やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

DXドンオニタイジンへの落胆(暴太郎戦隊ドンブラザーズ)

僕はDXドンオニタイジンが! 嫌いです!(どーん)

戦隊ロボ史上最大級のビッグサイズと戦隊ロボらしからぬプロポーションとフル可動の実現により、過去最高傑作……とまでは意外とあんまり言われてないもののともかく大絶賛の嵐なドンブラザーズの1号ロボ ドンオニタイジンですが、僕は発表から現在に至るまでずーっと愚痴を吐き続けて未だに買う気になれていない。※訂正、買ってなおも文句を言い続けている。
Twitter上でのぼやきが気付くと5000字を超えていたので、もういっそひとつの記事にまとめておこうと、そういう回です。
ドンオニタイジンすげー! 最高! 大革命! 戦隊ロボのニュースタンダードになってくれ! ……という盛り上がりに水を差されたくない方は読まないことをオススメします。少なくともTwitterで検索する限りではドンオニタイジンに完全に批判的,否定的な人って本当に僕以外には0人でびっくりした。まぁ物珍しい意見として面白がってください。

 

 

発表前の期待

まず話の前提として、僕はゼンカイジャーのロボットが全く合わなかった。これまで触ってきたDX戦隊ロボの中で一番"嫌い"かもしれない。
センタイギアが共通規格だったりエンヤライドンという橋渡しもあったりと最初からドンブラザーズとの2ヵ年計画だった……のかは定かではないものの、それが理由で手を抜いたんじゃないかとさえ本気で思ってるぐらいあまりにも酷い出来だと感じている。
その話はまた別に記事を書いてもいいけど、今回問題になるのはそれを踏まえて僕はドンブラザーズのロボットにそこそこ"期待"をしていたということ。
ゼンカイロボはとにかく遊んでてイライラするので、次作品ではもっとシンプルで全く頭を使わなくても遊べるようなものになってくれと。

そんな風に楽しみにしていたところにまず出されたのが「エンラヤイドン/ドンゼンカイオー」と「ドンモモタロウアルター」。
前者は言わずもがな、作品の垣根を超えた合体ロボというコンセプト自体は面白いものの、ゼンカイロボの悪いところがほぼそのまま残っていて、取り外すパーツがあまりにも多過ぎて煩雑だし、アルターに至ってはDX玩具じゃねぇ。チェンジヒーローズシリーズってただラムネが付いてないだけの食玩みたいなものだからゼンカイの頃からまだ一度も買ったことなくて、同じサイズな勇動の3倍くらいの値段する癖にシールとは言え色分けでも負けてて何もいいとこない。
その同規格として出されたアルターも、要はミニプラと枠としてダダ被りしてて全く魅力を感じない。

これは最近気付いたんだけど、僕は"可動"が好きじゃないらしい。ポージング技術もないし、そもそもフィギュアの可動なんてたかがしれてるし(肩アーマーが腕と一緒に回ったりとか)、だったらいっそのこともう動かないソフビでいいやっていう結論に先日至った。下手に色んなとこが動いたり取れたりしてイライラさせられるくらいなら最初からポーズが固定されてて飾っといてカッコよければそれでいい。
そんな僕にとってアルターは最初から眼中になく、更に1号ロボに対する期待というか、"おあずけ感"が募りつつあったところで出されたのが、あの「DXドンオニタイジン」ということになる。

86ma.hatenablog.com


可動は要らない

正直、全く食指が動かなかった。
第一コンセプトであるはずの可動に魅力を感じないのは今言ったとおりで、何なら僕にとってはマイナス要因ですらある。変形と無関係なところが動くのは、少なくとも変形させてる最中はストレスでしかないので。
そもそも、ぶっちゃけあの程度で可動できるヅラをされてもなと僕は思いますよ。ただ関節があって動くってだけであって、どうせ大したポーズも取れやしない癖に。
例外もあるけど、宣材写真ですら8割がたかっこいいポーズ取れてないんだから、あんな可動あるだけ無駄でしょ。下手に動くせいで「なんでその変な姿勢で止まってるの」っていう画像ばっかりだもん。かっこいい直立でキチッと止まってくれることの何が不満なんだ。

