やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーエグゼイド 第3話「BANしたアイツがやってくる!」 否定的感想


86ma.hatenablog.com

仮面ライダースナイプ登場。
一見ゲームを楽しんでいるだけのように見える無免許医、花家大我。だがよく見たら印象が変わるかと言えばそうでもない。

 

だから小児科?

・子供を説得するために真っ先にゲームを持ち出すのはらしいと言えばらしいが、勇樹くんがゲーム好きである根拠って何ひとつなくて、ただ「自分が好きだから」出しただけのよう。公私混同とまでは言わずとも、もし患者がゲームにトラウマでもあったらどうするつもりなんだか……。
まぁ下手なことをして逆効果になるとまずいから必要なこと以外は関わらないというのが一般的な医者のスタンスであって、飛彩が取ってるのもそれ。その方が確かに合理的ではあるんだけど、まぁただマイナスをゼロにするだけじゃなくて笑顔にしたいというのが永夢の信条な訳なので、余計なお節介をするのは仕方ないことではあるものの、逆に前回マリッジブルーだった女性に対しては話を聞くだけで積極的なアプローチというのは全くしてなかったので、子供が相手だからナメてるようにも見える。「子供ならたぶんゲーム好きだろ」「仮に何か気に障ること言っても、大人みたいにネチネチ根に持ったりしないですぐ忘れるだろ」みたいな。
大人なら相手には相手の事情や考えがあるから尊重するけど、子供が相手ならまだ確固たる自由意志が芽生えてる訳じゃないのでそういう気遣いをあまりしないで自分の好きなように提案してもいいというのは、一理あるけどあまり良くないと捉えることもできる。ヒューマギアって実質子供みたいなものだと思うんだけど、新イズに対して旧イズと同じような振る舞いを求めた或人がやんや言われてたのと同じでね。僕はあれに関しては全然OKだろ派なんだけど。


・勇樹くんの母親の足を蹴っ飛ばしておきながら、心配された訳でもないのに「大丈夫です」と自分の心配しかしてないのも笑った。椅子とかに躓いたならともかくさ。
これに関してはわざとというか、別に母親の足に躓かせなくても成立するシーンな訳なので、わざわざそうしてるってことは敢えてツッコミどころをつくってるというか、本人に悪気はないんだけど悪いことしちゃうっていう高橋脚本でありがちな露悪的描写として捉えるなら、一周回って好き。
『令ジェネ』で或人が寝坊してライズホッパー召喚するシーンと同じ。あれも雷電に「いちいち戻すの大変なんだからつまんないことでバイク使うな」って怒られてたのに、さらっとまたやっちゃうっていう。


・「それより賭けようぜ。一番強くて、一番多くゲームをクリアする仮面ライダーが誰か」
このセリフに一体どれほどの意味があるのか。大我を焚き付けたとも見えるが、それによって後々明かされるパラドの目的である「永夢とゲームがしたい」に関わるとは思えない。本当になんの意味もなくというか、行き当たりばったりで何も考えず、ただ雰囲気だけでもの喋らせてるのかなって感じがする。結局誰にも何も賭けてないしね。
まぁギリギリ通る筋としては、協力者である黎斗は仮面ライダースナイプのデータ収集もしたいから、参戦してくれるよう煽ってこいって言われた可能性が考えられるけど。
・このあと大我も永夢に対して「ガシャットを賭けようぜ」という提案をするんだけど、なんか心理的な繋がりがあると思って敢えて同じ表現にしてるのか、それとも単に引き出しが少ないだけなのか。


・てか前から思ってたけど、医者じゃない大我がなんで白衣着てんだよ(笑) 闇医者ってことがバレたら逮捕されるはずなんだから、もう少し隠れる気とかないのかよ。……まぁ勇樹が走ってこれる範囲なので聖都大学附属病院からそう遠くはないのかもしれないけど、それにしたって平日の昼間にあんな森というか公園で白衣の人がずっとスマホいじってたら普通に目立つだろ。


・なんでバンバンシューティングだけ開発中止になったんだろうね。黎斗の性格……というかプライド的に、発表したにも関わらず中止にしたままお蔵入りなんてことはしなそうなのに。しかものちのち仮面ライダークロニクルをスタートする予定なんだから、プレイヤーが「あいつはマイティだろうけど……あのスナイプとリボルってやつはなんのゲームだ?」って分からなくなるじゃん。ボスを倒さないと無限に難易度が上がり続けるとかいう頭悪すぎる設定に気付けないとほぼ無理ゲー。


