やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

機動戦士ガンダム 感想メモ

最初にちゃんと最後まで見たガンダムはUCで、その次がオルフェンズ。割と本流を知らないまま派生作品だけ見てる気持ち悪さはありつつも、かといってファーストガンダム50話見るのも大変で何度も挫折してるしなぁ……ってことで、図書館にあった劇場版を見ることにしました。以下は簡単な感想メモです。

 

 Ⅰ

・近所からあんな風に毛嫌いされてたら、引きこもってヒネた機械オタクにでもなるしかないわな。しかも本人とは関係ない親父の事情だし。ハロを作ったのも寂しかったからってのがあるのかな。「基本動作はコンピュータがやってくれるのか、親父が熱中する訳だ」というセリフから、どうやら父親のテムは特にAI分野の研究をしているっぽいので、自律型おしゃべりロボのハロもその技術や理念を踏まえてつくられたのかな。
しかしアムロ・レイって改めて考えると普通に日本人の名前っぽいのに、ちょっとイントネーションいじるだけでそうじゃなく聞こえる不思議。

・民間人よりガンダムを優先させろ……と言いつつ、アムロには「避難しないのか?」と心配する様子を見せるテム。アムロが怒るのも分かるくらい、割と身勝手な言動。まぁ当の本人はこうして現場で命張って作業してる訳だし、せっかく作り上げた連邦の希望を守りたい気持ちも分かるけど。でも劇中の会話だけからは何を目的にしてるのかはイマイチ分からん。出撃させずに今はともかく格納するつもりなのか、避難民の集まってくるホワイトベースを護る役割で起動するつもりだったのか。
他の明確なパイロット候補がこの場にいないっぽいところを見るに前者にも思えるけど、その場合アムロガンダムで出撃したのには親への反発心ってのもあったのかな。親父が夢中になって完成させ大事にしまっておきたいガンダムを、敢えて戦場に出して危険に晒すというのは。彼が戦う覚悟を決めるまでの感情の流れが、何度か見てるけど僕にはあまり伝わってこないのよね。ノリが軽いっていうか。でもそういう、こんな機械に夢中になって自分を放っといたことに対する苛立ちとかがあって、ガンダムを壊してやろうとかついでに自分が死んでも父は悲しまないんだろうとか、ある種やけにも近い感情が心の何処かにあったんだとしたら、なんとなく分かるかな。……エヴァ的な見方に寄り過ぎ?

・ザクのマスク様パーツを剥がす印象的なアクション。あんまり意識することないけど、歴史的には仮面ライダーの方が古いんだよな? なら、マスクを剥がすという行為にはそれなりの意味があるかもしれない。
話は逸れるけどゴジラウルトラマン仮面ライダーのシン化の流れ、作品が生まれた順にもきちんと沿ってるんだな。特撮じゃないけど、シン・ガンダムとかやって欲しい。あぁいうリメイクものって、教養として見た方がいいんだろうけどなかなか腰が上がらない……って層にとってはかなりありがたいものなので。

・「逃がすものか!」
なんで? 一応表向きには、家族を殺されたフラウを見てもうこんな犠牲は出すまいみたいな動機があったんだろうけど、それなら深追いする理由はない。敵討ち? と考えるのが一番しっくりくるけど、正直そこまでの積極性は乗ったときのアムロからは感じられなかったんだよな。うーん。
爆発を起こさずに倒すために(特撮に慣れてる身としてはコペルニクス的発想だが)コクピットを正確に狙おうってのも、そこまできちんと考えが回ってるなら人殺しの実感も湧いてこようものではないかと思うのだけれど、とにかく反応薄いんだよな。セリフが全てじゃない、表情から読み取れと言われたらそれまでだけれど。

若さ故の過ち……有名なセリフだけど、これもなんの話をしてるのか掴み取れないぞ。そもそもシャアっていま何歳なんだと思って調べたらなんと20歳! この貫禄で僕より年下な訳あるか! 中の池田修一さんは当時29歳とまぁ"分かる"年齢。でもあれか、発展途上で寿命も短かった頃は10代で大人の仲間入りしたりするし、アムロくらいの年齢から兵役につくこともあってしかも戦争中だから人もバンバン死ぬ……と考えたら、今の世の20歳とは精神的成熟度が違って当たり前なのかもしれない。
で、結局過ちってなんのことなのか。手柄を焦って命令違反を犯すジーンに過去の自分を思い出しているのか、それとも現在進行形でジーンの暴走(そしてデニムが止められない)を予想できなかったことについてなのか……両方ってことも有り得るか。

