やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

ゼロワン好きの『ライドカメンズ』実況 任狂映画伝~力求めし漢道〜

任狂映画伝~力求めし漢道〜「仁義ある戦い」

 目次


阿形松之助の魅力

・阿形さん、世の中で言われてる男に求められる要素はだいたい、そしてバランスよく持ってるよなぁ。こうして最初のイベントでピックアップされてることからも、公式的にもイチオシのキャラなのかもしれない。
作中でもそういう扱いがされてるけど、これといって強いクセみたいなのがなくて、万人に好かれるタイプというか。強くて、優しくて、かっこよくて、頼りになる。それでいて爽やかなだけじゃなくて、内に秘めた熱い(暗い)部分もある。
嫌いになれって方が無理ですよね、こんなの。僕もチュートリアルガシャで引いてすごく良かったなと思ってるもん。


「マッドガイ」は「窓際の俺たち」なのか

・マッドガイの由来これ、メインストーリー5章では「いつしか他のクラスから呼ばれるようになった」と言ってたはずで、僕は状況証拠から絶対に陽真が名付け親だと思ってたんだけど、どうやら違うらしいのね。
イベストーリー内ではごまかされてるけど、阿形のイベント星4カードの固有スキル名が「窓際の俺たち」なので、Qの当て推量は正しいはず。
この「結局誰がやったの?」を曖昧にするのは作風みたいなもんなので、慣れていくしかない。

この一見矛盾して見える2つの証言を両立させることはたぶん不可能じゃなくて、元々マッドガイというのは雨竜や劇中に出てきてないモブも含めたBクラス全体を指していたんだけど、11章でクラスを結成した際に、おそらくBクラスの中でも荒鬼,神威,阿形の3人は窓際の席に座っていたので、それにもひっかけてマッドガイを名乗るようになった……というところだろうか。

8人のカメンズ以外に五期生がいたのかどうかというのは明言されてたか記憶にないんだけど、仮にBクラスがあの4人だけなら"窓際の俺たち"という概念が成立するとは思えないので、多分そう見るのは間違いではない。雨竜だけハブって3人でよく窓際に集まってお喋りしてたとかでもない限り……。
Bクラスにはやんちゃなやつが多いというのも、荒鬼と神威はともかくとして、人数的には2対2なのに阿形や雨竜まで巻き込んで「Bクラスはマッドガイ」と呼ばれるのもややおかしな話なので、阿形や雨竜が"例外"に見えるほど、他にもやんちゃな生徒が多かった……という風に見るのは、ある程度自然だとも思う。
加えて試験官は「"まず"AクラスとBクラスから」と言ってたので、C以降のクラスがあることも匂わされている。これだけ材料があれば、五期生は描かれてないだけであの8人以外にもいると考えるのは、結構妥当と言えるんじゃないかと思う。

 

・みんな言ってるけど、マイタスさん力の仮面なのにメガネかけてるのがギャップあっていいよね。かっこいい……。
アルセブンの顔にはカオスライダーと同じような模様が刻まれてるけど、彼らがこっちの仮面ライダーみたいな姿になる想像はあまりできないので、同じガイアメモリの力ではあるんだけど仮面ライダーが使うものとドーパントが使うものではデザインや仕組みが違うみたいな、似て非なる力なのかね。

 

・これは科学ADVシリーズに対して言おうと思っていたことだけど、現代日本のフィクションは悪であることの説得力として"宗教"を徒に使い過ぎだと思う。
"政治的"という語句も同じようなニュアンスで使われていて、要するに何か"強い"意見や信条を持つことを極端に嫌っている。だから冷笑主義が蔓延る。
その点ライドカメンズは、カオスイズムについては「狂信的な信者を抱えるカルト組織」として位置付けられているんだけど、実際のストーリーでの扱いを見ると、高塔の専務にしろ不動産屋にしろメサイアにしろ、異常な信仰ってよりは単純な打算で協力してる感じなのはいいと思う。


