やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーキバ 29,30,31話「聖者の行進・我こそキング/開演・キバの正体/喝采・母に捧げる変身」 感想

キャラクター

 紅渡
・「それは……」
まぁ、前にも言われてたもんね。友達なんだからなんでも言えって。迷うのも分かるけどさ。

 

 名護啓介
・「君なら大丈夫だろう」
おお! "めぐみん"呼びとかお風呂に入るのとかはギャグのつもりだろうけど、ちゃんと成長もしてるね。いい描写。
・「私の弟子になりなさい」
……あれ? もしかして渡なら弱っちいから例え暴走してもやり込めるとか思ってない?

 

 麻生親子
・娯楽を使命が倒した……ように見えたんだけど、少しスッキリしない。現状は僕が読み間違えてなければ、その折衷がいいっていう文脈だから、どちらかが勝っちゃうのは違う気がする。母親の敵討ちっていうゆりに比べて恵の目的意識は確かに「お母さんの意思を継ぐ」と若干ぼやっとしてるけど、その緩さがそれなんだろうか?

 

 ルーク
・「そうか……いいことをすると天国に行けるのか」
さっきは"娯楽と使命"という表現をしたけど、一貫性と多様性の話でもあるのかもね。一貫してるというのは言い換えると頭が固いということだし、逆に多様であるというのはまとまりがないということでもある。そのバランスか。

 

 襟立健吾
・「ふざけんなや! ギターは俺の命なんや!」
娯楽に生きる意味を求めるのは、ともすれば目的と手段が転倒しているとも言えるんだけれど、生きるために娯楽によるストレス解消(メンテナンス)をするのだとすれば、結局"なぜ生きるのか"という疑問が残る。これは響鬼の感想でも書いたね。ということは、これは最近僕がジオウ18話の感想で言ったような"意図的な循環"なのかも? 生きるためにギターを弾き、ギターを弾く為に生きる。恋愛もそうだろうか。生に恋して恋に生きる? 多分恵が呉服屋で安穏と生きるか戦士として生きるかってのもここにかかってるんだろうな。

 

 嶋護
・「有耶無耶にする」
!?!!? ……えーっと……比較的、良識ある人だと思ってました、ごめんなさい。前回の音也みたいな例はともかく、こんなさり気なく好感度を下げる意味が一体どこにあるというんだ……。

 

 野村静香
・魔界城の女王、再臨……? 実は一応見た。TTFCだと無料だし。補完計画の先駆けとも言えるものだし。
・「私って本当、馬鹿な女……」
これは……なんだろう。悪い女に騙されてるとでも思ったとか? でもそれなら渡が好きだって知って気を変えるのは少し変だよな。

 

 

……ストーリーはともかく、演出というか映像というか、この数話やばくなかった? 時代切り替えの時と同じような演出入ったのに切り替わってなかったり、ルークが自分から次狼を逃したのに「今度は逃さん」とか言ってきたりと、まさに"支離滅裂"って言葉がぴったりだった。まぁルークは一応虚無なので、支離滅裂でも違和感はなくもないこともない……けどさ。何だったんだろう。意図してやったのかな。他にもカットされたとしか思えない文脈の乖離が多くて、見てて混乱した。

 

次話

仮面ライダーキバ 32,33話「新世界・もう一人のキバ/スーパーソニック・闘いのサガ」 感想 - やんまの目安箱

仮面ライダーキバ 27,28話「80's・怒れるライジングブルー/リクエスト・時を変える戦い」 感想

キャラクター

 紅渡
・「あの子がはじめての友達だった」
健吾に対しても「はじめて」と言っていたのはとりあえずさておき、この世アレルギー……は? 一応実際のアレルギーは、それまでなんともなくても発症するようになることがあるとどこかで聞いたことがある。僕も以前の検査ではアレルギーはないはずだったんだけど、いつからかエビ,タコ,イカ,カニなどの軟体/甲殻類を食べると吐き気を催すようになった。キバとしても外出はしてたはずだし、そういう意味でまぁ、有り得ないという訳ではないと思うんだけど、そうなると逆にきっかけが気になるよね。結局心因性のものだった訳だし、回想にあったようにいじめられたりを繰り返して、引きこもるようになったのかね。

 

 紅音也
・「余波(事故)」で片付けられてたけど、人に怪我をさせていたというのはやっぱりちょっと気になる。特にライダーシステムによって、というのが。人間よりも強い怪人を殺せる力なんだから、当然扱いには気をつけないといけないはず。なんだけど、やってるのが音也だからなぁ。これまでも書いたように、彼に"正しさ"を求めるのは違うんだよな。あくまで等身大(よりむしろ少し下)の人間であることに意味があるキャラクターなので、そういう"失敗"もあって当然なのかもしれないという気になる。

 

 名護啓介
・音也「お前には遊び心が無い。心の余裕が無い。張りつめた糸は、すぐ切れる」
これが本作のテーマのひとつらしいので、細かい粗みたいなものは例えあってもある程度は広い心で許すよ、少なくとも今の僕は。
それと、これって物語についても言えることなのかなって。今回の展開によって名護が生き延びたというのはよく聞く話だけど、白倉さんがよく例に出す『サザエさん』って、シリアスって感じじゃなくギャグだよね。僕はギャグ作品に対してよく「延々と(永遠に)見ていたい」と感じるんだけど、シリアスな話はいつかどこかに着地させて欲しい。片付けた後でまた次の章を始めるのは全然構わないけど。『名探偵コナン』はそういう意味ですごく特殊で歪だね。正直縦軸を気にして見たことはほぼない。あ、こういういわゆる「国民的作品」みたいなものはきちんと見たことなくても、世間並みの認識で物を言います、熱心なファンの方がいたらすみませんね。
そんな感じで、作者なりの物語論だったのかも? と。
・「縁起がいい」
ボタンへの執着がギャグっぽくオーバーに描かれていたこともあったけど、こうやって裏返して"遊び心"と絡めてくるとは。
・結論に不満はないけど、描き方には少しある。音也がやろうとしてたことと名護がやろうとしたことの差が映像的には全く分からなかったこと。同じくイクサナックルで攻撃したんじゃ、怪人がたまたま避けてくれただけってことになる。余波も当たらないように威嚇射撃(打撃?)とかなら分かるんだけど。これも"人間らしさ"として余裕を持って許そうかとも迷ったけど、わざわざ過去に飛んでまで同じこと繰り返すのは流石にちょっとね。

 

 真夜
・「人間が生み出したものの中で評価できるのは芸術だけね」
てっきり真夜は名護サイドの……遊び心がない側のキャラクターだと思ってたんだけど、違うのか? それとも、人間を調べていく内に遊び心を学んだということなんだろうか。だとしたらちょっと雑というか、見足りないというか……。
・「やめて! あなたの手は人を殴るためにあるんじゃない」
暴力を否定するというのは……それもファンガイアの規律に記述されているのか(考えにくいか)、あるいは以前言った生きることへの必死さ(張力)のなさの描写なのか。

