やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーキバ 42,43話「パワー・オブ・ラブ・王の怒り/結婚行進曲・別れの時」 感想

キャラクター

 紅渡
・彼にとって嶋さんってそんなに大事な存在だっけ? それとも今回のやりとりで、人間とファンガイア両方の視点を持つという点でシンパシーを抱いていたんだろうか。

 

 登太牙
・「気付いていますか。昔からあなたは僕を……黴菌でも見るような目で見ていることに」
嶋「今でも痛むよ、お前に襲われた背中の傷が」
話が全然噛み合ってない。互いに自分を被害者、相手を加害者だと思ってるから、ずっと平行線なんだな。嶋は太牙がファンガイアであるというだけで多少の恐怖を感じ、自分なりに歩み寄っているつもり(食事を振る舞う)でも、太牙(食事をしない)にとっては愛情を感じるようなものではなかった。むしろ嫌がらせや当てつけに見えてしまった可能性すらある。そういうすれ違いが続いた結果としての、多分、あの背中の傷なんだろう。そして今度は嶋が当てつけとして太牙の振る舞う料理を食べないという悪循環。前にも言ったけど、一度互いにごめんなさいと言えれば全然違うんだろうけど、こうすれ違っていると先に謝ったほうが負けみたいな感じにもなってくる(謝れば仲直りできるという信頼がない)ので、まさに囚人のジレンマって感じ。
互いの選択肢はまぁざっくりと協力と非協力として、利得行列は……って、数値が違うだけで上下関係はそのままだな。

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・「深央は何もしていない。何もしていないんだ!」
嶋に対しては自分の利益を優先させる"裏切り"をしつつも、同じ口で深央に対しては自分の損害を受け入れてもその利益を優先する利他行動をする。そういうものだよね。

 

 鈴木深央
・死亡。意外と呆気なかった。僕は最近、キャラクターは死なない方がいい気がしているので、死んだということはその程度だったんだなって感じる。描写はほぼなかったけど、多分クイーンとして多くのファンガイアを殺したんだろうし、太牙にまで手を出した。その罪は確かに重いし、それを洗い流すために必要な儀式としての死というのは、まぁ順当ではある。井上作品の"最後"では妥当とか順当とかいった言葉ばかりが出てくるんだけど、それ止まりなのは死んでしまうからなのかもしれない。物語の終わらせ方、畳み方って難しいなぁ……。

 

 嶋護
・「名護くん、君のすべきことは分かってるな?」
ついこの間知ったってこともあるけど、アイヒマンの話を思い出した。

処刑前に「最後に何か望みがないか」と言われ、「ユダヤ教徒になる」と答えた。なぜかと尋ねると「これでまた一人ユダヤ人を殺せる」と返答をした問答の逸話もあるとされている。

アドルフ・アイヒマン - Wikipediaより

さてこんな常軌を逸して見える彼だけれど、かの有名なミルグラムの実験によって、誰しも環境次第でアイヒマンになり得るということが示されている。ファンガイアに差別感情を抱く嶋を断罪すべきだろうか。人間に差別感情を抱く太牙を断罪すべきだろうか。


設定

・嶋さんに至っても暴走していたので、力の扱いになれていない場合はそうなるのだろうか。それとも、器の問題か? ファンガイアの器にファンガイアの力はちょうどよいが、ハーフや人間の器にはなかなか耐えられない、みたいな話だろうか。

 


キャラクターの死というのは、もちろん"罰"……もっと踏み込んで言うと、「あんなことしたやつがのうのうと生きてるなんて許せない」という視聴者に納得してもらうためのパフォーマンスみたいな側面もあるけど、単なる事故のような「因果とは関係なくたまたまこのキャラクターの最後は死だった」と捉えることもできる。悪いことをしたから死ぬと言うのなら、それこそ誰も残らない可能性がある。その不一致を納得するための僕の理屈がそれ。深央が死ぬのなら太牙が死なないのは因果応報的に考えると明らかにおかしいんだけれど、生憎死なないと知っている。

 

次話

仮面ライダーキバ 44,45,46,47,最終話「パンク・バックトゥ・ファーザー/ウィズユー・最後の変身/終止符・さらば音也/ブレイク・ザ・チェーン・我に従え!/フィナーレ・キバを継ぐ者」 感想 - やんまの目安箱

仮面ライダーキバ 40,41話「アンコール・名護イクサ爆現/ララバイ・心を解き放て」 感想

キャラクター

 紅渡
・「めぐみさんに、ごめんなさいと伝えてください」
嶋と太牙の間で何があったかは知らないけど、これを言うだけでもだいぶ違うのにね。
・「兄さん、僕は生きてみたいんだ。人間とかファンガイアとかじゃなくて、僕は僕として」
『555』の40話「人間の証」から少し発展した結論ではあるけど、過程はよく分からなかった。39話のラストで真夜を助けた(強く成長した姿を見せた)から彼女の気が変わって渡にも自分を信じろと伝えた……? そうやって復活した後に倒したのが"マザー"サガークなのも気になる。
…………女王蜂の『HALF』という曲(下のMVを参照)に、「誰かのせいにはしたくないよ 生まれてみたいから生まれて来ただけ」という歌詞があって印象に残っているんだけれど、そういう儀式だったのかな。母親に"生まれた"から生きてるんじゃなくて、自分の意思で"生まれた"から生きてるんだと。

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 紅音也
・「俺は真夜に惚れている」
ガルルと普通に風呂入ってたのもそうだけど、"器がでかい"っていう受け取り方をしてしまう不思議。ゆりと真夜の二股も、かなり前から「2人まとめて愛してやる」とか言ってたし。

 

 名護啓介
・「魑魅魍魎跋扈するこの地獄変……名護啓介がここにいる。イクサ、爆現!」
健吾からイクサを取り返す回……なんだけど、そもそもなんで取られたんだっけと見返したら、楓にやられて怪我したから装着者交代って流れだった。名護に何か落ち度があってそれを乗り越えたようにも思えないので、あんまりピンとこない。昔の自分そっくりな健吾に諭すとかなら良かったのに。一応その後で、渡が暴走したら止める約束もしてたけど、やっぱ健吾のくだり要らなくない?
・「それが、未来の可能性というものではないですか」
いいセリフなんだけど、渡の復活に際して何もしてないのでなぁ……。

 

 襟立健吾
・彼の話は結局なんだったんだろう。変身ポーズはかっこいいけど、澤田のときみたいに主役が立ち直るきっかけになる訳でもなし、意味は見出だせなかった。

 

 アームズモンスター
・音也を殺せないというのは、少なくとも劇中ではあんまりなかったけど、音也と関わることで娯楽の大切さも伝わったってことでいいのかな。今のところあんまり具体的な描写はないけど、現代編の彼らと過去の彼らを繋ぐ転換点が近いのかな。

 

 キング
・「希少種族の最後の1匹だからな。城の飾りに丁度よかろう」
甘い、と思ったけど、必死さのない(剣を持たない)キャラクターとしては間違いではない……のか? 規律と娯楽は対になるものだと思ってたけど、少なくともキバでは近いものなのかな。その前提で考えてみると、確かに"ルールを定める"ということの無意味さは娯楽に近いものがあるかもしれない。「ファンガイアは人間を愛してはならない」と決めたところで、ファンガイアが人間を愛さなくなる訳ではない。そういう点で、ルールというのは余裕のある者のみに意味を持つ。勝敗を決めるのに、例えばチェスを使おうと提案したところで、相手にその譲歩をする余裕がなければ問答無用で殴りかかってくる。ものを盗んではならないというルールがあるのを知っていても、空腹で仕方ないのならばきっと盗む。そういうものだ。
・ところで、彼がアームズモンスターの前に度々現れ逃がさない様は、なんとなく釈迦と孫悟空のそれを思い出した。

 

 

若干気持ち的には置いていかれつつある。でもまだ諦めないぞ。この先を見ることで今回の話の意味を保管することもできる。

 

