やんまの目安箱

やんまの目安箱

ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダー剣(ブレイド) 2話「謎のライダー」 感想

キャラクター

 剣崎一真
・BOARDを一体であそこまでにしたバットアンデッドを一人で倒せちゃうくらい強いんだ。
・「俺は、本当のことを何も知らされないでこんなことになっちまった。BOARDは何が目的で、何のために存在して、何をしてたのか……あんた先輩だろ!? 教えてくれよ!」
??? 少なくとも2ヶ月は所属してた……んだよね。何のために何をしてる会社なのかも知らずに働いてたの? それはもう"純粋"とかじゃなくて何も考えてないだけなのでは? 何か自分の知らない裏があったらしいと気付いたシーンだとするなら、それはつまり橘のことをまだ信じてるってことになる。でも流れ的には"橘さんに裏切られた"だよね……意味わかんない……。
・なんで助けに行かないの……"人類を守るため"っていうのはあれなの? どうせ生きるために働かなくちゃいけないんだから、それだったらいいことしたいな、くらいの気持ちなの? 橘に裏切られたから戦わないってのはちょっとよく分からない。
・あぁなるほど。"目の前"には居なかったから、精神的距離が近い問題である橘さんのことが優先だったのね。
・「どこだ! 逃げるのか!」
と思ったら人を助けることじゃなくて怪人を倒すことが主目的っぽい……? 橘さんの件のストレス発散?
・プラントアンデッドの首締め攻撃に対して、2回目は変身畳を利用して攻撃に転じてたのはちょっと感心した。のに、直後に勝負にならないとか言われてて情けない。
・「これが俺の仕事だ! 誰ひとりとして助けてこれなかった、助けてこれなかった俺の、大切な人を助けることができなかった俺の! 今やらなくてはいけない仕事だ!」
うんまぁ、いいセリフだとは思う。橘さん云々で助けに行くのを渋ったりしなければ。あと同じこと繰り返し過ぎてテンポが悪い。

 

 相川始
・「すべてが俺の敵だ……貴様もな!」
当面は、このカリスについての謎を追っていく形になるのかな?

 

 広瀬栞
・虎太郎「一体何だったんだ? BOARDって」
広瀬「分っかんない」
あんたも剣崎と同じクチか……この人たちはなんでこの会社に入ったんだろう……。
・「あたしは研究員よ(以下略)」
え、何それ。結局泥棒には違いなくない? 詭弁にもなってない気がするんだけど。なんか馬鹿らしすぎてセリフ抜き出すのも億劫になっちゃったよ。
・「それがライダーの仕事じゃないの!?」
でも、給料出ないんでしょう……? 剣崎がやる義理は個人的感情しか残ってないじゃない。どう考えてももう仕事ではないよ。

 

 

うーん、色んなシーンで何かしらの違和感があって、何度も意識が躓く。すんなり見れない。
グロンギの真似か知らないけどアンデッド語? みたいなのも普通に意味分かんねーからやめて欲しいし。広瀬さんはいつの間にか同居してるし、剣崎が急に天音を知ってたかと思いきや、始のことは知らなくて。登場人物は当然のように"仮面ライダー"という言葉を使ってるけど、天音はそもそも虎太郎からちらっと話で聞いた程度なのに初めて見たカリスを仮面ライダーだと断定してるし、周りの大人もそれを何の違和感もなく受け入れてるし……。
最後の、剣崎が始に対して怒りながら携帯取り出す場面なんか、あれどう見てもギャグでしょ。
やっぱり全体的にテンポが悪い。

 

次話

仮面ライダー剣(ブレイド) 3話「彼らの秘密…」 感想 - やんまの目安箱

仮面ライダー555(ファイズ) 20,21話「美しき刺客/加速する魂」 感想

キャラクター

 乾巧
・「草加か、乾巧だ。実はな、ファイズのベルトを奪われちまった。気をつけろよ、お前も……一応言っとく。じゃな」
明らかに草加を使ってベルトを巧のとこに戻すって都合のためなんだけど、いちいち巧の好感度上げるのがにくい。
・「っていうか、なんか忙しくしたいだけなんだよ。手伝わしてくれよ」
ファイズのベルトがないと、巧はまだ空っぽのままなんだな……。
・「あんたは人間だ。これからも人間として生きてくれ」
長田との件、勇治の恋人の兄の件を経て、やっとこういう結論がでてくるのはちょっと感慨深い。

 

 菊池啓太郎
・真理を騙して……は言い過ぎにしても、勝手にダブルデートを企画するのはどうなんだ? ちょっと前にせっかくかっこいいとこ見せたのに、夢がなんかちょっと薄く見えるぞ。

 

 木場勇治
・バイト中はかなり生き生きしてるね。こういうこまかい描写が説得力をつくっていくんだろうな……。
・「また貸しが増えたね」
巧に対しては遠慮がないというか、結構本心を曝すね。正体は隠すけど心は通ってるみたいなのが面白い。

 

 ラッキークローバー
・裏切り者のオルフェノクを襲うのはいいんだけど、ウルフオルフェノクはリストに入っていないんだろうか?

