仮面ライダージオウ EP13「ゴーストハンター2018」　感想

キャラクター

　明光院ゲイツ
・一応ちゃんと(？)寝込みを襲う(？)ような描写があったのは満足……なんだけど、家が壊れるってだけの理由でやめるのは甘すぎじゃないか。まぁ50年も猶予があると考えれば分からなくもないけど……時間が経てば経つほどゲイツの中のオーマジオウへの恨みの気持ちは薄れていってしまうのではないか？　そうなったら戻ってあの惨劇を見ればいいのか？
・「間違いない。あのライダーはオーマジオウの銅像の中にいた、仮面ライダーアギト」
知らなかったのはファイズだけ……？　前に「1期はディケイドによって破壊済みだから云々」みたいな予想したけど、全然そんなことはなかったみたいだ。でも、逆に彼がこれまでアナザーじゃないライダーについて言及したのってウィザードに続いてたった二度目のはずで、これだけの情報で何かを探るのは難しいな。何より彼は変身者についてはいずれもまるで知らないっぽいし。
・「奴らを追うぞ。それまでは一時休戦だ」
うん、やはり甘い。一度マコト兄ちゃんに怒られたらどうだろうか。ジオウに勝てなかったのが家出云々の原因だったはずなのにゴーストウォッチ貸しちゃったりさ。2人いるんだからファイズ編みたいに、ジオウに現在を任せて一人で過去に戻って倒せばいいじゃない。或いはアナザーゴーストと協力してジオウを倒した後、アナザーゴーストも自分で倒すとかか。わざわざジオウにやらせるのは、"倒すと死ぬ"ことへの逃避の現れだろうか？　ソウゴを殺しに来てる訳だけれど、確かにゲイツは人を冷酷に殺せるような人間には見えない。できるなら殺したくないってのは、まぁ分からないでもない。すげー好意的に想像するならば、ソウゴが倒すと死ぬ相手に対してどうするのかを試したとか？

・ソウゴが幽体離脱して死んだように見えたとき、ちゃっかり心配までしていて笑った。なんていうかもう、これがゲイツだよねって感じ。

　ウォズ
・「誤った道を進もうとする魔王を正すのも臣下の務め」
ジオウを倒さんとするゲイツの名が逢魔降臨歴に刻まれることで具体的にどう未来に影響するのか……視聴者には知る由もないが、ウォズは本を読むだけで知れてしまう。そもそもの話"ウォズが思う正しいオーマジオウの条件"も謎のままなので、推察することは難しい。

　タイムジャッカー
・ジオウを元ある姿に戻したいウォズと手を組むのはどう考えても悪手なんだけど、彼らの人を見る目のなさは筋金入りの折り紙付きなので、割と納得できてしまう。もし具体的に「このままだとウォズ的にもタイムジャッカー的にも思わしくない方向にジオウが進む」ということならば話は別だけれど、何よりそのウォズからの刺客であるディケイドをコントロールできないんじゃ協力する意味がないというか、ただ一緒にいるだけじゃない。

　天空寺タケル

・ジオウを"仮面ライダー"だと認識するのは、そういえば顔に書いてあるから自然だわ。問題はディケイドが仮面ライダーを自称したかどうかだけど、彼の決め台詞は他でもない、「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」だもんな。覚えておいたら顔にそう書いてあるやつと出会ったんだから、そりゃ同一人物だと思うか。
・「この人が悪いことをするようには思えないんだ」
な、なんの根拠もないところがタケル殿らしい……そのうえ謝らないし、すぐ手の平返すし。
・「そんな……何をした……？」
ここ割とあっさり流されたけど、記憶が戻って死ぬことのつらさが云々みたいなことを知ってる状態のタケル殿なのね。声の調子が少し違うと思ったらそういうことか。
・ゴーストアーマーを見て笑う……んだけど、これはなんの描写なんだろう。ビルドやエグゼイドのように、アーマー継承中は記憶が戻るとかあるんだろうか？　あと、3年間ゴーストハンターの修行をしてきたのか、ソウゴを助けたんだよね、あれは。まぁ龍さんは15英雄を呼び出して眼魂にしたはずだし、ちょちょっと操るくらいできてもおかしくない……か？

　門矢士
・等身大の敵を相手に太鼓で叩くと卑怯に見えるから魔化魍がでかくなったってのはどっかで読んだけど、確かに今回のはちょっとあれだったな。それを平気でやるのがディケイドってことなんだろうけど。グランドフォームでフレイムセイバー使うのもまさに"破壊者"って感じで何でもアリ感すごかった。小説版でも設定が云々みたいなこと言われてたけど(赤のクウガが剣を使ったり)、これを見るに多分わざとやってたんだろうね。

