やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

ゼロワン好きの『ライドカメンズ』実況 第1部 2章 情熱の伊織陽真

第2章 情熱の伊藤陽真

 

 

 

・ちょっと待って、14章の中の最初のひとつだけお試しでフルボイスなのかと思ってたら、全14章すべて含めた第1部がフルボイスなのか。ヤバすぎだろ、頭おかしい。
なんかすごいな、つくってる側の"本気"がビシバシ伝わってくる。
ロードが長いとかアプリが落ちるとか、そういうプレイの快適さについての文句が世間にはかなり多いけど、自分はそこがほとんど気にならないくらい「面白い」「楽しい」が圧勝してる。

 

・前回陽真が助けに来なかったのは、才悟が陽真の説得で少し考えが変わったように、才悟に言われた「足手まといになるだけなのに助けに行くのは自己満足に過ぎない」という言葉が一晩のうちにじわじわ効いてきたからなのかね。
ここで、暴走せずに仮面ライダーに変身するためには強い覚悟と確信が必要らしいってことが分かったから、この章ラストでの変身に繋がるのかな。


・博物館や地下室にあった仮面の破片が流星群になったって話、初見時はまぁ謎の扉が開いてワープさせる能力がある石なんだから、上空に移動して落下してきてもおかしくはないかと納得してたんだけど、3章でカオスワールドの基本設定を聞いたあとだと、そういう訳ではなさそうだよな。
どういう風に説明つけるつもりなんだろ。

 

主人公の性別

・主人公のノア(エージェント)の口調がしっくりくるような男性キャラって誰がいるだろうかと考えてたんだけど、『ヒロアカ』の緑谷出久がかなり近いかも。『弱虫ペダル』の小野田坂道でもよさそう。一人称が僕で、基本誰に対しても下手に出て、割と気遣いとかもして、「〜だね」口調で喋るキャラ。
何かとレオンにやってもらうのだけイメージと違うが、男として読むことにやや困難を感じてる人は、つまりCV山下大輝で脳内再生すると8割くらいは納得できると思う。
……それはそれとして、ゲームのボイス全般に対しては、せめてデフォルトネームくらいは呼んでくれてもって素直に思うよな。そう呼ばれ続ければ、没入感もあがるのに。
ただ周囲からの扱いの話になると、ちょっと微妙なところだよね。

 

・陽真がツトムにまたカオストーンを見つけたら教えてねって言うくだり、個人的には好きになれないけど『仮面ライダー』の文脈的にはそう変な話でもないというか、初代の少年ライダー隊がほとんど同じようなことやってるよね。僕はあれもイマイチ好きにはなれない方。

平成以降のライダーで本編に少年ライダー隊的な要素を入れた例ってかなり少ないのか。1話限りだけど秘密だよってドライブのエンブレム渡した子供とか、継続的にって話なら年齢高めだけど『響鬼』の弟子システムくらいしかないかもしれない。ただ子供が出るってだけなら他にもあるけど。
やっぱり初代『仮面ライダー』見てると、少年ライダー隊の子たちが怪人に捕まったりするシーンなんかもあったはずなので、そういうの見ちゃうとなるべくなら巻き込まない方が……って気持ちが強くなるけど、まぁこの辺は良し悪しだよなー。

陽真の言う"スーパーポジティブ"は、こういう懸念を持つことについてどう捉えてるんだろう。
この後にも「もしものことがあったらどうすんだ?」と言ってるので、何も考えずただ楽観的に生きるだけがポジティブじゃないっていうのは、元ネタの五代や陽真本人を見てても伝わってくるけど、そういう細かいニュアンスまではまだ掴みきれてない。

 

・「カオストーンにはライダーの力を引き出すパワーがある」か、なるほどね。
これを書いてる現在は「今昔桃太郎〜決戦!鬼ヶ島〜」まで公開されてて、そこで初めてノアが第二世代カオスワールドに入るって描写が出てくるんだけど、他のキャラと違って衣装が変わってる様子がどうやらなくて、どう捉えるべきなのか少し考えてたんだけど、衣装が変わるのは「ライダーの力を引き出す」の範疇なのかもしれない。
カオスワールドを開いた本人や、カオスイズム幹部の衣装が変わらないのは、カオストーンが強く反応するのはライダーだけだから……ってことなのかな。

 

才悟と陽真、どちらを選ぶか

・「魅上くんの言う通り、一人で行かせるべきだ」
 「伊織くんの言う通り、一人で行くべきじゃない」
ライドカメンズは時々こういう難しい二択を突き付けてくるのがいいんだよな……別にその後のストーリーの内容が大きく変わったりはしないけど、選択肢を前に悩ませることそれ自体を目的とした分岐が。
僕が没入しすぎなだけかもしれないけど、進行には関係ないと頭では分かってても、自分だったらどう答えるのかをじっくり考えるのが本当に楽しい。
こういう選択肢があることで、自然とキャラクターやストーリーそのものに対して真面目に向き合わされることになるし、何よりも問いを投げかけられて自分がどう感じてどう変容するのかを観察するのが面白い。