 

 

生身でオルフェノクを退けちゃうのはちょっと無理があるんじゃないかな……いやまぁ一応オルフェノクは人間の進化体って設定だからあくまでも人間の延長線上にいるわけで、2人がかりならなんとかならなくもない、かな……とは思うけども、そうなると逆にファイズたちの強さに箔が付かなくなる。
アクセルフォームが出たけども物語的に何か進展したかといえばそんなことはなく、内容的には恋の整理と、木場と巧の自己紹介くらい。それと、そろそろ勘違いによるファイズVSホースオルフェノクの図式はどうにかならないもんかな。少なくとも僕の読解力ではこれに何かのメタファーは感じられないし、キャラが明確に破綻してない分いくらかマシだけど、やってることはエグゼイドのそれとそこまで変わらない。
っていうか巧には正体を隠す明確な理由はないんだしさ、まぁ変身解除という選択肢はないにしたって、なんで襲うのか訊くとかすれば声で分かりそうなもんだけど……。

 

次話

仮面ライダー555(ファイズ) 22,23,24,25話「雅人の告白/偽りの友情/闇への扉/闇の実験場」 感想 - やんまの目安箱

仮面ライダー龍騎 41,42話「インペラー/401号室」 感想

キャラクター

 城戸真司

・「お前なんか他にないのかよ」

これなんだよな……真司の"戦い"は。

 

 秋山蓮

・「大切なものがあるなら、どんな犠牲を払ってもそいつを守ればいい。それが人間じゃないのか」

ほう。"英雄は人間じゃない(らしくない)"というところに突っ込むか。

 

 北岡秀一

・「あいつが強いのか? 俺が弱くなったのか……?」

"北岡が弱くなる"と言うと他人のために戦っているってことになる訳だけれど……あそうか、今回は令子さんを守るために戦ってたんだ。"自分の欲望に忠実"であったが故に令子さんにアピールし続けた結果、病状が悪化していて戦うのはできるだけ避けたい(その強がりとしての「少数精鋭でやりたいから潰し合って欲しい」)はずなのに令子さんのため戦って圧される……これはもう思考停止していられなくなるのでは?

・「ある意味俺もお前みたいになりたいよ、ほんと」

中盤の蓮と同じだね。あの時は真司が向き合うと言ったから蓮は踏みとどまれたけど、北岡はどうなるんだろう。

 

 東條悟

・「先生。僕、ミラーワールドを閉じるの、嫌になっちゃって。ライダーの戦いに勝ち残るのが、真の英雄かなって。先生は僕にとって一番大事な人でした。だから犠牲になってもらわないと。僕が英雄になるために。ごめんなさい先生……ごめんなさい……」

なんで急に……? いや、ふわふわしてるのが東條だから別にキャラ崩壊みたいなことはしてないんだけども、それでも物語の中での意味くらいは持たせるのが井上さんだと思ったのに、特にはなさそう。それと、これまでずっと僕は"思考停止"という表現を使ってきたけど、"視野が狭い"もぴったりだから追加で。

 

 佐野満

・「いい車乗って、いい暮らしして……いいなぁ、憧れるよなぁ」

この直後に北岡のシーンになるのが意味深。"いい車乗って、いい暮らしして"るけど満たされないんだよな、北岡は……。

・いくら幸せになりたいからって、その為に躊躇なく人を襲えるってのはやり過ぎじゃないか? 「ビジネス」って……。

 

 

なんだかんだで北岡先生ってあんまりドラマ(変化)が描かれてないのよね。佐野が出てきたことでスポットライト当たりそうな感じだしちょっと期待。

 

次話

仮面ライダー龍騎 43,44話「英雄は戦う/ガラスの中の幸福」 感想 - やんまの目安箱

NHKの受信料問題について

NHKの受信料についての文句を、たまに見かける。これについて、あまり深く議論されていないように感じるので、普段からなんとなく思っていることを言葉に起こしてみる。

 

僕は特別詳しい訳ではないのであまりアテにしないで欲しいんだけど、「NHKを見てないという理由で受信料を払わない」ことって「ラーメン注文したけど食べずに帰るからお金払わない」みたいな話じゃないのかな? あるいは「残したから全額払わない」とか。

 

しかし、おそらく論点は"注文した覚えがない"ことだろうから、或いはお通しに近いものだと捉えられるんじゃないかな。

双方の合意が必要ない契約形態もあるのか? と考えると、もしないのであれば普通に「支払い義務はないです」で終わる話なので、あるんだろう。ここから話は飛躍します。

 


それって、社会契約説みたいだよねと思うんだ。
現在の法律や憲法に定められた義務も、前もって教えられるかといえばそんなことはない。義務教育でやればいいと思うんだけど、法学はほぼやらない。自主的に六法全書とかを読んで調べる以外に、知る方法あるのかな。
「人のものを盗ってはいけない」とかは一般的には親から教わるけども、「『人のものを盗ったら司法によって裁かれ罰が与えられる』というルールを受け入れる旨の契約を交わす」機会はない。少なくとも僕はそんな契約をした覚えはない。