 

 襟立健吾
・歴史改変後も青空の会の武器を持ってたのは、普通に名護が過去に行ってて不在だったから補充要員として入れられたんだろうかね。なんにせよ、恵とゆりのは流石に見飽きてきてたからいい清涼剤になってた。

 

 

そこそこ盛り上がったので次回は箸休めかな? でも太牙が出て来そうなタイミングでもあるし、どうなるんだろう。

 

次話

仮面ライダーキバ 29,30,31話「聖者の行進・我こそキング/開演・キバの正体/喝采・母に捧げる変身」 感想 - やんまの目安箱

仮面ライダーキバ 25,26話「ファンファーレ・女王の目醒め/メトロノーム・記憶のキセキ」 感想

キャラクター

 紅渡
・「深央さんの前じゃ、変身できないよ」
え、なんで。一応名護や恵とは知り合いだから、キバの正体が伝わるかも、そうなったら面倒だ、みたいな話? それとも、自分の欲望(この間言ったキバット云々)を曝け出して敵を殺す姿を見られたくないみたいな話?

 

 紅音也
・「俺を信じろ。奇跡を起こしてやる。愛の奇跡だ」
泳げないんじゃなかったのかとか思ったけど、そこも含めて"奇跡"なんだと思ったらしっくりきた。なんてったってキリストだもんな。
・虚無を象徴するルークの攻撃で記憶喪失になって(以前は本人もなってたね)、自分を失くしてしまい不安に襲われるというのはなんとなく分かる。そこで人を愛する気持ちだけが残るというのもテーマに合ってる。"ご都合主義"で片付けるのもいいけど、こうやっていろんな見方から"納得"するための補助をしていくのは余裕のある人の特権だ。エグゼイドの頃の僕にはそれがあまりにもなかった。

 

 名護啓介
・彼は現代編のキリストに当たる人だろうね。その名護がどう変わるかは、本編のひとつの重要な転換点になるかもしれない。

 

 鈴木深央
・「……ありがとうございます」
ここ良かった。深央を守るという渡の言葉を聞いて、逆に危険に晒してしまうとなってしまうすれ違いが。555で心配される側だった彼女が今度は巧の立場になるっていうのが、感慨深いよなぁ。
・「あなた、人間の女を愛してたのね。あなたの……夜がくる」
これは、深央本人の意思というよりは、まぁ糸矢への私怨半分クイーンとしての本能的な何か半分みたいな感じに捉えてるけど、そういうことでいいのかな。

 

 真夜
・「知りたいの。なぜ人間を愛するファンガイアが後を立たないのか。人間とは何なのか」
もうこの(疑問を抱く)時点で真夜のいわゆる"デレ"は確定したようなものだな。っていうか、わざとなのか演者さんの素が出ちゃってるのかはよく分からないけど、既に決まりごとに厳しいクールな人……みたいなイメージはほぼなくて、むしろ好奇心を見せる様が子供のようでかわいげすらある。
ルークと話すときなんかもう完全にそう。
・「教えて。人を愛するって、どういうこと?」
そもそもファンガイア同士は恋愛をしないような言い回しだな。…………恋愛って、子孫を残すという義務や使命みたいなものと、なくても問題はない娯楽の、両方の性質を持ってるのか。美食なんかもそうだけど。
娯楽のみに生きるファンガイア(ルークみたいな)には、本当の"愛"は分からない……みたいなことなのか? ちょっとよく分からない。ファンガイアはウルフェン族たちと違って子孫を残したりはしないのだろうか。それとも全く別のことだと割り切ってるのか?

 

 ビショップ
・「そしてあなたには人間を愛した裏切り者の始末をしてもらわなければなりません」
裏切り者の始末なんて誰がやっても同じじゃん。なんでわざわざクイーンにやらせるのか……というと、たぶん"そういうしきたりだから"だよね。これも鎖か。

 

 糸矢僚
・彼は電王モチーフの怪人らしいけど、やたら引っ張ったね。"子供"みたいなイメージなのも近い。意識してのことかはともかくとして。
・ところで、恋心を利用されて負けるのはテーマと合致しない気がするんだけど、これこそが「子孫を残す」という目的のない100%娯楽としての恋愛なんだろうか。いわゆる金的というのはギャグとしてまま使われるものだけど、「油断して性器を意識していない」というのが、娯楽としての恋愛を示唆している……のかも?

 

 

ちょっと込み入って分かりにくくなってきた。これから先の展開で、認識を修正していければいいけど。

 

次話

仮面ライダーキバ 27,28話「80's・怒れるライジングブルー/リクエスト・時を変える戦い」 感想 - やんまの目安箱

仮面ライダー剣(ブレイド) 45,46,47,48,49話「新たなカード/支配者の封印/ギャレン消滅/滅びへの序章/永遠の切り札」 感想

キャラクター

 剣崎一真
・「最後のアンデッドを封印したとき、この戦いはジョーカーが勝ち残ったことになる」
そもそも今のバトルファイトは正式なものじゃないんだから、勝者も何もないんじゃなかったっけ。剣崎達は確かにまだ知らなかったはずだけど、いい加減その間違った認識のままでいられても困る。…………んだけど、なんか結局またバトルファイトは再開してるみたいでよく分からん。天王寺が物理的にモノリスを捕まえてたから出てこなかったのを、クワガタが早とちりしただけ?
・ずっと給料が振り込まれていたことが判明。上部組織なんてのがあるなら、1話のBOARD壊滅は一体何だったんだよ……そこに異動なりなんなりすればよかったんじゃないのか。ずっと無職なんだと思ってたけど、ちゃんと所属してる扱いなのか。何より、今の今まで一度も言及してこなかったのが信じられないんだけども……。
・「誰に命じられた訳でもない。俺は、全ての人を守りたい……そう願った!」
会社の偉い人(こう言うと陳腐だけど)に反発するというのは、運命と戦うというテーマにも通じていて良い。んだけど、天王寺の主張を否定する材料は何ひとつなくて、そこはちょっともったいなかった。剣崎は疑わないけど、「人間は(他を犠牲にしても)守る価値があるものなのか」というところに。
・「俺は、戦わない」「おまえは、人間達の中で生き続けろ」
昔はいいラストだと思ったもんだけど、今はそんなに……自己犠牲については序盤で片が付いてるしさ。

 

 橘朔也
・「俺は全てを失った。信じるべき正義も、組織も、愛する者も、何もかも。だから最後に残ったものだけは、 失いたくない……信じられる、仲間だけは!」
ごめん、全然ピンとこなかった。そもそも橘さんが掲げてた正義って全く描かれてないよね。ボロボロになる恐怖心で割と簡単に諦める程度のものだったんだなってくらい。っていうか、途中で桐生さんの正義を継いだんじゃなかったっけ。それに、言い方を変えれば「剣崎達と対立したら俺ひとりぼっちになっちゃって寂しいからそっちに付く」ってことでしょ……? 睦月と同じくずっとフラフラしててなんの為にいるのか分からなかったけど、結局よく分からなかったな……。

