やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダー龍騎 13,14話「その男ゾルダ/復活の日」 感想

キャラクター

 城戸真司
・「馴れ合いって……何が悪いんだよ。戦いよりマシだっつぅの」
真司はまだ恵里のこと知らないんだっけ。じゃなきゃこんなデリカシーのないこと言えないよね。言ってみれば蓮は、彼が本当に食事を共にしたい人を取り戻すために戦ってる訳で。餃子もったまま出てきちゃうのは、らしくて笑えたけどさ。
・「あのさ、虚しいと思わない? もっと視野を広く持った方がいいって。せっかくの力なんだから、人を守るために使うべきだよ。だってさ、あんなすごい力なんだよ? 俺は、人を守るためにしか戦わない。だからいくら仕掛けてきたって無駄だからね」
やっぱり、戦いに参加しないのは"視野が広い"ことだよね? そうなると「いつの間にか神輿かついじゃってる」と食い違うと思うんだけど、なんでなんだろう。…………いや、矛盾はしてないか。真司は"戦わない"ことに固執していて結局視野が狭い。
・ストライクベントをするかどうか迷ったものの、結局撃ったらゾルダがやられてしまう。こういう展開をやるなら、逃げるという選択肢をきちんと排除して欲しかったな。
・「俺が……モンスターじゃないかよ」
ゾルダを倒してしまったことにかなりショックを受ける。須藤の死にはそんなに思い詰めてなかったのに……と思ったけれど、それを言ったらモンスターによる被害者に対しても同じようなものだった。あくまで"自分の手が汚れたから"悩んでると見ていいのかな。
・「あんた、生きてたんだ。良かった……」
どこかで見た展開だと思ったらあれだ、ONE PIECEヒルルクだ。あれの下位互換……って言っちゃうとアレだけど、正直満足できる結論ではなかった。ヒルルクはイッシー11を助けようとして騙されたんだし、騙されたことにすら怒らなかったし。まぁ、命を大切に思ってるからこそ「実在する人が死んだと嘘をつく(しかも演技までさせる)なんて不謹慎だろ」という怒りは湧いてもおかしくはないけどね。問題はその後。
・「蓮……俺、決めたからな。絶対、ライダー同士の戦いを止める」
この結論はまぁ分かるんだけど、具体的な対策が提示されてないのが問題。真司曰く「怖かった」から攻撃してしまったとのことだったので、また恐怖で我を忘れてしまったら同じことをするかもしれない。だから実際に再戦させて行動で示す必要があった。そうじゃないと、これから先変身する資格はないと思う。できるだけ早めにバトルに巻き込まれる描写があって欲しい……んだけど、次は井上脚本回なんだよな……大丈夫かなぁ……。

 

 秋山蓮
・皿をよけたりして"単なる嫌がらせ"をする。別に井上脚本だからキャラがブレてた訳じゃないのね。恵里に似ているという背景が分かった今では、嫌がらせしたくなる気持ちも理解できるけど。
・「(自己紹介もなしかと問われ)その方がいい」
殺す相手のことなんか、知らないほうが情が移りにくいもんね。とはいえ、シザースの時は「素性を知っているこちらが有利」とか言ってた気がするので、違う意味かもしれないけど。
・手塚「運命を受け入れているが、何か矛盾も生まれてる。このままいけば……」「お前には迷いがある。本当に誰かを殺せるつもりか」
蓮「俺に迷う資格はない」
"資格"ってなんのこと? そういう言い方をするのって、普通は自分のせいで恵里が昏睡してる場合じゃない? でも回想を見る限りそういった感じには見えなかった。『大学にいるのが憂鬱』だと事前に聞いていたのに助けてあげられなかった、ってところだろうか。矛盾っていうのは「喧嘩って最低」の話だと思うんだけど、それに対してその贖罪の気持ちがどう作用してるんだ?

・「やりたきゃやってみろ。だが、俺は……」
あー、違うわ。既にシザースを殺してしまったことに対することか。だからもう後戻りはできない、迷う資格もないって話だ。
・最後に乾杯をしたのはどういう意味だろう。BGMからして「いい傾向」なんて雰囲気じゃとてもなかったよね。むしろ考えることをやめて開き直ったように見えた。なんと言おうか、龍騎に力ずくで止められたら自分は人を殺さずに済む、バトルに勝ち残ったら恵里が助かる……どちらに転んでも悔いが残るのなら、悩むことをやめて天に(あるいは真司に)委ねると決めた感じ。

 

 

 北岡秀一
・「人を疑い過ぎるのは、心に余裕がない証拠ですよ」
盛大なブーメラン投げたね。北岡も余裕がないから「吾郎ちゃんが言ってるんじゃないの?」とか言っちゃう。それともそれを無意識にか分かってるからこそ言えるのかな?

 

 手塚海之
・「だが運命は変わらない訳じゃない。むしろ変えるべきものだ」「決まった運命ほど変えたくなる。もし、俺がライダー同士の戦いを止めると言ったら?」
自分の死を占いで知っちゃうくらいだしね。変えたいよね。

 


北岡の「綺麗事で戦ってる奴は自分の手が汚れると脆いよ。あいつ、もう終わりかもね」というセリフが、なかなか深い。
確かに脆いんだけど、それは何故かっていうと"逃げ場"が無いからなんだよね。"自分が人を殺した"っていう現実と真正面から向き合うからこそ、思い詰める。
対して蓮や北岡のように何らかのやむにやまれぬ理由があって戦ってる人は、「恋人を救うためだから/このままだと自分が死んでしまうから"仕方ない"」と合理化して自分の心を守る(問題やストレスから逃げる)ことができる。
つまりどういうことかというと、一見「偶然ライダーになった真司と、願いのために自らライダーになった蓮/北岡」という構図に見えるんだけど、実は逆で「自らの意思でライダーになった真司と、どうしようもない運命のせいでライダーになるしかなかった(本当はなりたくなかった、より正確にはならなくて良い人生を送りたかった)蓮/北岡」なんだよね。
だからこそこの中で唯一積極的な真司は、自分がした選択の結果に対しては自分が責任をとるしかない。まだバックボーンは描かれていないけど、手塚も多分そっち。
ちなみに須藤は積極的という意味では前者だけれどそもそも人を殺すことにストレスを感じない人なので関係がない。
いやー、面白くなってきたね。

 

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