やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

ゼロワン好きの『ライドカメンズ』実況 Freedom/Play/Slam

Freedom/Play/Slam「CLAN」

 目次

 

「過去の記憶」と「本当の自由」

スラムデイズの面々は「本当の意味で自由になるため」に、過去を知りたいらしい。
僕はリリース前からここにやや引っかかってて、エピソードゼロの感想でも同じような話したけど、どちらかというと過去の記憶は自分を縛るものという側面の方が強い気がするんだよね。
(参考:"仮面ライダー"の定義を考える/自然と自由の象徴として)

これについては、高塔家の人間を想像すると分かりやすい。記憶喪失のまま何者でもない状態でいれば、何かを強制されることもなく自由に暮らすことができるだろうけど、高塔の人間であることが分かってしまったら、会社のために尽くす義務が発生してしまう。

自由がテーマだと言われていた『ゼロワン』や、僕が仮面ライダーの映画の中で一番好きな『令ジェネ』は比較的こっち寄りの考え方をしていて、現在起こっているあらゆることは過去の出来事の積み重ねによって導かれていることで、その視点に立つなら、自由意志というものの存在は危うくなってしまう。
或人はヒューマギアである父に助けられた経験、不破はヒューマギアに襲われた経験の"せい"でヒューマギアに対して肯定的/否定的な立場を取っているだけであって、もし逆の経験をしていれば逆の主張を持ったかもしれない。だとするなら、そこに或人や不破という個人のアイデンティティの入る余地はない。
或人が其雄を倒し令ジェネの記憶をなくすことで「誰の後継者でもない」と自己を定義したように、また不破が「あの記憶は、もうどうでもいい!」と吹っ切れたように、大なり小なり、過去の出来事をなかったことにして初めて「自分の内から湧いて出た、自分自身の意志」というものに対して、無根拠ながら確固たる自信を持つことができる。

加えて言うと、作品の中での話としてもそうなんだけど、高橋悠也という作家単位で見ても似たようなことが言えて、作者が作品の中で描いたものに対して、それに反する思想を持ったり別の作品で正反対の表現をすること……即ち過去の自分から"自由"であろうとする営みのことを「ロマン主義アイロニー」というらしい。
これもエピソードゼロの感想に書いたけど、ライドカメンズはけっこう『ゼロワン』とは逆のテーマを描いてる側面があって、だから高橋さんはこの状態にあるといえる。

尤もこの引っかかりは案外簡単に説明できて、いわゆる積極的自由/消極的自由の話として理解できる。
スラムデイズの面々は、普段の言動としては縛られることを嫌う方の、つまり消極的な自由について語っていることが多いけれども、静流が「知らなきゃならない。目を背けちゃいけないんだ」と言っているように、必ずしもそういう義務的な概念を全否定しているというわけではないらしい。

ルーイが縛りプレイをするのも似たようなもので、即ち自分が自分に課す縛りに関しては彼らは肯定的に捉えていて、荒鬼が言っていたような「ただテキトーなだけ」のための自由ではなく、あくまでも「自分が自分らしくある」ことを目指す意味での"自由"を求めているのだと。


・静流だけがルーイの不機嫌さに気付けてるの、四期生のQよりは長く一緒にいるからということなのか、単にランスと違ってQは観察力がそこまで高くないからなのか、どっちなんだろう。
個人的には、軽薄そうな静流がちゃんと仲間思いなところは結構好きなので、前者だったら嬉しい。

 

・ストーリーの中でルーイが「お前らは来なくていい」って強調してるのは、そう明言しておかないと自由の契約に抵触しちゃうからってことなのかね。

この契約ってのも、まだ謎に包まれてる部分ではあるよね。例えば戴天が雨竜を手元に置いてることが支配の契約の違反行為と見做されていないのは、きちんと会社のためだと判断されてるからなのか、それとも契約相手である雨竜(や立会人であるエージェント)が違反を認識していないからなのか。
契約違反をしてしまって代償を払わされる展開は一度はやるだろうし、そこで戴天の設定を使わないってことはないと思うので、契約について全く問題ない状態ではないと思うんだけど、今は会社の利益と戴天個人の利益が両立してるからオッケーだけど、この先そこが何らかの理由でズレたときに、会社よりも雨竜の方を選んでしまった結果、そこで初めて契約違反として認定される……って感じになるのだろうか。