次話

仮面ライダーキバ 42,43話「パワー・オブ・ラブ・王の怒り/結婚行進曲・別れの時」 感想 - やんまの目安箱

仮面ライダージオウ EP30「2019:トリニティはじめました!」 感想

キャラクター

 常磐ソウゴ
・「最後の最後までもがいて、俺たちを苦しめればいいじゃん。俺は……俺たちは、白ウォズに負けないように戦うからさ」
ここ良かったね。僕はソウゴのこういうところがすごく好き。と同時に、やっぱりマッチポンプという言葉を思い起こさせるセリフでもあるよね。僕の中では、まとめ記事のタイトルにするくらい『剣』とそのワードは親しいものなんだけれど、その剣編でってのも手伝ってる。
アナザーキカイの件もあるし、ジオウがメタフィクションの体をとっていることもある。仮面ライダーが立ち向かわなければならない"悪もの"を想像するのも、仮面ライダーを想像したのと同じ制作陣なんだよね。ヒーローがヒーローとして成立するためには、立ち向かう悪が(それが人格的である必要は必ずしもないが)必要。
これを主人公のスタンスに取り込むことで、番組としての「敵に立ち向かう仮面ライダー」という構図を確保してしまう、この『ジオウ』の"お約束"の活かし方が見てて面白いんだよな。

 

 ゲイツとウォズ
・自分たちにとっての過去を"未来"にすり替えるのは、考えてみれば当然の帰結。そもそも彼らは「過去(2018)に戻って未来(自分たちにとっての過去)を変える/保つ」ためにここにいる訳だし。
「(ジオウを倒さないというなら)未来の仲間は助けなくていいの?」というのは前々から感じてた疑問ではあったけど、それも含めて未来の話。過去を完全に断ち切ってソウゴに寝返るのもなんだかなぁと思ってたので、これはうまい落としどころ。
ただ、この項の名前に現れている通り、反目をやめてしまったら「ジオウの家臣その1とその2」みたいな印象になってしまうのではという不安はある。レッドがヨイショされる戦隊のメンバーみたいな。まぁ、ソウゴも大概ふわふわしてるから、そこまで薄くはならない気もするけど。

 

 もうひとりのウォズ
・彼の心情は正直に言ってよく分からなかった。見返しで考えます。

 

 海東大樹
・士のそれと同型のカメラの修理を頼んだのは、彼なのかね。となると前回順一郎さんがいなかったのは、単に修理をしてたからかな? 朝食も普段通りの量は、既につくってあったのかもしれない。
・彼のお目当ては白ウォズのノートだったのね。何故欲してるのかは本編見ないと分かりっこないからこれも保留。

 

 剣崎一真
・みんなやたらと「剣崎が運命に負けてる」って言うけど、負け判定厳しくない? 本来、「世界を守るためにジョーカーを2人とも封印する」「勝者が決まり世界が滅ぶ」のどちらかが"負け"でしょ。どっちもまだだよ。
離れなきゃいけないことがビターエンド(つまり本人たちにとって最高の状態ではない)なのだとするなら、その時点で「みんなで仲良く一緒に暮らすことはできない」って運命には白旗ブンブン振ってるんだよなぁ。それはよくてこれは駄目ってのはもう理屈じゃないので、特に言うことはない。
根本的な話をすると、残ってるのがジョーカー2人の時点でどっちが勝っても破滅は決まってるんだから統制者はもう滅ぼしちゃえよってことになるんだけどね。そこはまぁ、全生命が破滅よりはマシだと願ったってことで納得してもいいけど。
・今回の戦闘も、「必殺技まで使ってるけど(カリスは)変身解除すらしていない」「アナザーブレイドが天音だと知った動揺で割と落ち着いている」など、かなりグレーに描かれている。
白か黒か、暴走か冷静か……そういう二極化した捉え方をやめてこういう曖昧さを受け入れることは、"リアリティ"にも繋がってくる。
"どっちか"じゃない拮抗状態というのは、それこそ『剣』のラストが提示しているものでもあるしね。

 

 相川始
・彼がハカランダを後にした理由というのは、別に何か目的があるとかではなく、天音の依存心こそが原因だったらしい。まぁ確かに彼女のイメージって「始さんが好き」くらいしかなくて、彼女自身の個性というのは言われてみると全然思い付かない。あと、彼女にとっての始ってのはそもそも「亡き父の代わり」という側面もあったはずで、そういう意味で自立を促すというのは思ってたよりも自然な流れ。
ここで「アナザーブレイドになった天音を助けにきたじゃないか」って思った人は極端。化物になって人を襲い始めたら自立とかそういう次元の話じゃない。普通割って入る。
・今回のジオウが仮になかったとしても、天音ちゃんが事故か何かの危機に陥って、始がカリスになれば助かるかもしれない……そういうシーンに直面しないとは限らない。
そこで剣崎との約束を守り天音ちゃんを見捨てるのが良いのかどうか。心(SPIRIT)を持つ者としてその選択は正しいのか。理屈じゃない心があるからこそ、"冷静さを失う"ということも有り得る訳で。
これは剣崎の側でも同じことが言える。全ての人を守りたいといった彼が、天音ちゃん一人を守ればとりあえずはいい始よりも力を使わずにいられるのかどうか。
どう考えても目の前の一人よりも世界の崩壊の方が悪いけど、それを悩むのが人間であり、きっと剣崎でもある。
僕は漫画版仮面ライダーを読んで「人間の持つ精神の自由とは、愚行権のことだ」と改めて思った(参考:大自然がつかわした戦士『漫画 仮面ライダー』 感想)けれど、その文脈で行くと『剣』は(あと多分『ビルド』も)とても仮面ライダーとして真っ当だ。理屈じゃなく感情的で、時に馬鹿なこと(馬鹿に見えること)もするけど、それこそ彼らが自由な証。
・ここまで考えて、『剣』という"作品"はあそこで終わってるからこそ平和に見えるのではないかと思った。
「作品を閉じる」というのはすごいパワープレイで、その後どうなったかを描かないことで小綺麗にまとめることができる。
RADWIMPSの『シュプレヒコール』という曲に、こんな詞がある。

語り継がれた物語の終わり方はいつも決まっていた

「そして彼らはいついつまでも幸せに暮らしましたとさ」

ちょっと待ってよ 知りたいのは その続きだよ 守りたいのは

やっと手にしたハッピーエンディングを 枯らさずに咲かせとくカプセルを

youtu.be

現実の認識論として、"終わる"ものは夢,物語(≒過去)、"続く"ものは現実(≒現在)になるんじゃないかという話を以前Twitterでした。夢と現実を交互に繰り返す中で、もし夢が毎度前回の続きからだったとしたら、僕らの"現実"は2本立てになっただろうと。
つまり、『剣』のキャラクター達はあの"ビターエンド"によってそのリアリティを殺されたのだ。その"続編"とは、死者が蘇ったように映るのかもしれない。なんの葛藤もなく永遠に過ごすなんて、そんなの"有り得ない"。
いずれは破綻する現実を、比較的ハッピーでクライマックスな瞬間までを切り取ることで綺麗な物語に昇華する。
散り際の桜は美しいけれど、枯れ切った桜はそうでもない、みたいな。
始さんがいつまで経っても年を取らないのであれば、天音ちゃんが死ぬ前にいずれ正体バレ(しかも仮面ライダーではなくアンデッドであることの)は起こる。そこから目を避ければ、『剣』の世界は見せかけの平和を保つことができる。
これだけ無理のあるビターエンドを、平凡ではあるがそれなりのハッピーエンドに昇華したことを、僕個人としてはむしろ褒め称えたい。

 

 