舞台装置としての第二世代カオストーン

・第二世代カオストーン。てっきりこれまでのゲスト……おばあちゃんやお巡りさんみたいに、カオスワールドに入ったカメンズたちも我を失って役になりきるのかと思って、さすがにそれは扱いに困らないか?と心配してたんだけど、どうやら衣装が変わるだけらしい。
ストーリーテリング的にはよかったけど、服変わるだけってカオスイズム的にはなんのメリットもないじゃん……(笑)

……とは思いつつも、最終的に荒鬼と神威は世界観に取り込まれてたりもしたので、自分を強く保たないとそうなる危険も十分あるってことなのかも。
特撮的には映画撮影ってこともあってかなり『ディケイド』っぽい風味だけど、そもそもカメンズ達はみんな記憶喪失な訳だし、色んな作品からクロスオーバーしてるし、必然的ではあるかな。心の中の世界って意味では『ウィザード』との間の子か。
これも早いとこ見返したいけど、ライドカメンズやってるとそれだけで時間が足りない……。

・にしても、ゲストお悩み相談パターンを仮面ライダー側のドラマと絡めるための舞台装置として、第二世代カオストーンのギミックはめちゃくちゃよくできてるな……。こういう活かし方は今までのシリーズにはなかった気がする。
レジェンドものって意味で『ディケイド』や『ジオウ』はやや近いところがあって、特に『ディケイド』なんかは士の失った記憶を探すために旅をしてる側面もあるのでかなり似てはいるけど、レジェンドもの以外だとほとんど見たことがない。

ゲストの問題を解決することが、そのままカメンズたちの過去の問題に直結する。
もちろん『エグゼイド』のドレミファビート回みたいに、ゲストのカップルがたまたま飛彩と似たような悩みを抱えてて……みたいな描き方はこれまでもあったけど、そういうのって本当にあくまで"たまたま"で済ませるしかなかった問題だから、カメンズの記憶が閉じ込められたカオストーンを使うことで必然的にキャラクターの過去について掘り下げられるのは、設定としてすごく良くできていると思う。


・これは重松清の『疾走』って小説で得た知識だから合ってるのか分からないけど(ちなみに超面白いです)、こういう地上げこそヤクザがやってそうな仕事なのに、立ち退きを要求されてる館長の側がヤクザに関するカオスワールドをつくってるのは、皮肉というかなんというか……。
それで言うと、映画館を潰したあとに立つ予定なのが野球場というのも、阿形にとっては運命的なものがあるよね。後のイベントでは「恋愛か、規律か」という二択についての話があったけど、過去の阿形は「野球か、任侠の世界か」という人生の選択で、野球を選んで家を出たんだろう。

 

・鉄虎組の姐御さんと同一人物なのかは謎だけど、颯のイベントカードにヤンチャな男たちを束ねる姐さんが出てくるよね。おそらくは同一人物というよりは、単に映画館の館長が虹顔市のどっかでその姐さんを偶然見かけたことがあって、カオスワールドの中で自分の映画に出てくるキャラクターとして記憶にあったその人をキャスティングした……みたいなことなのかな?

或いは、その姐さんが所属してるのがまさに阿形の実家に関係がある組で、阿形の記憶の方から投影されてるキャラクターっていう可能性も、なくはないけども。
カオスワールドは基本的には魅了された人間の願望を映した心象風景がかたちになるけど、カオストーン自体に内包された記憶を世界として展開することもあるのは、先代の形見の石が「契約の間」と呼ばれるカオスワールドを作ってたことからも分かるので。

「変わった仕事に理解のある妻」という要素は、かなり館長自身の願いに即してる部分もあるので、館長の願望からつくられてる割合の方が大きいとは思うけど。


・高塔兄弟がいい例だけど、最初に陽真が危惧していたほどには今のカメンズの記憶って嘘っぱちじゃなくて、少なくとも名前に関しては改竄されてないことが多いっぽいよね。
今回の喋る無機物枠(なんだその枠)である日本刀は、明確に"阿形の紋所"って言ってるので。
仮面ライダーとしての名前がほとんど名前から取られてるのも、キャラ名が複数あるとややこいからってことだろうし、それでいいと思う。

