やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーゴースト 第2話「電撃!発明王!」 感想

 

聖なる形状

・眼魂を生み出すために必要なのは、以下の3つらしい。
1.英雄に関するもの
2.英雄への思いを持った人
3.目の紋章
ゴーストのスタッフが後にセイバーをつくったことも踏まえると、一番はFateシリーズの設定も意識しているのかな。願いを叶えるために英雄を召喚する、と表現すればそのまんまだもんね。
しかし"目の紋章"ってのがひときわオカルトなんだよな。これもまた仏教関連の概念だからだけど。人の思いやそれが籠もったものに神秘的な力が宿るのは分かるけど、印を結んだだけで何かが起こるものなのか。
正解するカド』に、ワムというものが出てくる。これは異方という別世界から無限に電気エネルギーを取り出せる装置なのだが、ワムの本質はその形状そのもので、材質は地球上のありふれたもの……例えば折り紙でもなんでもよくて、形状さえ再現できればきちんと機能する。つまり、その形状が目印となって、世界のエネルギーが流れ出てくる穴を形成するような感覚。
観念的で的を得ないけど、形については後でもう少し書きます。

・仙人が御成に息を吹き込むことで、不可思議現象研究所ができる。その様子がめちゃくちゃ、セイバーの「人間のひらめきの源泉とはどこか」という問題に似ている。本作においてそれは幽霊のしわざ?
電気眼魔のように、脳内の電気信号をいじってるのかな。まぁ眼魔世界は思想が統制されてるので、それくらいはできてもおかしくない。

・次に現れる英雄が分かる仙人。メタ的な視点を持っていると解釈しないとなかなか他のロジックは思い付かないな。眼魔は1段階高次元な存在,世界だという話は多分そのうちします。

・電気眼魔はなんで自分でやらずに園田に発明させてるんだ? 車とか切ってたんだから物には触れるはずだし、そんな回りくどいことする必要がない。
英雄の裏モチーフはエジソンのライバルということでニコラ・テスラ。#コンパスというゲームにいるテスラも、自分じゃなくてあくまで発明品に攻撃させてるけど、なんかそういう自分でやらずに他人にやらせるみたいなエピソードでもあるんだろうか。
デザイナーの島本和彦氏曰く「忘れてた」らしいのが、眼魔の顔デザイン。こいつだけ何故か、黒い素面に青い目という眼魔コマンドに共通のデザインが全く機能していない。一応パーカーは背中側にあるけれど、パーカーを着たことにより電気眼魔になったって感じではない。脱いでも絶対テスラコイルだもん。
尤も、他の眼魔だってパーカーとは関係ない下半身とかも変化してるし、キュビちゃんが顕著だが顔も割とアレンジが加わるので、全く有り得ないとは言い切れないが。発明家なので、自分で自分を魔改造したという線もある。

話の流れが無茶苦茶

・「誰かは知らんが、あんたらもみんな帰ってくれ! 1%のひらめきがなければ、99%の努力は無駄であーる!」
これ、何度見てもマジで意味不明すぎて笑える。ゴーストのキャラには会話の文脈ってもんが全くないからな……1話のタケルがアカリの話ガン無視して英雄の素晴らしさを話し始めたのもそうだけど、本当にまったく突然、自分が言いたいことを勝手に言い出す。さっきもこんなこと↓があったし。
タケル「このモノリスは、眼魔や眼魂と関係あるんじゃないか?」
仙人「アイドンノウ?」
タケル「ごまかさないで教えてくれよ」
仙人「次に現れる英雄のゴーストはエジソンかも」
だから、いま何の話してるのか分からなくなっちゃうんだよな。

・アカリも御成も、やる気だけはひと一倍あるのにどうにも空回り気味なんだよな。「寺としてお悩み相談所を開こう」というひらめきがなければ、残りの努力は無駄。アカリに至っては現状何もいいとこがない。エジソンのセリフくらいは科学者なんだから得意分野に含めてもいいはずなのに、いつも言ってる「ゴーストなんていない」と同じように、最初から間違ってると決めつけていちゃもん付けるのは感じ悪い。
タケルも衒学趣味があるようには思えないけど、アカリに対して結構冷たくあたって一切フォローもないから、割と険悪。

・タケルが命について怒った。やっぱりあの死んだ時点で、命には一家言あるってことになってるらしい。それならせめてもう少し、死ぬまでの間苦しんだりとか、死後の世界を体験したりとか、そういうのを通して「死とは怖い、苦しい」ってタケルが身を持って知る必要があるのでは?
……と思ったけど、そうか。一応タケル殿、刀で切られて死んでる訳だから普通にめちゃくちゃ痛くて苦しかったんだろうな。単に、演出の都合で描かれてないだけで。
僕も割と「もう死んでもいいや」って思ってやけっぱちになることが多いけど、大体結局は「死ぬってそんな生易しいものじゃないんだな」って結論に落ち着く。

・もし本当に一週間前まで普通に高校生やってたんだとしたら、アカリ以外の友人が誰も心配してこないのは不自然だよね。元から、いてもいなくても変わらない幽霊みたいな存在だったのかな。

・情緒不安定になるタケルの様子が、なんかTHE FIRSTの晴彦(コブラ男)に似てた。一度死んでゴーストになって、蘇るまでのタイムリミットが99日……って状況が特殊だからいまいち想像ができないんだけど、単純に「99日後に死ぬ」と余命宣告を受けたようなものだと理解した方が分かりやすい。

