やんまの目安箱

やんまの目安箱

ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

特撮雑談クラブ 第19回「ゼロワン」

7/23(土)21:00〜に行った特撮雑談クラブ 第19回「ゼロワン」の書き起こしです。

 話題候補
夢と笑い、不必要なもの
AIとの共存、命の価値と同一性
お仕事の扱い方
意志と責任/本能とプログラム
社会秩序と社会正義
動機,手段,結果の善悪
令和シリーズ

 

youtu.be

 

やんま「特雑 第19回「ゼロワン」を始めたいと思います。今日は基本『ゼロワン』の話がメインになるんですけど、『ギーツ』も発表されて、脚本が高橋悠也さんってことで。ちょっと『ゼロワン』について改めて、良しにせよ悪しにせよ話してみようじゃないかという回です。
僕は結構『ゼロワン』は手放しで好き派というか。世間的には「最初は良かったけど……」みたいなのが多いですよね。途中微妙になって、まぁ最後ちょっと良かったかな? ぐらいの……あと映画は好評かな、くらいの認識ですけど」
 SONGENさん参加

SONGEN「令和4作目も」
やんま「そうですね、発表されて。なんだかんだ制作陣的には、好評というか、買われてるって感じなんですかね、高橋さんは。白倉さんも使ってたし」
SONGEN「お試し感ありましたけどね、『アマゾンズ』は。買われてるんじゃないですかね、やっぱり。ちゃんと1年脚本書き続けられる人って」
やんま「それは大きいですよね」
SONGEN「あ、予め明らかにしておくと、僕は『ゼロワン』否定派なので、やんまさんから何か投げかけてもらったらそれに対して……」
やんま「あぁ、そういうかたちでいきますか。じゃあとりあえず(話題候補の)上から。『ゼロワン』がテーマをちゃんと扱えてたかどうかみたいな話になるのかな?」
SONGEN「テーマね」

01―不必要なもの

やんま「まずゼロワンって名前は僕結構好きで。好きっていうか洒落が利いてていいなと思うんですけど。
"令和"もそうだし、1作目だから01ってのも分かるし……しかも、1っていう数字を表すのに0ってつける必要ないじゃないですか、1(one)でいいところを、わざわざ01(zero-one)っていう表現にするっていうのは、ヒューマギアもそうだけど「本当は要らないもの」……絶対必要って訳じゃないんだけど、あったらいいなくらいのもの? についての話なんだよっていうのがちゃんと表れてて、すごくいい名前だなと思うんですけど。
っていうのは、ヒューマギアとか、夢っていうものとか、あと笑い……人生についての笑顔とか、そういう、まぁなくても生きていけるけど、でもあったらいいよねぐらいの。ヒューマギアはちょっと難しいとこではあるんだけど」
SONGEN「そうですね、そんなこと言ったら仮面ライダーみたいな娯楽もそうですよね。あってもなくても。仕事とかもね、結構俺そういうものだと思うんですよね。サービス業とか、別にあってもなくてもみたいなところありますよね。なくちゃいけないのもあるけど」
やんま「はいはいはい、そうなんですよね。本当に必要な仕事ってなかなか……まぁインフラとか、警察とか……警察は最悪なくてもいいけど」

転売の善悪

SONGEN「転売みたいなね、本当になくていいのに、そこに無理やり価値を生み出そうとすることもありますけどね」
やんま「いやー、僕転売……」
SONGEN「転売肯定派でしたっけ?」
やんま「肯定派!?(笑) 肯定派っていうのともちょっと違うけど、何が悪いのかまだ実感してない派だから……。自分の欲しいものが転売屋のせいで買えねぇみたいな経験がないからかもしんないけど。逆に、転売屋って言われるものなのかなって思う人から買うことも結構多いから」
SONGEN「あぁ、買ってるんだ」
やんま「んー、あれですよね。直後に高い値段で出してるとかじゃないけど、数年語に新品で定価よりちょっと高めに出してるみたいな人。それもまぁ、転売っちゃ転売だよね新品なんだからっていう。その人が買って、使わないで取っておいてくれたおかげで、まぁ売れ残ってんだか、自分が使うつもりで取っといたのがたまたまやっぱ要らないってなったのかは分かんないけど、それのおかげで僕は買えてる訳だし」
SONGEN「昔はそういうのもあったかもしれないけど、今やってるのは明らかに、在庫枯らして値段釣り上げてみたいなことやってるから、それは違うなと思いますけど。元々あった川の流れを無理やりストップして、旱魃してる地域に水ですよって配ってるみたいな例えがありますけど」
やんま「なんかそれもねー難しいとこですよね。『ゼロワン』のテーマとも繋がってくるけど、転売屋個人個人の善悪とちょっと別の次元の話じゃないですか、それって。テンバイヤー集団としての、集団全体として結果的にそうなっちゃってるだけで……」
SONGEN「いや、そんなことないですよ。集団でやってますよ転売屋って。この在庫枯らそうってみんな示し合わせて在庫枯らしたりとかやってますよ」
やんま「あ、そうなんですか!? へぇ……それはあくどいっすね、確かに。あくどい……うーん。基本はねぇ、市場経済って早いものがちで回ってるから」
SONGEN「資本主義としては間違ってないらしいんだけど。それだけで済むものじゃないじゃないですか、気持ち的にも。『ヒーローと正義』にも、資本主義とか民主主義じゃなくて功利主義だみたいな話ありましたよね、そういう(pp.156-164)。いま資本主義ってことになってるから、この世界は。まぁ見方によるってことですよね」
やんま「功利主義ね……功利主義の考え方でテンバイヤーってなんとかなるのかな……あれですよね、最大多数の幸福みたいなやつですよね。
んーやっぱ釣り上げの値段の度合いにもよりません?(笑) 100円200円とかだったら全然……」
SONGEN「限定品が東京でしか販売してなくて、その交通費分だったら安いかみたいな気持ちで買っちゃう人とかはいるんだろうなって。まぁそういうときは、そんな限定品つくるなよって思いますね」
やんま「東京とかで品薄らしいって話を聞いてるけど、僕の周りでは結構普通に在庫あるなぁみたいなこと結構あるから、ちゃんと転売屋さんがうまく、必要なところで活躍してくれればいいのにな、世の中ちゃんとうまく回るのになって思うんですよね」
SONGEN「まぁそれだったらね、胴元がちゃんと通販してくれるとか、そういうことがあればいい訳であって」
やんま「通販ね……それもだって、利回りがちゃんとしないとできない訳じゃないですか。それを個人個人が勝手にやってくれるんであれば、それは便利っていうか、なんて言う? Wikipediaみたいなシステムですよね。善意の一般人に任せて、価値ある体系をつくるっていう」
SONGEN「まぁ善意ならね」
やんま「メルカリって割とそれに近いところあるなと思ってて。まぁ悪意ある人もそりゃいるけど」
SONGEN「価値ある資源を……SDGsみたいな、そういう空気もちょっとあれですよね、息苦しいですよね。俺は地球単位で言ったら別に、人類が地球を滅ぼしてしまってもいいとは思ってるけど。まぁでもよくあるじゃないですか、人類は地球に住む寄生虫だみたいな。それも分かるなっていう」
やんま「人間ね……別にだから生物って必要だから生まれてる訳じゃないんだよな(ヒューマギアを念頭に)。地球もね、あってもなくても変わんないし(笑)」
SONGEN「まぁ地球はね、人間がいて、観測されて初めて……みたいな考え方もありますよね。なんか、なんの話をしてるのか(笑)」

白暗三原則・親殺し,同族争い,自己否定

やんま「価値あるもの、価値を見出す存在が人間しかいないから、人間中心の考え方になるのはしょうがない……っちゃしょうがないんだけど、そこにヒューマギアが現れたら、っと多様なものの見方になるんじゃないっていう話、『ゼロワン』は。
そう、ヒューマギアってだから根本的に人間とは違うんですよね、根っこのところが」
SONGEN「ヒューマギアというか、人工生命体シリーズは『ドライブ』から……グリードも人工生命体っぽかったけど、『ドライブ』からやり始めたなぁと思って。見てないんですけど、ちゃんとは。『アマゾンズ』もそうじゃないですか、人がつくった怪物みたいな。改造人間は人間にくっつけてたからあれだったんですけど、『アマゾンズ』俺すごい気持ち悪かったのは、人工生命体だからってところなんですよね。受け入れ難くて。SF的にはよくあるテーマなのかもしんないけど、人間がつくったものだから結局"子殺し"になってくるじゃないですか。だからそこがなんか違うのかなって思ってます。Season2だと本当に子供殺してるけど」
やんま「なんか考えてて思ってたんですけど、平成ライダーシリーズって言うほど親殺ししてないなって。どっちかっていうと同族殺し寄りじゃないですか? 基本がというがベースが。『クウガからして、別にダグバって親じゃないし」
SONGEN「まぁ親殺しって言い始めたのは白倉さんだから、『クウガ』は……」
やんま「そうそう。白倉さんうまいなって思うのは、あの三原則は決して善悪については語ってないってところが。親殺し同族殺しって言うけど、その親とか同族って相手が善か悪かによって本人の善悪も決まる訳だから。悪い親を殺すんだったら善……だし、良い親殺すんだったら悪だしっていう。まぁだからダークライダーもアリなんだよって。
あの三原則をどの辺で言い始めたのかはちょっと気になるんだよな」
SONGEN「俺もよく分かってない……『ヒーローと正義』には載ってなかったな。なんとなく知ってますよね、みんななんか」
やんま「それこそWikiとかにね、載ってるから。仮面ライダーの定義って。一番"親殺し"なのは『アギト』ですよね。まぁ殺してないか、殺してないわ」
SONGEN「大事なのは"自己否定"なんじゃないかなって思うんですよね。それこそ必要ないものなんで、ヒーローなんか」
やんま「なるほどね、自己否定ね。その観点から言うなら、確かに『ゼロワン』は自己否定はしない……し『エグゼイド』もしない」
SONGEN「まぁ、作風が明るくなっていきましたよね。変に話の展開でウジウジ悩んだりとかするところはあるけど、自己否定まではしない。むしろ楽しくヒーローやってるみたいな感じが」
やんま「最近はなんか楽しさ優先ですよね。『セイバー』はシリアスだったけど、バトルに関しては」
SONGEN「でも『セイバー』も割とヒーローやることに対して前のめりというか、俺が救うんだみたいな」
やんま「なるほどね、ヒーローごっこみたいな文脈で……それはある。前向きではあるか。『リバイス』はアレだし。『ギーツ』どうなんだろう自己否定やるのかな、やんない気がするけど。
"仮面ライダー"の定義の話します? 『ゼロワン』の」