 

 相川始
・烏丸所長がハートのカード持ってたけど、それじゃ暴走しちゃうんでないの。もしかしたら剣崎も。

 

 上城睦月
・「俺は、俺が仮面ライダーでいいのかって、ずっと考えてました。そして思ったんです。俺は……アンデッドの気持ちがわかる。 だから、アンデッドと手を取り合って生きていこうって」
なかなかいいところに踏み込んできたんだけれど、文脈的に今回指しているのが嶋とトラさんだけなのが惜しい。以前から、アンデッドは別に悪いことしてる訳じゃないよなぁとか、アンデッドと融合する仮面ライダーという存在は"共存"を考えるにあたってキーになるんじゃないかとか思っていたけど、もしかして扱われるんだろうか。
・でも、リモートしたアンデッドを"仲間"と呼ぶのはちょっと違うんじゃなかろうか。これまでずっと操ってきたじゃん。
・「俺も信じたい。誰でも、運命と戦う事は出来る筈です。違いますか」
んーと、別にヒューマンをリモートすることと始を信じることは二者択一じゃなくないか? 橘さんは始を封印する気でいるけど、2人は戦う気なさそうだし……それともヒューマンが1人抜けるともうジョーカーを抑えてられないんだろうか。数の問題なら他のスートの2を貸してやればいい気がするんだけど、ヒューマンのカードを持ってないとジョーカーになっちゃうんだとしたら、やっぱり実質的に言えばただヒューマンに洗脳されてるだけってことになるんだよな……。

 

 

こういうのを、広げた風呂敷をうまく畳めていないって言うのかな? 消化不良感がかなり強い。リアタイ作品だったら分かるまで見返したかもしれないけど、生憎いまは全作品を見返してる途中なので、今回はここで打ち切らせてもらう。完走した後にまた見るかは、気分次第。

 

まとめ

運命のマッチポンプ『仮面ライダー剣(ブレイド)』 本編感想 - やんまの目安箱

次作

仮面ライダー響鬼 一,二,三,四之巻「響く鬼/吠える蜘蛛/落ちる声/駆ける勢地郎」 感想 - やんまの目安箱

仮面ライダーキバ 23,24話「変奏曲・永遠の逃亡者/皇帝・ゴールデンフィーバー」 感想

キャラクター

 紅渡
・"人間とファンガイアの恋愛"をしていた竹内を殺した。キャラクター的にというよりは物語の構成的になんでだろう。窃盗という意味で、過去編の次狼と同様に"即物的な愛"に走ったからかな。音也がゆりのオムライスを「まぁまぁ」とか言ってたのと対比になってて、音也はオムライスっていうモノじゃなくそれをつくってくれたゆりの気持ちを有り難くいただいたと、そういう感じ? 竹内は最後まで手を繋ぎに行ったりして、"形式"にこだわるような感じがあった。掟に左右されてブレるのもそう。うん、これで納得かな。

 

 紅音也
・「俺は素晴らしきオムライスの会、名誉会長だからな」
オムライスってよく見ると"親子"だよなぁとか思ったけど、流石にこれは穿ち過ぎか。嫌いな糸こんにゃくは"結ばれる"イメージがあるし。"縛られる"とも通ずるけど。
・自分の誕生日を祝日としようとか、この前の「愛の"救世主"」発言とか、宗教とかひとつのキーワードのこの作品内で言われるとどうしてもキリストを思い浮かべるんだよな。「心清く、誠実で、曲がったことが大嫌い」とか神聖視されてたのもちょっとそれっぽかったり。
となると、渡の"父への幻滅"は、「神は死んだ(ニヒリズム)」のメタファーだったのかなぁとか。それなら、僕も共感できる。セバさんの記事で読んだ、井上さんが音也について反省点があるという話が印象に残ってたんだけど神へのカウンターを描こうっていうのは流石に目標が高過ぎたんじゃないかなぁ……僕は十分気に入ってるけどね。

 

 次狼
・「ゆりは……俺のものだ」
なぜ食わずに水落ち……と思ったが、ガルルは何でも食えればいいって訳じゃないんだったな。音也を食うのはルール違反なんだろう。多分。

 

 真夜
・一応ファンガイア(悪役)として出てるけど、今のところ彼女は結構一般的な道徳に従って動いている。以前の記事でも似たようなことをやったけど、ファンガイアを人間に置き換えて見れば、猿と恋するようなもの。まぁ殺しまでするかと言えばそうでもないかもしれないけど、かなり奇異な目で見られることは想像に難くない。
ひとつ気になるのは、彼女が"恋愛"を禁じているのか、それとも純血主義的な観点から"交雑"を禁じるために副次的に恋愛を禁じているのか。
ライオンと虎(タイガー)の雑種であるライガータイゴンなんかは有名だけど、いずれも弱く後世に子孫を残し繁栄することは困難だそう。しかしいわゆる"ハイブリッド"と言われる個体が生まれるメリットもある。
と言うと、やはり浮かぶのは反対のインセスト・タブー。身内での交配を繰り返すと、弱い個体が生まれる云々みたいな話。こっちは雑種強勢と違ってメリットはないのかと、久々に生物の教科書を引っ張り出して概要をなぞっているんだけど、

クロマチン構造をとったDNAは, ふだんは核内に広がっているが, 細胞分裂の際には凝縮し, (中略)染色体として観察することができる。

『生物』東京書籍 より

とか書いてあって、二重スリット実験の話を読んだときと似たイメージを受けた。世界ってホント不思議だよな……。結局メリットがあるのかはよく分からなかった。"劣性遺伝子"だからといって生きてくのに不都合がある特徴とは限らないし、逆もまた然り。"珍しい特徴"とはなりやすいかもしれないけど。
まぁ要は倫理や道徳ってバランスが大事だよねって話なんだろうけど、仮面ライダーって元々"昆虫人間"な訳で、そういう安定よりも変化を象徴する存在であって、鎖や枷を壊していくんだろうな。キバに関しては、ベクトルとしては交雑の肯定に行きそうだけど。
・竹内紳二「逃げ切ってみせる。お前が神に殺されるまで」
このセリフも、音也が神様ポジなんじゃないかってのをちょっと補強してたりする。
・あとあんま関係ないけど、真夜みたいな厳しいキャラクターがめっちゃ足を露出させた服を着てるのはなんか似合ってない気がした。

 

 力(りき)とラモン
・彼らもまた"条例"というルールによって住処を追われてしまう。ちょっとしたギャグ描写くらいに思ってたけど、意外と探せば本筋とのリンクが見つかるもんだな。 

 


