やんまの目安箱

やんまの目安箱

ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

特撮雑談クラブ 概要&第0回「試行」

この度『特撮雑談クラブ』という企画を、Twitterのスペース機能を使って始めてみることにしました。その名の通り、特撮にまつわる雑談をしていくものです。

各回ごとに抽象的なトークテーマ(親子,左右,感情…)を設け、開催日まで銘々自由に考えを深めた上で、それを持ち寄り披露していくというのが基本方針なんですが、テーマが折角のトークを邪魔するのも本末転倒なので、その場での話の広がりも大切にしつつ、話題に困らない為の指標として立てて置くイメージでいいのかなと思ってます。

また抽象的なメインテーマだけでは話に入りにくいと思うので、それとはまた別に、もう少し具体的なサブテーマ(小林靖子,バイク,カイザ…)を、参加者から「#特雑」で募ります。メインと縁深くてもよし、一見関係なさそうでもよし、来たお題はなるべく消化していきたいなと。

頻度としては、とりあえず軌道に乗るまでは毎週土曜の21:00~23:30を目安に開く予定で、第1回は年開けて2022/01/08「親子」を主軸にやります。スピーカーで参加してみたいという方はもちろん、ハッシュタグ「#特雑」を使ってツイートでの参加も歓迎です。
ただ、試しにやった感じでは非スピーカーがトーク中に新たな話を振るのは難しそうだとも思ったので、用意してきた話題がある場合は事前にでもまとめて呟いておいていてだければ、話の流れを見つつ適宜拾いたいと思います。

そして参加し損ねた方のために、スペースでの会話を記録して何かしらの形で公開させていただければ嬉しいなと思っていて、今回は試しに録音した会話をほぼ全てテキストに書き起こしてみましたが、1時間分のトークに8時間ほどかかったので、盛り上がったシーンだけ抜粋するなど方法を考えます。もし自分の話した内容は公開して欲しくない或いは訂正して欲しいなどあれば、対応するので連絡ください。

特撮雑談クラブ 第1回「親子」

 

以下は2021/12/29に行った第0回で、企画の枠組みを決めたあと余った時間で本題の雑談(?)をしたので、その記録です。
初回なんでメインテーマ不在のまま、サブを事前に候補として出ていた「小林靖子」「バイク」「仮面ライダーカイザ」の3つとして試しに進めたものです。参加した方の振り返りや、参加するかどうかの参考にしてみてください。

今回のスピーカーは僕ことやんま, のーと, れっちゃんの3人です。
()の空欄はノイズ等で聞き取れなかった箇所なので、埋まるまでは気にしないでください。

 ここまでの話の流れ
小林靖子作品はバイクとの関係が薄い傾向がある?
龍騎のライドシューター然り電王のマシンデンバード然り、オーズのライドベンダー然り
靖子作品はバイクの他に明確な相棒がいるので、そうなりがちなのかも? 蓮,ドラグレッダー、イマジンズ,ゼロノス、アンクなど
でも真司は原付によく乗っていたよね…

前半

自転車

のーと「バイクじゃないですけど、乗り物にキャラクター性が出るっていうのはやっぱりあるじゃないですか。
バイクじゃないって言ったのは、『電王』の良太郎は、一応デンバードっていう仮面ライダーのバイクはありますけど、普段使いしてる乗り物ってチャリンコでしたよね。なんか良太郎がバイク乗ってたらヤじゃないですか」
やんま「そうですね、確かに……チャリって感じだわ、彼は」
のーと「チャリって感じだし、あとは自分の好きなやつでいくと、例えば『響鬼』とかだと、明日夢と京介とあきらが3人でチャリンコ乗ってコダマの森に行くところとか」
やんま「はいはい」
のーと「あと『クウガ』で、奈々ちゃんがチャリンコ乗り捨ててオーディションの会場に戻っていったりとか」
やんま「あ〜」
のーと「仮面ライダーじゃないんだけど、それっぽい感じみたいな、一歩手前くらいの自転車みたいな……っていう感じのチャリンコの使い方はあるなと思ってて。良太郎も一人だけだと完璧な仮面ライダーじゃないけど、みたいな。そういうイメージもあるんですよね。
……全然そういう話抜きにしても、良太郎チャリンコ乗ってそうだなってのはあるんですけど」
やんま「うんうん。なんか親しみやすいですよね、チャリだと。免許いらないし」
れっちゃん「『リバイス』の主人公の五十嵐一輝は、全然あの人はバイクでもいいとは思うんですけど、そこで敢えてチャリ使うことで、日常感を演出してるじゃないですけど」
やんま「そうですね!」
のーと「これもうみんな言ってるからあれですけど、カゴにベルトをのっけて走るのすごい好きだった」
やんま「(笑)」
のーと「巻いてくるでもなく(笑)」

龍騎』の乗り物

やんま「……乗り物で言うと、『龍騎』の北岡先生が車に乗ってるのが僕すごい好きで。バイクと違って壁で囲われてるじゃないですか、あれは。それがなんか、彼の心の壁っていうか」
のーと「あ〜」
やんま「……みたいな感じに見えて。でしかも、あれに彼は、基本ひとりで乗ってるんですよ」
のーと「はいはい、吾郎ちゃんに運転させる訳でもなく」
やんま「そうそう、確か本編で二人乗り……"二人乗り"って言うのかな? 二人で乗ってたのは、最初の真司が隣に乗ってるところぐらいだと思うんですけど」
れっちゃん「あ〜」
のーと「初登場のときの」
やんま「そのとき北岡がめっちゃ生き生きしてるんですけど、その後なんか女の子の……手術代だか何だかを払って……(※1 手術したのは女の子の母親)」
のーと「ありましたね」
やんま「でもなんか誤解されちゃって、去るところ? あのシーンで北岡がすごい寂しそうな顔して、独りで車に乗ってるんですよ。あのシーンが僕すごい好きで、なんか北岡ってやっぱ寂しいやつなんだな……というのが表れてるシーンだと思ってて。
本当は人と繋がりたいから、4人乗りの車に乗ってるんだけど、でも誰も乗ってくれないっていう」
れっちゃん「あ〜」
やんま「で、それに最初に乗ったのが真司ってのも好きで」