まぁスラムデイズに関しては契約違反のペナルティが他と比べてもあまりにも重すぎるので、このクラスから違反者はまず出ないと思うけど。


・今回のゲスト、ピグマリオンを思うとメサイアコンプレックスから取っててもおかしくはなさそうなんだけど、だったとしてもそれを今回のストーリーと組み合わせて理解を深めるみたいなことは今のところできてない。
終わってしまうミッションスタジアムを救ってやるんだみたいな気概があった訳でもなければ、クランとして信頼関係があったみたいなノリだから、まだ下手っぴだったころのルーイを助けてあげてた……みたいな関係でもなさそうだし。 
ルーイ自身にメサイアコンプレックスの気があるって訳でも、まぁないよね。もちろんなんだかんだ面倒見がいいところはあるけれど、コンプレックスなんてそんなこじらせたものではないはず。
武部さんの『ゴーバスターズ』にもそのままメサイアってキャラはいたけど、そっちは最後まで見れてないし、なんとなく最後まで見てたとしても関係なさそうではある。
でも何の意味もなくこんなハンドルネーム付けるかなぁ……前回の大河原銀二とかは、普通の名前過ぎて意味なんかなくて当然だと思えたけど。

というかなんでこんな深読みしたがってるかというと、前回の任狂映画伝がよくできてたのに比べると、今回のストーリーには語るべき部分がそんなに見つからないからなんだよな……。

 

・前回下町地区が出てきたのは館長の息子さんがいるからって話だったけど、今回はカオスワールドの主本人が下町地区にいるんだよな。だからこれは果たして「娯楽地区での実験」と言えるのか……?という気はするんだけど、事件の場所を繋げると星の形になってて、巨大な魔法陣を描いていたんだ!みたいな展開にでもしない限り、実際に娯楽地区が舞台になってるかどうかは関係なさそうだからいいのかな。
実験の内容というのは、第二世代カオストーンがどんな影響をもたらすかと、それを取りにきた仮面ライダーたちがどうなるかっていう部分なんだろうし。
これは細かい話だけど、メサイアの部屋の背景絵なんかあっても仕方ないから真っ暗闇で押し通すのはうまいなと。


仮面ライダーSIZはなんの動物?

・結局仮面ライダーSIZはなんの動物モチーフなのか問題、LOQとの被りを気にせずネコじゃないかという人や、いやいや最近ギーツもあったからキツネだという人、仮面ライダーでクロー武器といったらタイガだろオーズだろいや亡だいやいやナーゴだって人もいて、僕もしばらく答えを出せずにいたんだけども、自分の中ではオオカミだろうということで決着が付いた。

というのも、思い返してみれば『ディケイド』という作品自体が9つの世界が出てくる北欧神話と縁が深くて、中でもオオカミなどの毛皮を被って獣になりきって戦うベルセルクが、まぁ一応ディケイドの元ネタと言ってもいい存在のはずなので、そこからの繋がりだとすれば納得感はあるかなと。
それを抜きにしても、今回のイベント衣装で付けてる爪の出たケモケモしい手は、ネコとかキツネって言われるよりは灰色なのもありオオカミらしいので、そこはまず間違いないんじゃないだろうか。

……尤も、じゃあWがネコなのにはなんか元ネタあるのかよと言われたら何も言えないし(※)、ディケイドと違ってディエンドは毛皮を被るという意味でのカメンライドはしないじゃないかと言われたらやっぱり何も言い返せないので、「ベルセルクがどうのこうのだからオオカミモチーフなのである」というよりは、「オオカミモチーフだとしたらふんわり元ネタにこじつけられて面白いね」くらいの温度感です。
この因果関係の違い伝わるかな……伝わるよね……。

