で変身する戦隊って『ニンニンジャー』しかないのかなっていう。意外だったんですよね」
やんま「あっ、そうですね。変身アイテムは銃が多い気がしますね。」
 「ライダーは基本ベルトだと思うんですけど、戦隊ってそういうの自由にできるはずなのに、剣っね全然ないんだなみたいな。『リュウソウジャー』なんか、いかにも剣で変身しますよみたいなツラしてブレスだったじゃないですか。カナロは銃だったかな」
やんま「確かに、剣で変身はガイソーグだけ……。
ライダーは剣で変身するやつ結構いますけどね」
 「それこそ『セイバー』とか。ライダーじゃないけど『牙狼』とかモロ剣で変身しますからね。2号ライダー的な絶狼とかは二刀流だったりとか、槍とかもいますしね、『白夜の魔獣』ってやつには」
やんま「剣で変身……ないなぁ確かに。『シンケンジャー』も携帯(ショドウフォン)ですもんね」
 「『トッキュウジャー』最近配信してたんで見返したんですけど、トッキュウ6号も武器が結構……彼、線路の整備員なんで棒みたいの(ユウドウブレイカー)を使ってたんですけど、あれも一見剣みたいに見えて必殺技はなんか大砲みたいな感じで、銃撃つ構えだったりして面白かったのは覚えてますね」
やんま「へぇー、なんかドリル的な使い方をしてたのは記憶にあるけど、銃っぽくも使ってたんだ。
『トッキュウジャー』はあれか、5人合体武器(レンケツバズーカ)が出た最後の戦隊なのか。割とあのライン好きなんですけど、あれから(ドンブラ時点まで)出てないんですよね」
 「その前は『ゴセイジャー』とかで。結構80年代というか、そもそも『ジャッカー』の時代から一応バズーカはあって、結構あったんですけど、やっぱ作りにくいのかな?」
やんま「あー、やっぱあんまり売れないのかな武器って」
 「やっぱり変身するやつと武器兼ね備えた方が、一石二鳥というか」
やんま「それはありますよね。仮面ライダーも最近は一緒になってるやつが多くなってきて。ショットライザーもそうだし、『セイバー』なんかまさにだし。直近だとツーサイドライバーもそうですね、銃と剣になって。
武器で変身するライダー自体は『カブト』からだと思うんですけど。サソードもそうだし、ドレイクは銃だし、ザビーも一応針みたいな武器になるんで。だからやっぱ、武器単体だと売れないんですかね」
 「めっちゃ雑な印象ですけど、平成2期とかってフォームごとに武器があるみたいなあれで、最初の武器があんまり使われないぞみたいな。その辺スーパー戦隊はそんなフォームチェンジとかする訳でもないから、結構最初の方に出た武器は使いやすい。『キュウレンジャー』なんかは色々カスタマイズして使ってた印象ありますね」
やんま「そっか、戦隊は1,2回くらいしかパワーアップしないから、同じのをずっと使えるのか。結局シシレッドオリオンも、最初のキューザウェポン使ってましたもんね。
『キラメイジャー』って武器……あ、なんか合体するやつ(キラメイバスター)使ってたか」
 「あと久しぶりの全体強化だったのかな(全員一律のパワーアップは『ゴーバス』以来8年振り?)」
やんま「あ、そういえば武器(キラフルゴーアロー)でパワーアップしてましたね。そういうパターンもあるか、マジレンジャーとかもロッドか(あれはロッドで強化されてる訳ではなくて、スーパーゴセイジャーと勘違いしている)」
 「『ゲキレンジャー』なんかはパワーアップ武器(スーパーゲキクロー)が最初に出て、それが使えねぇぞみたいな感じでしたけどね」
やんま「そっか。『ゲキレンジャー』意外と武器持ってるんですよね、ヌンチャクとか棒とか。拳法って言うから割と肉体派なのかなと思ってたら、意外と武器使ってて」
 「マスターなんとか一杯いますからね。修行して武器貰って、ロボットも合体するみたいな」
やんま「『ゲキレンジャー』見たいんだよな、面白そうだから(あと猫好きだから)」
 「多分配信しますよ、今『マジレン』がもうすぐ終わって『ボウケン』が始まるんで、順当に行けばその次だと思うんで」
やんま「じゃあちょっと楽しみにしてよう……『ボウケン』も見ようかな?」
 「『ボウケンジャー』僕初見なんで、楽しみに見ていこうかなと」
やんま「あーそうなんだ、1回見たことあるんだけどあんまし覚えてないんだよな……僕戦隊は、全話見たのがほとんどなくて。『タイム』『ガオ』『ボウケン』『シンケン』……あと『キュウレン』『ルパパト』『ゼンカイ』ぐらい」

武器の定義と境界線

やんま「平成ライダーは、初期の頃は割とフォーム1個ごとに武器1個って感じでやってたんですよね。クウガとアギトはそうで、龍騎からフォーム数が減ってだからライダー1人ごとに1個ずつって感じになって」
 「戦隊はその辺チームだからか、共通の武器が多いですもんね」
 R眷属さん参加
やんま「『デカレンジャー』みたいな、同じ武器なんだけどメンバーによって使う形が違うっていうのは、結構あったんですか?」
R眷属「『ゲキレンジャー』が一応それに当たりますね、ゲキトンファー,ロングバトンがあるんで。
あ、初めまして。これ「武器」っていう風にテーマ決まってますけど、やんまさんって『ストロンガー』とか『スーパー1』ってご覧になってます?」
やんま「ちゃんとは見てないです」
R眷属「なるほど。ストロンガーは腕が電気コイルになってて電気を流せるんですよね。あぁいうのって武器にカウントされるのかなっていうのが気になって。一応あれ素手っちゃ素手なんですけど、武力手段としては成り立つので。スーパー1に関してはエレキハンドとか冷熱ハンドとかで電気とか炎とかを出せるんですよ。それを武器としてカウントするかどうかで、この話の幅というか広がりがあるのかなって思ったり」
やんま「僕の勝手なイメージですけど、スーパー1のファイブハンドは結構"武器"っぽいイメージですよね。なんか付け替えっていうか交換可能性があるから、そこは武器(道具)っぽいかなと」
R眷属「実際敵に奪われるって話もありましたからね。バチンガルだったかな? 頭が悪すぎて負けちゃったけど(レーダーハンドが武器としても使えるとは知らず、勝手に奪わなくていいと油断した結果逆転される)」
やんま「ありましたね、そういう話も。だから自分の体の一部なんだけど付け替えたりとかできるって意味での武器もあれば、逆に武器なんだけど自分の体の一部のように操れるとかそういうこともあると思うから、その辺の境界は割と曖昧でいいのかなっていう感じで」
R眷属「変身するベルトと、それによって解放される力そのものが武力っていうか武器として考えたら、それもそもそも武器なんですよ。仮面ライダーの存在自体が。だからどの辺から武器として定義するんだろうなぁっていうことを思いつつ参加してみたんですけど、どうお考えでしょうか。お聞かせ願いたいところですね」
やんま「基本的にこの会は、テーマ決まってるけど厳密にそれに従わなくちゃいけないって訳じゃなくて、そっから連想したりとかして自由に雑談しようぜって会なので。別に極論武器関係ない話もしていいので、大丈夫です。何にもないよりは何か取っ掛かりがあった方がいいかなってことで置いてるだけなので。そんな感じです」
 「……『ドンブラザーズ』がYouTubeでゴーカイチェンジするぞみたいな動画(meets センパイジャー)があったんですけど、ドンブラは銃だけはそのままドンブラスターで、剣とかは元の戦隊のものを使ってて、あれはどういうことなんだろうなっていう」
R眷属「個人的にはディケイドでいうところのベルト的立ち位置なのかなっていうのは思うんですよね」
 「なるほど、バックルも変わんないし」
R眷属「そもそも銃がないとアバターチェンジできない訳で、だからあれを手放すことができないっていう」
やんま「バックルもないとギア取り出せないから、残ってるんでしょうね(※ゴーカイもキーはバックルから取り出すが消えている)」

R眷属「戦隊シリーズで剣系の武器が出てき始めたのって、まぁ一応『ジャッカー』のダイヤソードからか」
 「昔の戦隊見てて、レッドが明確に剣持ち始めたのどこなんだろうみたいな」
R眷属「多分『ダイナマン』か『ゴーグルファイブ』かな?」
やんま「へぇー、意外と遅いんだ」
R眷属「『ゴレンジャー』は鞭と槍ですからね」

R眷属「仮面ライダーで、メインの武器として剣を使い始めたのって、下手したらクウガからじゃないですかね。リボルケインって確か杖でしたよね」
やんま「どうなんだろう、リボルケインはレーザーブレードってことでいいんじゃないかな(笑) パッと見の印象だけど」
 「あれは必殺剣として使ってたイメージあったから……戦隊ロボットの最後、なんとか剣みたいな」
R眷属「そう考えたら戦隊って、ロボットで剣を使うっていうのは『バトルフィーバー』からやってましたね。『デンジマン』……あ、さっき剣を初めて使った戦隊の話しましたけど『サンバルカン』が一番最初ですわ。2代目バルイーグルがメインウェポンとして日本刀使ってたので。ただ専用の剣とかじゃなくて普通に日本刀だったから、戦隊のディティールに合わせた剣が出てき始めたのは『ダイナマン』が初って感じですね」
 「多分共通武器として持ち始めたのが『バイオマン』なのかな。その後の『チェンジマン』はチェンジソード使ってるし、『フラッシュマン』も。あそこから雰囲気変わりますもんね、戦隊自体が」
R眷属「剣を明確にメインウェポンとして使いはじめたのは、ライダーだったらクウガのタイタンフォームが初な気はしました」
やんま「基本フォームの時点から剣を装備するのは龍騎が初になるのかな?」
R眷属「ライダーは結構遅いですよね。そもそもライダーは備え付きの武器を使って戦うのが恒例化したのがだいぶ後になってからだから……」
やんま「Xの鉄棒みたいになるやつ……?」
R眷属「ライドルスティック使ってましたね」
 「あれは剣じゃないのか。石ノ森章太郎で見たら『変身忍者嵐』とか」
R眷属「『龍騎』『555』……剣自体に何かギミックが出てきたのはファイズエッジくらいで、ミッションメモリーでベルトと連動するから。ブレイドぐらいから剣そのものが力を引き出す本体になってますよね(※厳密はドラグバイザーツバイやダークバイザーはカード読み込めるし、もっと言うならフレイムセイバーやGS-03デストロイヤーも少し変形する)。
響鬼は最終形態になるためのキーアイテムになってて、カブトでは……いや、俺はハイパーフォームの虫取り棒を剣だとは認めたくないんだよな(笑) 剣っていうかロッドじゃないかなっていう」
やんま「そうですか? 割と実物見ると"剣"ですよ」
R眷属「まぁ一応剣っちゃ剣なんですけど、ファイズエッジとかも厳密に言うと剣として認めてない節があるんですよ、若干」
やんま「(パーフェクトゼクターと比べたら)ファイズのはまぁ、剣じゃないですね」
 「トッキュウ6号が使ってるやつ(ユウドウブレイカー)は剣カウントですか? どこか違いなのかな、形状?」
R眷属「あれも僕カウントしてないですね。どうなんだろう」
やんま「やっぱ、薄いか太いかじゃないですか? 聞いてる感じ」
R眷属「うーん、まぁそう……刃があるかないかですね」
やんま「パーフェクトゼクターはすぐ合体しがちだから、あれ自体で斬撃することってそんなにないですもんね(本体は明確は刃があるものの、ゼクターが色々くっついた後は確かに"棒"のニュアンスがある、必殺エフェクトもカブトムシのツノ)」
R眷属「必殺技で剣っぽくなってることはあるんですよ。マキシマムハイパータイフーンとか、サソードの必殺(ハイパースラッシュ)のときも剣っぽくなるけど、あれ自体は殴ってる……鈍器だなっていう印象が強くて」
やんま「でも本当に、見ると剣ですよ。虫取り棒って言われてるから棒って感じがするだけで」
R眷属「分かりますよ、分かるんだけど……しかもあれ剣の音(SE)鳴ってるんだよな」
やんま「羽が広がるとね、西洋の剣っぽく十字になったりするし」

やんま「『電王』は結構武器って意味ではブレイクスルーですよね。あんなに変形(兼用)を推したのって、あれが初じゃないかな」
R眷属「『電王』は共通武器でありながら専用武器っていう独特の強み(戦隊的かも?)が……あるにも関わらず、それ以外にもいっぱい武器があるっていう。デネビックバスターとかデンカメンソードとか。
デンカメンソードって面白いところがあってですね、あれってライナーフォームになるために重要なキーアイテムでもある訳じゃないですか。でも映画『さらば電王』では別に、デンカメンソードがなくてもライナーフォームに変身できてるっていう(笑)
ケータロスをベルトにはめてパス通したらそのままね、クライマックスじゃなくてライナーフォームになったっていうのがあったから、あれ? 実は本体はケータロスの方なんかなっていう。実は変身プロセスが謎に包まれてるっていう(笑)」
やんま「白倉さんはね、割とそういうことやりがちなイメージだけど。敢えて設定と違う……ように見えることをするっていう。多分向こうの中では、裏設定とか確かめたらある程度の筋は通ってるんだろうけど、こっちにはあんまり伝わってこない。
……今回スペースの最初では銃剣の話をしてたんですけど、ずっと。ライダーでそれを最初にやったのっていうと、龍騎サバイブのドラグバイザーツバイが微妙なとこかなって感じで。あれは一応シュートベントで遠距離攻撃できるけど、あれ自体から光弾が出てる訳じゃなくてドラグランザーが撃ってるからちょっと微妙かなって感じで。
『555』はファイズブラスターが銃にもなって剣にもなるか。『剣』のギャレンも使ってて……で『響鬼』が音撃棒なんだけど、あれで烈火弾……火の玉を撃ったり剣にもなったり、そういう意味では超広義には銃剣かなみたいな話を(笑) 遠距離攻撃もできるし近距離攻撃もできるよって意味で」
R眷属「確かに音撃棒ってあれひとつで色々できるけど、形状が変わるわけじゃないから、どちらかと言うと魔法の杖的な立ち位置に近いのかな。『アバレンジャー』のダイノスラスターみたいな」
やんま「あー、ちょっと分かるかも。
「デンカメンソード≒サタンサーベルですよね(※のーとさんのツイート)」……サタンサーベルってなんだっけ、『BLACK』のやつ?」
 「シャドームーンが持ってたやつか」
R眷属「……確かに銃剣って平成1期の途中からどんどん出てきてってイメージありますね。イクサカリバーとか、カイザブレイガンも一応銃剣ですし、鎧武の無双セイバーもそうですよね」
 のーとさん参加
やんま「あ、のーとさんこんばんは〜。ちょっと、解説を……(笑)」
のーと「デンカメンソードがサタンサーベルっていうのは全然説明が足りなかったんですけど、電王って王様じゃないですか。王様の証のすごい剣……っていう」
やんま「あー! なるほど、聖剣……」
のーと「ブレイドとかもそうだろうし、『セイバー』なんかは直接『BLACK』をオマージュしてるんじゃないかなって思ったりもしますよね。しません?」
 「『BLACK』か……逆に『牙狼』かなって思った。剣士で管轄があってみたいな」
のーと「管轄があって、たくさん変身するヒーローがいて……全然考えたことなかったけど、言われてみればそうですね」

銃で変身/剣で変身

やんま「そっか。戦隊は銃で変身するのはいっぱいいるけど剣はいないよねって話をさっきしてたんですけど、『牙狼』は剣で変身ですね」
R眷属「剣が変身するやつはいますね、『ボウケンジャー』のズバーン」
やんま「あー、いましたね」
 「剣で変身するやつはもっと増えていいと思う」
やんま「変身エフェクトって、どうなるんだろう。銃は割と撃った弾が回り回って、それが自分にあたって変身することが多いじゃないですか、エフェクトとして。でも剣ってそれがしにくい……牙狼なんかは空間を切り裂いてそこから鎧が現れるってすごいうまくやってたけど、セイバーは前に放った斬撃がそのまま自分に返ってくるっていう結構不思議な絵面になってましたよね(※唯一剣斬だけは飛んでった手裏剣がブーメランのように戻ってくるようなイメージになっててうまかったけど)。ニンニンジャーに至ってはアイテムこそ剣だけど、変身エフェクトには関係ない」
R眷属「剣で変身するときの表現としてどういうのがあるかって話だと、『ダイの大冒険』ってご存知です? それのヒュンケルってやつが装甲を纏うんですけど、"アムド"って言ったら剣に仕込まれてるものが鎧に変形して自分の体に纏われるんですけど」
やんま「(調べながら)あーなるほど、これか」
R眷属「あとは典型的っていうか、よくあるRPGとかだと剣を天に掲げて雷がドーンって下りてきてそれで変身するとか……轟鬼とか斬鬼方式ですね。避雷針として利用する感じの」
やんま「そっか、それはイメージしやすいかも。あっ、さっき『リュウケンドー』の1話見たんですけど、あれも雷ではないけど龍が落ちてきて変形するのか」
R眷属「そうですね。剣で変身するってなると、あとは切腹くらいしかないと思うんですけど(笑) 腹に刺して、それが取り込まれていって、体と剣が一体化して皮膚が硬質化するっていう……どっちかって言ったら怪人的表現なんですけど。そういうのが候補としてはあると思います」
 「結構銃と比べると難しそうではありますね、表現方法が」
R眷属「銃とは別に弾丸っていうものがあるから表現の幅が広いけど、剣はどうしてもそれ一本だから……剣そのものよりも鞘とか、あとは鍔とか柄とかにギミックを仕組んでた方が扱いやすい気はしますね。例えば柄頭に宝玉みたいなのが埋め込まれていてそこの力を解き放つとか、そういう方向に……剣そのものである意義っていうのが薄れていくかなって気はしなくもないです」
やんま「あー、なんか『BLEACH』っぽい感じか。刀と鞘をくっつけることで槍になるとか、天鎖斬月になると死魄装が変わるみたいな」
R眷属「ですね、めっちゃ分かりやすいその例え(笑)
でも確かに銃で変身するって結構たくさんありますもんね、戦隊でも」
 「前に撃つか上に撃つかっていう選択肢も出てきますしね」

色々な武器

やんま「ウルトラマンはそもそもあんまり武器を使わない……そういえば、ウルトラマンマックスは剣(マックスギャラクシー)で強化変身……いやあれは別にパワーアップではないのか。ただ新しい武器ってだけか」
R眷属「俺はあんまり知らないけど、ルーブだったかオーブが剣使うじゃないですか」
やんま「オーブはオリジンが使いますね。「ビクトリーは銃が変身アイテム」……そっか。あれですよね、ソフビ読むやつ」
R眷属「……あれ(オーブカリバーは)剣そのものっていうよりも鍔の辺りにギミックがあるって感じじゃなかったですか? だから、多分そういうことなんですよ。剣にギミックをつけようって考えたときに、刃の部分じゃなくてそっちの方になるのかなって」
やんま「一応ドリルクラッシャーは、ブレード部分にギミックがあるって扱いになるのかな。刃先がぐるぐる回るっていう変わったギミックで」
R眷属「だから剣自体にギミック持たせようと思ったら、鞭になるような蛇腹剣……『BLEACH』で言うところの恋次が使う蛇尾丸みたいな感じになると思う」
やんま「イーグライザーが似たようなことやってたけど、あれは別に玩具で再現できないもんな(※刃先が伸びるくらいならバリズンソードとかある)」
 「『ガオレンジャー』の破邪百獣剣とか、合体して剣になるみたいな」
やんま「あーはいはい、それは割とありますよね。剣そのものにギミックがある訳じゃないけど合体ギミックの結果剣になるっていうのは」
 「あれはレッドじゃなくてイエローが剣ってとこは驚きだったんですけど。
ゴセイナイトとかも、銃状態がデフォルトだもんね」
R眷属「ゴセイナイトって多分、剣の状態で必殺技放ってないよね? バルカンヘッダーで基本……」
やんま「戦隊は割と何かを撃って勝つイメージはあるかな。バズーカなり、ゴーカイジャーとかは斬撃を飛ばしてるし……あ、キュウレンジャーのシシレッドは剣しか使わないから、レグルスインパクトとか言って結構斬撃使ってたイメージ。リュウソウジャーとかシンケンジャーとかも剣か(※見返したらシンケン以外は飛ぶ斬撃だった)」
R眷属「ハリケンジャーも言われてみれば、専用武器で倒してたな。一応ハヤテ丸で必殺技ってのはあったけど」
やんま「乱モードとか」
R眷属「近接武器で倒すのが多かったのはゴウライジャーだったかな」
やんま「あれも不思議な武器ですよね。十字になったり棒になったり丸になったり。あんな穴空いてるのにガードできるんだっていう。
ウルトラマンの武器は大まかにはブレスレット→ガントレット→大剣など……ですよね(のーと)」
のーと「昭和シリーズはウルトラブレスレットみたいな手首にはめる系のやつが主流で、その前にアイスラッガーもある訳ですけど。ブレスレット期間があって、平成3部作とコスモスは武器らしい武器はなくて、ネクサス,マックス,メビウスで手にくっつくやつっていうのがあって、ニュージェネからは手持ちのでかい武器って言うのが出始めたって感じですよね」
やんま「なるほど。僕ウルトラマンは『オーブ』『ジード』『Z』くらいしか全話見てないけど」
R眷属「俺は『ギンガ』しか見てないです。甘酸っぱい青春を満喫する感じが好きでしたね」
やんま「……『ボウケンジャー』は変わった武器が出てたなそういえば。デュアルクラッシャーは武器で強化されるのでも強化されて武器が出るのでもなく、武器の衝撃に耐えるためにアクセルテクターになるっていう」
R眷属「ボウケンシルバーの武器がちょっと変わってましたね、金属探知機になって。『ボウケンジャー』って武器が探索用ツールの側面があるんですよね。イエローなんかショベルですし、ドリルもあるし。だから特殊ではありましたね。まぁ2000年以降の戦隊って武器の形状特殊なんですけど、割と。ハリケンレッドはドライヤーだし、ブルーはメガホンだし」
やんま「家電を武器にするっていうのは『555』でやってたけど、1年前だからその走りみたいな。あれ好きなんですよね。ビデオカメラが銃になったり」
R眷属「携帯が銃になりますしね。バイクのグリップが剣になるし、双眼鏡がキックのスコープになるし。子供心にあれは心躍りましたわ、身近なものが武器として活かされるって発想は。あれを意識しながらレゴで色々つくって遊んでましたね」
やんま「僕はアバレマックスのスティライザーを段ボールとかを駆使してつくった思い出があります」
R眷属「あれの面白いところって、盾として使ってる部分がほとんどないんですよね。基本的に敵の攻撃を防ぐときは全部手で。手で防いで盾で殴るんですよ、あれは打撃武器です(笑) アバレブルーのトリケラバンカーもそうですし」
やんま「戦隊とか特撮の武器で、盾が鞘の機能を果たしてて剣が収納されるのってよくあるじゃないですか。プリズムビッカーもそうだしホウオウブレード,シールドもそうだし。あれなんか元ネタとかあるんですかね? 実際そういう形の武器があったのかな」
R眷属「詳しいことは知らないですけど、多分神話系でそういうのあるんじゃないですか?」
やんま「あー、実在してたんじゃなくてフィクションにね。なるほど」
R眷属「ギリシャの戦争とかでそういうのがあったのかな? モチーフが結構そこら辺なことが多いから」
やんま「盾と剣が一緒になってるやつってのを調べても、出てこないんですよなかなか。「聖剣と言えばエクスカリバー」みたいに代名詞となるようなものもなければ、実際に使われてそうなデザインの画像も出てこない。名前がもしあったら教えて欲しいなって」
R眷属「でも盾と剣にまつわる神話ってあんまし聞いたことないな」
やんま「盾持ってるやつはいた気がするけど……(調べながら)アキレウスの盾とヘパイストスの盾か。丸いのは結構ありますよね、神話だと。昔の鏡みたいなイメージで神具なのかな? プリズムビッカーも丸いわそういえば」

巨大戦と等身大戦

のーと「ちょっと別の話なんですけど、スーパー戦隊の話が多かったのと、スペースタイトルにも"風変わりな武器"って出てるんで……『ルパパト』の警察ブーストの方で、ロボの着ぐるみと同じクレーンの腕パーツを装着してるやつ。あれは見え様としてはかなり面白いなって思ったんですけど、あれってどちらかというと手持ち武器の文脈ってよりかは、『ゼンカイ』のロボ戦と等身大戦で同じ着ぐるみ使ってるとか、あぁいう流れに繋がるやつなんですかね」
 「キョウリュウレッドカーニバルとかそんな感じですよね」
やんま「あー! はいはい、なるほど。あのクレーンは武器ってよりは、強竜装……ツヨソウルみたいなイメージですよね」
のーと「『ゼンカイ』でも『ドンブラ』でも、白倉さんが戦隊と巨大線の関わりってところで境界をわざと曖昧にしてる部分とかあるかもしれないですけど、それの走りみたいな感じにも見れるのかなって思ったくらい」
R眷属「すごい厳密なこと言うと『カクレンジャー』からやってるところはあったんですよ。レッドが無敵将軍の剣を使うっていうのが」
のーと「はいはいはい」
やんま「あ、そっか。でも『ルパパト』って等身大でもグッドストライカー使ってたわそういえば。じゃあ結構、ロボ戦力と等身大戦力の越境っていうのは意識的にやってたのかな」
R眷属「だから『ルパパト』とかでやってのって、昔やってたことをもうちょっと意識的に絵として収めようっていう感じではありますね」
のーと「もっと直接的にって感じで」
やんま「玩具的に言うと『ゴーオンジャー』が最初なのかな、ロボの玩具と等身大の玩具が連動するっていうのは。……でも炎神ソウルは変身用のソウルが別にあるのか」
 「『ゴセイジャー』とかそうですかね」
やんま「そっか、ヘッダーが武器に付いたりするか」
のーと「あとは『タイムレンジャー』も必殺技のときには手持ちの武器……レッドというかセンターにいるやつが、時空剣かプロディバイダーを動かす感じか」
やんま「そっか! ロボの中で持ってるのか、なるほど」
のーと「中でやるか外でやるかの違いって言ったらすごい雑ですけど(笑)」
やんま「はー、時空剣って手持ちの玩具も出てたんですね。ギミック面白いもんな、確かに」
R眷属「ズバーンって、一応巨大戦でも使いますよね。あれもその文脈だと思うんですけど」
やんま「あーそっか。等身大と巨大戦か……」
のーと「巨大戦のプロップも等身大のやつも、まぁ本当は同じデカさだから使えるなら使っちゃえっていうのはあるかもしれないですけど」
やんま「もったいないですよね」
のーと「あとはちょっと武器からは外れちゃいますけど、ジュランとかは等身大でいるの見慣れてるから、あのまんまでかくなるのとか見るとすごい違和感がある」
やんま「へー! 違和感あるんだ。僕あんまりなくて、なかったから逆にジュラガオーンが等身大で活躍する回とかあっても面白いのになとか思ってました。結構見れるもんだなと思ったから」
のーと「僕はなんかすごいドキドキしちゃって、あれ」
やんま「なるほど(笑) 僕ウルトラマンゼットが等身大になったときはそれに似たような感覚を覚えましたね」
のーと「あぁ、逆に。そうですね、ウルトラマンがちっちゃくなるのは今でも変な感じしますね」
やんま「こんなことあっていいの!? みたいな(笑)」
のーと「あれですよね、戦闘シーンの重たさっていうか……ゆったりめな感じなのかスピーディな感じなのかっていうところでも、見え様が変わってきますしね」
やんま「そうそう、ジュランとかは普通に動いてたものがゆっくりになるからそれはまぁ分かるんだけど、ゆっくり動いてたものが速く動くと、なんか違うなって思うんですよね。それはありえなくない? みたいな。
だからウルトラマンも、坂本さんが撮ってるビュンビュンアクションするやつとかも、なんかあんまり好きじゃないんですけど。まぁウルトラマンそんな見てないからあれだけど、これがウルトラマン,でかいやつなのかぁっていうのが、あんまりリアリティを感じれなくて、なかなか。でかいのが素早く動いてるって不思議な感覚ですよね」
のーと「そうなると更にズレちゃいますけど、エヴァンゲリオンってどう見えてます?」
やんま「あー! なんだろう、あれはアニメだから気にならないのかな……確かにすごい素早いですよね」
のーと「エヴァンゲリオンは言ったらアーマードウルトラマンですけど、あれはかなり機敏に動きますよね」
やんま「なるほど……そっか、でもウルトラマンって昔の方はそんなにゆっくりは動かないイメージかもしれない。意外と普通に、人が入ってんだなって感じのスピードっていうか」
のーと「そうですね、だから割と……これものすごい雑ですけど、僕たちの世代のウルトラマンぽさみたいなのって、『ティガ』以降みたいな感じになるんですかね? 『ティガ』以降でちゃんとそういうのを固めていって、新しくつくった部分もあると思います」

やんま「なるほど……。ウルトラマンはあれですよね、手から光線出るから武器要らないっていうのはあるんだろうけど」
のーと「あー、それはありますよね。それで言ったら仮面ライダーもライダーキックできるしってことで昔……まぁXとかはちゃんと専用の武器あったりするけど、割とV3以前はその場に合わせてみたいな感じで、その時々にあったものを使ってって感じですよね。……っていうところを『クウガ』ではそこもおもちゃにしちゃうみたいな(笑) で『アギト』はもう完全に開き直って、別にそういうの要らないからってことでベルトから出しちゃいますけど。『アギト』『龍騎』ってどんどん武器の出し方が簡単になってるんですかね?」
やんま「あー、なるほど。『アギト』の3人はまた、結構タイプ分けされてますよね。アギトは自分の体から出た武器で戦うけど、G3は外付けのっていうか、普通に持ってきた武器で戦って、ギルスは自分の肉体(手の甲から伸びるツメや触手)で割と戦うっていう」
のーと「仮面ライダーにも『アギト』以前にもう色々あったけど、あのライダーはこうみたいなところで雑多にというか、バリエーション豊かに取り入れてる感じなんですかね」
やんま「たった3人だけど見え様が全然違いますよね」
のーと「『アギト』は度々仮面ライダーの定義ってよく分かんないよねみたいな感じで言われますけど、『仮面ライダーアギト』って番組だけど、多分それぞれに違う主人公のライダーが3種類いるみたいな感じ……それでいくと『龍騎』以降とも違う感じがします。『ゼンカイジャー』とかもそうなんですかね? ギアってのは共通してるけど、ゴーカイジャーのそっくりさんもいるし、バトルフィーバーのそっくりさんもいるしみたいな感じで」
やんま「そっか、なかなかそういうのはいないのか。ひと作品2戦隊はあるけど、割とシステムやデザインは共通してることも多いもんな」