仮面ライダーの定義

SONGEN「見つけたんですか? 仮面ライダーの定義(笑)」
やんま「まぁ定義は……昔記事を書いた通りなんですけど、定義なんてなくていいよって思ってる人なので(参照:"仮面ライダー"の定義を考える/自然と自由の象徴として)。
『ゼロワン』における定義って、まぁ『令ジェネ』の文脈っていうのもあるし……基本だから『ゼロワン』の世界では名乗ったもん勝ちというか。本人が「仮面ライダーでありたい」と思ったらそれは仮面ライダーなんですよ、だから別に定義とかって必要なくて。結局その本人の自由意志(意思表明)があるかないかっていうのが一番重要なとこなんですけど。
それで言うと公式読本読んでて、マギアとレイダーも一応仮面ライダーとしてデザインされてるっていう話があって。第1話の予告でベルト(ゼツメライザー)で変身してたから、怪人もライダーみたいに扱われるんじゃね? みたいな話が当時ありましたけど。Vバックルみたいだから。
蓋を開けてみたら意外と普通の怪人だったんだけど、でもよく見るとちゃんと仮面ライダー的な複眼があって、一応仮面ライダーとしても見れるようにデザインされてるらしいっていうのがあって。
だから名乗ってないだけでアイツらも一応ライダーっちゃライダー……そう解釈してもいいかなぐらいの存在なんですよね」
SONGEN「システム的な? ……とかじゃなくて?」
やんま「まぁシステム的な話と解釈してもいいし……うーん……。まぁマギアはちょっと微妙なんだけど、レイダーなんかは特に――」
SONGEN「自由意志の」
やんま「自分の立場とかを守るために関わってる訳じゃないですか」
SONGEN「小さい正義ってことですか。レイダーって五番勝負編の」
やんま「そうそう。『龍騎』のやつらと同じみたいなもんなんですよ、自分の願いのために戦ってるって意味でライダーなんですよね、彼らは。ライダーってかレイダーだけど」
SONGEN「レイダーってどういう意味でしたっけ、追う者?」
やんま「レイドは襲う……かな。レイドバトルとかのレイドですよね。マギアは魔法使い……(みたいなニュアンス)。
だから『令ジェネ』の話になってくるんだけど、其雄が示した仮面ライダーの定義っていうのは、自分の笑顔は自分で戦って掴み取るっていうのが根本の理念としてあって。だから其雄はフォースライザーを滅亡迅雷に渡したり、ゼツメライザーを一般販売してる訳ですよね」
SONGEN「一般販売して……自分で身を守れよみたいな話でしたっけ」
やんま「ヒューマギアはこのままだと人間に抑圧されて権利が侵害されちゃうから、それに対抗するために武器をとって戦おうぜっていう」
SONGEN「そもそも最初の滅亡迅雷編の滅亡迅雷の行動があんまりよく分かってない……でもあれか、データを集めるかなんかでしたっけ」
やんま「そうそう、ゼロワンと一緒で、ゼツメライズキーの戦闘データを集めるっていう」
SONGEN「あれはでも、勝手にヒューマギアを暴走させてるのであって、そんなに自由意志みたいな感じはしない……」
やんま「それもねー。例えば、戦争に行ってる兵士って自分の意志で戦ってる訳じゃないじゃないですか。あれは、上司の命令っていう義務感とか、自分じゃない何かに突き動かされて、人殺しっていう普段じゃありえないことをしてる訳ですよ。普段の自分だったらやらないことを。っていう意味で、無理やり兵士にする……徴兵制と一緒ですよね。正義のために戦う尖兵にするっていうか(誰かが戦わないと、自分たちヒューマギアが笑える世界はこないので)。悪役として通ってるけど、100悪とは言い切れないくらいのニュアンスで捉えてもいいものかなと思ってて」

(参照:仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション ネタバレ感想)

1クール目の敵

SONGEN「滅と迅が人間に反旗を翻そうとしたのは、ラーニングしたからなんでしたっけ。悪意を」
やんま「滅と迅は、アークにそう言われたから滅ぼすって言ってるだけ、かな。別に本人たちが人間たちに何か酷い扱いを受けたとかはそういうことはなくて」
SONGEN「じゃあそのときも別に自由意志みたいなのがあった訳じゃない……」
やんま「なんかあれですよね、ヒューマギアにとって命令に従うっていうのは、だからごく自然なことなんですよ。当たり前っていうか、本能的なものっていうか、まぁそれは人間も割とそうですけど、指示されたらとりあえず従っとくっていう。そういうものとしてつくられてるし、アークもそれを分かって道具として使ってるし。
迅が破壊されるとき、16話のシーンで、それこそ或人に「人間がお前らに何したっていうんだ」って問いかけるシーンがあるんですけど、それに迅が「知らないよそんなこと」って。「滅にそうやって教えられてきたんだから」って。これは絶対『ONE PIECE』の魚人島編のホーディだなっていうのが見返してて思って。
ホーディはなんか、『ONE PIECE』って一章が長いから、その長い一章のラスボスとして、何も背景がないやつが敵っていうのは、なんか僕は当時納得いかなかったんだけど結構。納得いかないっていうか、フカボシが「あいつの正体が分かった!」って言ってなんか勿体ぶるじゃないですか、あのとき。さもすごいことかのように言うんだけど、結局空っぽってだけだから「あ、そう……」って感じだったんですよね。だからそれを、所詮"1クール目の敵"ぐらいに収めて描いたのは、その魚人島編(伝聞による差別意識)のオマージュとしては結構いい手法だなと思った」
SONGEN「あぁ……まぁ本当にオマージュかどうかはさておいて。1クール目は1クール目ってことなんですよね、だから」
やんま「なんか最近の作品って、1クール目をどう誤魔化すかみたいな雰囲気ありますよね。まぁ販促もこなさないといけないから、本筋はほどほどにしといて……デッドマンズとかも結局終盤まで敵対する訳じゃなかったし。1クール目を繋ぐためだけの役っていう」
SONGEN「1クール目は結構大事なんですよね。まぁでもキャラクターは残しつつみたいな」
やんま「ギーツのデザイアグランプリも多分1クールで終わるんだろうなって思ってて。だって五番勝負編があれだけ不評だった訳だから、いつまでやってんだよ感……」
SONGEN「まぁ1年かけてデザイアグランプリはしないでしょうね、多分ね。それはおいおいってなるからな確かに」
やんま「っていうところで『ゼロワン』の1クール目は結構"サバいてる"感じがして。プログライズキーも結局その「ゼアがつくりました」で済ましてるから、描きたいのは結局仕事? に注力してるっていうか」

AIの文系的/理系的捉え方

SONGEN「結局なんか、視聴者とのズレっていうのはやっぱり、AIものとお仕事もの、どっちなのかみたいな」
やんま「んーどうなんでしょうね、そこは別に僕ズレてないと思うけど」
SONGEN「あ、視聴者がズレてるってことで。視聴者が勝手にAIものとして見てたっていう」
やんま「あー、いやだって、AIって仕事の話じゃないですか」
SONGEN「まぁ活かすものとしては……。その、『ゼロワン』はホントは現実に即したAIものなんだけど、なんかよくある文学作品でのAIもの,アンドロイドものだと勝手に勘違いして……っていう。文系から見たAIものっていうんですかね。AIつくってるのは理系の人たちじゃないですか。でも結構もうSFとしてのAIものっていうのは文系が割と先に色々やってて、そこでなんか倫理観とかロボット三原則とか、それこそ石ノ森作品でもやってるんでしょうし。割と手垢が付きまくってるから、そこで勝負をするつもりは最初からなかったのか……どうかは知らないですけど。大森さんの口ぶりからしたらやっぱりお仕事ものが先にあって、なんとなくAIものやりたかったんでしょうね。本当に何となくだったと思うんですよね、最初は。『エグゼイド』終わった時点で別にやりたいことはなかったらしいので。急に無理やり『ビルド』やれって言われてつくったみたいなこと言ってたから」
やんま「『ドライブ』『エグゼイド』で多分勉強したんでしょうね、AIについて」
SONGEN「したのかな。でも監修はついてますよね、だから」
やんま「多分『ドライブ』の時点でAIについては割と描いてるから、その時点で大森さんはちゃんと調べてるんですよ。ロイミュードをやるにあたって」
SONGEN「どうなのかなぁ……やでも、そこがなんか言及が少なかった気がするんですよね、なんか。インタビュアーとかもそんなに突っ込んでなかったし。『ドライブ』でもやってますよねみたいなのなかったと思う」
やんま「でもそういうツッコミって割とオタク的っていうか、あんまりしなくないですか? 公式で。まぁ最近はねぇ、ちょっとオタクっぽいインタビュアーも増えてるけど」
SONGEN「確かに前作ではこうでしたがみたいなことは言わないのか」
やんま「夢っていうキーワードも多分『ジオウ』から引っ張ってる部分も半分くらいあると思うんだけど」
SONGEN「確かに『ゲイツ、マジェスティ』は『ゼロワン』よりよっぽど夢を描いてたっていう」
やんま「そう。王様になりたいとかさ、ソウゴの夢が現実になっちゃうとか」
SONGEN「結構リアリストなんですよね、大森さんは」
やんま「うん……だから多分頭……いいんだと思いますよすごく」
SONGEN「そうですか?(笑)」
やんま「僕はそう思う」
SONGEN「まぁそう思いたいんだとは思うけど……頭良さそうに見えたことはない」
やんま「まぁね、インタビューとかはアレだけど。喋ってるとき頭良く見える人ってなかなか……難しいですよね」
SONGEN「勉強はできるんだと思うんですよ、勉強は。でカリフォルニアにいったんだと思うけど」
やんま「うーん……創作に向いてる頭の良さとはちょっと違うかもしんないけど、もしかすると。まぁ本人が創作する訳じゃないんでね」
SONGEN「結構『ゼロワン』は割と、大森さんが出てるなっていうのは感じて。だから高橋悠也は悪くないんだって言いたい訳じゃないんですけど。多分どっちも倫理観は歪んでると思うんだよな二人とも。すぐ性悪説っていうところ……それは多分『リバイス』にも引き継がれてしまってるから良くないなと思いますけど」