やっぱりなぜ物語を読むかって言えば、究極的には刺激が欲しいからな訳じゃん。笑ったり感動したり怒ったり、或いは単に知識を得たりとかでもいいけど、そういう自分にフィードバックする何かしらが欲しい訳なので、ただ第三者として見るだけじゃなくてこうやってインタラクティブな問いかけをしてきてくれることは、ゲームならなおさらあると嬉しい。
昔からこういうシンプルなゲーム体験が好きなんだよね。キャラクターに話しかけたら選択肢が与えられて、その直後だけ微妙に変化するテキストを全パターンちまちま読むみたいなの。
むしろ下手にメインストーリーが分岐とかしちゃうと、全パターンを網羅するのが難しくなるというか「網羅できてる感」が薄れちゃうので、好みではないまである。
今回の選択肢に対して具体的にどう感じたかって話は、次回の第3章の感想でしようかな。


・陽真の反応的に初見っぽいので違うかもしれないけど、前回来れなかったのは才悟がこのツボを押したからって説もあるにはあるのか。
それよりはまだ、本当に自己満足なのかどうか一晩考えて迷ってたけど、事実として足手まといにしかなれないと言ってた才悟が主人公とレオンを助け出したから、やっぱり自分の言った通りで行くべきだったじゃないかと確信した……って流れだとみた方が自然かな。

 

自称?他称?スーパーポジティブ!

・「真の陽キャって書いて、陽真だからな」「まあ……この名前も、本当の親がつけてくれたものか分かんねえけどな」ってセリフ、結構芯を食ってるな。


本当の名前だったとしても、生まれたばっかりの人間に特徴もクソもないはずで、勝手に想像して「こうなって欲しい」という願いを込められて付けられる訳だから、名前と実際は必ずしも一致する訳じゃないんだけど、それでも自己認識としてそういう名前が与えられていると、意識的にせよ無意識にせよ、影響がないってこともまた有り得ないよな。
例えば僕なんかも、超ざっくりまとめると「変わった子になって欲しい」みたいな意味を込めて変わった名前を付けられて、実際変わってるねってよく言われるもんな。
陽真くんが面白いと思うのは、僕的には「本当にポジティブな人って、自分のことを誇らしげにスーパーポジティブ!って強調するのかなぁ」というところがリリース前から気になってて、どこか自分に言い聞かせてるような感じを受けるところ。
今の「真の陽キャと書いて陽真だから」という自己認識はそれをある種裏付けてるというか、ライドカメンズ全体の仮面ってテーマにも即してるし、元ネタの五代雄介/クウガにも似てるなって思う。彼はそれこそ、映像の中では絶対に見せてくれないけど、仮面の下では泣いているキャラなので。
特に『ジャストアピースフルデイ』のイベントストーリーを読むと、この辺はまさにって感じ。こういう子になって欲しいってつけられた名前に沿った人間になるというのは、まさしくピグマリオン効果だもんね。

 

ぽっかりと欠落したもの

・想像はついてたけど、ジャスティスライドが一般的なイメージに近い正義のヒーローって大嘘にも程があるな?
才悟は自分の人生に価値や目的を全く見いだせていないし、陽真の方はネガティブな感情が不自然に欠落していてとてもバランスが悪い。
「自分の泣き顔すら見たことないやつの励ましなんて、薄っぺらに過ぎない」っていう慈玄の言い分については『ゼロワン』の感想で詳しくしたので後で貼り付けておこう。

でも高橋悠也特有の"危うさ"が、まさか「支えてあげなきゃ」っていう欲望を刺激する形でライドカメンズのコンセプトにここまでがっちりハマってくるとは、想像してなかった。

「なぜ死を恐れる必要がある? 死にたくないと思えるほどの人生を、オレは歩んでいない。」
こんな悲しいことを平気で口にできてしまう人をほっとけますか???
主人公やジャスティスライドの仲間、他の仮面ライダーたちと関わることで変わっていってほしいんだけど、このシーンの何がアレかって、この発言を味方側の誰も聞いていないこと。主人公や陽真が駆けつけて、才悟の危うさをきちんと認知して支えてあげてほしいのに、プレイヤーである我々しか聞いてない。
才悟ほど重苦しい感じではないけど、今やってる『ガヴ』のショウマも似たような感じではあるよね。庇護欲求をくすぐられる感じ。

