やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーエグゼイド 第6話「鼓動を刻め in the heart!」 肯定的感想

 

・永夢がガシャットを返そうとするくだり、『エグゼイド』にしては珍しいというか妙に律儀な描写。省ける説明は徹底的に省いてその代わりに面白げな展開をもう何個か盛り込むっていうのが、少なくともライダーにおける高橋悠也脚本の特徴ってイメージ。
特に"キャラへのフォロー"は、当時の僕含めアンチが多いことからも分かるように少なくて、それ故に「お前本当に正しいことしてるんか?」って思わせるのが彼の作風なんだと割り切ってるんだけど。パラドをボコるとことか或人の闇落ちみたいに目に見えるかたちで悪性を描くことも少なくないけど、今回のような「永夢が敵を倒してガシャットを勝ち取った」という一見誰も何も文句言わなそうな隠れ蓑があったら、黎斗からの押収要請なんてなかったかのようにしれっと自分のものにしててもおかしくない。前作の『ゴースト』ですら、盗品だったロビンフッドの弓矢が変化した眼魂をしれっとタケル殿が自分のものにしてた……なんてことがあったのに。
『ゼロワン』でも「(あの時はしなかったのに)そこは説明するんだ?」みたいなのが気まぐれにあったけど、たまにこういう描写をいれることで「何も考えてない訳じゃないんですよ」って視聴者に信頼させるみたいな意図があるんだろうか。言ってみたけど、だとしたらあんまりうまく言ってるとは思えないので違うか。
内容的には否定的感想の方に書けよって感じだけど、言いたいこととしては「意外とちゃんとしてて見直した」ってことです。
"術後経過"ってのもそれなりに理に適ってるしね。

 

バグスターユニオンの立ち位置

・「ゲンムが分離した仲間が倒された」とのこと。前回ユニオン(肉団子)なしでいきなり出てきたのは黎斗の仕業ってことらしいけど、グラファイトの口調から読み取るにバグスター陣営としてもユニオン状態より分離後の方が都合がいい……っぽい? "分離した"とこまでは文句ない……むしろ仲間を増やせて嬉しいけど、エグゼイドに倒されちゃって怒ってるって話だから。
でも少し不思議な話よね。だってバグスターの目的は「人間の体を乗っ取り完全な存在となること」のはずで、だとするなら患者の体を取り込んでるユニオン状態の方が都合が良くて、レベル1に分離させられるのは不本意なことのはずなのに。
単に言葉の綾としてスルーしてもいいけど一旦そういう仮定の元で考えてみると、まず思い当たるのは後々「バグスターは倒されるたびに強くなる」という設定が出てくるのと同じように、仮面ライダーに倒されることで学習してより戦闘能力が高くて自我(キャラクター性)のはっきりした個体に進化できるから、一旦分離されることを差し引いてもメリットがあるという可能性。
実際というか、現在のグラファイトは状態としては人間を取り込んだ"完全体"のはずなんだけど、強化されたダークグラファイトがレベル5×4人に負けていることから、その強さはおそらくレベル5〜10相当だと推測されるので、こんなに幹部ヅラして強者っぽい雰囲気出してるのに後に出てくる不完全体(レベル20や60など様々)よりも弱いことになっている。つまりバグスターの目的としては「人間を取り込み完全な存在になること」がまず自分の存在を確立するための第一ステップとしてあって、その上で更に仮面ライダーと戦うことで「自分のレベルを上げて強くなる(自我を持つ)こと」も、本編ではあまり言及されないが必要なことなんだろう。
ユニオンが知能もなくてほぼ暴走してるようなもんなのは、バグスターが人間を完全に支配下におけるほど強い自我を確立できていないままに乗っ取ろうとするから、反発されて暴れまわることしかできないのかもしれない。
そう考えると確かに、「仲間はいつでも増やせる。いま必要なのはデータだ」というパラドの言い分には頷ける。現状のままいくらバグスターを生み出しても所詮はグラファイトのようなザコにしか育たないから、まずはデータを集めて強いバグスターを生み出す土台をつくろうと。