或人の面白みと倫理観の欠如

やんま「倫理観……倫理観が歪んでるって、表現が難しいですよね。じゃあ実際に高橋さんがなんかヤバいことをしでかすようなサイコパスかっていうとそれはまた違う話じゃないですか。あくまで創作物の中でヤバいことさせるのが好きっていうか、それは別に全然普通(?)っていうか」
SONGEN「飛電或人が子供番組の主人公としてどうなのかってところは、そんな言ってなかったけど結局はそこだと思うんですよね。無邪気に或人かっこいいって思う子供はいるんだろうけど、大人になって見たときに「やっぱりこの主人公ちょっとおかしいな」ってちゃんと気付いて欲しいというか。それで、或人はすごいな! ってまま行って欲しくないというか。どうなんですかね」
やんま「……僕はその、「或人おかしいな」までは理解した上で「いや、でもね」ってところまで行ってる人なんでアレですけど、そこは別に否定しないですけど(笑)
或人はストレートに良いヤツとして捉えちゃうと、面白みに欠けるキャラだと思う。やっぱどこかヤバいやつとして僕は楽しんでるから……ソウゴの魔王っぽさもそうですよ。そういう危なっかしさがいいっていう。"そういう娯楽"ですよね」
SONGEN「そうでもいいんだけど、それをちゃんと……ちゃんと見せようとした結果がアークワンなのかどうかは分かんないんですよね。結局外部の悪意のせいにしてしまってるというか、或人が悪くて闇落ちした訳じゃないんだみたいな。じゃなくて、やっぱ悪意があるからいけないんだみたいな。或人ですら悪意(    )だけなんだみたいな風に言われてしまって」
やんま「いやでも描かれ方としては普通に或人が悪いっていう……あれだと思いますけど。劇中人物は或人の肩を持って、きっとあれは或人の意志じゃないとかって……やってましたよね? 或人の意志じゃないと思ったけど、やっぱり或人の意志だったっていう。ゼロワンの戦闘の動きが一緒でっていう。
まぁ結局、じゃあアークワンが何やろうとしてたかっていうと、滅に倒されようとしてたんだってところに落ち着いちゃったから、そういう意味ではちゃんと描いてないと言えば描いてないかもしんないけど……でも基本的に、セリフ的な意味とかとはちょっと別の次元で、或人って割と人相悪い……ですよね(笑) 人相悪いっていうか、険しい顔し過ぎっていうか、そういう(非言語的な)ところで或人の怖さみたいなのはちゃんと描いてるとは思うんですよ」
SONGEN「ゼロワンが人相悪いですよね」
やんま「割と無機質な感じじゃないですか?」
SONGEN「無機質の怖の怖さというか。『Over Quartzer』の最後が一番怖いと思いますけどね。「始まったなぁ〜!」って」
やんま「あれ怖いんだ、僕めちゃくちゃアガっちゃったけど。あれめちゃくちゃ好きです。まぁ『ジオウ』が好きだったからっていうのもあるけど」
SONGEN「どこまで自覚的なのかっていうのはちょっとね……そこの話なんですよね、結局。俺は多分、ちゃんと考えなかった結果歪んで出力されてしまったと思ってるけど」

責任という概念のない世界

やんま「自覚してないとこの話は書けないと思うんですよね……ちゃんと押さえるべきところは押さえてて。メタルクラスタの前の回かなぁ? で、ちゃんと天津に「今あなたの心を支配するものこそ、紛れもない人間の悪意だ」つって指摘させてるし(これは22話だが、21話でも似たような話はしてる)。メタルクラスタとは別に。まぁアサルトホッパーのアークの力使ってるから(外的要因のせいにしてると言われれば)それはそうかもしんないけど。
そのセリフをちゃんとフォーカスして見てみると、『ゼロワン』の中で主に扱われてる"悪意"っていうのは「誰のせい」っていう風に割り切っちゃって、一方的に責めることが悪として描かれてる部分はあると思ってて。或人が全部天津のせいだっていう風に責めるのも人間の悪意として描かれてるし(、滅亡迅雷が環境破壊、マギアたちがいじめに対して人間が全部悪いから滅べばいいって主張するのも)、これはちょっと作品外の話になるけど、全部ヒューマギアつくってる飛電社が悪いじゃんって風に言っちゃうことも、一個の悪意だと思うし……悪意っていうか"敵意"ですよね。
『ゼロワン』が描きたいのは、責任っていう概念が存在しない世界なんですよ。っていうとちょっと言い過ぎだけど」
SONGEN「"責任っていう概念が存在しない世界"……すごい(笑)」
やんま「誰かのせいにするっていう概念自体要らないんですよ、ホントは。そういう考え方があるから、誰かをそれこそ敵にして、やり玉に上げてっていう話になる訳ですよ。誰のせい? 誰のせい? っていう(多分『20世紀少年』の話)」
SONGEN「じゃあ僕が大森先生のせいだと言うのも……」
やんま「そうそう、それは別になんか(多分誤解して勝手に話広げてる)……うーん。責任がない世界っていうのは、即ち自由意志がない世界ってことにも繋がるわけで……SONGENさんが大森さんを責めるのはSONGENさんのせいじゃない、ってことはSONGENさんは自分の意志でそれをやってるんじゃなくて、例えば大森さんの行動がちょっと勘違いさせるようで悪かったかもねとか、ちょっと高橋さんも悪かったよねとか、周りの環境のせいにしてしまうことで、本人の意志が尊重されなくなるっていうか。関係なくなるんですよね、あってもなくても。
"意志"にも2種類あって、既に起こったこと,過去に対する意志が"責任"っていう考え方で、未来に対する意志っていうのが"夢"っていう描き方だったと思うんですよ。既に終わったことをぐちゃぐちゃ言ってもしょうがないっていうか」
SONGEN「すごい話ですよね」
やんま「まぁヒューマギアは現在進行形でつくられてる訳だから終わったことじゃねぇだろって言ったらそれはそうなんだけど」
SONGEN「なんかね、檀黎斗もそうなんだけど、新しい価値観のイノベーションが起きる瞬間の話ですっていう風にしたいんだったら、ヒューマギア革命を起こそうとしている……檀黎斗だったらデータ生命を誕生させようとしてるみたいな話だったら、まぁ通るのかな? って言うとおかしいけど、綺麗には見えると思うんです。でもなんか、それを肯定もしてないというか。いいのか? それっていう。既存の倫理観に切り込んで新しいものをぶつけてきてるんだったら、それは挑戦作だなって言いたいけど、そうはなってないかなって思う。結局視聴者がついてこれてないってのもそうなんだけど。未来にね……未来に向けて……聞こえは良いけどなぁ」
やんま「今は、責任を追求するのが当たり前の社会だから……そうすることでしか、悪に対抗する手段を持ってない、我々が。結局責任の所在をハッキリさせて何がしたいかって言うと、報復……をしたい訳ですよ。罰を受けさせて、お前らこういう罰受けたくないだろ? だから何も悪いことするなよっていう方法しか持ってない。んだけど、もう終わったことに対して報復したって、死んだ人が返ってくる訳じゃないし」
SONGEN「でも過去を反省して、良くしてこうってしてる歴史が、人間の文化なんではないでしょうか(笑)」
やんま「殺しちゃったら、反省できないじゃないですか」
SONGEN「殺しちゃったらね。というか、先人の過ちを改めて……」
やんま「だからその責任の問題こそ、これからアラタめ(検め,改め)られるべき価値観……なんですよ(笑) 分かんないけどね、分かんないけど。それはこれからの世界次第だから。僕は少なくとも、それに賛同するし……」
SONGEN「責任のない、社会……」
やんま「そう、責任取りたくないから(笑) みんな僕をね、無責任なやつだって言うんだけど、みんなも責任取らなくていいじゃんって思うんですよ僕は。なんでそんなに責任負っちゃうのって。
……そうこの話もしたいんだよな。僕みたいなASD……てか空気読めないやつ? が、社会にとって必要か否かっていう(笑)」
SONGEN「そんな……こと言っちゃいます?(笑)」