そんなにポーズ決めたかったら、DXと並走して可動するバージョンをチェンジヒーローズなりミニプラなり、ファイティングアクションロボなりで出せばいいじゃんとしか思わないんだよな、本当に。
二兎を追って二兎とも取れてるならまぁいいけど、少なくとも僕はドンオニタイジンについて中途半端になってない長所は"デカい"という一点のみだと感じている。

 

あんなちょこっと武器を構えて顔が振れる程度の可動で喜べるんだったら、仮面ライダーで出てるタイムマジーンとかブレイキングマンモスとかキングオブアーサーとかも大して変わんないと思うけど。
……いや、アーサーに至っては下半身動かないのに一緒にするなよって思うかもしれないけど、僕の基準では「遊んでる人の"個性"が出るようなポーズ」を取れて初めて可動を売りにするフィギュアとして一人前、それ以下の容易に想像できるような……或いはポージング下手な僕でも取れるような武器構えとかしかできないのは「まぁ一応動くよ」程度だと思ってるので、ドンオニタイジンも含めてこいつらは一緒くたの認識。

だってその程度なら「素立ちより構えてた方がかっこいい」っていうだけの話であって、じゃあ構えた状態の固定フィギュアでもいいよね? っていう話になる。HDM創絶みたいな食玩シリーズ復活してくれたらちょっと嬉しい。
可動をウリにするからには、固定フィギュア化されるような劇中の代表的なポーズはなんとなくでもできて、その上で更に各々好きな風に動かして遊べないと意味なくて、その点ドンオニタイジンはパッケージの座り状態すら、足を外してなんちゃって再現するしかないんでしょ? 可動する意味ないよ、もうそれは。
なんか発売前からサンプル品を改造してスカート曲がるようにしてポーズ取ってる画像も出回ってたけど、あんな写真を宣伝に使っていいの? 普通に詐欺じゃん。絶対いると思うよ、あれとかパッケージを見て「足ここまで上がるんだ」と勘違いして買った人。

 

ドンオニタイジンもこれまでの戦隊ロボと同じで、結局素立ちが一番無難にかっこいいと思うよ。剣構えてるのは写真だといいけど下半身まで見えるとなんかなぁ……ってのが多いし。
これまでは他に色々コンセプトがあったから眼中になくて、腕が回るだけで誰も文句言わなかったけど、可動を中心に据えたせいで途端に"妥協"に見えてしまうんだよな。「所詮は子供向けだからこんなもんで十分でしょ」ってさ。
ドンオニタイジンは大人も客層として狙う方向に舵を切ったと言われがちだし、実際大人が喜んでる姿ばかりがネット上では目立つ訳だけれど、まぁ理屈で言えば、今までのロボは変形という"途中"を楽しむものだったから、完成したあとはその形のままブンドドするか見て楽しむかしかなくて、それが可動することによって完成してからも"動かして遊ぶ"ことができるようになったっていうのは、間違いなく子供にとってもメリットだとは……思う。
でも僕個人は反対です。

 

保守的なデザイン

ドンオニタイジンのもうひとつ好評なポイントは「戦隊ロボ離れしたプロポーション」らしいのだけれど、これも僕は全く興味がない。
そもそも戦隊ロボにプロポーションの良さは全く求めてなくて、むしろ多少ずんぐりむっくりであって欲しい。綺麗な人型に近いロボットなんて、わざわざ戦隊がやらなくたってアニメ界隈にいくらでも転がってんじゃんよ。なんでわざわざ被せるんだ。
キシリュウオーとかも、やたら褒められてたけど好きじゃないんですよね。足が細くなったりすると"プロポーションが良い"ことになるんだろうけど、僕はむしろ貧弱に見えてしまう。実際あいつちょこまか動くし。
足はキラメイジンぐらいシンプルな線の方がどっしりとしてて強そうに見えない?
褒めてる人に言われせれば細い方が"王道"のスタイルということになるんだろうけど、別にこれまでの戦隊ロボは技術が足りないから仕方なく邪道を行ってたとか況して子供だましだった訳じゃないじゃん。玩具の遊びやすさとかデフォルメされた親しみやすい体型とか、そういうものを長所として選択していたのであって。
っていうか待ってそうか、フルCGやモーションキャプチャで描かれるロボが当たり前になってくるということは、これから先はキグルミの都合を考えないエヴァみたいな極端なアニメ的スタイルの戦隊ロボも、玩具デザインの選択肢として全然有り得るということなのか。えーいやだ。
スマホが1台あれば何でもできちゃうから、時計もカメラも財布も、書籍や音楽プレーヤーも必要なくなってしまうみたいに、技術の進歩によって多様性が失われないといいけど……どうなるんだろうね。


