「第3カイ! ゼンカイオー、買って後悔?! 勝手に紹カイ!」(機界戦隊ゼンカイジャー)
ドンオニタイジン、ブンブンジャーロボに続いて、今回はゼンカイオーについての感想を残しておきたい。
ぶっちゃけ今更ゼンカイオーについてのレビューなんて需要ないだろうし、しかも不満が9割になるであろうことを思うと更に書くメリットというのはないのだけど、書いておきたいのだから仕方ない。
それでもいいよという方だけお付き合いください。
初めて戦隊を1年間リアタイしたのがルパパトで(正確にはキュウレンだが、楽しめたのはルパパトが初)、その香村純子さんが脚本を努めたということもあってかゼンカイジャーそのものはかなりハマったんだけど、ことロボットに関しては「目も当てられないくらい酷い」というのが自分の印象。
これを機にきちんと遊び直したけど、やっぱり印象は覆らなかったな、DXゼンカイオー。
一言でまとめるなら多分「詰め込み過ぎ」。全部の形態が中途半端で、これっていう強みがない。そのうえ変に難しいし、遊んでてモヤモヤすることはあっても楽しくはあんまりない。音声だけかな、ちゃんと好きなのは。
似てないヒーローモード
まず、ゼンカイジャー状態が思ってた以上に似てない。かろうじて了解できる程度で、素直に劇中のジュランだ! ガオーンだ! とはなれないんだよね。
ソフビや劇中と見比べて見て考えたけど、やっぱり一番の原因は顔にある。
玩具版のゼンカイジュランやガオーンの顔は、たぶん元ネタに寄せているという訳でもないにも関わらず無駄にロボロボしいデザインになっていて、立体感がありすぎるし瞳が小さすぎる。
ジュランは目を隠せるようにするギミックのせいで、ただでさえ小さい瞳が常に影になっちゃっていて、劇中のあの愛嬌のあるマスクとは似ても似つかない無機質な表情になってしまっているし、ガオーンも小さいだけじゃなく緑がやけに深くて少し怖い。番組のコミカルな雰囲気に反してキリッとしすぎている。
ブルマジーンはここが比較的マシで、ブルーンはそもそもメンバー内で一番ロボっぽくて"無機質な顔"が似合うメガネキャラなので違和感が少ないし、マジーヌの方も同様に顔立ちがハッキリしてて目の緑が濃いものの、デザイン的に口があってやや笑ってるおかげでメカっぽさは薄れていて、最低限の親しみやすさが残っている。


もしかすると、顔があんまり似ていると変形でガチャガチャ動かすときにちょっと痛そうだから敢えて機械的な顔立ちにしている……みたいな事情があったりなかったりするのかな、なんてことを思ったりもするが、そんなことを言い出したらファイナルフォームライドとかリボルブチェンジとか全否定することになるのであんまり関係ないよな?
ロボの体と情報量が釣り合わないからというのも当然あるだろうけど、これは見比べることができないのでなんともだよなぁ。少なくともミニプラを見る限りは大丈夫な気がするんだけど。顔さえ似ていればしっかりあの4人だと認識できたんじゃないかという可能性は、ゼンカイジャーならではの特徴というのもあって他の何よりも優先してほしかった気持ちもある。
もう一個事情としてあるとすれば、大獣神,ガオキング,マジキング,ダイボウケン(余談だがダイ○○と○○キングで合体してるんだな?)といった元ネタのロボを彷彿とさせる要素というのが実質この顔部分しかないも同然なので、ロボっぽくしておかないとそこのコンセプトがぼやけてしまうという部分だろうか。
でもそれだって別にその4戦隊がモチーフになってることが物語上で意味を持つこととかもなく、結局ただほんのり似てるよねってだけだったことを思うと、優先すべきは本当にそこだったのか? と疑問に思わざるを得ない。
機界モードのブサイクさ
僕がゼンカイオーを好きになれない理由の半分くらいが詰まっているのが、この機界モード。
……とにもかくにも、ブサイクすぎない?