 

のーと「まだやってないけど、話したいなと思ってた武器とかあります?」
SONGEN「……いいですか? 喋っても。チェーンアレイですね」
やんま「あーフォーゼの。フォーゼに限らず?」
SONGEN「限らずだと、昔の戦隊のロボは結構チェーンアレイあったような気が。殺意の高い、モーニングスターみたいな。『フォーゼ』はそれをうまく出したなっていう……宇宙開発にチェーンアレイが必要だとは思わないけど」
やんま「キレンジャーもそんなような武器使ってましたよね? 違ったっけ(※トゲ鉄球パンチはダイナイエローでした)」
 「キレンジャーはYTCコントロールとか、先に付いた棒とか……チェーンアレイでは多分ない」
のーと「チェーンアレイ的なやつは『ハリケンジャー』のトータスハンマーとか。合体してけん玉になるやつ、3番目のカラクリボールの。割と敵が使うイメージはあるんですけど、そういう鎖トゲトゲ鉄球みたいなのは。ヒーロー側だとそんなに……なのかな、最近はそんなにないのかな」
 「80年代……『ジェットマン』くらいのスーパー戦隊は使ってる印象。あとは『ジャッカー』のクローバーキングがそれっぽかった」

やんま「さっきちょうど『フォーゼ』の話が出たんで僕が用意してたネタなんですけど、武器と変身アイテム兼ねてるやつは結構あるけど、元々武器じゃなかった変身ベルトを武器として使ってるマグネットステイツって、すごい変わってるなと思って。ベルトの遊び方が変身から攻撃に180度変わって、面白いですよね」
SONGEN「マグネットステイツは好きですね。結構あれ操作してると……ベルトって手元見ないじゃないですか、なりきりアイテムだから。飾って、ベルトに対面して遊ぶ方が楽しいっていうか。でもあれを挿すことによって、自分が本当に変身した感みたいなのがあって。操縦してるみたいな、操縦桿みたいな遊びができるから」

ヒーローが悩み始めたのはいつか

ロボの変形難度
「逆襲のVランサー」「最光に輝け、全身全色。」
ヒーローが悩み始めたのはいつか

 

次回「仮面」

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン2話「おおもも、こもも」 感想

 

・正直「前回の……ゼンカイジャーは!」って、お決まりになってこそいたけどぶっちゃけただ言いたいだけというか、前回の話を振り返る必要があった回なんてほとんどなかったのでそんなに意味がなかったんだけど、この『ドンブラザーズ』はマジでこれ必要だな。特に何度も見返したりしない一般のお客さんには。「訳の分からないうちに戦士になった」っていう、要するにまだ誰も何も分かってないので、あなたも分からなくて大丈夫ですよという。

・制作発表の時点から割とキジさん好きだったけど、今回でさらに好きになった。というのは、とても親近感が湧いたというか。まず宅配の人にきちんと「ご苦労様です」と言うのが最近のマイブームだったり、自転車泥棒……ではないけど、かけっぱなしだった鍵を抜き取るいたずらをされたことがあったりっていう、本当に小さな描写がすごく刺さった。
あと"平凡"の象徴としてスライドにいらすとやの素材使わせるのも面白すぎた。

むしろ分かりやすく描いてる方

・本作は意味が分からないと言われがちだし、今回の話を見て、特に本筋と絡む訳でもないキジ,サル,イヌの話が差し込まれるあたり「(次回以降も見てもらうために)敢えて見どころを分散してよく分からないようにしてるんだな」というのは確信に近くなったんだけれども、それを踏まえた上でも意外と井上敏樹にしては分かりやすさを志向している方なんじゃないのかなとは思った。
僕は平成ライダーしか追ってないので絶対そうとは言えないけど、井上さんの書く話でモノローグを使って身の上を説明させるという話運びは、僕は多分初めて見た。唯一近いのは渡がお風呂とかでブツブツ「僕は駄目なんだ……」とか言ってたくらいだけど、あれも一応キバットが話し相手として置かれていたし、割とセリフや話との絡み方……つまり"行動"でもってキャラを描くタイプの人だと思うんだけど、はるかにしろキジさんにしろ「売れっ子漫画家だったのに転落」「平凡なサラリーマンが戦士として選ばれて不幸続きに」という、割と記号的な"設定"の説明に終止してるイメージがある。物語論としてよく引き合いに出される、小林靖子さんの言う「脚本家志望の人はよく設定を持ってくるけど、設定を考えられることと話が書けることは違う」というやつ。
『555』の巧なんかは序盤のうちはただ「ぶっきらぼうなやつ」くらいの属性しか与えられてなくて、これまでの経歴とかどんな価値観の持ち主かってことはなかなか不透明なまま進んで、回を追うごとに割と流されやすいタイプなのかなとか、でも意外と芯はあるいいやつなのかなとか、そういうことがおぼろげに掴めてくるんだけど。
ただこれは最初にも言ったけど、『ドンブラ』の作劇が設定寄りだから駄目ってことじゃなくて、他にも色々やりたいことがあるが故に、できるんだけど敢えてやらないで分かりやすくできるところは分かりやすくして全体の情報量……というか理解にかかるカロリーを減らそうとしてるんだろうなっていう話ね。あと、もしかすると『海の底のピアノ』を始めとして小説もたくさん書いてくうちに、地の文でキャラ本人に話を進めさせるノウハウみたいなものも会得したのかもしれない。どっちかって言うと『月神』の方が一人称だったかな?

金は縁から逃避するためのもの

・おサルさんの人もまた何の脈絡もなくはるかの説明と自己紹介し始めたな……と思ってたけど、これもしかして暗に脅してる? 盗作してた漫画家がいるって言いふらされたくなければコーヒー代をタダにしてくれっていう。だとしたらきちんと前後が有機的に繋がって見えるけど、お前爽やかな顔してなかなかあれだな……(笑)
お金っていうのは本来必要ないもので、物々交換とか、あとは要らなくなったものを譲ってもらうとか、そういう人との関わり……縁で解決できる問題を、いちいち関係を持たなくていいよう「これだけ払えばこれをやる」というドライな"取り引き"に変えるための装置であって、岡田斗司夫も「人と関わりたくないと思うと金が必要になる」と話していた。
もちろんおサルさんのように、或いは音也のバイオリンのように、自分にできるある種の"働き"……相手を喜ばせるという対価を支払う方法もあるし、あと面白いところだと赤ちゃんやペットのように「可愛らしくて愛される存在である」というただそれだけの理由で、他人に身の回りの世話をすべてしてもらうという方法もある。ちなみにそれを大人が実行すると、いわゆるヒモという状態になる。「喜ばせる」「愛される」という人間関係の構築を面倒でしたくないと思うなら、とにかく金を払ってドライに済ませるしかない。金の切れ目は縁の切れ目なんて言葉もあるけど、逆に言えば金が絡まない縁は切れにくいということにもなる。
イヌ,サル,キジはきびだんごを貰うためにお金を払わないけど、その代わりに鬼を相手に暴れまわるというギブアンドテイクを持ちかける……そこんところタロウの言う縁とも結構深く関わってきそうなキャラなので、結構注目かも?

・「春風や、亡きあの人とすれ違う」
春は別れの季節だもんね……素直に捉えて、実際彼に今は亡き奥さんがいたと解釈してもいいんだけど、僕的には「死んだ奥さん? そんなのいないけど。創作だよ創作」って言って欲しい。逆にその奥さんが大金持ちで、逆玉の輿で得た資産で暮らしてるんだとしてもそれはそれで面白いけど。その場合「金なんて不浄だから持ってない」は大嘘ってことになる。頭はキレるんだけど普段はその場のノリで適当言ってるだけってキャラだと刺さる。

・ウィル……もとい桃井陣さんはなんで消されずに閉じ込められてるんだろうな。削除できない特異点的な設定でもあるのか。……と思ったけど、彼自身が実はアノーニ……というか、アノーニとしてアバター世界(マトリックス)に潜り込んでる"現実世界の住人"なのかもしれない。アバターなら脳人陣営は容赦なく削除するけど、現実の人間はそういう訳にもいかないから牢屋に閉じ込めたり、タロウみたいにアバター世界に追放されたりしてるのかも。
……そう考えると、ドンブラザーズになった時点でお尋ね者のはずなのにとりわけ指名手配犯として扱われてるってことは、実はイヌの人もアノーニ陣営を裏切ったから追われてるとかそういう事情があったりするのかな。刑事に追われてるシーンで使われてるBGMが前回アノーニに追い回されてたときのそれだったのもあって、単純にあの世界の警察に追われているというよりはアノーニに追われているような印象を受けたのかも。

・嘘がつけないだけでなく、本当の年齢をピタリと言い当ててしまう不思議な慧眼の持ち主な桃井タロウ。今回のゲストである磯野さなえ/列車鬼さんの容姿がガラッと変わるのは、もちろん怪人の能力でもありつつ"アバターチェンジ"の文脈でもあるんだろうね。タロウにとってみれば、どんな見てくれのアバターを使っていてもその向こうにある本質を見抜いてしまうと……だとすると、オニシスターたちの正体にも気付いてたりするのか? と思いもしたけど、キジさんには無反応だったので微妙か。

敵の設定が革新的

・ライダーにおいては平成2期以降定番となってる「怪人になる人間のドラマで話を回す」スタイルを戦隊シリーズはこれまでほぼ踏襲してなくて、あくまで「ゲスト怪人は倒す(殺す)もの、能力や作戦を提供する舞台装置」でしかなくて、それ以上の踏み込みを作品単位でやったことってないんだけど、それを初めてやったのが『リュウソウジャー』で、マイナソーは人間から生まれるので、その原因となる人間を殺すか、それとも悩みを解決するか、ともかく死ぬ前に怪人を倒すかという構造を戦隊に取り入れていて、だからこそドンブラは1話でリスペクトを込めてリュウソウの怪人を出したと。
タイムレンジャーは「怪人を殺さない」こそ形式的にやったけど、じゃあゲスト怪人に能力や作戦と言った表面的な要素以外の内面的なドラマや葛藤などを持たせたかというと多分そんなことはなくて、以降もその流れは汲まれることなく、死刑判決が下ってるからとか人間とは全く異なる異世界や宇宙からの侵略者だからとか「いかに殺してもいい理屈を設定するか」の方に腐心していた。
そこは恐らく「低年齢層向けだから」ってことでなぁなぁに……というか、ポジティブに言うなら白倉さんの言う「毎回怪人を倒すという子供たちとの約束」を守ってるってことなんだろうけど、ドンブラからはそこを根本的に見直して、戦隊といえども人間を敵として配置して安易に殺さない方向へシフトさせたいのではないかなと。
「子供向けは分かりやすい方がいい」は一理あるんだけど、最近はどうも「情報に疲れた大人が頭を使わずに楽しめる娯楽」的な側面も大きくなってるような気がしていて、これからの情報過多社会を生きてく子供目線では、好奇心旺盛に情報のシャワーを楽しむようなスタイルの方がいいのではないのかと。
確か白倉さんが言ってたような気がするけど、鬼ヶ島に住んでいて人間社会を今まさに脅かしてる訳ではない鬼を退治するような『桃太郎』なんて話が一般的に流布している現状を変えるために、現代的な価値観にアップデートした「倒さない桃太郎」をやりたいのがドンブラなのかな。
更には、ある種の教育番組として「悪を根絶やしにするのが正義ではない」というアップデートされた価値観を戦隊に導入することで、従来の「子供だから分からなくていい」のラインを底上げする(戦隊をライダー化する)ことで、いつまでも「ゲスト怪人のお悩み相談」をやっているライダーの尻に火をつけて、「もうそれは分かったから、早く次のステップへ行けよ」という白倉さんなりのメッセージなのかなとも思った。戦隊の話がライダーと同じくらい複雑化したなら、もう少し年齢層が高いライダーは戦隊との差別化でもっと複雑なことに挑戦できるようになる、或いはしなくてはいけなくなる。

・脳人の「悪に目覚めた人間を上位存在が粛清していく」っていう構図自体はアギトとほとんど同じなんだけど、ゲスト怪人のドラマ(卓球への妄執,次美の追求)もやりつつ、アンノウンポジションである脳人側のドラマもきちんとやるつもりっぽいのが新しい。
井上さんって怪人のドラマを描くことは勿論、バッサリ割り切って描かないこともできる人なので、その辺様子を見ながらどっちにも転がせるようにって意図での人選だと考えたら得心が行った。
メインのキャラにはドラマがあるけどゲスト怪人には全くないオルフェノクっていうのは、ある意味では幹部級にはドラマがあったりもするけどゲスト怪人にはない戦隊の文脈に沿った描き方で、その上で割と井上さんは「1,2話限りで使い捨てされる濃いキャラ」も書ける人だから、適任なのかなと。
今回の「妖怪・いくつに見える?」なんかも、なかなかいい味を出してたよね。ボソボソ呟きながら人を襲う不気味さは、前述のマイナソーにも通ずるところがある。

イマジネーションという拡張現実と内在する悪

・前回の怪人で騎士竜をチョイスした理由はさっき話した通りだけど、その点でいくと今回『トッキュウジャー』モチーフなのは、まぁもちろん桃太郎ヒーローの元祖である電王、サングラスでアバター要素もあったゴーバスターズ、その両方を担当してた小林靖子さんの作品だからってこともあるんだろうけど、そういう表面的なこととは別で一番思い出して欲しいのは"イマジネーション"という概念なのかなと思った。
『トッキュウジャー』におけるイマジネーションの映像での描かれ方は脳人レイヤーとイメージ的に通ずるところがあって、現実は現実としてあるんだけど、その上にLayer……重なって展開される"拡張現実(AR)"のようなニュアンスの概念なのよね。
この表現は平成ライダーの批評で有名な宇野常寛さんが著書『リトル・ピープルの時代』の最後の方で語っていた内容を意識している側面もあるように思う。本当にざっくりとまとめると、彼の言う物語が持つ"想像力"というのは元々「この世界の外部」を住処にしていた……つまり"俺たち"とは関係のない全く別の存在が攻めてくるという構図だったのが、「この世界の内部」……つまり我々と無関係ではない存在が人間社会の内側にいて、こちらを蝕むようなイメージに置き換わってきているのではないかみたいな話。ちゃんと知りたい人は図書館とかでリクエストすれば借りれると思うので読んでください。
『トッキュウジャー』の敵組織周りの設定はよく知らないんだけど、ざっと調べてみたらシャドーラインは「地の底」にあるらしくて、これが本当ならまさに"世界に内在する悪"の象徴なのかもしれない。あ、言わずもがな人間が変身するヒトツ鬼というのもその文脈にあたります。
そう考えると「福はうち! オニもうち!?」っていうオニシスターの変身待機音はかなり示唆的かも。

はるかにとっての"戦う動機"

・はるかが戦士として戦う決意を固めるシーン、正直心情的にはそこまでよくは分からなくて、目の前で苦しんでる人をほっとけないというよくあるヒーローのキャラ造形としては了解できるけど、それこそまさに"記号的"であってイマイチ実態を伴っていない。
ただこれは意図的にやってるというか、あくまでこのアバター世界(前回を参照のこと)において戦士という"役割"を与えられたからそれに従っているだけ……という描き方なような気もする。それこそ翔一くんや渡が序盤は本能に突き動かされるがままに戦っていたのと同じニュアンスで、元々の"天才漫画家"という属性もまたマトリックスから与えられた設定なんだろうから。
或いはもう少し違う見方をすると、戦士の証であるあのサングラスにはアノーニを始めとした世界の現実,真実が"見える"ようになってしまう効果の延長として、何かを"見て見ぬフリ"ができないような気持ちにさせるアイテムでもあるのかもしれない。
・逆に「『初恋ヒーロー』の作者だし」の方は戦う動機としてなかなか面白かった。これは今朝公開された1話の後編で明らかになることなんだけど、"初恋ヒーロー"ってのは作中でも映った1シーン「助けて! マイヒーロー!」と呼ばれてさっそうと現れた男の子……ではなくて、実は助けを呼んだ優奈自身が初恋を守るヒーローになる話だったのよね。
まぁヒーローが男か女かってのはそこまで重要じゃないかもしれないけど、要するにはるかが言ってるのは「都合よく全てを解決してくれる正義のヒーローを描くのは簡単だけど、そんな風に綺麗事を語った作者にも正義を貫く義務がある」という、高校生とは思えないある種の"プロ意識"なんだと思う。
ヒーローとか正義を語るドラマつくってるけど、制作スタッフの間でセクハラや過重労働があったらしいですね、或いは役者がコロナ禍なのに路上喫煙してたらしいですね、なんて話題が少し前にあったけれど、そこを狙ってたのかそれともたまたまなのかは分からないが要はそういうことよね。ただ物語の中だけで絵空事のヒーローを描くだけじゃなくて、何か現実の世界でも人を助けるようなことをしてこそ説得力が生まれるんじゃないのかという。
特にはるかの場合は盗作疑惑なんていうのまでかけられてる訳だし、余計に「ヒーローとか言っといてそんなことしてるのかよ」というスキャンダル的な視線には敏感になっているのかもしれない。この自分の作品に対する責任感の強さを取ってみても、盗作は間違いなく冤罪だろうことが伺える。

モノクロ介人さん、意外といいやつ?

・確かに戦隊ギアがアバタロウギアに変化する現象自体はゼンカイのラストでやってたけども、あれだけ節操なくコロコロ変わられると流石に違和感はあるぞ……と思ってたけど、公式サイトによるとイヌとキジが使ったリュウソウジャー戦隊ギアは前回介人が回収したものがそのままドンブラバックルに転送されていて、介人がギアを集めていくことでチェンジできるアバターが増えていくという寸法らしい。「前回ドロップしたやつを使ってるんですよ」という表現として、ギアが変化する描写を入れてると……なるほどそれならなんとなく理解できる。いやーでもこれ、本編だけから読み取れるかは微妙だよなぁ……。
それはさておき、はるかをバイトとして雇ったりと介人は今のところ全面的にドンブラザーズを支援する立ち位置らしい。「全力全開……? なんだそれ」ってセリフも、プロモーションで聞いたときは介人とは正反対の思想を持つすげー悪いやつみたいな印象だったけど、本編での使われ方としては単に「正体を隠すためにしらばっくれてる」みたいなニュアンスに留まってて、セリフの聞こえ方が180度変わってるのが面白かった。あんましいい例が思い付かないけど、『フォーゼ』の流星がメテオとは別人ですって言い張ってるみたいな、ウルトラマンの変身者が「ウルトラマンに助けてもらったんですよ」って言うような構図。

凸凹な等身デザイン

・そっか、アバターチェンジしてしまえば等身も何も関係ないのか。これまでの戦隊に今回のイヌキジほど攻めたことしてるやつがいないことで結果的に助けられてるというか、その歴史をデータベースとして使えるからこそ必要に応じてCGを抑えられる読みであの奇抜なデザインが成立するという逆説が面白いな。過去作へのリスペクトと革新への意志が高レベルで融合してる。
放送前は「(生身は別にある)アバターだから等身おかしいのね」と思わせておいて、実際見てみたら普通に生身の状態でワープするわきちんと"変身"で等身変わるわで、やっぱあの世界の人間自体マトリックスアバターなんだろうな。生身から変身するときも過去戦隊に変身するときも同じく"アバター(を)チェンジ"って言ってるから、あの生身も一種のアバターに過ぎないことを表現しているに違いない。
予算が苦しい時はゴーカイチェンジで凌げるし、そもアバターだから仮に路線変更されてこれからは等身大になりますって言われても設定的には全然アリな上に、仮想世界から目覚めましたって展開にすれば「これからは生身で変身するから等身大です」って言い訳できる余地もあるのがうまい。 
……と思わせておいて、普通に生身ですよ! って可能性もあるけどね。"アバター(に)チェンジ"かもしれないし、マジレンジャーとかゼンカイジャーも戦士としての能力の延長で巨大化したりしてたから「"変身"ってそういうもんでしょ? アバターじゃない生身でもそりゃ等身くらい変わるよ」という。
・でも正直言うと、こんな早い段階でゴーカイチェンジをやったのはあまり印象よくない。特に気になるのは、イヌとキジが元々自分たちの体型に不満や戸惑いを覚えていて、それを解消するためにアバターチェンジしているように見えてしまうこと。まぁだから要するに「まだその小さかったり背が高かったりすることによる長所が全然描けてないのに等身大になっちゃうの?」っていうこと。
『「仮面ライダー」超解析』の中で白倉さんが「最近のライダー面白いですか?」的な文脈で「最初はすごい企画だなーと思っても、いざ蓋を開けると「すごい勢いで丸くしたんだね……」ということは多々あるじゃないですか。でも『エグゼイド』は丸くしてないので。おもしろいですよ、久々に」みたいなコメントをしてるんだけど、まさに"すごい勢いで丸くしてる"じゃんっていう。
キジブラザーはまだ「男なのに女性だったピンク戦士になる」という特徴が残ってるけど、イヌブラザーに関してはもう個性が完全消滅してる。
・ゴーカイチェンジに関しては男女が入れ替わるとスカートが付いたりなくなったりっていうデザイン上の変化があって単純に見ていて面白かったんだけど、そういう意味でキジブラザーのチェンジはつまんないね。まぁ所謂ジェンダー的には「男勝りなルカでも女性は必ずスカート」というのはどうなんだって意見もそりゃあるんだろうから、「男性でもスカートを履いていいっていうポリコレ対応だ!」と持ち上げられるだろうという読みを踏まえて、おそらく実際はただの手抜きとしてやってる辺りは白倉さん節というか、予算調整とかそういう意味で"プロデューサー"の手腕だなって感じはするけど。

 

・怪人の設定は『W』以降の平成2期っぽいフォーマットだって話をしたけど、ドンモモタロウアルターなんかは映像的な見え方としては完全にディスクアニマルから始まりメモリガジェット,カンドロイド,フードロイド……などの"Aパートアイテム"と呼ばれるそれにかなり近い。桃に変形というギミックも含めて、CDになったり缶になったりファストフードになったりするのと全く同じだし。奇しくもライダーでは『鎧武』辺りからその路線は「もうやめよう」という話になったらしいので、被る心配もないし戦隊の方に取り入れようという試みなのかな?
正直僕はあのチェンジヒーローズのラインは全然欲しくならなかったんだけど、Aパートアイテム自体は割と好きなので来年以降、ロボとはまた別のちょっとした変形玩具が出ることに期待。もちろん、等身大でもミニメカとして活躍した上でロボとも合体してくれたら更に面白いけど。

・「何者だ? やつら」からのくだり、てっきり撤退して少し離れたところで話してるのかと思いきや烈車鬼が見切れてて、ほとんど移動してないのがなんか笑えた。BGMも止まってるし、あれはギャグシーンとして見ていいのか……?

・暗闇にキャラクターと敵だけがふわっと浮かび上がる演出『ゼロワン』で見たときは興奮したけど、あの作品内だけでも結構擦られてて「またか……」ってなってたのに『リバイス』でもやっててそろそろウンザリしてきたんだよなぁ。あんま覚えてないけど『セイバー』でもやってたような気がする。

 

・前回介人が召喚したジュランにドンモモタロウが無反応だったのは、天女さんや斬撃のジャンプポイントも当然のこととして受け入れてた訳だし、基本あの世界では自分に都合のいいことが起こるのは当たり前だから何かしらの形で「でかいやつと戦いたい」という願いは叶うと踏んでたんだろうね。順序はごまかされてたけど、はるかも「ここでカレシが登場して助けてくれる」って思ったことが都合よく現実になってたし。
今回ちゃんと名前を呼んだことで「1話でも来るって知ってたのかな?」と思わせておいて、実はそうでもなくてただ前回来たから今回も来るだろうと思っただけっていう。
ただややこしいのは、あの世界の人は「願えば叶うから願おう」と自覚的にやってる訳じゃなくてただぼんやりと幸せな夢を見ているに過ぎないので、都合のいい世界であることには気付いてないのよね。
気付いてないから、司法試験に受からないと思えば受からないし、逆にできる気がすると思えればできる。

・「幸せな68に見える」というオチ、その一言が最初から言えてれば……と思いかけたけど、最初の時点では年齢に対するコンプレックスが彼女の中にあったから幸せには見えなかったけど、ヒトツ鬼を倒すことで"悲しみを退治"することができるのだとしたら、騒動が収まった今だからこそ発することができた言葉なのかもしれないな。

 

まとめ

2話も面白かったけど、1話の方が面白かったかな。もう「この連続もの路線で行くのね」って心の準備ができちゃってたから、「うわー! 新鮮!」みたいな楽しみ方がイマイチできなかった。

 

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暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン1話「あばたろう」 感想

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特撮雑談クラブ 第9回「数字/名前」

03/12 次回「武器」21:00〜23:30

同時視聴作品は以下の2本です。
19:00~『ゴーゴーファイブ』第18話「逆襲のVランサー」
19:30~『セイバー』第21章「最高に輝け、全身全色。」

 

第9回「数字/名前」

 

二人一組のヒーロー

やんま「数字っていうのはまず"人数"の話で、戦隊は5人(ないし3人)いたりとか、仮面ライダーは割とバディ組みがちだよね、二人一組になりがちだよねみたいな。それがなんでかって考えたときに、2って数字は結構"対立"っていうか、陰と陽だったり正と負だったり、善悪もそうだけど二元論的な世界観っていうか。あるもの、ひとつのものがふたつに分かれたりとか、元々相反するもので相容れないって場合もあるんだけど。
っていう対立構造として2っていう数字を取り扱うのが、例えば『龍騎』の真司と蓮だったり、ブレイドとカリスもそうだし、カブトとガタックとか……Wが一番分かりやすいのか。『クウガ』も一応、五代と一条が実質的な主役ではあるんだけど、クレジットとして主役が2人なのは『W』から。平成二期の初期は、ライダー2人体制がずっと続いたんですよね。
っていう感じで結構平成ライダーはバディで組んで話を進めてくことが多いんですよね。っていうのは昭和ライダーの1号,2号とか、本郷と滝とかがイメージの源泉にはあるらしいんですけど。前回SONGENさんも仰ってたけど、元々仮面ライダーは孤独なものっていうイメージというか構想で練られてて、FBIの滝和也とか2号ライダーっていうのは後から付け足されたものであって、だから結果的に2になっちゃったのがライダーシリーズではあるっぽいんだけど。
でも割と、二人一組のヒーローっていうのはあんまりそれまでにないのかな? 考えてみたら。ウルトラマンも一人だし。そう考えると割と、新しい試みではあったのかもしれない。2人でセットのヒーローっていうのは。アメコミとかでもあんまりそういう設定のやつ見ないもんな、あんまり知らないけど(※でもサイドキックって概念があるから、意外と二人一組もいるのかも)。アイアンマンも1人だし……まぁAIと協力してたりしたけど。あとスパイダーマンも1人ですね、基本的には。

セイバーと悪魔の数字

令和ライダー、『ゼロワン』はあんまり2のイメージ……一応あるか。人間とヒューマギアっていう二項対立があって、それが手を組んだのが仮面ライダーゼロツーの或人とイズ。だったり、ゼロワン以外のライダーはA.I.M.S.組が2人、滅亡迅雷組が2人が最初から配置されてて、二人一組の要素はあったのかな? ゼアとアークも対になってるし。でもあんまり2ってイメージはないんだよな。
『セイバー』は、物語開始当初はセイバーとブレイズが対になる存在としていたんだけど、途中からエスパーダが参戦して2だったのが3になって、そもそもバスターが出てきたり剣斬が出てきたりっていうところで、まぁ割としっちゃかめっちゃか(多人数)になってくんだけど……しっちゃかめっちゃかっていうか、元々セイバーの顔が6を表してるんですよね。だから最初から6人ライダーがいるのは当然っちゃ当然なんだけど。セイバー,ブレイズ,エスパーダ,バスター,剣斬,カリバーか、この6人が制作発表のときからいて。
セイバーの顔が6を表してるっていうのは、まず真ん中に1本線(ソードクラウン)があって、そこにバッテンが書いてあるんですよね、セイバーのデザインっていうのは。形状的としてはいわゆるアスタリスク(*)って形になってて、それがまぁ六角形みたいな形をしてるんですよ。
……それがなんでかって言うと、6は悪魔の数字っていうのがよく言われることだけど、キリスト教的には7が完全な数っていう思想がどうやらあるらしくて。例えば神様が世界を創ったときの日数も7日間だったり。だから7には、それで完成されるってニュアンスがあるらしいんですね。まぁでも実際は6日間で創って1日休んでるから、6も完全なんじゃないの? って思ったりもするんだけど、まぁまぁそこは。7が完全な数だから、6はそれに満たないって意味で割と不吉な数として扱われることも多いらしくて、だから悪魔の数って言われてたりもするらしいんだけど。
(だから、本来全てを滅ぼす悪い神獣であるドラゴンの力を借りるセイバーは、救世主でありながら悪い面も併せ持つ複合的なキャラとしてデザインされているので、6をイメージした形になっているのだと思う)」

 

