やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーゴースト 第3話「必中!正義の弓矢!」 感想

道具に善悪はあるか?

・ゴーストにおいて初めての、眼魔じゃなくて生身の人間が悪事を働く描写。「本当に悪いのは人間の悪意」じゃあないけれど、眼魔も元を正せば人間なのでそれを無意識下に刷り込むための演出なのかな。

・「人間は道具に過ぎない」と言う電気眼魔だが、刀に槍、電波受信機に斧と、彼ら眼魔こそ"道具"の化身なのが皮肉よな。
イメージ的には、やっぱりAIが心を持って逆に人間を支配する……みたいな"モノの逆襲"なのかな。ただ前年のドライブが割とそれを前面に出してやったから、あまり深く言及されないままだったのかもしれない。
そういえば、ゴーストのペルソナ(仮面)もほとんどが無機物モチーフだな。ムサシは刀、エジソンは電球、ロビンは弓矢……敵と同種の力を使ってる訳か。

 

・西園寺のシーンで鳥……クジャクとフクロウの置物が意味深に映ったけど、なんなんだろうね。YouTubeでの配信に合わせて2話セットで見てるから「そういえば眼魔にも鳥ついてたけど何か関係が?」と一瞬思った。それは次回のブック眼魔ね。
あれかな、鳥の目って不気味だから目玉モチーフの作品として入れてみたって感じなのかな。それに俯瞰的、みたいなニュアンスも付属するから、死者の魂とは相性が良さそう。

・眼魔の目的……それって突き詰めれば"生きること"だよね。自分たちが生きるために地球の人類から生命エネルギーを貰おうってことで、実際には眼魔は死者という意味でのゴーストではなかった訳だけど、なんだか仮面ライダー大戦の「死者と生者をひっくり返す」にも似たものを感じる。

 

メタ的な視点を持つ仙人

・ゴーストが見えるようになったはずのタケルから見ても"消える"仙人の謎。
更に加えて言えば、次に現れる英雄が分かるのも不思議過ぎる。ムサシはタケルが生んだけど、現状エジソン以降は眼魔側が積極的に作り出そうとしてるので、眼魔陣営の動きをもし逐一報告させてるなら、そのくらいは分かってもおかしくなさそうか。
或いは、ゴースト化(幽体離脱)って物事の客観視やメタ認知の比喩として捉えられるので、仙人はメタな展開を読めるのかも。

それはそれとして、この馬はなんだ。今回の敵である斧眼魔にもついてるから何かしらの意味があるんだろうけど……。
弓兵は割と馬に乗るイメージが強い(騎射)からロビンのものまねとして仙人はつけてるのかもしれないけど、それだと敵にもついてるのが分からん。

 

・「年上にはさん付けでしょ」
このセリフやっぱりあまり好きじゃない。アカリらしさが出てるわけでもないし「とりあえず間を持たせるために喋らせる適当なセリフその19」って感じ。まぁ前回と違って今回はまだ、笑顔で言うっていうちょっと変わったことしてるけど。

アカリは別に尊敬されたい訳じゃないだろうし、何より「年上だから」という理由で強制的に敬わせるのは論理性に欠けていてアカリらしくないとさえ思う。
ビルドの龍我とかも別に普段から年のこと気にしてる訳でもないし、そうするなら刑期とまぜて「あんまり年取ったら社会復帰が」とか言わせておけばまだ個性も出せたかな。
大好きだから何回でも繰り返すけど「お兄ちゃん? おじさんでいいんだよ」と言い放ったヒビキさんの大人っぷりを少しは見習って欲しい。

・警察を当てにしてない人が得体のしれない不可思議現象研究所を訪ねてくる理由としては、根本的に大天空寺がそこそこ有名なんだろうな、多分。弥生時代からずっとここに住んでる訳だから相当な古株だし。