民主主義に賛成してもいないし、今の政治のシステムに承諾してもいないし、税金だって払ってもいいとは言ってない。


まぁこれらは極端な話にしたって、身近なことで言えば著作権侵害とか、「知りませんでした」と言う人も多いよね。僕も翻案権とかの細かいことは近年知ったしさ。

Wikipediaなんかで軽く調べると色々書いてあるけど、「受信料をとられるなんて知らなかった」が許されるなら、滑りやすい坂的に、他のいろいろな法律違反も同じ理由で許されることになってしまい、収集が付かなくなる危険性がある。つまり「知らなかったでは済まない」という意識がなければ、「法律について調べさえしなければ何をしてもよいのだ」という意識が生まれ得る。

 


もちろん知らない契約で不愉快になることは心中察するが、こういう論法で"納得"できる人もいるかと思い、筆をとった。別にこれが正しいとは特に思ってないので、納得できなかった方はページを閉じ、他の意見を探すといい。

「拳で抵抗する21歳」に感じたこと

結構前に話題になってたよね。あの人、めちゃくちゃ言ってるように見えて結構考えさせられる話だった。
今更感すごいけど、まぁ、ふと思い出したので書いとく。

 

「ナニソレ?」って人はこれ↓解説ね。

dic.nicovideo.jp

 

経緯を想像で補完すると、「小学生(?)たちがボール遊びをしていると眼鏡の彼の方にボールが飛んでいき、投げ返してあげたところ、ドブの中とか人の家とか取りにくい場所へ行ってしまった」といったところだろうか?
動画がアップされたツイートには「この人ひどい」とあったらしいので、もしかするとわざとだったのかもしれない("手が滑った"と弁明しているが)。

 

ちなみに法律では"私刑"は認められてないはずだから、「(罰として)自転車をはたき捨てる」というのは立派に犯罪だと思います。その意思を示した時点で脅迫……ってことになるのかな? とすると、暴力を示唆するような発言をしたのも当然そうなるかな。ネットに晒し上げたりするのも駄目だろうね。
"社会的制裁"なんて言葉があるけど、あれはどうなんだろうね。彼の顔が合成されたりしてネタにされてるのを見かけるけど、ああいうのは見てて胸糞悪い。
"肖像権の侵害"って僕まだよく分かってないんだけど、撮った時点でアウト? 秘密録音がいいなら写真や動画だって良さそうなもんだけど……?

 

いい加減本題に入ろう。仮に21歳の彼が悪意を持ってボールをあさっての方向へ投げたとして、彼に補償をしたり(この件で言えばボールを取りに行く)、罰を受けたり(自転車を捨てられる)する必要は、ない。と言い切ると誤解を招きそうだけども。
まぁこの件は起こったことの規模が小さいので分かりにくいが、人を殺してしまった場合だってそうだ。


罰が設定されているのは社会において再発を防ぐ為に人が取り決めたルールであり※、特に自然の摂理とかそういうものではない。
※刑罰には絶対主義と相対主義という立場があるらしく、それで言えば僕は相対主義者ということになる。まぁこの表現は本質とは関係ないので聞き流してほしい。

 

"悪いことをした人間が罰を受ける"という状態が成立するためには、罰を与える側が強くなければならないんだなって思った。
弱者がいくら正しげなことを言ったところで、強者にはそれを捻じ伏せる力がある以上、理屈は意味をなさない。
勿論そうならない為に警察がいる訳だけど、その警察だって、犯人と揉み合いになった結果取り逃がすこととかが皆無ではないよね。

 

弱者の正義を尊重するため……ひいては誠実な人が損をしないようにするには何が必要なんだろうね?
単純に強者を超える力だと、立場が入れ替わるだけで何も変わらない。抑止力がどうのこうのってのも聞くけど、"報復"じゃ意味ないし、かと言って先に攻撃するとミイラ取りだしなぁ。
弱者を守る為だけの力……? それが完璧にできたら理想的なんだろうけど、直感的に、問答無用に壊せばいい相手に対してすべてを守りきるのはなかなか難しそう。
強者の不用意な増強を防ぐ程度の攻撃は容認する、とか……?
"自衛"とか"私刑"とか"自力救済"とか……同じようなことやってても色んな評価されるんだなぁ。

 

えらーい人達が頭使っても答え出てないんだから僕程度に分かるはずがないんだけど、まぁ、考えさせられたって話。

仮面ライダージオウ EP09「ゲンムマスター2016」 感想

キャラクター

 常磐ソウゴ
・「あの人たちって、あの王様の民ってことじゃないの?」
報道陣って民なの? としばらく考えてたけど、どうやらあの東都政府みたいな色の服着てたらファウンデーションの人ってことらしい。演出面だけど、ちょっと分かりにくかった。
・「君を俺の……王室直属の騎士団長に任命する!」
こんなこと言う人だっけ……? いや、クラスメイトには言ってたけど、自分を監視してるゲイツに、しかも今更。曲がりなりにも"2人の距離感"みたいなのができてた気がしてたんだけど、一気になんか崩れた。
・「王様を見て、勉強したい」
そういえば、信長の話してるとき何冊か本が置いてあったな。『受験しないのはいいとして、王になるために何をしてるんだ?』という問の答えはこれで、色んな王様を調べて研究してるのだろうか。そういや1話から歴史は得意だって言ってたっけ。
・「やった、家来になります」
そういうとこは意外と柔軟なのね。それはいいとして、クズヤミーに連れてかれる比奈を横目に電話するのはなんなんだ? 彼女は現状黎斗の領民だから、自分はノータッチってこと……? いやでもだとしたら「世界を全部良くしたい、みんな幸せでいて欲しい」に反するじゃん。
・「すぐこっちに戻ってきて」
結局なんのために呼び出したんだろう? 結果だけを見ると、ゲイツを倒して黎斗に認められるためだったのかな。
・「ゲイツがそう思うなら、そうなんじゃない?」
"2人の判断なら信じられる"けど力でねじ伏せるってどういうことなんだ……もしそういうつもりだったならライドウォッチをソウゴに持たせてるゲイツ達が馬鹿みたいじゃないか。

