やんまの目安箱

やんまの目安箱

ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーゴースト 第17,18話「絢爛!幻の女王!/逆転!神秘な科学!」 感想

 

第17話「絢爛!幻の女王!」

・眼魔世界に争いはない……ね。確かにみんな寝てるんだからそりゃ争いようがないけど、その不戦に意味はあるのか?
体に意味はないって言ってたけど、その代わりに思いを大切にするでもなく、眼魔世界は結局何も守れてないのではないか。

・ジャックザリッパー的な通り魔……なんだかジオウ ゴースト編のディケイドっぽいね。

ニュートンと違って、ヒミコが一体何を考えて予知した未来を教えてくれてるのかがよく分からないんだけども、彼女はあくまで見えたものを口にするだけなのかね。自分にしか知り得ないことだから自分が教えてあげるけど、それを聞いてどうするかは知ったことじゃないというか。
あと電王の文脈があるので流してたけど、カラコンつけることで"憑依"を表すのはとてもゴーストらしいな。

ニュートンがブランコに乗ってるシーン、眼魂の癖にきちんと体重移動してる様をわざわざCGで描いてて笑った。物理学者ニュートンのシーンで運動の描写を適当にする訳にもいかないということなのか知らないけど、そもそもがあのサイズじゃ体重移動したところでブランコ動かなそうだけどな……。どのタイミングでどうやって力を加えれば最も良い効率でブランコの揺れを大きくできるかを知り尽くしてるからなせる技なのかね。

・御成とアカリがニュートンを追って、こっちにタケルが来てたら助けられたかもしれないのに。確かに予知したのはタケルがいなくなってからなので展開として違和感はないけど、みすみす目の前で被害が出てしまうというのはなんとも言い難い。

・突然人の力を信じるかと問われて、即答するタケル殿。普通に流れが意味分からんといえば意味分からんのだけど、「なんで?」と問い返すこともせずに答えられるほど、彼にとってはごく当たり前の感覚なんだという描き方なのだろうか。


英雄の年代

・先入観でそう見えるだけかもしれないけど、弥生時代の人間だけあってそのカッコ似合ってるな仙人。
15英雄は近代……とまでは言わずとも、ある程度は発展してからの人間が多い中で(名前を遺すという文化が必須なので当然だが)、ヒミコは西暦242年とかなり古い。4桁いってないのは彼女を除けば664年のサンゾウと、前1323年(!?)のツタンカーメンのみ。ちなみに一番新しいのは予想つくだろうけどエジソン(1931)ですね。
ゴースト最後の英雄であり紅一点、そしてガヌマの民とほぼ同じ時を生きた割と重要なヒミコが、前1323〜2016年という英雄史のちょうど真ん中あたりに位置しているのは、偶然なのかね。……尤も、ツタンカーメン自身が当時から有名な人だったなら「現代よりは当時の情報が残ってるであろう時代に生きたヒミコが、現代との架け橋になってくれた」みたいな見方ができるんだけども、一説によると無名の王だったからこそ墓が荒らされていない状態で発見されたことで有名になったということらしいので、卑弥呼の時代では彼の言い伝えなど別になかったのかもしれない。


・トラウマだからモノリスの前に行きたくないカノンと、顔見知りだから隠れる仙人……こういう細かいけど気の利いた描写は好き。

・制限があるので短期決戦で決めるネクロムかっこよいな。
ただネクロムスペクターにはそれがなさそうなところを見るに、エネルギーを食うのは素体の方なのかね。スペクターのトランジェントには目の模様がないので、虚ろに見えるゴーグルもいい。

・アラン「何をしに来た」
カノン「アラン様。お兄ちゃんがどこにいるか知りませんか?」
アラン「……いいや?」
ご、誤魔化すの下手すぎかよ! 知らないんだったらなんでお前はマコトが失踪した現場にいるんだって話よ。
アラン様は王族だし、周りに人間がいたとしてもほとんどが洗脳されたイエスマンだから、聞けば答えが返ってくる,何か一言答えればそれで納得するのが当たり前であって、自分が問い詰められるなんて状況は想定してないし慣れてもないのかもしれない。


科学的視点 イゴールとアカリ

・今回から登場、イゴール。今回の見直しで彼の言い分をきちんと聞いてみた結果、思ってたより話の分かるやつで、かなり好感度上がった。
「個人を尊重しながら自己犠牲とは、矛盾だ」というのも、「個人を尊重するなんて愚かだ」と前提から否定するのではなく、あくまでも相手の意見を一旦受け入れた上で、もうひとつの主張との間に生じる矛盾を指摘するに留めているのがいい。