最強フォーム登場……はやくない? まぁそもそもフォーム数が少ないから順当といえば順当かもしれないけど、後新しく出てくるものといえば、ライジングイクサとサガとダークキバの3つくらいだよね。計4つで後半引っ張れるのかな。深央の登場も3クール目とかだと思ってたけどかなり早かったし、ここからあと24話も何するのかあんま想像つかない。失速しないといいけど。

 

次話

仮面ライダーキバ 25,26話「ファンファーレ・女王の目醒め/メトロノーム・記憶のキセキ」 感想 - やんまの目安箱

仮面ライダー剣(ブレイド) 41,42,43,44話「強くなりたい/レンゲル復活/敵か味方か/フォーカード」 感想

キャラクター

 橘朔也
・元はといえば、エースを封印し損なったのは橘さんのせいと見ることもできる訳なので、きちんとフォローとして睦月の復活に噛んでたのは良かった。でも始を封印することに固執してたことを思うとちょっと都合良過ぎやしないか? とも。
・「俺に任せてくれ。奴のことは俺が一番知ってるつもりだ」
つもり……(苦笑) いや、真面目な話すると剣崎と橘さんの信頼関係ってそんなに描かれてる印象ないんだよな。
・「そういう目で見られるのは好きじゃない」
剣崎はともかく、橘さんには経験があるからなぁ……まぁ、だからこそ嫌なんだろうけど。

 

 相川始
・レモン汁のくだりは普通に良かった。たい焼き回もそうだったけど、普段寡黙な始がやるとシュールで何でも面白く見えるし、しかもそれをただのギャグで済ませず人の心に関する描写として成立させてしまうのはさすが。ティターンを誘き出した理屈はよく分からんかったけど。

 

 上城睦月
・「ああ……なんか知らないけど、あいつの……美味いんだ」
トラさんとの関わりは結構良かった。始のときにもキーになった"人の想い"が目的を見失ったトラさんに伝わって、彼女が睦月を助ける。
でも結局この騒動ってのは睦月のトラウマとは全く関係なくて、単にAの呪縛から我に返ったってだけなのがイマイチ盛り上がらない。
・「俺、自信ないんだ。今までの俺は、強さに憧れてた。でも、強さに憧れる弱さに、気付いたっていうか」
前回、光と闇を背負って自分と戦い続けろとかなんとか言われてたからか、若干巧みたいな言動をするように。矛盾してる人間は、自信がないってイメージなのね。

 

 白井虎太郎
・編集部に、仮面ライダーについての記事を持っていく。そっか、剣崎くんは自分からバラしちゃったんだもんね。元からそれが目的だっけ。
・ところで広瀬さんがカレーつくってたけど、料理は虎太郎の役目って訳じゃなかったんだ? まぁカレーくらいなら誰にだってつくれるだろうけどさ。

 

 

終盤に入ったけど、やたらと話が薄くなってきた。天王寺もずっと不敵に笑ってるばかりだし、そろそろ本腰を入れて欲しいところ。あと、結局始と睦月の話の齟齬は特に意図したものではなく、粗と呼ぶべきものらしい。

仮面ライダージオウ EP28「オレたちのゴール2019」 感想

キャラクター

 常磐ソウゴ
・「過去のためじゃなく、今のために生きようよ」
ここ良かったなぁ。アギトの終盤を思い出した。「俺はアギトになっても楽しいことがいっぱいあった」ってやつ。あれが本当に1年の終わりだったのに対してこれはまだ中盤だから積み重ねが足りない分 小規模にはなってるけど、これまで放送されてきた"いま"がこうやってフォーカスされるのはいいなぁ。

 

 明光院ゲイツ
ツクヨミは死んだと思ってたのが意外なんだけど、理屈の話をするなら、"いま"ジオウを倒したからってツクヨミが死ななかったことになる訳じゃないし、ツクヨミ以外に「自分がウジウジしてるせいで犠牲になりそうな(かつ助けたい)人」というのも特にはいないので、ゲイツが戦う合理的な理由は何もないんだけれど、リュウガ編で完全撃破もできないのに自殺まがいのことをやったことを踏まえると、そんな深く考えてないというか、本当にただ「俺が倒さなかったせいで悲しいことが起きたから倒す」くらいの気持ちなのね。ゲイツらしいと言えばらしい。
・体への負担って設定は、(ウォズは理屈っぽく時間を引き伸ばしたり縮めたりしてる代償とか解釈してたけど)意思に反してジオウを倒すことに対する傷心の表現だと思われるので、これからはなぁなぁになりそう。こういう理解でいいなら、別にそれでいいけど。いつまでもまともに戦えない最強フォーム見せられてもつまんないし。
ゲイツは"約束"にこだわるね。鎧武編でもそうだったけど。オーマジオウのせいで果たせなくなった約束でもあったのか、オーマジオウを倒すという約束のことなのか。
・「……そんなもんか」
自分が倒される約束に律儀に来るというのは、普通ならあり得ない。でもゲイツがわざわざ約束をしたのは、ソウゴならゲイツの判断を信じて決着を付けに来ると思ったから、なのだろうか?
・ソウゴを放っておいたら世界がめちゃくちゃになるから、倒さなきゃいけない。でも自分はソウゴと戦いたくない……。
この心情はまさしく『剣』のそれと被る訳で、"とりあえず決着を付けない"という選択をした彼らの前に、2004('05)年に同じ選択をした"その後"の彼らが現れるというのは、それこそ運命じみたものを感じる。
のはいいとして、公式サイトから情報を読み取っていくと、まずアナザーブレイドの年号が2019、かつこれからは"現在編"ということで、『剣』の歴史はタイムジャッカーによってなかったことにはなっておらず、(ほぼ)あのまま時間が経過した"ifでない彼ら"が描かれるっぽい。じゃあ『剣』→『響鬼』の世界観変更はどうなるんだ、という話に当然なってくる訳だけれど、ここから導き出せるのは「前作がなくなる≠次作が始まる」ではないということ。あぁ、なんかこう文字に起こすと当たり前の話だな。タイムジャッカーがアナザーライダーを生み出した結果生まれる世界に、更に新ライダー(いわゆるオリジナル)を生み出すことで2重に改変して生まれるのが次の作品の世界観。つまり、例えアナザーライダーが生まれておらず前作のライダーがそのままでも、次作の世界観を生み出すことはそれとは別個にできるということ。ここで気になってくるのはやはり「じゃあその前作のライダーはなぜ次作で戦わないのか」ということになってくる訳で……残ってるレジェンドのうち、ドライブだけはその理屈が既に提示されている(ベルトさん封印)けれど、他の作品はどうなることやら。まぁ、これまで通り普通に「アナザーが当時からいました」で押し通しても矛盾はしない気がするけど。

 

 ツクヨミ
・ディケイドの言ってることになぜそんな説得力を感じるのか正直よく分かんないけれども、彼女の心情変化も見返しで追う予定なので保留。

 