元ネタを"主"として、ライドカメンズのキャラをその従属物みたいに扱ってしまうのはよくないと思うので、距離感としては「本来は全く関係ない作品なんだけど、扱ってるテーマが似通ってるのでファンが勝手に"これ実質〇〇じゃん"と言って楽しむ文化」と同じようなスタンスで、元ネタこじつけ遊びはするといいと思う。

※ミックモチーフとか言い出すのは流石に論外として、翔太郎が猫探し得意だから……というのもやや微妙ではあるよね。翔太郎ポジであるはずのランスが猫アレルギーな訳だし。
Qを猫として、Qから出された謎を解くのが得意≒猫探しが得意なんだと言われれば理解できないこともないけど、じゃあ猫のライズはそれでいいとして、アポロとリブラってなんなんですかという部分は結局よく分かんないし……。

 

・前回の日本刀と違って、アサルトンがルーイに話してる内容がそこまで重要なものには思えないのが、今回のストーリーにやや食い足りなさを感じる理由。
スラムデイズの3人でクランを組んだのと同じように、ルーアとメサイアの他にもうひとりいた仲間がアサルトンだと考えるのが自然かなという気はするんだけど、だとしてそれが何なんだろうって話。
弱かった頃の記憶をなくしてしまっていることを「強くなくてはならない」という強迫感情に読み替えるなら、先述のメサイアコンプレックスとも繋げられそうな気はするんだけど、なんかどうにもうまくピースがハマらないんだよな。

元ネタ的にルーイと颯には何らかの関係があって、ルーイは年下の颯を支えることで自分を保ってたんだけど、力不足で颯を失ってしまって……みたいなストーリーを想定することは、静流を引き抜こうとした宗雲に噛み付いたって話も踏まえると不可能ではないけども、それが今回のクランの仲間とどう繋がるのかあまりにも不明すぎるし、メインでの「理想なんて捨てて楽になれよ」という言動とちょっと噛み合わないし、イベントストーリーでもうひとつ重要そうに触れられている「やるならとことんひとつのことに集中しなければ意味がない」という要素を絡める余地もなさそうに思えるので、全然合点がいかない。
よく分からない……難しい……ランスくんこの謎解いて……。

 

・地味にびっくりポイントなのが、既に第二世代カオストーンは何度か出回っていたというところ。確かに先輩ライダーたちは一部の記憶を取り戻してるっぽいことからも言われてみれば当然の話なんだけど、じゃあなんでカオスイズムが今更「第二世代カオストーンの実験」なんて風に気合を入れて取り組んでるのかが分からない。
戦闘員が街中でせっせとカオストーンを回収してることから、カオスイズムが意図的にカオストーンを人間に与える場合と、流星群みたいにどういう訳なのか自然と街にばら撒かれてしまった場合とがあるのかなという気はするけど、でもカメンズたちは一度カオスワールドでカオスを完成させて、そこでカオスイズムに仮面を剥ぎ取られてるはずなので、第二世代カオストーンはカオスイズムが持ってなきゃおかしいと思うんだよな。

今出てる情報だと、多分先代エージェントがエピソードゼロよろしく先輩ライダーのカオストーンをカオスイズムから奪取して、記憶の一部を取り戻させることでカオスライダーになってた彼らを正気に戻したって流れがあったとのことなので、その際にいくつか行方不明になったものがあったとかなのかな。
第二世代カオストーンでカオスが完成すると……に対する答えも、これまでのストーリーでそれらしい情報みたいなのはなかったよね。なんだろう、話の展開しやすさで言えば素質がなくても誰でも仮面ライダーになれちゃうとか、変化球ならルーイの記憶を宿したカオストーン内でカオスを完成させると、その人の中に過去のルーイの人格みたいなものが宿っちゃうとか?
この辺も説明されるのを待つしかないなー。


・自分の過去を取り戻すことが一番重要だと言いながら、過去の知り合いであることはほぼ確定しているメサイアを救うつもりはないと言い張るルーイ。
その後の行動を見ても結局なんだかんだ助けるので、ただ悪ぶってるだけな気もするけど、カオストーンの回収を決意したのはアサルトンに説得されてからのはずなので、本当に見捨てる気だった可能性もある。

