やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーオーズ/OOO 第1話「メダルとパンツと謎の腕」 感想

メダルの出自

・無数のメダルが0と1に見立てられる映像、何回見ても意図が分からない。オーズにそんなサイバーなイメージ全くないけど。変身システムは太古のものだし、引き出すのも動物の力。精々Aパートアイテムがアンドロイドを文字ったカンドロイドってことくらいか。
パソコン云々というよりは、有/無や生/死という二項概念をなんとなく想起させるためのものなのだろうか。ハッピーバースデイと言うくらいだから、そこは割と重要な部分のはず。
余談ながら後年の『ゼロワン』と見比べると、意外と共通点見つかるけどね。復活したてのグリードはまさにメタルクラスタだし、アンク同様に変身アイテムを投げてよこす役割のイズとか、1話の敵がカマキリ(よく喋る)とか。

でも考えてみれば、オーズの正史(?)上にポセイドン/アクア……つまり時間移動の概念があるなら、実はメダルのテクノロジーは全部未来のものだったりするのかな。タイムマシンで過去に戻る一番の動機はやっぱり欲望だし、宝くじ当てたいとかさ。
過去に送られたメダルを分析して未来でつくられたメダルがまた過去に戻って……いわゆる"存在の環"が出来上がる訳だけど、円環構造はオーズにとってかなり大事な概念のはずなのでありえない話ではない。実際(?)、コアメダルはウロボロソライトという鉱石で形成されているらしい。
なんなら、地球で初めて生まれた生命細胞すら未来から過去に送られたものだと解釈してるのかもしれない。メダルだけじゃなくてモチーフとなってる生物も、円環を為す存在だと。確かにこの辺は仮に裏設定として決まってたとしても、ドラマにはならなそうだな……。
・それはそれとして、メダルが羽か何かのようにひらひらと左右に揺れながら落ちてるのは何なんだろね。とても金属には見えない。

 

グリード復活

・ヒーローになる青年が、薬のせいとは言えいきなり泥棒を前にぐっすり寝てるってのがなんか面白いな。警備員としての仕事も放置してるし。
ちょっと555の序盤にも通ずるものを感じる。あれもパンツパンツ言ってたし、夢がないという意味では主人公が無欲……仏ってガラでこそないけども。

・グリード復活。映像を追ってる限りでは、明確に考古学者が棺を開けたことが原因でグロンギが復活してしまったクウガとは違って、例え泥棒の2人がいなくてもアンクが封印を解いていたと思われる。欲望が本作のテーマであることを示すためにいるだけであって、グリードの復活とは本当に1ミリも関係ない。
とはいえ実際は、彼らの欲望に反応してアンクが復活したのかな、とは思うけど。

そもそもなんでタカコアだけ出てたんだろう。もし鴻上がグリードの封印を解きたくてやったんだとしたら、そんな回りくどいことしないで普通に全部開けてしまえばいいだけのような気がするのでこれは一旦却下。
考えられるのは「復活はさせたくないけど、箱だけじゃつまらないから少しは中身も展示したかった」「元からあの数枚は外に出ていて、本当はしまいたかったけど怖くて開けられないのでそのままにした」とかだろうか。

追記: 仮にあの泥棒の欲望に反応してグリードが復活したんだとするなら、少し距離あるとはいえ映司の巨大な欲望の方がきっかけとしては実は大きかったりするのかな。あの時点では抑圧しててあまり表には出さないけど。もしそういう裏設定があるなら、映司には確かに"業"があると言えるのかもしれない?
本人がその場にいたかは不明だけど、美術館に展示される前に鴻上がコアメダルを何枚か抜いてるはずで、その時は復活しなかった。あの泥棒が鴻上より大きい器を持ってるとはとても思えないし、トリガーは映司だと考える方が自然なのかもしれない。

 

・町中に、現金使えない上に出てくるのはジュースじゃなくてミニメカな自販機が配備されてるのも相当変だけど、あの狭い感覚で自販機が置いてあるのはなんか普通に怖い。
セルメダルは燃料とかじゃなくて、バイクモードを維持することそのものに必要なんだろうか。
なんかあれみたいよね、遊園地にある100円入れたら動く乗り物。メロディペット的な。

メモリブレイク

・初っ端から美術館(ミュージアム)をぶっ壊すのはW意識かな。カマキリヤミーにはあんまりWの面影ないし。
ライドベンダー隊を殺しているにも関わらずグリードたちが誕生を祝われるのは、Wを終わらせてでもオーズが生まれたことと繋がってるのかな。
前作との繋がりってことで続けるけど、怪人がそれ単体で独立した生命ではなくて、人間が変化した状態に過ぎずアイテムを壊せば元に戻る"メモリブレイク"ってなかなか画期的なシステムのはずなのに、改めて考えると案外その後の作品では定着してないのね。平成2期で明確に倣ってると言えるのはフォーゼ,ビルド,ジオウの3作くらいか。鎧武の敵はインベスじゃなくてライダーだって考えるなら一応派生系として数えて、10作中5作で半分になるか。あとそういう描かれ方はしなかったけど、設定的には眼魔も倒されてるのはアバターだけなので似てるか。なるほど、本当は倒してないんだけどそれを視聴者には知らせないことで倒す爽快感を与えるというのはなかなかテクニカルかも。

・「どんなものでも……この世に誕生するということは素晴らしい!」
先日Vシネ『復活のコアメダル』が発表されて、界隈が「あれだけ綺麗に終わったオーズの続編をつくるの……?」とザワついていたのを受けて、僕はこんなツイート↓をしたんだけど、そんなことをするまでもなくこの一言で片付いたな。

 

・わざわざ「返してもらったぞ」って言わなければ、取り返されることもなかったろうに。クールなイメージとは裏腹に、意外とお喋りなのねアンクって。時間移動についてだけどんな感じだったかチェックするためにMEGAMAXも少し見たんだけど、ミハルを馬鹿にしてゲラゲラ笑ってたし、結構陽気なやつなのかも。

・欲望のままに宝石を食らってセルメダルを貯めるヤミー。普通は宝石を手に入れたらある程度は"満たされる"はずなのに、それによって欲望のエネルギーを秘めたセルメダルがジャラジャラ生まれるのはちょっと不思議。全く分からんことはないけどね、1つ手に入れたら次も欲しくなるというのは。

 

・オーズ初変身。
スキャンしやすいように斜めにするベルトだけど、これによってメダルの位置に若干だけど上下の関係が生まれて、上から頭,腕,足の順になるというのはうまいデザインだな。
加えて本編でも、冒頭の復活シーンで"斜めにする"という行為に「ロックを外し力を開放する」という意味を持たせてあるし。
てか必殺技打たないのね!? 通常攻撃でも十分強いよってアピールなのかな。それともカマキリにカマキリだと相性がいいとか……。

 

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