ジュランやガオーンのシャクレルプラネットもかくやという下顎は、ロボ状態の足を最大限太くするためでありゼンカーイ!ギミックを分かりやすくするためのものでもあるので不問にするとしても、あまりにも大胆……を通り越して逆に繊細すぎる足の見立てと、これだけごちゃごちゃしたシルエットならせめて顔をキャラっぽくして締めるべきというか、もう少しくらい目は大きくてコミカルな方がかわいげがありそうなのに、かわいさもかっこよさもないてんで無個性な顔は、とても愛着を覚えることができない。
元よりガオライオンやガブティラに匹敵するような番組の顔にはするつもりがなさそうだったけど、だからといってなんでもいいはずは絶対になくて、せっかく単体で2モード変形するのに片方に魅力がないってことは、もはやそれは変形しないも同然だからね。もったいなさすぎる。

ヒーローモードはマシだったブルマジーンも機界モードは残念さが強くて、まずブルーンはダンプと言いつつ荷台が存在しないのでただのでかい車。そもそもダンプってチョイス自体がおそらく上下にぱかっと開くギミックから逆算されたものだろうに、そこが消えてるせいで本当になんの脈絡もない意味不明な変形機構になってしまっている。
対するマジーヌは、たぶん4体の中では一番マシなかたちをしてるしサイズもでかくて迫力のあるドラゴンなんだけど、こいつも顔がブッサイクなんだ……。マジーヌはあんなにかわいいのに、そしてドラゴンなんてかっこいいものの代名詞なのに、よくもまぁこんなにダサくできるもんだと関心すらしてしまう。
元ネタのマジドラゴンと見比べるとこう。

ドラゴンとか爬虫類の目って人間と違って前じゃなくて左右についてるイメージなのに、妙に寄り目なのに加えて、鼻周りにもシャープさが一切ない。これじゃもはや車力の巨人じゃんね……。
マジーヌはヒーローモードから機界モードへ変形させるために、わざわざ左右の羽を付け替えないといけないというのもめんどくさいポイントのひとつ。確かにマジドラゴンからは少し離れるけど、羽の向きなんてどっちでもいいだろ。
更に言うと、ジュランにブルーンとやや鬱陶しいギミックを仕込んでまで顔を隠そうと頑張ってた癖に、マジーヌの背中にはロボのときの顔が半分覗いているというお粗末さ。気にするのか気にしないのかどっちなんだよ! ハッキリしろよ!
ゼンカイオーの歪な見た目
そして一番の目玉であるはずのゼンカイオー ジュラガオーンとブルマジーン。

コンセプト自体は結構面白いと思っていて、白倉さんはプロデューサー座談会でバラメカに個性付けをすることが出発点だったと言ってるけど、確かに5体合体ではひとつひとつの印象はどうしても薄れてしまうので、合体の面白さというのを究極的に突き詰めて考えると、"2体合体"という最小公倍数に落ち着くと。
でもって、戦隊ロボはパターンというのが決まっているので近年は特に、1号ロボが発売された途端にやれ足裏にジョイントがあるだのないだのってことが話題になってしまう。
結局のところみんなはスーパー合体をこそ楽しみにしていて、5体のメカがひとつのロボになるっていう最初のギミックそのものはもはや"当たり前"となってしまっている感があるので、だったらいっそのこと、1号ロボに「大獣神とガオキング(マジキングとダイボウケン)が夢のスーパー合体」というニュアンスを持たせてしまえばいいじゃないかという、理屈はまぁ綺麗に通ってるっちゃ通ってると思うんだよね。
白倉戦隊2カ年計画としても、2体合体と初期構成で冒険してるゼンカイから、合体方式はいつもと変わらないけど大きさと可動で冒険してるドンブラへという流れは、非常に理想的なものに思える。
ただゼンカイオーはいかんせん、声優の声で喋るキャラの立った相棒の魔進たちが、単体で2モード変形して3体合体のランドメイジと2体合体のスカイメイジになり、更にスーパー合体してキラメイジンになる……という、昨年の1号ロボとあまりにも被ってる上に、あちらの方が上位互換って感じがしてしまうのが痛すぎる。
想像つくと思うけど、僕キラメイジンはかなり好きです。

偶然か必然か、ヒーローモードはちょうどキラメイジンといい勝負くらいの大きさで、これ単体で従来の1号ロボに匹敵するキャラなのだと言い張るのに必要最小限のサイズという感じがする。