 

 明光院ゲイツ
・「見ろ。2016年……これが奴の生まれた年だ」
えぇ……これまでアナザーライダーが該当レジェンドウォッチ持ってたことなんて一度もないじゃん。それにオーズのことは知らないの? どう見てもそのウォッチとはデザインが違うと思うけど。アナザーライダー側の年号と合わせて勘違いしたとしようにも、ツクヨミは口に出してないのでゲイツには伝わっていないはず。流れが不自然過ぎない?
・ゲンムアーマーの変身音は劇中BGMのアレンジだよね。こういう楽しみはレジェンドものならではだから結構好き。BGMとして流れないのはちょっと寂しいけど、まぁジオウはジオウの世界観を確立しないといけないからね……。
・アーマーチェンジせずにジオウにやられるとナメプしてるみたいだからやめてよ。もしかするとそれぞれ特性があるだけで基本フォーム含めスペックは並列なのかもしれないけど、見た目的な話で。ゲンムウォッチでもなんでもいいから……あ、どうせ負けるから販促対象は使わないってことか。

 

 ツクヨミ
・信長を知らないらしい。オーマジオウの治める世界に教育というものはないのかな。ゲイツは特別教養があるけど、彼女は全然そうじゃないもんね。
ところでオーズの映画に確かそんなん出てきたよね。全然覚えてないけど。
ツクヨミが2016年についていくことは、ソウゴを見張ることよりもそんなに大事なことなの? もちろんそっちで何かちゃんとした役目があるなら分かるけど、ただ見てるだけで特にいる意味があったようには……。

 

 常磐順一郎
・このタイミングで鶏肉って絶対狙ってるだろ、何かを。

 

 タイムジャッカー
・「今まで王として擁立しようとした人間の、欲望が足りなかったってこと?」
これまでそんなことも考えずにやってきたのか……??? いやだからこの人たちは一体何がしたいんだ。前回あそこまで巧妙に計画立てて早瀬を陥れてた訳だから、これまでだって適当にそこらにいるやつに決めてる訳じゃなくて何かしらの基準で選んでたんだと思うけど……とはいえ、彼らの行動の前後関係は本編で流れた順とは全然違っていてもなんらおかしくはないっていうか絶対違うけど。

 

 泉比奈
・なんでここに就職したんだろ。

 

 アナザーオーズ/檀黎斗
・「おう、そうだ」
こ……こんな寒いダジャレを言う人だっけ? いや、たしかに寒い人ではあったけど、なんかちょっとベクトルが違う。歴史改変の結果とするなら別にどうなってもいいんだけど、どうなってもいいなら"檀黎斗"である必要が全くなくなる。
・「素晴らしい力だ」
与えられた力で満足することに若干の違和感を覚えたけども、ビリオンはどう見てもマキシマムを参考にしてるしムテキも永夢の発案だったと明かされたし、元から割とそういう奴だったかもしれない。
・「我が妃にしてやる」
これも言わないような気がする……うまく表現できないけど、王になった黎斗じゃなくて黎斗になった王って感じ。それに、求婚を断られたくらいで躊躇なく比奈を殺そうとするのもおかしい。本編では少なくとも「データまで削除した訳じゃないからいい」という自分のルールに則って動いていたはず。……はず。
・結局前回持ってたのはただのゲームカセットだったのかね。

 

 

魔王とか鳥とか、信長とか欲望とか、そういう言葉遊び的な絡め方は結構好きなんだけど、肝心のドラマとしてはやっぱイマイチよく分からない。

 


補完計画9.5話「王と神とオトナ」

電王って結局電車の王なの? 劇中で王要素っぽいものは見当たらなかったと思うんだけど……まぁまた見るときちょっと気にしてみるか。オーズは800年前に本物の王がいたけど。
ソウゴがカミカミだったのは台本に書いてあったのかね。ウォズも笑っちゃってたから本当っぽかったけど、後の回収の仕方がうますぎて、岩永さんのアドリブだとしたら素直にすげぇなって。「18年早い」の元ネタはディケイドのキャッチコピー?
今回は本編よりこっちの方が面白かったな。

 