・大我だけはライダーとして戦ってると最悪死ぬみたいなリスクを知ってるんじゃないかなと思うんだけど、その上でエグゼイドに銃撃できるのすごいよ。その癖後半では「ゲームオーバーが怖くないのか!?」だもんな。どの口が言うって感じ。


・大した説明もなく「俺の言うことを聞け!」と無理強い。今回はたまたま相手が丁寧に説明しても断るクズ人間だった(俺は俺のやりたいようにやる。お医者さんごっこなんてやめて、ゲームを楽しもうぜ)から結果は同じだったものの、これは問題。
ストレスを与えると増殖するから戦わない方がいいのか、そうは言っても倒さない訳にはいかないから攻撃するのか……実際にどっちの対処がより適切だったかはイマイチ分からないけど、一応仮面ライダーとしては先輩な大我に対して、一寸の迷いもなく自分の判断の方が正しいと思い込めるのは流石。
永夢はその辺の事情を知らないけど、永夢自身が仮面ライダーになりたてなのは自分で分かってるんだから、他にも慣れた手付きで変身するライダーがいたら先輩なのかなってことくらいは察せるはず。


・ともかく目の前で銃撃戦を繰り広げるよりはマシだろうと勇樹を避難させる永夢の判断は多分正しい。バグスター目線での映像が見えてるかもしれないとは言ってもおそらく朦朧とした意識で見る夢のようなものであって、実際に視界が完全にリボル目線になってる訳ではないと思うので。
それはいいんだけど、永夢と大我がリボルと戦っている間ポッピーは勇樹を安全なところへ逃がすでもなく終始棒立ち。一体なんのためにいるんですかあなたは。
・でもってその場から離れたシーンで、一切なんの説明もないまま変身解除した大我がのこのこ歩いてくるの、マジで意味分からんな。ストレスが減ったから雑魚の数は減って倒しきれたってことなんだろうけど、肝心のリボルを取り逃がした理由が描かれてないので、最悪「ゲーム感覚でオペしてるから飽きて放り出したんじゃないの?」と捉えられても仕方ない。
前回はゲンムが乱入したことで取り逃したという流れだったので、今回も同じことがあったとか、リボルが雑魚を囮にしていつの間にか逃げていたとか、まぁそう解釈すればそれほどおかしくはないかもしれないけど、うーん……あまりにもばっさりカットしすぎじゃない?


・「仮面ライダーとしての彼の腕は確かだ」とは言うが、人間的には難があるものの今のところ治療についてはこなせている……むしろ2人いることで無駄な争いが起きて滞っているとも言える。そこに更なるクズを追加する理由としてはかなり弱い。
まぁ黎斗側にはスナイプを参戦させてデータを取りたいという動機がある訳なので、問題なのはこのよく分からないでっちあげの説明で納得してしまう飛彩の方。言っても仕方ないと判断して自分で取り上げることにしたのかもしれないけど。


・「10種類のガシャットを集めればすべてのバグスターウイルスをぶっ潰す力が手に入る」というのは、黎斗から吹き込まれたただの嘘? 結局別に、それらしい描写ってなかったよね。
まぁ強いて言うなら、序盤は概ねバグスターと同じゲームのガシャットを使うことで倒しているので、何かしらの特攻みたいな効果が実はあって、全種類持ってればどんな種類のバグスターが来ても倒せる……という話なのかもしれないが、別に対応ガシャットでなくても倒せるのは知っての通りだし、言葉通りバグスターを一気に全滅させるような飛躍的な力が存在している様子は後の話を見ても明らかにない。……まぁ強いて言えば33話で正宗が、仮面ライダークロニクルのマスターガシャットを使うことで遠隔操作でソルティを消滅させるなんてことをやっていたので、その気になればバグスターを全滅させることも不可能ではない……のかもしれないが、ライダー図鑑の用語辞典には「マスターガシャットを破壊すれば、仮面ライダークロニクルに起因するゲーム病は完治する」という39話に沿った内容が書かれていて、この文面を見る限り仮面ライダークロニクルと関係ないゲーム病患者はどうすることもできないと思われるので、やはり大我の言っていることはおかしい。

 