 ウォズ
・「よろしく」
これまでは神出鬼没でどこかに"定住"するようなイメージはなかったんだけれど、これで一人の人間らしくなった。白ウォズが変身するというのは、オーマジオウ一人が君臨するのと比べて多様性が認められていることの証だと思ってるんだけど、オーマジオウ未来に属するはずの黒ウォズにもその人権が認められたことを意味する。
特に何も考えてないけどなんとなく雰囲気で書いてます。見返して確信を得るまでは聞き流して。

 

 もうひとりのウォズ
・「どう転んでも、私たちの計画に支障はない」
他のセリフなども踏まえるに、どうやらスウォルツは白ウォズと同じ時代から来た人間("私たち"の一員)のようにも思える。2022年でアナザーシノビウォッチを入手できたのがひとつの根拠になるだろう。以前『やぎさんゆうびん』では白ヤギさんから始まっているという話をしたけれど、ゲイツリバイブ未来をまとめて白陣営とするならスウォルツはそちらに属している訳なので、そことリンクする。"すべてのはじまり"は白によるものだった。

 

 加古川飛流
・皮肉なことに、むしろ飛流は(少なくともあの場では)ソウゴに助けられている。子役の顔なんていちいち覚えてられないけど、あの服は確か飛流だよね。あのバスジャックそのものがソウゴによって引き起こされたとするなら確かに大きな視点では「ソウゴのせい」は正しいんだけれども。
・彼が従えているのは、みんな過去(レジェンド)編のアナザーライダー。唯一「似たことがあった」はずのアナザーWだけいないけど、他は揃ってる。アナザーリュウガは「自分と向き合う」ことの権化なので、わざわざ未来編にねじ込まれただけあって別枠。

 


設定

・前回は"すべてのはじまり"と銘打たれてたけれど、病院で「ずっと前(スウォルツの実際の介入前)から夢で見てた」ことや、今回の"アブナイ"を見るに、ソウゴの現実化能力そのものはこの事件よりも前から備わっていたと見るのが正しいと思うんだけれども、これはどういうことなんだろう。
これからの10年(ジオウ)を見据え、『平成ライダーシリーズ』として意識したつくりをし始めたという意味での"はじまり"だろうか。ソウゴの認識としては、無意識から前意識への移行?
・てっきり今回が早まった「オーマの日」なんだと思ってたけど、違うのね。でもだとするなら、またゲイツとジオウは戦うのか? それともあの未来は変わったということでいいのか?
・アナザージオウウォッチのあの描写はなんだったんだろう。スウォルツがつくりだしたもののはずなので、その辺と絡んでくるのか? 少なくとも加古川飛流個人の物語は、一応の完結を見たと認識したけれど。

 

「ごめん」っていう気持ちは、いいものだ。人は変われる。始まったものが終わることもあるし、終わったものがまた始まることもある。

 

ジオウ感想一覧

前話

仮面ライダージオウ EP27「すべてのはじまり2009」 感想

次話

仮面ライダージオウ EP29「ブレイド・ジョーカー⁉2019」 感想

仮面ライダーキバ 21,22話「ラプソディー・指輪の行方/序曲・運命の交差点」 感想

キャラクター

 紅渡
・「同じです」「僕も、断れないんだ」
1話で「違います」とか言ってたよね。って言おうと思ったけど、これは別にいいや。障害とかでもそうだけど、そこに一貫性を求めるのはおかしい。多少でも社交性があるならそれはいいこと(絶対的にではなく、本人が改善を望んでるという意味で)なんだから。
・優しいのは前から描かれてたから、他人のために変わるってのは違和感ない。巧と少し似てる。でも、変わった後でキバットの言いなりにフォームチェンジするのはちょっとあれじゃない? そもそもキバットってどういう意味があっているの。一応"欲望"は度々口にしてるけど……まだ立ち位置がよく分からない。渡の欲の具象化みたいなイメージで見ればいいのかな。

 

 紅音也
・いい機会なので"浮気"について語ってみる。されたら悲しいという人がいるのは想像できるが、「それが当たり前」みたいなのはちょっと微妙。子供でも弟妹に親取られることくらいある程度は我慢するよね。そりゃその結果ネグレクトでもされるというならともかく、多くはそういう不満から成長していくものだろう。何故それが大人になるとできなくなるのか。
もちろん、不倫をしないとその個人間で約束していたのなら、約束を破ったという点から否定するのは共感する。

 

 名護啓介
・ラストを知ってるので、一体どんなことがあったらあそこまで変われるのか、どう描くのか楽しみ。
・とか思ってたら、「この世には忘れたい思いというものがある」とのこと。

 

 鈴木深央
・キャラクター……じゃないけど、芳賀さんの演技好きなんだよね。何でかよく分からんけど。似てる知り合いがいて、でもじゃあその人も好きかっていうと別にそうでもなかったりして、なんか不思議な感じ。単に小さい頃にもよく見てたからかね。

 

 襟立健吾
・「この前の活躍見て、確信したんや……」
いやいやいやいや、どう考えても回想するシーン間違ってるよね!? 絶対イクサとしての活躍だよね? そうじゃないと文脈おかしくない?
・いきなりデートが始まってびっくりした。カットされてたとのこと。流石にちょっと流れが不自然過ぎやしないか? "選手交代"とか。尺に収まるよう撮れなかった側が悪いのか、カットさせざるを得ない量の話をつくった方が悪いのか……どっちか知らないけど、ちゃんとしたものが見たい。

 


設定

・「いただき……もす」
ドッガが人を食った。そういえばガルルも食ってたけど、"ファンガイア"ではないはずだから、彼らウルフェン族やフランケン族はまた別で、食らわないと生きていけなかったりするんだろうか。でも正直そんなことはないよな。次狼は襲うの辞めてるし、何よりキャッスルドランに幽閉されてからは食ってな……あ、もしかしてあれってキャッスルドランだけじゃなくて中の連中も食ってるのか?
何に違和感を覚えてるかというと、もし食わなくてもいいのに食ってたんだとする(つまり娯楽)と、「一族最後の生き残りで生に貪欲」な彼らの表現として少しズレてくる(或いは僕のこの認識がズレている)ということになるのでね。
……ってあれ、ガルルは思いっ切りコーヒーを嗜んでたじゃん。馬鹿かよ。あれは何なんだろう……プライド? 生き残るのも大事だけどプライドは捨てられない的な? まぁわざわざルークに襲い掛かったりしたので、"ただ生きる"のが目的ではないのは確かか。結論ありきではあるけど僕はちょっと納得したので良しとしとこう。

 

 

夜になるのは遺伝かも〜とか言ったらならなくなった。ガッカリ。
ドッガハンマーに何でも見抜く目みたいなのがあるのは、モチーフ通りなんだろうか? フランケンシュタインの怪物もよく知らないんだよなぁ。