 

親にとって都合のいい子供

・父親の影響で映画監督を目指す館長の息子、まさしくピグマリオン効果だ。
先日たまたま『FGO』でガラテアを引き当てたので幕間の物語を読んだんだけど、ピグマリオン王が"モノとしての女性"を欲望する様がまるで美談かのように語られていて、あまつさえガラテアは「自分を生み出してくれた愛の深いお方」として認識してるので、端的に言うと、まぁ気持ち悪いなって思っちゃったんだよね。

例えば『四畳半神話大系』の城ヶ崎先輩は、潔癖症ゆえに本物の女性とは触れ合えなくて人形しか愛せないってキャラだったし、それとはまた別の話として、性的指向そのものが無機物なケース……この話なら彫刻に対して愛情を感じるというのは、それ自体はなんら咎められるべきものではないんだけど、ピグマリオン王は「彫刻を愛する」というのを踏み越えて「彫刻が人間になってほしい」と願った。


僕が気持ち悪いなと思ったのはここで、モノをモノとして愛するのは何も悪くないしむしろ素晴らしいことかもしれないけど、人間になったガラテアをモノのように愛する(具体的には不躾に体をまさぐったりする)のは、それは人としてアウトでしょと。
「本人が嫌がってないのであればいい」というロジックは僕も普段から多用するけど、このケースにおいてはあまり成立しないと思ってて、だってこれって現実に有り得る話に置き換えるなら、ピグマリオンが子をもうけて、その子が物心ついてないのをいいことに体を見たり触ったりして愉悦しているようなもので、それはもう傍から見れば完全に虐待じゃない。
神様であるアフロディーテが願いを叶えてくれたのだし、何をしようが神様に認められてるからいいんだって話なのだと言ってしまえばそれまでだけどさ。
まぁ、物語はめでたしめでたしで締められつつも、最後に今度はピグマリオン自身がガラテアに彫刻として作られて自分のいいように愛されるっていうオチがfgoには付けられているので、そこまで含めるなら、これはある種の因果応報バッドエンドとして読むこともできるのかもしれない。

……さすがに余談が長くなりすぎたけど、これに似た話は『仮面ライダーゼロワン』にもあって、僕はそっち側のスタンスが結構好きなんだけども、同じ高橋悠也脚本である今回の館長の息子の件に関しても、阿形はどうやらその道の家から抜け出したらしいというのが描かれていることで「親の期待に子供が応えようとするのは尊いことだけど、いろんな家庭があるので必ずしも応える必要はない」という、バランスの取れた結論を導き出せている。

 

阿形親子の和解

・「映画の展開をムチャクチャにぶち壊すことで目を覚まさせる!」という力技での解決は、マッドガイらしくてすごく良かった。意外と星4カードエピソードでは理屈っぽいドラマの解決がなされてたので、これこそ真骨頂って感じ。

手段こそパワープレイだけど、阿形だけはちゃんと館長の心に寄り添った解決を模索してるのもクラスとしてのバランスが取れてていい。
「自分が作れなかった映画と、息子さんがこれから作るかもしれない映画。どちらか一つだけを見届けられるとしたら、館長が選ぶのはどっちですか?」という問い、きっとこれはそのまま阿形家の問題にも当てはめられるんだろうな。
日本刀は「……本当に悪いのは俺の方だ。愚かな親父を許せ」「お前はカタギの道を生きればいい。ただし忘れるな。お前に与えられたのは、逃げる人生じゃない。戦う人生だ」「極道とは本来、弱きを助け強きを挫く侠客。人生という名の博打に打ち勝て」と言っていたけど、これらを総合的に組み合わせてみると、松之助は阿形の家を継がずに野球を選んで出ていってしまってそのままだったんだけど、日本刀の親父は自分の生き方を押し付けようとしたことを悔いていて、今回の館長と同様に、自分の生き方を押し通すのか、それとも息子の晴れ舞台に期待するかという二択で、松之助が野球をすることを応援したいと思うようになった……ということなんだろう。