脱走する患者

・ポッピーとともに、患者(子供)の脱走を許すポンコツっぷりを露呈。1話でも同じミスやらかしてたけど、CRのセキュリティは一体どうなってんの。
確かに分かるよ? 外からの侵入に強いからと言って、中から出るのも大変とは限らない。でもさ、なんでか分からんけどゲーム病患者は隔離する必要があるって灰馬言ってたじゃん。バカ……なのかな?
ちょっとあまりにも意味分からなすぎるので裏面ながらも擁護する筋を考えると、そもそもゲーム病の存在は国家機密なので常に人手不足であり、灰馬とポッピーの2人しかあの部屋を監視する目はない上に2人とも無能なので仕方ないのかもしれない。極秘だから予算を捻出するのも一苦労で、有能な人材を雇う余裕もないのかもしれない。
というのは半分冗談だけど、分離後のゲーム病患者は透明になって触ろうとしてもすり抜けてしまうという特性があるので、その気になれば壁を通り抜けることもできてしまって脱走を防ぐことは物理的にできないし、どうせ不可能な上に普通良識ある大人だったら入院中に脱走しようなんて思わないで治るまで大人しくしててくれるから無駄なお金はかけてないのかもしれない。
とは言え、壁をすり抜けるくらいならまだイメージもできるけど、CRは地下深くにあるんだから、勇樹くんはふわぁ〜と空を飛ぶように地上まで上がっていったことになる。だって壁をすり抜けられるなら、エレベーターのボタンを押せるはずがないもの。
……そんなことあるか!? いくら子供だからって、壁をすり抜けたりジャンプして空を飛べるなんて本気で信じるとは思えないし、できてしまったらかなり困惑するのではないか。うーん、やっぱ病気だから熱に浮かされてるような感じというか、意識が朦朧として夢うつつみたいな状態なんだろうか。

 

バカは話を作りやすい?

・変身してMとなり大我の賭けを受けた結果、ガシャットを奪われる。そろそろこの二重人格を何とかするべきでは……。
なんかこの感じは『ビルド』と似たものを感じるな。あっちはパンドラボックスの光のせいでバカになってるから仕方ないで全部済ましてたけど、このMって設定もキャラをバカにすることで話を回しやすくするギミックなのかもしれない。「いや、必要のない賭け受けたお前が100悪いやん」ってなるところを、Mっていう人格に責任転嫁してやりすごすための隠れ蓑というか。
デカレンジャー』とか見てると痛感するけど、キャラクターってバカな方が話の幅というか緩急を付けやすいらしいのよね、どうも。バカだからとんでもないミスをしちゃったけど、頑張って取り返すぜ! という構造が、優秀なキャラだとできない。『DEATH NOTE』なんか分かりやすいと思うけど、頭のいいキャラを動かすからには作者もそれ相応に展開やセリフ回しを考えてツッコミどころを減らす必要があるし、それができなきゃ「頭いいキャラの癖にバカじゃん」と言われることになる。
もうひとつ顕著なとこだと『フォーゼ』のジェミニ回ね。友情を何よりも重んじる弦太朗がユウキとの約束を忘れるはずがないのに、塚田さんの求める緩急を付けるためには忘れてないと話が成立しなくて、苦肉の策として忘れてはいるけどチケット自体は神棚に大切にしまってるということにしたんだと三条さんが述懐していたのは有名な話で、これはもうまさに制作陣が明確に証言してるいい例。奇しくも『デカレンジャー』を始めとする所謂"バカレッド"の系譜は、同じ塚田Pの作風として書かれていることも多かったりする……。


・飛彩は「何を置いても病気を治すのが最優先」なのかと思ってたら急に主張が変わって「患者を放っておいてでも不愉快な医者から医療機器を没収する」になった。
或いはゲーム病患者がいることは全く関知しておらず、あの場にも患者とは無関係に来ただけなのかもしれないが、それはそれでやはり患者を治す気がないよな……まぁポッピーが無能だから情報共有を忘れてただけかもしれないことを考えると一概に責められないけど、いい加減あいつのことを信用してる方も方だよな。「あの女は頼りにならないから暇があるときは連絡がなくてもなるべくCRの様子を確認しよう」とか思わないのかね、ドクターは自分一人で十分だとか抜かすならさ。親父が無能だとは思いたくないから、信用してるのかもしれないけど。