可動のところで簡単に遊べるロボが好きだとは言ったけども、「4人のメカがほぼそのままの姿でただ手足にくっつくだけ」の形式は流石に見飽きたし遊んでてもつまらないと思うのよね。そういう身体の"構成"に限って言えば、ドンオニタイジンはかなり保守的で面白くない。
それに個々のメカをあそこまで犠牲にするんだったら、別にもう無理に合体ロボじゃなくてよくない? 可動するロボットがいいならドンモモタロウアルターとかいうよく分かんないのもDXで出せばよかったじゃん。
下半身貧弱モモタロウ(何故か意図されたものらしい)に、ロボの足に犬の足くっつけただけのやっつけイヌブラザー、左腕を動かすと首がもげるサルブラザー……直立人間オニシスターは普段なら「こんなもんか」ってなりそうなものだけどなまじ大きいから情報量とギミックの少なさで物足りないし、キジブラザーもこれが比較的まともに見えるのは下手に動いたりしないのと子供向けの"見立て"に慣れてるからだし、劇中のCGなんかを見てるとやっぱなんか色々おかしいなって思わざるを得ないデザイン。実際触ってみると頭部は軸の渋みだけで止まってるので、しっぽ持って振ったりするとこれもまた首がもげる。なんならこいつ、キジブラザーの首を持って剣のなりきり武器として遊ぶのが一番楽しいかも。

個別メカを去年のスーパーゼンカイザーと同じく「等身大キャラのパワーアップ形態」という扱い方をしていくのは面白いと思うし戦隊の強化はもっと増えていいと思ってる人間なのでウェルカムなんだけど、その個別メカがこの割り切り玩具なのは惜しいよなぁ。
それこそ今のドンブラはロボ戦を必ずしもやらないことで話の幅を広げてる訳で、ゼンカイジャーを踏襲した形式なら「等身大でロボ玩具の販促もしたので巨大戦はスルー」が理論上は可能なはずなのに、合体後の見た目だけを優先させてるせいでそれが成立するとは思えない。
ゼンカイジャーのキカイノイド4人でさえあんま似てないのに……。


プロポーションって言い方ひとつだけど要はただ"細い"だけであって、手足がカラフルでデザインとしての統一性がなくて、剰え各部に顔までこれみよがしについてる所謂戦隊ロボ的なバカバカしいデザインなのは変わってないのに、口を揃えてこれを「ストレートにかっこいい」って言えちゃう度胸はすごいよ。"戦隊ロボの割には"って枕詞が足りない。

折衷といえば折衷だけど、全てが中途半端。
「合体後優先で個別メカは割り切ります!」「キャラの配置や合体プロセスには戦隊ロボらしさを残したい!」「何を置いても優先したかった合体後の可動もスーパー合体の前には諦めざるを得ませんでした!」……その結果できたのは「史上最大級」が一番のウリな素立ちがかっこいいドンオニタイジンってさ。

 