のーと「そうなるとあれなんですね、真司が原チャリで蓮がバイクで、北岡さんが車で、で浅倉は何にも乗らない」
やんま「あー、そっか! そうですね、乗らない……徒歩?」
れっちゃん「気付いたら現れてる」
のーと「誰かと一緒に乗るとか乗せてあげるって話だと、原チャ……原チャリはキツいか、原チャリはキツいけどバイク,車は乗っけてあげられるなって感じだし、でそうなると浅倉は誰も乗せることもないし」
やんま「はぁー! 確かに」
のーと「っていう風にも見ていいのかなと思いました」
やんま「本編だと、まぁパトカーと……」
のーと「あ、パトカー乗ってる(笑)」
やんま「そう、あとタイガの……名前なんだっけ」
のーと「東條くん」
やんま「そうそう東條くんが、逃げるのを手伝うときに車乗っけてってくれたぐらい……かな?
蓮……のバイクも乗ったでしたっけ? あれか、ミラーを使わしてあげただけか。じゃあ乗ってはないのか」
のーと「乗ってはない……ですね。まぁ乗ったとしてもイレギュラーってことになるんですかね」
やんま「っていうかヤですね、蓮のバイクに浅倉と二人乗りって……」
のーと「二人乗り……ヤですね」
れっちゃん「かなりキツい絵面というか(笑)」

のーと「あと、蓮の後部座席に優衣が乗ることってありまし……たよね」
やんま「はいはいはい! 結構ありますね、最初とかよく乗ってた気がする」
のーと「まぁあれは作劇の都合上もあるんでしょうけど、優衣が生きてる内は後ろに乗るやつ……生き返んないんだなって感じがしてヤですよね」
やんま「あ〜……あ! 確かに確かに!」
のーと「他に座る人がいるから」
やんま「そうですよね、やっぱ最初の1話で優衣と一緒にいるところは、蓮には女がいるっていうのを暗に示したいんだろうなってのは思いましたけど、なるほどね。そういう……そういう見方もあるのか、そっか。はぁ…………やっぱ『龍騎』って面白いっすね」
れっちゃん「(笑)」

のーと「なんかそこら辺はあれですよね、『クウガ』みたいなライダーのバイクを日常使いしてたりとか、日常使いしてるバイクが変わったりだとか……っていうところだと、なんか別の意味が乗っちゃったりするところですけど、『龍騎』はそれがないので、色々見ようがありますよね」
やんま「そっか、販促にやっぱ捕らわれなくていいから、自由にできるのか」
のーと「乗り物周りの描写は自由だったんじゃないかと」
やんま「なるほど」
れっちゃん「あと、バイク……()のライダーだと、だいたいバイクに乗るのは、どのシーンでもスタントマンらしいんですけど」
やんま「へー!」
れっちゃん「城戸真司に関しては、原チャだからオッケーじゃねみたいな感じで、本人が乗って」
のーと「()の原チャってあれ牽引じゃなくて自分で運転してるんでしたっけ」
れっちゃん「普通に乗ってるんじゃない……かな」
のーと「あれくらいだったらいけそう……ですけどね」
やんま「やー、そういうとこは分かんないな……僕……」

サイドバッシャー ガウォーク形態?

やんま「……あれ、もしもーし」
のーと「はいはーい」
やんま「あ、良かった。……もう1個、(お題に)カイザがあるじゃないですか。カイザはサイドバッシャー……じゃないですか」
のーと「サイドバッシャーですね」
やんま「でもサイドバッシャーに人乗ってたことって……僕あんまり印象にないんですけど、なんかあの、流星塾の女の人が乗ってたかなってくらいで」
のーと「そんぐらいですよね。だから本当に乗せたい人が隣に乗ってくれないっていう」
やんま「そうですね、1回も乗ってないですね」
れっちゃん「それめっちゃ切ないっていうか」
のーと「サイドバッシャーの横に乗ってたのって、その流星塾の子と、戦うときに巧が乗ってたかな……ぐらいで、真理は乗ってなかったんじゃないかなって思う」
やんま「うん乗ってない……ですよね、確か。あと……」
※僕が幼少期の曖昧な記憶で、『アバレンジャー』に出てくるサイドカーをサイドバッシャーと勘違いしていたくだりは無駄なのでカット
やんま「……サイドバッシャーで言うと、あの変形した後? 変形態を、白倉さんか誰かが"ガウォーク"って言ってて」
のーと「ガウォーク!?(笑)」
やんま「そう。え、そんな呼び方だったのって思って……正式名称ってあるんでしたっけ? バトルモードだっけ?」
のーと「バトルモードです」
やんま「あ、ですよね。なんかのインタビューの画像で、確か白倉さんがガウォークって言ってたんですよね。だからなんかガウォークってあれ一般名詞だったのかなって思って、でも違いますよね?(※2)」
のーと「違うんじゃないですか? ガウォークってあれですよね、歩いたり飛んだりするやつ」
やんま「『マクロス』の、バルキリー……が、造ったっていうか、使い出した言葉ですよね」
のーと「似てる、似てるけど……似てるか? 似てるか……まぁ言われてみれば」
やんま「あぁそういう見方もあるんだって思って。流石白倉さん、みたいな(※3)」
のーと「白倉さんが単にマニアってだけな気も」
れっちゃん「似てるっちゃ似てるかな……」
のーと「でも『マクロス』が'82年だから、その世代の人にとっては通じる表現なんすかね」
やんま「あぁ、そうなのかな。なるほど」
のーと「前も言ったかもしれないですけど、高寺さんもオタクだけど白倉さんもだいぶオタクですよね」
やんま「あー、そうですよね。意外と……意外とっていうか、東映作品は全部見てるし、他の作品も……」
のーと「幅広いですよね」
れっちゃん「色んなインタビューでも他の作品の名前が出てきますよね」
やんま「僕……インタビューとか調べ出したの最近なんで、割とニワカ寄りですけど……(苦笑)」

