やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーアギト 30,31,32話「隠された力/人の居場所/ギルス復活」 感想

キャラクター

 津上翔一
・「誰かのことをこういう人だとか言っても、そんなの分かんないじゃない」
これ、記憶を取り戻してる間に沢木哲也に言われてたことだよね? どう繋がってくるんだろ。

・「真魚ちゃん、やっぱ、家を出て良かったんじゃないかな。なんていうかさ、真魚ちゃん見つけたんだよ。すっぽんぽんの裸の自分をさ。そこから始めてみればいいんじゃないかな」
そこへ行くと記憶喪失の翔一くんは、最初からすっぽんぽんみたいなもんなんだよな。ということは、ラストは翔一くんが自分の明確な居場所を見つけて終わり?

 

 氷川誠
・「北條さんの言ったことなら、気にしないでください。少し思い込みの激しいところのある人で。すみません」「それについても、北條さんが勝手に推測してるだけです。何の証拠もないんですから。考え過ぎですよ」
いまいち説得力がないのが氷川さんらしい。証拠がないという話をしだすと真魚がやっていないという証拠もないのだから(対して超能力で殺されたという状況証拠はある)、フォローとしては適切じゃない。

 

 風谷真魚
・彼女は、何故テニス部に居続けたのだろう。楽しいのかな? それとも、部費を払ってもらってる以上は始めてすぐやめるのは申し訳ないとかそういうことなんだろうか? とか思ってたらすぐにやめた。もしかすると、あれも居場所探しの一環?
・北條に言われた「風谷伸幸は超能力者が無意識に殺したのかもしれない」という言葉に戸惑っているタイミングで力が強くなるっていうのはうまいね。これで北條が風谷伸幸の事件に目をつけるところにも不自然さがなければ文句なしなんだけど。
・「本当言うとね、私翔一くんの記憶がずっと戻らなければいいって思ってたんだ。翔一くんだけが自分の場所に帰っちゃうの、ずるいって、そんな風に思ってた。私、嫌味っぽいのかな。おじさんの本当の子じゃないって、太一にも僻んでたかもしれない。でもね、分かったこともあるよ。自分の場所を探してるのは私だけじゃないって。みんなそうなんだって。翔一くんだってそうでしょ? そうだよね……それなのに私、我儘の甘えん坊だよね」
正直言うと、この真魚の話は唐突感が否めないというか、これまで気にしたことがなかったのであんまりピンとこないところはある。確かに思い返してみれば、亜紀のせいで翔一が自分の料理を食べてくれなかったこととか、太一に対してもつらく当たってたりとか、それっぽい描写はなくはなかったけど、居場所として美杉家になじめてなかったかというとそんなことはなかったと思うし、我儘言えるのはその居場所で十分安心してるからだとも思う。

 

 相良克彦
・「結局、俺は俺の居場所を見つけることはできなかった。俺の居場所は思い出の中にしかなかった」
治癒能力を持っているにも関わらず死んだということは、奥さんに見放された自分の居場所はもうこの世にないと悟った(≒消極的自殺)ということなのかな。思い出の中に骨を埋めるというか。

 


提示された謎

2.翔一の記憶
7.アンノウンの目的
11.翔一が持っていた手紙
12.子供
14.子供が涼を助けた理由→人間を愛しているから
15.あかつき号事件
16.風谷伸幸殺害事件
17.アギトマーク
19.ノアの方舟
21.「こっちに来て」という音声
22.榊亜紀の目的
24.真澄が殺されなかった理由→水のエルが隠れていたから?

 


風谷伸幸の事件から真魚のドラマになって、そこから居場所というキーワードで翔一くんや葦原にも出番が回ってきそうな雰囲気。

 

次話

仮面ライダーアギト 33,34話「現れた敵/呼び逢う魂」 感想

 