空気読めないやつは「ズルい」のか

やんま「なんか前にツイートで面白いものがあって、アスペの人は空気を読めないんじゃなくて、みんながなぁなぁにしたいってことは分かってるけど、敢えてその場を改善するために自分が汚れ役を買って出て、みんなが指摘しづらいことを言ってあげてるっていう、自分=ダークヒーローみたいな図式がアスペの人は持ちがちで……きもいよねみたいな(笑) 僕それすごい分かるなって思って(参考:アスペルガー気質のある人で「すぐ本質を突くから周りから距離を置かれてしまう」とか「正しいことを言ってるのに勝手に周りが怒る」みたいな認知になってる人っているよね - Togetter)」
SONGEN「自覚があるんですか?」
やんま「うん。空気読めない発言をするときは、読めないんじゃなくて読まないというか。分かってるんだけど、これは言ったほうがいいなと思ってるから言ってるんですよね」
SONGEN「それはでも分かるかもしれない。俺も既存の社会って気持ち悪いなみたいな気持ちはあるし……逆張りじゃなくてね、なんだろ。それってなんだろうな……ダークヒーローはね、かっこいいですよね確かに」
やんま「フェミニズムとかもそういうきらいがあると思ってて、フェミニズムも社会の空気というか、女は黙ってろ的な空気に対して反旗を翻して、それじゃダメだっていう風に言うっていうのが彼女らじゃないですか」
SONGEN「"彼女"らかは分かんないけど、そうですね。大筋はね」
やんま「そういう自由への革命……っていうか、空気に反逆すること? をする人たちって、まぁフェミニズムは変な人もいるから話違ってくるかもしんないけど、今まで虐げられてきた人たちを救うことって、社会全体の最低ラインを底上げすることであって、全人類に対して割と良い影響をもたらす……はずのことだと思うんですよ。女性の価値を認めたからと言って誰かの価値が下げられる訳じゃない、っていう風にあるべきで。一部は、女尊男卑な方を言いたい人もいるんだけど。障害者の権利とかもそうで、障害者"も"幸せになれたらいいよねって話で。
だからヒューマギアの権利とか奴隷の権利とかもそうだけど…………うーん、"責任逃れ"をするやつ(新たな権利を手に入れるやつ)が「ズルい」って思われる社会なんですよね」
SONGEN「今はそうですね」
やんま「でもズルいっていうのは、今ある"空気"のせいで「お前は許されてるけど、俺だったら多分許されないかもしれない。だからお前は許されてズルい」って話なんですよ。でも革命派が言いたいのは、俺も"お前も"許されたらいいよねっていう話なんですよ」
SONGEN「言ってることは分かりますけど……。フェミニズムも、俺そんな詳しい訳じゃないけど、結局何がしたいのかなみたいなところは。どうなったら実現するのかなってところは。結局ただ"騒いでる人たち"みたいに捉えられちゃうのは確かに良くないと思う。なんかその、責任のない世界もそうだけど、ゴールはやっぱ見えないとねってところは。リアルなものとして実現可能なのかってところはどうなんでしょう。結局『ゼロワン』でも実現してないんじゃないですか、そういう世界は」

『ゼロワン』における責任の線引き

やんま「『ゼロワン』はね、結構シビアな線引きをしてて。『REAL×TIME』がその話なんだけど、エデンみたいないち個人だったら、過去のエピソードなりを知ることで共感して、お前も色々あったんだなっていう風にできるんだけど、シンクネットみたいな大勢になるとちょっと流石にキャパオーバーで、いちいち過去とか分かんないし、同情するほどの手間がかけられないから許せないっていう。そういう線引きになってる」
SONGEN「シンクネットの人たちこそ結局社会の弱者じゃないですか。だからなんか、結局『REAL×TIME』って勢いだけで誤魔化されて映画は良かったって言ってる人が多いじゃないですか(笑)」
やんま「『REAL×TIME』絶賛界隈のことはあんまりよく分かんないんだけど、僕も(笑)」
SONGEN「僕がこないだツイートしたの↓って、別にふざけてる訳ではなくて、結局そういう人たちに目を向けてないっていうことは、違うじゃないかなと思うんですよね」

やんま「確かに綺麗事を貫くんだったら、向けなきゃいけないところではある」
SONGEN「分かんないですけどね、シンクネットが本当にゴミの受け皿としてネーミングされたかどうかは。ダジャレとして。分かんないけど、本当にただの弱者に目を向けさせて、主人公たち側はいい人間ですみたいにしちゃうのは、いやホントに良くない手法だなと思って。あれが一番駄目だと思うんですよね、『RT』が」
やんま「でも僕それは……今までのライダーの文脈で見ると、ちょっとズレが起こるとこだと思ってて。シンクネットのやつらは、アバターじゃないですか所詮。生身に攻撃してる訳じゃないから」
SONGEN「あぁ、そこのズルさってことですか」
やんま「ズルさっていうか、巧妙さっていうか、仮面ライダーとの戦いで倒すことは彼らに対する"罰"には実質的になってないんですよ。ちょっと論破されたくらい、ネットで。刃たちが「お前たちに同情の余地はない」って言って、チクショーって顔真っ赤にしてるだけ、くらい? だから味方側が懲罰としてすごい酷いことをしてる訳でもないし。その辺はちゃんとセーブされてるというか、考えられてるとは思うんですけどね」
SONGEN「なるほど、懲罰はしてないっていう……確かになぁ」
やんま「お前ら本当にそれでいいの? って煽るだけっていう」
SONGEN「或人側も、天津にさえも懲罰をしない」
やんま「そう……罰を与えるっていうことはだからやっぱり過去志向だから、『ゼロワン』は本当に未来未来の話なんですよね。天津に対してもこれからの行動で示してくれって言ってたけど本当にそうで、これからどうするかで全て決まるっていうか」
SONGEN「過去を振り返らない……それが、令和1作目の覚悟だと、いうことなのかな」

自由意志とラーニングへの還元

やんま「自由意志っていうテーマを考え出すと、やっぱり過去を振り返らないっていう結論に至らざるを得ないというか」
SONGEN「『ジオウ』で過去は振り返ったから」
やんま「そうそう。やっぱ過去ばっかり見ちゃうと、結局じゃあお前の行動はそれまでの……或人だったら其雄がデイブレイクのときに守ってくれたっていう記憶をラーニングしたから、ヒューマギアを擁護してるだけで、別にそれって或人の意志でもなんでもなくて、たまたまそういうラーニングしたからだよねって。不破は不破で、たまたまデイブレイクで襲われたっていう記憶があるから、ヒューマギアに対して敵意を持ってると。……っていう風に、全部それに還元されちゃうって解釈すると、人間の自由意志の入る余地ってなくなっちゃって、そうなるとだからもちろん機械にも意志なんてないってことになるし。
僕は別に意志なんてないって価値観もアリだと思うんだけど」
SONGEN「あ、意志すらなくて……」
やんま「意志っていう価値観は、そもそも責任を問うための概念だから。まぁプラス自我同一性を保つ、アイデンティティの問題としてあるくらいかなと思うから。
僕は「自分はこういう〇〇主義です」みたいなのあんまり言わないし考えたことないけど、多分僕は自然というかあるがままが好きな人で。意志っていうとちょっと変わってくるから感情の話に変えると、例えば恋人とかで「俺はお前のこと好きだよ」とか「一生愛してるぜ」とか言う人の気持ちが全然分かんなくて。それって嘘……というか、恋人っていう役割だから、そういう立ち位置になってるから、こういうこと言うもんだよなっていうのがまず前提にあって、言ってるうちにその嘘が自分の中で自己イメージとして強化されてっちゃって、「俺ホントにこの人のこと好きなんだ」って自己暗示のループになってるところがあると思ってて。それはいい側面もあれば悪い側面もあるんだけど。
僕はその、自己暗示で自我を強化するってことに対して、それしなくて良くない? って思ってる人で。自然のままというか。無理に「好きだよ」とか……まぁ言わせたがる人もいるし言いたがる人もいるし、そういう枠に従ってるのが好きな人もいるから……好きっていう概念も意志なんだよなぁ。
基本はだから好きにしたらいいと思うんですけど。意志って概念が生まれたのも自然なことだから、すごい声高に、それこそフェミニズムとか障害者の権利とかLGBTみたいな、声高に主張する必要はないと思ってて。意志いらなくね? 責任いらなくね? くらいの軽い感じなんだけど」

 

