キャラクター
南方仁
・「妊娠・出産は、母体には大きな負担がかかります。野風さんの体を考えると、医師としては、到底おすすめできません」
野風の幸せを願うと言った姿勢はきちんと崩れていなくて安心。
橘咲
・咲「野風さんは、真に幸せなのでございましょうか」
仁「あんなに幸せそうじゃないですか」
咲「お芝居なのではございませんかねぇ」
仁「あ、ちょっ咲さん、声が大きいですって」
咲「野風さん、嘘がお上手ですし……」
仁「咲さん、野風さんにもルロンさんにも失礼――」
咲「では、良いのでございましょうか、私も……良いのでございましょうか、幸せになりましても」
仁「何言ってるんですか? 咲さん……?」
咲「私、おばばになってしまいますよ。ふふっ、元々、おばばのおばばでございますけどね」
酔いでもしないと言わなかったんだろうな。というか、酔っててもこうして迷ってる訳だし、咲さんは苦労人だなぁ……。
・咲「野風さんの夢は、叶うのではないでしょうか。未来の人間である先生が、歴史を変えることに対して、歴史は修正を加えようとするのかもしれません。けれど、もし、これは野風さんが、この時代の人間が、強い意志を持って未来を変えたいと願ったとしたら、それはもはや、修正されるべき歴史ではなく、ただの歴史なのではないでしょうか」
これが、歴史を欺く方法ってことになるのかな。
野風
・野風「先生、この子は、あちきの夢なのでありんすよ」
仁「夢?」
野風「あちきはこの先、そう長くは生きられんせんけど、この子は、何十年も生きていけんしょう。この子が子を持てば、それこそ、百年、二百年、後の世までも、あちきの血は流れ続けるでありんしょう。その営みの中で、あちきは永久に生き続け、その子の血となり肉となり、目となり、見ることができんしょう」
仁「未来を、ですか……」
切ない、けど、珍しいことでもないんだよな。言ってることは自己保存そのままだし。多かれ少なかれ、子を産むというのはきっとそういう気持ちなんだろう。僕には分からないけど。
全体的に"二話完結の前編"と言った感じで、特に言うことがない。
次話