 設定

・僕も結構頭はかたいほうなので最近省みつつあるんだけど、アナザーブレイドが生まれても『剣』の歴史が消えていないのは、単に「擁立者や本人に消すつもりがなかったから」という可能性もあるのかもしれない。
クイズがアナザークイズを倒した(変身解除させた)けれどアナザーウォッチが壊れていないことがあったように、「必殺技」も「アナザーライダー誕生」も、お約束色は強いものの人間の行動の1つに過ぎない。そこに"手加減"の入る余地は、あってもいいんじゃなかろうか。
・アナザーブレイドがジョーカーの力を吸い取るというのは歴史改変能力(あるいはアンデッドとの融合能力)の応用として少なくとも僕は納得できるんだけど、それよりも気になるのはやはり「ジョーカーを抜かれて残る始ってなんなの?」ってところだよね。
まぁ、僕は普通に「剣崎が人間からジョーカーになったようにジョーカーから人間になることも有り得る。本編を経て始はただのジョーカーじゃなくて人間の部分も手に入れたのだ」ってのでなんで納得できないんだろうって感じちゃう(『剣』本編が好きなら特に)んだけど、言っても仕方ないので他の理屈も提示してみる。
28話の感想で軽く触れたけど、タイムジャッカーが"アナザーライダー擁立"というかたちで番組を"終わらせている"のとは別に、新番組を"始めている"者がいると思われる。
今回の『剣』のように前番組の世界をなかったことにする世界改変が起こらなくても、次作の『響鬼』の世界は存在している。それはつまり、「『響鬼』の世界観をつくる」という改変が別に起こっていることを意味する。それがスウォルツの仕業なのかまた別のやつの仕業なのかはまだ分からないけれども。
で、それを前提に考えると『剣』にも、彼らに仮面ライダーの力をタイムジャッカーよろしく与えた瞬間があったはず。「『剣』という番組に依存している存在は番組が消えたら消える」という理屈で行けば、本来人間だろうがアンデッドだろうが残るはずはない。残るとすれば役者さんくらいだ。でもそうならないのは、元々『剣』とは関係なく剣崎一真や相川始という"人間"は(少なくともジオウの歴史には)存在しており、そこに"仮面ライダー"や"ジョーカーアンデッド"という設定を世界5分前仮説的に与えられている様子を記録したのが『剣』ということになる。この構造は役者さんが役を演じることと相似形をなす。相川始は、「相川始という人間の心を持ってしまったジョーカーアンデッド」を演じていたという解釈になる。そうなると、彼から"ジョーカーという設定を抜き取る"のは可能だ。与えられた役を、返すだけのこと。
・剣崎が記憶を保っていたのは、アナザーライダーによる世界改変が起こっていない、かつジオウによる"継承"もまだだからということでいいのかな。剣崎が所有権を渡したことで、タイムラグがあった後にいずれ忘れる可能性もなくはないけど。天音ちゃんが2人のウォッチを持ってたのは、天音ちゃんにブランクウォッチを渡せば普通に辻褄が合う。循環については過去に何度も書いたので割愛。

 

 

まぁまぁ面白かった。ここでも感想記事でもさんざん書いた通り、僕はそもそも「汚された」なんて思うほど『剣』が綺麗ないい作品だったとは思ってないので、これは特になんの反感もなくアリ。
次回はアギト編らしいね。「これまでの危機で戦わなかった理由」が今のところ全く思いつかないので、どうなるのか楽しみ。

追記:「与えられた状況の中で、できるだけ良い方向に行けるようにもがく」ってのが僕の中の剣の核であり、好きなところ。ジオウでは"与えられた状況"が変わった訳で、この手札の中でなら間違いなく今回の結末が最善だとは思ってる。ジオウ組が解決しちゃうってのも含めて、今回彼らに与えられた運命。しかも特に抗う必要のない都合のいいものである。だったら彼らの視点ではあくまで「ジョーカーに負けないように頑張る」のが最善なんじゃない。

剣崎の融合係数が高くて13体融合キングフォームになれたり、その副作用としてジョーカーになれたりすることも、別に剣崎が努力して手に入れたとかそういうことではないんだよな。たまたま素質があったってだけ。でも彼はそれを手札のひとつとして利用してできる限りのハッピーエンドを導き出した。

「自分がジョーカーになるしか始と世界を救う方法はない」という運命を納得して受け入れたのが剣崎であって、僕の中での『剣』は、運命を受け入れるイメージなんだよな。配られた手札には文句を言わない。

ちょっと整理できた。僕の『剣』への好きな気持ちと今回のジオウは共存可能。『剣』が嫌いだから受け入れられるんじゃなくて(そういう側面もゼロではないが)、好きでもきちんと筋を通せる。すっきりした。

 

ジオウ感想一覧

前話

仮面ライダージオウ EP29「ブレイド・ジョーカー!?2019」 感想

次話

仮面ライダージオウ EP31「2001:めざめろ、そのアギト!」 感想

過去作

剣(ブレイド)感想一覧

仮面ライダーキバ 38,39話「魔王・母と子の再会/シャウト・狙われた兄弟」 感想

キャラクター

 紅渡
・「僕は人間とファンガイアが仲良くなればいいと思ってる」
たぶん、そもそもファンガイアが人を襲わなくなればいいってことだよね。少なくともハーフな渡は人間を食べたかったり食べなきゃいけなかったりする訳ではないみたいだから、半分は説得力がある。

 

 紅音也
・「あぁ、知ってる」
もしかすると、音也がゆりに叩かれたのは、芸術のためにファンガイアと共にいるという危険を冒したこと(≒生への欲求の希薄さ)だったりするのだろうか。

 

 登太牙
・「寂しかったんだ……今まで。でももう一人じゃない」
やっぱり、完璧なキングでなくちゃいけないという重圧がキツイのかな。特に裏切り者の子っていうのが、余計に。

 

 鈴木深央
・「太牙を倒して。渡さんがキングになって。そうすれば、私たち一緒にいられる」
発想が怖いけど、これまで規律に縛られて……というかビショップからの圧力で自由にできなかった訳だし、まぁ抑え付けたバネははね返す力も強いよね。怖いけど。

 

 真夜
・「渡、お前はここにいては駄目。私の側にいては」
うーん、なんでだろう。自立させるためって言っても、あんな幼い子供を親から離すのは一般的じゃないよな。少なくとも人間的には。考え得る可能性としては、真夜がファンガイアに狙われてるから近くにいると危険ってことだろうか?

 

 嶋護
・「人間とファンガイアの共存など、在り得ない……!」
嶋さんがそのつもりで生きてることにはなんの文句もないけれど、キバであることがすなわちファンガイアであることと繋がるのなら、序盤で倒すのを渋ってたのがよく分からない。まぁ正直に言ってしまえばこの人にはあまり興味がないので矛盾してようが何しようがどうでもいいんだけど、全体の構成を捉えるためにはそうもいかない。単に名護じゃ勝てないって話だったのかな。今(ライジング)なら勝てるんだろうか。

 

 キング
・「絶滅……それが邪魔な種族の運命」
え、『EGO』の冒頭歌詞がそのまま人の形をとったみたいな奴だな……世界中が空っぽになってしまう。どくさいスイッチの話を知らないのか。

 


設定

・ファンガイアの文化は、まぁメタ的にはモチーフになってるから当然なんだけど、どう考えても人間のそれにそっくり過ぎる。恋をしないのに結婚という儀式があるのも不思議。掟を定めた頃のファンガイアは、人間を羨んで(妬んで)いたりして真似たのだろうか。
・渡がファンガイアの血を覚醒されて暴走したけど、別にファンガイアって元来荒くれ者ばかりって訳じゃないよね。単にビショップが気を利かせただけかな。

 


"狙われた兄弟"ってなんだったんだろう。あ、一応太牙も深央に狙われてたか。

 

次話

仮面ライダーキバ 40,41話「アンコール・名護イクサ爆現/ララバイ・心を解き放て」 感想 - やんまの目安箱

仮面ライダーキバ 36,37話「革命・ソードレジェンド/トライアングル・キングが斬る」 感想

キャラクター

 紅渡
・「本当にどうもすいませんでした」
前回を経てまたひとつ人間的に成長している。一応2話完結の体裁を保ってはいるけど、こういうところできちんと繋がりを見せるのは好き。
・「太牙くん……どうしよう、浮かれてる場合じゃないんだ」
深央が自分のことを好きだと知って喜ぶも、太牙のことを心配もする。渡のこういうとこ、普通にいいやつだよねぇ。太牙も、嫌味な感じはあるけどある程度は(ファンガイアの掟に触れない限りは)尊重してて、いいなぁ。
・「もっと力が欲しい。深央さんを、守れる力が」
ザンバットソード、巷では卑猥なものとしてネタにされていると聞いたんだけれど、みんな(無意識に)よく分かってるね。僕は今回の見返しで初めて分かった。確かにこれは男性器……というか、性欲に近いもののメタファーに見える。健吾や太牙、ちょっと前の次狼のように「惚れた女を手に入れるために戦う」という意志を表すものであって、扱いを間違えると暴走して人を傷つけてしまうのもまさにそれ。"抜き身"な感じ。アームズモンスター3人衆で抑えられたのは、ちょっと悩んだけど、これも"遊び心"のおかげなのかもなと。現代編での彼らはいつも城の中で遊戯をしていて、鬼気迫った何かは感じない。そういうことかな。正体バレのタイミングとしてもバッチリ。