「感想を書く」とは

久しぶりのエッセイ記事。

伊達に1年間作品の感想を書いてる訳じゃないので、ここらでひとつ感想を書くことに対するメタ感想というものを書いてみようかなと。と言ってもTwitterではぽつぽつ言ってることだけどね。
人生で個人的に表彰されたことといえば読書感想文の県コンクールくらいなので、それなりに誇ってる。
「読書感想文の書き方をレクチャーする」なんて大層なことは言わないし"読書感想文"にこだわって話を展開するつもりもないけれど、一応全く参考にならないことはないと思われる。

さて、まずここで言う"感想"とは何かをざっと洗い直してみると、「あるものを対象として、心に抱いたこと。またそれが何らかのかたちで発信されたもの」ということとし、かなり広義に、いわゆる批評やレビュー,考察などと呼ばれているものまで包括した概念として扱う。


さっき自分の読書感想文が"個人的に表彰された"と書いたけれど、ここからも分かるように、感想というものは歴としたひとつの文学作品(形態は文章に限らないが)だと言って良い。言葉としては、対象作品を1次としたときの"2次創作"にあたるものだ。
あくまで感想というこの2次的なステージにおける主役は、対象作品ではない。

こう書くと語弊があるかもしれないけれど、例えば今や国民的漫画作品と言っていい『ONE PIECE』だって、ウソップの元ネタになっているイソップ物語のいわゆるオオカミ少年(嘘をつく子供)の寓話にとっては2次創作と言える。
しかし『ONE PIECE』の語り手としての主役は他ならぬ尾田栄一郎氏だし、とするならば感想の主役は当然、我々だ。むしろ自分が主役でないのならば、自分で言う意味がない。 
媒体こそTwitterやブログ,口頭と様々だろうが、我々は日々無数の生産活動を行っている。
人気や影響力に差はあれど、構造としてはこれらに大した違いはない。何気ない一言でも"バズ"によってそれらを獲得できるようになった現代において、発信者の心持ちというのはそう大きな問題ではないことはより分かりやすいだろう。
世に出て有名になる作品も、感想も、大きな目で見ればそうした営み(コミュニケーション)のなかのひとつである。

 

その前提の元で、自分のコンテンツを"価値あるもの"にしようと思うなら、また色んな試行錯誤が必要になってくる。
多くの場合、盗作,剽窃,パクリなどの言葉で表される行為は負の価値として認識されることが多い。
逆にほぼ同じ行為でも、本人が主体として複製すること(CDなどとして売り出す)は正の価値となりやすい。

僕がよく見る、動画による玩具レビューを例に出して考えてみよう。
まず元となる玩具……仮面ライダーのDX玩具ならば、その玩具自体の価値はバンダイが生み出したものだ。それを利用して如何に新たなを価値を生み出すかで"玩具レビュー動画の価値"が決まる。
例えばk2eizoというチャンネルは、僕の知る中では最も"個性"が薄い。玩具の仕様を知るのに不必要な情報がかなり削ぎ落とされ、玩具の音声がないシーンではBGMをバックに、画面上には黒い背景と玩具と手だけが映る。僕の中で彼を表す記号として機能するのは、せいぜい"彼がよく使うBGM"とアイコン画像くらいだろうか。
僕個人としてはそんなに好きじゃないタイプなんだけれど、UUUMの解説文によると、言葉を発しないことが価値となっているのか海外人気が高いらしい。なるほど。

逆に、例えば動画内で"喋る"人は、それだけでひとつ強力な個性を追加していることになる。その声が好きか嫌いかは意見が分かれるところだろうが。

レオンチャンネルなんかはその好例で、もはや彼が喋っていることそれ自体がひとつの価値となってしまった人だと言える。サムネイルとタイトルに玩具を入れずとも、「骨折した」なんて雑談だけで10万回も再生を稼いでしまう。彼にとって何気ない一挙手一投足がアンチ(本気で嫌いというよりは、主にそれらを共有することで盛り上がる集団)の話のタネになる光景も見慣れたものだ。
その視点でいくと僕はChannel CUBEがお気に入りで、玩具に興味がなくてもついつい彼のトークを目当てに動画を見てしまう。
あとIYCH。彼は確かドリルクラッシャーのレビューで言ってた「これは最高のモルモット……じゃなくてハリネズミだ!」ってのが個人的にすごくツボで、速攻チャンネル登録したのを覚えてる。彼の嵐のような連想ゲームは見てるだけで楽しい。黎斗ネタってそれ単体じゃ僕はなんも面白味を感じないんだけど、予想外のものと組み合わせることもひとつの価値。あともうひとつ彼について特筆すべきはモノマネ。黎斗を始めとして、レオンチャンネルやヲタファさんなど様々な人の真似をしているけど、彼のような"モノマネ芸"が成立するというのは、元である彼らの"個性"が明確であることの傍証である。
声質や言葉回し、間の取り方など、動画というメディアの情報量の多さが彼らのイメージを支えている。
勝亦博物館のようにアイコンにするほど積極的に顔出しをするのも、方法の1つとしてある。
他にもブンカイジャーおとはさんは"分解"、クレーンの丈さんは"個別認識プレート自作"みたいに、特技(?)というかジャンルを絞るのも、特定の層を掴むのに良さそう。これまで挙げた他の人もほとんど"玩具レビュー"という広い(世間一般から見れば狭い)ジャンルに入ってるけど。


具体的な名前を挙げながら色んな価値についてまとめた(ちなみに敬称はチャンネルではなく投稿者自身を指すと思われるものにだけ付けた)が、このような"まとめ"もひとつの価値になり得る。

 

少なくとも僕は、「それを読めば対象作品を見なくてもよくなってしまう」ような性質を持った感想を読むのが嫌いなんだよね。読書感想文でも、あらすじ紹介やストーリーラインを追うことに終始する人がいるじゃない、そういうの。
まぁ、映像作品を文章に起こしたり要約したりというのもひとつの価値ではあろうけども。
僕自身はこの現象を避けるため、たとえ読みにくくなってでも敢えてキャラクター毎に箇条書きにして、少なくとも編纂程度の創作性を嫌でも帯びるようなフォーマットで各話感想を書いている。エグゼイドの頃は一応2文ほどのあらすじは書いてたけど。
それに本音を言えば、こうしてしまえば書くのが楽なのよね。構成とか考えなくていいし、箇条書きなら文脈に馴染まないネタを枯らすこともない。
まぁ、他の記事できちんと構成考えてるかって言うと、どっちにしろ割と行き当たりばったりだけどさ。この記事も普通に上から下に書いてます。考えるとしたら締めを書くときかな。結論に合わせて流れを変えることはたまにある。あ、これもあくまで読書感想文の話ね。ブログ記事程度だったら結論なんてそんな高尚なことは(少なくとも意識的には)考えてない。
だからまぁ、読書感想文ならまずコピペできる媒体で下書きするべきだね。あと書き始めに悩むって声もよく聞くけど、適当でいいんだよ適当で。冒頭数秒しか読まない始め方に悩むくらいだったらさっさと書き始めて"中身"を面白くした方がいい。面白い始め方のアイディアがあるなら、それありきで組み立てるのもアリだけどね。僕が表彰されたやつのひとつはそれ。一文目から「この本、嫌いだ」って書いてやろうと思ってたのをよく覚えてる。


