仮面ライダーレーザー・ゲンム レベル3登場回。
真意の見えない5人目の適合者、九条貴利矢。彼の登場もあってか明らかにキャラクターを扱い切れておらず、グダグダな展開に……。
・貴利矢は3年前からガシャット持ってたのに、なんで今ごろ参加？ 「そろそろ乗り頃かな」とか思わせ振りなこと言っていたが、特にそれらしい理由は劇中では触れられていない。
・黎斗に直接全種のガシャットを要求する飛彩……正しいが、協力者という立場上できるならやってるはずだとも考えず、かつ図々しくもポケットに手を突っ込みながら頼む辺りは流石の嫌な奴。敬語こそ使っているが、そういうところ全く隠せていない。
そもそも、自分の使っているモのが市販のゲームと同じものだと勘違いしてる辺りも圧倒的にオツムが足りない。変身できる訳でもないのに市販用ソフトに変身能力をいちいち搭載して販売する意味が全くないし、そもそもライダーガシャットはバグスターウイルスを転用したシステムなんだから、非適合者が使ったらゲーム病に感染するでしょうが。
いや、本当に馬鹿すぎる。これまであった描写の中でなんなら一番頭の悪い発言だよ。「ゲームのことは専門外だから分からん」とかそういう種類の問題でもないし。メスがどうやってつくられてるかとかは気にしなくてもいいかもしれないけど、ワクチンがウイルスからつくられてるとか薬はこういう成分が入ってるから効くとか、そういうところは把握してなきゃ駄目でしょ。
飛彩さん、ただオペだからと言われるがまま剣を振るってるだけで、実はゲーム病そのものをご存知ない……？
貴利矢の空白
・ゼロデイの秘密を守る交換条件として、貴利矢にゲーマドライバーとガシャットを渡したらしい。更なる情報を渡すくらいなら殺しておけば良かったのでは？
黎斗的には、渡せと言われたから渡したけど適合手術なしで使えばゲーム病になって消滅するだけだからいいかなと思ったんだろうか？ その辺の流れをポッピーが説明してる以上衛星省も承知の出来事なのかなと思ったが、こいつは実質的な幻夢のスパイなんだった。衛星省には報告してない可能性も全然ある。
貴利矢が変身できてることから逆算するとやはり衛星省が適合手術を施したのかなとも考えられるが、独自に研究している貴利矢のことなので自分で勝手にやった可能性も否めない。
「適合手術は改造手術オマージュ！ 原点回帰すばらしい！」って騒ぐ輩が多いからこれは当時からずっと言ってることなんだけど、体内に微量のウイルスを取り込んで抗体をつくる……って要するに単なる予防接種のことだからね。実際仮面ライダー図鑑の用語辞典にも注射器を使うという記述があるし、手術なんていう大層な表現から連想されるようなものでは全くない。その程度でいいなら日本国民はだいたい改造人間だよ。
・それはそうと、貴利矢/レーザーのこともどうやら知っていながら黙っていたらしいポッピー。仕事を任せるならまず知っていることを全部説明するなり紙にまとめて読ませるなりしろよ。仮にも永夢や飛彩、灰馬の上司だろう。その場その場じゃないと忘れちゃってできないって、ADHDの僕じゃないんだからさ。仮の姿でも医者ならしっかりしてください。
・今回の飛彩さんは本当に散々だな。大我と貴利矢の勝負をしばらく見守ってたかと思いきや、勝負が付かないうちに突然乱入して「お前の相手は俺だ」とスナイプを妨害。患者もバグスターも当然のように放置。意味が分からな過ぎる……私情挟むのもいい加減にしろって感じだし、その上で更にタイミングが謎過ぎる。
……しかも2人まとめて自転車乗りにあっさり負ける。かっこ悪い。
患者を避難させてください
・バグスターを放置して患者の介抱をする永夢。ポッピーが頼りないのはとってもよく分かるが、あくまで優先すべきはバグスターでは？ 今回はストレスによる目に見えたバグスターの強化もないし。ガン患者を前にして、ガンそっちのけで日々の悩みを聞くようなもの、と言えばこの違和感が伝わるだろうか。
……しかもその介抱ですら大分遅い。
1.レーザーによってバグスターと患者が分離され、永夢たちもそれに気付く