 

 登太牙
・「許さん! クイーンはキングのものだ……」
見返してたら、なんか急に切ないセリフに思えてきた。キングとしてきちんとしなければいけないという重圧に耐えて自分を規律で縛って、わずかな安らぎであるクイーンとの結婚(たまたま自分も好きになった)は達成できない……みたいな。ファンガイアに恋の文化はないはずだけど、個人単位ではいくらでも例がある。
・「じゃあ一体誰なんだ!」
渡の恋を応援するとか、恋敵と分かっても余裕そうだったのは、自分のほうが上だからまさか渡が自分より好かれるはずがないとでも思っていたんだろうか。
・「できない……友達なんだ」
そんなことはなかった。この一言があることで、直後の行動はむしろ深央や渡をこれ以上 傷付けまいと動いているようにも見える。

 

 麻生ゆり
・「ファンガイア!」
音也との関係がうまくいかない腹いせ(?)に、ファンガイア退治。正直あんまり見てて気持ちのいいものではない。それでいてイクサに変身までしてしまう気持ち悪さね。まぁ元々イクサのスーツってそういうイメージ(信仰に依る正義の名のもとで振りかざされる暴力)だからこれでいいんだけど。

 

 キング
・「その剣を持っていればお前を殺すことになる。お前を殺せば、お前を愛していることになる。俺に愛などあってはならぬ」
前述の通りザンバットソードとは"男性的な欲望"の象徴っぽいので、それを捨てたキングが真夜を取られてしまうのは頷けるかな。

 

 

キバって、今のところエピソード単位(キバでは概ね2話完結なので2話単位)で見返せば必ず何かひとつは新しく面白い発見が出てくるので、見ていてとにかく面白い。よく言う、噛めば噛むほど味が出てくるみたいな。仮にどんな終わり方とかグダり方とかしても、これが僕の中で"駄作"にまで落ちることはない気がする。

 

次話

仮面ライダーキバ 38,39話「魔王・母と子の再会/シャウト・狙われた兄弟」 感想 - やんまの目安箱

仮面ライダーキバ 34,35話「ノイズ・破壊の旋律/ニューアレンジ・飛翔のバラ」 感想

キャラクター

 紅渡
・「僕が落ち込んでばかりいるから、ブラッディローズが怒ったんだ」
たまにゴースト並みに観念的でなに言ってるのか分からなくなるよね、キバって。でもこれは辛うじて読み解けそう。ブラッディ・ローズはたぶん渡自身(キバットタツロットもかも)で、自分で自分に嫌気が差したってことの表現な気がする。タツロットがしきりに「私のせいじゃない」って言い訳してるのは、"真の姿"であり渡の感情の爆発を象徴するエンペラーフォームと何か関係があるんだろうか。健吾が関係あるのかはまだよく分からないけど、"偽物"というのもキーワードらしいので、直前の文脈と合わせると、(例えば深央のことで)自分を偽ることに耐えきれなくなった……みたいなことだろうか?
・「駄目だ……音が、前と全然違う。これじゃ駄目なんだ。何かが……何かが足りない」
実際に音が前より少し曇ってる(?)の、余計な演出に思えてしまった。モディリアーニの話を除くとアバンのミニコーナーが主になるけど、芸術に造詣が深いはずのキバットが違いに気付けないっていうのは、多分違わないってことなんだと思うんだよね。でも渡の心境が変わったので、違って聞こえる。前と同じじゃ満足できなくなってる(変化への欲求)、みたいな描写に見えたんだけど、だとするなら僕は音が変わってない方が好きだな。もちろん渡に聞こえた音を流してるって体でも悪いってことはないけど。主人公だし。
・「父さん、教えてください。父さんの祈りを……」「分かった、父さんの祈りが。僕の祈りは……。僕は僕の音楽を見つけたい」
ここでの"父さん"っていうのは、音也というよりは、"なりたい自分像"っていう意味なんじゃないかな。(真夜から聞かされた)音也のようになりたいと思ったり、名護のようになりたいと思ったりを経て、自分固有のなりたい自分を見つけた。その結果として、"受け継がれてきたキバの鎧"というだけじゃない、渡のファンガイア態とでも言うべき固有の姿(飛翔態)になる。

 

 紅音也
・次狼「まるで死人の顔だな」
やっぱり、あんまりいいことではない気がする。最後には死にそう。どうだっけ、死ぬんだっけ。

 

 鈴木深央
・渡を助けることより正体を隠すことの方が大事なのかと思ったけど、よく考えたらちょっと席を離して変身してくるというのは割とよく見るパターンだし、あのあとファンガイアになって戻ったのかもしれない。たまたますれ違っただけで。それに、元々楓のねらいは深央だった訳だし。

 

 襟立健吾
・怪我などで夢を失った者っていうのはこれまでの作品にも何度か出てきてるね。今回の彼はファイズをやってた頃の海堂みたいだ。まぁこれからイクサに変身するのも知ってるんだけど、今回のエピソードとの関連がイマイチ見えなくて、それこそノイズに思えてしまった。これが"本当の健吾"ってことなんだろうか。

 

 嶋護
・イクサの装着者を変更したのは、神田への対向心のあらわれだろうか。

 

 神田博士と楓
・「個体能力移植実験」と言うのは、今回の主テーマである"自分の音楽"と対比になってるんだろうけど、それが映像で表現されてなかったのが惜しい。ファンガイアの見た目はずっと変わらなかったので、"個性をツギハギした"感がない。そもそも倒したのはサガだし、単に思い過ごしなだけだろうか。

 

 

"分かってる感"は以前に比べて薄れてきてるけど、なんとか置いてけぼりとまでは行かずについていけてる気がする。
うん、今のところはまだ面白いよ。僕の"面白い"は、適度な難解さがありつつ分かる、というのとほぼ同義です、たぶん。反対につまらないとか嫌いとか感じるのはよく分からないもの。

 

次話

仮面ライダーキバ 36,37話「革命・ソードレジェンド/トライアングル・キングが斬る」 感想 - やんまの目安箱

仮面ライダーキバ 32,33話「新世界・もう一人のキバ/スーパーソニック・闘いのサガ」 感想

キャラクター

 紅渡
・深央のために自分の意思を出すように(強く)なった訳だから、その深央が他の人と結ばれるなら、確かに渡に自分の意見を押し通すモチベーションはないよね。シンプルだけど分かりやすくていい。

 

 紅音也
・真夜と共にバイオリン制作を始める。これまで何度か真夜が"デレる"前提で話をしてきたけどもしかすると逆で、音也が"悪魔に魂を売"って堕落する方向に行くのかも?

 

 名護啓介
・またもやいきなり風呂入ってきたりバスタオル1枚で登場したりと、シュールギャグは続けていく模様。まぁ、名護が風呂好き(綺麗好き)なのは納得だけど。

 

 登太牙
・「僕の仕事は、人類の進化に貢献しそうな者を抹殺することなんです。人類が、ファンガイアの驚異にならないよう」
なんかこう……パッと見て思い浮かんだのが、「強気を挫き弱きを助く」って言葉だった。どうやら弱いものなら種族問わず守るっぽかったから。"砂場で遊ぶ子供"もそうだし、ハーフだと知ってるのかまだ分からないけどもしかすると渡も。ちょっと以前の名護にも近い。自分より下の者になら安心して優しくできる感じ。
・「ものを食べるということが、そんなに好きじゃなくて」
彼は禁欲派なのね。まぁ見てればなんとなく察しは付くけど。ところで俳優さんはレイの人らしい。どうやら僕は概ね髪型で人を識別してるらしく、それが変わると正直よく分からなくなるんだけど。映画の感想は書かなかったのでここで少し話すと、彼は少し前の名護と同じ、目的を持たない亡霊みたいな存在だった。人間を捨ててまでレジェンドルガについたのに、そのレジェンドルガも躊躇なく倒してしまうような、何がしたいのか分からない奴。俳優さんが同じということは自然と似通ってくる部分もありそう。形式的な"掟"にこだわるというのも、そんな感じするかも。
・「大丈夫。あとは僕に任せて」
サガークが訳の分からん言葉を喋ってるけど、まさに問答無用って感じ。