やんま「「"1"は絶対的なもの。唯一神であり唯一王、ひとつしかなければ"数える"までもない、あらゆる数字的認識に先立つアプリオリな概念。クウガ,ゼロワン……。
"2"は矛盾と対立、或いは一対。2人目の人類であるイブは蛇にそそのかされ知恵の実を食べ、アダムをも誘い2人で神の元から追放された裏切りの数字。龍騎,555,カブト,W,ビルド,ジオウ……。
"3"は世界。わたし(1)とあなた(2)以外の全ては"三人称"として認識され、点が3つ合わされば∴(故に)……つまり根拠を持った確実なものとして認められる。2つに分裂した意見をまとめあげ(父と母と子)、三竦みなどの均衡をもたらし、陸海空,天地人など世界の全てを表す。アギト,響鬼,オーズ,ドライブ,ゴースト,ジオウ……。
"4"は不安と調和。日本では死の数とされるように3で得た均衡を崩しかねない危うさと、それまでのように4本線ではなく四やⅣとして、個々を認識することを諦め"多数"として割り切ることで得られる安息。四方位や四元素など、ある種の秩序をもたらす。クウガ,剣,電王,キバ,フォーゼ,ウィザード,エグゼイド……。」」
 のーとさん参加
のーと「こんばんは。(遅れちゃって)すみません、今なんの話ですか?」
やんま「今言ってたのは、漢数字とかローマ数字は1,2,3までは棒を増やすことで対応してるけど、4からは違うよねっていうのを。3までは個々を意識できるんだけど、4からはもうまとめて1個のカタマリとして認識してしまうっていう、認知の限界を表してる数字だなぁと思って」
のーと「そうですね、割と3つで一組っていうのはあるんじゃないですかね。ただ漢数字の四は、最初は4本線(亖)だったと思います」
やんま「はいはい、ローマ数字もそう(IIII)ですよね」
のーと「だから3がまとまりが良くて……ギリギリ4までぐらいなのかな?」
やんま「そっか。すごい昔は(4に限らず)普通に棒を追加してく形でしか数えるって発想がなかったけど、むしろ数える行為に慣れ親しんでから、それをめんどくさがってまとめるって行為をするようになったのか。あーなるほど」
のーと「『クウガ』のリント文字は4までが4本線で、(形式が変わるのは)5からですね」
やんま「へー、なんか意外。『クウガ』って割と4が不吉なイメージ……あ、でもそうでもないのか? ……なんかリントもクウガも3文字で、でグロンギが4文字で、多分ニンゲンも4文字扱いなんですよ。ゴウラムが出てきたときに最初めちゃくちゃ危険視されてたのが僕すごい違和感あって、そっから珍しく4文字だから不吉なイメージがしたのかなと思ったんですけど。でも考えてみたらクウガの基本フォームって4つだし、別に4が不吉って訳では必ずしもないのかな」
のーと「そうじゃないですかね。まぁ4で区切れてるのは、設定の順序としては逆だけどクウガが4色だからってことかもしれないし。
数字と名前ってことだと、未確認生命体第何号とかっていうのは、それかなって」
やんま「そっか、クウガも4号か」
のーと「多分仮面ライダー1号, 2号みたいなナンバリングを、怪人もクウガも一緒だからってことでそうしてるんだと思いますけど、なんか不思議な聞き心地ですよね。僕はかなり『クウガ』好きな方なんで、第何十何号って言われたらあいつねっていうのはすぐに分かるんですけど、そうじゃない人の方が多分多いと思うんですよね。それは初めて……最近になって『クウガ』を見る人もそうだし、当時リアルタイムで見てた大人の人とか子供もそうだと思うんですけど。ちゃんと調べれば分かるんだけど、パッと聞いただけでは分かんなくて、それでいてグロンギと対峙してる当事者の警察とか五代くんには、37号のことですよねって言われたら多分通じてるみたいな、なんか不思議な感じがしますよね」
やんま「あの作中の人たちは一件一件順を追って経験してる訳だから……まぁそれは僕ら(視聴者)もそうだけど、リアリティを持って体感してる訳だから。台風何号みたいなイメージで、割と通じてるんでしょうね」
のーと「ガルメっていうカメレオンの怪人は、最初にゲームしたときはずっと透明だからバレてなくて、超全集とか読むとカレンダーでそいつが悪さしてた時期は分かるんだけど、作中ではメになるまで全然触れられないで、あの時のやつか! って言うし。ガルメは割と最初の『クウガ』のプロモーションのときにも出てたから、いることは分かってるんだけど番号がついてないやつみたいな不思議な感じだったし、そのせいでなんか、怪人がいるのは分かるんだけど、覚えてる順番じゃないみたいな。なんかズレてる気がするし、そのズレっていうのが大量にいる出てこないグロンギのせいで、なんか飛ばしてる気がするみたいな。
よく荒川さんとか井上敏樹は『クウガ』のことを、自分がさも五代くんの知り合いであったかのようなって言うことがあるけど、確かにヒューマンドラマ的な部分は確かにそうなんだけど、刑事ドラマ的な部分っていうのは、ドラマというよりドキュメンタリーを見てる感じだから、なんかひとつの番組なんだけど、ちょっと感じ方が違う」
やんま「乖離してる感が」

超能力ものと『SPEC』のようなシリーズ展開

のーと「どっちもリアリティがあるつくりかたをしてて……刑事さんの方にも人間ドラマがあるから、その2つっていうのはちゃんと分けられるものではないんだけど、でも2つの異なる感じの見えざまが同居してるっていうのは面白いところかなと思います。
ストーリーの筋、縦筋が複数あるってことじゃなくて、見た感じの雰囲気がっていうところだと……『アギト』とかそうですかね? 『アギト』とかは、超能力ものっていうか、『アギト』のちょっと前に流行ってた雰囲気のオカルトチックな部分もありつつ、海外ドラマみたいなつくりしてる部分もありつつ、なんとなく『クウガ』から継承した部分もありつつみたいな感じで、ちょっと複雑っていうか、どのラインで見たら面白く見れるのかっていうのが、ちょっと難しい感じですよね」
やんま「へぇ……超能力ものとしての文脈みたいなのは、まぁ白倉さんとかがインタビューで言ってるのは聞いたことあるけど、実感としては分かんないからあれだけど、でも表面的なところで言っても『クウガ』と一緒で刑事パート……G3ユニットのパートと、翔一くんの方のパートっていうのは割と乖離してますよね」
のーと「『アギト』に直接絡むところだと、まぁ超能力ものって言っていいのか分かんないけど、石ノ森章太郎の『サイボーグ009』もそうだし、共作だけど『幻魔大戦』って漫画もあったりして……それよりはずっと、『アギト』は割とハッピーな終わり方をするんですけど。
あとは流行ったもの……『TRICK』とかはそれに対するパロディみたいな感じだけど、仲間由紀恵阿部寛の。あと『NIGHT HEAD』っていうのもまぁまぁ流行ったと思うんですけど、あれは『555』に似てるなって思ったりした部分もあって。超能力者の会社があるんですよ(笑) ……あって、いずれ人類は超能力者によって導かれる未来が来るだろうみたいなことをお題目として掲げて、超能力に目覚めた人を管理してる企業があるんですよね」
やんま「めっちゃ『555』ですね……」
のーと「だから『555』がショッカーとか悪の組織っていうのを現代的なものとして説得力を持たせるために秘密結社じゃなくて会社ってことにしましたって言ってるけど、でもなんとなくそっちの影響もあるんじゃないの? みたいな。昔似たような題材で流行ったドラマから取材してるところもあるんじゃないかなって思ったりはするんですよ」
やんま「結構昔の作品なんですね、これは」
のーと「そうですね、あと会社の名前が"ARK(アーク)"……方舟ですよね、アークオルフェノク(笑) だからもう絶対そうだって思ったけど、いくら『555』のこと調べても出てこないから多分違うのかなって思ったりして」
やんま「(調べながら)でも蓜島邦明さんが音楽やってるから、白倉さんは多分知ってるのかな? 『カブト』で起用してるくらいだし(※『Sh15ya』の方が先)」
のーと「まぁ間違いなく知ってると思います」
やんま「なるほど……。超能力ドラマって言うと、僕は『SPEC』ぐらいしか思いつかないんだけど」
のーと「そうですね『SPEC』も、割と平成ライダーに見てるところはあったのかな? 映画では直接言及するシーンもありましたよね。向井理(セカイ)が……」
やんま「あぁ言ってましたね、平成ライダーかよ! って」
のーと「そうそう、(SPECホルダーたちが)横並びになる……あれ何年の映画だったんだろう? 映画の後編の方ですよね」
やんま「2期の真ん中くらいかな? (調べながら)えっと『〜結〜 爻ノ篇』が2013年……『オーズ』『フォーゼ』あたりかな?(※2009年の『ディケイド』を2011年だと勘違いしている。実際は『鎧武』)」
のーと「それも不思議なセリフ……いや不思議なことはないか? 平成仮面ライダーっていうブランドに横並びするって絵面を出したのって『ディケイド』が最初じゃないですか。まぁ全然お前ら一緒のところにいなかっただろ、でも横並びになってるみたいな写真は『龍騎』でもあったけど。13人のライダーがさいたまスーパーアリーナにずらっと並んでるあれ。とかもあったけど、超能力者・SPECホルダーたちが横並びになって決めポーズというか、あれをする平成ライダーぽいって言われ方っていうのは、実は4年ぐらいしか経ってない」
やんま「むしろ春映画っぽい」
のーと「そうそう、新しい平成仮面ライダーですよね。新しいっていうか、ブランド化された平成仮面ライダー
やんま「『ディケイド』とかが記憶に新しいからってことなのかな? そっか『SPEC』の途中で震災があったぐらいだったかな。
……そうそう、『SPEC』なんで今話題に出したかっていうと、さっき見た『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』の中にカラスが空飛ん出るシーンがあって、めっちゃ『SPEC』みたいじゃんと思って。まぁ別に八咫烏ではないと思うんだけど(※3号だし、もしかすると3本足だったのかもしれない)、3号の黒井響一郎を表すイメージとして黒い羽っていうのが結構使われてて、それがそのカラスのあれだと思うんですけど……なんでなんだろうな? BLACKが出てきたりしたから、太陽の遣いとしてのカラスなのかな。BLACK(RX)も太陽の子ですもんね」
のーと「今ちょっと『SPEC』のこと考えてたら、その前の『ケイゾク』っていうのがあって、あれは1999年で映画やってるのが2000年だから、ほぼほぼ同期みたいな感じ(笑)」
やんま「そっか、平成ライダーと同じくらいの時期に生まれて……」
のーと「この言い方は正しくないと思うけど、『SPEC』は『ケイゾク』を下敷きにして、でもなんかやってることが違うっていうのも、平成ライダーっぽいかなって」
やんま「あぁ、あれも一応世界観は繋がってるんでしたっけ? そっか、未詳の偉い人(野々村たち)が同一人物なのか」
のーと「世界観が地続きっていうのは平成ライダーにはないことなんだけど、同じシリーズの中でやることを全然変えてるみたいな感じ……」
やんま「……! あー、あぁ……なんていうか、シリーズ扱いだけど別のことやるって、そんなに意外と珍しいことじゃないのかなって思ったりしたんですけど。世界観だけ通じるっていうか、一部のキャラだけクロスオーバーみたいな感じで出してみたいな、繋がってるようで繋がってないみたいな展開をする作品って結構……例えばCLAMPの作品とか?」
のーと「あー、そうですね」
やんま「あれはスター・システムって言うんでしたっけ。『ツバサ・クロニクル』と『xxxHOLiC』が繋がってるんだっけ? とか。だから正統続編っていう形じゃないけど、全然違うことやってるんだけど、作者が同じだからみたいなイメージでシリーズのように並べて語るみたいな……ってことは割とあるかなと思って(『STEINS;GATE』と『ROBOTICS;NOTES』などの科学ADVシリーズとか、森見登美彦の小説『四畳半神話大系』と『夜は短し歩けよ乙女』とか)」
のーと「割とありますね。あれかな、平成ライダーから派生したものっていうか関連があるやつだと、武藤将吾の書くドラマはそうじゃないですか? 菅田将暉くんが主演やってた『3年A組』と『ニッポンノワール』が繋がってたのかな? 確か。
で『ニッポンノワール』と『ビルド』の世界は、おそらく直では繋がらないけど、でもこれ『ビルド』で見たなっていうのが『ニッポンノワール』であったりして。双子みたいな感じですね、だから。ファンサービスなのか手癖なのかちょっと分からないけど」
やんま「武藤ワールド?」
のーと「武藤バースみたいな。仮にも東映が権利持ってて、原作は石ノ森章太郎でっていうので、それでそんな似せて大丈夫なのかなって思ったりするけど」
やんま「そんな似てるんだ?」
のーと「まるまる似てるって訳じゃないですけど、まぁでもあそことあそこは似てるなぁみたいな。一応刑事ものなんですけど、あんまりリアル寄りではないのかなって思います。割と『ビルド』と同じように、なのかな。毎週毎週新しいあれが出てきて、落ち着かないドラマだなって思ってたんですけど」
やんま「なるほど、手を変え品を変えみたいな」
のーと「刑事ドラマってこんなカジュアルに人体実験ってワード出てくるもんだったっけ? みたいな感じ(笑)」
やんま「人体実験!(笑)」

やんま「さっき4まで言ったんで、続きも言っとこうかな?
「"5"は中心。四方位に中心を加えて5つ。人間が5本指であること、頭と両手両足を合わせて五体満足と言うこと……12進法の方が利便性はあるが人間を中心として考えたときにキリが良い数字。戦隊,555,ゼロワン,リバイス……」っていうのはまぁ、僕が勝手に言ってるだけなんですけど、今回見た『555』なんかはまさに中心の555ですよね。携帯電話のテンキー」
のーと「人間基準で考えたときにキリのいいっていう話だと、嘘か本当か分かんないけど10進法で生きてるのは指が10本あるからっていうのは、よく聞く話ですけど」
やんま「なんか、最初は親指は数えるときに使ってなかったらしくて、どうやら……僕が読んだ本だと。だから最初は8が満杯っていうか、人間が指で数えられるいっぱいいっぱいの数だったらしい……まぁそれに足を2本加えて10って説もあるんですけど。だから8には"全部"ってニュアンスがあるんですよね、八方位とか」
のーと「グロンギってなんで9進法なんでしょうね?」
やんま「9っていう数字は、8とかと比べると割と最近出てきた概念みたいな風に言われてて。数字っていうか、数字の名前かな? Nineって言葉がってことなのかな?(サンスクリット語ではnavaが9,navasが新しい,ラテン語ではnovemが9,novusが新しいで語感が似ているのでそういうイメージがあるのでは、という話だった)。
あ、僕が今回言う数字のうんちくはほぼ、一冊の本『数のはなし―ゼロから∞まで』からの引用なので……(苦笑) (事実かどうかはさておき)めちゃくちゃ面白かったんで、それが」
のーと「9だけ何かちょっと違うっていうのは、もしかしたらあるかなとは思ったんですけど。さっきの漢数字の話ですけど、昔の漢字で1,2,3,4までは横並びの線で、5,6,7,8は記号みたいな感じなんですよね、まぁ6はちょっと違うかもしれないけど。で9だけちょっと特殊で、多分人間の肘の形かな? 音が同じだからそれを使ってるってだけなんですけど、なんかそれだけ取ってつけたような感じだなって印象を持ったことはありますね」
やんま「(漢字発祥の)中国は……8が全ってイメージはあるのかな? 八方位(八卦)だし、あと弥(や)って字が"あまね"とも読むから、遍くってニュアンスとも繋がるし……あ、あまねって読み方は訓読みだから日本の文化なのか」
のーと「あとは中国の数字……ちょっとズレちゃいますけど『クウガ』が取材してるところってそこに近い部分があると思うから。まぁリントの文明の元ネタって結構雑多なところから色々継ぎ接ぎしてるから全部が中国って訳じゃないけど、ご先祖様を祀る宗廟(そうびょう)……って施設分かりますか?」
やんま「躁病? 施設は知らないかも」
のーと「それだと、一人別格のご先祖様がいて、そっから1,2,3,4,5,6って互い違いに並んでるのが……昭穆制(しょうぼくせい)って言うんですけど。それだと一応七つ一組とか六つ一組とかになるのかなって、イメージとしては。だから割と数字の組み合わせっていうのは、結構自由っていうか、場合によって変わるのかなって思いますけど。
強引に特撮とかに引き戻すと、例えばウルトラ兄弟とか、栄光の七人ライダーとか。あとはそういう括りが実質的になかった平成ライダーっていうのは、色んな区切り方があったりしますよね。昭和もそうなのかな? 1号,2号含めてダブルライダー、V3含めてトリプルライダー、ライダーマンの扱いはちょっと分からないけど、ストロンガーまで刻んでいってとりあえず七人一組みたいな」
 SONGENさん参加

堤幸彦監督の話
同時視聴したゼロワン,555
カーレンジャーイベント
ゼンカイ最終回とドンブラ前夜
漫画版クウガ井上敏樹の集大成かも
オルフェノク組の描き方
3号はよく分からない?
井上ワープって言うけど
浦沢義雄とカーレンイベント
配信中のデジモンテイマーズ
作中での"仮面ライダー"という言葉の扱い
本当に職業ドラマを描いたライダーはどれか

 

次回「武器」

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン1話「あばたろう」 感想

桃太郎……じゃなくてかぐや姫じゃん!

・「ことーしことし」も面白いけど、物語の冒頭はきちんと21年前というむかーしむかしから始まるのね。21世紀の初めというと戦隊的にはガオレンジャーだけど、井上さんを初めとするスタッフ的にはむしろアギトをやってた年だよね。翔一くんなんかはまさにどんぶらこと漂着した正体不明の存在だし、桃井タロウの言う「この世は楽園!」的な価値観の持ち主でもあるしさ。「湖の激突!」での葦原とのやりとりについてはまた後でも触れます。

・これはドンモモタロウの登場シーンに出てくる天女さんたちを見た印象も手伝ってのことなんだけど、桃太郎というよりはむしろかぐや姫のニュアンスの方が強く感じるのよね。
竹取物語』はいわゆる日本最古の創作物語な訳なので、『桃太郎』や『ドンブラザーズ』もその流れを汲む作品としての側面を強めてるのかな。
月世界で罪を犯して地上に追放されたかぐや姫だけど、一説によるとその罪状は「姦淫」ということになっているらしくて、そこんとこも誰彼構わず縁ができたと関係を持つ桃井タロウのイメージソースはそこにあるのだと思われる。
竹取物語』においては地上で5人の男に求婚されるも、無理難題を課して結婚しないことで罪を贖い、月に帰って行ったという流れなのかもしれないけど、恐らく桃井タロウは何かしらの理由で『ドンブラザーズ』世界に追放されたとこまでは同じだと思うけど、『ゼンカイジャー』からの文脈も汲んだ上で、過去を悔い改め元いたところに戻るのではなく、新しく出会ったお供たち(求婚ではないけど、吉備団子をくださいなと言い寄ってくる3匹+忠誠を誓うオニシスター)とわいわい交わり合いながら今いるところに居着くんじゃないかなと思う。その方が白倉さんっぽいし井上さんっぽいし。

 

はるかの性格悪い感じがいい

・『555』の真理もそうだけど、男に媚びたような可愛らしい感じじゃなくて、普通に性格悪めの女性を描くのは井上敏樹の好きなところ。まぁ真理は何故か聖母として崇められがちだったりとか、はるかも桃太郎に跪いたりするから、ジェンダーレス的な観点からよろしいかと言われるとそれもまた微妙っちゃ微妙なんだけど、そこら辺のバランス感覚も含めて僕は好き。「ジェンダーにとらわれない女性像」にとらわれない女性像というか、男にぺこぺこする時もあるけど、それは別にジェンダーが云々じゃなくてあくまで"本人がそうしたいから"という内的動機でもって、きちんとキャラクターとして生きてる証だから。
はるかの役者さんはなんていうか、セリフを読むのはまだそんなにうまくないけど、「痛……くない!」みたいな短いリアクションに関してはすごくうまい印象。コメンタリーでも言ってたけど。
ゼンカイジャーは介人がホストで人間界にキカイノイドがやってくるという構図なので介人が主役でいいんだけど、ドンブラザーズは逆で桃井タロウの方があの世界に流れてきたゲストだから、世界観は元からの住人サイドで描く必要性があるので、どうせレッドじゃないならいっそ女性の彼女を中止に進めようという流れなのかな。

・作中作の『初恋ヒーロー』もTTFCで公開されてるので読んだけど、なかなかどうしてヘンテコな作品だったね。いい……意味で(笑)
他人の恋を応援したいから観察して記録を付けるって、作中でも指摘されてたけどめちゃくちゃ悪趣味だよ。それも悪気ゼロで無邪気にやってるから余計タチ悪い。本人が恋をするつもりは毛頭なくて、ただ観察者として上からモノを見てる感じは『ジオウ』のウォズっぽさもある。
初恋じゃないと興味が湧かないというのもなんか面白くて、純粋に幸せになって欲しいから応援してるんだったら別に初恋に限定する必要はないはずで。たぶん初恋じゃないってことは失恋という不幸を経験してるってことだから、その辺が優奈(主人公)的には嫌なんだろうね。この人でもいいやと"妥協"してる感というか、不純な感じがして。

・『THE FIRST』でもやってたけど、井上さんはタクシードライバーに何か怖いイメージでもあるんだろうか(笑) 僕はあんまタクシー乗ったことないから分かんないけど、どこの誰とも知らない人の運転で運ばれて、しかもその間は狭い密室に2人きりで、場合によっては馴れ馴れしく話しかけたりしてきて鬱陶しい……みたいなところからの発想なのかなとは想像できるけど、あんまり実感は持てないな。
今作のゲスト怪人であるヒトツ鬼(人憑き)には、タクシードライバーの"ベニツ鬼"と、よっぴーが変身した"シソツ鬼"のような"色"がモチーフになっているやつと、メダリストが変身した"騎士竜鬼"のような戦隊がモチーフのやつと2種類いるらしい。脳人ともまた別陣営らしくて、かなり入り組んだ設定で正直1話時点ではかなり分かりにくいので、次回以降少しずつ説明されるのを待つしかない。

・脳人の3人、制作発表のときからタイムジャッカーみたいだなぁと思ってたから、正直あまり魅力あるキャラクターになることを全く想定してなかったんだけど、ソノイさんめちゃくちゃカッコよくてビビった。はるかの勘違いに視聴者が感情移入できるようにって意図ももちろんあるんだろうけど、ここまでいい感じにカッコよく演出されたらもう、立ち位置的にはただの敵幹部じゃなくてライバルだよね。途中までしか見たことないけど『ゲキレンジャー』のリオとメレみたいな。
そういえば、井上さんはこういうアウトローなキャラを結構おいしく描く人なんだった。木野さんは勿論として『剣』の桐生さんとかも顕著だけど、あぁいう雰囲気になるのかな。尤も、ソノイだけ優遇されてソノニとソノザはおざなり……ってパターンも容易に想像できるけど、少なくとも現時点では出てるキャラ全員に魅力があるので、このソノイの活躍が僕の『ドンブラザーズ』に対する期待値をかなり高めてくれた。

どう見ても『マトリックス

・これは僕の読学想……ならぬ妄想かもしれないんだけれど、1話を見てる限りではこの『ドンブラザーズ』世界は、全部『マトリックス』的な仮想世界に思えてならなかった。というかそう考えると全部辻褄が合う。
さっきソノイが「いい夢を」と言っていたけどまさにその通りで、あの世界は現実の人間が眠ったまま見せられている夢みたいなもので、基本的には住人みんなの願いが叶って幸せになれる楽園のような世界なんだと思う。その仮想世界……仮にマトリックスと呼ぶけども、これを管理しているのがソノイを初めとする脳人たちで、人間社会に化けて潜り込んでるアノーニはもうまんま"エージェント"のそれよね。まぁあっちは設定的には元からエージェントとしているんじゃなくて、マトリックスの人間にエージェントが取り憑くみたいな描写だったけど。
そういう世界の背景を踏まえた上で考えると、ヒトツ鬼というのはソノイも欲が云々と言っていたように「自分だけの幸せ,他人を蹴落とす形での幸せ」を願った人たちの成れの果てなんだなというのがなんとなく分かる。
はるかが漫画家として成功して、よっぴーを除くクラスの全員が自分を徹底的に持ち上げてくれて……という、フィクションだからで流してもいいけど、でもちょっと都合良すぎない? というくだりは、おそらくこのマトリックス世界そのものが人間に幸せな夢を見せるために願ったことを叶えてくれてるようにできてるのかなと思うんだけど、その構造から生まれるバグのようなものとして、ヒトツ鬼がいる。
自分の幸せのために力を欲した結果その願いをマトリックスが叶えちゃうからあんな化け物みたいな見た目になってしまうのか、それとも騎士竜鬼に対してソノイがやっていたように「こいつはマトリックスにとって有害だ」と見做された者がレッテルというかマーキングとしてあの醜い見た目を与えられてしまうのかは微妙なとこだけど、ともかくマトリックス"全体"の幸せと調和を保つために、個人を犠牲にして戦うのが脳人とアノーニということなんだろう。
そもそもが仮想世界なのであれば、殺すのに躊躇する理由もないし。

・スロットで表現されてるからには、おそらくマトリックス世界の住人の中からランダムに選ばれた5人の人間がドンブラザーズとして世界の真実を見抜く目を与えられてるのかな……そういえば『マトリックス』でもサングラスって結構キーアイテムだっけ。

 

縁結びを怖がる時代性

・放送前は全然ピンときてなかったけど、桃井タロウの縁を大切にする感じは僕好きだ。今の世の中って、コロナ云々を抜きにしても人と人との繋がりって希薄なところがあって、こんな風に配達の仕事で客として会った人と私的な話をすることなんかまずないよね。
僕は前にスーパーの鮮魚コーナーでバイトしてたとき、おじさんに魚に関するうんちくを聞かされて、お客さんだからなんか無碍にするのも良くないのかなとか思いつつなんだかんだで30分くらい話し込んでしまったことがあったけど、思い返すとあれは一般的には"サボってた"ことになるのかなぁ。
そんな感じで仕事中にお客さんと仲良くなるのはあまり良くないかもしれないけど、じゃあプライベートな時間で全く知らない人と仲良くなる機会があるかっていうとそれもあんまりなくて、都会じゃ道案内とかお願いしようとしてもみんな無視するから悲しい。
田舎とか程々に栄えてるぐらいのところだったら、具合悪そうにしてたら心配して声かけてくれたり、これもなんかの縁だからって電車賃として300円くらいくれるおじさんとか、傘がないままずっと外にいたら「私は友達の傘に入って帰るから、ちょうど買い替えたかったし」って言って持ってた傘をくれるお姉さんとか、とにかくそういう人の優しさに触れるとすっごく温かい気持ちになる。
Twitter民が「目が合っただけで縁ができたと言いがかり付けてくるドンモモタロウ怖い」みたいな感じで盛り上がってるの見ると、人との縁って"怖いもの"なんだなぁ、そういう時代性なんだなぁと少し寂しくなる。そりゃね、中には目が合っただけで気があると勘違いしてストーカーになっちゃうような人もいるかもしれないけど、絶対確率で言ったらそんなに高くないのに、変に警戒心が強くて壁をつくろうとするのはあんまり好きじゃない。……僕は根っこがパリピ属性なのかもしれないな。Everybodyシャッフルしよう世代、連鎖するスマイル〜♪

世界からの拒絶

・コメンタリーの田崎監督曰く「力を得る代わりに何かを失うのは井上大先生っぽい」とのことだけど、まさにこの展開もさっきの世界観に照らし合わせると全然不思議なことではなくて、はるかはアノーニを視認できて世界の真実に気付けるドンブラザーズに変身してしまったことで、マトリックスから危険人物として断定されたからこそ、急に世界が掌返しをしたかのように盗作疑惑が持ち上がり、クラスのみんなからも敬遠されてしまう。「世界に拒絶される」と書くとすごく『ディケイド』っぽくもあるかな。ドンブラザーズの面々は世界にとっての異物であり、幸福な夢の世界を維持するためには排除するべき危険分子。
多分マトリックスの真実に気づく展開は後々でやりたいから今はまだ夢の中なんだろうけど「平和で幸せな夢から覚めて、過酷な現実と向き合う」というなんとなくの展開としては踏襲してる感じ。

悪意の連鎖を断ち切る脳人

・従来の特撮のお約束として普通に考えると、シソツ鬼とそれに伴ってうじゃうじゃ出てきたアノーニは仲間同士のはずなんだけど、設定的にアノーニは脳人陣営でむしろ対立しているはず。実際、ソノイがシソツ鬼を倒したのを見て「アノーニ(アーメン的なニュアンス?)」と呟いている。
ということを踏まえて考えると、あいつらはもしかするとヒトツ鬼やオニシスターというこの世界の幸せを壊すバグを目撃してしまった人達を消しに来たのかもしれない。
だとするとソノイがはるかを消さなかったのはちょっとおかしいんだけど、そもそも何故目撃者を消さなきゃいけないのかと考えると、『ゼロワン』の世界を思い浮かべてみるのが分かりやすい。ヒューマギアたちは人間の悪意を目の当たりにすることで「殺られる前に殺らければ」の理論で暴走を始めてしまう。そうなるともう暴力の連鎖で秩序は崩壊してしまう。……んだけど、冒頭のはるかに限って言えば「怪物に襲われたけど、イケメンのヒーローが助けてくれた」という認識であって、彼女の心は曇るどころかむしろときめいているので、危険分子として消す必要がない。『PSYCHO-PASS』を知ってる人には"色相が濁ってない"といえばより伝わるだろうか。

・そんな感じで一度はソノイがアフターケアをすることで見逃してもらったはるかだが、二度目はオニシスターになってしまっているのもあって、敵として見做されたのか蹴り飛ばされている。そもそも一度目の登場のときの「何故花を散らす?」ってベニツ鬼に言っているようにも見えるけど、実際は映像を見る限りでははるかがベニツ鬼を追い払おうとして自分で花束を殴り付けた結果散っている。さっき言った「暴力を前にして被害者も暴力性に目覚める」という流れとまさに合致する。
そして二度目の「お前も己の欲望に負け、この世の静寂を乱す者か」もまた、シソツ鬼に言っている部分もあるけど、自分の願いを叶えるためになりふり構わず跪くようなはるかの節操なさに対して言っているとも取れる。あー「よっぴーを元に戻してください!」は半分くらい「前までは他のクラスの連中と同じで私のこと崇めてたのに最近突っかかってくるようになったから元に戻してください!」だったから欲望認定されたのかもな。よっぴーなんて呼ぶくらいの関係ではあったはずなんだから。
ソノイが「我が剣の穢れ」として撤退したのも、悪と相対することで自分の色相が濁って悪に堕ちることを危惧してのことだろう。