 
御成の決めゼリフ

・今回の禅問答。
「本当に不可思議なことを、解決できるんでしょうねぇ?」
「答えは、あなたの心にある」
一応御成の決めセリフなので、真面目に考えてみる。言葉通りに受け取るなら明らかに疑っているので、答えは「解決できない」。もしくは事実として頼ってきたことから心の奥底では信じているので「解決できる」。若しくは単に「分からん、俺に聞くな」という意味か……。
ただ今回の事件の背景を考えると、被害者たちはみんなやましいところがある故に襲われてる訳なので、解決するかどうかはあなたの積んだ徳次第、つまり自業自得だから自分の胸に手を当てて聞いてみろって意味だとするなら、割と的を射たこと言ってる気もする。

 

・なんか今回めっちゃビルドじゃない?
マスコミのマリは紗羽と同じ役者さんだし、雨の中でマリの父が死んでるシーンは記憶喪失の戦兎が目覚めた場所にそっくりだし、そういう目で見始めると地下の研究室もなんだかnascitaの秘密基地に似てるし、そこでアカリは戦兎よろしく過去のデータを漁って不知火開発(模倣?)のヒントを得る。
何、ビルドってゴーストのフォロワーだった訳? 確かにライダーシリーズは前作との差別化をはかる側面が強いから、裏の裏は表ってな感じで自然と前前作に似た要素が出てくることはあるけども。

・不知火って名前こそ有名だけど、九州のある海で一時期だけ見られるというかなり限定的な現象らしい。めだかボックスに不知火半袖というキャラがいて、本作のキャラ名は基本的に九州の地名から取られているのよね。僕も文脈気にせずしたい話をするぞ。
で、その現象の正体とは、漁船の漁火が光の屈折によって異様な火のように見える現象だそうで。YouTubeで検索すりゃ動画出るだろと思ったけど読みが甘かった。相当レアらしい。
ここで気になるのは、不知火とは「本当は存在しないものが見える現象」なのに、どうして「本当は存在するけど見えないもの(を可視化する物質)」の名前として使われてるのか。原理的には正反対じゃんね。

・水辺には来たけども、まだゴーストも眼魔も水に触れていない段階でカメラ濡れてて、水飛沫が立ち始めてからは濡れてないの意味分からん過ぎて死ぬほど笑った。

 

・偉そうに正義ヅラしてたマリさんだけど、ロビンフッドの弓矢を盗むのは果たして本当に義賊行為なのか? 別にこれを売ってどこかに寄付しようって流れでは、全然なかったよね。ただロビンフッドが好きで持ち主が悪人だから貰っちゃおってだけ。

・ユルセンは"おっちゃんの分身"らしい。猫なのに……"誰でもある"から猫でもある?
コンドルについてWikipedia等で調べてみても「首が長いのが特徴」とは書かれてないから玩具ギミックの都合で長くなってるだけなんかな……と思った(Wiki人間の悪い癖)けど、キューブコンドルも長いしな……と思い直して実際の画像や映像を確認してみた。まぁ、長いと言われれば長い気もするけど白鳥とかサギはもっと長いしなぁって感じだった。最大の特徴は"デカイ"ことらしいので、確かにそう言われるとそれを玩具のスケールで再現するのは難しそうだ。そういえばこないだ友達と動物園行ったときに、見たような気もするけど……クジャクとかダチョウと比べたらあんまり印象に残らなかった。あくまで「飛べる鳥の中で最大」ということらしいので、飛んでるところを見られない動物園では目立ちようがないのかな。かなり風が強くないと飛べないらしいし。
そんなこんなで扱いが難しいにも関わらずなんでモチーフに使われてるのかそれらしい記述を探してみたけど「生き物の"死体"を食べる」ということくらいしか、ゴーストとの親和性は見出せなかった。

・命と引き換えにゴーストを呼び出すのが眼魔のやり方らしいけど、凡人1人の命と引き換えに偉人のゴースト呼べちゃうのね。
不思議なのは、じゃあ人の命が一体英雄を呼び出す条件のどれを代用してるのかってことなんだよな。
今のところ英雄ゆかりの品は弓矢があるし、英雄への思いを持った人はマリさんだし、目の紋章は宙に描けばいいだけだし、別に代償としての命が入る余地はないのよね。強いて言うなら、思いが足りない場合に命で補完すればいいってことなのかな。

 
万能!?タケルのハグ!