 

 真夜
・「駄目よ、天才が生活なんかしちゃ」
生への必死さがないとはさんざん言っていたけど、よもやそこまで言うか(笑) ところで「ふっ」で傷を治すのはいいね。キバットが渡に噛み付いたり笛を吹いたりして力を発揮するのと同じだろうね。吸うの反対で、吹き込む。

 

 

サガかっこいいなぁ。銀青で、金赤のキバとはまさに正反対って感じ。カリスやガタックが当てはまる意味での"2号ライダー"には、イクサじゃなくて彼が当てはまったりするんだろうか。それともダークキバ? 現在編に対して過去編の主役ライダーってことでいうならセーブモード限定のイクサだけれど。

 

次話

仮面ライダーキバ 34,35話「ノイズ・破壊の旋律/ニューアレンジ・飛翔のバラ」 感想 - やんまの目安箱

ジオウ感想追記(9〜16話)

ジオウ感想追記(5〜8話)

 

第9話「ゲンムマスター2016」

・冒頭にてウォズが「(ソウゴが)ウィザードの力を奪った」って言ってるんだけど、これソウゴがゲイツを自己同一化していることを意味しているのか? 「2人の判断なら信じられる」というのも、"他人の正しさ"を認めたのではなく、あくまで自分の一部としての正しさ?
・アナザーオーズが倒された時の黎斗の様子……タイムジャッカーに時を止められている人、あとタイムラグで力が消えかけている戦兎たちと同じようなエフェクトなんだけど、後者はともかく前者はどういうことなんだろうね。前者も完全に止まってるわけじゃない(思考はできる)から、そういう"グレーゾーン"の表現なのかな。
・「騎士団長に任命する」のくだりがソウゴと黎斗で共通してるんだけど、これはどういう意図があるんだろう? 任命されたゲイツは断って、ソウゴは(一時的に)受け入れてるっていうのが違いではあるけど……。

仮面ライダージオウ EP09「ゲンムマスター2016」 感想

 


第10話「タカとトラとバッタ2010」

・どうやらゲイツの1度目の転機というのは、4話の「2人の判断なら、俺は信じられる」でいいらしい。あそこで一度大きく心境が変化して、「ビルドウォッチを返す」というくだりに繋がる。そして2度目が今回で、なんの偶然かそのビルドウォッチによってゲイツはソウゴにやられる。ゲイツ的には「悪いやつ(主にアナザーライダー)に歩み寄る必要はない」という考えなので、黎斗の"真意"が他にある可能性も考慮するソウゴとは少し反りが合わない。ソウゴは比較的積極的に歩み寄るけど、ゲイツは流れの中で自然と「そんなに悪いやつではないかも」と思えないと考えを変えないタイプ。だからこそその"流れ"でソウゴとの微かな信頼も揺らいでしまう。目に見える事実や行動を重視するタイプって言うかな。
・「人の本質は一面だけじゃ判断できない」……ツクヨミは少なくとも今回では特に明確な根拠を得ている様子はない(一応黎斗の更なる一面である父親との確執などを知って、それとのコントラストで……と考えることはできないこともない)んだけれど、これを見返したことでリュウガ編でのいわゆる"手のひら返し"に強大な説得力が生まれた。一面だけじゃ判断できないからこそ、ソウゴにも"裏面(鏡面)"があると知って、オーマジオウになり得ると判断したんだな。ゲイツが行動を重視するタイプなら、ツクヨミは内面を重視するタイプってとこだろうか。具体的な行動如何というよりは、その人の心持ちに判断の基準がある。
・人と手を繋がないと、"魔王"になってしまう。どこかで見たことのある話だなと思ったけど、あれだ、『ハイキュー‼』だ。「コート上の王様(≒魔王)」と呼ばれた影山の話(主人公は日向だけど)。バレーも"繋ぐ"ことが重要なスポーツで、一人じゃできない。僕にとってはそれこそ永夢なんか魔王ってイメージと近いけれど、そう思わせる彼の本質は他者と話をしないことにある。だから、それに改善の兆しが見られた小説は結構好きなのよ。
・オーラがウールの手助けをする理由ってのは、なんなのかね。他人がつくったアナザーライダーでも、関与の度合いによっては傀儡にする権利を奪えたりするんだろうか。
・「この時代に生きるすべての民だ」と言いながら、アナザーオーズを力で倒すのはなんか違う気もした。ゲイツには支持されてないし、映司を除いて他の人々にソウゴが支持されてる様子もない。まぁ少なくともオーズの力の所在については映司に認められたことを以てして解決としてもいいかもしれないけど。
・協力って言いながらすることがタカウォッチロイドを使うことでいいのかって話だけど、どうやらこのエピソードの中では"鳥"が協力の象徴らしい。鶏肉のおつかいを頼むのも多分そういう意図があったんだろう。ツクヨミは……ゲイツが買ってくると思ったのかな?

仮面ライダージオウ EP10「タカとトラとバッタ2010」 感想

 

 

第11話「ジオウ・オン・パレード2018」

・「必要なものは壊れても修理すれば役に立つ。だが、必要ないものは、捨てるしかない……」
記事では「できるけどやらない」って表現をしたけど、要するに最近よく引用する、「する必要があるからする」のではなく「したいからする」という文脈か。ゲイツがいないと困るんじゃなくて、ゲイツがいると嬉しい、のか……?
・スウォルツとオーラが"後ろ向き"に進んでるのが印象的。クイズ編や最新話でも思ったけど、確かにゲイツはあくまで"過去"にこだわってるんだよな。それで今を犠牲にしている。
・アナザー鎧武がいるだけになっちゃっててもったいないみたいな話もしたと思うんだけど、"必要"の話と合わせて考えると、アスラは必要ない≒邪魔なもの(ソウゴに置き換えるとゲイツ)を捨てることで自己実現をしようとしている。一生懸命ダンスに励む姿だけ切り取って見ればストイックそのもの。反面、遊び心(余裕)がない。
・時間改変についてツクヨミがやたら怒るのも、今見ると頷ける。「ちょっと前に戻ってやり直し〜」なんてのは、ジオウⅡのそれと似ている。逆に今回の描写が、ジオウⅡの際の描写を補強する。
・ヘルヘイムの森に5年間生活できるだけの食料があったかどうかという点だけれど、あのヘルヘイム自体アスラが能力で作り出したものなら、本編でのそれと多少変わっていてもなんら不思議じゃない。邪魔者を消す冷酷さの一方で、心の片隅にほんっっっの少しでも良心があったから生き延びる術(普通の果実)が残っていたのだと考えれば、僕は納得できた。
・「あんたを倒させてもらう」
1話を再現したシーン。これになんの意味があるのか分からなかったんだけど、もしかすると、これこそツクヨミが想像してたオーマジオウかもしれないパターンの反応なのかもしれない。喧嘩に割って入り、自分の意見(例えばどっちが正しいとか、喧嘩は良くないとか)を力で押し付けるような感じ。
・クジゴジで検索してみると、昔の勤務時間はおよそそんな感じだったらしい。クジゴジ堂は何かの会社なのか……? 東映か、バンダイか、それともテレビ朝日か……(ちなみに現在の採用情報を見ると、どこも少しずつ違う)。

仮面ライダージオウ EP11「ジオウ・オン・パレード2018」 感想

 


