やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

JIN-仁- 完結編 第八話 感想

キャラクター

 南方仁
・仁「陣痛が始まって既に15時間、母体の衰弱も激しいです。そもそも普通の体ではありませんし、子供は諦めて、野風さんの命だけでも助けましょう」
佐分利「待ってください! 野風さんは長くはない体やって知ってはって、それでも産むって決めはったんでしょう? 命を落としても産みたいんとちゃいますか」
仁「他に方法がないんです!」
佐分利「そんな……」
仁「例えば、麻酔なしで帝王切開をすることにしたとします。母体がその途中で息絶えれば、胎児を無事に取り出すこともできなくなる可能性もあるんです。どちらか一人でも、確実に助けるとするなら、それは母体しかないんです!」
佐分利「野風さんが耐え切れる方に賭けてみるってことは?」
仁「脈も呼吸も早くなってます。もう限界だと思います……」
ここで迷う様子がないのは好印象。私情はなく、淡々と助けられる命を助ける姿勢。

 

 橘咲
・咲「野風さん、私の心は、真っ黒でございますよ。いつもいつもつまらぬ嫉妬ばかりで、その度に、己が嫌になります。野風さんには、いつも、とても敵わぬと」
野風「敵わぬ?」
咲「野風さんは、何も見返りを求めぬではないですか。私は、そのような気持ちには……」
野風のその態度は、素晴らしいものというよりは、諦めから来るものだろうな。「これで十分」と自分に嘘をついているだけ。その点、咲は自分の気持ちに正直(真っ白)だからこそそれで良いのかと悩み苦しむ。
嘘をつく方が、楽なんだよな。
・「泣きなさい、泣いて。泣きなさい。泣いて……泣け!」
逆さにして尻を叩き始めたもんだから「生まれたばかりの子に折檻か」と正気を疑ったけど、これが正しい処置らしい。びっくりした……。

 

 坂本龍馬
・「これは、願掛けじゃ」
これこそ、人事を尽くして天命を待つってやつだよね。
・「覚えちょるかえ、先生。初めて野風に会いに行った日んことを。襖の向こうで野風を酒を飲んで待ちよったら、ごりごりごりごり頭に穴を開ける音がしてのう。気付いたら、死にかけとったもんが、安らかに息をしとったがじゃ。ほうじゃき、儂ゃ信じたぜよ。死にかけちゅうもんのことは、先生が一番よう知っちゅう。国も一緒じゃ。死にかけちゅう国を生き返らせるには、先生の言うことが一番正しいがじゃろうと、信じたぜよ。こん国は、これで生まれ変われるがかえ。儂ゃまた、道を間違うたがやないがかえ、先生!」「夜が明けたぜよ!」
南方仁の灯した医術の光が、暗い夜の渦を払ったんだな……他力本願過ぎやしないかとも思ったけど、龍馬の取り柄は"口のうまさ"だったはずなので、色んな人の意見を汲んで調停するのが彼の役目なのだろう。

 

 野風
・野風「腹を切っておくんなんし。このまま腹を裂き、子を取り出しておくんなんし」
仁「切るのなら麻酔が必要になります。その麻酔は、子供は耐えることが――」
野風「ならば、このまま切ってくんなんし!」
山田「麻酔をせずに切るなど、痛みで死にまするぞ!」
野風「あちきは、郭のなかの籠の鳥でおざんした。行きたいところにも行けず、会いたいお方にも会えず、けんど、この子は違いんす。野山を駆け回ることも、愛しき方と肩を並べ歩くことも、なんだってできんしょう。天翔る鳥の如く、生きていけんしょう……どうかあちきの夢を奪わないでおくんなんし!」
これでもまだ100%の本音ではないんだよなぁ……はぁ……。

 

 

 

野風の出産と大政奉還を重ねたのはうまい。どちらも"未来"を生み出すためのことだもんね。
ただ三隅はいい加減しつこい。

 

次話

JIN-仁- 完結編 9話 感想 - やんまの目安箱