2.止まれないレーザーに呆れる3人
3.分離されたモータスの攻撃でレーザー止まる
4.スナイプレベルアップ、ブレイブ乱入
5.その隙をついてレーザーがマイティアクションXを奪取、永夢に投げる
6.ガシャットを受け取って喜ぶ
7.レーザーがレベルアップ
8.永夢、バイク形状に驚く
9.ポッピーによる解説を受ける
10.乗れと言われるのを断って介抱
という流れ、この間およそ2分10秒。ウルトラマンの戦闘シーンが3分ちょうどではないように映像作品というのは作中の出来事をリアルタイムに追ってる訳ではないので、実際はおそらくこれより長い時間……5分くらい？ ほぼ目の前に倒れ込んでる患者がいるのにシカトこいておきながらよく言うよって感じ。
他の医者どもは2分経とうが5分経とうが患者のことを気にする気配がないせいで永夢が一番まともに見えるけど、その時点で色々おかしい。というかまぁ、他の奴らは戦闘中だからまだ分かるとしても、永夢とポッピーはマジでなんもしてないでただ突っ立ってリアクション取ってるだけだからなんならこいつらが一番おかしい。
「患者はわたしが避難させるから永夢は戦って」なんて気の利いたことが言える知能は残念ながら今のポッピーにはないらしいし、永夢も任せるつもりがない。
・飛彩と大我の特に意味のない争いをわざわざ止めたゲンム。これ以上大我がガシャットを奪って仮面ライダーが減るのを防ぐためって気もするが、でもそれなら大我と貴利矢の諍いにも首を突っ込んでこないとおかしい。
・適合者が多いと面白いらしい大我。「ライダーは俺一人で十分だ〜」なんて口が裂けても絶対に言わなそうだね、今後が楽しみ。
・ポ「(莉子が)どこに連れて行かれたか分かりますか？」
西「それが分からないから！ ……うっ」
結果的にだが、また患者にストレスを与える発言をして特に謝罪はなし。ポッピーって本当、役に立たない癖にこういう細かい描写はかなり多いんだよな。
レースゲームだから？
・「レースゲームだから西脇の妹はゴールにいる」
これ、何回聞いても意味が分からないんだよなぁ……。モータスが攫ったならば分からんでもないが実際はグラファイトの仕業だし、何故か引き合いに出されているのは貴利矢のガシャットがレースゲームだという事実の方。
何よりもこれまで通りならバグスターの行動原理は患者にストレスを与えること(アランブラは彼氏から彼女を寝取る,リボルは勇樹の嫌いな医者を見せつける)であって、既に妹はバグスター側にいるのにレースゲームに参加してわざわざ改めて取り合うメリットは、モータス側には一切ない。
みすみすバグスターを逃がす根拠としては、かなり弱いのでは？
・莉子がゴールに配置された件は「貴利矢が爆走バイクのゲームエリアを展開すれば、欲しいものが景品として現れる(対戦相手のモータスも転送される)」ということだと解釈すれば、10話の「この俺をゲームエリアに転送したか」にもそれなりの説得力が生まれるけど、エリア展開をした貴利矢が欲しかったものはバグスターの検体のはずなので、微妙なところ。モータスと貴利矢、双方がそれなりに欲しがっているものという意味で彼女が選ばれたのかな。
・ネタバラシが早い貴利矢。騙したと言わなければもっと色々利用することもできただろうに、特に意味もなく邪険に扱って寝返ることにメリットがあるとは思えない。
本人の気持ちとしてどうかはさて置くとして、視聴者として見てた分には「永夢にはいい顔してるけど腹に一物抱えてていつ裏切るか分からない」みたいなハラハラ感が欲しかったところ。
まとめ
飛彩と大我は着実にクズとしての描写を蓄積させ、永夢も一見正しいことをしているようで相変わらずどこかズレている。
新キャラである貴利矢は、一応西脇の治療には肩入れしたものの真意は謎。最後の言葉を信じるなら、やはりそれなりにクズ。
何故ここまで徹底して嫌われるような描き方をするのか理解に苦しむ。
表面
仮面ライダーエグゼイド 第4話「オペレーションの名はDash！」 肯定的感想
前話
仮面ライダーエグゼイド 3話「BANしたアイツがやってくる！」 否定的感想
次話