今作の科学担当であるアカリはとにかくまず否定から入る人で、信じない有り得ないが口癖。五十嵐の話を聞いた大学教授が「物理現象として立論するガッツはないのか!」って言ってたときに「私もそう思います!」と同調しててホントかよ……と若干呆れた。
その点イゴールはヒミコの予知を前にして「疑問には検証が必要だ、分析してみよう」と客観的な態度を貫いた。この世に不思議なことなどなくて、ただよく知らないから不思議に見えるだけだと考えるなら、やるべきはきちんと調べることの一択。この一点だけで僕はもうやられてしまった。結構まともじゃん……。

アカリ「あるわけない! 予知だなんて非科学的よ!」
大した根拠もなく頭ごなしに否定する彼女の姿勢こそ、まさに非科学的。ただ、そうは言いながらもタケルを助けるためなら徹夜で研究できるのが彼女のいいところ。客観性に取り憑かれた結果女性の魂を集めたり、おそらく実験なり解剖なりして検証するためにヒミコを捕まえようとしたり、非人道的な手段を取ってしまうイゴールとは違う良さがある。
調べもせず「有り得ない」で済ませるのも、おそらく二人の生きる時間が決定的に違うことに起因しているのだと思われる。
眼魂システムによって悠久の時を生きられるイゴールは、あらゆる疑問に対して納得の行くまで研究する時間的な余裕があるのに対して、アカリの命は普通に80年前後。興味がなかったり個人的に論外だと感じるものにいちいち時間を割いてはいられないが故の「有り得ない」なのだろう。

 

・ギャグやっといて「笑うな」ってさ……。多分、全視聴者が「はぁ?」って思ったんじゃないかな。イゴールほどの嘲笑ではないにせよ、御成のギャグは多かれ少なかれ間違いなく"笑いものにする"タイプのものじゃん。
意図がまるで分からん。そもそも言われなくたってこっちは「せっかくの見せ場なのにギャグっぽい演出で茶化すなよ」って思ってんのよ制作側に。口と行動があってねぇぞ。ってか笑えるほど面白くもないしな、皮肉にすらなってない。
ネタバレなんて大した話でもないのでしちゃうけどビヨジェネにも似たようなシーンがあって、バイスが「俺っちかっこいいでしょ〜! でもちびっ子たち、映画館ではお静かに。ただどうしてもっていうなら拍手してもいいんだぜ? はい拍手〜!」てな感じでまくしたてるのよ。ただ少なくともうちの劇場では全くの無反応。僕は割と子供が楽しんでる分には好きにしててもらっていいと思うけど(ただ飽きちゃってうるさくしてるなら退出しないのかなとは思う)、マナー無視してまで拍手を求めたのにシカトされるってのがもう見てて恥ずかし過ぎた。本気で言ってる訳じゃないと分かってても生理的に無理だった。


性転換ライダー・ヒミコ魂

・洗脳された女性たちがタケルを倒そうと群がっているのを前にして、ヒミコが「人の心を集める力」を見出すシーンは例によって意味不明なんだけども、まぁたまたまあのタイミングでそういう未来を見たということなのかな。それが『1号』?
・ヒミコ魂。男性が変身するにも関わらず明確に女性的なデザインというのはかなりレアケースだよね。別に胸部が膨らんでたりはしないけど、モチーフが女性でピンクなんだからまぁそういう認識で間違いではないでしょう。
その逆ならそれなりに例があって、カイザやイクサのような変身者不定キャラは基本的に誰が変身しようが体型は変わらないし、あとはアークゼロワンなんかはそのまま流用じゃなくてアズ固有の形態でありながら造形はアークワンそのままなので男性的。色こそ赤いけど、あれは女の色というよりは悪意の色ってニュアンスが強いのでよし。

ブラーボなんかも、いわゆるオネエで貴虎のこと好きっぽい描き方されてたし、雑〜に括っちゃうなら"心が女性"でありながら男性ライダーに変身する。
亡は役者さんのあれこれもあって設定上は無性別だけど、変身後の亡は胸部が膨らんでいる(とも取れる)デザインになっている。
……心がなんだろうと体は女なのは事実で、しかも役者として演じる役の話なんだから、そこはわざわざ無性別じゃなくて普通に"女性型"、ライダー亡だって女性的な体型ってことでいいと僕は思うんだけどな。だって亡もとい中山咲月さんの抱えてるものは「本当は男でありたいのに体はどうしようもなく女」なことなんだろうから、そこで最初から無性別ってことにしちゃったら悩みようがない。だから僕はライダー亡が女性っぽい体型なことよりも、亡が無性別って設定の方が嫌いですね。大体ヒューマギアを作る上で無性別に設定するメリットないだろ。サウザーで語られてるのか?