苦痛に満ちた現実の賛美

・これは僕が好きだからってのもあるだろうけど、近年の作品で言うと『ゼロワン』的な文脈もすごく感じる本作。「悪いことをしたやつは消去してしまえばいい」のかどうかという問いはヒューマギアの扱いに酷似しているし、脳人にとって『ドンブラ』世界の住人が一段低次元の存在なら尚のこと。ヒューマギアにやっていた仕打ちを人間がされてみたらどうだ? というミラーリングになってるし、「幸せな夢を見続けるより苦痛もある現実の方がいい」という現実賛美の話として見ても、『REAL×TIME』における地獄のゼロワンvs楽園のエデンという対立と合致する。『セイバー』の最光が肉体を取り戻して行ったセリフ「これが体の痛みか……久し振りに最光だな!」もその流れにある。
先述した『アギト』の文脈で言うなら、現実に耐えきれずに幻想に逃げてしまうことを肯定する葦原と、ありのままの世界を美しいと肯定する翔一くんの話と繋がる。
これは多分井上さんが出家した経験とも繋がってるんだと思うけど、色即是空……この世は仮初めの世界であって、究極的には意味なんてないという諦念と、空即是色……それでもなお、この世には確かに意味はあると現実に回帰するような仏教的な悟った世界観が関係してるのかなと。虚無主義に打ち勝つっていう姿勢はかなり好きなので、その辺の根本的な価値観が好き。

・公式サイトを読むとより明快になるけど「あくまで敵を殺さない」というのがヒーローをヒーローたらしめる要素として明確に打ち出される時代なんだよな、今はもう。その証拠としてなのか雑魚戦闘員であるアノーニでさえ、明確に爆死してる様子は描かれていない。オニシスターが脳人レイヤーの橋を渡って逃げたときも、ドンモモタロウがゼンカイザーにアバターチェンジして撃ち伏せたときも、爆発はせずいつの間にかフェードアウト……つまり撤退? している。
クウガ』や『555』の頃はまだ、実質的な人殺しの罪を背負うのがヒーロー像として成立してたけど、特に平成二期のメモリブレイク辺りからその流れは顕著だよね。
……と思ったけど、戦隊の歴史的には遅くとも『タイムレンジャー』の時点でもう"敵を殺さないヒーロー"が出てきてるのか、そっか。そういえばさっきはあまり突っ込まなかったけど、21年前の『ガオレンジャー』も本作と同じで、敵はオルグっていう鬼だったけど、それと何か関係があるのかな。ちょっと保留で。

・桃井タロウは嘘がつけないらしい。それは「俺はあんたじゃない、だから自分でサインしろ」という物言いにも表れていたんだけど、その一方で「ドンモモタロウでありながらゼンカイザーの姿を騙る」ことは躊躇なくしているのも面白ポイント。
"嘘"という言葉に妙が詰まってて、つまり桃井タロウ本人が真実だと思い込んでいることに関しては、例え客観的には間違っていて事実でなかったとしても、彼の口からは出てき得るということ。だから「俺は幸福を運ぶ」というのは、あくまで彼がそう思ってるってだけで実際どうなのかはまだ眉唾もの。『キュウレンジャー』のラッキーじゃないけど、そう思い込むことで現実に幸福を呼び寄せているという可能性もあるか。

ドンブラ固有のDXロボ

・ドンブラザーズ固有の巨大ロボは現時点ではまだ発表されてなくて、放送開始前にこんな予想をした。
 「人間がロボット(何か)を操作する」という要素を極度に抽象化した結果として「人間がアバターを操作する」って発想に至ったのかなと思ったんだけど、もしそうだとするとゼンカイの等身大戦にロボの要素を持ち込むという試みはドンブラでも踏襲されるのかな。まだ出ぬDXロボも等身大で活躍したりして。
 一応序盤はドンゼンカイオーを使って従来通りのフォーマットもやるけど、ドンブラ固有の5人合体ロボでは巨大戦は実質廃止されて、例えるならパトレンU号みたいな扱いになるのかもしれない。中に生身の人が入ってない設定なら、5人集まっても人間1人分の大きさってことにノイズは発生しない。

……てな感じで、白倉さんの言う等身大で敵を倒して巨大ロボでもまた戦うって形式だとロボ戦がオマケみたいに見えちゃうから、等身大戦とロボ戦をシームレスに繋げるための試みの一環として、実質的に"巨大戦"は廃止されるんじゃないかなと予想していたんだけれど、1話を見る限りでは色モチーフじゃない方……つまり戦隊モチーフのヒトツ鬼だけが巨大化する能力を持ってるように見えた。もしこれから戦隊モチーフの敵を一通り出していくスタイルでやってくんだとしたら、巨大戦が廃止されるというのは考えにくいよね。
ただ、過去戦隊モチーフの敵はゼンカイザーブラックと物語的な関係があるはずなので、序盤で介人周りの話を一段落させて以降はもう過去作モチーフな巨大化する敵もドンゼンカイオーも出てこなくて、そこから新たに『ドンブラザーズ』だけのロボットが出てきて等身大でロボ戦をやるという新体制がスタート……という可能性はまだ残ってるけど、公式サイトを見る感じでは「ビルをぶっ壊すカタルシスを年間通してのコンセプトに」という話があったのでこれもなさそうかな。

・放送前から話題になってたキジブラザーの肩、コンテとか切ったりして見えざまから逆算してつくる従来のCGならあぁいうことは多分起こらなくて、モーションキャプチャーだからこその不具合なんだろうね。ゼンリョクゼンカイオーでも「今そこの関節どうなってるん?」っての時々あったし。
逆にどうすればモーションキャプチャーでその辺の整合性が取れるのかよく分からないけど、物理演算的な処理をうまくやるとちゃんと破綻のない映像になるのかな。
まぁでも、静止画で見せられなければ意外とそんなに気にならないけどね。

 

まとめ

予告で見てるぶんにはそんなに期待しきれてなかったんだけど、めちゃくちゃに面白かった。見返すごとに「これはこういう意図があるからこうなってるのね!」っていう発見と納得が溢れていて、パズルを解いてるみたいですげー楽しかった。期待してます。

 

次回

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン2話「おおもも、こもも」 感想

仮面ライダーエグゼイド 第2話「天才二人はno thank you?」 肯定的感想

第2話「天才二人はno thank you?」


・灰馬が颯太くんの件に一切触れないということは、1話でバグスターを倒してからCRに戻るまでの間に僕が思ってるより時間が経っていて、彼に関しては事なきを得たという連絡が入っていたのかもしれない。
ただ、だとしたら仮面ライダーが手術をした以外の可能性は考えられないので、永夢がCRに招かれてるのを見て「君が報告にあった仮面ライダーエグゼイドか?」ぐらいのことは察せても良さそうなもんだけど……まぁポッピーのことだからそんな細かく教えてなくて、「仮面ライダーが倒した」とだけ……つまり飛彩が間に合ったんだろうと理解した、のかな?

・「ドクターは二人も必要ない」……自分が失敗するならともかく、他人に任せて失敗されるのは許せない、という感情はまぁ分からんでもない。況して、実際過去にそういう経験がある訳だしね。
ノーサンキューってそう言えば口癖だったな。

グラファイトが中に向かってウイルスを散布してるけど、本当にこの方法で感染するのか? 人から人へ感染しないってことは飛沫感染もしないってことだから、バグスターは空気に触れたら割とすぐ死ぬもんなんだと思ってたけど……解釈は2通り思い付いて、まずはグラファイトがバカ……というか"なんか敵キャラっぽい動き"をしてるだけで本質的な意味は何もないというパターン。バイオテロリストだから空気中に散布してるのかなってイメージを再現してるけど、実際に感染させるときはバグヴァイザーを押し当てるとか、少なくとも対象となる人間を目の前にして散布するなどする必要がある。
もうひとつはバグヴァイザー自体が特殊な機器なので、何らかの形でウイルスを保護して大気中を長時間浮遊できるように細工した上で散布してる場合。これはもう「できるんです」と言われたらそうか……と納得するしかない。設定を見る限り"散布"という言葉がよく使われているので、多分こっちの説が正しい。

・「僕なんか必要ないよなぁ……」と不思議に思う永夢。ゼロワンの或人は先代社長にも名指しで指名されて、引き受けてからも事あるごとに「俺!?」と驚くくらい何かやるよう言われていたから、えらい違いだ。
ゼロワンは一応仕事の話なので"やらなきゃいけない"ニュアンスが強いけど、エグゼイドは半分ゲームの話なので"やらなくてもいいことをやる"という描き方なんだろう。

飛彩のお付き、みずきとさつき

・看護師を侍らせて身の回りのことやらせる飛彩、普通にフェミ界隈からぶっ叩かれそうだけどよくやるな……。医者だからとかオペ以外のことに集中力を使わせないってのは理屈として分かるけど、見え様の問題として。
別に道具として扱ってるつもりはないのかもしれないけど、若干天津っぽくもある。あの看護師が何か提言しても「道具が意志を持つな!」とまでは言わずとも、絶対言うこと聞かないよな。実際そんな感じの描写は、さつきだったかみずきだったかどっちか忘れたが、飛彩に安静にするよう言ったら「そんなことは分かっている!」ってキレたシーンくらいだったと思うけど。ってかあれ以外にこの2人が喋るシーンってあったかなぁ?

・1話では肉団子の怪物だったけど、今回のバグスターユニオンはご存知バクテリオファージというウイルスの一種。一瞬なるほどなって思うけど、他のは銃になったりタイヤになったりとゲームに沿ってることが多いので、むしろこれだけデザイン的には浮いてるのよね。まぁ化け物っぽいウイルスの見た目として使わないのはもったいないけど、他にのはまるっこいだけだったりするからそれで統一するのは無理だったってところだろうか。まぁこの辺は全て黎斗の遊び心と言われればそれで済んでしまいそうだから矛盾でもなんでもないんだけど。

・エグゼイドは何気に、ゴースト,セイバーと同じで変身バンクを採用してるのよね。途中から省略するけど。ライダーにおいてはあんまりないことだと思ってたけど、調べてたらダークキバとかもやってたって言われて確かに、と。

・ゲンム乱入するも、ブレイブの剣を折っただけで退却。タドルクエストの設定だから最初はデフォルトの剣なだけで、黎斗的にはさっさとガシャコンウエポンのデータ取りをして欲しいから折った……? ゲームの販促にも……なる? まぁのこの辺も全部彼の趣味で片付くけど。

・ゲームスコープで診断は済んでるにも関わらず患者の診察をするべきだと永夢が言うのは、作中人物の視点からはまだバグスターは謎が多いから、もしイマジンやグリードのように母体となる人間の悩みなどと生まれたバグスターの行動原理に何か関連性がある可能性もあるから、とにかく色々と情報を集めるに越したことはないという意味なら確かに分かる。
実際、ストレスが原因でウイルスが活性化するということに気付けた訳だし……まぁ病気として当たり前といえば当たり前なんだけど、バグスターは元がゲームと関係してる訳だから、溜まったストレスをゲームで発散するように、ストレスをエネルギーとしてバグスターは活性化する特徴を殊更持ってるのかもしれない。

患者には関わらない

・現在の医療倫理的には、基本的に医者が患者に深入りすることはあまり望ましくないこととされているので、それでヒーローの鑑なんて大層な名前が付けられてるんだろうか。仕事は仕事と割り切るスタイル。
井上敏樹もヒーローが身近にいたら怖いから助けてくれたら去らなきゃいけないって話をしてたけど、そういう意味でも深く関わらない態度は理想のいち形態ではあるのかもしれない。
飛彩個人の心情としては、勉強ばかりで恋人にかまわなかった結果知らぬ間にゲーム病になってて死んじゃったという過去があるから、その時の自分を恥じず、曲げないことがむしろ小姫に対する筋の通し方だって思ってるのかな。そうでもなかったら、普通は患者の様子をもっと気にするようになるよね。

AIは"モノじゃない"のか

・「患者はモノじゃないんですよ?」
これは何気にキーワードだな。普通に考えたら患者というのは人間のことなのでモノじゃないのは当たり前なんだけど、ここにはもうひとつバグスターというAI的要素を持ったゲームキャラがモノかどうかという文脈も含まれている。というのは、ゲーム病を発症した患者は体を乗っ取られて実質ゲームキャラになってしまうことや、1話で永夢がゲームのキャラに対して「死ぬな! 頑張れ!」とまるで死にかけの患者のように声掛けをしていたことと紐付けて考えるとそうなる。
もうひとつ面白いのは、バグスターの元ネタであるプログラムにおける"バグ"という概念。プログラムが誤作動を起こすのであればそれは基本的にはプログラマの責任であって、バグ(虫)が何か悪さをしている訳では本来ない。にも関わらず、意図的か否かはさておきプログラマが「自分のミスではない」というニュアンスを付けるために、"バグ"というプログラマから独立した責任転嫁先を設けるという心理的な営みが、ことエグゼイドにおいてはとても重要で。
さっきも言った通りバグスターは実態としてはAIみたいな存在であって、自分たちは人間の遊び道具ではない尊厳ある生命体なのだという主張と照らし合わせて見ても、ヒューマギア(滅亡迅雷)の行動理念とほぼ同じと言っていい。
"つくられた存在"に対して心があると見做すかどうかの重要な分かれ目として、プログラマの持つ「責任を負いたくない」という感情はとても面白い。成人するまでは子供のやったことに対して親は責任を取らなくちゃいけないが、ずっと取り続ける訳にもいかないから子供に自由意志というものを認めて、自分で自分の責任を取ってもらう"ことにする"。これが自由意志という幻想の本質を担う一端であって、実は意外と「相手を対等な価値のある存在だと認めている」ことが尊厳を認める動機の発端ではないのかもしれない。
或人にそんなつもりはないのかもしれないけど、飛電からすればヒューマギアが暴走するのはバグやハッキング、或いは自由意志によって"勝手に"起きたことであった方が都合がいい。

・バグスターもゲームエリアを展開できるらしい。基本的に感想で書くのはそのエピソード特有の話題を優先して、基本設定についてみたいないつ触れてもいいネタは温めておくことが多いんだけど、これはあんまりやってたイメージというか記憶がないのでタイミングを逃さないように触れておく。
仮面ライダーがやるのは仮想空間を展開することで現実に被害を出さないためってのが主な理由だからバグスターが展開する意味はあまり内容にも思えるけど、単純にホームグラウンドというか、ゲームの世界で戦った方が何かバフがかかるとか、今回みたいにツタを出現させて縛るみたいな現実では有り得ない能力を使うためにはゲームエリアの中でやる必要があるとか、そんなところだろうか。

・仕事は仕事として割り切る態度というのは、医者も勿論そうだけど軍人とかには特に必要なメンタリティよね。人の体に危害を加えて、血を見ることに対する心の防衛という意味で。
医療行為というのは基本的には人の体をいじくって危害を加えることなので、だからブラックジャックや大我のような無免許医は本来存在してはならない。あくまで法によって限定的に認可を受けた場合のみ人の体にメスを入れることが正当化されるのであって、そうでなければナイフで人を刺す犯罪者と同じ。

・「ドライブは人を助けるライダー、マッハは敵をぶっ潰すライダー」って分類はなかなか的を射ていて、色んな場面に当てはめられるので引用してしまう。今回のエグゼイドとブレイブの対立も大雑把にはそう。
・ところでブレイブって、先輩っぽい雰囲気出してるけど設定的には多分今回が初戦闘だよね。一応YouTube限定のスピンオフシリーズ『ヴァーチャルオペレーションズ』……まぁ実際の内容は従来の"変身講座"なんだけど、そこで仮装空間での模擬戦闘をする描写があるので、実践は初でもシミュレーションは何度かやったことあったという認識でいいのかな?

マリッジブルーを乗り越えられたのは、患者が病気になったり人質に取られたりしたことで、離れたくない,一緒にいたいという気持ちを再確認できたってことでいいのかな? 裏でも言った通り別に永夢が悩みを解消した訳ではないんだけど、まぁ質問をすることで「本当は結婚したい」という気持ちを引き出したのは意味のないことではないかな。

・ポッピーが食べられるのかはよく分からないけど、アップルパイをきちんと4等分する飛彩。まぁ4切れにしたからといって必ずしも4人で分けて食べるとは限らない訳なのでなんとも言えないけど、飛彩的には病院長である灰馬の息子かつ天才外科医な自分に逆らうやつなんて周りにいなかったから、小児科医の癖に噛み付いてくる永夢の度胸だけは認めたとか、そういうあれがあるのかもしれない。

 

エグゼイド感想一覧

裏面

仮面ライダーエグゼイド 第2話「天才二人はno thank you?」 否定的感想

 

前回

仮面ライダーエグゼイド 第1話「I'm a 仮面ライダー!」 肯定的感想

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仮面ライダーエグゼイド 第3話「BANしたあいつがやってくる!」 肯定的感想

特撮雑談クラブ 第8回「赤青」

03/05 第9回「数字/名前」21:00〜23:30
今回はテーマを2本立ててみようっていうお試し回です。それぞれ深掘りできるテーマなので、いつもここで書いてるガイダンスも2つ用意しました。まぁもし括るなら「記号」ってことになるのかな?
まずは「数字」。
"1"は絶対的なもの。唯一神であり唯一王、ひとつしかなければ"数える"までもない、あらゆる数字的認識に先立つアプリオリな概念。クウガ,ゼロワン……。
"2"は矛盾と対立、或いは一対。2人目の人類であるイブは蛇にそそのかされ知恵の実を食べ、アダムをも誘い2人で神の元から追放された裏切りの数字。龍騎,555,カブト,W,ビルド,ジオウ……。
"3"は世界。わたし(1)とあなた(2)以外の全ては"三人称"として認識され、点が3つ合わされば∴(故に)……つまり根拠を持った確実なものとして認められる。2つに分裂した意見をまとめあげ(父と母と子)、三竦みなどの均衡をもたらし、陸海空,天地人など世界の全てを表す。アギト,響鬼,オーズ,ドライブ,ゴースト,ジオウ……。
"4"は不安と調和。日本では死の数とされるように3で得た均衡を崩しかねない危うさと、それまでのように4本線ではなく四やⅣとして、個々を認識することを諦め"多数"として割り切ることで得られる安息。四方位や四元素など、ある種の秩序をもたらす。クウガ,剣,電王,キバ,フォーゼ,ウィザード,エグゼイド……。
"5"は中心。四方位に中心を加えて5つ。人間が5本指であること、頭と両手両足を合わせて五体満足と言うこと……12進法の方が利便性はあるが人間を中心として考えたときにキリが良い数字。戦隊,55ん5,ゼロワン,リバイス……。
数字はそれだけである程度の意味やイメージが付属していて、なかなか面白い概念なのでぜひ。

次は「名前」。
バクマン。』にキャラの名前を作品のタイトルに入れるのはありがちだって話があったけど(キャプテン翼,ヒカルの碁,ドラえもん,NARUTO……)、特撮ではほとんどがそのルールに則って付けられている。
戦隊は作中に出てくる戦士を包括したタイトルだけど、ライダーの場合は主役だけがタイトルに掲げられる不思議。『ジオウ』なんかはそこを逆手に取ってゲイツやウォズたちもソウゴの夢見る物語の登場人物に過ぎないみたいなニュアンスを持たせていたけど、他の作品ではどうか。逆に『響鬼』なんかはヒーローも響鬼だし変身する人間もヒビキだしで、分かりやすいんだかややこしいんだか。
そもそも"仮面ライダー"とはなんぞや、なんて話は折に触れて上がるけど、名前というのはそのものが持つ特徴を定義付けしたり、こうなって欲しいという願いが込められていたり、先立つ実存から後付けで名付けられたりと様々。
精神障害LGBTのように、名前が付くことで安心したり、自認することで行動(実存)に影響することもある。仮面ライダーを"名乗る"からにはヒーローとして振る舞う責任が伴うだとか、敢えて名前を"騙る"ことで名誉を傷付けるだとか。
そういった諸々を含めた"名前"の意味について。

同時視聴作品は『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』を19:00から見ます。
僕が挙げた2つの候補であるところの、数字が名前になっている『555』『ゼロワン』から、巧が覗き見されるのではなくて自分から名を名乗る第4話「おれの名前」と、総集編をやりながら「それが仮面ライダー○○だ」という定義付けを行い始めた第25話「ボクがヒューマギアを救う」の2本もアンケで同票だったので、これも18:00から見ます。

03/12 第10回「武器」 
03/19 第11回「仮面」
03/26 第12回「戦隊」
4月以降は未定です

特撮雑談クラブ 第7回「冬季」

 

第8回「赤青」
スピーカー:やんま, SONGEN, のーと, イゴマス, セイバーを見守るワンダーワールド(以下WW)

やんま「とりあえず僕の方で挙げた話題候補としては、色んなライダーの赤と青のキャラを挙げてみたりとか、青い炎の方が温度が高いとか、アークとゼアは青い方が善いもので赤い方が悪いものって印象を付けてたりとか、男女が赤と青で分かれてたりとか……。
あと紫についての話もできるかなってところで。悪いやつとか、曖昧なやつ。曖昧っていうか、複雑だから、ちょっと高貴なイメージもあったりして。ジオウとかピンクって言われがちですけど、どっちかって言うと僕、紫のイメージなんですよね。ベースが黒っぽい色だからっていうのもあるし」
SONGEN「体の部分のどっかに紫っぽいのが入ってた気がするな」
やんま「そっかあるのか、ラインが。ピンクとは別に」

SONGEN「紫が高貴な色ってやつは、むらさき醤油って言うじゃないですか。その諸説ある中のひとつが、紫は高級な色だったみたいな」
やんま「あれですよね、冠位十二階で紫が一番上だった説みたいな。それのイメージがあるのかな、多分」
SONGEN「戦隊で言うと『キュウレンジャー』のリュウコマンダーとか。まぁリュウタロスのあれもあるんだろうけど、マントとか付けてるし、似合ってるなと思いますけど。
リュウタロスはね、ちょっと禍々しい感じの。憑いた時期的にもモモタロスとウラタロスのちょうど間みたいな」
やんま「そうそう、ゼロノスが緑だから、紫と赤青は補色の緑と対になるんだけど、キンタロスだけ浮いてるんですよね、そう考えると」
SONGEN「キンタロスはね、元々別の人のイマジンだったとか……まぁそこまでね、たまたま符合してるだけかもしれないけど」
やんま「いや、いや考えてると思いますよ?」
SONGEN「かなぁ? でも、男の子に人気の色ってあるじゃないですか。そういう意味で付けてるのもあるんじゃないかなとは。僕は『ビルド』は何も考えてないと思ってるから(笑)」
やんま「さっき『ビルド』の色ってまんま『電王』だなと思って。赤,青,金,紫……」
SONGEN「コラボしないかなとか言ってましたもんね、当時」
やんま「『ビルド』で緑はいないのか……」
SONGEN「『Vシネ グリス』の敵が緑っぽかった……あれはなんか、モスグリーンっていうか、ミリタリーチックな感じ」
やんま「そっか、それくらいか。基本フォームチェンジで緑ってなかった……カイゾクレッシャーか。濃い緑はなかったな、意外と……(※掃除機フルボトルがある)」

キャラのカップリング

SONGEN「(バカレッドについて)漫画っぽくすることで、一気に主人公力が上げるのかなみたいな。成長する主人公みたいな」
やんま「なんか戦隊は、最近はマンセーとかされてそうでもないのかもしれないけど、人数がいるから、役割分担っていうか……こいつはバカ担当、こいつは考える担当みたいな」
SONGEN「『デカレンジャー』で言うと、赤と青が一応「相棒」で繋がってるけど、バカ組は赤とピンク,バンとウメコで、かしこ組がグリーンとイエロー,センちゃんとジャスミン。でそうすると、ホージーあぶれちゃうんですよね。……と思ったら、デカブレイクが出てきて、先輩僕に嫉妬してるんじゃないですか? みたいな感じで」
やんま「ありましたね、青組で」
SONGEN「そういうカップリングの掛け合わせを変えられるのがうまかったなと。だから結構ホージーはおいしいポジションなんですよ、赤とも絡みがあるし、テツとも絡みができて。デカブレイクにも青いラインとか入ってたりするし。
「フェイク・ブルー」面白かったですよ。単体で見て、面白いなと思って。あぁいうつまんで見るのにちょうどいい」
 のーとさん参加
やんま「そうですね、僕ホージー……前見たときはあんま好きじゃなくて、でも今回見て結構見直したっていうか、かっこいいなと思って」
SONGEN「俺は戸増宝児なんだ! みたいな、姿が変わっても。あれもいいですよね」
やんま「デカレンジャーじゃなくなっても、怪物の姿になってもちゃんと正義のために戦うし、しかも結構優勢にまで持ってくっていう」
SONGEN「まぁなんか、トリックっていうかロジック? 相棒って言っちゃうみたいな、敵が。あぁいうのは小細工だなって感じするけど、お約束みたいな感じですよね。どっかで見たことあるような感じのする話だけど、そういうキャラクターを濃く出せる話。
あと基地が乗っ取られちゃうじゃないですか、あれもなんか面白いなと思って。やっぱ武力を行使してる訳だから、デカレンジャーも」
やんま「あのデカベースロボが暴走するのは、子供の頃うっすらと記憶があって……」
SONGEN「そうそう、俺も記憶あったんですよ。あの回だったのかなぁみたいな」
やんま「怖かった思い出が、ちょっと蘇ってきて」
SONGEN「中にちゃんと人がいたりとか。あとデカマスター1回負けちゃうんだと思って」
やんま「ブルーの体がどうなってもいいのかみたいな流れで」
SONGEN「デカマスター出てきたじゃんと思ったら、無敵なのかなと思ってたけど、結構ピンチでしたよね」
やんま「結構甘いですよね、彼は。あの5人に」
SONGEN「それは、言いますよね。……そんな感じで、戦隊で……まぁライダーもですけど、カップリングなんすよね。そこに注目し始めたのがその辺なのかなって」
やんま「『デカレン』辺り?」
SONGEN「っていうかちょっと前から……バカレッドも遡ればもっと、レッドファルコンとかもアカデミアの中では落ちこぼれの方みたいな。『ライブマン』の、つっぱることが男の……」
のーと「こんばんは〜。ちょっと前の話の流れが分かんないところもあるんですけど、カップリングっていう話になったとき。まぁ同性同士,異性同士で色々あると思いますけど、塚田さんの作品はそこら辺が、どの組み合わせでも割と面白くなるようにできてるのかなと思ったりします」
SONGEN「『W』とかも、そうだと思うんでよね。意識してなのかは分かんないですけど、やっぱり『相棒』っていうドラマが東映にある訳じゃないですか。そんなに詳しくないけど」
のーと「まぁバディもの、ですよね。一対一の関係じゃなくても、例えば『ゲキレンジャー』は塚田さんですよね。だからそういうところとか……キャラクター1個1個を立たせて、そのキャラクターだけの話じゃなくて必ず2人以上で絡めてくっていうのは、時期的なものっていうよりかはスタッフの方の影響なのかなって思ったりはしました。
ヒーローのキャラクター同士がライバル関係になったりとか、お互いに戦ったりって、『ハリケンジャー』の裏が『龍騎』だったりとか、その前が『アギト』だからそっちかなとか思ったりもするんですけど、でもよくよく考えたらスーパー戦隊の方がずっと前からそういうのやってるから。『アギト』とか『龍騎』とかは揉めてるけど、同族殺しって文脈があるからってだけじゃなくて、そもそもスーパー戦隊でそういうの前からやってたかなっていうのはあるかも」
やんま「追加戦士とは割と戦ってるイメージ……まあま2000年より前のは分かんないけど、タイムファイヤーも狼鬼も戦ってたし」

SONGEN「実はあんまり赤と青が絡んでる戦隊ってあんまりイメージがないみたいな話があったじゃないですか。最初から言うと、宮内洋アオレンジャーじゃないですか。元々あの人はヒーローやってて、『ゴレンジャー』の青やってくださいってなったときに、なんで俺が二番手なんだよみたいな感じになったらしい……まぁそれも尾ひれついてるかもしんないけど、言いそうじゃないですか。そこで平山Pかな、が説得したのが、赤が宮本武蔵で青が佐々木小次郎のイメージなんだみたいな。だから並び立つ2人の……まぁ俺『ゴレンジャー』未見だから雑語りになっちゃうけど」
やんま「僕もWikiで読んだかな、その話は」
のーと「実際、アオレンジャーの紹介っていうかOPでキャストの並びって一番最後ですもんね。ナンバリングとしてはアオレンジャーが2番だから12345っていけばいいはずなのに」
やんま「実際つまんで見てても、アオレンジャーだけ結構浮いた活躍してたりとか……」
SONGEN「なんかマシン乗ってたりとかするのは、やっぱり別撮り? 他ので忙しかったから」
やんま「あーそういうことなのかな。機械担当っていうか、他の人と別行動してることが多くて」
SONGEN「ズバットととかもね、赤だし。その代わり、V3,ズバット,アオレンジャー並ぶと結構綺麗なんですよね。俺は三浦参謀長官のイメージなんですけど、『オーレンジャー』の。
……そもそもそこから始まってるから、それ以降どっからか分かんないけど『サンバルカン』とかからか? 3人とかになっちゃうと、赤とその他みたいになっちゃうじゃないですか。……なってんのか分かんないけど。
ジェットマン』は、『ガッチャマン』のあれもあるのかなとは思うんですけど」
やんま「へー、これ5人なんだ。知らなかった」
SONGEN「白いリーダーがいて、コンドルのジョーがいて、紅一点がいて、後はなんかちっちゃい子供みたいなのと大きい人みたいな、デコボコ感」
やんま「なんか『パーマン』みたいですねって言おうと思ったけど、あれって戦隊より前なのかな? (調べながら)1967年ってことは、ライダーより前か。ライダーは'71年ですもんね。じゃあ『パーマン』の方が先なんだ、へぇ〜」