誰でも書けることを書いたってつまらないから、一見関係ないような雑談を差し込むのも最近のお気に入り。ジオウの感想でリラックマについて語ったのは楽しかったなぁ。仮面ライダージオウ EP24「ベスト・フレンド2121」 感想
"自分語り"って言うとネガティブに捉えられがちだけど、僕に言わせれば自分以外に一体何を語るんだよって感じなんだよな。否が応でも"オリジナリティ"が生まれる最高の材料だよ。興味ないことも多いけど、興味深いエピソードも多い。自分の声を使って喋るだけで「私はこんな声ですよ」という意味を持つ。そういう広い意味での自分語り。
だからみんなもっともっと、自分のことを発信すればいい。ブログでもTwitterでもYouTubeでもなんでもいいけど。

 

続き

86ma.hatenablog.com

ジオウ感想追記(5〜8話)

ジオウ感想追記(1〜4話)

 

第5話「スイッチオン2011」

・そもそも、なんで天秤座の18歳に限って襲ってたんだろう。「アナザーライダーは一定のルールの元に行動する」という暗黙のルールが……って、ソウゴがそう口に出した訳だから、そういう認識だったからそうなったと見るべきなのか。
・また、他者の生命力を奪ってカリンに与えるというのは、ファイズとフォーゼにたまたま共通する能力なのか、アナザーライダー共通の能力なのか。一応、どちらの作品でも"復活"というのは扱われていて、前者ならオルフェノクがそうだし、後者ならコズミックスイッチで弦太朗が蘇った。作中で似たような描写があれば、そういう能力が使える……? アナザーフォーゼは画面的にはコアスイッチを使ってたけど、あれにそんな能力あったっけ。知性体のサンプルを賢吾という形で採取してただけ……でも、最悪そういう能力があってもおかしくはない、か?
・結局、ソウゴはゲイツを落とそうとしてたんだろうか? 今改めて見ると、おんぶされようとしてるように見えないこともない。元々は先生の目を盗んで調べるつもりだったとか? "心配"しておきながら現場に戻らない、そもそも連れてこないで放置するツクヨミゲイツも不自然だし、ソウゴの心情的には「一緒に保健室に行く」という想定だったと考えるのが、その後の「向こうからしたら仲間じゃないんだけどね……」と合わせても、一番しっくりくる気がする。
・保健室の先生が"仲間"というすこし不自然な言葉選びをしてたのも、作者の意思が働いてると考えれば辻褄が合うどころかいわゆる"伏線"として機能する。「作中に作者である自分と(ほぼ)同じ心情を抱き、話を動かそうとするキャラクターを配置すれば、"ご都合主義"というものは消える」というのは、創作してたら誰しもが一度は思い付くことだと思うんだけど、それを大真面目に1年ものでやってるんだとしたら本当に面白い。
・ウォズの「読み解けない」というのは、記事で書いたところで言う後者だったみたいね。またメタ的には、ここですべてを明かしてしまう訳にはいかないという事情もある。
ゲイツビルドアーマーの登場は今回やる予定のイベントのひとつで、かつフォーゼ回ならば仲間の話をやるお膳立てが整っている。アナザーライダーの年号を読んだり読む余裕がなかったりでマチマチなのも、全部説明がつく。
・「いや、FAIZなんてライダー聞いたこともない」
これ、もしかすると"読めなかった"ってネタなのかもしれない。『証言! 仮面ライダー 平成』にて白倉さんが、「空前絶後の読めないタイトル」が自慢だという話をしてたのよね。確かに『555』を素でファイズと読める人はほぼいないだろう。
あるいは、補完計画はメタネタの場なので、ゲイツがじゃなくて押田さんが……みたいな話なのかもしれないけど。

仮面ライダージオウ EP05「スイッチオン!2011」 感想

 


第6話「555・913・2003」

・アナザーフォーゼ復活の理屈は結局どういうことなんだろう。ラストの"熱いシーン"である、「俺たちがお前たちを救う!」ありきで話を組み立てた結果、復活することになった……?
なんというかこう……書いてて毎度思うけど、身も蓋もないんだよな。一応他にもそれ以外の理屈を考えてみようかな。ライダーの力=物語の力だという解釈は何度も話してるけども、「アナザーライダーの中から他のアナザーライダーが出てくる(2つのライダーの力を持っている)」というイベント性によって、アナザーファイズの力が息を吹き替えした、とか? さっきのと組み合わせて、ジオウとゲイツに同時(?)に倒されるという結論を先取りしてそのドラマ性を利用してもいいかもしれない。
・たっくんの「誰だ」についてやいやい言ったけど、よく見たら普通にツクヨミに招かれて家にいて、そこに知らない2人組が現れたから誰何したという流れらしい。思ってたほど不自然ではなかった。
あと「ただ持ち主だと思われたからライドウォッチを渡した」と書いたけど、一応ライドウォッチを目にしたことをきっかけにソウゴを観察し始めて、その結果譲渡という形だった。具体的に何を気に入ったのかは分からないけど、そもそも自分のものじゃないものを渡すのに資格とか考えるのも変な話だけども。
・タイムジャッカーが年を取らないという件、単に時間旅行者だからそう見えるという話かと思ったけれど、もしかするといわゆる"サザエさん時空"と何か関係あるのかも……? 白倉さんが至るところで口に出している作品なだけに、そんな気になってしまう。
・ソウゴがカリンの尿意について言及したことを気持ち悪いと言ってた人がいて、まぁそれ自体は別に良いんだけど、軽く調べてみると実際に平均4時間ほどの間隔らしくて、カリンのそれに気付く気付かないの前に、それを知ってること自体が割と変だよね。王様ともなると民の健康異常(ちなみに頻尿の反対で稀尿というらしい)にも気を使うのだろうか。
・おじさんがしてたテセウスの船の話だけど、オリジナルライダーとアナザーライダーやライドアーマーとの関係にも少し関連してるかも? 『ジオウ』によって無理に生かされる"仮面ライダー"たち……。
・カリンが15年も経ってようやく気が変わったのも、ジオウという物語のために"微調整"されていたからだと考えると納得がいく。
ゲイツが更に過去へ行っているので、佐久間がカリンに「自分の人生を生きて」と言われた歴史はなかったことに、事実としてはなっているはずなんだけれど、それをソウゴが目撃して記憶していることそれ自体によって、「もう佐久間のカリンへの妄執は断ち切られた」ということになったっぽい。ちょっと特異点の設定とも似ている部分があるかも?
・今回の佐久間の話も「あなたのため」の押し付けを扱っているんだけれど、結論としては押し付ける主体が"俺たち"に変わっただけだった。ソウゴとゲイツの押し付けについては後で扱われるので、これでいい……のかな。