話が結構逸れたけども、男だけど女になりたい!みたいな願望ってまさしくストライクな"変身願望"なんだから、今回のヒミコ魂のように「仮面ライダーに変身してる間は性転換して望んでいた体を手に入れることができる」キャラが出たら面白いのになと長らく思っている。なんかうじうじ悩んでたら見ててつまんないので、らんまぐらいの軽いノリでね。

 

第18話「逆転!神秘の科学!」

・神秘と科学……というよりは、内なるものと外なるもの
・眼魔世界に転送される ユルセンが知ってるので仙人の仕業
・海を見ていた深海マコト
陸担当のはずなのに空を見ているアラン

・「これは役立たずですぞ」と言う御成……これは心配? それとも自責?
何よりも自分が役立たずで身に沁みてるから余計な手出しはしない方がいいということなのか、それとも不安な装備で戦いを挑むのは危険だからやめておけという忠告なのか。どちらにせよ口悪すぎるだろと思ったが、アカリは柄にもなく冷静だった。

 

健全な精神は健全な肉体に宿る

・アランをはじめとする眼魔世界の人間は、フミ婆の軽く倍は生きてるからこその達観ぶりなのかね。
ただ逆に、アランは体がいつまでも若々しいから、言動にジジ臭さみたいなものは感じないのだろう。
老人にありがちな特徴っていくつかあると思うんだけども、多くの人で同じように見られる以上は"老いる"という身体的な現象が精神のあり方にまで影響しているのだと思われる。単純な例で言うと、体が思うように動かなくなってくるからアクティブじゃなくなるとか。

 

偉人とメタフィクション

・アランの言う"完璧な友"は、天道が否定した方の友に似てるな。日輪があしらわれたサンゾウ魂なのに。
サンゾウと言いつつ実質西遊記モチーフなので、グリムとは物語繋がりなのかなと思ったけども、ムサシやロビンなんかも割と実話よりフィクションの方がイメージ強いから別にそういう訳でもないのかも。
偉人モチーフってなかなか面白いと思ってて、だって紛れもなく"現実"のものじゃない。パッと見は似ているけども現実とは違う歴史を歩んでいることが多いフィクションの中で(グローバルフリーズ,ゼロデイ,デイブレイクなど)、あの世界でも電球はエジソンが発明したし万有引力ニュートンが発見したというのは、なかなか親近感を覚えるというかむしろ逆に気持ち悪さすら覚える。
車とかオレンジ/鎧武者とか宝石とかロケットとか、そういう一般名詞があれらの世界にもあってモチーフになるのは気にならないけども、偉人というのは仮にも"いち個人"な訳で、そこまで具体的で詳細な部分まで現実と合致していると言われるのはなんだか変な気分。
我々現実の人間がヒーローの姿を見て勇気を貰うことがあるように、物語の中のヒーローもまた現実の人間の力を借りて戦う……ゴーストとディケイドの類似点は既に指摘した通りだけど、その文脈で言うならこれがゴーストなりのメタ要素なのかもしれない。

 

・出ましたプロトメガウルオウダー。今考えてもかなり責めたアイテムだよな……当時から誰が欲しがるんだろうと不思議だったけど、売れたんだろうか。中古屋でも見かけたことがないし、ちゃんと流通してるのか?

・魂の純度が低いということは、御成は自分の命を投げ出すことに恐怖していなかったんだな。

・銃の仕組みはよく知らないので分からないけど、撃ち方によって殺傷能力が上下したりすることはあるんだろうか。例えば引き金は勢いよく引かなきゃ駄目とか、踏ん張りが弱いと威力が落ちるとか……水泳で蹴伸びをする際に、蹴ることで壁が動いてしまったら前に進む力が弱くなるようなイメージ。
もしそういうことが有り得るなら、撃つアカリから迷いが消えたことで出力が上がるのは必ずしも精神論やオカルトではなくなる。

 

ゴースト感想一覧

前話

仮面ライダーゴースト 第15,16話「苦悩!頑固な脱出王!/完璧!白い仮面ライダー!」感想

次話

仮面ライダーゴースト 第19,20話「爆発!絵を書く心!/炸裂!炎の友情!」 感想