SONGEN「さっき言った『カクレンジャー』とかだと黄色とか青のイメージが、好きだったけど薄くて。最初は赤青で始まるんですけど、あの2人が封印説いちゃって、妖怪の。白とブラックも親の因縁があったりとか……」
のーと「『カクレンジャー』は……赤と白と黒のドラマが強いから……」
SONGEN「思い返してみると、黄色と青がその他のバカの2人みたいな。そっから……なのか分かんないけどだんだん多分そこを、あぶれちゃう2人を組み合わせて目立たせていこうってしたのが、多分……『タイムレンジャー』かなぁ? 緑と黄色が兄弟っぽい感じでいるじゃないですか。その前の『ゴーゴーファイブ』だったら兄弟戦隊だし、『ギンガマン』は炎の兄弟がいるじゃないですか。あぶれ者同士を兄弟扱いで一緒くたに描いちゃう。『ガオレンジャー』になるとそれを踏襲したか分かんないけど、「二人でネバギバ!!」っていう青とブラックの回があるんですよ。そんな感じで『ガオレンジャー』だと、黄色が赤にサブリーダーとリーダーのポジションだったりして……(あぶれるキャラをなくすために)ついには3人戦隊になるみたいな」
やんま「3人って『サンバルカン』と『ライブマン』があったぐらいで、そっから『ハリケン』までないんでしたっけ。なんか『タイムレンジャー』のスーパー戦隊特集みたいなの(Case.File51)で、『サンバルカン』が唯一の3人戦隊って言われてて。『ライブマン』は追加されたから3人じゃない扱いなんだと思うんですけど」
SONGEN「そう、50何話もあるけど、描ける人数って結構限られてるって印象があって。まぁでも『ハリケンジャー』も『アバレンジャー』も結局5人になりましたけどね。追加戦士って文化が発生したから」
やんま「そっか、じゃあずっと3人だけなのは『サンバルカン』だけなのか」
のーと「『ハリケン』は3+2のフォーマットに近いですよね。てかあれが初めてですけどほぼほぼ。まぁ『ライブマン』も3+2ではありますけど……『ゴーオン』はモロ『ライブマン』のあれですけど、色もそうだし。
ゲキレンジャー』もそうなんだよな。レンジャーキーがあるからとかないからとかそういう話以前の問題として、スーパー戦隊のナリはしてないけど3+2ですよね、あれは」
SONGEN「あー、リオメレか」
のーと「でも『ゲキレンジャー』はもう一歩……いや違うな、『ハリケンジャー』と同じなのか。ひと番組2戦隊みたいな感じ」
SONGEN「『ルパパト』の原型の原型みたいな感じ。"赤青"に沿ってるか分かんないけど(笑)」
やんま「まぁゴウライジャー赤青だしいいんじゃないすか?」
SONGEN「そういう工夫の中で……赤青で組み合わせるんじゃなくて、描き方のひとつとしてそういう手法が確立したんじゃないかなと思って。それを色濃く出したのが『デカレンジャー』とかだったりするんじゃないかなと。まぁ『タイムレンジャー』もでも、やっぱりそこはエポックだと思うんですけど、結構。どこまで自覚的だったかはあれだけど」

ポケモンの赤青

一番手が赤
響鬼のマジョーラ
 イゴマスさん参加
ボーイミーツおじさん
ヒートトリガー
 セイバーを見守るワンダーワールドさん(以下WW)参加
響鬼ライダーのデザイン

暴走の赤

イゴマス「赤と青についてで、いま私ウルトラマンシリーズの『大怪獣バトル』シリーズというのを見てまして、絶賛履修中ってかんじなんですけど、これに出てくる……そもそもまずウルトラマンって赤いじゃないですか。その一方で、この『大怪獣バトル』シリーズに出てくるラスボス的な宇宙最強の宇宙人みたいなのがいるんですけど、そいつが青系の宇宙人なんですね。この最強の宇宙人レイブラッド星人は遥か昔に生きた存在で、今は肉体が滅んでて精神帯になってるって設定なんですけど、その後継者探しをするのがこの『大怪獣バトル』シリーズっていう怪獣使いの力を各宇宙人が引き継いで戦わせあって、最強の怪獣マスターがレイブラッド星人の後を継ぐみたいな設定なんですけど。
地球人の怪獣使い代表がこの作品の主人公で、中でも特にレイブラッドの血を色濃く継いでる感じの人で、レイブラッドっぽい姿に変身する能力があるんですね、地球人なのに。そいつが、レイブラッドがが青ということで青い姿に変身するんですよ。ただそれが暴走すると、赤くなるんですね。だから逆にウルトラマンに近い色になってるんだけど、その実態は暴走して暴れまわるっていうのはなんかちょっと、ウルトラシリーズから見ると逆転的で面白いなと思いながら、DVD見てて。
平成ライダーとかでも赤と青は結構対比的に使われてることが多いと思うんですけど、赤か青の片方が正義で、もう片方が暴走形態もしくは悪として直球的に扱われることってあんまりないイメージがあるんですけど、どうかなって思って。赤いやつがいいやつ、青いやつが悪いやつ……もしくは、青いやつは冷静で正義の味方、赤いやつは悪役、みたいな。あんまりこういう直球の分け方することがライダーシリーズはないのかなという風にちょっと思ってたんですけど」
WW「プリミティブって青でいいんですかね? ちょっと緑っぽいけど」
イゴマス「そうですね、水色的な。確かにセイバーのプリミティブはそうか、青が暴走で赤くなったら正義の心みたいな」
WW「どちらかというと白に近い気は……」
イゴマス「暴走形態は多分ウルトラよりライダーの方が遥かに多いと思うんですけど、暴走形態を色で表すとなるとクウガの目の色くらいしかパッて浮かばないなと」
やんま「あー、そっか。あれもでも赤は正常だもんな」
イゴマス「赤が正常で黒が暴走……まぁ黒が悪いやつはなんとなく分かりやすいかなと思いますけど」
やんま「バーニングフォームが若干暴走したぐらい?」
イゴマス「あー。ただあれも別に正常になったから色がクールになったとかって訳ではないですよね」
やんま「それはないですね。まぁ白くなったりするけど(荒っぽかったバーニングのアクションが、シャイニングになるといつもの姿勢正しいスタイルに戻る)」
WW「暴走すると全体の色が変わるってのがまず珍しかった印象……」
イゴマス「暴走専用形態みたいなのがそもそもない」
WW「エレメンタルも見たとき、そういえばこういうのなかったような気がするなって思ってた記憶が」
やんま「……暴走ではないけど、熱血の赤,クールな青ってことで言えば電王とか?」
のーと「それこそあれじゃないですか、友達ロボット イゴマスのウルトラマンコスモスは、ブチ切れると赤くなるじゃないですか。コロナモードになって……っていうところもあるのかなって」
SONGEN「あれはなんか冷静と……」
イゴマス「優しさと強さ……ですよね。力づくというか」
やんま「太陽と月の」
のーと「コスモスで思い出したけど、カオスウルトラマンのカラーリングはコスモスと逆になるのか」
WW「ジードの目の色は、確か赤と青で暴走……一応ウルフェス限定ではあるけど、そんな使い分けがあって」
SONGEN「目はなんか、表しやすいですよね。ミラクルワールドのバーニングフォームとか。赤目ってでも……あれもそうじゃないですか? 永夢が……」
やんま「あー、生身の」
WW「確かブレイブも目が赤くなりましたよね、暴走したときに。初めてファンタジーゲーマーに変身したときに」
やんま「ありましたね」
イゴマス「ポッピーも確か悪いときは赤で、味方だったら青ですよね」
SONGEN「だからやっぱ、デジタル的な存在は……分かりやすいんだと思いますよ」
やんま「信号機のイメージなのかな? 赤が悪くて、青がいい」
SONGEN「そうですね、信号機は近いかも。危険……色のイメージの話もします?」
やんま「さっき出たとこだと、赤は情熱,青はクールみたいなのがありますけど、『カブト』は逆ですよね。クールな赤,パッションの青……まぁ目の色が逆になってたりするんですけど。カブトが青い目で、ガタックが赤い目で」
SONGEN「ガタックは赤い目だから結構、熱血なイメージ残ってる」
やんま「『カブト』における青は、青二才的なニュアンスもありますよね。天道……が作中で言ってたのかな、"青いな"って」
のーと「言ってましたね(「友情とは、友の心が青くさいと書く」)」
SONGEN「あれはもう、多人数ライダーで色をパキッとしようとしたんだとは思うんですよね。別にカブトムシに赤のイメージ、特にないじゃないですか。まぁカブタックとかその辺のあれはあったけど」
やんま「色のイメージで言うと、最初に出てきたカリスは、赤いけど風属性っていうのがなんか珍しいなと思って。まぁ赤ってだいたい炎と結び付けられがちだからだけど、赤で風属性ってなかなかいないなって思った……んだけど、戦隊は意外とレッドがトリになりがちだから、風属性っちゃ風属性なのかなと思って(ハリケンレッドとか)。……色と動物のイメージって話題があったんで、触れとこうかなって思って」
SONGEN「それで言うとガオレンジャーのイーグルが、黄色でサブリーダーって珍しいなって思ったんだけど、ガオキングになると一番上が黄色なんですよね。尾羽が王冠みたいになって。だからあの配置は、ブラックが下から支えててみたいなイメージはあるのかなって」
やんま「ゼンカイガオーンも黄色ですしね」
SONGEN「遡ると、バルイーグルは夕日のイメージありますよね。青いサメも……見たことないけど、海だから? ランドスタイル黄色みたいな、で陸海空じゃないですか」

仮面ライダーの赤い目

イゴマス「ちょっと前の話掘り返すんですけどいいですか? 目の色の話がさっき出て、なんとなく赤が情熱系……或いは危険っていう色という話があったと思うんですけど、一番最初に石ノ森章太郎先生が仮面ライダーというもののデザインをつくったときに、目の色に赤を選んだのがすごいなと、いまふと思いまして。
それまでって多分どのヒーローも、アメコミ系の影響を強く受けてると思うんですけど、目が赤いヒーローはアメコミでもなかなかいないんじゃないかな?」
SONGEN「今思いついたのは、デアデビルくらいかな」
イゴマス「デアデビルは体の色が赤い……まぁ目が見えないですもんね」
SONGEN「色付きサングラスみたいな」
やんま「赤……じゃなくて、何色の目が多いんですか?」
イゴマス「そもそも目が、あぁいうでかい目っていうのがだいぶ独特なところがあって。日本人が参考にできるヒーローって言うと当時……ゴジラがいてウルトラマンがいて、まぁ月光仮面がいるくらいまでがせいぜいだと思うので、黒とか白系の目にするなら分かるんですけど、石ノ森章太郎先生が描いてる仮面ライダーって確か最初からだいぶ赤かったと思うんですね。バッタがモチーフのヒーローで、バッタの目も当然黒いので、なんでいきなり赤い目を真ん中にドンと据えたんだろうと、ふと気になった」
やんま「……まぁ緑に赤はすごい映えますよね、目立つっていうか(補色だから)。なんで赤なんだろう? クロスファイヤー(仮面ライダーのボツ案)……があるから?」
SONGEN「暗闇に映えるとかそういうのもあったかもしんないですね」
やんま「そっか光るのか、複眼が。でも別に赤く……ピンクに光るのか」
イゴマス「最初はピンク系ではありますね。ただ、その前にスカルマンみたいな前身がある訳じゃないですか、仮面ライダーのデザインには。最初は骸骨から始まって、そこにバッタの要素を付け加えて……突然目が赤くでっかくなって、国民的ヒーローになっちゃったみたいな。石ノ森章太郎の絵を見ると実写ほどピンク色は少なくて、多分最初から赤い目を意識してたんじゃないかなぁと思うんですけど、どっからこんな巨大な赤い目が出てきたんだろうと」
やんま「(調べながら)スカルマンの目も赤いっすね。クロスファイヤーも赤くて十字(でかい)だし、赤い目ってのは最初から決めてたのかな、じゃあ。なんでなんだろう……やっぱ復讐に燃えるみたいなイメージなのかな」
イゴマス「ちょっと石ノ森章太郎流の赤のイメージは、気になるところですね」
やんま「サイボーグとかは、赤い服着てましたよね」
イゴマス「『サイボーグ009』とか『ゴレンジャー』の赤とか……でも赤自体がヒーローの色っていうのは、ウルトラマンが先輩としていたんで分からなくもないんですけど、目が赤ってだいぶ……充血みたいなどっちかっていうと悪いイメージが浮かびやすいので。やっぱいきなり赤い目をドンと据えたのはすごいな、やっぱ天才の発想なのかなみたいな」
やんま「考えたことなかったなぁ」
イゴマス「地味に青い目のライダーって、カブトの前……G4とかか」
SONGEN「あーG4悪いイメージありますね」
イゴマス「あとは仮面ライダーナイトか。あいつも一応目ありますからね、青く光る……オープニングだけ光るみたいな。だから平成に来るまで青い目って、まぁそもそも赤い目が仮面ライダーって昭和の時代は紐付けられちゃってて、緑色のシャドームーンが限界だったと思うんですけど」
やんま「平成ライダーは赤い目多いですね……青い目は本当にカブトとビルドくらいかな、主役だと。左右で違う(オッドアイ)っていうのも、斬新ですよね」イゴマス「そこはビルドでかいところ……Wから更に一歩踏み込んだ……」
やんま「パラドクスもね、左右で違いましたけど。だからもう完全にパラドクスとビルドはそっくりっていうか、『平ジェネFINAL』でも言われてたけど」
SONGEN「その前にキカイダーとかもね、あるかもしんないけど」
やんま「キカイダーって目……あれ赤い?」
イゴマス「目は黄色……かな? 目が黄色い先輩も一応ウルトラセブンとかがキカイダーから見ても先輩に当たるはずなんで」
SONGEN「パラドクス、本当は2人変身者がいるとかでしたっけ? 最初は」
やんま「へぇ〜知らないそれ……でもなんかちょっと聞いたことある気もするなぁ」
SONGEN「パラドの混ざる前のやつ結構好きなんですよね、デザイン的に。でもなんか結局パラドってなると青の方になっちゃったじゃないですか」
やんま「あぁ、パラドも青がメインで赤がサブっていう(珍しい例ですね)」
SONGEN「あー、でもそれはなんかなっちゃったって感じがする。結局混ざってみたいな……だからあんまり99の方は好きじゃなくて。……でビルドですよね、俺前ちょっと"はしたない"って言ったけど。赤と青混ぜちゃって……みたいな。
そもそも『ビルド』って、武藤さんが来るまでの前の話が一回白紙に戻ってるって大森さん言ってて、元々何でも対応できるようにおもちゃのデザインは考えてたんですって。だから放っとくと、動物モチーフをつけたがるらしくて。フルボトル……成分みたいにして理由付けてはいるけど、結局動物,無機物である必要ってないじゃないですか……あれって結構おもちゃ先行で。さっきまで固体気体の話もされてて(※1)、スチームパンク風のファウスト組とかね、デザインかっこいいんですけど。そんなに意味付けは多分、後付けなんだろうなって」
やんま「動物はモチーフとして出しがちですよね」
SONGEN「最近もうホントに節操なくやってますよね。『リバイス』も……『セイバー』はやってないか、『セイバー』は結構属性タイプでしたけど、『ゼロワン』もそう」
やんま「戦隊の方法論なのかな」
WW「全員、動物のイメージはありますね。令和ライダーは全員。ブレイズが一応ライオンカテゴリに入りますし。子供に親しみやすいですよね、やっぱり動物が」
SONGEN「そうそう……『リバイス』も、パワーアップ形態が属性になりましたからね」
やんま「なんだっけ、サンダーゲイル? 僕黄色好きなんで、カッコいいなと思いましたけど(笑) オクトパスライトみたいな色で」
SONGEN「それこそ節操ないなって思いましたね、めちゃくちゃ色混ざってるし。リバイスも赤青っちゃ赤青ですよね」
やんま「そうですね。最初の情報解禁……映画のポスターの時は、バイスが青い方で映ってて、赤青コンビって風に見て欲しいんだろうなって思いましたけど」
SONGEN「『ビルド』は2号ライダーも青いじゃないですか。あ、その前に万丈のドラゴン、イメージめちゃくちゃ問題もありますけど」
やんま「めちゃくちゃ問題?」
SONGEN「キックのとき背後に出るのは東洋風の青龍なんだけど、クローズドラゴン,変身アイテムは西洋風」
やんま「あー、そうですね。腹がでかいドラゴンっぽいですね」
SONGEN「キャッスルドランタイプのね。お前ホント適当だなみたいな(笑) ……なんか元々バディもので、赤青でやるつもりでビルドも赤青だったのかな? と思ったら合体したら、金銀のもありましたよね。あの辺、どう思います? 元から合体するつもりで青だったんですかね、クローズは」
やんま「いやーそれはだって『Be The One』だから……合体するんじゃないすか? そりゃあ(笑)」
WW「最終フォームの候補だったっていうのは聞いたことありますね、クローズビルドフォームは」
やんま「納得感はありますよね、最終フォームって言われても。あのーなんだっけ、キービジュアルでも、クローズの情報何も出てないのに載ってたし。まぁ大きなお友達はみんな知ってたと思うけど」
WW「あれ、後ろ姿しか映ってなかったのっては、まだベルトが完成してなかったんですかね? 後ろだったらクローズドラゴンが映る必要もなかったんで、まだ開発中だったから……」
やんま「あー、なるほどね。それはあるかもしれない。サウザーの目が変わったりして、結構変わることは割とあるっぽいから。
あ、サウザーの目の話もちょっとしたかったんだ。あれも青目で、紫になったんですよね。ネタバレのカタログでは、だから多分設定の段階では水色の目だったんだけど、本編では紫だったよねっていう」
SONGEN「それは覚えてないっすね……。サウザーはもうなんか、いやらしい金みたいなイメージ」
やんま「あー、まぁまぁちょっと分かる。けど、ムテキ見てたから全然僕いい方だなと思っちゃった」
SONGEN「ムテキは……バカの金ですよね」
やんま「めちゃくちゃ下品ですよね」
SONGEN「いやあれは俺好きなんですよ。バカの金……子供が好きそうな、キンキラキンみたいな」
やんま「サウザーは銀が差してあるから、結構……」
SONGEN「大人しめには見えますよね。でも成金的なイメージは持ちやすいのかな?(デザイナー曰く)」
のーと「サウザーおもちゃ屋さん向けのカタログだと、目が青いのもありますけど銀色の面積も大きいですよね、黒い部分がない」
やんま「そうそう、なんかちょっと印象が違うんですよね」
のーと「本編に出てきたサウザーの方が、悪者っぽいですよね」

※1

セイバーVシネ
ほっとかれがちなブルーと4番手なブルーン

ビルドの戦争描写

やんま「『ビルド』の話します? 戦争の……のーとさんも仰ってた、結局宇宙人が悪いで良かったのかって話」
SONGEN「俺、それはずっと思ってますけどね」
のーと「ニチアサとしては全然OKだと思う。単純明快だし、話締める4クール目で仮面ライダーが全員協力して悪いやつをやっつけてっていうのは。分かりやすいし面白いし盛り上がるんですけど……」
SONGEN「あーそれ。下手したらニチアサの都合だからそうなっちゃったみたいに言われそうだけど、俺は単純に武藤さんが落としどころ見つけられなかっただけだと思います、それは」
WW「っていうよりは、個人的には大森さんが多分とりあえず黒幕を出して、敵味方団結させて黒幕を倒すって展開が好きだからって感じしません? 大森さんの作品ってだいたい、正義と正義が戦ってる最中に黒幕がでてきて、ちょっとなんかその話はなかったことになるみたいな印象は」
SONGEN「フォーマットができつつある。紫は敵かと思ったら寝返ってくるみたいな」
やんま「(黒幕枠は)蛮野,クロノス,エボルト,アーク……」
WW「セイバーも一応マスターロゴスいるんですけど。僕的にはマスターロゴスも彼なりの正義を持って欲しかったっていうのは、個人的な心残りではあります」
SONGEN「あー、そういう人もいるんだけど、俺マスターロゴスはあれでいいと思うんですよね。むしろなんかポッと出のストリウスがラスボスになっちゃったんだって思ってましたね。なんか対比うまくできたかもしんないけど、飛羽真と。でもなんか元々ラスボスの予定ではなかったですよね、多分。……そういうところは好きなんですけど。話が追ってく中で変わってくのは好きなんですけど。
でもエボルトが宇宙人なのはでも決まってたじゃないですか、きっと」
のーと「だったら、最初の設計からして問題があったんだろうなって思います。まぁ『ビルド』は、戦争って色々ありますけど内戦ですよね、取り扱ってるのは。内戦が始まるにあたって裏で糸を引いてるやつがいるっていうのはまぁよくある話なんで、別にそれはそれでひとつアリかなって思うんですけど、でも韓国のファンの方々からご意見をいただくやつとかっていうのは、まさに内戦の当事国であるところの人たちから見れば、そう……当然見えるだろうし。
で、『ビルド』がやってる前も後もだけど、シリアとかイラクとか。まぁイエメンとかもそうなのかな、要するに世界中でそういうことはやってる訳じゃないですか。"昔あったこと"とかじゃなくって。
今回まぁ、たくさんの子供が見る……人によっては、僕はあんまりそうは思わないけど、教育番組であるってことを言う人もいるじゃないですか。っていうことが求められる番組の中で、内戦を1クール目から3クール目辺りまで主要な仕掛として取り扱うってところで、ちゃんと、もうちょっと考えてやらないといけなかったんじゃないのかなと、やっぱり思うんですよね」
やんま「なんかでも、エボルトって明言はされてないけど、めっちゃ人工……生物じゃないですか?」
SONGEN「そうですか? 俺それは初めて聞いたな」
やんま「僕割と……前からちょくちょく言ってるんだけど、未来から来た人間が作った科学の終点みたいな存在なんじゃないかなと思って。(公式としては)絶対どこでも言われてないと思うけど、でもしかしたら小説でやるかも知んないけど」
SONGEN「あー、そう落とせばうまくいくってことか」
やんま「そう、エボルト個人がっていうか、ブラッド族自体が……って僕は思ってるんですけど」
のーと「僕は単純にプレデターみたいなやつだろうなって」
SONGEN「あと俺『ビルド』の良くないところって洗脳を軽々しく使うところがね。洗脳ってズルじゃないですか、顔変えるのもズルだけど。あれがね……面白くない、本当に。おちょくられてる感が。
洗脳ってストレスかかるんですよね、視聴者からすると。なんか率先して使う設定じゃないなと思ってて。簡単にカズミン操ってデータ持っていったりとかするじゃないですか」
やんま「あーあったな、そっちか。難波重工とかじゃなくて」
SONGEN「パンドラボックスの光もそうだけど、それもうトリックとかご破産になるじゃないですか。そういう謎引っ張りでやってる割には、うまい設定……適当な設定で誤魔化してるところが」
やんま「そうですね、昨日今日見返してたけど、そこ適当なんかいみたいなところ結構あったかな。
僕がさっき言ったエボルト未来から来た説っていうのは、まぁモチーフが蛇と龍でウロボロス的なニュアンスがあるからっていうのもそうなんだけど、ベルナージュのことを戦兎が人工知能って言ってたんですよ。でも人工知能……ってことなくない?と思ったんだけど、(脚本でわざわざその表現を選んだということは、単なるミスリードではなくて裏設定を匂わせてる可能性があるので)仮に人工知能だとして考えてみたら、未来の科学が発展してどうにもならなくなった地球人が、火星……すごい過去の火星に移住してきて、文明を築いたのがベルナージュたち火星の民で(場合によってはこのとき既に今と同じ形の人類は滅んで人工知能だけの社会になってて、それなら確かにベルナージュは人工知能ということになる)、エボルトたちは追放されたんですよ、宇宙のどっかに。
なんでそう思ったかって言うと、ベルナージュが手貸し過ぎなんですよ」
SONGEN「あれはだから、ご都合……ご都合さんですよね(笑) ベルナージュの名前がその後出てきてないんですよ、死んでから全く出てこない」
やんま「そう、都合がいい。ベルナージュは地球……なんか別に関係ねーじゃんって話なのに、なんでそんな力を貸すかって考えると、多分ブラッド族を生み出した負い目があるからなんですよ、戦兎たちと一緒で」
SONGEN「今の話聞いてると『ゴースト』っぽいなって思いましたけど」
やんま「そうそうそう、多分絶対『ゴースト』意識してるんですよ、『ビルド』は」
SONGEN「いやしてない……多分大森さんは『ゴースト』とか眼中にないと思う、本当に」
やんま「そんなことないですよ、だって『ゼロワン』も『ゴースト』じゃないですか、めっちゃ(ゴーストも意識をデータ化,AI化する話だし)」
SONGEN「それもなんか分かんないんですよね……」
やんま「あの……眼魂島。映画『100の眼魂とゴースト運命の瞬間』見たんですけど、この間。眼魂島が宇宙にふわふわ浮いてて……だから目玉ですよ。目玉が宇宙にふわふわ浮いてて(地球を見てる)って絵面が、完全にゼアじゃないですか。ゼアもあれ目玉……でしょう?」
SONGEN「え? あー、そういうこと?」
WW「あー、うーん、まぁ確かに目っぽいかたちはしてますね」
やんま「あ、あれが目玉っていうのは『2001年 宇宙の旅』みたいな、カメラ(目)がAIの象徴みたいなニュアンスがあるからなんですけど。あれも」
のーと「それは、あると思います」
やんま「(人間をじーっと観察している)1つ目のカメラがAIの象徴みたいなニュアンスがあるから、ゼアも」
SONGEN「いやだからそれは、そういうSFのひとつじゃないですか? 『ゴースト』の意識かどうかっていうとちょっと微妙かな」
やんま「あー、そっか。それはそうかな」
SONGEN「(『ゼロワン』は)どっかで見たことあるような展開が多いんすよね、だから。だから面白味がないっていうのもあるし、設定がご都合主義すぎるとかあるし。
……戦争もね……時節柄、戦争の話になるのかな」
やんま「そうそう、エボルトが本当に外からの侵略者だと、なんかテーマ的に成立しないっていうか」
SONGEN「成立してないんですよ、あれは」
やんま「そうだから、そう考えるとおかしすぎないですか、だって。制作陣何考えてんのって話になるから、あんまりそういう解釈好きじゃないんですよね。あんまり制作陣を低く見過ぎるっていうのは」
SONGEN「なるほどね。今やっとなんか、やんまさんのことが分かりました(笑)」
のーと「僕も気持ちとしてはやんまさんと同じなんですけど、『ビルド』のその部分に関しては、多分駄目だったんだろうなって思って」
SONGEN「俺はとっくのとうに見限っちゃったから、もう」
やんま「小説……でやるのかな? でもなんか、今更って感じもするし」
SONGEN「後付け、後付けですよ」
のーと「いや、されるべきでしょ。時節柄ってSONGENさんのあれが出ましたけど、全世界的なそういう……何が良くて何が悪くてっていう、そういう価値観を揺るがす事件っていうのがありますよね。それが日本だけに関わるときもあるし、世界全体に関わることもあるけど、例えば9.11があって『龍騎』があって……っていうのは有名なところじゃないですか。っていうところに、子供が見る良いやつが悪いやつを倒すっていう番組とか、それに伴う小説みたいなコンテンツ全般ですよね、っていうところが真摯な応答をしないっていうのはありえないことだと思うんですよ、僕は。そうした方がいいんじゃない? じゃなくて、しなければならないとすら思う」
SONGEN「ここへきて本当に、『ビルド』のことはもう一回考えた方がいいと思いますね」
のーと「だからもう、『ビルド』の小説は何年延びてもいいからちゃんとしたのが読みたい。ちゃんとならないかもしれないけど、でもとりあえず期待するだけしておきたいなって思う」
SONGEN「あー、でエボルトのモチーフで言うと、俺ちゃんと見てないけど『家族ゲーム』にあると思うんですよ」
のーと「あー、櫻井くんのやつ」
SONGEN「あいつも、なんでも超人みたいな感じで立ち回って暗躍してみたいなやつなんすよ。家族をね、混乱させて。そこで、これは本当に俺の妄想になっちゃうけど、武藤さんがそこに万能感を得て、メアリー・スーとか言われてるエボルトを生み出して、とりあえずめちゃくちゃにして、オチ付けられませんでしたで終わったのが『ビルド』だと思うんですよ。僕の中では。
まずなんか、仮面ライダーを兵器として扱ったのも『ビルド』が許せないところのひとつではあるんですけど。多分その辺はアメコミとかからきてると思うんで。『アイアンマン』がね、ひとつあると思うんで」
やんま「あー、アメコミの話全然しませんでしたね。スパイダーマンの話とか出ると思ったのに。赤と青ってアメリカの色じゃないですか、割と」
SONGEN「『アベンジャーズ』で言ったら赤と青……キャプテン・アメリカが実質アベンジャーズのリーダーっぽいけど、MCUの始まりで言うとアイアンマンからで、そこも同率みたいな感じでうまくいってる。
『アイアンマン』意識は多分あったんだろうなと思います。それは大森さんかなぁ? 映画好きらしいから。『ドライブ』は『ナイトライダー』でしたっけ?