第12話「オレ×オレのステージ2013」

・ウォズ「とても王の所業とは思えぬ行為」
ジオウの力の真骨頂は、"過去も未来も思いのまま"になることじゃなかったっけ。ウォズ的にこれは駄目なんだ……? 逢魔降臨歴にない改変はソウゴ本人であっても許せないみたいな話か?
しかもこれによってウォズとスウォルツの利害関係が一致したという。独りよがりなソウゴ(黒ウォズ)がゲイツを快く思わないのは分かるとして、それがスウォルツとどう関わってくるんだろう。今回ゲイツの帰還に一役買ってるので、彼も半分くらいはソウゴの手の中にいておかしくないと思うんだけど……スウォルツの目的は玩具販促? 該当ウォッチを活躍させるためにアナザーライダーを生み出しているとか。またいつもの与太話なのでスルーして。
???「クリスマス商戦期にパワーアップするのは敵方の義務だからなぁ」
・この後の展開を考えてもゲイツのオーズ編でのゆらぎは、ここで再びソウゴに"信頼"されたことで、既にある程度は収まったと見ていいだろう。……むしろ、「俺の民に何してくれるの」で既に勘違いだったと気付いているんだけれど、謝るのも気まずくて帰るに帰れないみたいな、そういう話にも見えた。自分はソウゴを信じてやれなかったけど、ソウゴはそれでも自分を信じてくれるという流れ。"手を繋ぐ"ことを象徴する鶏肉を買ってきたのがその現れか。口実づくりにも見えるし。でもラストシーンはすごく真面目な顔してて、次回のゴリラとシームレスに繋がらない。

仮面ライダージオウ EP12「オレ×オレのステージ2013」 感想

 

第13話「ゴーストハンター2018」

・前回のソウゴの行動で変わったものといえば、ゲイツの心だよな。それで逢魔降臨歴も変わった。入れ替わりというのは彼らを語るにあたって何故かキーワードな気がするんだけど、黒ウォズはむしろソウゴが魔王になることを望んでいる裏のゲイツ……? いや、素直にソウゴが「他の人がいる意味」を分かったということでもいいんだけど。
・そういえばゴーストのキャラも下の名前がカタカナか。
ディケイドは物語を持たないらしいので、意味が抜け音だけが残ったキャラクターが相手じゃないと深みで勝てないからカタカナなのかなってなんとなく思ってたけど、ゴーストは噂によると企画段階で大幅な路線変更があったとか(出典が分からないので話半分に聞いてね)。僕は以前白倉さんの「最近の仮面ライダー面白いですか?」という発言について、「実際に世に出ているライダーが面白くないというよりは、むしろ"(もっと)面白かったはずの企画がしがらみによって丸まっていく様子"を関係者の一人として見て、惜しく思っていた」という意味なのではないかという話をした。そういう意味では、噂が本当ならば『ゴースト』はある種、リ・イマジネーションの文脈に位置するものと捉えても、そこまで大きなバチは当たらないのでは?
また、僕はまだ自分で見て確認してないのでアレだけれど、ひとつの参考として、ディケイド(写真館)が巡る世界というのは総じて「異物が混じった世界」である可能性を考えている方がいて、この場合『ジオウ』にとってゲイツという異物がある訳なので、この説の信憑性が少し増す。っていうか、ディケイドの平行世界ってアナザーライダー略してA.R.worldって名前のはずなんだけど、これは特に意味はない……というか、アナザーライダーってのも固有名詞って訳じゃなく単なる既存の言葉の組み合わせなので、本来は別に被ったからどうこうってものでもない(アナザーアギトも同様)。でも被ったことに後から意味付けをされるのも"名前"の宿命(例えばやたらと村上春樹村上龍が並べられたりする現象とか)なので、どうかね。
ゲイツ、タケルに「ソウゴの友達だよね?」と訊かれても否定をしないの笑っちゃった。ソウゴが倒れたら普通に心配するし。
・有害なものを排除しようとするアナザーゴーストの行動原理は、ウォズのゲイツに対するそれと合致する。……"排除"? そういえばガンマイザーがそんなようなことを常に呟いていたな。彼らの元ネタは十中八九ビッグマシンだろうね。知らない方は漫画版仮面ライダーをチェック。
・「やめとけ」
大した根拠はないけど、このネオ版のディケイドというのは、本編の世界を旅してきたのかもしれない。ゴースト組がA.Rなんじゃなくて。カメンライド音声がより本物に近付いてるし、そうなると白い方のディケイドこそがアナザーライダーの世界を旅するアナザーディケイドってことになって、ひとつのびっくり箱としては面白いなって。いやまぁ、"ネオ"って時点で白いのは"古い"ってことになるので、過去の士と見るのが自然なんだけど。でも過去の自分がアナザー扱いってのはシノビでもやってたし、そんなのただの解釈の違いでしかないか?

仮面ライダージオウ EP13「ゴーストハンター2018」 感想

 

第14話「GO!GO!ゴースト2015」

ゲイツはオーマジオウからゴーストウォッチを盗んだ"泥棒"。これは最近出てきたディエンドとの関係性を若干感じなくもない。でも、ソウゴもタケルから力を奪ってるんだから、盗品を盗んだみたいなややこしい話になってくる。更にタケルに力を与えた人間もいる訳で……。この連鎖は1期後半や、ゴーストでも触れられてた"繋ぐ"ということを連想させるけれど、盗むってかたちはアリなのか? 影響のひとつではあるけど……そういえばタケルもアイコンドライバーGとか、英雄アイコンを生み出すために必要な英雄ゆかりの品(例えばエジソンの電球、ロビンフッドの弓矢……)とか、さらっと盗んでたっけなぁ。英雄に対してタメ口なのも含めて、やっぱり『ジオウ』と構造がそっくり過ぎる。白倉さん(個人の影響とは限らないけど)の作品って、それまでにあった作品の要素を抽出して"ウケる"ように再構成してるように見えるんだよね。『クウガ』と『響鬼』から受けた影響って後の作品見てるとすごく感じるし、『ディケイド』と『剣』の関係についてもそう。『キバ』はネガの世界で音也がいたのと何か関係あるんだろうか。まぁそれはいいとして、『アマゾンズ』についても『ゴースト』(に限らず近年の作品)の影響を受けてのことじゃないかって言ったけど、そういう文脈で見ると僕がずっと感じてた『ゴースト』っぽさも腑に落ちる気がする。
・士は時間旅行じゃないとするなら、どういう理屈で移動しているんだろう。"過去という設定のシーン"に飛んでるみたいな話なのかな。
・そういえば、ゲイツは躊躇なく(本人は認めないけど)ソウゴを助けるために、アナザーゴーストを倒そうとしたよね。ここからもまた、彼の「悪いことするやつに情けは要らない」という基本スタンスが透けて見える。
・「ゴーストが3人、なかなか粋な計らいだろ?」
ディケイドウォッチを渡したことといい、彼こそ"販促"のために動いてるような気がする。ウォズを介してスウォルツと利害が一致してるはずだから、そういう側面もあるというだけなのかもしれないけど。
・ゴーストアーマーが負ける際、きちんと2人を相手にして、かつゲイツに迷いがあるという状況が整っている。思うに、ディケイドは過去のライダーに"成り代わる"ので、白倉さんの言っていた"ライダーの力"としては1人分と数えていいのだろう。
・ゴースト継承を祝わないことに疑問を呈したけど、よく考えたら前回のゴーストアーマーはゲイツが未来から持ってきたものなので継承の義とは少し意味合いが変わってくるか。
・ゴースト化も含めてウォズのたくらみらしい。でもディケイドウォッチは違うらしい。だとするなら、今回の話にどんな意味があるんだろう。キーワードは「彼岸のヒーロー」?(参考『フォーゼ』「第31・32話」と「第43・44話」と「みんキタ」 - 千倍王鷹虎蝗合成獣)
・士がソウゴの分のご飯を食べちゃうのは、なんだか意味深だ。世界によって様々な役割を与えられる彼が、ソウゴの代わりにご飯を食べる。誰もが一瞬くらいは『ディケイド2』を予想したように、今回の士はそういう存在だったりするのだろうか。
・「何年言うんだよ」
TTFCには字幕がないので聞き間違いかもしれないんだけど、補完計画での「おのれディケイド(10周年)」に対する士の反応がこれ。ディケイドが10周年かどうかはさておき、確かにもう10周年は過ぎてるのでこれはごもっとも。

仮面ライダージオウ EP14「GO!GO!ゴースト2015」 感想

 

 

