やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーゴースト 第6話「運命!再起のメロディ!」 感想

科学の話もするけど

・不知火をかけてもなお、結局見えるかどうかは気持ち次第らしい。そういうこともあるんだとしたら、ゴーストが見えるはずのタケルから見ても仙人が消える不思議は解消されるけど、しかしなまじ「光の屈折やら何やらで見えないなら、見える粉をかければいい」が理屈として分かりやすい分、これが通用しないとなるとなかなか込み入った話になってくるな。まぁそもそも本当に見えないだけなら、すり抜けることも声が聞こえないこともないはずなんだけど。

ゴーストの設定は実は科学的なエッセンスが入ってて、作中における幽霊は、量子力学的な曖昧さをイメージしたものだと思うって話は何度かしてるけど、僕は別に科学についてのきちんとした知識がある訳じゃあないので、厳密には間違ったことを言っているかもしれない。というのは弁えつつ、一応単なるアナロジーというか、あくまで手段のひとつとして使ってるつもりだということは知っといてください。
シュレディンガーの猫とかが顕著だけど、理論そのものの正しさとかは僕にとってはあまり重要じゃなくて、例えば天動説から地動説というコペルニクス的転回を聞いて「常識が正しいとは限らないんだな」って思ったり、動物も電気で動いてると聞いて「生体と機械にそれほど大きな隔たりはないんだな」と思ったり、そういう「聞いた側が勝手に見出す"学び"や"面白さ"」の方に重心を置いている。

分かりやすく語弊の強めな例を出すと「ゲーデル不完全性定理! 数学体系も不完全なものだと証明されている!」というのはかなり間違った用法なんだけれども、過程が間違っててもそこから「絶対的な正しさというのは存在しないのかも。色んな見方をしてみるべき」という学びを得たのなら、その誤解にも一種の価値があると思う。
ゴーストの例で言うなら「ある/ないなどの二元論的な見方にとらわれないこと」「自分の目で確かめること」みたいなテーマの話をするために量子力学の話を利用させてもらっているだけで、あくまでエッセンスに過ぎない。

・こないだゴーストの声が聞こえない理屈が分からないって話をしたけど、ノイズキャンセリングのように反対の音で打ち消してるんだろうか。もっとも、音源も耳も無数にある中で全員に無音だと感じさせるのはめちゃくちゃ難しそうだけども。
しかし変身バンクといいこの無音演出といい、セイバーでも同じネタやってたよね。なんか深い意味でもあるんだろうか。
理屈はさておきテーマ的には『キバ』の言うように「人間はみんな音楽を奏でて」いて、それを消す眼魔は他の生を否定してるってところだろうか。

 

ちょっと待った待った待った!

・前回さぁ僕タケル殿のこと成長したって解釈したじゃん? スーパー台無しだよどうしてくれんの。だって、アカリと御成を人質に取られてるにも関わらず眼魂を諦めて渡すこともできない……って悩んだのが前回でしょ、それがどうして今回は誰が人質になってる訳でもないのに眼魂もアカリも置いてすたこら逃げるなんてことになるのさ。"その程度のもの"のために、アカリと御成を見捨てるかどうか悩んでた訳? 結局どっちも大事じゃないのかよ!

……うーん、前回がスペクターの乱入で終わってるなら「人質取られてるのに眼魂渡さなかった自分の行動を反省して、生き返ることなんて諦めようか迷ってる」とも取れるが、あの後オメガドライブで眼魂取り返して男の意地みたいなものを見せてたからなんか微妙なんだよな。確かに口では「また負けた……」とは確かに言ってたとはいえ。
販促の都合で主人公を一方的に負けさせるわけにもいかず、仕方な〜く一矢報いるかたちにせざるを得なかったのかな。あのくだりを完全無視していいなら、今回の話はまだ理解できる。

・マコトがアランに眼魂を貸してたのは、アラン自身は別に必要としてないのを分かった上で、取引材料として西園寺の手に渡る分には簡単に奪えるから、仮面ライダーのタケルが持ってるより都合がいいって感じなのかな。アランにも貸しを作れるし。

 

いないからこそ

・さっきは敢えて触れなかったけど、タケルはアカリが、前回あんな目に遭ったにも関わらず眼魂を守るためにスペクターの前に飛び出したのを見ていたのよね。それに加えて軒下や屋上でのアカリの言葉は、いないかもと思ってたからこそ素直に言えたんだろうし、タケルの方も面と向かってじゃないからこそ本心なんだと素直に信じられるというのは、すごく説得力あった。
ゲスト兄妹の話はガラにもなくちょっと泣きそうになったけど、なんか「このお兄ちゃんに投影して感動してるんだとしたら馬鹿だな自分」と思って普通に悲しかったのもある。「生きててくれるだけでい」なんて、言ってくれる人がいたらいいよね。まぁこれは文脈としては「歴史に名前なんか残すまで頑張らなくても」って話なので「(働かなくても)生きてるだけでいい」とは誰も一言も言ってないわけだが。

・せっかくの初登場回なのに、トドメをムサシに取られてしまうベートーベン魂さん……。そもそも眼魂の売り方からしてノブナガと抱き合わせだし、不遇になるのはもはやバンダイ公認なのか。
確かにアカリが守ったムサシ眼魂をパスされてゴーストチェンジする流れはいいと思うけど、せっかくならベートーベンのオメガドライブも見てみたかったな。サングラスラッシャーみたいな眼魂を装填できる武器があれば、ベートーベン魂のままアカリの思いも一緒に乗せてトドメさせたんだろうけど。
活躍に加えて、タケルの「これが最高の音楽だ、分かる?」ってセリフが浮いてるし偉そうだしなんか好きになれなかったのよね。ただ話の展開も踏まえて考えるなら、タケルが自分の奏でている音楽、つまり命を素晴らしいと思えて、それが例え他の音楽(音譜眼魔)にとってノイズになるとしても、自分が生きることも諦めないという決意の表れ……ってことになるのかな?
あ、ちゃんとお礼言った。

 

ゴースト感想一覧

前話

仮面ライダーゴースト 第5話「衝撃!謎の仮面ライダー!」 感想

次話

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