追記

'19/3/28
・冒頭にてウォズが「(ソウゴが)ウィザードの力を奪った」って言ってるんだけど、これソウゴがゲイツを自己同一化していることを意味しているのか? 「2人の判断なら信じられる」というのも、"他人の正しさ"を認めたのではなく、あくまで自分の一部としての正しさ?
・アナザーオーズが倒された時の黎斗の様子……タイムジャッカーに時を止められている人、あとタイムラグで力が消えかけている戦兎たちと同じようなエフェクトなんだけど、後者はともかく前者はどういうことなんだろうね。前者も完全に止まってるわけじゃない(思考はできる)から、そういう"グレーゾーン"の表現なのかな。
・「騎士団長に任命する」のくだりがソウゴと黎斗で共通してるんだけど、これはどういう意図があるんだろう? 任命されたゲイツは断って、ソウゴは(一時的に)受け入れてるっていうのが違いではあるけど……。

 

ジオウ感想一覧

前話

仮面ライダージオウ EP08「ビューティ&ビースト2012」 感想

次話

仮面ライダージオウ EP10「タカとトラとバッタ2010」 感想

過去作

オーズ感想一覧

エグゼイド感想一覧

仮面ライダーアギト 37,38話「暗闇の戦士/その正体…」 感想

キャラクター

 津上翔一
・「なんていうか、世の中色々あるけど野菜は育つっていうか」「俺思うんだよね。ここの野菜が育ってるうちは世の中捨てたもんじゃないって」
なるほど、それで迷ったら菜園に来るのね。

 

 氷川誠
・北條共々アナザーアギトをアギトと見間違う。ギルスは識別できたのにアナザーアギトは駄目なのか……フォームのひとつと捉えることもできないこともない気がしなくもないけれど……。
・木野さんを"高潔で純粋な人間"だと盲信。確かにこれまでアギトに散々助けられてきた訳だから、気持ちは分かるけど、顔が怖いでしょ顔が!
・一発殴られてこれまでのアギトとは違うと気付く。やっぱり単純だなぁ(苦笑)

 

 小沢澄子
・「胡散臭いわね。大体"純粋な人間"なんて言葉の矛盾よ。人間は不純だからこそ人間といえるのよ。もし誰かが純粋に見えるなら、その人物は自分影の部分を隠している可能性が高い。私が出会った人間の中でもまずまず純粋と言えるのは、あなたと津上翔一、2人だけだわ」
それでも"まずまず"なところが本気っぽいよね。ちなみに、確かに2人とも木野さんをいい人だと勘違いしていたので純粋で、それでいて騙されやすい(笑)
・「そう……良かった、あなたがアギトで」
この一言にすべて集約されてるね。これまでG3を助けてくれたこととか、人々を守ってくれたこととか、対価を求めなかったこと、或いは一人の人間として氷川さんと関わっていたことも全部ひっくるめて。本当に、木野さんが現れてからは心底感じさせられるね。

 


提示された謎

2.翔一の記憶
11.翔一が持っていた手紙
12.子供
15.あかつき号事件
16.風谷伸幸殺害事件
17.アギトマーク
19.ノアの方舟
21.「こっちに来て」という音声

 


シャイニングフォームになっちゃったよ。せっかくバーニングのちょっと荒々しい戦い方にわくわくしてたところだったのに。もう少し楽しませてくれてもいいじゃんか。
木野さんの話はもう少しかな。

 

次話

仮面ライダーアギト 39,40話「ギルス咆哮/共同戦線!」 感想 - やんまの目安箱

仮面ライダーTHE FIRST 感想

前に見たときもそうだったんだけど、この作品はいつ見ても好きだなぁ、僕。

 

何より、アクションが抜群にかっこいいね。クウガ以降の作品を順に見てきたけれど、戦闘シーンだけなら今のところ僕はこれが一番好き。びゅんびゅんと派手に飛び回ったりふっとんだりと、見てて楽しい。
ライダーキックとかも、龍騎ファイズみたいに不思議なパワーで向かってくるのも好きだけど、ちゃんと壁を蹴ってたりしたのがいい。クウガやアギトなんかは比較的リアル寄りなキックだけど、そのせいで面白味がないというかちょっと地味な印象なんだよね。まぁあちらはあちらで1年に渡って繰り返したり前後のポーズが特徴的だったりと色々強みがあるんだけどさ。


シチュエーションも最高だよね。雪を見て本郷が正気を取り戻すシーンとかさ。「水は周りを映す」ってテーマともきちんと合致してるし、映像としての美しさと話としての美しさのバランスがいい感じ。
一文字の「知らなかったぜ……俺ってマジでいい奴だったんだな」ってセリフも本当に好き。
まぁ、あそこまで来て引き返すのかよとは思ったけども。一旦引いて立て直すってことなのかね。
晴彦と美代子のエピソードも弱々しくて良かった。何気に時間がズレてたりして、それが分かったときは「君の名は。」をちょっと思い出した。あっちは大々的なしかけって感じだったけど、こういうちょっとしたスパイスみたいなのもいいね。ところで違う時間の話を並行して描くっていうのは井上さん的にブームだったんだろうか。劇場版響鬼もそうだし、数年後にメインでやったキバもそうだし。

 