……でなんか『ビルド』で一発限りのネタかなって思ったら、仮面ライダーは兵器,商品ですみたいなのがあったと思ったら、天津垓も同じこと言ったなみたいなのがあって。まだそれ言うんかいみたいな
やんま「まぁ、それはあったかな」
SONGEN「それでいいの? って。そこからのフォローがないんですよね、だから。兵器で終わっちゃってる気がする、兵器じゃないよみたいなのができてない」
やんま「え、それは『ビルド』は結構、しつこくやってませんでした?」
SONGEN「あー、言うだけ言ってるって感じ。でも、適正に使われてるかどうかは微妙じゃないですか? あー違う、『ビルド』の嫌いなところはだから、結局独りよがりなんですよね、戦兎が。マスクシャに代表されるように。ラブ&ピースって口だけで言ってるだけみたいな、それを鵜呑みにしてる視聴者も結構多いと思うけど。ラブ&ピースって言ってればいいみたいな……それは『3年A組』でもそうだけも。ネットの書き込みでお前ら適当なこと言うなって言ってるだけ。投げかけっぱなし。それをうまく話の中でまとめきれてないっていうか、支持されないまま終わってる」
やんま「支持されないまま?」
SONGEN「周りから理解されなくていいんだけど俺は正しいことやってるんだみたいな、のが多分ある。そこが……オチてない、話として」
のーと「その……言うだけじゃなくって、それがちゃんとかたちになってうまくいく感じになったらいいかなって思ってたんですけど、最後全部創り直す感じになっちゃったんで」
SONGEN「そう、だからね。勝手に神様になってる」
のーと「エボルトにめちゃくちゃにされちゃった元々の世界っていうのがあるじゃないですか。めちゃくちゃになってもうどうしようもないんだけど、そのどうしようもないところからちゃんと創り直さないといけないのが本当にやらなきゃいけないことなんじゃないの、とは思うし。それを頑張ってやっていくための心がけって言ったら、まだちょっと全然駄目かもしれないけど、口だけの部分を口だけじゃないところにしていきたいねっていうのは、そうするしかなくないですか?」
やんま「うん、そこは……なんでもそうっていうか」
SONGEN「……『クローズ』なんか嫌われがちですけど、こんな後付け要らないみたいな。だから先の戦争でみたいな、元々の地球で救われなかった人がいるって描いたのは、真摯だったなと。そこはめちゃくちゃ、俺は評価してるんですよ」
やんま「そうそう、だからエボルトが味方になるって展開……」
SONGEN「そこは本当にただキャラクター動かしたかっただけ、エボルト万丈のコンビをつくりたかっただけだと思う」
やんま「エボルトはだから、さっきの解釈(笑) でいくとそこは結構納得行くっていうか。ずっと人間に対して、お前らこっちの破滅の道に来るんだろ? 行くんだろ? っていうのを試してる訳だから。(そのバッドエンドに)いかないんであれば、それはそれでじゃあ協力していいよみたいなスタンスなんですよ、多分あいつは。いかないことを願ってる……願ってもないんだけど別に」
SONGEN「うーん、じゃあやっぱ小説で帰ってくるべきなんですかね、エボルトは。帰ってきて、で倒すだけじゃないってことですよね、だから。エボルトと決着つけろよって声が多いけど、やっぱり」
やんま「そう、いやうーん。それはどうなんだろうな?」
SONGEN「エボルトの出自を明らかにした上で、人間の業というものは何かを描いて、これから私たちはどうするべきなのかを提示して、それでやっと初めて完結するってことですよね。『ビルド』は」
やんま「倒す……倒す可能性はあると思うけど、全然。人間の"有り得なかった未来"として倒すんですよ、『電王』のカイみたいな。破滅に行く未来はないよってことで、その未来の象徴としてエボルトを消して、だからエボルトが生まれない世界を創るっていう。っていう意味で倒すっていうのはあり得ると思うけど」
SONGEN「あー、子殺し的なことですよね、だから逆に。それは綺麗かもな、確かに」
やんま「まぁ共存エンドも全然あると思うけど。いや(エボルトという"人格"との)共存エンドは……微妙だな、分かんないけど」
のーと「僕は共存エンドの方がいいとは思う。あぁいうエボルトみたいなやつっていうのは、いて欲しくないけど、いるんですよね。まぁあそこまで規模の大きいことするやつってのはなかなかないないけど、現実の世界に。でも大なり小なりそういうことするやつっていうのはいて。それを脇に除けてっちゃうのも、選択肢としてはアリなんだけど、でも大体の場合そううまくはいかないし。なんとか同じところでやってかなきゃいけないから……っていうのをフィクションの中のお話だけど、できたら希望のある終わり方なのかなって思う。戦争を取り扱ったからにはっていうのもあるけど」
やんま「あー、そうですね。そっか"戦争"ってことを考えると、相手を滅ぼして終わりじゃ駄目かな」
のーと「そううまくはいかないけど、でもこいつヤだなって思ってても、とりあえず一緒にいてっても良いかなぐらいにはオチてくれると嬉しいかなとは思います。あ、だからそれも含めて『Vシネ クローズ』ちょっと好きかもしれない」
SONGEN「生き返ったことがね」
のーと「お前が生き返っていいのかって気持ちはあるけど、まぁいるからにはしょうがないからいさしてやるか、ぐらい」
SONGEN「これどんだけ知られてるか分かんないけど生き返らせたのは大森さんであって、武藤さんはえぇ? みたいな感じだったんですよね。俺は商業的にエボルトを生き返らせたんだと思ってますけど、もしすごいちゃんと考えて映画も読み込んでメッセージを受け取ってる、で自分でも発信していきたいとと思ってる人であれば、エボルトを生かした上でちゃんと落としどころを考え直そうって気だったなら……同盟執筆ですもんね、大森武藤。やってくれるんだったら俺はもう、そのときは手のひらをジクウドライバーのように返します(笑)」
やんま「あーだからそう、僕『ビルド』の感想記事でも言ったけど、あの世界で一番悪いのってエボルトじゃなくて難波なんですよ。あいつはパンドラボックスの光とかなしで難波チルドレンとかいうやばいことやってるやつだから(※スカイウォールは10年前だが27歳の紗羽が子供の頃からやってるはずなので、確実ではないがそうかも? ぐらい)」
のーと「普通にやばい」
やんま「あいつみたいなのがいるから、未来でエボルトが生まれてっていう話だとするなら、一番やばいのは難波で、あいつをなんとかしなくちゃいけないんですよ。……で、それをやったのが『ゼロワン』だから。難波を天津にすげ替えて」
のーと「あー、そう読めばそういうことにはなるのか」
やんま「だからエボルトは人工知能アークですよね、まんま」
のーと「これ、監修とかじゃなくって本当に「武藤将吾 大森敬仁」なんだな」
SONGEN「『ドライブ』も書いてるんでしたっけ、大森P」
やんま「『ドライブ』はそう、一人で……長谷川さんが監修でしたっけ」
のーと「そうですそうです。だからプロデューサーと脚本家でどっちか監修とかじゃなくって、2人が同じ大きさでっていうのは、すごいなこれは」
やんま「小説でってなかなかないですよね、共同脚本は結構あるとけど」
SONGEN「相性悪いと思うんだけど(笑)」
やんま「そこは『ビルド』だからなんじゃないですか?(笑)」
SONGEN「エモい(笑) そう、『ビルド』のバディ感って、それもなんかうまくいってない」

(参考:

86ma.hatenablog.com)


バイスの今後

 

次回 第9話「数字/名前」

特撮雑談クラブ 第7回「冬季」

次回 第8回「赤青」 02/26 21:00〜23:00
見たまんま、赤と青についての話です。敢えてこじつけに近い例を上げるならG3とG4の目、フォーゼやエグゼイドXXのようなオレンジと水色の補色も対立構造として含めましょう。今見ているゴーストなんかでは赤い空と青い空というのはアランにとって非常に大事なポイントだったりするし、ウルトラマンコスモスではルナ/コロナモードというかたちでそれぞれ月と太陽に重ねているのが面白い。ネクサスもだけど、ウルトラマンでは結構赤青って多いイメージ。クロスセイバーの時に話題になった「青い炎は赤い炎よりも温度が高い」って話もあるね。
ゼロワンではアークとゼアを通じて赤に悪,青に善というニュアンスを付属させている。赤が燃え上がる炎のイメージに対して青は落ち着いた色なので、あんまり強い敵のカラーには選ばれないイメージかもしれない。現実ではトイレなどで男は青、女は赤だったりもする。
更にそれらを混ぜた紫についての話もできる。闇,毒タイプっぽいので基本は悪役の色だが、ティガや響鬼など主役に当てられることもある。曖昧な中間色というのはそれだけで悪さの記号になりうるが、それを利点として捉えて葛藤や複雑さを内包する高尚さのニュアンスも表現できる不思議な色。
同時視聴する作品は『デカレンジャー』Episode.19「フェイク・ブルー」と、『ビルド』第27話「逆襲のヒーロー」の2本にします。

03/05 第9回「数字/名前」
03/12 第10回「武器」 
03/19 第11回「仮面」
03/26 第12回「戦隊」

特撮雑談クラブ 第6回「贖罪(小説 仮面ライダークウガ)」

 

第7回「冬季」

スピーカー:やんま, のーと, そうた, SONGEN

やんま「今回は冬から色々なところに話を広げていけたらなって感じで考えてるんですけど。クリスマスのエピソードだったり、氷とか雪とかそういうものも特撮で扱われてることが多いんで、そこからの連想で白いキャラとか。さっき僕が見たとこだとシシレッドオリオンとか、『デカレンジャー』にも白いのいましたよね、2人くらい」
のーと「デカブライトデカスワンですかね」
やんま「ブレイクも一応白……じゃあ結構いるのか」
のーと「冬場に出てくるやつは、サンタさんとか雪だるまとかそういうモチーフもあるので、割と白いキャラクターっていうのも出てくるんじゃないかなって思う。『電王』にもそんなイマジンがいたような気がしますし。トナカイだか雪だるまだか分からないやつ(スノーマンイマジン)。あとは雪とは全然関係ないけどダグバとか」
やんま「白いし、雪山だし……あとは『剣』のドンドコドーンのシーンとか。体がボロボロになるって言われて、嘘だ! って言うシーンですよね。なかなか雪のシーンって、あんまり見ないから印象に残るよなぁと思って」
のーと「さっきダグバ言ったついでだと、雪山に白って埋もれちゃうんですね。割とまわりが真っ白なのに着ぐるみも真っ白だとちょっと見えにくいなってのはあるかもしれないですね」
やんま「でもダグバのシーンは白で血が余計に目立ってたりして」
のーと「そうですね、血と……金具と」
やんま「あれはわざと埋もれさせたのかな……でもクウガはすごい映えるのか、黒いから。
あと『FIRST』にも雪出てきましたね、結構綺麗なシーン」
のーと「水の結晶……ですよね」
やんま「本郷が、雪を見て目を覚ますんでしたっけ。あのシーン僕すごい好きで、綺麗だなぁと思って」
のーと「結構綺麗ですよね。なんかまぁ……水の結晶自体は擬似科学みたいな感じであんまちょっとノれない感じもありますけど、それはまぁフィクションだからええかって感じ」
やんま「いい言葉を言えば……ってやつ。あとあれか、『響鬼』の凍鬼とか『キバ』のレイとか」
のーと「冷たいやつとか氷とか、そういうあれは白っぽい感じになりますよね。マジマザーとかもそうなのかな?」
やんま「そうですね、あの人は名前も深雪だし。僕白いキャラ好きなんですよね」
のーと「割と真っ白みたいなやつって少ないですからね。今回の話題にあった『キュウレンジャー』のシシレッドオリオンも、完璧に真っ白ではないけどメインカラーは白ですよね」
やんま「初期メンのホワイトとかも、ピンクと一緒にされがちというか。純粋な白だけってなかなか……あんまいないですよね」
のーと「スーパー戦隊の白は、ヒロインの色……だからピンクと大体立ち位置が同じのホワイトか、ビッグワン的ホワイトかのどっちかなのかな。ビッグワンとか、オリオンもそうか。でゼンカイザーも」
やんま「(女性は)だいたいみんなピンクがあしらわれてるかな……」
のーと「そんな気はしますね、ガオホワイトとかもそうなのかな。配信やってる『ジェットマン』もそうか。ホワイトスワンもピンクっぽいのか」
やんま「シロニンジャーなんかは、ピンク(モモニンジャー)がいるのにピンク……(笑)」
のーと「そっか『ニンニンジャー』はピンクとホワイト一緒にいるのか。なるほど。
今回冬場だから何でもやっていい感じですけど、ニチアサに関して言えば、4クールなのは変わんないんだけど、放映開始時期がズレたから。仮面ライダーも冬映画もそうだし、冬であるタイミングが半年分ズレてるから、なんかそれでちょっと、あれですよね。昔は最初と最後が冬って感じで、今は最初と最後が夏か秋か……そんぐらいじゃないですか?」
やんま「そうですね、ちょうど中間ぐらい……『ゼロワン』が9月だったから本当に変わり目くらい」
のーと「変わり目くらいですよね。最近は9月も暑いですけど、だいぶ。だから割と平成最初の一期のライダーとか、スーパー戦隊は今もそうですけど、割と終盤のいい感じのシーンに雪とかあったりして、それはそれでロマンチックだなみたいなことは思ったりしますね。この前見た『アバレンジャー』も最後の方そんな感じでしたね。5人揃って初めての時とか。ライダーはズレちゃうけどスーパー戦隊は変わらないのか。
逆にロマンチックでもなんでもないのが最近の『ゼンカイジャー』だったりとか。『ゼンカイジャー』は季節感を大事にしてるんでしたっけ。東映の方だかテレ朝の方だかどっちか忘れちゃったけど、どっちかのプロデューサーが季節感と行事を大事にみたいなことを言ってたような気がする。……で、盆と正月が同時にくる話をクリスマスにやってて、何を大事にしてるんだろうみたいな(笑)」
やんま「とりあえずやれば、時期は問わない(笑)」
のーと「逆に『アバレンジャー』の映画は真夏にクソ寒い話をやってたりとか。『アバレンジャー』は季節感おかしいですよね。冒頭真夏のビーチで、後半は南極になっちゃうし」
やんま「……なんか冬って、切ないイメージですよね。終わり頃っていうか、植物も散っちゃうし動物も眠っちゃうし、作品が終わる時期としてはいいっていうか。年も終わるし……」

 

オフショットのベンチコート

やんま「服装の話を、のーとさんがしてて……防寒対策の話か」
のーと「冬場の撮影っていうか、これは東映の特撮に限らずなんですけど、4クールものだったら必ず撮影期間のどっかが冬に被りますよね。で2クールやるやつも1クールのやつも時期によっては冬場のやつがあったりとかして、割と特撮の……悪役の方が多いのかな。薄い衣装ないしは肌の露出多すぎな衣装でずっと撮影してる感じなのが、いつ見ても寒そうだなって思うし、公式サイトとか雑誌とかに載ってるインタビューとか見ても、あの時期は暑かったねあの時期は寒かったねって話が必ずあると思うんですよ。
これ純粋な疑問なんですけど、今やってる『ドンブラザーズ』もそうだし、『ゼロワン』とかもそうだったかな? 最近はみんなそうか。オフショットで衣装を隠すためなのか防寒なのか、まぁどっちもなんでしょうけど、膝の下ぐらいまである長いコート着てますよね。あれはあれで暖かそうだなとは思うんですけど、あれっていつからあるんでしょうね? なんか最近はあるなって思うんですよ、けど自分がすごい熱心に調べものしてる平成のゼロ年代の辺りとかって、そういうオフの写真とか見てもないなって思って。
自分がちゃんとよく見てる『響鬼』とかだと、童子と姫っているじゃないですか。あれが、衣装がひたすら薄くて、死ぬほど寒いんだと思う。で水場にも入るからめちゃめちゃ寒い。ライダーの人は別の撮影があるから、童子と姫は基本的に山と川にしか出ないけど……例外を除いて。ヒーロー側は次の撮影だとかなんとか言ってロケバスに乗って暖かいの着ますけど、どっか行っちゃうけど、我々はそれがなかったって言ってるのがすごい印象的だったし。
後は終盤ヒビキさんって服装固定されてた気がしますね。これ全然分かんなかったらいいんですけど、固定までいかなくても水色のコートの衣装を羽織ってるのが多くて。それなんでなんだろうなって思って調べてみたら、水色のコート自体は猛士の備品っていう、まぁロゴも入ってるしそういう扱いなんだけど、衣装さんによるとそこらへんの番組後半の衣装の選定っていうのは割と細川さんに一任してたみたいな話があって、それ読んだときになんでなんだろうなって思って、色々考えたんですけど多分暖かいからじゃないかなと思って。一番暖かいんじゃないかな(笑)」
やんま「なるほど、自分で選ぶとそうなっちゃうと(笑)」
のーと「絶対そうだと思う、そこまでは書いてないけど。っていうことも考えると、昔やっぱなかったんじゃない? って思って。いつから例のコートはあるんでしょうね。っていうのずっと気になるなぁって思って、まぁ今確認できるだけの色んな公式サイトとかTwitterとか遡ったら、だいたいこれくらいの年からみんな同じコートを着始めててっていうのが分かるかもしれないけど、そんなんもうめんどくさいからやりたくない(笑)」
やんま「その、昔のオフショットっていうのは、そのまま衣装でいるんですか? それとも暖かそうなのは一応着てるんですかね?」
のーと「暖かそうなの羽織ってるのもあるし、衣装まんまなやつもあるし。で、暖かそうなの羽織ってるにしても、今みたいにみんな同じ柄みたいな感じじゃないなと思って」
やんま「なんか、昔はオフショットだからって言って気を抜かないというか、そのまま衣装で写真撮るっていう感じだったのかなって思ったんですけど、別にそういう訳じゃないのかな?」
 そうたさん参加
のーと「どうなんでしょうね? 人によっては、コート羽織れない事情もあるのかなって。最近見直した『大魔神カノン』ってやつでは、イパダダっていう怪人が、全身白塗りで森の中を駆けずり回らないといけないっていうシーンがあって、多分上から服とか着ちゃうと塗ったのが落ちちゃうだろうし、ブログの方を見たらほぼほぼ全裸に近い男性がストーブに当たってる姿とか見て、これ意味ないだろみたいに思う(笑) 『カノン』の撮影って9月から12月とかのはずなんで、ものすごい寒いと思うんですけど。死んじゃいますよあんなの。童子と姫は薄着ですけど、イパダダはあれ隠してるだけですからね」
やんま「よく、やらせるな……(笑)」
のーと「……で、はじめまして……ですかね?」
そうた「あ、はじめまして、そうたと申します」
やんま「はじめまして〜」
そうた「さっきのコートの件で、私『龍騎』の特別編集の本持ってて、今見てたんですよ。そしたらオフショットなんですけど、杉山さん……優衣ちゃんの人と、北岡先生の人と、あとは須賀さんが、コート着てます」
のーと「あー、じゃあ昔からあるんだ」
そうた「今ぐらいのはベンチコートって言って、あの膝丈のよくスポーツとかで選手が着てるような。北岡先生はそんな感じの厚手のコートを第50話のクランクアップのときに着てる写真がありました」
のーと「そっか、クランクアップの写真はあるかも、割と。昔のやつは」
そうた「そうです。で、北岡先生たぶん薄着の衣装だったんですよね、最終回だったから。最終回っていうか、最後のシーンっていうか、ソファの横たわってる。あと吾郎ちゃんと王蛇と秋山蓮も写ってるんですけど、もうそれぞれはコートみたいな上着を着た衣装なので、防寒しなくてもいいのかなと思うんですけど。だからこの頃にはコートあったんじゃないかなっていう、補足を」
のーと「あーなるほど。ありがとうございます」
やんま「じゃあもう、由緒正しい感じなんだ」
のーと「超全集で昔のやつ見返したらもしかしたらあるかも」
やんま「あ、超全集ってオフショットもあるんですか?」
そうた「(少なくとも)私が見てるのは、超全集じゃなくて『テレビマガジン特別編集 仮面ライダー龍騎』なんですよ」
のーと「ムックですよね」
そうた「そうですそうです。それの本当1ページだけに、舞台裏って形でメイキングの写真が載ってるっていうだけです。あとは各話のあらすじのとかが詳細に載ってる本です」
やんま「そういうのって載せていいもんなんだ。子供はあんま見ないのかな」
そうた「だと思います。子供向けでは明らかになさそうな本なので」

キャラ付けとしての服装

やんま「(調べながら)これか、なるほど……。
服装ってことでいうと、『アギト』の翔一くんって、割といつも暖かそうな格好してんなと思って。一番イメージがあるのは、白いもこもこの……なんて言うんです? あれは。ジャンパーっていうか(1話で着てるやつ)」
そうた「あぁ、パタゴニアの……ジャケットっていうか、フリースでもなく……」
やんま「そうそう、そんな感じの上着羽織ってたりとか、あと真司も結構ジャンパーっぽいの着てますよね」
そうた「そうですね、ダウンジャケットみたいなの着てますね」
やんま「でも五代くんはなんか、Tシャツとか薄い感じの服が多いイメージで、キャラ毎にそういう服装のイメージってあったりするなと思って」
のーと「キャラ毎……ちょっと気になってそうたさんのとは別のやつ見てて、浅倉ってすごい……ですよね。これ浅倉冬でもインナーとか着てないんですよね、上裸にあのジャケット羽織ってるんですよね」
そうた「ホントだ! 第50話でも上裸のジャケットだ(笑)」
のーと「ですよね。だってこれ今見てるの冬のやつだなって思ってたら。言われてみればって感じですけど、すごいな。浅倉のジャケットって、脱獄してどっかから万引きっていうか勝手に盗ったやつですよね」
やんま「多分……あ、そういう設定があるんだ?」
そうた「適当なお店から、服がないからもうわーって盗ってきて、それがこれだったっていう感じです」
のーと「そうですそうです。で、それはいいんですけど、寒くても新しく盗りなおしたりしなかったんだって(笑)」
そうた「インナーがない……(笑)」
のーと「だからキャラクター性と服装で言うと浅倉面白いなって」
そうた「確かにずっとこの衣装ですよね、みんな何かしら違うのに」
のーと「服着なきゃって意識はあるけど、寒いからあれしようっていうのはないんだって」
そうた「逆に神崎士郎はずっとコートですよね、暑くないのかな」
やんま「あいつはなんかもう、着替えるって概念がなさそう。"そういう存在"っていうか、あれ含めて神崎士郎みたいな」
のーと「あれ含めて神崎士郎って言うんだったら、『RIDER TIME 龍騎』あったじゃないですか。あれって役者さん菊池謙三郎じゃないけど、あぁいう神崎士郎っぽい服装を着てたらそれっぽく見えるよねっていう。役者さんじゃなくても、パッと見の服装でキャラクターがもう分かる。
服装で言ったら、折角『龍騎』の話なんで『龍騎』だったら、『RIDER TIME』の人たちってなんかオリジナルと似てるんだか似てないんだか分かんない微妙なライン攻めてる人が多かった気がするんですよね」
そうた「確かに。あれはもう、オリジナルとして見てましたね。ベルデとか違うじゃないですか」
のーと「ベルデはもう全然違いますよね」
そうた「あと私、ライアの人初めて見たとき誰? ってなっちゃって……顔が」
のーと「そうですね、顔も体型も割と……」
そうた「でも服装で、あれもしかして……ってなったんですよね。もしかして、手塚? ってなって」
のーと「芝浦は割と芝浦のまんまだったかなってイメージがありますね……どうだろう」
やんま「なんか結構、幼さを残した感じの……」
そうた「『RIDER TIME』も浅倉これでしたっけ? 衣装」
やんま「ヘビ柄の(笑)」
のーと「『RIDER TIME』もそう……ですね(笑) あぁそっか、タイガは全然違う服装だけど、インペラーは割と佐野くんもこういうの着るかもぐらいな」
そうた「確かに、このジャケットっていうか。社長になってからはスーツですけどね、ずっと」
やんま「あー、タイガこれは着なそうだな」
のーと「で、シザースもだいぶ別ですね」
やんま「あの人は刑事だから、スーツでしたっけ?」
そうた「そうですね、コート着てる」
やんま「だいぶカジュアルな感じに変わってますね」
のーと「今画像検索したついでにシザースの石橋やってた中島健っていうモデルのブログ見てるんですけど、「皆さん色々な意味で大好きな仮面ライダーシザース 石橋役演じています。卑怯もらっきょうも大好きだぜ〜 ってな」って書いてあるんですけど、卑怯もらっきょうも大好きなシザースって『ディケイド』ですよね(笑)」
やんま「そうですよね、本編じゃ言ってない……どこで知ったんだろう」
のーと「シザースって登場回数が少ないから、5,6話とTVSPと、で『RIDER TIME』とって感じだから、割合で言ったら「卑怯もらっきょうも大好きだぜ」が10%弱ぐらいあるんじゃないかなって(笑) 全シザースの中だと」
やんま「結構占めてる(笑)」

 