・北條が風谷の事件に目を付けたのは、どっかから死因が似てることを聞きつけたからだとして、それをアンノウンの事件と結びつけるのは河野さんの言う通り飛躍してる。まるで北條も超能力で勘が鋭くなったみたい。
・前回真魚の力を借りたことに自分が違和感を覚えたのは、作中人物は知らなかったとはいえ"1度目"の相手が闇の力を逮捕するときだったってのもあって、それに比べて1話限りの怪盗なんて下らないことで超能力使うなんて……って気持ちになったのかもしれない。
・以前と違って涼を助けない理由、説明されてるようでされてないので補足を考えてみる。闇の力は人間を愛していて、ギルスは覚醒したものの中でも比較的原始的な姿であり、アギトよりはただの人間に近いと思ってたから、アンノウンに覚醒初期の人間を殺させているとはいえ気まぐれの範疇で助けたけれども、今回ギルスはG3だけでなくあのアギトをも倒してしまった(25話)から、助けることはしないってことなのかな。
単純に、"死んだのに生き返る"というエピソード自体が人間の範疇を逸脱していて有り得ないから、それはさせられないってことかもしれないけど。
・しかし改めて聞くと、人間の沢木が既に問題提起した程度のこと(人には自分の知らない一面がある)も分からないでごちゃごちゃ言ってる闇の力が矮小な存在に思えてきた。もっとも相手は他でもない(全知全能の?)神様な訳なので、自分の知っていることが全てであるという認識は"驕り"なんて陳腐なレイヤーの話ではなくて、単なる事実をそのまま述べているに過ぎないってことなんだろうけども。この、神様を人間ごときと同じレイヤーに引きずり下ろす感じが、要するに"神殺し"なんだろう。
「全て知るのは到底無理なのに、僕らはどうしてあくまでなんでも征服したがる?」イチブトゼンブ/B'z
・氷川さんの言う通り、不可解な殺され方をしているならまず疑うべきはアンノウンの仕業だと思うけれど、まぁ北條さんは身を持って体験してる訳だからそれを疑うのは分からなくは、ない。それに氷川は確か河野から、アンノウンの活動開始より前であることを根拠に否定されてた気がするし。
そもそも現状、アギト世界における超能力者ってどの程度の認知なんだっけ。亜紀が襲ったのは警察関係者だからと言って、何人も殺されておいて世間には全く知られていないということはなかろう。彼らにも家族や友人がいるだろうし、目撃者だっていてもおかしくない。そういう噂こそ流れているけど、眉唾ものとして扱われているとかそんなところだろうか。
一応アギトは、ほんのりだけどもクウガの続編としての側面がある訳で、それを考慮するなら亜紀の事件は「アンノウンがグロンギのように人間に化けて、人を襲った」という発想も出てきて然るべきな気はする。しかし見返してみたところ、あくまで「風谷伸幸殺害事件と酷似していて、犯人は超能力を持った"人間"であると思われる」という扱いに留まっている。
さらに不思議なことに北條は、超能力が人間にとって良い影響をもたらすか、それとも悪い影響をもたらすかという問いに対し、論点を「人間を善と見るか悪と見るか」にスライドさせた上で、意外にも「善である」と即答している。
彼が性善説を唱える上で、犯罪者のような存在をいわゆる「人でなし」と認識しているらしいことは想像に難くないとして、少なくとも超能力程度の新たな可能性(アギトやギルスまでは含めない)は、人間に良い影響を与え得ると思ってることになる。というのは、この話の直後にV1という人間の能力を拡張するシステムの開発に携わったことにも繋がる、のだと思う。
・木野に言われるがまま(?)涼を殺した相良。誤解が解けたら復活させようと頑張ってたのはせめてものフォローのつもりなのか微妙なとこだけど、そこを除けばあんまり悪びれる様子が見られないんだよな。自分のしたことは正しいんだと思うことで、自分を守ってるんだろうけど。
真魚の部活におけるいじめも「ちょっとかわいいからってつけあがるな」というのを聞くに、"出る杭は打たれる"という意味でアギトの力とほぼ同型の話なんだな。
花火は見ていて美しいけども、美しいばかりが世界じゃない。降りかかる火の粉を払うという意味では同じでも、相良が涼を殺すことや、テニス部の面々が気に入らない真魚を除け者にすること、そうされた真魚が超能力で反撃することは、仮面ライダーが怪人を倒すことと同じように称賛はされない。
・G3-Xの戦闘、登場から1ヶ月過ぎたし販促期間もそろそろ落ち着いたかって感じで、改めて見るとまぁせいぜい"善戦"というか依然として「強い」という印象は受けないんだけれども、その代わり同じ相手にアギトも苦戦している描写があるので「弱い」とはならないし、前回に引き続き明確に2人で協力して立ち向かう構図がなかなか映える。