テレビシリーズは1年もやるから、単純な派手さとか綺麗さだけじゃ飽きてきちゃうんだよね。だからストーリーがあるんだろうし。でも映画1本くらいなら求めるものが違うからか、そうでもないみたい。
他のライダー映画が僕的に満足度低いのは、"映画"じゃなくてあくまで"劇場版"な認識だからなのかね。映画って媒体でやるけど基本はテレビシリーズの延長っていうかさ。一番理想的なのは、見なくてもいいけど見たら本編も更に楽しくなるサイドストーリー。G4はそんな感じだったから好きだった。

 

1つ文句があるとすれば、画面が暗いので誰が誰か分からなくなる時がある。特にヒロインは髪型が変わったのもあって2人いるのかと一瞬思った。

 


いつもとちょっと感じが違うかもしれないけど、というか書いてる方の気持ちとしてはいつもとは違うんだけど、こういう僕もいる。かっこいいなぁとか綺麗だなぁとか、いつもはわざわざ言葉にしてまとめるまでもないって思うだけで、テレビシリーズの平成ライダーも、あまり書かないだけでこうして楽しんでるんだよね。僕の嫌いな表現をするなら、"純粋に"ってやつ。
新しいフォームが出たらわくわくするし、挿入歌をバックに戦ってれば燃える。
映画の記事は割と軽めになりがちだけど、今回もなかなか中身がないね。まぁいいでしょ、こういうのがあっても。

 

大自然がつかわした戦士『漫画 仮面ライダー』 感想

劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼 感想

とんでもないね。すごい。驚くほど中身がない。剣(ブレイド)の『MISSING ACE』も大概だったけど、何て言うんだろうね、ここまで来ると逆に清々しいというか、興味が湧くっていうか、ちょっと研究してみたくなったりとかしてね。僕の言う中身っていうのは、まぁばっさりと割り切って表現するなら「テーマ」なんだけれども、例えばキャラクターの悩みを解決するだとか、何らかの事件を経て考えが変わるだとか、そういうものが何も見当たらなくて、むしろクウガにも近いような、そんなような感じすらあった。クウガには「暴力の否定」って言う描きたいことがあって、その周辺に関してはまぁ一応「テーマ」を持ったドラマがあるんだけどさ、グロンギ事件を警察組織が追うパートってのがあるじゃない? その辺りの描写は、リアルさを求めるにあたっては必要なのかもしれないけれど、ストーリーの進行とは一切関係ないんだよね。でもやたらと尺をとって、会議したり報告したりっていう様子を写す。他の作品にも一応そういう無駄だけど必要なシーンってあることはあって、具体的には「モブの怪人が人間を襲うシーン」。あれはあってもなくても主人公側のやることって変わらなくて、ただ駆けつけた時にちょっと人を襲うようなモーションしてれば済むことなんだけれども、何故かドラマの合間にちょいちょい挟まれるんだよね。たまにホラーテイストな(そして設定を逸脱した)演出がされることもある。他に記憶に新しいところだと、ジオウでタイムジャッカーがアナザーライダーを生み出す場面が挙げられるかな。あれってあんまり素っ気ないと浮いちゃうからやたらとべらべら喋ってるんだろうけど、必要最低限にしようと思ったらパッと出てきて黙ってウォッチ埋め込んじゃえばいいのよ。設定的に何かあるのかもしれないけど、まぁジオウに限らず主に敵の幹部とかが基地とかでくっちゃべってる描写はだいたい無駄……というか、本筋のドラマとは関係のないことが多い。こういうのって「段取り」とか「リズム」として必要なものではあるんだけど、見ていて面白いかと言えば、僕は正直面白くないんだ。この映画はほとんどがそれで、状況説明の描写と、殺陣だけ。一番笑ったのは「俺は女房と約束したんだ。もう戦わねぇ」って言うハバタキに、奥さんが「戦ってきな」って言うところ。じゃあそもそもそんな約束なかったことにしちゃえばいいのに、そのやり取りが入るだけであたかもドラマがあったかのような気分にさせられてしまう。真面目に考えはじめると、「なぜハバタキは鬼として戦おうと思ったのか」「奥さんは何故ハバタキに戦って欲しくないのか」「ハバタキは何故それを受け入れたのか」……などという過程があって初めて意味をなすと思うんだけれど、本当に最小限のセリフしかない。新規のキャラクターが多いので仕方ないと言ってしまえばそれまでなんだけれども、物足りない。というか、そんなことが言いたい訳では本当はなくて、というか言ってもしょうがなくて、映像作品を成立させる最小限の要素というか、攻殻機動隊の「ゴースト」って概念があるじゃない、それに近いような、引き算で本質を捉えようとするような考え方が適用されてるのかなって少し思ったんだよね。中身がなくても違和感なく見せて、いや魅せてしまうような、リズムというかテンポというか、そういうものがあるんじゃないのかなって。今作ではラストにて、過去編がピンチに差し掛かったところで現代編に戻って敵を倒し、シームレスに過去編でも全てが片付いた体で話が進んでいくという描写がなされている。2つの話が並行しているんじゃなくてあくまで1つの作品として構成されている感じで、普通に考えると違和感があるんだけども、そこを塗りつぶすのが、さっき挙げたような「緩急」だと思うんだよね。白倉さんが言っていた「映像ドラッグ」ってものにも近い気はするんだけど、まだうまく表現できないな。僕が楽しみにしているような「テーマ」っていうのも、引き算していって残る本質が何なのかと考えだすと、イマイチ分からなかったりする。教訓なのか流れなのか……バラバラだった要素がひとつに繋がる快感は好きだけれど、それがイコールで「テーマ」か言うと微妙なところ。そんなことを考えながら勢いと成り行きに任せ、僕に気持ちの良いリズムで書き殴ったこの記事も、中身なんてない単なる言葉遊びでしかない。「うわ参ったな書くことねぇ……」と思っていても案外いけてしまうもので、むしろ伝えたいことがないことで適切な表現かなどと悩まなくて済み、普段の記事よりもすらすらと詰まらずに書けた気すらする。一息、という表現がもっともしっくりくるかな。たまにはこんな変わり種があってもいいだろう。目がチカチカするでしょうけど、どうせ中身ないので読まなくていいよ。って最後に書いても仕方ないか。