実物の話に入っていくと、ジュラガオーンの足が細いのは世間でもたくさん言われてたけど、実際に買って見るとそこまで見た目的にめちゃくちゃ気になるってものでもなかったりする。
たぶん宣材写真とかではアオリで撮ってるから、必要以上に足が目についたんじゃないかと睨んでいて、実際に手元で見るときはいくら子供と言えども見上げるってことはなくて自然と俯瞰になるので、結局視線は上半身に集まる。
でもいま問題なのは見た目じゃなくて、接地面が小さいことに加えて重心が上に偏っているために倒れやすいこと。
両方持ってる方はブルマジーンと比べて欲しいんだけど、ジュラガオーンの方はちょんとつついただけでも後ろに倒れてしまう。
僕は全部のロボを集めてるわけじゃあないんだけど、こんなことは近年の1号ロボに限定すればなかなかないことだったんですよ。ゼンカイオー,ドンオニタイジン,キングオージャーとこれが3年続くので"近年"に説得力がないけど、ここまで倒れやすいロボってうのは一番新しくてもトッキュウオーまで遡らないとないんじゃないかな。それくらい珍しいケースだと認識している。
我が家には猫がいるので、おもちゃを飾っておいたりすると時々いたずらするんだけど、DXロボというのはプラモデルやフィギュアと違ってちょっとやそっとじゃ倒れないし壊れない頑強さがウリのはずで、そういう理由もあって僕はミニプラじゃなくDXを集める方向に転換したんだけど、このゼンカイオーはその信頼には応えてくれなかった。
ゼンカイジュウオーに至っては、たった1回落っことしただけで壊れたからね。スーパーツーカイザーSDの腕がポキッと。子供の身長以上の高さから落とした場合の耐久性は保証してないのかなとも思ったが、3歳児なんてもの投げたりするだろうからたぶん想定内の状態で壊れたんだと思われる。この事件もあって、ゼンカイジャーのロボシリーズには嫌なイメージがより強くついてしまった。あれは悲しかったなぁ……。
先程問題は見た目じゃないと言ったけども、スーパーゼンカイオーまで含めるなら見た目にも問題点というのはしっかりあって、やり場に困る専用の合体補助パーツまで使っているにも関わらず、なぜか左右のキャノンが綺麗に収まらない。
ジュラン側に最初から付いてる穴に指すとかなら設計が食い違っちゃうのも多少は仕方ないと割り切れるけど、わざわざ補助パーツを使ってまでこんなチグハグな合体見せられるのはちょっといただけない。
これがバンダイの合体動画だから間違いないと思うけど、肩のキャノンの付く位置が左右で前後にズレてるのよ。公式合体でこんな雑な設計、普通なら許されないでしょ。
— やんまヘボ (@yamma_heybox) 2022年1月13日
ゼンカイジャーのロボは、こういう無理やりさが本当に目につく。https://t.co/TvgqzKx8Qj pic.twitter.com/CqkNQXXtfb
そもそもゼンカイオーのコンセプトが、先述の通り『大獣神とガオキングという異なる作品のロボットが、世界の枠を超えて夢の合体!』みたいなもののはずなので、左右で規格が微妙に違ったりすること自体は、作品のテーマに合致するのでむしろポジティブに捉えてもいいとすら僕は思っていて、特撮用語的には瞬瞬必生だったり凸凹で何が悪いみたいな概念に沿うものだと思ってるんだけど、その考え方でこれは擁護できないのね。
なぜなら、まずジュランとガオーン、ブルーンとマジーヌは変形の機構が大雑把に共通していて、単体で遊ぶ分には覚えやすくていいのだが、コンセプト的には、とても「違うもの同士の合体」というニュアンスにはなっていない。
ジュランとガオーンが似てるのは、まぁ触ったことがある人なら分かるだろう。サウンドギミックを仕込む関係で頭部の処理が違うだけで、その他はほとんど左右対称の変形をする。

ブルーンとマジーヌは、マジーヌをドラゴンにするために回転というやや複雑な処理をしているせいで分かりにくくなっているんだけども、体の構成という視点から見てみると、ジュラガオーンはヒーローモードの腕と胸部分がロボの上半身、お腹部分が下半身を形成するのに対して、ブルマジーンは腕と胸部分がロボの下半身になり、お腹部分が上半身になるという、大雑把には逆転させたような構造になっている。