スーパー合体もありますって言うけどさ、あれだけシンプルな人型に違い構造なんだから想像を超えてくるような合体方式には絶対ならなくて、所詮下駄履いて胸と頭と手に強化パーツついて終わりくらいのやつだって見え見えじゃん? そこもやなんだよなぁ……。
単体でのプロポーションを優先したら、どう考えてもスーパー合体の面白さや自由度はめちゃくちゃ下がる。だって理想の人型に近づければ近付けるほどそのパーツを他の何かに見立てることって自然と難しくなっていくんだから。サルブラザーの腕がそのままロボの腕になってることや、ロボの足がイヌのしっぽにしては太すぎたりオニシスターに至ってはもはや何に見立てることも諦めた邪魔な突起として存在してるのが良い例。
例えばジュウオウキングなんかは分かりやすいと思うんだけど、シリーズ通して全てを四角くデフォルメしてるから、動物モードの多様さはもちろんロボのときに上半身だったキューブイーグルが腕になったり、腕だったキューブクロコダイルが積み上げ合体では足になったりみたいな互換性がゆるくて自由なのよね。良い意味で解像度(再現度)が低いから。
ドンオニタイジンにはその抽象性の妙がない。というか、ロボのときには人型に近いスタイルを目指してる癖に、個別メカのときにだけ「これは○○なんです、納得してください」を押し付けてくるから二枚舌というか都合がいい。

僕はベースの1号ロボに強化パーツくっつけるのは、並列換装メカとかせいぜい1回目のスーパー合体まででいいと思ってて、途中でダイナミックな変換があって欲しいと思うタイプなんだけど、その意味では「キューブライノス、キューブじゃねぇじゃん問題」は基本は嫌いなんだけど、それまでの積み上げ合体から一旦大きくパラダイムシフトして、ドデカでまた戻るっていう振り幅は好き。バクレツキョウリュウジン(持ってないけど)もだけど、今までと違ってこのパーツをこう使うんだ! っていう展開を、ドンオニタイジンは多分できない。
だから僕はこれから先の展開にもほぼ期待していない。

 

棲み分け

僕がドンオニタイジンに対して一番キレてるのは、これを「ニュースタンダード」とか「戦隊ロボのターニングポイント」みたいなことを言う人がとても多いことだったりする。
「こういう路線もあっていいよね」なら全然、今回はスルーしようで済むんだけど、可動アンチ過ぎてフィギュアよりなんだかんだソフビが一番いいなって結論に落ち着いた身としては、戦隊ロボが可動に舵を切るのは本当に嫌だ。
だって枠として棲み分けがさぁ……ハイエイジ向けはトランスフォーマー、キッズ向けのそこそこ可動するロボはドライブヘッド,シンカリオン辺りで、もう少し小さい子向けのが戦隊ロボでいいんじゃないの?
少なくとも僕はタカトミ玩具をいくつか触ってみて"Not for me"と思ったから、僕が楽しめるロボ玩具はもう戦隊しか残ってないのに。

僕はおもちゃで遊ぶときに頭を使いたくなくて、戦隊ロボは何も考えずにぼーっと遊べるのが一番魅力だと感じている。「壊れないように」とか「パーツが外れないように」とか、況して「ポーズがかっこよくなるように」なんて考えたくない。
特撮玩具の根幹って「テレビで見たものを真似てみる」っていう"枠にハマる気持ちよさ"がベースにあって、レゴみたいなオリジナリティを出して創造性を育むものとは方向性が違うと思うから、「自由自在にアクションが決まる!」よりも「手順に従ってロボを完成させよう!」の方がコンセプトとして合ってるし、完成したら素立ちでバシッとクリックが決まって欲しい。
劇中でやってるポーズを再現しようってんならともかく、座れやしないし。そこまでの可動はない。

 

一応開発者インタビューの中で「これからずっとこの路線になるとは限らない」って言われてるのは安心したんだけど、それ以上に「可動を重視することに対して否定的意見がほぼなかった」という証言が不安すぎる。

t.co

来年は揺り戻しでまたこれまで通りのが出ることを願ってるけど、これで本当に売れちゃったら「シンプルなロボは売れないのでどこもつくりません」ってことになりかねない。世の中から"選択肢"を減らすのは許せん。
戦隊以外のブランドでシンプルロボの枠つくってくれるならまぁいいよ。戦隊ロボの中でも簡単めなやつぐらいのプレイバリューを持ったロボシリーズがあったら本当に知りたい。肩身が狭い。
今はユニトロボーンにちょっと期待してる。