 

・無意識のうちに力が暴発して父を殺してしまったのかもしれない……記憶喪失な翔一と同じく、真魚にも"知られざる一面"があるのでは、という話に。自分も知らなかった自分が次から次に〜♪
これを見て思ったけど、人は自分のことを知った気になれないと、全体的に自信がなくなるのよね。不安になるとも言う。『BELIEVE YOURSELF』できなくなる。知らなくてもいいと開き直ることができれば、違うけれども。
・"偏見"が外れて、他者を完全に理解なんてできないと分かっている翔一。前に見たときの僕は「記憶を取り戻してるときの記憶が残ってる」と解釈したみたいだけど(ややこしや)、単純に、記憶なんて余計なものがあったから見失なっていたのが、記憶を失ったことで元に戻っただけかもしれない。その方が、沢木がわざと記憶を消したことに説得力が増す。
真魚の中に沢木が見出す特殊性は、どこにあるんだろう。あかつき号に乗っていなかったにも関わらず覚醒しつつあること? でもそれを言ったら大抵のアンノウン被害者はそうだよな。じゃあ、ずっと翔一の近くにいることで何かしらの影響を受けているかもしれないこと?
翔一のアギトとしての姿を受け入れて普通に生活していることは、心の清さというか力を正しく使える可能性に通ずるとは思うけども、涼を復活させられるかもって期待する能力的な優位性とは関係あるのかな。まぁ、アギトの力の真髄は悟りの境地な訳だから、記憶の有無がトリニティフォームを使えるかどうかと連動してる(っぽい)ように、精神性は結構左右するのかもしれないけど。
・マイノリティは、結局群れることでしか居場所を得られない? 相良の言葉と照らし合わせると、確かに超能力者を守ることはすなわち彼らの居場所を守ることに繋がるのかもしれない。人を守ってるのに「場所を守る」ってのは、微妙に不思議な表現ではあったもんな。
・車についた手の跡から、真魚のことを思い浮かべるシーン。車が同じだからっていう普通の推察も大いにあるにせよ、ひょっとすると珍しく翔一くんが超能力らしい超能力(サイコメトリー)を使ってる場面なのかもしれない。本人にも自覚はないかもしれないけど。
・本当になんとなくでしかないけど、家の中から外を見つめるって構図が最終回の沢木のシーンとめっちゃ被るんだよな。
"全部"って言ってるけど、本当のことは誰にも分からない。相良が手を出してないところで実際に暴発してた時も、あったのかもしれない。
相良は死に場所こそ良かったかもしれないけど、生きる場所を見つけることはできなかったのかもしれない。転々とし続けた中、妻と過ごせた最後の場所。変に怯えず普通に暮らすことができたら、別れなくて済んだかもしれないのに。

・超能力を使う真魚。うろ覚えだけど、他の人が能力使うとき目って閉じてたっけ……? いつも眩しくないのかなって思ってたから、開いてた気がするんだけど。何か特異性と関係があるのかもしれない。
父親を殺してしまったかもしれないという贖罪の気持ちも手伝ってか、沢木に言われた通り涼を蘇生させる。
・真島、どこに行っても同じなのに
・ギルスと同じ老化現象、新陳代謝アポトーシス、使い捨て。力を使って"人でなくなった部分"をなくして、元の人間の体へ戻っている?
・叱るときは叱った方がよかったのかもしれない、か。順一郎さんみたいだってのはさておき、闇の力は過干渉すぎるけど確かに放置するのもまずい。でも、割と良好な関係に見えてたけどなぁ……。
・観覧車という密閉された空間でぶっちゃけた話をする感じ、すごく『聲の形』みたい。あのシーン好きなのよね。
・仲間を襲う関谷。水のエルが取り憑いてるというのを度外視しても、「こんな超能力なければ無事に暮らせたのに」という本人の恨みつらみも含まれているのかな、と。