何を言ってるか分からない人は、ひとまずゼンカイジャーのときの顔パーツが、ロボになったときにどこにあるかだけを考えてみて欲しい。
ジュランの顔は上半身の背中部分にあり、ガオーンはジュランで言うところの音声ユニットが入っている部分、つまり上半身の腕の付け根らへんに格納されている。
一方ブルーンとマジーヌは見てわかる通り、左右の両足に2人の顔が配置されている。
2つのロボットは「違うもの同士が合体」というコンセプトに反して、玩具的な用語で言えばリデコに近い関係にある「似たもの同士が合体」していることになる(※)。
そして何よりも、ゼンカイジュウオーの元ネタであるドラゴンシーザーとジュランの元ネタである大獣神は同じ『ジュウレンジャー』のキャラなんだから、スーパーゼンカイオーはこれまでよりも更に左右のバランスは合っているくらいでないと筋が通らない。
コンセプトを持ってしてもスーパーゼンカイオーのチグハグさを擁護することはできない以上、単に不格好であると言わざるを得ない。実はブルマジーンの羽パーツも上から見るとついてる部分が左右で非対称なんだけども、前に張り出しているキャノンほどには違いが気にならないのでそこは別にツッコむつもりはない。
細かいところだと他にも、ブルガオーンにしたときに胸部のV字部分でガオーンの足がブルーンに干渉してしまう(公式の画像でもそうなってるので間違い探ししてみてほしい)とか、ブルーンピッカーを劇中の向きで持てない(正確には普段は無理して玩具と同じ持ち方してるが、必殺技時にはピッケル持ちに戻る)みたいな残念ポイントもある。
※リデコという言葉はどちらかというと、"マイナーチェンジ"という枠の中で、色だけ変わったリカラーに対して「色だけでなく頭部などの一部分が新規造形に変わっているもの」という意味合いで使われることが多いので、その本来のニュアンスでのリデコとはちょっと違う。ここで僕が言ってるのはもっと抽象的なもので、意味としてはトポロジー的なものに比較的近い。
例を出すなら、キューブイーグルとキューブゴリラは変形の"構造"がほとんど共通しているが、金型を流用している部分というのはおそらく一切ないので今回の話に近い。
対してキューブゴリラとキューブコンドルは一部金型を流用していてロケットパンチギミックなどもそのまま引き継いでおり、正しく"リデコ"の関係にあると言える。
キューブキリンとキューブモグラなども同様で「立方体を半分に開き、その片方をもう1段階展開する」という構造が完全に一致しているが、左右が反転していることもあり金型の流用はなく新規で造形されている。
煩雑すぎる変形合体
機界モードといいロボ状態の足といい、見た目が微妙なのは買う前から分かってたので、そこが犠牲になってるぶん遊びやすさだったりギミックの楽しさなんかに重点を置いた玩具なのだろうなと期待していたんだけども、それもあえなく裏切られた。むしろ、ゼンカイオーはここの乖離が一番激しい気がする。少なくとも僕は、ゼンカイオーを触っていて楽しい気持ちにはあまりなれないのだ。
変形する玩具について語るとき、パーツのつけ外しを一切行わずに(当然パーツを余らせることもなく)ワンピースの物体として連続性を保ち続けられるタイプのギミックを指して、俗に「完全変形」という言葉が使われることがある。
一般的な大人の玩具オタクは、単純かつ素朴に「完全変形であるに越したことはない」という感覚を持っている人が多いように思うが、僕はこれについては好きとも嫌いとも言えない微妙な距離を持って捉えている。
いや、少し前までは僕も多くの人と同じように考えていたのだが、近年になってから少しずつその違和感が言語化されたように思う。
分かりやすいのは、ドンオニタイジンの記事でも触れたサル/キジブラザーロボタロウの首だろう。僕はあれのような「つけ外しを嫌ったがためのアーム」というのが、どうにも好きになれない。
ゼンカイオーで言うなら、ガオーンライオンの腰回り(や、ジュランの顔が付いているプレート)がそれに当たる。あの玩具としての都合によって生まれたなんでもない"ただのアーム"がひとつあることによって、これは"おもちゃ"なのだという現実を突き付けられる感じがするというか、いきいきとしたロボットやキャラクターとして見ることが困難になる感じがするのだ。