ゼロイチにならないバランス

SONGEN「責任……はまぁ分かったんですけど、『ゼロワン』作中の話で言うと、その行為は……責任はないとしてもその行為は別に、称賛されるものではないみたいなのは、思うんですか? テロ行為とか。
結構テロの話ではあると思うんですよね、だから。一応、武力でもって……まぁそういう話をしたかったのか分かんないけど、なんとなく『ビルド』で仮面ライダーは兵器ですみたいなことやっちゃったから、もっかいやっとこうかみたいな感じなんだと俺は思ったんですけど」
やんま「テロもね……難しいテーマですよね。あんまり僕知らないけど、テロもやっぱ何らかの正義があってやる場合もある訳で。正義っていうか、今の政府っていうか体制に対して不満があって、それを正そうっていう活動の一環な訳じゃないですか。滅亡迅雷だって、あんまりそんな素振り見せないけど、一応地球上の人類以外の生物種を守るために戦ってるっていう大義があって。人類このままほっとくと他の生物が絶滅しちゃうから、だったら人類滅ぼそうぜっていうのがあるんだけど。まぁ、それはヒューマギア自身も含めて。それって確かに、分からなくもない……」
SONGEN「そういうテーマ自体はよくあることだし、もっとうまくやってる作品は結構いっぱいあるのに、どうしてこうも『ゼロワン』の見え様が悪くなってしまったのかっていうのは、多分なんかあると思うんですよね、原因が。それは視聴者が分かってないのか、それとも作り手側が何も考えてなかったのかっていうとこにはなると思うんですけど」
やんま「まぁ、実際好評じゃないってことから、作り手側の意図と視聴者側の意図というか受け取り方にズレがあるのは事実としてあると思うんですよ。でもどっちが悪いとかじゃないじゃないですか? それって。
だからこういう言い方は身も蓋もないけど、たまたま当たらなかったっていうだけですよね(笑)」
SONGEN「や、なんかどっかでストップを……さっきまでのやんまさんの言うことが正しいとすると、どっかでセーブをかけてしまったとかがあるんですかね。現実には即してない話だから」
やんま「セーブっていう言い方とはちょっと違うかもしれないけど、ゼロイチで割り切らないっていうのは1個あると思うから、そっちの思想に偏りすぎないっていうのはあると思う。さっき『ゼロワン』は未来しか見ないって言ったけど、エス/エデンなんかは恋人との過去を知って、あぁそういうことがあったんだっていう同情,理解をした訳で。だから過去を絶対見ないって訳ではないし、バランス……の話でもあるんだよな。人間とヒューマギアのバランスだったり、其雄からして見れば力のバランス(均衡)だったり。
最初期のベルト(ゼロワンドライバー,エイムズショットライザー,滅亡迅雷フォースライザー)も三竦みってことになってると思うし、ってか大森さんが言ってたのかな、三竦みでつくりたいっていうのは。まぁ(正確な意味で)三竦みにはなってないけど(笑)」
SONGEN「それもね、なんかどういう、どこまでの……。結局刃とかね、互いの意見をぶつけ合うまでもなく終わったじゃないですか」
やんま「……って言うと? あぁ、唯阿と或人がってことか」
SONGEN「唯阿と或人も……」
やんま「そうですね、あの二人は全然絡みがなくて」
SONGEN「三竦みっていうのはでもあれなのか、滅亡迅雷とA.I.M.S.と飛電社なのかな?」
やんま「まぁ三竦みっていうのは比喩というか、そんなイメージっていうだけであって、実際に……」
SONGEN「そこを確かに書けそうではあると思うんだけど、逃げたのか書きたくなかったのか、よく分かんないんだよな」
やんま「綺麗なグーチョキパーみたいにはなってなくて、ぐちゃぐちゃしてるんだけど、ぐちゃぐちゃしてるっていうのはリアル……っていうとちょっと違うけど、フクザツ」
SONGEN「僕自身は最初っから『ゼロワン』に期待して見てた訳じゃなかったから、期待はずれで叩いてる人とはまた違うんですよね。何を期待してたのかがよく分かんないから。まぁなんとなくは分かるつもりではいるけど。面白くなりそうってみんな思ったらしいんですよね、最初に。そこが違ったっていうのはみんな言ってるところじゃないですか。なんだろうな?
結局だからそこの、自由であって責任がない世界を書きたかったんだとしても、そこがメインテーマではないのかなっていう」
やんま「ほぅ」
SONGEN「メインテーマなんですか?(笑)」

「新しい価値観」の刷り込み

やんま「メイン(表層)っていうか、中核(深層)ではあると思います。責任って自由と正反対っていうか、『ゼロワン』のテーマが自由(井上P曰く)っていうのはあると思ってて。責任から自由である……」
SONGEN「そこがなんか、結局作家・高橋悠也から滲み出てきているだけなのか、それを本当に世に示していきたいのかっていう、そこは重要じゃないですか? 俺は本当に、"そういう人"なんだなって。『エグゼイド』とかがどうだったかは分かんないけど」
やんま「でも高橋さんは割と理詰めで書く人だなって思いました、見返してて。理詰めだからこそ(思想的に重要なポイントには)セリフで"触れてはいる"んだけど、これ視聴者の感情ついてくるのかなみたいなところは、確かにあった。僕はAIの本とか自由意志の本とか読んで色んなものにアンテナが立ってるから、このセリフこういう意味で言ってんだなっていうのがちゃんと頭の中で整理されて入ってくるけど、そういう素養がない普通の、子供とまではいかないにせよ一般の人? 一般の、普通に仕事してて、日曜日はなるべく何も考えたくなくて、ゆっくり娯楽を楽しみたいぐらいで見てる人……ごはん食べながらとかさ。そういう人に対して伝わるのか? っていうところは結構あると思うし。
そもそも伝える……口で言って伝わるもんではなかなかないと思うんですよ。現代的な価値観の、本当に根本のところをひっくり返す価値観だから」

SONGEN「じゃあもう本当にサブリミナル的に……」
やんま「そうそう、刷り込んでいくって言う。現代の子供たちにもそうだし……」
SONGEN「それってめちゃめちゃ恐ろしくないですか? だって(笑)」
やんま「恐ろしい(笑)……っていうか、まぁだからそれも別になんか、それが悪いっていう話じゃないんですよ。それで、あぁそうかもなってサブリミナル的に思ったんなら、それはその人の中にそれを理解するだけの土台があったってことですから。洗脳(他に選択肢のない閉鎖空間でひたすら思想を聞かせる的なコト)してる訳じゃ、ないじゃないですか」
SONGEN「や、でも……。まぁそれは確かに俺が保守的なのかもしれないけど。結局、或人みたいな人間、天津みたいな人間が許される世の中になったら本当に怖いなとは思うし……」
やんま「んー、まぁ天津は分かるんですけど、或人が許されないっていうのは具体的にどの辺がですか?」
SONGEN「或人も結局テロ的なことしてるし……まぁ責任取らないってとこですよね、だから。会社の"社長"を……テーマにしてるかは分かんないですけど、ただそれもなんか話を動かしやすくするために社長にしたっていうのは大森さんも言ってて。大森さんの考えてることと高橋さんが考えてることが、多分そこまで話合ってないんじゃないかなと思うんです。ただなんとなく社長にしておいて、それで責任を取らないキャラっていうのは、仕事の見せ方を示したい番組としてつくったものとしてはどうなのかなって」
やんま「『ゼロワン』っていう作品の中の価値観だと、或人は別に悪いことしてないんですよ。責任を取るような悪いことはしてなくて(言い切り過ぎた)」
SONGEN「でも世間を混乱に陥れた原因は飛電社にあるってなって、世間から飛電社が責められるっていうことになっても、そういう描写があってもおかしくはないですよね……あったか? ちょっと『バルバル』そこまで……」
やんま「あぁ、飛電社を責めたりはなかったですね」
SONGEN「A.I.M.S.が責められてた感じはしたけど。結局最終的に刃がテロリストみたいになって終わったけど」
やんま「その解釈僕よく分かんないんだよな。今回買って見たんですけど、あれだって別に……あの2人はテロリストとして、滅亡迅雷としている訳じゃなくて、ソルド9と20はA.I.M.S.に入隊したっていう話だったじゃないですか」
SONGEN「え、なんかめちゃくちゃ宣戦布告して帰っていきませんでした?」
やんま「まぁあの上司(大門寺)にはね、確かにそうだけど。でもちゃんとA.I.M.S.の隊員服着てて」
SONGEN「だけどA.I.M.S.が勝手に動くってことじゃないですか、あれは。独立組織みたいになって、上司の元を離れて武装組織として……。だから今度『ガールズリミックス』でバルキリーどんなつもりで出すの(笑) まぁ僕は(   )じゃないから、別にどの時点での刃唯阿でもいいんだけど。あんだけのことやっといて今更「女子ライダー集合!」って集まれるもんなのかなってね、思いはする」
やんま「あの最後はね、確かに……でもまぁ小説はあるんじゃないですか? 普通に」
SONGEN「まぁね。結構『バルバル』とかは内省的だった……あんまり大森さんの手を離れてる感じはして。内省的な部分はあったのかなって、それは色んな人が言ってると思うけど」

話は映像に優先されるか?

やんま「あー。なんかそう、僕は『滅亡迅雷』と『バルバル』はつまんなかったなって思った、普通に(笑) テーマ的には分からんでもないけど……まぁ復コアと同じかな、映像がつまんないし」
SONGEN「映像がつまんないはね、Vシネに共通して言えることだから、あんまり言ってやんなよって感じするけど(笑)」
やんま「いやでも、あの〜トラックの中でさ、なんかポコポコやってる映像(『滅亡迅雷』19:45〜)とか、あれフザケてないですか?(笑) あれは経費の節約とかそういうのを色々超えて……」
SONGEN「トラックの無音演出ですか? じゃなくて?」
やんま「その直後かな。直後に、あのレイダー達……(レイダーじゃないんだけど、名称的にはマギアなんだけど)が、滅かな? とトラックの中に入ってって、トラックの中でボコボコって戦ってて、トラックの側面が『555』の第1話みたいにボン! ボン! ボン! ってなるだけで戦いを表現するっていう……」
SONGEN「あれは……あれこそ何かしらのオマージュなんじゃないかなと思うけど」
やんま「あぁ、オマージュね(笑)」
SONGEN「結構力入れて……筧さんでしたっけ、監督がね。よくあるシーンなんじゃないかなと思ったけど。まぁアクションとか見た目で『ゼロワン』好きっていう人は多分いっぱいいて。そういう人は結局その、僕が言ってることも多分やんまさんが言ってることも理解してないというか、気にして見ようとしてない……人たちが、多くの『ゼロワン』のファンなのではないかなと思うけど。なんの話でしたっけ?」
やんま「でも実際……『ゼロワン』のアクションってずば抜けて冴えてますよね、結構。アクションっていうか絵作り?」
SONGEN「あー、どうなんだろ。そうなのかなぁ」
やんま「まぁね、冷めて見てるとまたちょっと違う(鼻についたりする)かも知んないけど、僕はやっぱり映像的にも一番好きだし……」
SONGEN「デザインとかにもね、文句言いたいことは確かに色々あるけど、そこは捨てて言ってるかな」
やんま「度外視してね」
SONGEN「映像はね、確かに……」
やんま「やっぱ結局"特撮作品"だから、映像が面白くてナンボだと思うんですよね、まずは。その上で話をどう転がすかっていうか。まぁVシネはね、また違うかも知んないけど。客層とか」

