やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダー龍騎 43,44話「英雄は戦う/ガラスの中の幸福」 感想

キャラクター

 秋山蓮

・金に心が揺らいでたのは……なんか自分の中ではピンとこなかったんだけど、真司に借金借金言ってたことからの発展だろうか? 恵里が金で助かるとは思えないし……。

 

 北岡秀一

・予告でへこへこしてたから心配してたんだけど、ちゃんと北岡らしくて良かった。女の子のお母さんの手術代を支払ったこともあったし、北岡は金そのものに執着するタイプではないはず。まず自分で稼げてるしね。

 

 東條悟

・浅倉「どうした、その程度か? 英雄だろ、お前」「所詮奴は小物だ」

最低のライダーとか言ってた浅倉に言いたい放題言われ、肉体的にも王蛇に完全敗北し、佐野に拾われる……。

・「そうすれば(英雄になれば)、みんなが好きになってくれるかもしれない」「ごめん。君は大事な人だから、君を倒せば、僕はもっと強くなれるかもしれない」

彼は、カフカ『変身』を読んでたのね。割と気に入ってるキャラなので、わざわざ劇中で提示されてる訳だし深く知るためには読むしかないと思って読んでみた。大筋としては"家族を切り捨てて幸せになる話"なのね。これまでは東條が変身を読んでいることこそ知っていたけど、彼にとっての愛読書とか人生のバイブル的なものなのか、それともただ"それっぽいから読んでる"に過ぎないものなのか分からなかった。読んでみて思ったけど、前者だよねこれ。「英雄になるためには大切なものを犠牲にしなければいけない」という思考の根底にあるのはおそらく、この「変身」における家族(≒大切なもの)との別離なんだろうなと。ザムザ一家は家族に対する執着心を捨てられないことでずっと苦しんでいた訳で、これを読んで東條がこうなったのならば非常に得心がいく。香川に対し家族を捨てることを薦めたのも、家族同然とも言うべき香川や佐野を手にかけたのも、その根底には変化への渇望がある。停滞や安定を悪とし、常に現状を否定し変身を求める。初登場の回かな、感想で依存するとか安心するみたいなことを書いたけど、あれは少し違ったみたい。アギトでは変化を肯定的に描いていたけど、そのネガ部分を凝縮したようなキャラクターにも見えた。

 

 佐野満

・「まぁ、うまくやってよ。任せるから」「なんでこうなるんだよ……俺は、俺は……幸せになりたかっただけなのに……」

彼はあれだね、"思考停止"というよりは思考の"放棄"と言ったほうが近いかもしれない。他のライダーは視野が狭いものの何かを見据えているけれど、佐野の場合はそういう訳じゃない。思考"停止"ってことは、元々は動いてた場合を指すのよ。蓮や北岡、あとギリギリ浅倉もかな、こいつらは「自分の目的を達成するために何が必要か」を考えた末に出した答え(戦い)を変更できないだけであって、佐野の場合はそもそも戦いを選ぶに当たってかなり気持ちが軽い(考えてない)。

そう考えてみると序盤で死んだシザースとガイもこのカテゴリに入るのかな。そもそも「ライダーにならなきゃ叶わない願い」じゃないってパターン。つーかこれじゃ、最初期に蓮が言ってた「その馬鹿なことにしか賭けられないやつだけがライダーになる」ってセリフが浮いちゃうんだけどね……(苦笑) そこまで切羽詰まってるのは蓮と北岡、浅倉は特殊だけど一応含めるとしても、あとは美穂くらいしかいないから\frac{4}{13}か。

 

 

設定

・「一度ライダーになった者は、最後までライダーであり続ける、それが掟だ」

この設定は神埼にどういう得があるんだろね。ずっと「バトルを邪魔されたくないなら真司からはもうデッキとっちゃえばいいじゃん」って思ってたんだけど。

 

 

井上脚本龍騎で一番面白かったんじゃないかな。他は微妙なのが多かったけど、このあたりの話は主テーマにも沿ってるし、かなり良かった。

 

次話

仮面ライダー龍騎 45,46話「20歳の誕生日/タイガは英雄」 感想 - やんまの目安箱