『555』と吸血鬼

のーと「白倉さんがだいぶマニアだよねってやつだと、『パラダイス・ロスト』。アレの元ネタって色々遡っていくと、まぁ当たり前なんですけど、リチャード・マシスンの『地球最後の男』……最近だと『アイ・アム・レジェンド』って言った方が通りがいいと思うんですけど、要するに世界中が吸血鬼でいっぱいになっちゃって、で生き残った人間が戦っててっていう話なんですよね(※4)」
やんま「へぇ〜」
のーと「これって割ともうだいぶ由来が古いっていうか、古典的なアレなんで、「これが元ネタ」って言うのはちょっとなってずっと思ってたんですけど、割と日本の作家が翻和してるのとかがあって、藤子不二雄……だったかな、『流血鬼』っていう。"血が流れる"の『流血鬼』って漫画があって、それが直接…藤子・F・不二雄です。藤子不二雄だったかな。
まぁ『流血鬼』っぽいなと思ったんですけど、一番近いのって石森章太郎の『きりとばらとほしと』っていう漫画があって、それかなって思うんですよ。多分あらすじ読んだら『パラダイス・ロスト』だなって絶対思うと思うんですけど」
やんま「(調べながら)はぁ……吸血鬼になる奇病ね、ほぁー」
のーと「そうそうそう。石森章太郎も同じようなやつ書いてるんで、『パラダイス・ロスト』も一応、石森オマージュって言っていいのかなって思って」
れっちゃん「あぁ、いま『流血鬼』のあらすじ見てるんですけどめっちゃパラロスですね。なんか"新人類"とかいうワードが出てて、まさに」
のーと「『流血鬼』の方は、バンパイアになって嬉しいって感じの終わり方なんですけど、」
やんま「へー!」
のーと「『きりとばらとほしと』は、ちょっとそれより悲しい感じの終わり方で、その2つの終わりが両極端だとすると、パラロスは道具立てっていうか、設定ですよね、設定はそういう古典的なところに題材を得てるんですけど、最後のオチというか、やりたいとこはちゃんと『555』でしかできないことになってるんで、そこがすごいいいなって思うんですよ。もちろんパラロスはパラロス単体で名作なんですけど、それに似てるやつとか探してると、白倉さんとか敏樹とか田崎監督とかがやりたかったことって、分かりやすくなるのかなって」
やんま「はぁ……(感嘆) 石森漫画まではフォローできてないな、なかなか……。
流血鬼って面白い名前ですね…………ちょっとネタバレになっちゃうのかもしんないですけど、吸うじゃなくて流す方なんですね、その鬼は。なんでそういう名前に……」
のーと「バンパイアハンターのことをそう呼んでるんじゃなかったかな」
やんま「はー! へー! なるほど。じゃあ『555』で言うとファイズ側の方が、流血……」
のーと「あ、そうですそうです」
やんま「そうか、ファイズも血流れてるわ。なるほど」
のーと「だからアレですよね、ファイズもカイザもデルタもそうですけど……っていうか吸血鬼ものの倒す側? っていうのは往々にして、自分が血を流して戦うもんだから、そういうフレーバーなのかなって。
……なんだっけ、忘れた。あのファイズの力のアレ、なんでしたっけ」
やんま「フォトンブラッド」
のーと「そうそうそうそう、フォトンブラッド出してキックするとか、フォトンブラッド出して斬るとかっていうのも、血を流して戦ってるみたいなそういう……感じかなと」
れっちゃん「そう捉えるとなかなか面白いですね」
やんま「なんか血が力になるってすごい魔術っぽいっすね」
のーと「魔術っぽい……ですし、なんならルシファーズハンマーはハンマーだし。……ハンマーでガツンてやるじゃないですか、胸に(※5)」
やんま「あ、あ、なるほどね! なるほど! あー!」
のーと「そうそう。……だからなんか、『555』はそういうところもちゃんとしてて僕はすごい好きだったりするんですよ」
やんま「いや知らなかったなぁ…………これですよ! これが(この会の)醍醐味ですよ! これがやりたかった」
のーと「(笑)」
れっちゃん「『流血鬼』の方は一応短編集に入ってるみたいですね」
のーと「そうですね、僕も最初どこで読んだのか全然覚えてないですけど」
れっちゃん「チェックしときます」
のーと「是非石森の方も、なんかあるじゃないですか、萬画版の『BLACK』読むついでとかで、買ったら、そういえばなんかあったなって」
やんま「この辺の漫画って、手に入るんですか? いま」
のーと「電子書籍ありますよ」
やんま「あ、なるほどなるほど」
のーと「僕もそういうのなかったら全然カバーできない……」
やんま「やー、うち(の父の倉庫)にあるのかなぁ……ない、と思うけど」
のーと「なんかあれですよね、僕たちがそういうの見る必要って全然ないんですけど、白倉さんとかって特に、絶対こういう仕事する上で石森章太郎萬画とかちゃんと見てるんだろうなって」
やんま「そうですよね、知ってなきゃいけないっていう、仕事として」
のーと「本人が好きとか嫌いに関わらず、ちゃんと読んでるんだろうなって思うと、じゃあ私もできる範囲で見てみようかなって」
やんま「(調べながら)電子書籍……『龍神沼』」
のーと「そうです、それに入ってるんじゃないかな。『きりとばらと〜』の方は」
やんま「あ、安いっすね。これなら買おうかな、500円て普通の漫画ですもんね」
のーと「あ、今同じの見てるからあれだけど……これ重大なネタバレじゃないんで今言っちゃっていいと思うんですけど、吸血鬼だらけになった後で街頭テレビでアナウンスするシーンとかめっちゃパラロスやんって思いましたね」
やんま「へぇー! ありましたね」
のーと「あれすごい好きなんですよね、パラロスの中で。パラロスの冒頭15分ぐらいすごい好き、もうあそこだけ見る時もある」
れっちゃん「あぁ〜」