・「心にもないヒューマギアの笑顔」
営業スマイルはぶっちゃけお互い様よね。ここで書いちゃうと19話のネタが減るのであんまり書きたくないけど、更新が滞ってる今となってはなりふり構ってられん。
そもそもの話、仕事において心のこもった本心からの笑顔が発せられる状況なんてかなり限られてくる。自分が喜びを感じなくてはいけなくて、その上営業スマイルの代わりになる場面となれば、本当に「客の喜びと自分の喜びが合致したとき」しか認められない。
しかも「自分の売上が上がって嬉しい」のような卑近な笑顔でもいけない。
相手に良い家を紹介することそのものに喜びを感じなくてはならない。
前回の文脈を引きずるなら、「自分が自分の立場でいいと思う家しか薦めてはいけない」ということになる。これがどれだけの暴論かというと、例えば客が自分の嫌いなタコを買おうと持ってきたら、「これは美味しくないですよ。それどころか食べたら吐き気がします」という公私混同ここに極まれりといった応対をすることになる。
スマイルのやっていることは、「僕は嫌いだけどこの人はタコが好きで、きっと食べて喜びを感じるんだろうな」というのと同じこと。"相手の立場"という発想が、あの新屋敷の詭弁にはない。本人は「大城様と同じ」と言いつつも、本当に共感できていた訳ではなかったというのも皮肉でいい。
「仕事だから」と我慢している際の人間には、ヒューマギア同様、そのような意味での心はないと言っていいだろう。
「こんなことしたくない」のような自分の気持ちは、自分によって"殺されている"のだから。
・前回レイダーを倒しても変身している人間には大した影響がないことを知り、今回はマギア同様自ら手を下した。
天津が前回やれたのは冷徹だからというよりは単にレイドライザーの仕様を知ってたからというのが強いと思うけど、「仕事だから」というのは、人がさまざまな決断に対して鈍感になれる大きな理由のひとつだ。
今回は特に、その側面に注目すると非常にまとまりがよく見える。結果として、或人の非情かつ共感的でない割り切り(レイダーを倒す)が新屋敷が負けを認めるきっかけとなったわけだし。

仮面ライダーゼロワン 第20話「ソレが1000%のベストハウス」 感想

 

誰も特別じゃないし、誰もが特別な存在

・変身、仮面ライダー陽真!
陽真は自分の潜在的なコンプレックスも手伝ってか、才悟のことを何でもあっけなくこなしちゃう特別なやつとして勝手に神格化しているけど、実際はそうでもなくて、才悟も一人ではできなかったはずなんだけど、レオンが「仮面ライダーはいる」と信じてくれから変身できた。

仮面ライダー1号は確かに、今でこそレジェンドなんて言葉じゃ足りないくらい大きな存在になってるけど、実際見てみると案外そんな気取った感じ、高尚な印象というのは受けなくて、ただその場その場で面白い番組を作ろうっていう試行錯誤が見えるだけなんだよね。
それに彼が「ヒーローもの」の元祖って訳でももちろんなくて、ウルトラマンとかアメコミヒーローとかはいくつもあって、そういう中で先人を参考にしつつも新たなヒーロー像として打ち出されたのが『仮面ライダー』なんだろうから、陽真(クウガ)は才悟(1号)の後を追って変身したんだけど、その才悟(1号)の前にも既にヒーローとして走っている人たちがいて……っていう連鎖は、けっこう仮面ライダーの芯を捉えてるような気がする。
ていうのはもちろん、いつも言ってる僕が大好きな『令ジェネ』の思想ですけど……。仮面ライダーに原点も頂点もなくて、誰もが歴史という大きな流れの中の一部だし、同時にひとりひとりが自分自身の信念のために戦う「1号」


陽真は才悟がいてくれたおかげだって言ってるし、もちろんその側面は大いにあるんだけど、根本的には陽真自身が持っている、誰になんと言われようと「おれとおまえは友達だ」と信じ抜ける心の強さ、迷いや曇りのなさによって暴走を防いでいる。
それは(カオストーンの影響もあるとはいえ)陽真自身が持っていた素質だし、ひとつの個性。
もちろんこれは才悟にも言えることで、どんなことにも真っ直ぐ真面目に取り組むのは彼自身の力だし、ハイキューの日向じゃないけど、自分がないが故に他人のことを思い切り信頼できるのも彼のいいところなので。

 

・「伊織くんと魅上くんなら、きっと大丈夫だね」
 「進むべき道の先を?」
今までライドカメンズの分岐って直後にすぐ合流するものがほとんどだったけど、今回のこの選択肢は「そういうこと!」で一旦同じセリフになるのに、その後でまた才悟に語りかけるパターンとノアに語りかけるパターンとで分かれていて、めちゃくちゃびっくりした。
いつもの癖で同じセリフが出てきたらもうその後は一緒だろうと判断して飛ばしちゃってたから、たぶんここだけじゃなくていくつか読み損ねてたテキストがあると思う。全パターン読みたい方は一応気をつけておくといいかも。

 

ライドカメンズ感想一覧

前回

ゼロワン好きの『ライドカメンズ』実況 第1部プロローグ〜1章

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