 

本編

鬼はそと、福はうち『仮面ライダー響鬼』 本編感想 - やんまの目安箱

鬼はそと、福はうち『仮面ライダー響鬼』 本編感想

満足度は10点満点で5かな。
いわゆる前半と後半、どちらがより好きかと考えると前半だけども、より嫌いなのも前半なんだよね。対して後半は理屈で考えると色々言うことはあるけど、感情はそんなに動かなかった。"やることやって畳んだな"って感じ。
そう思うと、良くも悪くも後半は"響鬼"ではなくなっていたのかな、なんて思ったりもする。


 意外とエンタメ

前半の良さはひとえにこれだよね。1話の「おはよう」ミュージカルはやりすぎにしても、BGMとか効果音に乗せてテンポ良く流れる映像は見ていて気持ちが良かった。文字のカットを差し込む演出も、後のアニメ物語シリーズを彷彿としたりなんかしてね。シリーズ前作の『剣(ブレイド)』や高寺Pの前作『クウガ』がそういうところかなりアレで、見てて退屈な気分になることが非常に多かったんだけども、今作はかなり気を使われていて、ぼーっと流してるだけでも割と楽しめるんじゃないかな。週に1話とかだとまた違うだろうけど、一気に見る分にはかなり良かった。TTFCはほっとけば次のエピソード再生されるしさ。1作見るのに1週間かからなかったの、この見返しで初めてだもん。中〜終盤は少し鳴りを潜めたけれども、井上さんのスラップスティックっていうの? ちょっとオーバーなギャグなんかも音楽に乗せて見せられるだけでだいぶ見心地が違ったし、なかなか懐が深いなぁなんて。


あと、これは僕個人の基準なんだけれども、何気に「鍛えてますから」が平成ライダーで始めての決め台詞だと思うんだよね。
それっぽいのは五代くんの「大丈夫!」と真司の「っしゃあ!」だけど、どちらもセリフとして主張が少ないっていうか、日常に埋もれちゃう(よく言えば馴染む)んだよね。
ついでに「爆裂強打の型!」とかって技の名前を叫ぶのは、正真正銘初めてかな。
そんな感じで、見得切りというかさ、これもテンポの一部ではあるんだけど、とにかく見ていて気持ちいいんだよね。「待ってました」ってなるというかさ。


クウガのときのリアル路線は僕には良さが伝わってこなくて独りよがりだなんて言ったけども、響鬼の雰囲気は意外と娯楽娯楽してて良かった。
ひとつ明確に惜しいのは、確かに大太鼓の迫力は人生で何度か経験したことがあるからすごいのは知ってるんだけど、テレビ(僕は配信だけど)で伝わる種類のものではなかなか無いと思うんだよな。序盤はそれでもなんとか映像で表現しようと頑張ってたけど、結局"音"でこっちに来ないからちょっとズレてるよね。だから、劇場版の冒頭でドンドコやってるのを見たときは「そうだよねこういうことだよね」って、劇場にいるわけでもないけど思った。テレビ映えを考えると、やっぱギター組が一番強かったかな。

前後半で戦闘シーンの見心地だけはとても変わったように感じたんだけど、なんだったんだろう。後半は引いた画が多かったのかなぁ? なんかこう、響鬼さんの一撃一撃が軽いように感じた。頼り甲斐が減ったというかさ。普段のシーンで性格が軽くなってたからってのもあるだろうけど。

 