このセリフは「家を継ぐのが嫌だからってただ無軌道に逃げるんじゃなくて、野球選手(? 甲子園かも)という自分の目標に対して戦いを挑み続ける人生を送れ」という、息子へのエールとして読むことができると思う。
喧嘩別れだった親子が、本人にとっては知らず知らずとはいえ、館長親子を通して和解することができるというのが、今回のイベントの筋書きらしい。
映画館を地上げから守ろうってところから始まったのに、しれっと立ち退きは受け入れて映画館は別の場所で細々とやろうって話になってたのはつまりこういうことで、「任侠か、野球か」という二択に対して野球を選んだのが阿形の人生で、それを数年後しに父親が認めて祝福する話なので、その物語的表現として映画館は潰れて野球場に生まれ変わるというわけ。
なるほどなー、よくできてるわ。

 

星4【任狂映画伝】阿形松之助

・「思い出のカタチ」
このエピソード、単なる館長夫婦のいざこざを謎に見せられているだけのようでいて、実は阿形本人の内面についても関係してくるような話になってるの、こういうバランス感覚の物語が本当に好き。途中まで何見せられてるんだろうと思ってたけど、ちゃんと意味があった。
メインストーリーを既に読んだ人なら分かったと思うけど、阿形は今の荒鬼と神威が好きなので、しばらくは記憶を取り戻させまいとしている訳だけど、それがそのまま思い出のアルバムを隠してしまう館長婦人の行動と繋がる。
動機としてもほとんど同じで、館長婦人は過去の若くて綺麗だったころの写真を見られたら、今の関係が壊れてしまうかもしれないと思って隠していて、阿形も阿形で過去を思い出したら2人のアイデンティティが(ひいては3人の関係が)変わってしまうことを恐れている。

エピソード内で直接的に言及することはないけど、今回阿形はこういう経験をしたことで、少なくとも無意識のうちには、他人の思い出を意図的に隠すなんて良くないことだという感覚が芽生えたはず。
この種が今後のメインストーリーにどう影響してくるかは分からないけど、読んでおくと読まないとじゃ本編の受け取り方がほんの少しだけ変わるかもしれない、いいストーリーだった。


星3【任狂映画伝】荒鬼狂介

・「影響を受けた結果」
元ネタのモモタロスを意識してなのか、荒鬼がただ剣を振り回し続けるだけのエピソード。
それ自体はまぁ、ワイワイしてるキャラを見て楽しむ以上の面白みはないんだけど、ライドカメンズにおいては僕はフォームチェンジみたいなのは来ないと予想していて、仮にあったとしても全員が1回だけパワーアップするかしないかとかそのくらいかなと思ってるんだけど、それっていうのはライダーの姿が変わっちゃったらせっかく作った変身アニメーションを使えなくなって、また新しく作らなきゃいけなくなるからなのね。
やるとしたらそれなりのコストがかかるだろうし、ただでさえ16人もいるんだから見た目がコロコロ変わったら把握しきれない人も出てきそうという懸念もある。
……じゃあその折衷案として、それぞれに新しい武器を実装するくらいなら、現実的に可能なんじゃないかなとふと思った。モモタロスォードみたいなのを持ってかっこいいポーズ決めてる仮面ライダー荒鬼のカード、欲しくない?
既に武器持ってる鎧武組も元ネタが弓矢だったりデカチャクラムみたいなの使ったりしてるので、まぁ16パターンも武器を差別化できるかというと微妙だけど、せっかく仮面ライダーのゲームなんだから、そういう戦力強化イベントも楽しみたいよなぁ。

 

ライドカメンズ感想一覧

メインストーリー

ゼロワン好きの『ライドカメンズ』実況 プロローグ〜第1章

次回「F/P/S」

ゼロワン好きの『ライドカメンズ』実況 Freedom/Play/Slam