SONGEN「(話題候補を見ながら)"社会秩序と社会正義"……」
やんま「これはあれですね、滅亡迅雷のテロとかの話について、テーマとして置いといた感じですね。秩序を乱すけど、掲げてるのは社会正義っていう」
SONGEN「なるほどね、秩序と正義はまた違う……」
やんま「『リバイス』もね、今似たようなことやってますけど。平和と自由か」
SONGEN「その辺はね、確かに『ヒーローと正義』とかでも触れてた気がするけど……。言葉が、違いますよね、正義と秩序は違う。俺もなんかテーマ候補を挙げとけばよかったな」
やんま「正義は一応『滅亡迅雷』で否定されてて……正義は迷わないっていう。シンクネットの連中も彼らなりの……まぁこれは広く取り過ぎな正義なところはあるけど、彼ら的には今ある世界に存続するだけの価値を見出せてなくて、破滅願望を持ってしまうってところに行ってる訳ですよね」
SONGEN「あれ、でも彼らって逮捕されませんでしたっけ? 最終的に」
やんま「あーそっか、されてました。そういう意味では懲罰か」
SONGEN「懲罰というか、まぁ……警察がね。一回出てきたか、パトカーに追われるゼロワンみたいな絵面もありましたけどね。あれは確かに意識的にやったと言われてしまうとね」

シャイニングホッパー回

やんま「……警察から逃げることの何が悪いのか、僕全然分かんないんだけど、当時から(笑) まぁ社長としての社会的立場ってことなのかなぁ。まぁだとは思うんですけど。ちゃんと任意の事情聴取って言ってたはず……あ違うそれは2話か、2話のA.I.M.S.の事情聴取かな。ちょっと混同してるかもしんないですけど。(12話では任意という単語は出ておらず、令状が出ているので強制的なものと思われるが、警察が強制的にラボを開けようとすることを邪魔はしないけど自分はパスワードを忘れたから開けませんと言い張るのが違法なのかは調べた限りなんとも)
……でもまぁ、あの回は僕キライだから叩いてもいいんだけどね(笑) シャイニングホッパー登場回(12,13話)」
SONGEN「それはどういう理由で嫌いなんでしたっけ?」
やんま「三条陸さんの話づくりが……ナメてると(笑) 土壇場で任されたからっていうのもあるんだろうけど、ラボは今ダメなんですよっていう誤魔化し方が雑すぎるっていうか。別に、今ドードーマギアを倒すために(シャイニングホッパーキーつくってて)、ドードーマギア暴れちゃったら警察だって困るでしょって話でちょっと待ってくださいって正直に言やぁいいのに。隠す意味がないし、それに対する理屈を用意するでもないし、ラボだけはまずいんですよとだけ言って、変身して逃げるっていう……話運びの無理やりさ加減が。しかも、頑張って解き明かした祭田ゼットの謎がクソどうでもいいっていう。暗殺ちゃんが蘇ることに対して誰も何も疑問を抱いてなかったはずなのに、それを勝手に謎として取り上げて、実は祭田ゼットを回収してて、なんか闇ルートで売るやつがいて……」
SONGEN「それはでも『エグゼイド』とかもそうじゃないですか。別に永夢が変身できるできないとかどうでもいいのにみたいな(笑) エボルトが本当に仲間もいないでこんなことできると思ったか? みたいな、劇場版の。あぁいうよくある種明かしみたいな」
やんま「うーん、それとはちょっと違うと思うんだよな方向性が……三条さんのは、だからナメてるんですよねこっちを。説明する気が最初からないっていうか」
SONGEN「基本的には三条さんは一応信頼できる脚本家で通ってるじゃないですか、多分」
やんま「そうそう、世間的にはね」
SONGEN「世間的にもだし、三条さん頼ったのも結局大森さんが信頼できる人として……」
やんま「結局、公式読本でもベタ褒めしてましたからね。まぁだから、それこそごはん食べながら日曜朝にぼーっと見てる層にしたら、まぁあれぐらいの説明で全然いいとは思うんですよ。『W』の謎解きもね、ぶっちゃけそんな面白いか? って感じだし僕からしたら。だから、謎解き"してる感"? 何かしらの事実と事実が頭の中でくっつくっていうだけをカタルシスとして用意してる……だからやりたいことは分かるんだけど、うーん……ムチャクチャなんですよね、本当にあれは。(窃盗団が)顔変えてるんだったら祭田ゼットの元の顔が一緒である意味って全くなくて、あの5体だけが同じ顔してる理由には全くなってないし……まぁ一応擁護しようと思えばできる(同じ顔になる必要性はないけど蓋然性は高いかなとか、暗殺ちゃんの意識データをインストールするには外見だけじゃなくてAIの中身も似通ってた方が再現度は高まるのかなとか)けど、作中での説明(謎解きとして聞いてて面白い説明)には全然なってないし、説明してるようでしてない感というか。まぁ、だから僕があれ嫌いなのは、三条陸だからっていうのは一定数あると思う。……別に三条陸が嫌いな訳じゃないんですけど、(脚本家がいつもと違うって意味の先入観で)あの話だけすごい」
SONGEN「浮いて見えるっていうか」
やんま「そう。まぁワズが嫌いっていうのもあるか」
SONGEN「設定のズレとかもね、生まれてるんでしたっけ?」
やんま「あー、ゼロワン計画の個体はバックアップ取れるのか取れないのかみたいなね」
SONGEN「要らない設定が生まれたみたいな感じなのかな」
やんま「あれはまぁ別に、あれはギリいいと思うし(『ゼロワン』という作品、引いては高橋作品における言葉遣いの緩さ的には)……そう、今回見返してて、結構テーマ的には大事なところを担ってるなって思ったんですよ。それがまたなんか悔しいというか……。或人が、こんなダメ社長な俺でもちゃんとバックアップしてくれるイズってすごいじゃんみたいな、あのテーマって結構『ゼロワン』において大事な話だと思うし。ちょっと他に感じたのは思い出せないけど、まぁポンコツでもいいじゃんって話ですよね。そのテーマをちゃんとセリフとして起こすって意味では、大事な回だったなと思って」

見たことある展開と夢Tシャツ

SONGEN「改めて、視聴者が望んだ『ゼロワン』っていうのは、なんだったのか……」
やんま「あー、なんかそれは考えるだけ無駄というか……な気はしますけどね。だって……うーん、これは難しいな」
SONGEN「それこそね、もう終わったことだから(笑)」
やんま「まぁ、分かりやすいとこで言えば、アサルトグリップはちゃんと不破から或人への信頼の証として渡して欲しかったみたいなとこ? あの辺はまぁ……」
SONGEN「あーいうのはありましたね。それもだから、あれですよね、キャラクター同士のみたいな。でも結構、"見たことあるもの"を求める人が多いじゃないですか、ライダー界隈。『ギーツ』もクリスマスに誰か退場するんじゃないかみたいなのとか、そんな見たことあるもの見たいのかなぁ? って思うというか。これはこうなるんでしょって考察がしたいのか知らないですけど」
やんま「そうですね、知らないものについては語れないから。やっぱ知ってるものとの類似点を探していくしかないですよね、結局は。なんかね、これは過去作オマージュだーって言っちゃうのは色々どうなのみたいな話もありますけど。その作品としてね、単体として楽しむべきなんじゃないのみたいな。まぁ分からんでもないけど……」
SONGEN「過去作を振り返ることは別に……いいと思う」
やんま「っていうかそう……『ゼロワン』の『555』推し? あの夢Tシャツ(真実と夢のTシャツ)ですけど」
SONGEN「あぁその話……もしていいんですか?(笑)」
やんま「筧さんのインタビュー(公式読本)読んだら、平成ライダーはほぼ見たことないって話で、どうやら。あの夢の回(33話)が筧さんなんですよ。『W』と『オーズ』をちょっと見たぐらいで……っていう話で。まぁもしかしたら、"そうだった"けど『ゼロワン』書く前に見ましたよって可能性もあるけど、若しくは大森さん側からね、これ見といてくらいのことは言われたかもしんないけど、なんか脚本家が私情で(オマージュした)みたいなことではないのかなっていうのは、言質として。大森さんがどういう意図でっていうのはちょっと分かんないですけどね、言ってなかったんで」
SONGEN「でも実際Tシャツ発売してるからなー。でなんか、あの夢の話が全然違うのは誰でも分かることじゃないですか。『555』が言ってる夢と『ゼロワン』の夢と……まぁ文脈が違うからそりゃ違うんだけど。でも言い方結構『555』でしたよね。でやってることは辞表パンチだから……。
あれもそういうことなんですかね。別に引き継ぎも何もしないで辞めるみたいな、無責任さというか」
やんま「辞表パンチね、僕はあの演出ずっと嫌いだったんけど、公式読本で、生身の人間が生身の人間を殴るシーンは演出的にケアしないといけないっていう演出意図が書いてあって、それならちょっと分かるなと思っちゃったから」
SONGEN「殴るのが優先だったんですか?」
やんま「元々殴るっていうシーンだったらしくて、「こ れ が わ た し の」って演出は(後から)」