クリスマスの退場と売り上げ

のーと「あと、ちょっと今回の冬ってテーマからはズレちゃうんですけど、僕そうたさんはお初にお目にかかるんですけど、アイコンが秋山くんでヘッダーもナイトってことで、『アギト』『龍騎』『555』が特に好きって感じなんですけど、『龍騎』がやっぱり一番好きな感じなんですかね?」
そうた「難しいですね……話としては『アギト』が好きだけど、変身者としては『龍騎』が好きで、ライダーとしては『555』が好きみたいな、そういう感じなんですよ」
やんま「あーなるほど、そういうのありますよね」
のーと「えっと、じゃあそうなるとライダーが好きっていう『555』はガワが好きってことですか?」
そうた「基本そうですね、ガワが好きです」
のーと「なるほど、ありがとうございます。……このスペースに集まってる人たぶん、年齢的に平成一期の頃ドンピシャの方が多いと思うので。僕もそうなんですけど」
そうた「あ、でも私も世代『クウガ』とか『アギト』ぐらいなんで」
のーと「じゃあおんなじぐらいですね」
そうた「でもライダーにハマったのが『セイバー』からだったんで、全然知識とかないので、ちょっと聞いてみたいなって思って」
のーと「え、すごい気になるな。それは『セイバー』きっかけで見始めて……」
そうた「で、色々見始めたんです」
のーと「わぁ、すごい」
やんま「あんまり聞かないタイプですね」
そうた「なんか仕事が、おもちゃ売るようなお店で働いてるんですよ。で、次の仮面ライダー小説家と剣豪ってナニ? ってなって、ちょっと見てみようかなって思って見てみたら、賢人くんのビジュアルにハマってしまって、エスパーダのガワも大好きになって、一応半分くらいまでは見たんですよ。で賢人くんがあんなことになったのでちょっと、心が保たなくなって脱落して、あとは色々……『ビルド』とか『ゼロワン』とか、で今は平成一期にすごいハマってるって状態です」
のーと「"あんなこと"になっのも冬場……なんですかね」
そうた「あ、12月ですね」
のーと「冬場……クリスマスって言うと、『エグゼイド』辺りからかな? 割と定期的にいなくなられる方がいらっしゃいますよね」
やんま「そうですね、味をしめたっていうか……(笑) なんか『エグゼイド』の時は一回炎上してましたけど。……Twitterで"なんできりやすぐ死んでしまうん"ってハッシュタグ付けて、公式Twitterが炎上したんですよ」
のーと「あー、ありましたね」
やんま「だからなんて言うの、それを踏襲する? クリスマスに退場ってのを踏襲する勇気はちょっとすごいなって思ったりして」
そうた「そうなんですよね、なんか変にドキドキしちゃうっていうか。映画とかもちょうど冬じゃないですか。だからこれが下手したら最後の姿に……とかって思うとすごい悲しくなっちゃって、純粋に見れなくなっちゃったっていう」
やんま「なるほど……」
のーと「さっきおもちゃ屋さんって話があったと思うんですけど、例えば今回の『リバイス』とかだと、ヒロミさんのベルトはプレミアムバンダイだからあんまり関係ないかもしれないんですけど、クリスマスでいなくなっちゃうキャラクターのおもちゃって、売れたり……逆に売れなかったりとかってあるんですか?」
そうた「えーっと……特に動きはなくて、『セイバー』の時はソードライバーが共通だったじゃないですか。だからそもそも特にそれがなくて、『ゼロワン』は迅くんでしたっけ? 『ゼロワン』はそのとき全然知らなくて、興味がなくて覚えてないんですよね……でもクリスマスは、エビルとライブのベルト(ツーサイドライバー)が結構売れてました」
やんま「そっか、クリスマスくらいか」
そうた「下手したら普通の、一輝くんが使ってるの(リバイスドライバー)より売れてんじゃないかって錯覚するぐらいのときありましたよ」
のーと「じゃああれなのかな、リバイスのベルトは先に買って、クリスマスプレゼントはエビルのやつみたいな感じになるのかな?」
そうた「……の可能性はありますね。その頃にまたライブが活躍っていうか、いい感じだった記憶が」
やんま「変身音的にも、リバイスドライバーはレックスだけだけど、2種類変身聞けるからお得ではあるよなぁ」
そうた「でも正直厳しいですね、動きがあんまりない」
やんま「あんまり関係ないんだ、へぇ……。さっきの迅なんかは、そもそもファルコンが先行で発売されたんだったかな、確か。だからあんまりクリスマス商戦とは関係なかったりして」
そうた「あ、そうなんですか?」
やんま「そうでしたよね、確か。ファルコンキーが先行で発売して……スタート前に。『ジオウ』の映画(『Over Quartzer』)に先行登場したのもファルコンだったんですよ、ゼロワンのファルコンが先行登場して、先行発売っていう形で。だからクリスマス商戦っていうことで言うと、滅亡迅雷フォースライザーが……だから滅かな? まぁ滅も死んだけど、あの辺りになるのかな。あとあれか、シャイニングホッパーとアサルトウルフもそれくらいか」
そうた「『ゼロワン』のとき見てなかったんで、滅亡迅雷とかってなんでこんな物騒な名前のベルト……って思って、すごい戸惑った記憶があります」
やんま「そうですよね、"滅亡"って……(笑)」
そうた「でサウザーの見てすごいフォームいかつくない? と思いながら売り場に出してました」
やんま「ツノがいっぱい生えてて……」
そうた「そうなんですよ。で上司とかから、やっぱ昔の平成ライダーのときはベルト、開店前から人がたくさん並んでて大変だったって言ってて。結構大変だったみたいですね、平成の最初っていうか」
やんま「へぇ〜! あれかな、『555』辺りのことかな? 『555』は結構ベルト売れたって聞くけど」
そうた「そうなんですね。ちょっといつかは分かんないですけど、一期とか二期とか……。オーズまでぐらいじゃないですか?」
やんま「あー、売上的には『フォーゼ』が一番なんでしたっけ? 確かそうだったと思います、玩具売上的には」
そうた「そうなんだ、すご……。なんかおもちゃの、『ゼロワン』でいうプログライズキーとか『セイバー』でいうライドブックみたいな変身アイテム、あれの形態が毎年違うじゃないですか。私それで結構売上左右されると思ってるんで……なんか、機能が付きすぎてるっていうか。光る音が鳴るで、もう1400円はするじゃないですか、確定で。鳴らないとまぁ1000円弱。だからやっぱりこれからもそれくらいの単価になるのかなって予想は、個人的にしてましたね」
やんま「そうですね、これから音も鳴らない光らないっていうのは、あんまりなさそうかな……でもライドブックは光んないのか。プログライズキーは光って鳴って、ライドウォッチもそうか」
そうた「私、平成初期のベルトの……変身アイテムを見たことがないので、おもちゃ買ったことあんまなくて。どんな感じだったんですか? 結構簡易的な……フォームとか」
やんま「簡易的……うーん、まぁベルト一本買えば、何フォームかに変身できるって感じで……」
そうた「え、お得……」
やんま「そうですよね(笑) クウガは基本4フォームになれるし、アギトも3フォームなれるし……まぁ龍騎はちょっと例外で簡易的だけど(※実際はデッキケースがナイト,ゾルダ分も付いてて、3ライダーに変身できたらしい)」
そうた「『龍騎』はデッキがバラ売りだったんですか?」
やんま「あれ……どうなんですか?」
のーと「デッキがバラ売り……ですね。例えばゾルダの武器を買うとゾルダのデッキ(カード)が付いてくるみたいな」
そうた「え、ゾルダのデッキ売ってたんだ!」
のーと「そうですね。割と『クウガ』と『アギト』の売り方をパワーアップさせたみたいな。『クウガ』はライジングフォームのセットを買うと、武器をパワーアップさせるついでにベルトも金色のやつが付いたりとか。で『アギト』はバーニングフォームとシャイニングフォームの武器を買うと、変な白いあれがベルトにくっつくじゃないですか。ドラゴンズネイルが武器のおまけでくっついてて、バーニングフォームのかたちのベルトになりますよって」
そうた「え、すごい」
のーと「っていう感じなんで、『龍騎』と『555』は『クウガ』と『アギト』の売り方をちょっと変えた感じになるんじゃないかなって思います」
やんま「ファイズはそもそもあれか、フォーム数が少ないから……あんまりお得感みたいなのはないけど。考えてみたらあれでベルト売れたってすごいな(※フォームの代わりに武器や電話として使える付加価値がある)」
そうた「……私『フォーゼ』見たことないんですけど、あれって4つあって、全部に挿すんですか?」
やんま「全部取り外せますね。あ、でも変身のときは最初から付いてて、いちいち付けたりはしないんですけど」
そうた「へぇ……フォームチェンジは入れ替えるってことですか? あれを」
やんま「そうですね、右の1個だけを基本」
そうた「右の1個だけ……」
やんま「一番右のが基本的にはフォームと一対一対応になってて、フォームチェンジが2種類あって、中間が変わり種で右と左の2個変えるってやつが出てきて、って感じですね」
そうた「結構なんか複雑……っていうか」
のーと「ですね。『セイバー』と同じ感じで、フォームチェンジのきっかけになる特別なアイテムがいくつかあるみたいな感じですね」
そうた「なるほど。最近『ジオウ』の……ベルトの機能が凄すぎて、一人で泣いて感動しましたもん。回るって、めっちゃ感動して今めっちゃ欲しいんですけど、めっちゃ高いっていう」
やんま「あ、そうなんですか? 今高いんだ」
そうた「それでも6000円とか」
やんま「あーそっか。安くなるやつは安くなりますもんね」
のーと「今その……さっき売り上げの話が出たから、ちょっと怪しげなサイトをたくさん見てるんですけど、曰くやっぱり『フォーゼ』が長いこと1位だったんですけど、『ジオウ』が結構売れてるみたいで、今んとこ数字だけで見ると『ジオウ』かも」
やんま「あ、そうなんだ! 更新されたんだ、知らなかった」
そうた「じゃあ2位が『フォーゼ』……?」
のーと「2位が『フォーゼ』なんですけど、ただ『ジオウ』のおもちゃって割と凝ってたんで、売り上げで見ると『ジオウ』が多分一番なんですけど、おもちゃをつくるコストですよね。フォーゼのスイッチって、すごいつくりが簡単だったんで」
やんま「えっ、そうですか? 割と……」
のーと「あー、なんて言えばいいんだろ? 構造は複雑っちゃ複雑なんですけど、液晶とかなかったじゃないですか。だからそういうこと考えると一番儲けてるのはやっぱ『フォーゼ』なんじゃないかなって思う」
やんま「あー、そうですね儲け……いやでもライドウォッチも言うて(金型つくらず)シール変えただけじゃないですか?」
のーと「そっ……か、そういえばそっか。一応音は鳴るには鳴るけど、フォーゼも鳴るスイッチはあるか」
やんま「で、めちゃくちゃ数出してるから。最強フォームとか、プレバンとか」
そうた「でも、ランキングいま見てたんですけど、2位(※当時)が『鎧武』ですか?」
のーと「……『鎧武』も売れてる方ではあるんじゃないですかね」
そうた「『鎧武』もちょっと見たことがないんですけど、これはロックシードですか?」
のーと「『鎧武』はロックシードのギミックがすごい面白かったんで、最悪ベルトなくてもロックシードだけあれば、なんか音鳴るしみたいな感じ」
そうた「へぇ……やっぱ平成二期が大半を締めますね、ランキングだと」
のーと「そうですね……これ『響鬼』ホントに酷いな(苦笑)」
やんま「あぁ……売り上げ?(笑)」
そうた「あ、『響鬼』は見ました!」
のーと「どう……でしたか?」
そうた「面白い、めっちゃ感動して泣いちゃって最終回」
のーと「良かった……!」
そうた「"良かった"(笑) あの、噂は聞いております。でも予想以上に面白くて……人間ドラマって感じじゃないですか、もちろんカッコいいですけど。それが非常に、心に刺さりました」
やんま「そうですね、『響鬼』は割とドラマ重視ですよね。……ドラマ重視っていうか(偏重っていうか)」
のーと「"ドラマチック"ではないんだけど、細かい積み重ねとかはたくさんある感じですよね」
そうた「もう早く音叉が何か、コンセレが出てくれないかっていうのを、毎日願っている……」
のーと「それは……『響鬼』のファンは多分みんな(笑)」
そうた「だから、前なんかCSMのタグあったじゃないですか。あのとき本当に心から願ってタグを打ちました」
のーと「ありがとうございます(笑)」
そうた「いや全然(笑) 欲しい……でも映画見てないです、まだ」
のーと「映画面白いですよ」
そうた「色んな鬼の人が出てくるっていうのは分かるんですけど、話はまだ分かんなくて」
のーと「多分『アギト』の話とか『555』の話とか好きだったら超好きなんじゃないかなって。……多分、多分ね」
そうた「なんで保険を(笑) 面白いという話は聞いてます、いつか絶対見ますんで」
のーと「ぜひぜひ」

現実との経過時間のズレ

のーと「……で、今回やんまさんの方がお題をいくつか用意してくれてて。まぁ冬だから白いキャラとか雪山のシーンとかは分かるんですけど、一番最後の"困難を乗り越える"って、これなんですか?」
やんま「あー、まぁ"冬を越す"っていうのは、困難を乗り越えるっていう意味の……慣用句? っていうか。動物的にも、植物が生らなくてなかなか食べ物が手に入らなくて、冬を越すにはどうしたらいいかっていうのを、知恵を絞ってるっていうか。だから割と1年の中だと一番、きつい時期なのかなって思って」
のーと「まぁ、そうですね」
やんま「言っちゃうと、話題が欲しいから色々こじつけたんてすよ(笑) 特撮だから、困難乗り越えるシーンはいっぱいあるだろうと思って」
のーと「本編の時系列で言うと、『クウガ』とかは直接それじゃないかなって。冬を乗り越えてるっていうか、雪山であれして、後日談の時系列が4月27日なんで、まさにそういうところに当てはまる……かな? と思ったぐらい。冬が終わって春が来てっていうことで」
やんま「そうですね、『クウガ』のキャラクターってみんな植物だから、冬は結構キツいんじゃないかな」
のーと「あぁ、そういう……全然こじつけですけど、椿とかは冬でも花が咲くなぁって思って」
やんま「あーそっかそっか。たくましい……」
のーと「全然これは、なんの意味もない思い付きですけど。『クウガ』は割と、作中の日付でもまる1年なのかな。1月29日の夜からだから……まる1年」
やんま「他の作品も基本は、だいたい沿ってますよね。まぁ本当にだいたいですけど」
のーと「まぁ『アギト』は『クウガ』みたいに、今が何月何日でみたいな気持ち悪い細かさはないからあれだけど、でもレストラン開業するまでの間は割と時間が空いてるのか?」
やんま「後日談っていうか、エピローグは割と時間経ちがちですね。『龍騎』も最後は……あれ時間結構経ってるのかな」
のーと「時間というか……」
やんま「時間というか(笑)」
そうた「『龍騎』ですか? えっと、日にちが出るシーンはあって……優衣ちゃんの誕生日の日とか。あれが放送日と一致してるかっていうのを、ちょっと今見てます。『響鬼』の最終回も何年後とかでしたよね、何ヶ月? 飛んでましたよね」
のーと「『響鬼』は1年後……」
やんま「1年後、へぇ……え、でもなんか白衣着てましたよね」
のーと「あれは……『響鬼』の最終回ちょっとおかしくて。いや、おかしいのかおかしくないのかは解釈が分かれるところですけど、おかしいんですよ。だってお医者さんになりたいっていう夢はまぁ、いいじゃないですか。でもなんかお医者さんになりたいから病院で白衣着てバイトするっていうのはなんかちょっと変な感じですよね」
やんま「そうですよね、白衣……着るか?(笑) っていう」
のーと「で、ご飯食べてるときも勉強してっていうシーンがありますけど、医学部の大学入試の対策じゃなくって、国家試験の方のテキスト見てる……なんか、なんか変なんです。絵的な分かりやすさ重視だと思うんですけど。
絵的な分かりやすさ重視じゃなかったら、その……あるじゃないですか、明日夢くんが3話とか4話の辺りで、受験勉強を放ったらかして屋久島の写真見てるときとか、図書館で。だから、なりたいもの,憧れのものを見つけたときの明日夢くんがちょっと背伸びし過ぎてなんかよく分かんないことしてるみたいな感じだったら、キャラクター性かなってぐらいで。屋久島の写真見てもヒビキさんには近づけないでしょって、いま病院のバイトしてもお医者さんに近づけないでしょって(笑) でもそれが明日夢くんのかわいいところだよね、で納得してもいいかも(笑)」
やんま「それいいな(笑)」
のーと「僕はその、お医者さんっていう夢を決めたんだよっていうのを、メインの視聴者は子供な訳だから、分かりやすく見せるためにそうしてるんだと思うけど、まぁそうじゃないんだったら明日夢少年の微笑ましい部分かなって」
やんま「どうなんだろう、並行して勉強する余裕とかあるのかな?」
のーと「いや、ないですよ(笑)」
そうた「……あ、『龍騎』調べました。優衣ちゃんの誕生日が近付くと……みたいな話あったじゃないですか。優衣ちゃんの誕生日が1月19日なんです、でその誕生日まであと1ヶ月だよねって話の放送日が12月15日だったんです。だから一応リンクしてるっちゃしてるって感じなのかもしれないです」
やんま「あー、なるほど」
そうた「あとタイムベント使ったときあったじゃないですか。真司くんがもう1回同じ月日を繰り返すみたいな。で、確か時が戻ったときのカレンダーの日付けが確か2月だったんですよ。『龍騎』の放送開始が2月3日とか10日とかなので、まぁ合ってるなっていう感じですね」
やんま「じゃあだいたい、放送してる日付けに沿ってって感じなんだ。まぁでもだいたいそうですよね、たぶん。そう離れてるやつはいないんじゃないかな」
のーと「割と『555』とかは時間の進みとかどうでもいいんじゃないかなって。あれはもう、半年……3ヶ月くらいの話って見てもまぁいいだろうし、2年3年ぐらいの話って見ても別におかしくはないだろうし、ぐらい。あんまり長いとおかしいですけど」
やんま「『555』季節ネタ……やってたっけ? なんかクリスマス祝ってたりとか……してないか(※スーパーヒーロータイムのコーナーでサンタの格好はしてた)」
のーと「『555』は季節ネタはない……んじゃないですか?」
やんま「ないか、そっか。じゃあその辺はズレてても分かんないのか」
のーと「……『響鬼』はかなりかっちりしてるのか。『響鬼』は何かにつけてあったな。明日夢くんの受験もそうだし夏祭りもそうだし。
……『W』とかも割とどうでもいいに近いかも? 時間は進んでるんですけど、確かに。別にそれが何ヶ月……っていうか、ペース的にはどうでもいいっていうか。もちろんフィリップがいなくなった期間っていうのはちゃんと決まってるんですけど。だから『風都探偵』にしろ本編にしろ、依頼が来て、揉めて、犯人が分かって解決して……っていうお決まりのパターンはあるんだけど、どれくらいのスパンで起きてるかとかは割と、そんなかっちり決まってないのかな」
やんま「そんな定期的(2週間おき)に起きてても変ですしね」
のーと「だから半"サザエさん時空"ぐらい」
やんま「そう……ですよね、クリスマス祝ってたのも映画だしなぁ」
のーと「だから、白倉さんの言う『サザエさん』的番組に近いのは『W』みたいなやつなのかな。同じフォーマットで永遠に話を続けられそうなやつ。1年ものって制約があるから、話の縦軸みたいなのを用意してるけど、みたいな。『風都探偵』にも一応あるけど、進みがそんな早い訳じゃなくて。『ゼンカイジャー』もステイシーの話なかったら3年とか4年とかやれるみたいな。やってどうするんだって感じだけど。
『フォーゼ』とかはそれが、『W』以上にできないようになってる。季節ネタ,行事ネタがかなりあるから。……そっか、『フォーゼ』冬って言ったら卒業式のネタがあるのか」
やんま「なんだっけ、あの……ダンス? プロムか」
のーと「あれ、さっきやんまさんから冬は切ないよねって話があったけど、そんな感じですよね」
やんま「あれって冬……? なのか、そっか」
のーと「かみのけ座のコーマ・ゾディアーツのあれは、僕『フォーゼ』見てるときはだいたいそれぐらいの年頃だったんで、すごい分かるなって思っちゃった。この学校にずっといられるんだったらいたいよねみたいな。で、後から見たときに感情移入する方が違ってたのかなって思いました。後から見直したときに、中学生高校生くらいのときに見てたときは、ずっと入れたらいいよねってことを思ってたけど、何回か自分が卒業とか入学とか繰り返してると、だんだん綺麗に出てくのもいいよねって思いが出てきたりして。見方は年によって変わるかもしれないですね」
やんま「あんまり年経ってないと、あの頃に戻りたいなぁとか思いがちですね」
のーと「かもですね。だから仮面ライダー,スーパー戦隊,その他諸々、子供番組であることはまず間違いないんですけど、見る歳によって見方がちょっと変わるっていうのはあるかなって思うし、いいことかなって思います」
やんま「……「現実と時系列が全然違うの、99×2で最終回でまだ本編開始から半年しか経ってない『ゴースト』とか」」
のーと「あー、あったな(笑) 闘魂ブーストの回とか、今まですごい進みが遅かったのに、えげつない勢いで日数が進んでくやつとか。もっと真剣に探せよって思ったりもするけど、それはともかくとして」
やんま「あれも切ないですよね、御成がカレンダーを見てなくシーン。あれも……冬? 年末か」
のーと「あれも年末年始ぐらいですよね」
やんま「じゃあなんか、クリスマス……の原型みたいな?」
のーと「クリスマスで死ぬやつ0号みたいな、なるほどね(笑) ……これ『ゴースト』すごい好きな人いたら申し訳ないんですけど、残された時間はあと何日っていう仕掛けがあったじゃないですか。あれを『ゴースト』がものすごく雑に扱ってるのって……度々リセットがあったりとか、すごい勢いで進んだり進まなかったりとかっていうのは、わざとそうしてる……んですかね? 日数の経過をきっちり管理してヒリヒリさせるっていうよりかは、頻繁にそこのルールをかき乱してアップダウンをつくるとか、そういうつくりってことなんですかね?」
やんま「どうなんだろう……公式読本のインタビューとか読んでる感じだと、最初の設定のときから年末辺りで1回死なせたいから、3ヶ月(1クール)ぐらいってことで100日だよねって逆算して決められてるはずなのに、それがまぁ、あぁなってる訳ですよね。だからなんなんだろう、どうしてあぁなったのかな」
のーと「どうなんでしょう。すごーく嫌な見方をすると、1クール目はそれでって感じで、後のことはあんまり……ってことだったのかもしれないけど。転がしてみてから考えるみたいな」
やんま「……僕も……まぁ『クウガ』もだけど、あんまり『ゴースト』の日数って気にして見たことなかったな。当時も」

 

冬の時代とウルトラマンの統一性

のーと「この"冬の時代"っていうのが気になるんですけど」
やんま「あーあれですね、例えば仮面ライダーだったらやってない期間があったり……みたいなことも言えるし、売り上げ的に不振だった時期とか、そういう広げ方もできるかなと思って」
のーと「今のウルトラシリーズって、商業的には好調だけど、マニアからはそこまでウケてない『トリガー』とか。っていうのはあったりするけど、一応シリーズ……ニュージェネとして続いてて、昔みたいに4クールとかそれ以上みたいな感じではないけど、ってことを考えると、冬の時代って訳ではないのか」
やんま「なんか、だんだん……春もうすぐ来るかな? くらいの感じなのかな」
のーと「昔に比べると展開の仕方も多様になってきてる感じですし。僕は『ウルトラギャラクシーファイト』とか見てると、なんか昔見てたウルトラマンがわちゃわちゃしててかっこいいなぁとか思ったりしますけど」
やんま「『ギャラファイ』ってあれでしたっけ、タルタロスとかが出てくるやつ? 坂本監督が撮ってる」
のーと「そうですそうです。割と色んな作品のキャラクターが出てきたりもして。なんて言うんだろ、東映の春映画とはだいぶ趣が違うなって思ってて、大集合系でも。割とキャラクターに沿った見せ場とかを用意してるっちゃしてるのかな、たまにすごい雑なのもありますけど。雑っていうか、お気に入りのキャラクターだったのにこんなことが……みたいな時もあるけど、まぁまぁそれはいっかみたいな感じなんで、春映画的……運動会的な見せ方とはちょっと違うなって思うし」
やんま「運動会、なるほど(笑)」
のーと「みんなで走ってる感じ……(笑) とはちょっと違うなって思うし、割とそっち方面のつくり方だったら東映よりこっちの方がまだ好きかもって。
好きなんだけど、今はウルトラ……あ、昔もそうですね『アンドロメロス』とか『レッドマン』とかあるから、円谷のヒーローもバリエーションがないって訳じゃないんですけど、ウルトラの方は割とデザインのコンセプトがずっと一貫してる感じじゃないですか。それこそさっき出てきたアブソリュートタルタロスとかは変化球ですけど。だからバリエーションって言えばいいんですかね、造形の……とか見ると、華があるのは東映の方かなって思っちゃう。まとまりが……」
やんま「そうですね僕……あんまり見てないからかもしれないけど、あんまりウルトラマンは見分けが付かないっていうか、みんな同じに見えちゃうっていうか。だから、たまにいる青いやつとかがすごいかっこいいなって思ったりするんだけど。子供の頃もネクサスのブルーが好きだったかな」
のーと「青いと目立ちますよね。僕もかなり好きですジュネッスブルー、かっこいいですよね。ネクサスのブルーは代替わりして、赤いときと比べるとアクションが軽快な感じなのかな。最初にネクサスに変身してた人は、落ち着いてる雰囲気もあったし、苦戦することもまぁまぁあったんですけど、割と青になってからスピーディーな感じだなみたいな。
『ネクサス』以前もウルトラマンが軽快にアクションするっていうのは割とあったんですけど、それこそティガの紫とかダイナの青とか。そういうのはあったんですけど、なんかそれよりもうちょっとスマートな感じなのかなって、見てて面白いなって。小さい時に見たときもそう思ったのかな。もっさりしてないっていうか。だから今でも割と好きですね」
やんま「へぇ〜! 僕が子供の頃に好きだったっていうのは、雑誌とかで見てって話なんで(笑) 本編はあんまり分かんないんですけど。放送……してなかったのかな? 僕んとこは。でもめっちゃスマートでかっこいいですよね」

のーと「……冬の時代って言ったら、仮面ライダーとかは平成でやりなおしてそっからうまいことシリーズが続いたからあれですけど、そういうリブートものっていうか、あれが続かなくてあんまりウケもしなくてっていうのは、結構あると思うんですよね。『キカイダー』とかは定期的に触れられたりするけど、でもテレビでやるってことでもないし、シリーズものって訳でもないし。
この前やってたやつだと『妖怪大戦争』ってあるじゃないですか。あれはメディアミックスだから小説もあるし映画もあるしって感じで、2000年代にも映画化してたし、最近も『ガーディアンズ』っていうのがやってたし、それぞれ面白いところとどうしようもないところがあったりするんですけど……何年かに1回映画やってるから完全に絶えてはいないんだけど、でもなんかもうちょっとたくさんやってもいいのよ、みたいな」
やんま「大映……って『ガメラ』のとこでしたっけ」
のーと「そうそう、大魔神なんかも出しちゃったりして。……だから、割とテレビで見たいなってちょっと思ったりする。もうちょっとだけ欲を言うとさっきの『サザエさん』的番組じゃないけど、そんな大したストーリーとかなくていいから、長く見たいなって。話はいいからキャラクター……キャラクターはすごい立ってると思うんですよ。昔のやつもそうだし最近やってるやつもそうだし。だから冬の時代っていうのはあまりにもあれですけど、面白い……シリーズではないか、面白いタイトルだから、映画だけじゃなくて、もうちょい身近な感じで見たいなって感じで思ったりもします。身近っていうか、テレビ付けたらやってるよぐらいの」
やんま「身近ね……そうですよね、なんかゴジラはテレビシリーズとかやんない……じゃないですか、やってたのかな?(S.Pはテレビアニメだったそう) っていうのは、でかいからあんまり何度も現れると有難みがなくなるからだと思うんですけど、それをちゃんと毎週放送でやってるウルトラマンって意外とすごいのかなって思ったりして。成立させてるっていうか、別にそんな有難み薄れてる……"有難み"って言い方は変ですけど、でかいから頼りになるなって感じは変わってないっていうか、昔から。
……ちょっとウルトラ怪獣の魅力っていうのは、僕あんまり、ピンときたことないんですけど」
のーと「僕も実はあんまりって感じ……ですね。まぁでも怪獣もいるし宇宙人もいるしロボットもいるしみたいな感じで、それぞれにデザインが割と凝ってたりするんで、それは面白いかなって思います」
やんま「あそっか、ウルトラマンは年間通してコンセプトがあるとかじゃなくて、割と自由にポンポンポンッて出る感じなのか」
のーと「かなりバラエティに富んでますし、怪獣を生み出すアイテムみたいなのが最近は出たりしますけど、アイテムは共通だけど出てくるやつはてんでばらばらみたいなとこもあるし。それと最近は昔の怪獣を使ったりとかすることも多いんで、まぁウルトラはずっと前からそうですけど。ってことで、何かコンセプト的に共通させようとしてた部分があっても、全然違うのがたまに入り込んだりとかっていうのがあるんで、結果的にバラバラみたいな。バラバラなのが魅力的なのかな」
やんま「統一されてるウルトラマンとの対比で……みたいな?」
のーと「だからもしかしたら、円谷と東映の特撮両方好きだって人はまぁまぁいるだろうし僕もそうですけど、どっちかに偏る場合ってのがあるじゃないですか。何かその、理屈っぽい方が東映の怪人とかに惹かれるのかな……ってか仮面ライダーの方か。なんか単一のルールとかお約束で理解しやすい。怪人と仮面ライダーはだいたい同じようなもので、それぞれシリーズ化されてるから見栄え的としても統一されてるし、これはこういうもんだよねって納得するときにも、しやすい。
ウルトラマンはちょっとよく分かんないところっていうのが元々ある……一応M78星雲その他もろもろマルチバース色々あるけども、だいたい出身が分かってて……っていうのは設定としてあるんだけど、なんか神秘性みたいなのってのがずっと昔からあって。さっき言ったように敵のキャラクターはバリエーション豊富で分類不能だしみたいな感じの、ごっちゃり感って言えばいいんすかね。よく分からない感みたいな」
やんま「そうですよね、ウルトラ怪獣って僕でも知ってるような有名どころだとバルタン星人とか、キングジョーとか、レッドキングとか? 今出た3つだけでも宇宙人,ロボット,怪獣って、バラバラですもんね」
のーと「バラバラですよね。まぁバルタン星人とかゼットンとかっていうのは、似てるやつっていうか同種のやつとか何代目とかあるから、そういうラインナップというかあれの中に入るんだろうけど、でもすごい有名じゃないやつらですよね。なんなんだこれみたいなのもたくさんいる訳で。例えば僕が見てた中だと『ウルトラマンコスモス』だと、なんか戦国時代の怨霊が怪獣になってたりとか。人型なんですけどもう完全に、落ち武者に女の顔みたいな見た目なんですけど。歪なんですよね造形がすごい。そういうのもある一方で『コスモス』の場合はカオスヘッダーっていう割と1年ちょっと、テレビシリーズ通して戦う敵もいたりして。まとめたいのかバラエティに富ませたいのかちょっとよく分かんないんだけど(笑) それが混在してるのも面白いかなって」
やんま「ウルトラマンっぽい見た目の敵も結構いますよね。……結構ではないか」
のーと「にせウルトラマン系列ってことですか?」
やんま「僕が知ってるとこだとベリアルくらい……かな」
のーと「ベリアルはマジウルトラマンだけど……」
やんま「あ、あとダークザギ? とか」
のーと「ウルトラマンっぽいやつってなんか、マニアの人だったら厳格な決めごとがありそうですけど、僕はにわかなんであれですよね、そこら辺はぼんやりとしたイメージしかないけど、もしかしたら『ガイア』のブリッツブロッツとか……あれはデザインモチーフとしては烏天狗ってことらしいんですけど、でもなんか割とツートンカラーでまとまってて、飛んだり跳ねたり胸のところが開いたりっていうのがなんかウルトラマンぽいなって思ったりするし……イメージの話ですよ。あとはブリッツブロッツより遥かにウルトラマンぽいのは、最近も出てきたキリエロイドとか。点滅するし形も変わるしみたいな。ウルトラマンじゃないけどウルトラマンぽいやつってのはいますよね」
やんま「僕はそういうにニセ○○みたいなの好きでしたね、子供の頃から。ヒールライクっていうか、悪者なんだけどちょっとかっこいいっていう」
のーと「そうなるとあれなのかな、『コスモス』だとカオスウルトラマンってのがいたりして、まぁちょっと遡るとイーヴィルティガとか、あとカラーリングの違うダイナの偽物とかいるんですけど、割とカオスウルトラマンってのは度々出てきて結構強いライバル役みたいな感じになってて。っていうのがあれなんですかね、リュウガとかの走りだったりするんですかね? 分かんないですけど。いますごい適当なこと言ってますけど(笑) 主人公とよく似てるんだけど、根っこの部分が違ったりする感じですよね」
やんま「ファイズは……(オーガとは)別にそんな似てもないか」
のーと「カイザはまぁ似てますよね、一応。デルタは微妙だけど」

 