のーと「僕……のオリジナルじゃなくて、『555』すごい好きなフォロワーの人のツイートの受け売りですけど、草加くんの戦い方もちょっと違ったりするし」
やんま「ほぅ」
れっちゃん「注目して見直します」
のーと「僕も言われて初めて気付いたんですけど、パラロスの最初の方の草加くんの戦い方って、ザコ狩りみたいな感じ……」
やんま「あぁ〜……! はいはいはい」
のーと「全然本編でカメラのパンチ……グランインパクトなんて使わなかったのに、あれさえ当てれば勝てるみたいな感じ」
やんま「あ、使ってましたね」
のーと「普通のオルフェノクってあれ当てれば勝てるじゃないですか、まぁラッキークローバーとかはともかく。だからなんかもう、弱そうなやつ見つけてすぐ必殺技撃つみたいな。本編の時の草加くんってもうちょっと慎重だったよなと思ったりして。
だから……さっき言ってた吸血鬼の話に強引に絡めてみたりすると、テレビの時の草加くんは強い相手にどうやって杭を打つかみたいなそういう計算があったんだけど、パラロスの時は言ったら寝てる吸血鬼に作業として杭を打ってるみたいな感じ。そういう風な違いはあるのかなって思うんですよね」
やんま「なるほど」
のーと「で、たっくんは昔のままの感覚だからそれなりに強いし。だからなんかザコ狩りしてるよねって言われた時はそういう見方もあるのかと思って、それからちょっと変わりましたね」
やんま「(TTFCで確認しながら)ホントだ、もう出てきていきなりカイザショット持ってるわ」
のーと「割と早いですよね」
やんま「ほー……あそっか、(カイザは)十字架か」
のーと「あ、十字架ですね、そうです。
あとあれですね、パラロスは……元々のテーマのバイクに戻ると、たっくんがファイズとして復帰するタイミングに合わせてオートバジンもだいたい同じタイミングで復活するじゃないですか」
やんま「復活……(思い出せていない)」
のーと「復活っていうか、再起動? まぁ復活ですよね。バイクと一緒にするの、すごい仮面ライダーっぽくていいなって前から思ってて。
で、その意味で行くと後半のでかいサイ……エラ……」
やんま「エラモス……テリウムみたいな」
のーと「エラスモテリウムか。あれにバジンがぶっ壊されちゃうところ、バジンがぶっ壊されてからの巧は仮面ライダーじゃないんじゃないかな、とか」
やんま「あー……オルフェノク……に、なる」
のーと「オルフェノクとか人間とか乾巧とか、色々あると思いますけど、"仮面ライダーファイズ"ではないのかなって」

オートバジンの存在

やんま「…………オートバジンって、どういう存在なんですかね。なんか僕……『555』直撃世代、って言うんですか? だから、一番好きではあるんですけど、」
のーと「僕も好きです」
やんま「イマイチ、分かんないとこが自分的には多くて……うま、馬じゃないですか、オートバジンて」
のーと「"バジン"なんでそうですね」
やんま「だからなんか、せっかく木場と被ってるのに、木場と絡むことほぼないじゃないですか。そこがなんかなんでなんだろうなと思ったり。バジンてほら、馬ってだけじゃなくてウマとヒト(ケンタウロスでもあり、ホースオルフェノクと木場勇治の2面でもあり)……だし……」
のーと「ウマとヒト……ですね。割と愛嬌はあるけど、自我はない感じ……」
やんま「(バジンが壊されるシーンを見て)わっ! 壊れた! …………そうっすね、自我はない、ですね」
のーと「あーでも木場さんとの関わりはあんまり考えてなかったかな。オートバジンて基本的に巧の味方ですからね」
やんま「『555』は割と……ライダー同士の戦いが多いじゃないですか。あぁいや、ライダー同士の戦いは多くないけど、共闘はそんな多くないっていうか……そん中で、まぁ、バジンは唯一敵対する心配なく味方してくれるヤツ、みたいなイメージはあって。
そういう意味でまぁ仲間……でもロボットだしなぁみたいな。だからなんかそこはやっぱ『ゼロワン』に通ずるところはあるのかなと思ったりしますけどね」
のーと「はいはいはい」
やんま「ロボットだけは自分の都合よく動いてくれて、信頼できる仲間……みたいな」
のーと「あぁ〜……他の人は、そうはならないけど?」
やんま「そうそうそう、自我があるがゆえに」
のーと「……そうですよね、バジンの行動って基本的に原則に忠実ですよね。あの……なんだっけ、サボテンオルフェノクじゃないや、いたじゃないですか」
やんま「あー、はい。カクタス」
のーと「カクタス、そう。……が、ファイズに変身した時も、そっちの方を攻撃したから、ファイズをってよりかは巧と真理をって感じだろうし」
やんま「そうですね。あのシーンは結構印象的、かな」
のーと「オートバジンは、あんまりそんな考えてなかった、なぁ……なんで、あれですけど」
やんま「でもなんか、玩具としてすごい面白い割に、意外と影は薄いっていうか、まぁ要所要所で出てくるけど、その、なんだろ、次回へのヒキの解決役みたいなことが多いじゃないですか。序盤でなんかさらっと終わって、ハケるみたいな」
のーと「そうですね、キャラクターってよりかは舞台装置に近い感じ……」
やんま「そうそうそう」
のーと「これ言ったら身も蓋もないけど、オートバジンもサイドバッシャーも、使い過ぎたらじゃあそればっかり使えばええやんていう話で。ジェットスライガーなんて……まぁまぁそうですけど。だからまぁ、なんか中途半端な立ち位置にはなってるのかなと。