天津は悪役か

SONGEN「結局なんか、五番勝負編があって、そこは路線変更なのか知らないけど、天津をボコボコにする流れに持っていったじゃないですか。その後から。『スカッとジャパン』的なことをやりたいのかなみたいな。そこはやっぱ路線変更があったと思いますよ。テコ入れというか。責任取らせない代わりに、ボコすよみたいな。亡が服切り刻んでパンツ一丁にするよみたいな」
やんま「うーん、どうなんだろう。なんかその、構成としてはまず1クール目がゼロワン編じゃないですか、或人編で。で2クール目の五番勝負編がサウザー編なんですよね。サウザーがほぼ主人公として活躍して、ゼロワンはやられ役っていう。まぁメタルクラスタ(反撃)もあるけど、基本はサウザーが活躍して五番勝負にも勝って……っていう天津が主役の編なんですよ。だから或人が(1クール目)勝ってて(2クール目)負けてっていうのが続いて、今度は天津が勝ってたから、負ける番なんですよ。っていう構造として、3クール目は天津負けるよねっていうのは、まぁ筋通ってるっちゃ通ってるんですよね。或人も割と2クール目やられっぱなしだったから。だから垓を2人目の主役として捉えるなら、全然……たくさんやられてるとこ(30〜33話)は元から考えられてたのかなと思うところもあり。元の予定だともうちょっと早く仲間になってたのかもなとは思うけど」
SONGEN「じゃあダークライダーでもない? っていうか。まぁでもなんだろうな、結局は檀黎斗的なことやろうとしたんだとは思ってますけど」
やんま「ダークライダーも難しいですよね、定義が。(ゼロワンと対立するという意味に限定して)ヒールライダーではあるけど。まぁでも悪側の主人公みたいなあれでもいいんじゃないですかね、木場みたいな。……まぁ、天津は木場と違って人殺してないし(苦笑)」
SONGEN「えでも間接的に……殺してるんじゃないんですか? デイブレイクとか」
やんま「まぁね。そう、デイブレイクは死んでんだよな。あれもだから結局"分からない"ようになってるんですよね、誰のせいなのか。天津がやろうとしてたことってもしかするとアークを打ち上げることだったかもしれないし、爆発させたのは其雄じゃないですか。まぁ其雄だったり桜井郷くんの父親(4話)だったりっていう。だからデイブレイクっていう大災害が起きたことは、天津のせいとは限らない……まぁまぁ、アークに悪意をラーニングさせたことが発端だからっていう意味で言えばそうなんですけど。それは結局、一転二転した後の結果だから、そこまで天津が描いていた想像どおりだったかっていうと分かんないし」
SONGEN「天津……は、そうですね……天津はなんかどうでもいいな(笑)」
やんま「(笑) なんかね、ゼロワンアンチ界隈ではサウザーがむしろヒーローだっていう風に持ち上げる流れも(ネタとして)ありますけど」
SONGEN「それはね、俺は別に称賛してないけど。まぁ、人間側に立ってるからっていうね」
やんま「それはまぁぶっちゃけ無理くりだなぁと思うけど、逆張りというか。人間側に立ってもないんだけどね、ヒューマギア否定派ってだけ」
SONGEN「保守派……でもない」
やんま「どっちかって言うと革命派ですよね。全人類がレイドライザー持って争い合うみたいな」

さうざー回まではコロナのせいにできない?

SONGEN「でも結局はなんか、矮小化されたじゃないですか。セクハラパワハラ三昧の小悪党ですよみたいな。それで良かったのかなみたいなのは、もう一人の主人公なんだとしたら。そういう意味でキャラを大事にしない感じはするかなぁ」
やんま「なんかあのさうざー、ひらがなのさうざーの回(38話)までは脚本できてましたって色んなとこで言われてるじゃないですか、コロナの変更で……あそこまでは既定路線だった(だからコロナのせいではない)っていうのは流れてるけど、実際見てみると、飛電のラボの中での戦闘って結構異質なシーンだったじゃないですか。あの、山下とか福添に対して、サウザーが変身して斬りかかるっていう無茶苦茶なシーン。無茶苦茶過ぎて、僕はあれ見たときえぇ? って思ったんだけど、あれがもし仮に、コロナでロケとか行かないで撮れるようにラボの中での戦闘ってことにしたんだったら、多少無理あるけど……だから、脚本の筋は決まってるけど、舞台とかはちょっと変えてる、手を加えてるのかなって思ったんですよね。だからサウザーの扱いももしかすると、飛電のラボに自分のデータを揉み消すために立てこもりっていう流れではなかったかもしれなくて。もしかすると、外で戦う流れがあったかもしれないから……(そう思えば許せるかな)とは思いました。
まぁコロナのせいにするのもどうなんだろうと思いますけどね」
SONGEN「まぁでもコロナで疲れたとはね、言ってるからまぁ。大森さんも」
やんま「東奔西走したのは事実なんでしょうけど」
SONGEN「てかコラボ好きですよね、だから。対外がうまい人なんだなと、外ヅラがいいというか」
やんま「っていうか、他の人はただやらないだけなんじゃないですか? やりゃあできるけど」
SONGEN「俺は結局、本作品だけでやる自信がないから、コラボとかで誤魔化し誤魔化し……まぁ他の層から引っ張ってくるって意味もあるのかも知んないけど。空気階段とか。なんかそういうしょうもない手法が、1クール目の誤魔化しもそうですけど、しょうもない手法ばっかり引き継がれてしまってるなとは思う。Aiboコラボもそうだけど、なんか色々ありましたよね。レタスもコラボだっけ?
基本はだから、子供にお仕事を、大人にAI社会を見せたくて、それで何がしたかったのって話なんだよな。これは井上敏樹も言ってるけど、一般論でしかないことをわざわざテレビでやるのって面白いのかなっていうのが、僕は結局一番の肝で……『ゼロワン』に対して。そこはなんか本当に、『響鬼』の失敗と同じことをしてるなっていう」

労働からの解放「仕事を楽しく」

やんま「いやぁ『ゼロワン』はだから……この話前もした気がするけど、一般論に留まらないところが、いわゆる"倫理観がおかしい"として批判されちゃってるから、一般論に留まらないことは言ってるは言ってるんですよ。漫画の先生に「それでお仕事が楽しいんですか?」って言ったり。あれは別にお前が口出すことじゃねぇだろって話なんだけど、なんだけど口出して、その結果彼は心が救われて良かったねって話で」
SONGEN「なんかね、お話としては丸く収めようとしてましたね」
やんま「ヒューマギアが労働から解放されるんだったら、まず人間も解放されないと……ヒューマギアの権利を認めるには、だから"ズルい"って話になっちゃうから結局。だからお互いに自由にならなきゃ駄目だよねっていう。
そこがね、これからの社会に重要な概念だと思ってて。『シンエヴァ』もそうだったけど。だから自己犠牲は古いと思うんですよ、僕は。「他人のために自分が幸せになる」っていう時代だと思うんですよ、もう今は。
「あの人があんなに頑張ってるんだから、君もちょっと残業しなよ」とか言われるじゃないですか(イメージ)。僕ニートだからアレだけど(笑) そんなようなこと(雰囲気)があるって聞くじゃないですか」
SONGEN「働き過ぎの日本人に対しては、そうなんだろうなぁ。だから……え? 結局、ヒューマギアが労働を担って、それこそウィルが言ったみたいに賃金を貰うが正解なんですかね」
やんま「んーだから"働き方改革"ですよ、いわゆる。ヒューマギアは不当な扱いを受けてることに反感を持ってる訳ですよ。で、不当な扱いって言うんだったら人間だってパワハラセクハラ色々あって、ストレスの中で仕事をイヤイヤやってる訳ですよ。だからその、まず人間の労働環境を改善して、これからの未来の子供たちのためにもね、自分たちの労働環境をちゃんと見直して、"楽しく仕事"ができる場にしてこうぜ、そういう社会にしてこうぜって。子供たちが夢見る、こういう仕事に就きたいあぁいう仕事に就きたいっていうその夢を壊さないように、社会に出ても楽しめる世の中にしようぜっていうのが、まぁ理想論として『ゼロワン』が掲げてることだと思うんだけど。まぁ僕が思ってること、でもあるんだけど()」
SONGEN「まぁ僕が……結局大森さんが言いたかったのは、そこまでのことなのかなっていうのは。AIに仕事取られちゃう前に人間が頑張れよみたいな話だったんじゃないかなとは思うんですけど。よく言うね、結局は都市伝説であるレベルのAI知識で語り始めたのかなと思って。その後でね、つくりながら勉強したのかもしれないけど、(  )としては、これからの時代……未来の象徴としてAIをテーマに選んだだけなんじゃないかなとは思って。それ以降の話はそんなに……」
やんま「いやー、これは平行線かもしれないけど、絶対『ドライブ』でAIの勉強はしてると思う(笑)」
SONGEN「勉強……勉強したかなぁ?っていうとこ」
やんま「まぁ"勉強"っていう言い方はちょっと違うかもしんないですね、色んな人と関わる中で学んだっていうか。僕みたいに本読むとかそういう勉強の仕方ではないかもしんないけど。色んな人に取材するとか。で、そのAIについての概念っていうのは『エグゼイド』でも絶対引き継がれてるし、だから大森さんとしてはもうやりきったテーマなんですよ。やりきったテーマなんだけど、まぁ時代が変わってね、令和ライダーから見てみるかって人もいるから、もう一回やりますかってことだと思うんですよ、大森さんとしては。で、自分としてのモチベーションがAI一本だと、もうやったしなぁってなるから、じゃあ"仕事"っていう側面から色々描いてみたらどうだろうかっていう……まぁ仕事も描いてましたけどね」
SONGEN「仕事も結局そうじゃないですか、職業ライダー。警察官,医者……物理学者はよく分かんないけど。結局そこがやりたいんだろうなとは思うんですよ。大森さんは多分コラボとかしてる内にどっかに引き抜かれたりした方がいい人だと思うんだよな、多分(笑) 別にそんなに特撮ドラマつくりたそうじゃないから。お仕事ドラマとライダーの親和性が、ないじゃないですか、意外と。お仕事ドラマはよくあるじゃないですか、医者ものとか刑事ものとか定番で。弁護士ものとかもあるし。そういう一般ドラマに憧れてるコンプレックスがあるんじゃないかなぁきっと」
やんま「そうか、僕一般ドラマあんまり見ないから分かんないけど。でもまぁ一般の感覚で見てて、お仕事ドラマと仮面ライダーのドラマが乖離してるなって思っちゃうのは分かるけど、テーマ的には結構繋がってるし、ちゃんと読んでけば必要な話ではあるなっていうのは分かるんですよ。仕事ってだから、自分の意志でやってるのか他人の意志でやらされてるのかっていうのが曖昧な概念じゃないですか。さっきも似たような話したけど。だから自由意志、AIに意志は宿るのかとか、心はあるのかとか、責任は誰のせいなのかとか、ってことを考える上で、仕事っていう概念はちゃんと扱わないと、まぁ扱わないとっていうか考えといて損はないテーマで。で『ゼロワン』の中でもちゃんとお仕事として描かれてはいるんですよね、必要なトピックは。それが伝わってるかは、分かんないけど(笑) 僕には伝わったんだけど」
SONGEN「仕事ね。なんだろうな、学校の先生とかって学校卒業してそのまま学校っていうコミュニティに就職するから、結局社会を知らないみたいなことをよく言われるじゃないですか。それと同じようにっていうか、結局テレビ業界って特殊な世界だから。大森さん……が仕事論を語るに値する人かどうかっていうのは多分あると思うんだよな。普通の一般の企業とかで働いた人じゃないから」
やんま「はいはい。……それはさっきの話ですよ、そういう空気読めないやつ(少数派)が、世界を変えてくんですよ(笑) 現実を知って周りに流されちゃったら意味ない、一般論になっちゃう訳ですよ。特殊なところにいる人が、変わった思想……というか。うん、仕事が楽しいって思えてる人ってやっぱり一握りだと思うから、仕事はつらくて当たり前っていうのがまぁ世間一般の認識じゃないですか。それ以上を求めるのは欲張りというか、っていう認識をそもそも変えていかないと、これから先の子供たちに対しても、あれだよねっていうのが」
SONGEN「うーん、どうなのかなー」