あの極めて無機質なパーツを生み出すくらいならば、つけ外しによる変形の方がマシだと思うこともある。

……書いていて、感覚的な話すぎて他の人には伝わらないだろうなという気がしてきたので早めに次の話題に移りたい。ドンオニタイジンについてはともかく、ゼンカイオーに限ってはそのアームが「下半身だったものが腕になる」という大胆な変形に寄与しているので、まだマシだとは思う。ジュランの顔プレートも、音声を仕込んだことによるしわ寄せだし。
目玉であるゼンカーイ!ギミックも非常に惜しい。あれはガバッと口を開けてそのまま合体させるくらいのシンプルさがあってこそ気持ちいいものだと思うんだけど、パーツの付け外しが多過ぎてそれどころじゃあない。特に、2号に当たるブルマジーンが煩雑な変形になるのはまぁ比較的構わないのだが、全開合体というギミックの旗頭であるジュランにおいてもシンプルさが犠牲になっているのは、果たしてどうなのだろうと言わざるを得ない。
機界モードから変形させる想定で作られているにも関わらず、口を開けようとするとお腹のシールドがつっかえてしまって開き切らない(ゼンカイにならない!)し、裏を返すと口を開くことによってシールドを取り外しにくくなってしまうという決定的なパラドックス。
変形させることで次の変形ステップがやりにくくなるなんてこと、これまであっただろうか。……まぁ長い歴史のあるシリーズなので、探せば大抵のことには前例がありそうだけど、仮にあったとしても、基本的にそのようなことは起こらないようになるべく避けられているはずのことではあるはずだ。
にも関わらず、令和の世にもなってそんな初歩的な矛盾が放置されている。取り外すなら取り外すで、ガオーンのようにジュランの右腕にシールドをつけられるジョイントをひとつ設けてさえおけば、この問題は容易に解決できるはずなのにだ。

この右腕のジョイントがないことによってもうひとつ難点が生まれていて、これもまた言語化が難しいんだけど、僕は変形ステップの中で「ひとつのメカが合計3パーツ以上になる瞬間」がなるべくあってほしくないのだ。
僕はワンピースでの完全変形についてはそこまでこだわらない代わりに、パーツのつけ外しをする際はなるべく「取ったらすぐ付ける」という処理がなされていて欲しいというワガママなこだわりがある。紛失を防止するためにも、なるべく外したままにしておく動機というのは少ないに越したことはないはず。
スーパー合体をするために2号ロボがバラバラになるのは仕方ないことだと割り切れるが、1号ロボでそれをやられるのはまた話が違う。
取り外したシールドがどこへ付くでもないまま、更に尻尾ソードまで外さなくちゃいけないというジュランの変形は、コンセプトとしても美意識としても二重で残念な仕様となってしまっている。
例えば鎧武のアームズチェンジシリーズなどは、武器は武器として割り切っていて、フルーツの変形とは全く関係なく存在するものとして処理している。
フルーツの背面に付けておけるくらいはあってもよかったんじゃないかと思わなくもないが、これだけキッパリと諦めていればこちらとしても納得のしようがあるというもので、変形を楽しみたければ武器類はおもちゃ箱から出さないままにしておいて、飾るときだけ持たせるという切り替えができる。
でもゼンカイオーの場合はどのキャラについても武器を取り付けなければ機界モードが成立しないようになっているので、「武器は武器」として割り切ることが絶対にできない。
ちなみにだけど、ヒーローモードから直接ゼンカイオーに変形させようとすると、手順をちょっと工夫するだけで武器の取り外しを最小限の「取ったらすぐ付ける」という動作に収めることができる。
機界モードがあることによって、ゼンカイオーの持つ遊びにくさは生まれていると言っても、そう過言ではない。
しかし、当の機界モードは劇中で魅力的に活躍するでもなく、単にゼンカーイ!ギミックのためのスタンバイ状態に過ぎないし、スタンバイ状態であるにも関わらずお腹のシールドは変形の邪魔になる。この悪循環は一体なんなんだよ……。