ガンダムみたいに変形しないでただ人型のロボットとしてあるやつもいれば、トランスフォーマー……特に実写映画のやつみたいなビークルはほぼ実在の車両だしロボットも人体と同じような可動するってやつもあって、どっちの形態も曖昧だけど面白いギミックがあって合体みたいな本来ありえないロマンをたくさん叶えてくれるようなのがあってもいい。
そういう需要の棲み分けがあるのに、あたかも「本来あるべきかっこいいロボットの要件」がひとつあって、これまでの戦隊ロボはまるでそれを満たしていなかったかのような語り方する人が多いから腹立つんだよなー、ホント。
"従来の戦隊ロボらしさ"にみんな魅力感じてなかったの? 僕もそんな大口叩けるほど色んなの触ってる訳じゃないけど、戦隊ロボに愛着ない人に上から目線で「戦隊シリーズに革命が起きた」とか言わないで欲しい。

でも結局売れるものをつくるしかないっていう大前提が分かってるからこそ悔しいし、自分にはどうすることもできん。「ドンオニタイジンが爆発的ヒットにはならず、来年出るかもしれない好みのロボが売れてくれ」と願うしかない。

 

実際に触ってみて

あんまり主張の一貫性とか気にしない方なので、百聞は一見に如かずと言うし遊んでみて手のひらを盛大に返す準備はしていたつもりだったんだけど、最終的に評価は覆らなかったね。ここまでは「そうは言っても触ってみないとなんとも言えない」っていうのがあったからこれでも言葉を選んできたけど、もう触っちゃったのでハッキリ言うと「うわー、思った以上にゴミ」が第一印象。

まずイヌの足取れすぎな、何これ。サイズがでかいから強度的にわざとすぐ取れるようにしてあるのかなって気はするけどそんなの関係ない。取れる必要がないとこが勝手に取れることほど遊んででイライラすることはない。なんかもう、逆にこうやって足をふっ飛ばすのが遊びとして気持ちいいね!って皮肉を言いたくなるくらい取れやすい。どうせ割り切るならもう前半分は一体成型で良かったんじゃないの。顔も口も体に埋まってて動かないんだからさ。
あとその足の付け根のジョイントが多分金型の都合でキジのクリアパーツと同じ素材が使われてて、まぁ見てるぶんにはかすかにピンクがあるのは綺麗だなと思うけどジョイント部分に使って強度とか経年劣化とか大丈夫なのかな。よく知らないけど。

オニシスターは肩がたまに外れるのと、頭の変形がキモい。ピンを微妙に指すだけだからカチッとも言わなくて全然気持ちよくないしちゃんと変形できてるのかもよく分からない。トゲ棍棒が付いてないのは、無駄にパーツがごちゃごちゃするの嫌な身としてはむしろありがたいけど。
足の二人は一応入れ替えても合体もできるのはいいんだか悪いんだか。僕は結構こういうの気分転換で変えたい人なので嬉しい。


サルブラザーはさっきも言ったけど文字通り頭がおかしくて、せっかく腕はたくさん動くのにほぼ活かせない。かろうじてドラミングっぽいポーズはできないこともないが……。頭の処理がとにかくめんどくさいので、もう彼はドンオニタイジンと同様に左肩に頭が生えてる謎モンスターってことでいいと思う。そこまで割り切っちゃった方が逆に面白い。
手と頭もボールジョイントだからこれも割と取れる。ボールじゃなくて普通に外れないロール回転で良かったんじゃないかな。
ごちゃごちゃパーツ嫌い民として腹筋は嫌いです。何この無駄ギミック。こんなのが許されるなら頭も付け替えにしろよ。