・なんでカイは突然叩かれたんだ……? 怪我人を前にしても手を貸す様子がないから? 不良みたいな口の聞き方ってのもよく分からんし、セイラさんが言いがかりつけてるようにしか見えない。空気読むのは苦手なんだ……。

・シャアとセイラの血縁に関しては、セリフだけでなくご丁寧に服まで同じ赤色で、説明するとことしないとこの温度差が激し過ぎてミスリードなんじゃないかって気にすらなる。

・相手がザクなら人間じゃないんだ……? はてなマークしか浮かんでこないので検索したら「人間と違って的がでかいからビームライフル当てやすい」と書いてあって膝を打った。その発想はなかった!

・今回のシャアとの戦闘はかなり見応えあった。素人が操作してもシャアを驚かせるほどの機体性能を持つガンダムと、訓練を積んだパイロットが乗ってうまいこと援護が成立するコア・ファイターの対比がいい。ガンダムコクピットになる訳だからコア・ファイターの方にもAIによる操縦アシスト機能はあるのかもしれないけど、もしパイロットが逆だったら、アムロの方は使い物にならないまま撃ち落とされて終わりだったのかもしれない。
ガンダムの方にエヴァのようなパイロットを固定せざるを得ない理由がある訳ではなさそうだし、じゃあ何故素人のアムロを乗せ続けるのかというのは普通に気になるとこだけど、ガンダムの性能でカバーすれば素人でも戦えるから単純に戦力が増えるってことなのかも。ヒロアカじゃないけど、レベル1とレベル50では、1レベルアップまでに必要な経験値の量が違う。つまり、レベル50のガンダムにとっては多少経験値のあるパイロットが乗ろうが素人が乗ろうが、大して変わらずレベルは50のまま。対してコア・ファイターはレベル20くらいなので、経験値ある人が操縦すればレベル25くらいのパフォーマンスが可能……みたいな理屈なのかもしれない。『DRIFTERS』で信長が銃のことをそんな風に説明してたっけな。
あと、ガンダムのAIは現状アムロが操縦したケースばかりラーニングしてるから、乗れば乗るほど他の人が操縦する際にアムロの癖とソリが合わなくなったりするのかもしれない。エヴァにも初号機にレイが乗る為にはプログラムを書き換えないといけないみたいな話があったし、AIアシストがない普通の自動車でさえ、中古だとハンドルやブレーキなどに前の持ち主の癖みたいなものが残ってたりするらしいし。

・大気圏突入の隙を狙って攻撃という無茶をやれるのも、ジオンには失うものが少ないからって感じがするな。シャアはジオンのエースだろうとは言え、それでもまだ本部にはザクも兵士も潤沢に控えているのが伺える。対して連邦のMSはこのホワイトベースにあるガンダムだけで、これをなくせば後はない感じがする。っていうか、逆にこれまでどうやって戦争してきたんだ? 戦車とか戦艦だけで戦ってたってことなのかな。

・「モビルスーツで戦う方がよっぽど僕らしくないよ!」
うわ、衝撃のセリフ。この一言好きだな……『仮面ライダー』だけを見て本郷猛という人間について分かった気になるのはおかしな話で、本来の本郷猛は仮面ライダーではない時期の方が長いただの人間だったはず。だから仮面ライダーとして戦っているのはあくまで特殊な状況であって、彼らしさは別のところにあるはずだ……みたいな話を(全話見たわけでもない癖に)したのよね、昔。「もはやこれはガンダムじゃない」みたいな問題にも通ずる話なのでぜひ読んで欲しい。(参考:"仮面ライダー"の定義を考える/自然と自由の象徴として)

・現場を、戦場を知らないってあんた、地球にジオンの領土があるってことは戦争して奪われたってことなんじゃないの? 地球は敵にとっては最終目標であって、むしろ最前線なのでは。コロニーが落とされたってのも地球の話だよね。