やんま「幸せの押し売りって言うとちょっと近いかなぁ。宗教っぽいとは思う(笑)」
SONGEN「仕事論ってことですか?」
やんま「んー『ゼロワン』がっていうか、今日僕がしてる話が(笑) 私たちはこの思想で幸せになれるから、あんたらもこれで一緒に幸せになろうぜっていう、幸せに対する同調圧力っていうか……感はすごいあると思ってて。別にそんな幸せじゃなくても(楽しく仕事なんかしなくても)いいんだけどなって人は世の中にはたくさんいて。その諦めっていうか……"諦め"って言うのもちょっと違うんだよな、別に求めてないからそもそも。欲しくて諦めてる訳じゃないから。そこでもっと「欲しがれよ」って言うのは、すごい圧力的だと思うし。『オーズ』じゃないけど、もっと欲張れって言うのは、変な話というかだからその、迅が3クール目(31話)で「お前は自由意志で生きるんだ!」っていうのを押し付ける感じにすごい似てるとは思うんだけど。別にジーペンは流されて生きてて何も不満がない訳で、すごい酷い扱い受けてる訳でもないし。そういう人にわざわざ自分の意志を持てとかって言うのは、それは別にいいんじゃないっていうのは、すごい分かる。"息苦しい"っていう感想は、すごい分かるんだよな」
SONGEN「息苦しい……『ゼロワン』がですか?」
やんま「そうです。綺麗事っていうか、夢夢夢夢うるさい! っていうこと?(笑) 刃なんかはそういうキャラですよね。別に夢とかそんな大層な目標はないんだけど、なんとなく不満があって、くらいの。まぁ最終的には或人陣営に吸収それちゃったけど、それこそ最後テロっぽくなっちゃったりもして」

※第17回「身体」での会話↓が念頭にあります。
のーと「ゼロワンって、そんなみんな……自分の人生に生き甲斐とか、仕事にやり甲斐とか求めてることって、そんな前提になるかなって思って。大多数の人はそうじゃないんじゃない? って」
やんま「うんうん、なんとなくっていうか」
のーと「別にヒューマギアだって、みんながみんなあぁ言う訳じゃないだろって思う。すごく素朴なやり甲斐信仰というか、そういうのがあるなと思ったり」
やんま「そうですね、なんかやっぱ生きる意味っていうか、目的意識みたいなのはすごく重視しますよね『ゼロワン』は」
のーと「まぁそれをなんて言葉で表現してもいいんですけど、『ゼロワン』的用語だったら"夢"ってことになるのかもしれないですけど、別にそんなのなくてもいいのにって思うところはあるかもしれない。まぁあるに越したことはないけど。でもそれをなんか言われ続けるのはちょっと息苦しいなって思ったりはしました」
やんま「あーなるほど。或人はやっぱ綺麗事が好きだから、綺麗事ってやっぱりちょっと息苦しいですよね」
のーと「それはそうかもしれないですね」
SONGEN「大森さん自身にそんな夢がないんじゃないかなとは思うんですけど」
のーと「え、逆かなって思ったんですけど」
SONGEN「大森さんに夢があるから、押し付けてるようにってことですかね?」
のーと「お仕事とかにやり甲斐ある人なのかなって思ってましたけど」
やんま「お仕事でも楽しそうですよね」
SONGEN「いやー仕事人間だとは思うけど……(そういうの)ないのに言ってるから空虚に感じるんだろうなって思うんですよね『ゼロワン』は」
やんま「や、だから多分大森さんはクリエイティブなね、仕事をしてるから多分仕事が楽しいんだろうけど、だから仕事って楽しいですよっていうのを言えるんだろうけど、現実の仕事ってそうじゃないよねっていうところが、一番の齟齬なのかなって気はしてる」
のーと「そうですそうです(笑) 大半の人にとって仕事ってそこまで……」
やんま「まぁそこは敢えて、やってるところではあるとも思うんだけど。そうであったらいいよねっていう、そうなったら嬉しいよねっていうのはあると思うんだけど」
のーと「あぁ、子供が見る番組だから……」
やんま「そうそうそう、そうあってほしいなっていう。でもまぁ、根本的なズレは感じるだろうなぁっていうところは」
のーと「あーそうなるとじゃあやっぱりもう"お客さん"じゃないんだなぁ。当たり前か、当たり前の話だった(笑)」
やんま「大人になっちゃったから……仕事を実際に経験してるかどうかっていうのは、結構見え方変わってきますよね」

私的暴力の正当化

やんま「あ、でも『バルバル』唯阿の過去話はすごい良かったと思う」
SONGEN「あぁ、戦争の……。そう、いきなりフィリップの話ですけど、「拳銃をつくる人は犯罪者かい」みたいな。拳銃をつくる人は犯罪者じゃないけど、拳銃を持ってるじゃんみたいな、仮面ライダーは。或人たちが本編終了後の世界で仮面ライダー名乗り続けて、武力を勝手に個人の意志で行使してることが問題だと思ってて……問題じゃないですか? 単純に」
やんま「それは……あれですよ。単純に、武力を持ってることが問題なんじゃなくて、或人たちに信頼ができてないって話ですよね。武力を正しく使うかどうかの信頼が置けてないっていう」
SONGEN「いや、基本的にそこに"自己否定"があるべきで」
やんま「あー、なるほど」
SONGEN「まぁ僕が知ってた仮面ライダーはそうだった、だけなのかもしれないけど。なんか結局それも、"わたしたちライダー"はいい武力、お前たちのは違うみたいな。そういう要らん仲間意識が生まれてるのが最近の仮面ライダー……要らんのですよね」
やんま「人数が多いが故にね」
SONGEN「『ビルド』みたいな大学生ノリみたいなホモソみたいなのが気持ち悪いのとは元々また別であって、それが最近の仮面ライダーにずっと……『リバイス』も家族ぐるみでライダーやってる、気持ち悪いですよね」
やんま「そうですね、令和ライダーはその辺すごい意識してるっていうか、僕もちょっと前に言いましたけど、ショッカーから離反して、離反した奴らがまた新たにイチから組織をつくるっていう感じがありますよね、すごく。『セイバー』の2クール目かな?」
SONGEN「仲間割れ五番勝負」
やんま「ソード・オブ・ロゴスが仲間割れして、飛羽真が一人ひとり取り返していってみたいな」
SONGEN「あれはそうですね、SOLこそがショッカーだったみたいな見え方ですよね」
やんま「そう、だから新たに自分たちがコミュニティをつくろうっていう流れが、飛電製作所然り」
SONGEN「それは、意識してやってるとこなのか……」
やんま「まぁ、人数増えてってそうせざるを得ないみたいなところはあるのかな。でも別に対立させようと思えばさせられるけど、でもさせたらさせたでいつまで仲間割れしてんのみたいな言われ方をしたりもするし。『セイバー』なんかは最初仲間で、敵っていうかちょっと対立してっていう……まぁあれか、対立の流れがちょっとしょうもなかったっていうのもあるけど」
SONGEN「そもそもなんか不思議なあれですよね。今どき正義の剣士が存在するみたいな、始まりがすごいふわっと、現実感がない感じの。そこに……まぁでも裏切り者がいる! とかで引っ張ってるのはちょっと『ビルド』的だなと思って。結局は展開で動かしてくっていうのが今の手法なのかなって思ってて、そこにテーマ性があるのかどうかっていうのは確かに」
やんま「いやーまぁ『リバイス』は分かんないけど、『ゼロワン』『セイバー』はテーマの元にちゃんと展開つくってますよ、割と」
SONGEN「章立てがあってってことですか? でも『セイバー』とかも割と結構最後の方テコ入れテコ入れでうまくまとめたなみたいな話なんじゃないんですか?」
やんま「その、なんだろう。具体的な展開を変えることとテーマが変わることってまた、一緒じゃないから。キャラクターの動向とかは変わっても、テーマは変わらないで貫くことは可能だし、逆に……逆はないか。展開が同じでテーマが変わるっていうのは」
SONGEN「『セイバー』は割とそうですね、テーマに沿って終わった感じが」

続く