これが『クウガ』とかだったら、あんまり使わない理由付けとかってのがちゃんとあるのかもしれないですけど。そこはもう……まぁ、なぁなぁみたいな感じで……やっぱ『クウガ』ですら、ゴウラム毎日使えよってところはあるし」
やんま「確かに(笑) ……あれはなんか、1回使うと石化みたいなんしますけど、」
のーと「エネルギー切れ……は一応ありますね」
やんま「うんうん、あれエネルギーどっから得てるんですか?」
のーと「えっと設定上は雄介の意思……ですかね」
やんま「へぇ……意思からエネルギーが生まれるんだ、なるほど」
のーと「だから触ると直るみたいな。だからこんなこと言ったら空想科学読本みたいですけど、どう考えてもトライゴウラムで、最終的には突っ込む方が強いんだから、毎日ゴウラム抱いて寝ろよって」
やんま「(笑)」
れっちゃん「なるほど(笑)」
やんま「や、でも案外寝てる時は意思の力が弱いから回復できんとか、あるのかもしれない(笑)」
のーと「かもしれないですね、あー(笑)
うん……僕『クウガ』とか『響鬼』の、リアルっぽいけど完璧にリアルじゃないところは、好きですね。よく言われますけど、もっとちゃんと考えたら自衛隊出るべきじゃない? とか。
あくまでやりたいことが先にあって、やりたいことを不自然にさせないために、設定がちゃんとしてる……様に見えてる」
やんま「うんうんうん」
のーと「……くらいの塩梅が、すごい……好きなんですよね。別にガチガチに正しいやつを見たかったら別のやつを見ればいいだけの話で」
やんま「そうっすね、それはありますね。なんか、やたら……不自然に持ち上げられてるところがあるから、アレだけど、それを楽しむというか」

オカルトとサイエンスのバランス

のーと「そうですね。『剣』のトランプとか、1万年前っていう雑な設定……とかも、まぁまぁそれはそんなもんかっていう。今回はそういうことなのね、と」
やんま「リアリティラインがね」
のーと「『リバイス』とかも、いい感じに曖昧にして欲しいなって思ってるんですよね。オカルトとサイエンスの塩梅ですよね」
れっちゃん「んー、確かにそこはちょっともう少し……なんて言うんでしょうね、難しい」
のーと「この先ちょっとずつ教えてくれるんだと思うんですけど、全部分かった時にどっちかにすごい偏ってて欲しくないみたいな、真ん中ぐらいにしてくんないかなみたいな」
やんま「あー。なんか『リバイス』はでもそんな感じしますけどね実際、今んところ見てる感じ」
のーと「そうですね、だから細々としたところが気になるマニア的……マニア根性的には、『リバイス』がやってる話とかがどうじゃなくて、そこがちょっと気になってみたりとかしてましたね。どういう感じで処理……というか料理してくれるんだろうって」

やんま「あ〜。えっ……その視点的には、あの『ゼロワン』終盤のアークとか、どんな感じに見えてました?」
のーと「(笑)」
やんま「あの、物がふわふわ浮いたりとか、それどう考えても理屈……通らんだろみたいな」
のーと「あれはなんかちょっと無理やりかな……っていう風には思ってましたけど、最後の方はやりたいことを優先してたのかな、と」
やんま「なんか……銃弾を……こう、空間で止めたりとか。もはや超能力としか言いようがない感じの」
のーと「言いようがない感じの。そう、なんか超能力としか言いようがない感じ……だったら、服全部切ってパンイチにするの、器用だなって思ったり(笑)」
やんま「確かに(笑) やなんか、あの超能力は、まぁすごい意図的っていうか、『デトロイト』っぽいって言われてたじゃないですか、その前作……なのかな、同じ会社が作ってるゲームの『ビヨンド』っていうのがあって、それが超能力ものなんですよ。……超能力っていうかまぁ霊能力っていうか。
人間の魂ってものがあって、でその魂を自在に操って、なんか女の子が……それこそ銃弾を止めたりとか、そういう念動力的なものを使える話なんですけど。まぁだから『デトロイト』をもし実際意識してるんだったら、終盤のなんか超能力的なのはすごい『ビヨンド』っぽいなと思ってて、僕は」
のーと「……なるほど」
やんま「なんか、アークの変身エフェクトの、すごいドロドロしたものが流れてくる……エフェクトあるじゃないですか。実際あぁいう映像が『ビヨンド』の中で流れてたと思うんですよ、確か。"悪い霊"の映像として。それがすごい似てたんで、僕はそれ事前に知ってたから、あぁそういうことなのかなって思って見てたんですけど、他の人はそれ……分かるのかなぁみたいな」
のーと「僕は分かってなかったんじゃないかな。今話聞いててへーそうなんだって」
やんま「ずっとサイエンスの方ばっかりでやってたから、やっぱ急にそっちに路線変更すると、振り落とされる人が出るんじゃないかなーと思ってて。
まぁ、実際はアークより前の、お仕事五番勝負のところで振り落とされた人が多かったみたいですけど(笑)」
のーと「そうですね……」
れっちゃん「アークのエフェクトは……なんかコンピュータウイルスみたいなもんなんだろうなと思ってました」
やんま「あー、あのうにょうにょした感じの。バグスターにもちょっと似てましたもんね」

のーと「そうですね、『エグゼイド』はバグスターウイルスが"そういうもん"だよっていうくらいだったんで、じゃあ"そういうもん"かで納得してましたけど」
やんま「でもあれも……あぁそうか、そうっすね。なんか小説で結局コンピュータウイルスっていうか……まぁでも本編じゃ割とよく分かんないものって感じだったか」
のーと「とりあえず普通に見てる分には、まぁ、あの檀黎斗ってキャラクターがすごくって、ですごいが故に色んなことができるんだなぁ、みたいな。色んなことができてバグスターウイルスもそれでうまいこと処理してるんだなみたいな。バグスターウイルスのちゃんとした設定知らないですけど」
やんま「そう、バグスターが培養したりするから……ウイルスがウイルスを培養ってナニ? みたいな。お前細胞ないじゃんみたいな。細胞あるなら人間使わず、自分で複製しろよって。でも何故かグラファイトは変身のとき"培養"って言うし、本編中でも色々……俺の体で培養したんだみたいなこと言うし……(※6)。
まぁあの辺は高橋さんお得意の、なんだろう言葉遊びっていうか、みたいなところはあると思いますけどね……。調べてみると、どゆこと? みたいな。不親切な感じはしますね」