なんか、それはちょっとルーイやスラムデイズのスタンスとは違う気がするなぁ。だってメインストーリーでは、最後にはちゃんと全員助けるつもりで動いてたじゃん?
うーん、前回は考えれば考えるほどうまくハマって気持ちよかったのに、今回は考えるほどにズレていくな。なんでだろ。

 

・ランスは帰国子女設定だから銃器の扱いに覚えがあるんだろうけど、そうは言ってもカオスイズムに攫われる前は未成年だった彼がどういうタイミングで?という疑問は、結局イベントストーリー読んでも明かされないのね。
仮に阿形の投球フォームと違って「体が覚えてる」だけに留まらずきちんと経験した記憶があるなら、海外にいたのはライダーになった後なのか……? 或いは単純に、カオスライダーだったときに戦闘員と同じく銃を武器にして戦ってたってだけの話なのか。

 

人生は終わらない

・「ゲームがサ終しても人生が終わる訳じゃない」というオチは、素直に良かったと思う。

そのまんま現実の僕らについて、何か思い入れのあるものと離れ離れになってしまったとしても、また新しく居場所を作ればいいというのは、武部Pが関わっている作品だという文脈も含めて感じるものがあるし、メタフィクション的な話として、例え2,3年経って将来的にライドカメンズというゲームがサービス終了したとしても、カメンズたちの人生は続いていくし、二次創作のような形で生き続けることもできるかもしれないという話としても読めるのが良い。5年6年と長く続いてくれるに越したことはもちろんないですけどね!? 自分にできることはこうやって話題に上げて少しでも界隈を盛り上げることだけなので、微力ながら応援してますよ。
ひょっとすると、ゲーム終了後も他媒体でメディアミックスを続けていきますよという公式からの宣言だったりするのかもしれない。
期待し過ぎも良くないので、願い続けるだけにしておきましょう。

 

星4【F/P/S】ルーイ

・「ゲーマーの信条」
ゲストキャラってひと悶着起こすためにちょっと性格に難のあることも多いから、F/P/SルーイのRandaくんいい子すぎて心が洗われる。ルーイのエピソードのゲストキャラなら、まず間違いなくチーターだろうと疑った心の汚い僕を許して。
話運びとしてはルーイの恒常とも似ていて、周りなど気にせず自由に自分らしく生きてるキャラクターがいて、その姿を見てゲストが自分の本当にやりたいことに気付くっていう、意外と前例はないけど通底するテーマとしてはかなり高橋悠也作品らしいやつ。井上敏樹の作風とも似てるっちゃ似てるかも。
記事本編でも言及した「やるならとことんひとつのことに集中しなければ意味がない」って話についてもルーイの過去になんらかの関係があると仮定するなら(任狂阿形がそうなので、ないとしたらややガッカリ)、その取捨選択をできなかったせいでルーイは颯を失ってしまったのかな。具体的なシチュエーションはイマイチ思い付かないけど。

 

星3【F/P/S】海羽静流

・「音楽とゲームと」
静流のエピはほとんど全部そうだけど、BLUEエンドでの顔のいいダメ男に甘えられ頼られる感じが本当にたまらない。静流はサービス終了までずっとこの1パターンだけで展開されても満足しちゃう気がする。それくらい弱い。
メインストーリーではそんな弱い素振りを全く見せないクールな男だったのもニクすぎる。

 

星2【F/P/S】浄

・「二重人格への興味」
Qはカオスイズムに植え付けられた人格なので、浄はその辺りに興味を持ってそうな気がするけど、Qがシンパシーを感じてる偽の記憶を植え付けられてない才悟に対しては、今のところ浄の興味が向いてるような素振りはないのよね。
アルセブンの息子であるジャスティスライドの誰か……に目を付けてるような感じも(紫苑がその人でなければ)特にないので、どこまで何を知ってるのか以前気になる……早くもっと情報がほしい……。

 

ライドカメンズ感想一覧

前回

ゼロワン好きの『ライドカメンズ』実況 任狂映画伝

次回「トゥルーエンド」

ゼロワン好きの『ライドカメンズ』実況 トゥルーエンド・ウィズ・アス