僕は何度も言うようにジュウオウキングが一番好きな人間なので、割り切る部分はとことん割り切ればいいと思うのよ。シンプルさや遊びやすさを取るなら、似てないとか足繋がってるとかは気にならなくなるし、逆に見た目のクオリティが高いなら付け替えが面倒だとかも許せるんだけど(ドンオニタイジンは最低限できあがるロボはかっこよかった)、じゃあゼンカイオーはというと、どっちにも振り切れてない。
ごちゃごちゃしていて遊びにくいし、そのうえ似てない見た目も悪いじゃ、いいとこなしにも程があるだろう。
特に僕はよく遊ぶってよりは置いておく派なので(遊びやすければこの限りではない、ジュウオウキングは何往復でも変形させる)、どれかひとつでも「これだ!」って形態があればあとはそのおまけとして納得できる人なんだけど、全形態がそこそこだからどうやって飾ったらいいんだか分からない。色が好きだからとりあえずブルガオーンにしとくとして、ジュランとマジーヌは……どうしようもない……。
尤も超好意的に見るのなら、全部が中途半端ってことは全部がそこそこの点数でずば抜けた欠点みたいなのはないってことでもあるから、そのバランス感覚が合う人にはハマるのかもしれないけど、僕は小さなストレスが積み重なって駄目だった。
一応ゼンカイジャーのシリーズでも、ゼンカイジュウオーやゼンリョクゼンカイオー、ドンゼンカイオーなどは、つけ外しなどの面倒くささの基準はほとんど変わっていないものの、出来上がった見た目がそれなりによくまとまっているので、かろうじて好きになれるラインを超えている。
販促に対するやる気のなさ
ここまでさんざ語ってきた玩具への不満点を、補うどころかむしろ加速させているのが、『ゼンカイジャー』という番組の販促への姿勢だ。
前提として、ゼンカイジャーは販促物自体が非常に少ない。リアタイで追っていた人は体感として記憶しているかもしれないが、玩具の点数自体が目に見えて減っている。
参考までに、ジュウオウジャー以降のロボット玩具の展開をまとめてみたい。
劇場版に出がちなリデコかつ単体でロボにはならない玩具や、ファイブナイツ(騎士竜4体でキシリュウオー単体よりも高い)と3大シュゴッドセットのような商品をロボ1体とカウントしているなどやや恣意的なきらいはあるが、条件は各年でおおよそ同じなので大目に見てもらいたい。
エンヤライドンをどちらに含めるかは意見の分かれるところだと思うが、今回の主題は販促での扱いなので、たった一度しか登場しなかったゼンカイジャーではなく、ドンブラザーズ側のロボットとして扱わせてもらう。
(余談だが、作品の垣根を超えた合体というのがウリのドンゼンカイオーだが、エンヤライドンにドンブラザーズ要素というのはほとんどないように見える。タイヤに付けられるのがアバタロウギアであることと、青いクリアパーツで表現されるサイバー感こそ確かにドンブラザーズだが、肝心のモチーフが桃じゃなくセッちゃんみたいなトリというのは、どうにもゼンカイ要素が強すぎるように感じる。恐竜と鳥……というのは散々繰り返されたモチーフではあるし、強いて言えば井上敏樹要素という意味でジェットマンという繋がりがあるくらいだろうか。ともあれクロスオーバー合体の文化は続いて欲しかったのだが、定着はしないみたいで残念)
表としてまとめると、以下のようになる。
ジュウオウジャー 計5体+α
ジュウオウキング,ジュウオウワイルド,トウサイジュウオー,ドデカイオー(,キューブコンドル)+キューブウエポンキュウレンジャー 計5体+α
キュウレンオー,リュウテイオー,ギガントホウオー,オリオンバトラー(,ケルベリオス)+キュウボイジャールパンレンジャーVSパトレンジャー 計5体+α
ルパンカイザー(,パトカイザー),エックスエンペラー,ルパンマグナム(,ジャックポットストライカー)+換装VSビークルリュウソウジャー 計5体+α
キシリュウオー(,ファイブナイツ),キシリュウネプチューン,ヨクリュウオー,キシリュウジン+武装騎士竜キラメイジャー 計5体+α
キラメイジン,キングエクスプレス,ギガントドリラー(,魔進ザビューン),グレイトフルフェニックス+ウェポン魔進ゼンカイジャー 計5体(!)
ゼンカイオー ジュラガオーン,ブルマジーン,ツーカイオー,ゼンカイジュウオー(,ゼンリョクイーグル)ドンブラザーズ 計4体(!)