 ほのぼの/お花畑

ここからは話について。たちばなを中心とした今作のメインキャラクターが織り成す世界は、よく言えば見ていて安心できるほのぼのとしたものだ。でも、それというのは何かを切り捨てた上に成り立っている。画面に映されるあのフィールドというのは周囲から隔絶されていて、例えば万引き犯のような"外"のものを"悪"として、平和な家の中で「怖いね」なんて言っているような、そんな気持ち悪さがある。日常系ギャグ作品ならともかく、善悪を語るヒーローものでやると、それは顕著だ。
明日夢は寝坊をして友達との約束を反故にし、謝罪の連絡ひとつ入れずにふらっと立ち寄った本屋で万引きを見たのだ。数話前のエピソードでは見知らぬ勢地郎をストーキングしていたり、数話後ではせっかく母親が作ってくれた食事を何度も無駄にする。
程度の差こそあれ、明日夢だって他を傷つけ得る行動はたくさんしていて、ただ"たまたま周りが優しかったから許してもらえた"だけなのに、何故か万引き犯ばかりが"悪"として描かれる。何故かと言えば、それはひとえに万引き犯が"外"にいるからだ。メタな話をするならモブだからなんだけども、僕は見ていて非常に不愉快になった。万引きをした彼らだって、画面の外で何か同情の余地ある理由があったかもしれないのに。洋館の男女なんかも、高寺さん的には人の不幸を楽しむ悪意の塊みたいな奴ららしいんだけど、それだって「人の不幸にしか楽しみを見いだせない」と書くとちょっと倒すのが忍びなくなってこない?
潔癖というか、善悪を内外のラインで分離してしまっていて、分かりやすくはあるんだけど、やはり多くのものを犠牲にしている。そういったところを意識しない(取り扱わない)というのは、"脳内お花畑"と言われるそれに近い。平成ライダーで喩えるなら、蓮の抱えてるものも知らずに戦いをやめろと押し付ける序盤の真司みたいなもの。


まぁ、これは僕の最近の「悪い人は弱い人」という考え方が強く影響しているだけなんだけれども、そういう巡り合わせも含めて作品みたいなところあるよね。詳しくはこちら↓

86ma.hatenablog.com

 

 波紋

最初はなんで楽器で戦うことになったのかなぁなんて不思議に思っていたけれど、考えてみれば当たり前のことで、人と人との関わり、"影響"を描くからだったんだなと。単に異色なだけじゃなかったんだね。
人それぞれの響きがあって、それらがぶつかったり合わさったりして色んな音を奏でると。そう考えるとミュージカルってのも方向としてあながち間違いじゃなかったのかもね。


で、作品としては前半の響きに後半の響きが合わさってくるわけだけれど、これがなかなか噛み合わない。
後半ではさっき言ったような幻想的な平和空間に、明日夢と鏡写しな桐谷京介や鬼の暗黒面であるシュキさんをぶちこんでみたり、たちばな内でちょっとした喧嘩(トドロキと日菜佳)を起こしてみたりと色んな刺激を与えるんだけど、これはこれで如何せんくどく、前半が恋しくなってくる。

感覚として、前半は「現実から逃げて小規模な理想世界をつくりあげる」感じで、後半は「現実と真っ向勝負して理想に届かない」みたいなイメージ。

僕としては、クウガの時みたいに井上さんテイストを合間合間に挟んでいく感じだったらもう少し全体のバランスが取れて良くなったんじゃないかとも思ってるんだけど、どうだろうね。

 

 『響鬼』の敵

最終的に洋館の男女(和装)はラスボスとして倒されることはなく、彼らもまた洋装の男女の被害者とも言える存在だったと描かれる。僕はこれが結構好きで、さっきも言ったように悪いことするやつも別のところでは何かの被害者だったりすると思うのよ。だから彼らを倒せばすべて解決なんてことにはなり得ない。その証拠に、古代からずっと鬼の文化が続くように魔化魍も出続けている。
そんな中でラスボスとして位置づけられたオロチは、それまで男女による謀(はかりごと)の一環として使われていた魔化魍が、意味もなくポンポンと生まれてきてしまう自然現象。僕としては、これは「手段の目的化」のメタファーに見えた。終盤では京介などを通じて「"鬼であること"にこだわる必要はない」ということが再三にわたって描かれていたし、それとリンクするんだよね。うまいなぁと。

もっと踏み込むなら、人助けをすることが何かの手段でないとも言い切れないし、その目的がまた手段でないとも言い切れない。そういう無限に続く構造であることまで含めると、だから"オロチ"なのかなと思ったり思わなかったり。


また、少しメタで意地の悪い話をすると、物語における"設定"もあくまで手段のひとつ。例えばテーマを描くことだったり、視聴者を楽しませることだったりが重要なのであって、「設定に矛盾がないけどつまらない」みたいなのは本末転倒なんだよね。もちろん、設定の無矛盾を目的に据えるのは作者の勝手だけどさ。なんというか、後半で音撃の設定を何度か無視したのはむしろわざとで、そういう意味だったのかなぁなんて。いや本当に意識してやってたんだとしたら意地悪すぎるから、あくまで性格のわるーい僕による邪推ですけどね。

同時に、京介を通して「結果が全てじゃない」というのも描かれていたと思うので、目的に向かって頑張った過程は無駄にはならない。"回り道も役に立つ"かもしれないよね。クウガのリアルさは、僕にはハマらなかったけど世間では話題になってる訳だしさ。

 

そんな訳で、響鬼のまとめでした。

 

アンチと呼ばれる自分の心理 - やんまの目安箱

 

各話感想

仮面ライダー響鬼 一,二,三,四之巻「響く鬼/吠える蜘蛛/落ちる声/駆ける勢地郎」 感想 - やんまの目安箱

劇場版

劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼 感想 - やんまの目安箱

前作

運命のマッチポンプ『仮面ライダー剣(ブレイド)』 本編感想 - やんまの目安箱

次作

現代の童話『仮面ライダーカブト』 本編感想 - やんまの目安箱

 

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