高寺P『大魔神カノン』の親切,不親切

のーと「不親切,親切で言うと……僕いま『大魔神カノン』ていうのを見直してるてるんですけど、『大魔神カノン』てご覧になったことあります?」
やんま「僕ないですね」
れっちゃん「僕もないです」
のーと「スタッフ的にはプロデューサーの高寺さんと、脚本の大石さん、」
やんま「大石……?」
のーと「大石……あの『響鬼』の文芸、設定作りやってた」
やんま「あー、はいはいはい」
のーと「あと『クウガ』の荒川さんが参加してて、割と共通するところも多いんですけど、一般的な評判ってあまり良くないんですよ。
良くない理由も分かるし、僕も好きか嫌いかで言ったら……まぁあまり好きじゃないんですけど、ただ唯一いいなって思うのが、『クウガ』とか『響鬼』みたいに、なんか分かんない言葉とかよく分かんない設定っていうのは、割と短いスパンで説明してくれるんですよね」
やんま「へぇ〜。あ、こないだツイートしてたあれですか。視聴者と共有できないお約束みたいな」
のーと「あそうそう。"視聴者と共有できないお約束"っていうのが、『響鬼』の後半当時に出てた写真集で白倉さんが言ってたことで(※7)」
やんま「あ、そうなんだ」
のーと「そうだったと思うんですけど。だから視聴者と共有できないお約束っていうのは、減らす努力はされてるなっていうのは思うんですよね。
これこれこういう話がやりたくって、そのためにこういうものを用意していて、でこういうものの正体はこれですっていうのを、割とテンポ良く出してくれてるっていうのが。そこだけは絶対改善してると。
ただ、話があんまり面白くない」
やんま「(苦笑)」
のーと「多分世の中的に今出てる事実として、『大魔神カノン』は予算の割にコケてて。それ以降高寺さんて新しい映像作品を作ってない訳ですけど、実質的には。
でも『大魔神カノン』で絶対良くなってるところもあるんだから、絶対そんな調布FMの……ラジオのオジサンで」
やんま「(笑)」
のーと「定年迎えるより、なんか最後あと1個くらい作って欲しいなって思う。これはその、ファンだから信者だからとかじゃなくって、あん時そういうことができてたんだから、次はもっと面白い話さえあれば……」
やんま「その方がむしろ、社会のためみたいな。(『カノン』のWikiを見ながら)あー、サブタイ2文字縛りなんだ」
のーと「この2文字縛りは特に意味ないと思う。言葉遊び……でしかないから」
やんま「あ、そうなんだ(笑) 『クウガ』のは……逆にあったんですか?」
のーと「『クウガ』は、まぁ遊びっちゃ遊びですけど……発音縛りはなかったんで」
やんま「あ、ホントだ。歌遠(カノン),彼音(カノン),寡温(カノン)……」
のーと「から、適切なサブタイトルになってると思うんですけど、『カノン』はその制約がそんなちゃんとできてるようには思えないし」
やんま「キツすぎますねこれは、12話くらいなら頑張ってもいいかなぐらいの」
のーと「まぁだから良くなってるところもあるし、なんやこれってところもある。全然カノンじゃなくていいじゃんって」
やんま「これは怪獣……ものなんですか?」
のーと「えっと……等身大の着ぐるみがたくさん出てきます」
やんま「あ、そうなんだ? へぇー、勘違いしてた」
のーと「これ……ちょっと大事なところを端折るんで不正確ですけど、魔化魍の調査,探索パートを抜かして、その穴に明日夢くんの尺を増やしたみたいなのが『大魔神カノン』」
やんま・れっちゃん「……ほぉ」
のーと「で、その増えた明日夢くん……明日夢に相当するキャラクターのパートがすげぇ面白いって思える人は、多分『大魔神カノン』大好きなんじゃないかなって思います。
私は……私『響鬼』の好きなところは、ふたつあるんですけど、ひとつはその細々とした手続き的なところ。キャンプを張って、ディスクアニマルを起動して、じゃあ行ってきますっていう、くどくどしい流れですよね。あれは嫌いな人もいると思うけど、僕はすごい大好きで、でもうひとつ好きなのは、明日夢くん周りの話なんですけど、好きなものの片っぽがちょっとだけなくなって、明日夢くんの話だけされても……お前……お前それはさぁみたいな」
やんま「(笑)」
のーと「あと主役の子が明日夢くんより年上なんで、もう成人してるんだったらそんなことで悩まなくてよくない? みたいな。お前大学生で20歳超えてんだったらもうちょっとシャキッとしろよって」
やんま「なるほど(笑) 大学生なんだ」
のーと「大学生の女の子……ですね」
やんま「あれですよね、なんか、高寺さんのお子さんの……年齢に、同じくらいのって言われてたやつですよね」
のーと「あの、もうそれは考えないことにしてますけど、ホントそうだと思います(苦笑)
そこは良いところでもあり、ちょっとアレかなと思うところでもあるんですけど、『クウガ』『響鬼』ぐらいの12歳〜15,16歳だったらまぁそんなもんかって思うけど、でも20歳ってもうちょっとちゃんとしててもいいんじゃないって。親御さんの目から見たら、そうは見えないのかもしれないですけど」