・タケルのハグには正気を取り戻させる効果があるらしい。なんだ……それは……。
「眼魔に目をつけられた人間はどんどんおかしくなる」とユルセンが言っていたし、前回電気眼魔がアイディアを操作していたように、もしゴーストである眼魔が人間の精神に干渉することでマリの思いを暴走させているのだとしたら、同じゴーストであるタケルにも精神干渉の力、或いはそれを打ち消す力があるのかもしれない。
「最初から不知火使えば、マリさんも利用されてるだけだと気付いたのでは?」と思ってたけど、そういうことならハグする前に可視化しても意味はなかったかもしれない。

・変身が羨ましい御成。元々パンクロッカーだったらしいし、そこから出家して僧侶になったことも踏まえると確かに変身願望は強いのかもしれない。仏教ってことは、最終的には仏様になるのが目的でもある訳だし。

 
それ、盗品ですけど……

ロビン・フッドの弓矢、普通に盗品なんですけど、勝手に眼魂にして勝手に使っていいんですかね。いや、良くないです。ロビンフッドと同様に例えアウトローな方法であっても正義のためなら、悪人から持ち物を盗むくらいは目を瞑ってもいい……というのがやりたかったのかなとは思うものの、「やるなら正々堂々とやるべきだよ」というタケルの主張にも反してるし、ロビンの力さえ借りられれば眼魔を倒せそうだから……という逼迫感があった訳でも別にない。タケルはそりゃ、あれがないと生き返れないけどもね。
ただ綺麗なだけのヒーローにしないように敢えて悪い面も持たせる演出はよくあるけど、これに関してはそもそもしれっとし過ぎてて気付けないので微妙なところ。僕も後年になって何度か見返して、初めて気付いた。しかも、結局最後まで持ち主にはなんの断りも入れてないし、そもそも悪人だとされている持ち主が頼めば素直に渡してくれるとも思えない。
ちなみにめちゃくちゃどうでもいいけど、ロビン魂になって顔がアップになるカットで、カメラマンなのか音声さんなのか明らかに制作側の人がマスクに映っちゃってるのが、次回予告の時点からめちゃくちゃ気になってた。映り込みすごいと大変ね……。

・斧眼魔の張ったバリア、別に斧とも英雄モチーフとも関連が見いだせない。……そもそもユライ・ヤーノシークって誰ですかと思ったけど、それを言い出したらロビン・フッド(フード)もゴーストで見るまで知らなかったわ。ビリー・ザ・キッドとフーディーニなんかもそうね、勉強になる。
謎バリアに関しては、元々戦争用の眼魔アサルトに備わってるデフォルトの機能なのかもしれない。

 

・タケルがゴーストになって眼魔を倒し始めてからまだ3話目だというのに、西園寺がアラン様に聞き飽きられるほど言い訳してるのは何故なんだろう。それまでは今回存在が示唆された第2のライダー・スペクターが眼魔討伐をしてきたのかなとも思ったが、彼はアラン様と旧知の仲だしお互い邪魔をするような関係だったっけ? 記憶が曖昧だ。
或いは、西園寺のミスで自滅してきたのかもしれないが。だとしたらアラン様が怒るのも無理はない。

・空回りしがちな御成でもたまには役に立つというのはいいと思ったけど、これって結局役に立たなきゃ生きてちゃ駄目なのか? って問題とも背中合わせなので、いっそ御成は本当に何も役に立ってないけど許すって流れでも良かったのかな、と思わなくもない。
子供向けとして「どんな人でもきっと何かの役に立てるはずだ」という希望を描くという意図なら、分かる。

 

ゴースト感想一覧

前話

仮面ライダーゴースト 第2話「電撃!発明王!」 感想

次話

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