(エンヤライドン,)ドンオニタイジン,虎龍攻神(,オミコシフェニックス)キングオージャー 計5体+α
キングオージャー(,3大シュゴッド),ゴッドタランチュラ,キングコーカサスカブト,キョウリュウジン+ガーディアンウエポン
翌年のドンブラザーズが結果的にロボ2体にバイクとトリだけで乗り切っているという意味でかなり絞っているが、その目減りはゼンカイジャーから始まったものだと言ってもそう語弊はないのではなかろうか。
それまでは多少の前後はありつつも、ロボットが計5体に加えて換装したり武装したりできる商品が複数展開されていたが、ゼンカイジャー,ドンブラザーズではこれが完全に廃止されている。
タイミング的にコロナウイルスによる事情もあると思われるが、とにかく、販促物が少ないのだ。
物量自体が少ないのだから、単純に考えれば従来に比べてひとつひとつのギミックをより丁寧に描くことが可能……のようにも感じるが、ゼンカイジャーは何故か頑なにそれを拒む。
仮面ライダーWが3×3で9種類の組み合わせスーツをつくったというのは有名な話だが、ゼンカイジャーは2×2のたった4種類すらサボっている。キャラ的に関係性があるジュラマジーンと、僕が比較的気に入っているブルガオーンは、本当に全くと言っていいほど活躍の場を与えてもらえない。
確かにWのハーフチェンジと違い、ゼンカイオーのコンビネーションはただ人と人がくっついてるだけなので、能力のシナジーによる"戦闘スタイル"の違いというのはそれほど分かりやすく描けないだろうが、それでも"必殺技"くらいは個性をつけられるはずだ。ロボ状態での人格の入れ代わりという要素も、ただ武器が変わるだけで動きは変わらず、大して活かせていなかった。
更にはスーパーゼンカイオーやスーパーツーカイオーと言った、従来で言うところの強化合体に当たるポジションすらも同様の扱いを受けている。
世界の壁を超えた交流こそが番組の掲げるメインテーマであることは疑いようがないのに、どうしてなのか『ゼンカイオー ジュラガオーン』『ゼンカイオー ブルマジーン』『ツーカイオー』『ゼンカイジュウオー』といった、玩具単品でのプレイバリューだけに注目した販促に拘り、商品の垣根を超えたギミックについては扱う気がほとんどゼロに近い。
ゼンカイジャーが唯一誠実にこなした販促といえば、センタイギアを全種類使ったことが挙げられるだろうが、そもそもアバタロウギアと違ってセンタイギアはDXでの発売は最低限しかなく、食玩やガシャポン、雑誌の付録などで細々と展開していたものであって、優先度としてはDX玩具には及ぶべくもないはずだ。
過去の例で言えば、バーニングソーラーなどのタイヤコウカンしないシフトカーやナイチンゲールなどの未登場眼魂、2号ライダーや強化フォームのライドウォッチ、かぐや姫や一寸法師,三太郎のライドブックなどが該当するが、YouTubeでスピンオフが展開されたレジェンドライダー眼魂や、敵側の変身アイテムとして使用されたゼツメライズ/プログライズキーといった珍しい例を除き、積極的な販促はなされないものがほとんどだろう。
(更に細かいことを言うなら、センタイギアは玩具的には「1個で2種類のIDを持つ画期的なコレクションアイテム!」という部分が売りだったはずだが、レジェンドギアのビッグバンというのも使われた試しがほとんどない……っていうかない?)
ロボットのメインギミックを描いた上でそこまでやったならそれは素晴らしいだろうが、優先順位がイマイチ理解できない。
実際に売り上げに関する数字を引いてきて「売れてるから成功」「売れてないから失敗」のような判断を下す仕草というのを僕は好かないので、敢えて特別調べることもしないまま、あくまで「自分は魅力的に感じなかった」という話で貫かせてもらう。
まとめ
以上のように、玩具の出来も微妙な上に本編での扱いもおざなりで、全体的に魅力というものをびっくりするくらい感じられず、本当に信じられない1年間だった。
仮面ライダーでは等身大の戦士を活躍さえさせておけばそこまで大きな不満は起こらないから表面化しなかったけど、白倉さんって面白い番組をつくることに注力した結果として売れればいいって感じで、販促そのものを目的のひとつとしてはあんまり考えてないのかなというのを見せ付けられたような感じがする。
ゼンリョクゼンカイオーで多少盛り返したとはいえ、それはあくまで当初の予定になかったことなので、本来それ無しで完結していたはずの1号ロボである"ゼンカイオー"の2種に対しては、近年で……いやこれまで買った戦隊ロボ全ての中でもワーストに位置するかもしれない。
まぁ、本当に魅力としてワーストなのはツーカイオーのように手にとってすらいないロボだと言うべきな気もするが、それはある種売り手目線に近い話であって、ひとりの買い手としては、やはり「買わなかった」よりも「買ったのにガッカリした」の方がダメージが大きい。
今後はこのような気持ちにならないよう、購入には慎重を期したい。……って、なんで僕が悪かったみたいなオチになってんだ。
ゼンカイオーがつまんなかったの! おわり! こんなクソ長い駄文を最後まで読んでくださってありがとうございます!