・大我も前回の飛彩も、患者の事情に興味がないとは言え、必要最低限の情報くらいは知っておくべきでは。今回は目に見えて不利になっていた(リボル無限増殖)ので、ただの意地で患者を無視してるなら不合理すぎる。尤も「ゲームを楽しむ」というのが本音ならば、縛りプレイとして筋が通るけど。


・バグスター分離手術には術者にも死の危険があることを、5戦目にしてようやく告白。言いにくかったとかそういうことでもなく、特に理由もなく言わなかったようである。流石に気が違っているとしか。
……あぁなるほどね。所詮はゲームキャラだから、今まさにHPが減っているという状況じゃないと説明しないのか。そりゃチュートリアル出来レースでならそれでもいいかもしれないけど、実戦でも同じことするのは心があるんだとしたらヤバすぎる。まぁ、ないのは心じゃなくて知能だけって話なのかもしれない。

・リスクが高いからと変身解除する飛彩、"ブレイブ"なのに……。もちろん、一人の患者のために命を落としては他の救える命が救えなくなるから仕切り直すのも勇気、ということだろうが、何の躊躇もなく決断する様はもはや流石。前回といい、助けることよりも見殺しにすることの方が上手いのでは。
それに、別に幹部級って訳でもないリボル相手にこれだけ苦戦してるんだから、勇樹ひとりを見捨てることで本当に多くの人を救えるのかってところも疑問だしな。一応飛彩的にはこれが2戦目でしょ? 一勝一敗でそこまで自信持てる理由が分からんわ。


・「エグゼイド、ゲームオーバーが怖くないのか!」と、自分は物陰に隠れて叫ぶスナイプ……純粋にかっこ悪かった。後々「俺には失うものは何もない」みたいなセリフを言っていたのに。しかもよく見たらライダーゲージ満タンじゃん、えぇ……。
ゲームキャラの設定として、ガンナー,スナイパーだから他のキャラと比べて打たれ弱くて、近接主体のエグゼイド, ブレイブはギリギリ耐えられたけど仮にさっきの攻撃をスナイプが食らってたらワンパンでやられてたのだと考えれば、物陰に隠れてることにも納得はいくけど、かっこ悪いことは何も変わんない。


・しかしHPが0になったら死んじゃうって、よくよく考えたら一体どういう設定なんだ……?
装着者が物理的に耐えられる限界値をゲージ化してるとかなら全然分かるんだけど、変身解除した後は苦しそうっちゃ苦しそうだけど瀕死ってほどではないし、人間の肉体的限界とはまた別に、ライダーシステムがわざわざ殺してるとしか思えない。実際、死ぬと言っても普通の死ではなく消滅。
考えられる可能性としては、変身してる間は体内でバグスターウイルスが以上に活性化してるから超人的能力を発揮できるけど、肉体がある一定以上にダメージを受けるとウイルスに負けてしまって一気に死に至るってケース。それなら変身を解除することで防げるのは分かるけど、これだとボロボロな状態で再変身したときはゲージが最初から減ってるはずなのに、そういう描写はなかったことを説明できない。
パワーアップするとゲージは隠れてしまうことが多いので、もしかすると見えてないだけでそうなってるのかもしれないけど、最終話なんかはまさしくそういう状況でレベル2に変身してるにも関わらず見た感じ満タンだった。
自分としてはセーブをせずにガシャット(ソフト)を抜けば強制終了されてダメージを受けたことも引き継がれない、ということだと考えるのがしっくりくるのだが、それはそれで後に出てくる「セーブ」と合わせるとよく分からない。


・永夢がガシャット取られたことを「リスクの高いオペを続行した結果」だと責めていたが、明らかに大我からの受ける必要のない賭けを受けたからだろう。まぁその辺の事情を知らないから言えることなんだろうけど、逆によく事情も知らずにそこまでずけずけとものを言えるな。

 

まとめ
永夢は安定して不安定だし、飛彩もキャラクター崩壊、大我はゲームを楽しむクズだと捉えれば矛盾はほぼなし。
ポッピーの「患者を避難させない」という問題行動は、後々取り返しの付かないことになるのだが……それは追い追い。

 

エグゼイド感想一覧

表面

仮面ライダーエグゼイド 第3話「BANしたあいつがやってくる!」 肯定的感想

 

前話

仮面ライダーエグゼイド 第2話「天才二人はno thank you?」 否定的感想

次話

仮面ライダーエグゼイド 第4話「オペレーションの名はDash!」 否定的感想