・「できるな」「分かるもんか」
これ、さっきアムロもブライトか誰かに対して同じように毒づいてたよね。ブライトとアムロって、実は似たもの同士なのかもしれない。こちらも若いのかと思ったらなんと36歳! シャアとどっこいぐらいかと思ってたけど、案外年下にいいようにされてるって感じなんだな……。

アムロは大気圏突入してから急にやる気なくしちゃったな。これが地球の重力ってやつなのか……コロニーやホワイトベースにも重力があるけど、もしかすると実際ちょっと気だるくなるぐらいの差はあるのかもしれない。

・「できればやっている」というこのセリフは、一瞬ガンダムパイロットを選ぶのかと思ったけども、単にその間ホワイトベースを放ってはおけないからってことなのかな。ここでも割と自由に出撃するジオン側との違いが見える。ガルマやシャアが背負ってるものは、ブライト(が自分で思ってるもの)ほど重くないらしい。連邦は本当に、量産して数で勝負というよりは、ガンダムホワイトベースにすべてをかけてるんだな。量産が追いついてないだけで、本当は強いのがたくさんいればいいんだろうけど。
アムロが返した言葉が「できるからやってる訳じゃない(つまり自分だってできない)」なことが、パイロットに何か資格が必要でアムロだけがそれを満たしてるって訳じゃないことを物語っている。ひょっとすると皮肉かもしれないけど。

・そして有名な「ぶったな」のシーンだけども、ブライトさんアムロが喋ってからノータイムで殴るから、こっちの感情がイマイチ付いていかないんだよな。劇場版だからカットされてるのかもだけど。
一時停止してよくよく咀嚼してみると、ブライトさんは実際にパイロットとしては全く素質がないボンクラで、それでも意地と努力で期待の星であるホワイトベースの乗組員にまで上り詰めたのかもしれない……だとしたら、できてる癖にできないって言うアムロに腹立つのは分かる、というところまで思考が追い付いた。でも二度目のビンタはなんでって説明できないな。「安っぽい人間に見えますか」のどこに腹立ったんだろう。さっき言った通り2人は案外似たもの同士なところがあるから、ブライトさん自身彼にはシンパシーを感じてたので、"安っぽい人間"というのが自分にも刺さる気がして逆ギレした? まぁ逆ギレするような人は高いか安いかで言ったら安っぽいわな……。
アムロアムロで、なんかこれまで嫌々乗ってきたかのような口ぶりだけど、1話では誰に言われた訳でもないのに本当に突然思い立ったように自分から乗ってたじゃん。元を正せばシャアたちが責めてきたせいで戦うことになった……という意味では確かに本意ではないんだろうから、それで「シャアめ」なんだろうけど。
しかし、なんで「親父にも打たれたことないのに!」なんて情けないシーンが有名なんだ? 「悔しいけど、僕は男なんだな」の方がよっぽどいいセリフなのに。フラウを危険に晒さないように戦う決意を固めるというのは間違いなく"男"だし(エヴァの1話にも通ずるね)、1話とほぼ同じ流れだったのであちらの説得力も増した。あの時は今回とは逆で、アムロの方がフラウを勇気付けてたけど。

・地球の重力のせいで気だるくなってやる気をなくしたんだ……とか半分冗談で言ったけど、吹っ切れた描写としてぴょんぴょん飛び回って戦う(重力に逆らう)ってことは、存外的外れでもなかったのかもしれない。
しかし「それでアムロよ」とはどういうことなんだろう。フラウにとってアムロガンダムに乗る以外取り柄のない男なんだろうか。まぁ、男の子が自分を守るためにロボに乗って命懸けで戦ってくれるなんてドラマチックなことがあったら、それまでの安穏とした日常なんかどうでもよくなっちゃいそうではあるけど。「私のために戦ってくれてこそアムロよ、戦わないってことはもう私なんてどうなってもいいってこと?」みたいな。え、なんかそう考えてくと「私がガンダムに乗る」って、乗る気なんかさらさらないのに自分を人質にとってアムロをやる気にするための方便に見えてきたぞ、なんて性悪な女なんだ……「悔しいけど」ってセリフは、アムロもフラウが本気じゃないと分かりつつも放っとけず女の口車にまんまと乗せられちゃう自分に対して言ってるのかも。