仮面ライダージオウ EP06「555・913・2003」 感想

 

 

第7話

・自分の監視を口実に一緒にマジックショーを見に行く感じは、25話のそれと繋がる。すごく楽しそうでかわいい。
ゲイツがアナザーウィザードだと気付くのも、555のことを踏まえた上で見ると、"ウィザード(魔法使い)"とネーミングがそのまんまだから分かったみたいな文脈にも思えて面白い。
ゲイツを殺そうとするスウォルツと、それを助けるウォズ。スウォルツなんか特に「なんで今更」って感じだし、ウォズもゲイツを快く思ってないのに助けるというのはちょっとアンビバレント。昔のよしみとは言ってるけど、その"昔(未来)"でも何度となく戦ってることが伺えるので皮肉にしか聞こえない。
それを思うとタイミング的に、ソウゴとゲイツの意見が食い違ったことで、自分こそが正しいからゲイツを落として邪魔できないようにしようとする気持ちと、ゲイツにはゲイツの正しさがあるからそこまでしなくてもいい(或いは自分の側に引き入れよう≒「これを機に仲直りをしないかい? 我が魔王に君みたいな仲間がいてくれるととても助かるんだ」)という気持ちとで揺らいでいることの現れのように見えなくもない。流石に深読みかね。
・公式サイトでアナザーライダーの人選について触れられてるのを見てふと思ったんだけど、本家の主人公たちもはじめからそんな大した人間だった訳では、必ずしもないよなぁと。
五代は1999の技を持つ冒険家、翔一くんは料理が得意でのほほんとしてるだけだし、真司は何にでも首を突っ込むバカな新聞記者、巧は無愛想で猫舌なだけの青年、剣崎は幼少期に家族を失って人助けをしたい青年、天道も渋谷隕石がなければ普通の人だったかもしれないし、良太郎はとても不運な人。
翔太郎は探偵の助手で、フィリップは博物館を運営してる会社の子供、映司は政治家の息子で、弦太朗は友達を増やしたい高校生、晴人は天道同様ウィザードにならなかった場合が想像つかない、紘汰は大人になりたいフリーターで、泊さんは警察官、タケルは寺生まれの高校生、永夢は研修医、戦兎は(バンドオタクの)物理学者。
ここに怪我をしたバスケ選手、病気の息子を持った父親、身近な女性の死を悲しむ高校生、経営者に恋するマジックショーの裏方……などなどが混じっても、そこまで浮きはしないんじゃないか? つまり"本編の活躍"という色眼鏡さえ捨てれば、一部を除いては割と普通の人であって、タイムジャッカーの人選にとやかく言うのは結果論であると言えるかもしれない。猫舌の人よりはまだバスケ選手の方がドラマチックになりそう。
また、アナザーライダーの変身者って揃って「本編ライダーがいる歴史で不幸な目に遭っていたはずの人」で、ともすると「アナザーライダーがいるせいで本編キャラの人生が変わってる」ことの裏返しとして、「本編ライダーがいたせいで不幸な目に遭った人」かもしれない。これも、ひとつの重要な事実だろう。
・ところで今回の補完計画の"次の我が魔王"発言は、地味〜に白ウォズへの布石になってるね。

仮面ライダージオウ EP07「マジック・ショータイム2018」 感想

 

 

 第8話

・やっと気付いたけど、今回はビルド以来の、「力を渡す資格があるか確かめる」というレジェンド本人の意思があったエピソードなのか。2話と違ってゲイツだけど。変身後で渡されたから生身じゃ分からなかったって、当時の僕はどれだけ遠回しな解釈をしてるんだ。
・"循環"がジオウにおいてキーになってるっぽいという話は何度かしたけど、言語も基本は循環してる、或いは"そういうもの"として存在してるんだよね。辞書なんかは、言語を言語で説明している以上、延々と辿っていけばいずれ循環してしまうのは簡単に想像が付く。また、例えばイスという言葉の説明として指差すというジェスチャを採用したとして、では「なぜそれが"イス"なのか」という問いは、ある程度までは由来を遡ることは可能だろうが、いずれは言語の恣意性という壁にぶつかる。音象徴という考え方(ブーバ/キキ効果が有名)も、感覚的な納得に由来する"自明性"を根拠にしている。
ぎょっとするようなライダーデザインを"見慣れる"という現象があるように、『ジオウ』も話数を積み重ね歴史となることで、"そういうもの"として人々の深層意識に定着していく。時の王者という言葉の意味が分からない子供でも、あの格好をしたキャラクターがジオウと呼ばれていることはそのうち分かる。
近視眼的な「何故(Why)?」は思考停止と大して変わらない。無限に問い続けるか、循環させるか、ドグマを設定するかのどれかだ。
・今回の話、『美女と野獣』というよりはむしろ順一郎さんの言ってた『眠れる森の美女』みたいだった。そう、わざわざこのエピソードを見返すにあたって見たのよ、『美女と野獣(2014)』。正直あんまり似てるとは感じなかった。その映画自体は、全体的には「欲張るな」に近いテーマがあって、そこに色々と装飾を付けたみたいな印象。
・っていうか何気にビーストライドウォッチ持ったままなのずっと触れられてないけど、結局なんだったんだろう。持ってたからって記憶が保持される訳じゃないのは明らかなので、仁藤が単純に好奇心か何かで持ってるだけってことになるのかもしれないけど……。「販促に手が回り切らないパターンもある」という描写だったのかな。
・今思うと、元は誰かのために動いていたはずなのにいつの間にか自分のために力を使い出す早瀬っていうのは、縮小版オーマジオウだったのかもしれない。未来からのメッセージというのは、そう考えるとゲイツツクヨミかも? 1話アバンのシーンで、あれだけの人が消滅する中であの2人だけが助かって、しかも過去に飛んで歴史を変えようとするなんてちょっと不自然だと思っていたけれど、過去の自分に"同年代の友達"をつくるチャンスを与えた……「寂しい」の告白≒早瀬の告白、という構造なのかなと。
早瀬が'12年で車とビルを消していた描写も、ソウゴの言ってた「まだ悪いことしてない」が勘違いってことになるのになんで付け足したのかなぁと思ってた(まぁ倒す理由として必要ではあろうが)んだけど、今のソウゴも無意識に悪用(というかアナザーライダー出現も含めてマッチポンプ)しているとするなら、"縮小版ソウゴ"である早瀬がその時点で悪いことしてるのも納得がいく。

仮面ライダージオウ EP08「ビューティ&ビースト2012」 感想

 

 

ジオウ感想追記(9〜16話) - やんまの目安箱