第15話「バック・トゥ・2068」

・ソウゴの「生まれたときから王様になる気がしてた」ってセリフの"生まれたとき"っていうのは、"ジオウ1話が始まった瞬間"のことを指してるのかもしれない。そこが常盤ソウゴというキャラクターが生まれた瞬間であるとするなら、確かに初変身の像とそこに君臨するオーマジオウの映像が映っている。
・「あいつが世界を破壊してた。みんながどんどん死んでく。俺はただそれを、見てるだけしかできなかった」
当時は、記事には書かなかったみたいだけど、「白倉さんが入社時に批判したというRXの話なんじゃないか」という解釈をした。それを機に自分で作品をつくるようになった(ジオウになった)結果、周囲からは最低最悪の魔王と呼ばれる権威ある存在になってしまった……という。でも今見ると"世界を破壊"ってワード的に、どう考えてもディケイドのことだよな。つまり、ディケイドの平行世界解釈は「ジオウの世界」を破壊することになり得るし、逆にジオウの歴史改変解釈は「ディケイドの世界」を破壊し得る(本当はジオウは平行世界を含めるんだけど)。ダイマジーンが暴れる"オーマの日"は2009年に起きた"すべての始まり"と密接に関わっているように、ダイマジーンの出現というのは士の登場と密接に関係していると思われる。
・カッシーンはゲイツツクヨミを抹殺するためにこの時代へやってきた。ディケイドの登場により焦っているのはソウゴも同じなのか? 
・士は、何故なのかは自分でも分かっていないらしいが、ソウゴにゲイツを助けさせる訳にはいかないらしい。ここがよく分からないんだよな。ディケイドはジオウを倒そうかどうか迷っている(?)ということなので、ゲイツに先に倒されたら困る、ということなのだろうか? それとも"ゲイツの勝利"はゲイツリバイブ未来(主役変更)というまた別のものになる(しかもライドウォッチシステム≒歴史改変解釈は残る)から都合が悪い?
・「ゲイツを助けたい」と口では言いつつも、自分が未来から送ってよこしたカッシーンは消えない。つまり心の奥ではやっぱりそういう部分があるということになる。
・本を読むウォズとカメラを見る士、この対比は面白い。物語を重視する「ジオウ」と、見た目を重視する「ディケイド」のスタンスの差がよく現れている。

仮面ライダージオウ EP15「バック・トゥ・2068」 感想

 

第16話「フォーエバー・キング2018」

・数ヶ月というのは、ディケイドの放送期間のことだろうか。
・ここでのベルトを捨てるという選択は、ゲイツツクヨミとの別れを意味する。これも立派な自己犠牲だったんだな。
・スウォルツがカッシーンをハッキングしてソウゴを殺させる……んだけれど、これも結果から言うとむしろジオウとして復活することの手助けになってるんだよな。
・順一郎さんの話で"ウソ"だったのは、夢を叶えることを「見送った」という部分? 元々の夢は諦めても、少し違う形で叶えたから、諦めきれてはいなかったということになるのかな。するとソウゴも今回、オーマジオウになるという元々の夢を諦めて、また少し違った未来像を描こうとしているのかもしれない。
・「俺を信じろ!」
ゲイツの心情をきちんと追ってきたので、"信じる"というワードに込められた意味がよりクリアに分かるようになった。やっぱ好きだな、このシーン。

仮面ライダージオウ EP16「フォーエバー・キング2018」 感想

 

 

仮面ライダージオウ EP29「ブレイド・ジョーカー!?2019」 感想

キャラクター

 常磐ソウゴ
・好きあってる2人の仲を取り持つみたいなノリだったけど、ソウゴにはそう見えてるのかね。まぁ確かに2人ともかたちは違えど"ソウゴが好き"な訳なので、何かしら通じるものはあるのかもしれないけど……でも、黒ウォズが好きなのはあくまで未来(裏)の彼、ゲイツが好きなのは今(表)の彼だから、やっぱり相容れないんじゃ……って、あぁ、なるほど。ソウゴにとっての裏ソウゴ(つまりユング心理学用語でいうところの影)のような役割を、互いが果たしているのか。つまりこれは2人にとっての"逢魔の日"?
・「ブレイドにはブレイドの力」をモジって"Blade"……つまり刀で戦うのは面白かった。

 

 ウォズ
・思ってたよりも酷いやつだった。元からオーマジオウのスパイだったのか、ゲイツのようにオーマジオウと関わるうちに心変わりしたのかにも見え方が変わってくるけど。

 

 もうひとりのウォズ
・黒ウォズがディケイドを呼び出したように、こちらのウォズはディエンドを呼び出したっぽい。ディエンドは言わずもがな『剣』と縁深いキャラで、アルビノジョーカーを元にしたキャラクターの兄弟である。そしてディケイドの能力はそれこそジョーカーのそれと酷似している。この辺はディケイド本編の見返しでじっくり考えたいところなんだけれど、どういう意図があるのかね。
・黒ウォズ「分からない。何故か突き動かされる感じがするんだ」
人を動かす場合は、それこそデスノートじゃないけど、本人の考え得る範囲の行動しかさせられないものだと思ってた。でも結果のみを見ればディエンドを探して歩いているうちにディエンドと出会ったという流れなので、全く納得できないということはない。
・「世界を破滅させるしかない」
これが主目的なら、天音をアナザーブレイドにしたのには納得がいく。詳しくは後述するけど。ただ"しかない"というのが言葉の綾なのかどうかはちょっと気になる。

 

 ツクヨミ
・「ううん、またそのうち……」
報連相をしないのは平成ライダーではよくあることだけど、こうしてきちんとはぐらかす描写があるとまた見心地も違うね。ツクヨミの心情としては、順一郎さんに「人は一面だけじゃ判断できない」と言われて自分で判断すると決めた後にソウゴが自分の"裏面"を受け入れたことで「ソウゴにも魔王になり得る面があったのか」と気付いていわゆる"手のひら返し"をしたんだけど、そこにスウォルツの関与も疑わしくなったから、現在は"全面"的にソウゴが悪いとも限らないと思っている、くらいのところだろうか。言わない理由まではまだハッキリとは分からないけど、自分の中で整理してるのかね。
ゲイツとウォズが表裏一体だという話をしたけど、そうなると彼女の立ち位置が気になるよなぁ。ソウゴとオーマジオウとの邂逅にも立ち会ってたし、ソウゴのタイムマジーンは元々彼女のものだし、ここを無理やりこじつければ"綺麗な"四角形になる。

 

 タイムジャッカー
・スウォルツ「人間には、使う者と使われる者とがある。使う者は崇高な目的を思考し、使われる者は前者の目的を理解できない」
一応あなたたちも人間なのね。そこは今更ながら明言されてよかった。思うところあるけど今回はとりあえず様子見。

 

 海東大樹
・ディケイドの見返しはまだ全然進んでないので彼の人となりはほぼ記憶にないんだけれど、本来朝食をつくるはずの順一郎さんはどこへ行ったんだ?
士には世界ごとに役割が与えられていたけれど、その分本来その世界にいたキャラクターが(いる間だけ)消えているのだろうか? 彼がソウゴの分のご飯を食べたこともなんだか示唆的だなぁと追記に書いたりもしたけど、どうなんだろうね。
・それで、結局彼は何がしたかったんだろうね。レジェンドウォッチも変身ウォッチも取り返されたし、ジオウⅡとゲイツリバイブは白ウォズに渡したし、彼の手元には何も残ってない。ディエンドは"劇場版"という概念と深い関わりがあるらしいことは知ってるんだけど、クウガ,Wウォッチもきちんと元通りだった。ついでに龍騎ウォッチもあったので、『RIDER TIME龍騎』はこれ以前の話らしい。
むしろこうやって視聴者に示すこと自体が彼の目的だったという可能性もなくはないけど。
・ウォズとのシアン(水色)対決にも何か意味があるんだろうか? 映像的には単純に綺麗だったけど。エピソードイエロー担当だったからか、ゲイツとも絡みがあったけど。

 