　マキムラ/アナザーゴースト
・本編ではなんの前振りもなくいきなり言い出して面食らったけど、今回はちゃんと死ぬ前に"お弁当"というキーワードを出していて、「ご飯を食べられなくなる悲しさ」を連想させるいい演出。
・デザインの話だけど、白髪みたいなのがどことなくイーディスを思わせる。だから何ってことでもないけど。

構成

・後編を見てみないとなんとも言えないけど、全体的にはトロッコ問題の話だったね。事故を防ぐために元凶を殺すアナザーゴースト然り、倒すと死んでしまうアナザーゴーストに躊躇うソウゴ然り、そして多分未来の仲間のためにソウゴを殺すために動いているゲイツ然り。一度ファイズ編で死人は出てるけど、あの時は無自覚に(？)ゲイツが自分のやってることを否定してそれっきりだったので、今回改めて転機としてきちんと扱われると嬉しいかな。

当時の士のイメージと比べると井上さんの声がすごく低くて、悪役っぽい迫力がすごかった。次回は実質的なジオウのパワーアップ回ってことで良いんだろうか。核となるテーマを扱うにはもってこいのタイミングだから、きちんとやってほしい。

補完計画 13.5話「ユーレイの先生」

本編(ほんへん)がどうとかっていう、制作事情についての用語が出てきた。詳しくは自分で調べたけど、キーワードがないとどう調べればいいのかも分からないからさ、こういうのなら勉強になるからもっと見たいかも。

あとドライブ編は望み薄みたいな空気でネタにしてたけど、こうなると逆にありそうだなって感じ。っていうか西銘さんの物真似が思いの外うまくて笑った。

追記

'19/4/1
・前回のソウゴの行動で変わったものといえば、ゲイツの心だよな。それで逢魔降臨歴も変わった。入れ替わりというのは彼らを語るにあたって何故かキーワードな気がするんだけど、黒ウォズはむしろソウゴが魔王になることを望んでいる裏のゲイツ……？　いや、素直にソウゴが「他の人がいる意味」を分かったということでもいいんだけど。
・そういえばゴーストのキャラも下の名前がカタカナか。
ディケイドは物語を持たないらしいので、意味が抜け音だけが残ったキャラクターが相手じゃないと深みで勝てないからカタカナなのかなってなんとなく思ってたけど、ゴーストは噂によると企画段階で大幅な路線変更があったとか(出典が分からないので話半分に聞いてね)。僕は以前白倉さんの「最近の仮面ライダー面白いですか？」という発言について、「実際に世に出ているライダーが面白くないというよりは、むしろ"(もっと)面白かったはずの企画がしがらみによって丸まっていく様子"を関係者の一人として見て、惜しく思っていた」という意味なのではないかという話をした。そういう意味では、噂が本当ならば『ゴースト』はある種、リ・イマジネーションの文脈に位置するものと捉えても、そこまで大きなバチは当たらないのでは？
また、僕はまだ自分で見て確認してないのでアレだけれど、ひとつの参考として、ディケイド(写真館)が巡る世界というのは総じて「異物が混じった世界」である可能性を考えている方がいて(参考ディケイド考察)、この場合『ジオウ』にとってゲイツという異物がある訳なので、この説の信憑性が少し増す。っていうか、ディケイドの平行世界ってアナザーライダー略してA.R.worldって名前のはずなんだけど、これは特に意味はない……というか、アナザーライダーってのも固有名詞って訳じゃなく単なる既存の言葉の組み合わせなので、本来は別に被ったからどうこうってものでもない(アナザーアギトも同様)。でも被ったことに後から意味付けをされるのも"名前"の宿命(例えばやたらと村上春樹と村上龍が並べられたりする現象とか)なので、どうかね。
・ゲイツ、タケルに「ソウゴの友達だよね？」と訊かれても否定をしないの笑っちゃった。ソウゴが倒れたら普通に心配するし。
・有害なものを排除しようとするアナザーゴーストの行動原理は、ウォズのゲイツに対するそれと合致する。……"排除"？　そういえばガンマイザーがそんなようなことを常に呟いていたな。彼らの元ネタは十中八九ビッグマシンだろうね。知らない方は漫画版仮面ライダーをチェック。
・「やめとけ」
大した根拠はないけど、このネオ版のディケイドというのは、本編の世界を旅してきたのかもしれない。ゴースト組がA.Rなんじゃなくて。カメンライド音声がより本物に近付いてるし、そうなると白い方のディケイドこそがアナザーライダーの世界を旅するアナザーディケイドってことになって、ひとつのびっくり箱としては面白いなって。いやまぁ、"ネオ"って時点で白いのは"古い"ってことになるので、過去の士と見るのが自然なんだけど。でも過去の自分がアナザー扱いってのはシノビでもやってたし、そんなのただの解釈の違いでしかないか？