タケルが死を怖がらない理由

・10年前のタケルとアカリの肝試しについての話、前回したゴーストドライバーの仕組みに通ずるものがある。8歳のタケルが本当に本人の意志でもって「俺が守ってやる」といった訳ではなくて、おおかたテレビのヒーローとか世界偉人録とかで聞いたセリフをかっこつけて真似してるだけだろう。ただ、そんな中身のない薄っぺらい言動でも、9歳のアカリにとっては十分心強く頼もしいものに思えて安心したというのがミソ。例え勘違いでも、実際に人の心が救われてるならそれは尊いことだ。

・そして多分、この会話をきっかけに、タケルは「アカリを始めとする周りの人を安心させるために自分がびくびくしていたらいけない」と思って、自分を信じて死への恐怖を表に出さなくなるのだと思う。クウガの五代や、ヒロアカのオールマイトみたいな。
ゴーストの評価のひとつとして「タケルが死んでるのにあんまり気にしてなさそう」というのはよく見かけるが、それはこういうことだったのね。クウガにも意外と、五代が脳天気すぎて感情移入できないって言ってる人いるもんね。

 

形の真似と本質理解

・寺でひとり座禅を組むタケル。
最初にした印の話にも戻るけれど、こういうのって形が大事なのよね。悟りを開いた人も、過去に見聞きし触れてきた経験が複雑に絡み合った結果として今の境地に立っているのだから、それに近付くためには同じ経験をしようとするのは道理だ。
ずっと座禅をして体に負荷をかけることが重要なのかもしれないし、目を閉じて瞑想することが重要なのかもしれない。ともかくまねっこしてみることから、学びは始まるのだと思う。
「人間はそんなに単純じゃないので、同じライドウォッチというあの時計型デバイスを使っていたからと言って突然同じ思想になったりなんてことはしないけれど、仮面ライダーは基本毎回1度は変身するし、となると何十回何百回と触ることになる。演者さんは更に何テイクも多く扱っているだろう。それだけ多くの時間触れていれば、極端ではなくとも影響がないということも稀だろう。
例えば、ブーバキキ効果みたいなイメージで、丸っこいものを多く触っている人は、ひょっとするとカクカクしたものを多く触っている人よりも、まるい性格になりやすいかもしれない。そんな気、しない?
もうちょっとだけ分かりやすい例を上げると、素読に期待される効果と似たようなものなんじゃないかな。意味の理解はさておいて、とりあえず同じ音を発してみる。御経を読むのとか、「南無阿弥陀仏(なんまいだー)」って唱えるだけで救われるみたいな大乗仏教的な思想も多分そう。
じゃあなりきり玩具で遊ぶことから具体的に得たものを挙げろと言われたら閉口してしまうんだけれど、無意識レベルでは僕もしっかりと影響を受けて、相手を理解するための地盤みたいなものが比較的形成されていると思う。」
(参照:ポケットモンスター(2019) 第3話「フシギソウってフシギだね?」 感想)

 

・高校生当時の僕は「命は大切なものなのになんで燃やしちゃうんだろう」なんて馬鹿なことを考えていたけど、逆だよ逆。大切だからこそ、燃やすことに価値があるんじゃないか。「カードはお守りじゃないんだ。使うときに使わなきゃ、意味がない」。
ところでこのロケ地『カメラを止めるな!』のとこ? なんか似てる気がする。

エルドリッジ

・眼魔が偉人のゴーストを取り込むなんて、どうしてそんなことができるのか昔から疑問だったんだけど、西園寺によってゴーストのパーカーが持つ力を宿すシステムを逆輸入したのが現在の眼魔怪人らしいので、そう言われると確かにできるような気がする。重ね着みたいなもの?
巨大化後のモチーフはニコラ・テスラ関連でフィラデルフィア計画の船エルドリッジだそうで、その内容はテスラコイルを使って船を敵艦から捕捉されないようにするステルス実験だったというのだから、まさにゴーストにぴったりのモチーフだね。

・記憶が確かなら、これっきり使われないオオメダマ。
トリガーを4回引いて、というのは"死"にかけてるのかな。眼魂の絵柄が4種類で一周するのもそう。
ベルトからでっかいブランク眼魂が出てきて……というのは、一見突拍子もないような気がするけど、英雄のゴーストを眼魂にするために、ゴーストドライバーはブランク眼魂を(無から?)生成する機能が備わっているので、それの応用なのかな。パーカーゴーストが眼魂に変化しているようにも見えるけど、眼魂を装填した状態でニュルっと出てくるので、両者は別物。ドライバーが生成したブランク眼魂にパーカーゴーストの力が加わって、英雄眼魂として出てくる。
なんでぶつけたらゲートが閉じるのかは謎だけど。

・「人の命は、自らの運命を切り開くためにある。その無限の可能性を馬鹿にするな!」
でも、暴走した転送装置を止めたのはゴーストのオオメダマだったから、園田さんは結局何もしてないよな……エジソンのゴーストこそ生んだけど。
「人間は道具じゃない」については、こないだ読んだカントの本に似たようなことが書いてあったな。人間が人間として生きることはそれ自体が究極的な目的であって、何かの手段であってはならないと。

・地球侵攻がしたいアランは眼魔ホールが破壊されたので「無駄だった」と評するが、英雄眼魂を集めたい西園寺は「有意義だった」と言っている。何気に、二人の目的の違いを説明してるのね。

・そこそこの文量になったので、イグアナゴーストライカーの話はまたにしよう。

 

ゴースト感想一覧

前話

仮面ライダーゴースト 第1話「開眼!俺!」 感想

次話

仮面ライダーゴースト 第3話「必中!正義の弓矢!」 感想