・銃を撃った反動で移動ってゼロワンでもやってたけど、このシャアザクが元ネタ? それとも更に元ネタがあるのか。

 

エスパーかもしれないって、後々を考えると重要そうなセリフだけど、やっぱり文脈が読めない。むしろアムロの方がマチルダに対して「何もかも知ってるよう」と評していた流れじゃん? それも急だったけどさ。アニメ版なら違うのかも……と思うけど、前に見た感じはどっちにしろ難解というかよく分かんなかったからな。
・仮にも地球で暮らしてたブライトの方が占領したてのジオンより地理に詳しくて、野球場の存在に気付けたといったところだろうか。そんなに有名なドームだったのね。

ガンダムの宇宙移民って、てっきりテラフォーミングされたどっかの惑星に置いてけぼりにされた人々が長い年月をかけて力をつけて地球の方に逆襲しにきている、地球人からすれば実質宇宙人との戦いみたいなものだと思っていたのだが、月の向こうとかそんなとこだったのか。びっくらこいた。

・戦争ものというか歴史っぽい感じの作品って、とにかく勢力図を把握するのにめちゃくちゃカロリー使うから、ファーストガンダムは何度か見ようとしてきたけど「アムロたちVSシャアたち」っていうある種アイコニックな構図が崩れてガルマっていう存在が出てくる辺りで、いつも視聴をやめちゃってたのよね。「あーこれ以上複雑になるとわかんない、もうムリついていけない」ってなる。
僕の中ではガンダムの壁としてずっと生きていたガルマが、ついにさっき死んだことになる。それを機にザビ家の面々が出てきて更に複雑になった訳だから、"壁"自体は死んでないけど。ガルマの置き土産ってところか……。

・実家が連邦軍の兵士に占領されている、ここもなんだか気持ちよくスパッと割り切れないところよね。ジオン軍だからって殺せばいいってもんじゃないというのは重ね重ね描かれてきたことだけど、連邦の人間も(少なくともアムロ少年にとっては)とてもひどいことをするっていう。客観的に見れば、廃墟と化した家に上がり込んで酒飲むくらいならそんなに罪の意識を持つようなもんでもない、況して戦争中の兵士が数少ない楽しみとしてって言うなら、素直に謝っただけ随分マシ。
アムロは幼少期大切にしていたであろう人形を見て、母との別れを思い出す。テムは技術者として純粋に、コロニー建設の様子をアムロに見せたいらしい。親心っぽいものなのは分かるけども、それがアムロにどう影響するのかよく分からないのでこれまた置いてけぼり感。母親の方は話から察するに、宇宙へ行ったことはあるものの体が弱いかなんかしらの理由で具合が悪くなってしまうのかな。高山病になりやすい体質とかあるけど、多分そんなイメージ。アムロが人形を持って行かなかったのはすぐ帰るつもりだったからかもしれないし、或いは残される母親がひとりぼっちにならないようにみたいな子供なりの気遣いだったのかもしれない。生きているにも関わらずそんなアムロの大事な人形を置いて行ったということから、母親がいかに慌てて、泣く泣くこの家を捨てたかが分かる。

アムロはなんでわざわざりんごおばさんにあんな声をかけたのか。僕はたまたま岡田斗司夫さんのガンダム講義を並行して見てるのでなんとなく思ったのは、劇場版ではカットされてるけど「アムロホワイトベースの中で食料の奪い合い(子供がトマトを盗んだり、大人が子供から食べ物を盗んだり)が常態化しているのを見ている」という描写があったからこそ、コインを拾ってる間にもう何個か持っていくつもりなんだと分かったし、それが許せなかったのかなと。特にアムロガンダムパイロットということで自分だけは多めに食事が与えられることに引け目を感じていたらしいので、恥ずかしげもなく弱いものから搾取する兵士に苛立つ。そこに家を占拠されてたことの腹いせも手伝って、あんな殴り合いに発展したと。