『555』の勘違い

のーと「この"成人式"って……」
やんま「あ、なんかあります?」
のーと「いや成人式ないなと思って。これ何を思って入れたんだろうって(笑)」
やんま「たまたま考えてたときに目に入ったのかな。なんか、大人になる儀式みたいなニュアンスで入れたんですけど」
のーと「まぁ成人式も一応1月にやるから冬ですけど……あれですよね、変身するタイプの特撮だと、何か新しいアイテムで新しい姿になりましたとか。っていうのがそういう表現の代替にあるから、それで少ないんですかね? 大人になりました、大人になる儀式ですっていうの見せたら、まぁそれはそうなんだけど、でも特に物語上の意味もないし」
やんま「そうですね、実際の成人式ってホントなんも変わらないですもんね」
のーと「同窓会ですからね。あーでも流星塾とかは……」
やんま「あーそうだ! 同窓会で話そうと思ったんだ。なんか後々の客演とかも同窓会チックだし。それこそさっき言った『RIDER TIME 龍騎』とか。なんか戦隊の……"帰ってきた"シリーズ(10YEARS AFTERのことを言いたかった)とか、そうだそれで話せるかなと思ったんだ」
のーと「同窓会で言うと、井上敏樹が同窓会って怖いよなって話を確かしてたと思うんですけど。今ちょっと引っ越しの準備で本を詰めちゃってるんで、また後で確認取れたら補足しますけど。
記憶が間違ってなかったら、なんで怖いかって言ったら知ってるはずのやつなんだけど、なんか変わってるから……だったかな? だったと思うんですよ」
やんま「そんな感じのこと言ってましたね」
のーと「流星塾とかは割とそうなのかな? 流星塾は後が怖い……」
やんま「そうですね……会って、みんな変わっちゃうっていう。死んじゃうやつもいれば凶暴になっちゃうやつもいて」
のーと「久しぶりに会ったあいつと、みたいな……で、草加以外はそのことを覚えてない。まぁ同窓会あったことはみんな覚えてるし、後々共同生活をするぐらいには絆みたいなのもあるんだけど、本当のところは草加しか分かってなくて。不気味さって言えばいいんですかね、薄気味の悪さ」
やんま「なんか流星塾生(メインキャラはともかく、名前覚えてないようなモブ達)同士の横の繋がりって、あんまり僕イメージないんですけどありましたっけ? 俺とお前、結構仲良かったよなみたいな」
のーと「それが……あんまり分かんないんですよね。漫画版の『913』とかでもそうだったし。割と"流星塾生の絆"みたいなこと言うときって、草加とかは言ってたイメージあるんですけど、でも実態としてはそれほどでもなかったんじゃない? みたいな。だって事実として草加はいじめられてたし。だから流星塾の事件に関わって、オルフェノクにベルト絡みで狙われることになって、団結したしたりとか繋がりを維持するためにそういう言葉っていうのが使われるけど、でも実際そんなのあんまないんじゃない?」
やんま「そうですよねあんまり、仲がいいイメージはない……運命共同体だから、一緒にいるけどみたいな」
のーと「デルタで凶暴になったみたいなやつも、凶暴になったっていうよりかは地金が出てるんじゃないみたいな。元々そんな仲良くないんじゃない? 流星塾を離れた時期っていうのもそれぞれちょっとずつ違うだろうし」
やんま「そっか、孤児だから他に居場所を見つけることもできないのか。なかなか」
のーと「そういうどうしようもなさみたいな感じですよね」
やんま「腐れ縁みたいな感じなのかな……腐れ縁はもっと、割といいニュアンスか」
のーと「あとは『555』の好きなところって言っていいのかどうか分かんないんですけど、それ客観的に見て事実じゃないけどこいつの中では絶対そういうことになってるんだろうなみたいなのが結構あるのがいいなって思う。良いところもあるし悪いところもあるんですけど。良いところでいくと三原が最後の方で、草加……お前の強さを俺にくれ、みたいなことを独白するシーン。草加が死んだあとに。でもそれって、三原はものすごく強がってる草加しか見てなかったからじゃないかなって。巧は草加の弱っちいところたくさん見てるから、ちょっと態度が同情的になったりする部分もあったりするけど。だからなんか強さ弱さみたいなのも絶対的なあれじゃなくて、人からの見え方でだいぶ違ったりして。草加の強さっていうのは客観的に見たらそうでもないかもしれないけど、三原の中ではそういうことになってるし、それが三原の支えにもなってるしみたいな。まぁ正しくはないんだけど、ちょっと綺麗かなって思ったりして」
やんま「勘違いだけど、それに意味がない訳じゃないっていうか。勘違いがいい影響を生むこともあるしってところですよね」
のーと「後は草加……強がってる部分はあったと思うんですけど、それが生きてる間にはあまりうまくいかない部分もたくさんあったけど、それが死んだあとに三原から認められてっていうのは皮肉かなって思ったりして。まぁ味方に回った草加は頼もしかったりするんだけど。でもなんか根っこの弱っちい部分っていうのは、巧にはバレてるし、真理とか啓太郎にもなんとなく薄々そういうところが見えちゃったりしてるし。木場……」
やんま「木場さんもそうですね、勘違いの代名詞っていうか」
のーと「木場さんの中ではそうなってるんだけど……木場さん自身が勘違いすることもあるし」
やんま「巧は木場が人殺してること知らない……ですよね(※知ってたかも?)。知らないから「お前も人間だ」って言えるんだけど、その勘違いが巡り巡って最後に共闘するきっかけになるっていう」
のーと「これ多分前にも言ってるんだけど、最後の最後まで自分が実は人殺したことあって……って言えない木場さんが好き(笑) 「その答えを君が俺に教えてくれ」とは言うけど、なんで迷ってるかまでは、まぁ言うタイミングがないって言えばそれまでなんですけど」
やんま「わざわざ言うことでもない……いやでも、隠してるのはちょっと感じ悪いよなぁ(笑)」
のーと「その感じの部分が分かんないまま終わるっていうのも、なんか切なくていいなって思うし。
だからあれかも、『ドンブラザーズ』もしばらく一緒の撮影がないみたいな話もあったし。ピンクの説明文になんか不穏なことが書いてあるみたいなのも話題になってたし。既婚者でサラリーマンやってるんだけど、何も失うものがないみたいな。失うものない訳ないだろって(笑) で多分5人それぞれなんらかの事情があるんじゃないかなって、まぁブラックは事情だらけだしブルーはかっこいい無職だし。多分一緒の撮影がないってことは本当にアバターなんだろうし、気失ってる感じでしたよね変身したあと。だから井上流すれ違い劇みたいなのが多分絶対見られるんだろうなって思うとすごいわくわくする(笑)」
やんま「そこをやらないはずがないっていう(笑)」
のーと「やらないはずがない、めっちゃ楽しみもう。『ゼンカイジャー』みたいな毎週付けて、なんかだいたい同じ話がやってるのとはまたちょっと違うのがスーパー戦隊で見れるなって思うと、そうそうこういうの見たあとは次……みたいな感じで切り替えられていいかも」
やんま「そうですよね、『555』みたいなつくり方は『ゼンカイジャー』とはもう本当対極っていうか。見る回ごとに色々変わっててっていう」
のーと「忙しいですよね。『555』とか1週2週飛ばしたらもう絶対分かんなかったと思う。あっ、だからリアルタイムで見てたときとか、木場さんがファイズになるときとかって、多分そのちょっと前の回とか飛び飛びで見たりとかしてて……飛び飛びじゃないか、巧が怪人になるのが嫌で。それでちょっと見たり見なかったりみたいな、見たくないとこを飛ばしたりとかしてたら急に木場さんがファイズになってたりしてびっくりしたって。それ子供のときの思い出かな」
やんま「なるほど(笑) 確かにそれまで別にそれっぽい素振りなかったもんな……海堂がファイズになったりはしたけど、木場さんは全然」
のーと「まぁ木場さんのファイズかっこいいんで、今見返すと。いいんですけど、びっくりしたなぁって感じ」

 

年末商戦ライダー・最光,サウザー

やんま「さっき「最近の冬は売上的にも冷え込んでますよね。正直サウザーと最光という変わったキャラが年末商戦に出されるのは狙ってるのか何も考えてないのか、分からない」っていうツイートがあったんですけど、僕はサウザーも最光もすごい好きなんで……まぁ変わり種だなとは思いますけど。そうか、最初は最光……微妙だったか、そういえば。何? 剣がライダーって、みたいな。あれは度肝抜かれたなぁ、今でこそ好きだけど。
ユーリのキャラ……あのとぼけた感じっていうか、あれがすごい好きで、最光も好きになったんですけど」
のーと「なるほど。これ別に悪口って訳じゃないんですけど、ユーリの人のセリフが割と平坦な感じだったのって、あれはキャラづくりなのか普通の棒読みなのかちょっと分かんないんですけど、どっちなんでしょうね。あれ」
やんま「どう……なんだろう(笑) もしかしたら本人は本気でやっててあれなのかもしれないけど、そこを分かった上でキャスティングしたのかもしれない……(笑)」
のーと「結論から言うとっていうか僕の素直な感想だと、あれは全然技量のない棒読みだとしても好きだなって思う」
やんま「かわいい(笑)」
のーと「かわいいんだよあれ(笑) すごい深刻な話なんだけど深刻じゃない雰囲気も出るし……とぼけてる感じですよね、さっき言ってた」
やんま「かわいいんだけど、めっちゃ頼りになるし」
のーと「なんか『セイバー』中盤以降の独特な空気感っていうか、雰囲気づくりにものすごい貢献してると思う。もしかしたら合わない人は合わないかもしれないし、何なら僕もちょっと慣れるまでなんだこれって。なんかもうこれはこういうもんだなって思っちゃうと逆にそれがハマってくるっていうか」
やんま「『ゴースト』『セイバー』ってよく分かんなさ(不可思議)みたいなのをウリにしてるところがあるっていうか、なんか禅問答みたいなところがあるから、(ユーリは)それをひとつのキャラに凝縮したっていうか、自分的には『ゴースト』『セイバー』組(高橋P,福田脚本)の最高傑作みたいなイメージがあって。よく分からなさがちゃんと魅力になって、成立してるっていう。『ゴースト』のときはちょっとふわふわしてて、それが良くない方向で言われがちだったけど、ユーリはよく分かんないやつ"だからいい"じゃないですか」
のーと「そうですね。後から実はこうだったんだよねって言われると、まぁお前だったらそっか、みたいな。お前だったら別にいいよって」
やんま「何でもアリっていうか、何でもいいよ(笑)っていう」
のーと「ソフィア様が後から大事なこと言うと、お前先言えよってなるけど、ユーリだったらまぁいっかってなる(笑)」
やんま「剣だし……(笑)」
のーと「あとは、刀鍛冶に対してはちょっとだけパワーバランスがおかしくなってるのも好きかもしれない。他の剣士よりは半歩先というか一段上くらいだけど、本体が剣だから自分が疲れちゃったときとかって戻っちゃうじゃないですか。戻っちゃうと、どこからともなくあの不審者が現れて……チェックしようとしてくる(笑)」
やんま「ボディチェックを(笑)」
のーと「あのバランス結構いいなって思いましたね。他の剣士に対してはまぁ偉そうではないけどちょっとだけ先輩だしっていうのはあるんだけど、一人ぐらいちょっと苦手……苦手っていうか、明らかにあれなやつがいてもいいかなって。弱みっていうか、弱点っぽいのがひとつあるだけでいいと思う」
やんま「飛羽真とは割と対等……うーん微妙かな?」
のーと「まぁでも対等じゃないですか?」
やんま「そうですよね、結構信頼してる感じで。あのふたりも結構……だから僕、年明けの『セイバー』がすごい好きなんですよね。まぁ自分が個人的に入院してたりで娯楽が欲しかった時期っていうのもあるんですけど。
……「ゼロワンの天津は別の方法でキャラに深みを出してほしかった。変に味方ヅラしてほしくなかったというか……結構お前ひどいことしてません?って思っちゃう」……なるほど。天津もね、結構賛否ありましたよね」
のーと「……ちゃんとケジメ付けろよとは思ったけど。aiboの回でそれに代えたと思ってるならもうちょっとちゃんとしろよとも思う」
やんま「あー、うんうん。僕、天津も好きなんだけど、aiboの回はそんなにあれだったかな……」
のーと「あれで許されキャラになったのかなとか、パンツで許されキャラになったのかなと思うとそれは違うなって思うし。前にも話したと思うんですけど、一方で『REAL×TIME』のこれから仲良くすればいいっていうのは、まぁそれはそれでアリだなって思う。だってそれしかないんだもん」
やんま「人は変われる(『ゴースト』のセリフ)っていうか、あのメッセージはすごい良いですよね」
のーと「その割にはお前……昔とそう変わってねぇなっていう……まぁそれも含めて好き(笑) それで、天津がもう根っからのすげえいいやつになってたら、ちょっと説教くさいなって思うんですけど、お前まだちゃんとしてねぇのにそういえこと言うなよっていうぐらいで、まぁいい感じのバランスになってるのかなって思いたい(笑)」
やんま「あいつらしいなっていうのは崩さずにっていう感じですよね。
"味方ヅラ"か……そっか。なんかそもそも、天津がなんで悪いかって、あんまり背景がないっていうか……さうざーの回で、お父さんに1000点取れって言われて歪んじゃったみたいなあれがあったけど、なんか別にそれ関係ない(関係なく、悪くない)っていうか……なんて言うんだろうな」
のーと「アークに細工したことっていうのも、それ自体は良いとも悪いとも言えないぐらいじゃないですか。だから天津の行為の良い悪いの線引きって実はちょっと難しかったりする……」
やんま「そう、別に嘘教えてる訳じゃないし」
のーと「曖昧なラインだから……ってことなのかな」
やんま「うんうん。だから『ゼロワン』制作陣は天津のことそんなに悪いと思ってないんですよ」
のーと「あ、そうなんですね」
やんま「多分……たぶん(笑) 悪いと思ってないっていうか……みんなどっかしらの面から見ればすごい悪いよね、っていうのの、天津はたまたまその悪い面が(悪そうに)視聴者に見えちゃってただけっていうか。
本編では副添とかにエステとか岩盤浴とか、私利私欲にお金を使って! みたいなこと言われてたけど、それ私利私欲じゃなくない? って僕思ってて。それは社長としての身だしなみ……仕事として多分彼はやってる(から必要経費だと本気で思ってる)んだろうなって僕は勝手に思ってて。だからすごい悪く言われてるけど、彼って意外と私欲では動いてなくて。義務感っていうか、使命感でやってるところが多いから、彼が悪いっていう……言い方? はあんまり僕ピンときてなくて(結果として悪いことはあっても、悪気があってやってることはあまりない)。会社の社長として利益を出さなくちゃいけないとか」
のーと「割と或人に対する態度とかもそんな感じなのかな」
やんま「うんうん……あ、でもあれは割と私欲……の側には寄ってたか。飛電に対する態度っていうのは」

 

次回「赤青」

仮面ライダーエグゼイド 第1話「I'm a 仮面ライダー!」 肯定的感想

第1話「I'm a 仮面ライダー!」


・永夢少年は交通事故に遭ったらしい。大森Pの前作『ドライブ』はまさに自動車のライダーであって、交通事故というのはその最たる弊害だろう。これはちょっと面白いかもな。危険なものである車を肯定的に描いたからには、それによって起こる悲劇に対するアンサーをきちんと用意しないといけないという意味で、本作は医療をテーマに選んだのかもしれない。
多分あの作品がロイミュードという擬似AIを扱うことになったのは、これから一般化するかもしれない自動運転におけるトロッコ問題が興味深い話だからなのかなと思ったりもするけれど、本作も実質的にはAIものとしての要素はあるので、その辺のリンクは気にしてみたいところ。

・「こんな状態でオペ」というのはどんな状態なんだろう。成功する見込みが低いときは何もしないのか? もちろん大災害などにおけるトリアージで黒と判断して生きてるけど処置できない,しないということはあるかもしれないけど、優先度の高い患者がいないのであれば、ダメ元でも手を尽くすもの……なんじゃないのか? 違うのかな。
それとも他にもっと重篤な患者がたまたまいて、そっちに人員を割かれていてまともなオペができる状態じゃなかったとか……うーん分かるような分からないような。

・ただサボってる訳じゃなくて、病院の近くにいることから恐らく患者さんやその家族たちを楽しませてるんだな、何気に。他人がゲームやってるとこって、僕は友達と遊んでるのに相手がゲームやってたらつまんないなと思ってたクチだけど、そこは天才ゲーマーというか、"魅せる"プレイもできるのかね。

・微小な方のバグスターウイルスは不思議な形をしてるけど、よく見たら別にgameのgではないっぽいな? 強いて言うなら"Bug"を縦に繋げたらあんな感じの○4つになりそうではある。

 

・キャラ紹介の字幕フォントが割ときっちりした明朝体で、例えばまるっこかった鎧武とは違う大人っぽい雰囲気。内容も堅苦しい漢字ばっかで、子供にとっては果たして意味があるのか謎なんだけれども、まぁそこは児童誌とか図鑑で勝手に補完するか。僕も子供の頃、本編ではほぼ呼ばれてないはずの『響鬼』のアイテム名、変身音叉・音角とか烈雷とかの名前知ってたもんな。

・お菓子の食べ過ぎね……確かに子供って、自分の欲望をコントロールできなくて自ら病気になることが多い生き物よね。まぁ大人でもそうだけど、子供は特に。歯磨きサボって虫歯になったり、危ないことして怪我したり。
周りの人や医者の心配をよそに、自ら病気になる愚行を許容する意味もあって、永夢は小児科研修医なのかもしれない。まぁ、病人がいないと商売あがったりというのもあるだろうし。

・天才ゲーマーなら適合者になれるとはどういうこと? 言葉の綾みたいなものであって、適合手術をしたあと、ゲームの力で戦う仮面ライダーとしてうまくやれるだろうということだろうか。
日向が適合者は一人で十分ではないかと言ってるのは、手術に失敗して適合できなければゲーム病患者になってしまうリスクを恐れているからだったりするのかな。

・日向先生が衛生省のトップになっているのは偶然じゃなくて、永夢の手術をしたとき既にゲーム病の存在に勘付いていたからだったりするのかな。あんまりそこの繋がりに疑問を持ったことなかったけど、仮に何か関係があるとしたら多分そういうことだよね。
まぁ外科手術で感染症の有無に気付けるとは思えないけど、術後に様子見で通院してた時に気付いた可能性もあるからゼロではないか。症状はないから永夢本人を治療しようとしたりする必要はなかったけど、血液検査か何かで謎のウイルスに対する抗体が検出されたとか……うーん、コロナみたいに対象となるウイルスが明確な状態で検査することはできても、普通に検査してて偶然発見されることはなさそうな気がするけど、別に医学に精通してる訳じゃないのでなんとも言えない。

・ちなみに仮面ライダー図鑑によると、市販版のマイティアクションXはガシャットロフィのように端子部分が短く、黒い枠のない外見をしているらしい。確かにまぁそれなら似ている。

・あっぶねー! よくあるドタバタコメディで大した意味はないだろうと思って言及せずに飛ばすとこだった。
颯太を追いかけて永夢が台車にぶつかって坂を滑り落ちていくシーン、これいわゆる"すべりやすい坂"の比喩なのか。確かにエグゼイドが扱う命のデータ化の是非みたいな議論をするにあたっては、体の機械化,サイボーグ化を認めて行った先でテセウスの船的な問題に突き当たるように「この程度なら大丈夫、が積み重なると最終的には倫理的にまずい自体が起こる」という意見はありがちな気がする。

 

"ゲーム感覚"とは

・君はマイティなんだという声掛け、まぁ半分くらい意味分かんないけど言いたいことはなんとなく分かる。医者も色々やるけど、だいたいは本人の免疫によって病気は治すものだから、ウイルスに打ち勝つのは最終的には自分自身であると。
で、要するに『鎧武』の1話みたいなことをやりたかったのかなと。五代は最終的に「まぁはぐれたらつらいか」ってなってるけど、紘汰は「そういう勝負、ゲームだと思ってみなよ。泣いちゃったら負けのゲーム。泣かない方法を見つけたら勝ちだ」と励ましている。
本作における"ゲーム"は、概ねこの文脈に沿っているように思う。何かしらのクリアするべき課題に対して、嫌だなぁとか面倒くさいなぁとか思わずポジティブに向き合うための思考法として。だから「ゲーム感覚で命を預かる手術をするなんてありえない」という批判は成立しない。ただの言葉の綾なので。

・マイティアクションXは制作発表から完成まで5年以上掛かったらしい。5年前といえばゼロデイだが関連性は?
そもそも衛生省は正宗を逮捕している以上ゼロデイ当時からゲーム病の感染源が幻夢コーポレーションであることは突き止めているはずで、だからこそ専門家としてライダーシステムという対応策を提供してもらう関係になったんだとは思うが、黎斗の思惑としてはおそらくこの新発売のマイティアクションXにもバグスターが仕込んであって感染者を増やそうとしてるのだと考えられるので、なんだかなぁという感じ。ただのゲームを開発するのに5年も計画が遅れたと考えるより、衛生省のチェックを潜り抜けつつゲーム病に感染させられるよう調整するのが難しかったとかそういうことな気がする。

抑圧するものとしての医者

・NS「採血をします。右腕と左腕どっちがいいですか?」
ぼく「どっちもやです」
NS「じゃあ右腕ね(ブスッ)」
仮面ライダーにおいては特にそうだけど、医者は"あなたのため"を押し付けて自由を制限してくるパターナリズム的な悪としてのイメージがついてるよね。勝手に拉致して"改造手術"でバッタ人間にするなんてのは極端だけど、歯医者さんで痛いことされたり、苦い薬を飲まされたりさ。仮面ライダーシリーズで医者側の話をやるのは、必然というかいつかやるべき課題ではあったのかもしれない。
尤も、医療倫理の原則では患者の自由意志を尊重するようにと言われているんだけど、特に相手が子供だと我儘を尊重してたらキリがないし将来的に本人がもっとつらい目に遭う訳なので、多少の押しつけがましさは(もちろん保護者の許可を得た上では)仕方ない部分はある。
というのを踏まえた上で、ソルティの話に続く。

・「じゃあソウタくんはもう……」のとこ、これ笑ってる……よね? 微妙に口角が上がってるし、SEで印象付けまでしてるからには何か意味があるはずなんだけど、マジで全く分からん。いくらMでも患者が死んでわざわざ喜ぶような趣味の悪さは持ってないはず。
あー、ここで笑ってるのはパラドなのかな? 人間を発症させてやったぞよしよしみたいな。或いは、困難な壁を前にして笑うタイプみたいな意味でM人格が出てるのか。

 

・成り行きとはいえ、どうしてバグスターを前にして悠長に話をしてるのかと不思議だったんだけど、永夢に事情を説明することでまだ近くにいるかもしれないMを一緒に探してもらうため……とするなら、まぁギリ通るかな。

患者に甘い医者としての永夢

・マイティはお菓子を食べて強くなるらしい。健康にはあまり良くないけど、嗜好品を食べることでやる気が出るとか、逆に食べたからには運動しなきゃってなることの比喩かな? 当時エナジーアイテムチョコっていうそのまんまなお菓子が売ってて、チョコ自体はまぁ普通の銀紙にエナジーアイテムのシールが貼ってあるだけのものなんだけど、おまけでついてくる縦長の台紙が形状的にほぼ栞で、本の虫としては無視できなくって安売りしてるのを何個か買って使ってたっけな。
・それに対してソルティは塩がモチーフ。正直何だそのチョイスは……って感じで、元ゲームであるMAXの設定的にマイティとの対置というのは分かるにせよ、敵モチーフとして流用されることがわかっていながら何故そこをそういう設定にしたのかって話になる。
冒頭のマルオくん(食べてないよ〜)の話と合わせて考えると、殺菌効果がある塩と、甘い誘惑という対比なのかなと。しょっぱい≒けちくさいというのは従来通りの医者に対するイメージであって、安静にしてなさい,お菓子を控えなさい,運動をしなさい……という厳しい態度。永夢はそれに対するアンチテーゼとしての患者を笑顔にする医者で、ベッドで寝てなくていいよ,ゲームしていいよ,お菓子も食べちゃおうという"甘い"対応を是とするキャラクターなんだろう。もちろんそれは、日向が患者にゲーム機をプレゼントしたのと同じくって意味で。
そういえば確かに、主治医からの個人的な差し入れでこそないけど、歯医者さん行って頑張ったら小さいおもちゃとかシールとか、なんならアメちゃんとか貰えるシステムって子供の頃はあったっけな。

また塩ってことでナメクジの要素も入ってるらしくて、これはなんか繋がりそうでビビッとは繋がらない。NARUTOでは綱手が医療担当だったようにナメクジは薬になると言われていたとか、あとは逆にアスクレピオスの杖として医療のシンボルであるヘビに対して三竦み的に有利であるとか、颯太くんが訴えてた目眩の主原因である三半規管の近くには蝸牛(カギュウ/かたつむり)があるなとか、なんか関係してそうだけどイマイチ決め手に欠ける。

・ただレバーを動かすだけでいいという、ゲーマー的には「レベルアップってそういうもんだっけ……?」と思うような謎の仕様を、説明書を読まない性格と合わせてある種のゲームをクリアしたみたいな描き方にするのはちょっとうまいかもな。
あるもんねそういうミニゲーム、空気を読んで何をしたらいいか察せってやつ。『空気読み』っていうそのまんまなタイトルのもあるし、『メイドインワリオ』なんかもその類型よね。僕は発達障害で空気が読めないからなのか、昔やらして貰ったけど何をするゲームなのか全く訳が分からなくて混乱した記憶がある。

・もう周知の事実だとは思うけど、相変わらずエグゼイドのデザインってよくできてるよなぁ。大枠はカービィ的なピンクでお菓子を食べるとかそういう部分も意識してると思うんだけど、そのチョコをマリオのブロックに見立てて、ゴーグルの下部がヒゲにも見えるようになってる。武器のハンマーも『ドンキーコング』におけるマリオの無敵状態になるあれだし、色々ごちゃまぜにしてスポーツ要素を足した結果きちんと"エグゼイド"という唯一無二のが意見になってるのが流石というか。

・塩がどうして電気攻撃につながるんだ……?と思ったけど、食塩水は電解質だから流れるというか、金属板を使って頑張れば電池みたいに使えるのか。
生理食塩水とか言って人間の体液にもイオンが何か関係してるんだろうか?・仮面ライダーのお約束として爆発したけど、ウイルスはどうなったのかな。ウイルス自体が破壊されたと見るべきなのか、はたまた空気中に散らばっただけなのか。空気感染はほぼしないと思われるので設定的にはそれでいいっちゃいいのかもしれないけど、特に今コロナで飛沫とか気にしてる身からすると、なんかウイルス散らばってんじゃないのかなーって気になっちゃうよね。爆炎の高温で死滅してる可能性もあるけど。

 

エグゼイド感想一覧

裏面

仮面ライダーエグゼイド 1話「I'm a 仮面ライダー!」 否定的感想

 

次話

仮面ライダーエグゼイド 第2話「天才二人はno thank you?」 肯定的感想

劇場版 仮面ライダーゴースト 100の眼魂とゴースト運命の瞬間 感想

 

・ダークネクロム3人衆は、赤青黄と3色揃ってるかつ敵なのもあって"鬼"っぽいニュアンスが強いかも。
アルゴスはともかくとして、彼らは一体何者なんだろうね。他にも眼魔はいたから、別に彼らだけが特別眼魂島にいるって訳じゃなくて、イーディスはそれなりの数の民をここに送ってたんだろうけど。
素体が英雄ゴーストのものと同じだから、パーカーチェンジしちゃうともはやネクロムの面影は完全に消えてしまう。一応ベルトとプロトメガウルオウダーが付いてるけど、フェイスもゴースト同様の仮面を被るのでパッと見ではほぼ判別できない。

・しかし、ダークネクロムにすぐやられるしいいように使われるしでやけにみんな小物になってるけど、やはり英雄ゴーストというのは本人の魂ではないのかもしれない。音楽家たちが氣志團メンバーになってるとか意味分からなすぎるから、あくまで生まれ変わりとか、魂の質が似ている人を代理にしてるとか、そういう設定なのかな。人は死んだら終わりだけど、その人の魂(精神性)は受け継がれて永遠に不滅なものとなるって話だし。

・もしかしてと思ったけど、アルゴスの話を聞く感じやはり英雄の村が平和でみんな幸せそうなのは、みんなゴーストであるが故に肉体に縛られず、全てが思った通りになるからしがらみがないのかもしれない。様々な時代や国の人たちが仲良くしているのも、思っていることが物理的な音声としての言語を介す必要なしに、謂わばテレパシーで直接伝えられるからこそ、みんな分かり合えて平和なのかもしれない。
だからこそ、肉体を持っていて根本的な理解まではできないアランや御成たちは、いくら英雄と言えども不気味な異物に見えたんだろう。
みんなが楽しそうにしている姿を見てタケルは「これが本来の人間の姿なのかも」とまで言っていたけど、ゴーストになることは是としない……。ちなみに直後にユルセンが何かを言って仙人に叱られてるんだけど、大事そうなセリフなのに1ミリも聞こえないので誰か分かる人いたら教えて下さい……。

ご飯を食べたい

・あー……なるほど? ゴーストが何故そこまで食事にこだわるのかイマイチ理解できてなかったんだけど、魂(ここでは"精神"とは別ものとする)が不滅であり永遠に不変の存在なのだと仮定したら、肉体とは常に変化し不安定でいつか消えるものだと対置することができる。
その意味で、他を取り込んで自分の血肉とし、肉体を変化させる……つまり代謝を行うために必要な"食事"を、本編42話で言われていた「人は変われる」というようなニュアンスでの変化や可能性の象徴として肯定するかたちになるのか。

・確かに、タケルが切ない気持ちになるのはゴーストが不便だからじゃなくて「みんなと一緒じゃない」という部分が大きいんだろうから、アルゴスの言うことにも一理はある。
だからこそみんなと同じ人間に戻りたいタケルと、その反転として全員自分と同じゴーストにしてしまえば解決というアルゴスなのか。

・イーディスお前さぁ……アルゴスには全てを話した上で協力してもらうつもりだったのに裏切られたから、タケルには真意を隠したまま手伝ってもらうことにしたとかそういう流れかと思ったら、全く同じ轍踏んでるじゃん。今回はたまたまタケルが聖人だったから許してくれただけで。
アルゴスが離反する理由もなんだか分かるようで分からんし、どういうことなの? 「確かにイーディスには彼なりの目的があったけど、それはそれとしてアルゴスが生き返ることもできるはず」ってことが伝わればいいだけの話なのに。勘違いが起こるのも個として生きてるから、グレートアイのように集合体になってしまってないからこそのことだよねってことで済ませればいいんだろうか。

・でもマコトと大悟の確執もそうか。マコトが一方的に突っかかって、大悟も罪の意識から弁明できなくて、それでどんどん勘違いが深まるけど、ちゃんと話すことさえできればすぐに分かり合える。意識的に繋げてるなら、そういうことなのかな。
ゼロスペクターが3本ツノなのはよく分かんないや。ゼロゴーストはゴーストと同じ1本ツノのはずなんだけどな。

・エクストリーマーのモチーフである孔雀について調べてたら、そのままアルゴスという名前の100の目を持つ巨人について書いてあってびっくりした。明言されてないモチーフって、普段はここまであからさまに分かることって少なくて、いつも頭をひとひねりふたひねりくらいしないと分かんないから。まぁそれは僕の知識不足とか察しの悪さによるものかもしれないけど。百々目鬼くらいしか知らなかったから、調べても全然ハマらないなぁと思ってたのよね。
そういえばストロンガーに百目タイタンってのがいたけど、あれのモチーフも彼か。
ただ、だからといってそれを倒すタケルにヘルメスの要素があるようには思えなかったし、その巨人をモチーフにしてるからどういうテーマがあるとかまではにわか知識じゃ分からなかったので、そこはまたいつか考える。

最終決戦

・ゴースト化が半分起こってるからこそ、アカリたちも人を超えた存在、霊体としてタケルに力を貸すことができるというのは、なんか理屈じゃなく感動した。これまでなんだかんだで無力感を覚えていたんだろうから、やっとそれが報われたというか、タケルもタケルで死んでしまうかもしれないけど、最後の最後でゴーストになるという感覚を仲間に理解してもらえて、精神的に独りじゃなくなってから消えられるというのは。
マコトとアランも、自分たちが普段体張ってというか命をかけて戦ってるからこそ、最悪自分を犠牲にしてでもみんなを助けたいというタケルの決意を察して、それを無駄にしないよう帰ろうと促すのもなんか良かった。

 

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