クウガ』『響鬼』とモラトリアム

やんま「あー、でも意外とその……僕は今の話面白いと思ったかな」
のーと「えっ、どういうことですか?」
やんま「こないだ『響鬼』の話で、子供には優しいけど大人になってもまだ子供っぽいやつには厳しいって話をしたけど、高寺さん的にはまだ20歳は子供なんだっていうのが。20歳は、まだ子供っぽい振る舞いをしてていいんだって。あ、ちょっと、実際劇中でどう扱われてるかは知らないですけど」
のーと「いや、それはあれじゃないですかね。『クウガ』『響鬼』の時はそうじゃなかったけど、ご自身が年齢を重ねられて、お子さんも大人にというか年齢を同じように重ねて変わっていくところだと思うんですよね……。
やんま「あー、そっかそっか」
のーと「これはその……あれじゃないですか、だって『クウガ』も『響鬼』もそうだし『大魔神カノン』ですらそうなんですけど、高寺さんの話は高寺さんの私小説……である側面があるんですよね。それこそ井上先生が、高寺が抜けたらそれはもう駄目なんだよって言うのとおんなじで、高寺さんがご自身のことをやってるんだからそれは当たり前なんですよね。それがものすごく出てるのが、後半直前? に『特撮ニュータイプ』って雑誌の高寺さんがインタビュー受けてた時で、一番最後の締めの話が、『クウガ』で家出の回があったときに、ポレポレで神崎先生が喋ってた内容と、一言一句違わずは言いすぎですけど、おんなじ話なんですよ(※8)」
やんま「子供が分からないんですよっていう、アレ」
のーと「分からない……分からないっていうのもそうだし、みのりっちと桜子さんが言ってる話もそのまんま載ってるし」
やんま「へぇ〜」
のーと「『エヴァンゲリオン』とかもそうですけど、クリエイターの内面にものすごく、自分から言及していく感じ……っていうのがありますよね。だからそれに沿って、大人である/大人でないの基準も、ご自身のあれに沿って変わってくんだと思います」
れっちゃん「なるほど……」
のーと「だから『響鬼』の時の20歳は"大人"だったんだと思いますよ」
やんま「あー、あの童子と姫ってどれくらいの年齢なんでしたっけ。役者さんの」
のーと「いや分かんな……あ、役者さんですか? えーっ、当時いくつなんだろ」
やんま「結構若く……見えるけど、姫なんかは特に」
のーと「芦名さんは若い……ですけど村田さんは……当時28とか、27,28くらい。で、芦名さんは(調べる)……22,23」
やんま「あー、じゃ結構近いですね、20歳。……なんかそれ聞いたら、年齢関係なく、単にその、高寺さんが好きになれる人は許せるけど……っていう話にも、思えてきた(苦笑)」
のーと「あ、そうですね。結局そうなると思います」
やんま「そっか……そうなっちゃうのか…………なるほど」
のーと「これってまぁ高寺さんが理想としていること? が、とても良いこと……まぁ良いの基準は色々ですけど、みんなで協力しようぜとか、優しくしようぜとか、良いことだからなんとかなってるだけで、そこら辺の基準がちゃんとしてないっていうのはすごい危ういところ……ですね」
やんま「……そうですね……」
のーと「だからそっからちょっとでもズレると、そういう人にとっては冷たいものになっちゃうってのが」

やんま「なんでしたっけ、あの画家目指してる……『クウガ』の、甘ったれた人」
のーと「蝶野さん」
やんま「あ蝶野、そう。蝶野は別に……あいつ悪くなくない? って思うんですよ僕は」
のーと「うーんまぁ普通……のやつですよね」
やんま「うん、ちょっとイタいだけっていうか」
のーと「あれグロンギっていうのを適当なやつに置き換えればすげぇ普通なやつだっていうのが分かると思うんですけど」
やんま「そうですよね、別に何も悪いことしてない……っすよね。……あれ、なんか悪いことしたんだっけ? 俺はグロンギだって言っただけか」
のーと「言っただけですね」
やんま「そうですよね。まぁまぁ、警察に嘘つくのは悪……良いことじゃないけど、そんなか? って感じですよね」
のーと「そんなか、なんですよね、うーん……。あとは蝶野さんが2回目出てきたとき、っていうのも、絵のコンクールに間に合わなかったっていうのは、それは椿さんとか五代くんから見れば、次があるとか、でもこの絵は良かったんだからとか、僕は好きだなとか、それは正しいし優しいことなんだけど、でもそれって蝶野さんにとってはとてもつらいことたよな、とか。なんでそういう人には、あんまり暖かくないんだろうって」
やんま「そうですよね、"この絵が良かった"からこそ、今回、やりたかったのに……」
のーと「そう、そうなんですよね。だからその、僕は蝶野さんの話と直接繋がる部分だと思うんですけど、『響鬼』の29話の、今とてもつらいんだったら、これからはつらくならないようにすればいいっていうの。あれすごい、すごい良いセリフだと思うんですよ。僕も『響鬼』で好きなセリフなんですかって言われたら絶対それだって言うなって思うんですけど。でも本当につらいのって、つらいときに"これからはそうならないように"って頑張……れない人でしょ。頑張れない人にはどうするのって。で頑張れなくってどんどんつらくなって、どんどん弱い立場に置かれてった人が最終的に悪いことしちゃうんじゃないのかとか」
れっちゃん「あ〜」
のーと「……から、僕は割と好きな作品、高寺さんのやつに寄ってたりして、スーパー戦隊も実はそうなんですけど、高寺さんの作品すごい好きなんですけど、すごい好きなところとすごいヤなところが裏表になってる部分があるなぁと。
自分がそれをいいなって思える側にいつでもいられるんだったら心地良いんですけど、まぁでもそうじゃない時もあるのは分かってるので、複雑なんですよね」
やんま「なんか高寺さんはその辺……自覚してるんですかね? ……まぁなんか……僕らが口出すことじゃない気はするけど」
のーと「自覚してるとするんだったら、自覚した上でできたのが『響鬼』とか『カノン』なのって思うと、やっぱ僕はそれは違うと思う……」
やんま「あぁ……まぁそうですね。僕も『クウガ』からどう変わるかなって思って見てたら、あぁなんか結局これかみたいな、感じはあったから……」
のーと「まぁ『響鬼』はおもろいんで全然いいですけど」
やんま「うんうんうん。……そう『響鬼』も『クウガ』と一緒で、途中途中に井上さんを挟む……構成だったらもっと良かったんじゃないかなって僕は思うんですよね。今は前半後半で分かれちゃってるから、なんか対立みたいになってるけど、『クウガ』は割と、エッセンス(※9)みたいな感じに入ってるじゃないですか、井上さんのあれが。蝶野もいい感じに……丸くなったし」