キジブラザーは胴体と尻尾が2分割で合計4パーツとあまりにもバラバラになる癖に頭だけは頑なに分けないのが気持ち悪い。
「ヒンジでの移動によって「顔がそこにある必然性」を持たせたかったんです」というのはインタビューで寺野彰氏が言っていたことなんだけど、この一言が本当に、全く理解できない。
ないよ必然性。サルもだけど、キジの体を構成する上で何の意味も持たないアームが突然生えてくることの方が僕にはよっぽど不自然に思えて、これの設計者とは美意識をひとつも共有できない。

今は"美意識"という表現をしてみたけど、この「変形合体においてどこまでをアリとしてどこからをナシとするのか」の感覚ってかなり重要だよね。デカベースロボの手の移動とか「そんなことやりだしたらなんでもアリじゃん」って思う派なので。
変形玩具全般に言えることだけど、際限なく複雑にガチャガチャ動かしたり外したりしてたらそりゃもう何が何になったっておかしくない訳で(その極地がレゴブロックみたいなやつね。あれは色々と組み変えれば理論上どんな形にもなれるけど、それはもはや"変形"とは呼べない)、その点ジュウオウキングは少ないステップで見え方をガラッと変えるバランス感覚が本当に美しい。
このサルとキジの頭を繋ぐヒンジは「ただ頭を肩に持ってきたいがためだけの構造」なのが美しくない。それは全く必然でもなんでもなくて、作為が見え見えなので。無理だけど、動物モードのときにも何か可動などで役に立つ構造であの位置に持ってきたならすごいと思うけどさ。


そんなこんなで完成するドンオニタイジン、僕にポーズ付けのセンスがないせいなのかもしれないけど下半身はもう"動かない"と言ってもいい気がする。
膝なんか90度まで曲がるけど腿を前に上げられない以上はなんの価値もなくて、ただ非公式な遊びで足を外して座ってる風に飾るときくらいにしか役に立たない。「ここがこれだけ動いたからってどうすりゃいいんだよ」っていう可動ばっかりで、僕としてはやっぱり最初に言った通り"ない方がマシ"だなと思った。
腕の方は肩と干渉するとはいえまだポーズとして活かしようもあるけど、下半身は本当に動かした結果カッコよくなることはほぼないからとにかくじっとしてて欲しいのに、無駄に動くからイライラする。
いや腕も大概だけどな。肩を逃したら"必然"的にキジの頭も変なとこで止まらざるを得ないので、ポーズが取れる取れない以前の問題として人体の構造が破綻する。まぁ子供ならそんな細かいこと気にしないで「パーンチ!」って遊んでくれるかもしんないけど、動けば何でもいいってもんじゃない。
想像力のある子供と、想像力を技術なりなんなりで補える訓練された大人は楽しめるけど……僕みたいな「カッコいいポーズ決めるの無理だわこんなん、わざわざポーズ付けのコツとか改造の方法とか調べるのもめんどくせー」ってなるような中途半端な大人は楽しめない。


「触ってみて初めて分かったいいところ」は、うーん……ないんだよな……目新しいギミックがある訳でもないし、ただデカい(聞けば分かる)、スタイルが良い(見れば分かる)、可動する(僕は求めてない)ってだけが取り柄の玩具だから。

これ別に褒めることにはならないと思うんだけど、ゼンカイジャーのロボの遊びづらさと比べたらマシではあった。最初にでっかく「嫌いです!」と言ったけど、どっちかっていったらやっぱりあっちの方が嫌いです。

僕が持ってるのはZじゃない方のH5とドクターイエローだけだけど、シンカリオンとだいたい同じくらいの可動って言っちゃっていい気はする。棒立ちして武器を正面に向けるだけじゃなくて、ちょっと斜に構えることができるくらい。足も動くけど申し訳程度。
劇中での活躍を見たことでキャラクターの魅力で多少付加価値はついていくだろうけど、大きさとか見た目のかっこよさみたいなのは買わなくても分かるし、買わないと分からない可動は多分公式がプッシュしてる割には言うほどでもねぇなって感じ(まぁこれも宣材画像見れば察せるけど)なので、もし買うかどうか迷ってるならもう少し迷った方がいいと思う。
来年の1号ロボはどうか自分の好みにあったものでありますように……。

 

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