 剣崎一真
・「始……力を使ったな!? 俺はお前のために自分の力を封印したつもりだったのに、お前が封印を破った。どうしてだ、始! 俺たちは、再び出会ってしまった……。運命は、避けられないのか?」
僕はずっと、剣崎が遠くへ行った理由がよく分かんなかったんだよね。戦って決着を付けさえしなければダークローチは生まれず平和は保たれるんだから、剣崎がジョーカーとして存在してるだけでいいはずのに。
でも、遠くに行ったからには、会っちゃったらきっと(比較的)ジョーカーの本能を抑えられなくなるんだろうね。また遠くで戦っても、アンデッドサーチャーのように闘争本能を察知して惹かれ合ってしまう。だから前回の感想で言った「それ以降の危機で戦ってこなかった理由」もクリアしていることになる。
まぁそれでも結局「なんでアンデッドでも戦うしか能のない奴ばかりって訳じゃなかった(ゾウ,トラ,ギラファ)のに2人だけは会ったら即戦闘することになるんだ」って疑問はあるんだけど、ジョーカーは冷酷な殺戮者だから本能が他の種よりも強いのかなぁ? これは『ジオウ』じゃなくて『剣』の謎だけど。
ともかく、今回剣崎が襲いかかったのは決して逆ギレなんかじゃなくてジョーカーとしての本能に依るものだと思うよ。少なくとも僕は、必死で抵抗しているようなニュアンスを汲み取れる。

 

 相川始
・ハカランダの客が雑談の中で"あしながおじさん"というワードを出していて、物語の構成上なんの意味もなくこういったワードを出すことは有り得ないと言ってよい(意味ないならすぐカットされそう)ので、おそらく始が天音ちゃんからしばらく離れているらしいのは、お金を貯めるか何かして、結果的に天音ちゃんを支援するため(≒あしながおじさん)なのだろう。天音ちゃんが大学に行きたいのか、或いはハカランダの経営を支えるためなのか、その辺はまだ分からないけど、今回はその仄めかしと言ったところか。
その視点で見ると、天音ちゃんのために撮っているであろうたくさんの写真の中にスピリットのカードがある演出は当時の再現というのを抜きにしてもとてもおしゃれで良い。
・「その子に手を出すな」
天音がアナザーブレイドになったことは、アンデッドの力を察知する能力で分かっててもおかしくない……かな? 実際に分かってるのでそこから逆算するしかないんだけど。
それで、この状況で"天音を守る"というのは、とりあえずはアナザーブレイドのままでもいいって思ってるのか、少なくとも他人に下手に手を出して欲しくないってことなのか、冷静さを失っちゃってるのか……剣崎に対して「お前まで」と言っているから、例えば天音ちゃんも戦わずにカードを持たせることである程度は暴走を抑えられると思ってたのかな。"自分の種を繁栄させたい"というアンデッドの欲望は、今思うと性欲のメタファーに取れないこともない。それと恋心を繋げるのはなかなかうまいかも? 天音ちゃんも流石にもういい大人だし、結婚したいとか子供が欲しいみたいな気持ちがあっても不自然ではない。
・天音の前で変身して正体を明かしてしまったことについての苦言をたくさん見たんだけれども、天音ちゃんにとってカリスは「自分を助けてくれた仮面ライダー」って認識だったよね。ジョーカーであることがバレたなら分かるよ、天音を襲いかけたことがあったからさ。でも"仮面ライダーカリス"だとバレてまずい理由は、よく分からないんだよね。これは確か本編の「俺は貴様をぶっ殺す!」のところでも同じことを言ったと思うんだけど。

 栗原天音/アナザーブレイド
・何気に初の女性アナザーライダーだね。まぁ僕は勝手にアナザーWを久永夫妻だと思ってるので、2番目かもしれないけど。

 

 

設定

・前回アナザージオウライドウォッチが壊れなかったのは、オーマジオウ,ゲイツリバイブに並ぶ"未来の選択肢"のひとつとして、完全に否定するつもりはないという(つまり"共存"の)意思の現れだったのかな。でも他のアナザー(王の候補者)はきっちり壊してる……いやでもそれも完全に消えた訳じゃないことは飛流によって明かされたし、そういうことでいいんだろうか?
・白ウォズとジオウⅡ、リバイブでジオウトリニティができるっぽいけど、この3つの共通点ってなんなんだろう。見返してるうちに分かるかな?

 

 

『剣』を『泣いた赤鬼』に例えてたのはなるほどと膝を打った。
アンデッドの本能が性欲と似通っていて、それに"愛"で打ち勝つというのも今回初めて気付いたことだし、『剣』への理解が深まった。テーマ的にはキバと同じようなことを暗にやってたんだな。宇野さんの『リトル・ピープルの時代』を読んだときにも、「会社(国)に属しているということが自己を記述しなくなったアイデンティティ不安が序盤の"迷走"であり、最終的にまぁざっくりと"友情"的な、個人と個人の繋がりの中でキャラクターを確立し、小さな者たちの願いによって生み出された非人格的なシステム(バトルファイト)と戦っていく」という、非常にその文脈に沿った興味深い構造をしているなぁと思ったけれど、『剣』って概観すると実はめちゃくちゃ面白いのでは。

 

ジオウ感想一覧

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仮面ライダージオウ EP28「オレたちのゴール2019」 感想

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剣(ブレイド)感想一覧

「ミニプラ キシリュウオー」の分割が優しい

今日はミニプラ キシリュウオーの話です。

去年はDX玩具を買ったので、約1年ぶりのミニプラ。組み換えの自由度で言ったらどう考えてもミニプラのほうが高いだろうと踏んで(あと金銭的な余裕もないし)、今年はDXを見送った。

まぁ単純な紹介に収まってしまうと公式のそれの下位互換にしかならないので、僕個人の感想やここに載っていない話をちょろちょろとまとめます。

bandaicandy.hateblo.jp

 


まず、上に載せた記事では「リュウソウジョイントminiはよく見ると楕円形になってる」って書いてあったから、90°回転させて付けられないのかと心配してたんだけど、そんなことはなかった。楕円というよりは正確には、円の両横を切り落としたようなかたちかな。
DXと比べて組み換えの幅が狭まってるなんてことはないはずだし、いつものように他のジョイントもだいたい共通だし、前述したようにむしろ広い。


また最近装動ではもはやおなじみとなりつつあるダミーパーツだけれど、このミニプラに限って言えば全員が口を揃えて嬉しいと言うような仕様なのではないか。ブロックトイというコンセプトと非常に相性がよく、いくつあっても楽しさを増す一因になり得るようなポテンシャルを秘めている。むしろどんどん付けて欲しい。

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そして今回最も感心したのは、その分割方法。
ティラミーゴをABCに3分割する際に、Aに割り当てられているのは頭部と尻尾,ティラミーゴの手,そしてキシリュウオーの顔である。これが何を意味するかというと、リュウソウブルーやトリケーンが好きな子はトリケーンとティラミーゴBCだけを買えばキシリュウオートリケーンが、リュウソウピンクやアンキローゼが好きな子はアンキローゼとBCを買えばキシリュウオーアンキローゼが、ほぼ完成するのだ。
実際にティラミーゴAなしでつくった画像がこれ。

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もちろんティラミーゴABCで買えば素のキシリュウオーが完成する訳なので、3箱1050円のロボを、3通りから選択できることになる。
DXだと「キシリュウオー」でひとまとまりなので、少しでも出費を抑えたい人からするとこの分け方はとても有り難いだろう。非常に頭がいいし、何より優しい。

 

ここからは少しの不満。

至るところにリュウソウジョイントminiがあるので、組み立てる際にその細かい突起が手に刺さってけっこう痛い。軍手とかしたほうがいいかもしれない。
あと、組み立て説明書の段取りが悪い。小さな部品同士をくっつけるのって力をかけにくいのでやりづらいんだけど、たまにそうしろと書いてある。できるなら鵜呑みにせず工夫して、可能な限り「小さい:小さい」ではなく「大きい:大きい」、または「大きい:小さい」パーツの組み合わせでつくるようにしたほうが良い。
もうひとつは、せっかくティラミーゴの足が逆関節方向に曲がるのに、曲げるとバランスがすごく悪くなる。これはミニプラが悪いというよりはそもそもそういうデザインになっていないことが原因だろうから仕方ないのかもしれないけど。

尻尾に肉抜きがあるので、そこが気になるって人もいるかもしれない。僕的にはこれは見て楽しむものというよりは触って楽しむものだと思ってるのでそこまで気にならない。ラクラクモデラーのように触り心地にまで影響を及ぼすほど酷いわけじゃないし。ただまぁせっかく自由に組み替えられるのに向きを制限されるという意味では少し難点ではあるかな。

 

挙げてもこのくらい。全体的には本当に良い玩具になっているので、見つけたらぜひ買ってみてはどうでしょうか。おすすめです。

 

86ma.hatenablog.com