やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

JIN-仁- 第一話 感想

いつ頃投稿されてるかは分からないけど、執筆時点ではちょうどゴールデンウィーク前後。企画なんて看板を付けるほどのことでもないけど、そんな感じのノリで『-JIN-仁』の感想を書くことにした。
エグゼイドを念頭に置いています。

 

 

キャラクター

 南方仁
・未来(恋人)の手術を、周りの医師の静止を抑え半ば無理やり決行するが、「それが患者の望みだから」という点できちんと正当性が認められる。自分の腕に自信があったというのも当然あろうが。
・その手術での失敗がトラウマとなり難しい手術は他の医師に任せるようになるが、その代わりに他の医師たちが手術に集中できるよう簡単な手術を数こなしたり、夜勤もするようになる。少なくとも嫌悪感を抱くような描かれ方はされておらず、好印象。本人も自分を責めてる感じだったし、わざわざこちらが責める気にはならない。
・病室から脱走し、薬品室などを荒らし回った患者を見つけて出た第一声が「大丈夫ですか?」。悪いことをしても苦しんでいたらこの反応をするのが当然……だよね。
・「これは夢か? だとしたら、なんて長く生々しい夢だろう」
タイムスリップしたことに戸惑い、夢かもしれないと疑いながらも、助けを乞う恭太郎を見て迷いなく手術を決断。例え本当に明晰夢の中でも、怪我人は放っておかないのだろう。
・道具がないと慌てる様子もなく、すぐさまありあわせの道具で処置に入る。ちゃんと清潔な服にも着替える。応用ができるのは本質を理解している証なので、頼もしくていい描写。
・現代に帰る手がかりよりも患者を優先。こんなことにいちいち感動してる自分が情けなくなってくる。
・タエの手術で失敗の恐怖を感じていたのはイマイチ腑に落ちなかった。恭太郎の時は同じオペを成功したばかりだったからたまたま感じなかっただけ?
・「これまで手術を成功させてきたのは、俺の腕じゃなかったんだよ。今まで誰かが作ってきてくれた薬や技術、設備や知識だったんだ。そんなものを失くした俺は、痛みの少ない縫い方ひとつ知らないヤブだった。14年も医者をやって、俺はそんなことを知らなかった。自分がこんなにちっぽけだったことを、俺は知らなかった。謙虚なつもりだったけど、俺みたいなヤブができる手術だけを選ぶなんて、考えてみれば随分ふざけた話だと……君は、ずっとそう言いたかったのかもしれないな。もしかしてこれは、もの言えぬ君からの、俺への罰なのか?」
謙虚過ぎやしませんか……見ててつらくなる。これまで積み上げられたものを有意義に活用することだって、十分すごいことだよ。「プログラムは得意だけど俺はコンピュータを作り上げることはできないから駄目だ」みたいな……そんなことは全然ないって。確かにやる手術を選り好みしてたのは褒められることではないけど、おいそれと責められることでもない。
・「でもここじゃないんです、ここじゃないんですよ……こんなに……こんなに美しいところじゃないんです。こんなに美しくてはいけないんです……」
とりあえず1話を見て確信したこととしては、自分を責めている人を更に責める気にはならない。"あいつら"は自分の行動を省みないからこちらが責めてようやく公平になる。

 

演出

バタフライエフェクトを万華鏡で表現するのはおしゃれだし分かりやすい。
・胎児型の奇形腫は(ちょっと違うけど)ピノコが有名だし、ただ医療ものとして「こういう症例があるんですよ」って提示するだけじゃなくて分かりやすいものが選ばれているのも良い。
・現代と過去で同じオペをすることによって現代医術のすごさと仁のすごさを両方描けている。
・喜市の「ちちんぷいぷい御代の御宝」が、タエの痛みだけじゃなく、仁の恐怖に対する麻酔にもなっていて芸が細かい。

・冒頭のナレーション、最初に聞いたときは「そんな話だっただろうか」と困惑したが、「もしも今当たり前にある携帯電話や、明かりや、交通機関がなくなったら」を想像させることで、タイムスリップし医療機器を失くした仁の状況に感情移入しやすくし、またそれにすぐ対応する仁の頼もしさをより分かりやすくするためだと思われる。なるほど。

 

 

 

面白かった! 過去へ行ってからの手術シーンは2回とも泣いた。医療描写として生々しい血や肉が見えるのもあって、心が裸になるというか……。
仁も、悪い部分は"人間らしい弱い部分"として描かれていて不快感を覚えるものでは決してなかったし、とにかく頼りになる。
はやく続きが見たいのでこの辺で切り上げます。

 

次話

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