のーと「あぁ、でもその話でいくと、小説版に蝶野出てこないのすごい良いなって思う、かな」
やんま「あー、出てこない……っすね」
のーと「1文字も出てこない、ですね」
れっちゃん「へぇ〜」
のーと「もうこの人の話は『クウガ』っていう枠組みの中では取り扱わないんだっていう」
やんま「あー、なるほど。あー、そう、ですよね。一言……」
のーと「一言も出てこない」
やんま「あっても良さそうなもんなのに」
のーと「その後どうなったかっていうのは、蝶野さん自身の話であって、『クウガ』っていうか五代くんとか椿さんが干渉する話ではないんだろうなって。最終……最終回でナイフを返したところでおしまい。っていうのを、僕はすごい素敵なことだなって思う」
れっちゃん「確かに」
のーと「小説版に及んでも蝶野の面倒見てやるっていうのは蝶野に対して失礼だと思うっていうか、うーん……」
やんま「ほぉ、失礼……?」
のーと「僕は小説版に書いてあることも好きですけど、書いてないところも好きですね」
れっちゃん「おぉー」
やんま「ほぁ〜、いい表現だ今の」
のーと「奈々ちゃんとかは確か、関西とかの番組で活躍してるよーみたいなのがあったはずなんで」
やんま「へぇー、覚えてないけど……」
のーと「……そうそう」
やんま「え、それで言うと、恩師の人って出てきましたっけ、小説……あの五代の……神崎先生」
のーと「あー、どうだったかなぁ。ちょっと覚えてないですね、今手元にないので……」
やんま「触れられるくらいはしてたのかなぁ……ガッツリは出てこなかったですもんね」
のーと「……だから、まぁもう一回小説版に出てる人出てない人で分けてみたら、荒川さんの言いたいこともちゃんと分かるかなって。ちょっと宿題にしときます」

やんま「荒川さんって……割と戦隊の方やってる人ですよね」
のーと「参加してる本数は絶対にスーパー戦隊の方が多いんじゃないですかね」
やんま「最近……あれキラメイジャーって」
のーと「キラメイジャーも荒川さんですね。荒川さんはキャリアも長いし、参加してる本数も多いしで大ベテランな……」
やんま「なんかやっぱ色々書いてるからなのか、イマイチその、荒川さんらしさってのが僕はまだ掴めてなくて、なんかまぁ色々できる人なんだなぁとは思うけど」
のーと「丁寧……だとは思いますよ」
やんま「あー、はぁはぁ。丁寧……」
のーと「丁寧だと思いますよ。あの、メインの時より……ゲストの方がそう思う……」
やんま「あー、ふんふん……。なんか僕のイメージは、どっちかっていうと、なんだろうな……高橋悠也……にも似てきますけど、端折るのがうまいというか、なんかそういうイメージなんですね。んーそれ通るようで通らなくない? でもまぁまぁ分かんなくはないみたいな。まぁよく言うと針の糸を通すのがうまい、ってなるのかな」
のーと「これってこういうことだったよね、っていうのをちゃんと出すのは上手かなって思いますけど。ゴーカイジャーとかは特にそんな感じ……ゴーカイジャーってその、レジェンド戦隊だから、取り扱わなきゃいけないことってのがたくさんあるんですけど、まぁうまいこと拾って、あぁこの話ってこういうことだよねとか、っていうのをちゃんと取捨選択してやってくれる作家さんなのかなと。
……ちょっと今、適当なこと言ったかなと思ってゴーカイジャーの放映リスト見てますけど」
れっちゃん「僕も今……あ、でも1話と2話……っていうか最初は結構担当して……だいたいゴーカイジャーの()の()って1話から6話……」
のーと「そうですね。……そろそろ11時になりそうなんで」
やんま「あ、そうですね。結構出し尽くした感がありますね。じゃあ終わりますか?」
以下略

 

……はい。とりあえずお試し回はこんな感じでした。書き起こしに関してはまぁ大変より楽しいが勝ったので苦ではなかったし、時間とモチベがあったらまたやろうかな。

折角の企画概要を説明する記事なので、興味ない人はないだろうけど僕がしておきたい話をば。元々この企画は、僕が以前に参加した「哲学カフェ」という営みに着想を得て、というかほぼ同じことをやろうという思いつきから始まっていて、やりたい気持ち自体は2,3年ほど前からあったにも関わらず自分に人を集める力がなかったために断念していたものを、たまたまやりたいと呟いたらアンケにもそれなりに興味があると反応をいただき、えいやと実行に踏み切ったものです。

哲学カフェ自体は、恐らくお住みの都道府県でも探せばどこかでやっているレベルには一般的なもので、僕は県内で大学が主催しているものと法人が主催しているものの2か所に行ったことがある。試しにそっちを覗いてみてもいい刺激になるかも。
リンク先に「偉そうな上流階級ではなくて一般大衆を対象とした、「推論の基本原理」へと戻ることが、彼の哲学だった。」とあるけど、基本はこの理念に従い……という名目で要するに、平たく言うと「別にめちゃくちゃ詳しい訳でも頭がいい訳でもないけど、何か新しい発見を求めてお互い意見交換したい」ってことです。”哲学”という冠はとっつきにくいので外しましたが、究極すべてのかんがえごとは哲学なので、この特雑クラブもその範疇です。

自分にとっては当たり前なことが誰かにとっては発見だったりするし、何も知らない人の素朴な疑問が何かの手がかりになることもあるかもしれないので、ともかく日々何となく考えたり感じてることをシェアすることで、あわよくばなんか生まれたらいいな、と。

 

注釈

※2

※3 平成ライダーの分類で"ド"シリーズとか言ってたことを念頭に起きつつ

※4 の:オルフェノクが吸血鬼のような存在であることは、白倉さん本人が『証言!仮面ライダー平成』(講談社 2017年)p.32で「『キバ』は『555』以来の吸血鬼をベースとした作品」と述べています。また、宇野常寛『リトル・ピープルの時代』はオルフェノクを吸血鬼やゾンビに近い存在とした上で、pp.287-288では「おそらくはエイズなど致命的な感染症患者の比喩でもある」とも指摘しており、これらを念頭に話していました。

※5 吸血鬼の退治方法として心臓に杭を打ち付けるというものがある

※6 不完全体バグスターも人間の体を一部取り込んでるのだとすれば不可能ではないかも

※7 の:『魂』(朝日ソノラマ 2006年)や『ZANKI』(同)と勘違いしていました。正しくは『証言!仮面ライダー平成』(講談社 2017年)p.42「お約束はお約束として、視聴者と共有できるお約束。(中略)『響鬼』のように、お客さんと共有できないお約束はしてはいけないんだけど。」

※8 の:『Newtype THE LIVE 特撮ニュータイプ』2005年9月号(角川書店)別冊付録「仮面ライダー響鬼 秘伝の書」pp.33-34

※9 スパイスの間違い