・ちょっと待ってやば……しんど……。
先程兵隊にも物怖じせず突っかかったように、死線をくぐり抜けてたくましくなってしまったアムロ。木偶(でく)人形を動かして遊んでいた頃とは違い、今はガンダムという兵器を動かす立派なパイロット。それでも生身の人間を撃つことには多少の抵抗を覚えていた彼だけど、おそらくフラウのときと同じく大事な母親という存在がすぐそばにいたからこそ、その身を案じる気持ちも手伝って敵兵を一方的に撃ち殺すということをやってのけてしまった。明確に目の前にいる人間を殺してしまったその瞬間、彼はもう引き返せないとタガが外れて、もう一人の兵士に向けむちゃくちゃに銃を乱射する。
そんな風に母を思う気持ちも半分くらいあっての行動だったのに、当の母親は「そんな子に育てた覚えはない」と絶句。これあれだよ、それこそ岡田斗司夫さんが解説してた『E.T.』の悲哀じゃん……母親からの拒絶……。
このチャプターのサブタイトルが"母性"ってのもなかなかどうして。子供に対して包み込むような愛情を与える反面、子供がその手の中から飛び出し自立することを許さないニュアンスも持っている(強くはならないで〜♪/無能)。いくら道徳を盾にしても、カマリアが言っているのは結局「あどけなくてかわいい子供だったあの頃のアムロに戻って」という我儘でしかない。アムロは、女の為に強くなれる……強い自分を演じられる"男"になってしまった。それが彼女には寂しいのだ。勝手な妄想だけど、多分アムロの性格から察するに(見た目は母似,中身は父似?)テム・レイも他のことには無頓着な生粋の機械オタクで、1話のアムロのように女の子であるカマリアに色々と世話を焼かれていたのだと思われる。そういうダメ男が好きな女としては、頼もしくなっちゃったら好きになれないのだろう。
「なんて情けない子だろう」というのも、本当にただ人に銃を向けるなんて云々って文脈で見るとよく意味が分からないんだけど(非情って意味なら通るがその用法あんまり見ない)、メタ的な視点から女(フラウ)にたぶらかされて……みたいなことに対して言ってるのだとすれば、理解できる表現。アムロ本人もその件については「悔しいけど」と漏らしていたので、彼に"情けない"と評されるような部分があるとすればそこぐらいのものだろう。同話で初登場したマチルダさんに、彼は恋をするらしいし。

・っていうか最初にアムロを見つけたシーンでも脇に息子っぽい子がいたけど、あの車の男の人を見るにマジで再婚してたのね。他の子はみんな戦闘機に寄ってったのに、一人だけわざとらしくカマリアのそばにいるからなんか怪しいなとは思ってたけど(正確にはもう一人子供がいたものの、こちらは他のモブと一緒にフェードアウトしている)。前の夫から反省をして、機械(戦闘機)には興味を持たないように育ててるのかもしれないとか考えると若干ゾッとする。

・さっき人形を置いてった理由は「残される母親がひとりぼっちにならないように」じゃないかと言ったけども、ここまでの流れを踏まえてみると家に置きっぱなしだったのも忘れ物として届けに来たのも、制作サイドからの「(新しい家族がいるから)もう彼女にとってアムロは要らない」という隠されたメッセージめいたものを感じる。
この離別を経て、アムロは明確にマチルダさんを求めるようになる。

・劇場版ではうまいこと母との別れが原因で白目になってるみたいな感じで繋がってるけど、テレビ放送時の順序は逆なんだよね? イセリナさんと一体何が……。
・グフ……めっちゃ活躍してるのに、アムロが不調っていう分かりやすい言い訳が用意されてて微妙にケチついてるのが販促番組の悲しい性だな。まぁ、素人の操縦するガンダムと互角くらいなシャアのメンツもあるので、これくらいの塩梅が実際ちょうどいいのかもしれない。

・はー……! 一握りのエリートだけが特権階級に甘んじる連邦の態度が、"超高性能なたった一体のガンダム"という存在にも如実に現れてるのか。しかもザク達と違って、パイロットの安全確保のためにコクピットが脱出用の戦闘機になっているという好待遇。ガンタンク,ガンキャノンと合計3機あるけども、ザクと比べたら狭き門なことに変わりはない。結局ジオンも「選ばれた民」を名乗ってる訳だから同じ穴のムジナだが。
1つ目のジオンと、2つ目のガンダム。連邦(複数の国)vs国という構図からも明らかなように、"独裁"に対する反発心……多角的視点の推奨というのは根本的なテーマではあるんだろうな。