 

把握してる飛彩

・患者には関わらないのがモットーなんだからゲーム病が治ったならそれでいいはずの飛彩が、どうして音大にいるんだろう。ひょっとすると小姫もこの音大に通ってたのかなとか思ったりもしたけど、仮面ライダー図鑑によると彼女も聖都大学の医学生だったらしい、初知り……。
グラファイトについて独りごちているので、仇についての手がかりを得るためにってのが妥当なところなんだけど、既に治ったゲーム病患者が居場所を知ってるはずもないしグラファイトが守りに来る理由ももうないしで、通るような通らんような。
それはそれとして、意図的に関わらないというスタンスを取ってるだけで、音大生を襲っていたという事自体はきちんと見抜いてるのは感心した。永夢みたいにカウンセリングまがいの出過ぎた真似こそしないけど、きちんと観察して把握はしてるのね。

・せっかく小姫は「世界で一番のドクターになって」と遺言を残したのに、ドクターとしての本分を忘れて仇討ちに身をやつす飛彩は、まぁフィクションでありがちなすれ違いといえばそれまでだけど気付かないもんかね。
……通るようできちんとは通らないけど、飛彩目線では「医学の勉強にばかり没頭していた結果小姫を死なせてしまった」という状況だから、本人の中に医療行為に対する無意識的な罪悪感みたいなものでもあるのかもしれない。だからいつも患者のことは放置して、小姫のことばかり考えてるのかも?

 

キャラ同士の真似合い?

・永夢が、患者でもなければ個人的にもむしろ嫌い寄りなはずの飛彩の悩みに対して解決策を提示するって展開にずっと違和感というか唐突感を覚えていたんだけど、レベル5のときと同じで「方便でその気にさせて自分の目的(患者を治す)のために他人を利用する」という、永夢なりの攻略法なのかもしれないな。それはもしかすると、貴利矢の言動から学び取ったものでもあるのかもしれないし。

・前回と今回は「急がば回れ」がテーマらしい。
ゲンムやグラファイトという大目標をクリアするために、まずはコラボスバグスターを倒してレベル3ガシャットを手に入れる、そしてそのために無駄だと切り捨てずにゲーム的なこと(アイテム獲得,音ゲー)をする。
飛彩の心情的には多分"永夢の真似をした"んだろうね。目を覚ましてくれたのもあって、一目置いたと。ビートクエストゲーマーのバイザーがピンク色なのも意識してるのかな?
マリオの地下や上空にある寄り道コイン空間を始めとしてゲーム的にも割とよくあるギミックだし、医療的にも治療より先にトリアージとか、身近なとこだと歯医者さんで虫歯を治す前にまず歯の掃除をするとか、割と何にでも通ずるというか色んなところで顔を出すテーマではあると思う。


音ゲーのバグスターが斬撃で倒されてるのは、言い始めたら何でもアリだけどそういうゲームだからなのかな。
実際、エグゼイドがフルコンしたときにバグスター側にダメージはどうやら入っていなかったので、ドレミファビートは敵の出してくる妨害譜面を乗り越えて、その後に物理で殴り倒すゲームなのかもしれない(?)……ポッピーも仮面ライダーに変身して割と強めに立ち回ってたしな。・レベル2vs3でこれまであれだけ一方的にやられていたのに、グラファイトとレベル3のエグゼイドやブレイブがほぼ互角に戦っている不思議。
限界効用逓減じゃないけども、レベルが上がるにつれて能力値の上がり幅が下がっていくのはよくあること……で片付けてもいい気はするが、レベル1と2の戦闘力にはほとんど差が見られないのに2と3の間にだけ深い溝があるというのはイマイチ納得し難いものがある。いや、でもガシャットの本数が単純に倍になってる訳だから違って当たり前なのか?


・今回、話に関係のない貴利矢が入院中ということで出てこなかった。全45話の中で、退場してないレギュラーキャラが一言も喋らないのは僕の知る限りこの6話の貴利矢だけで、「少しでもいいから必ず全員を出す」というのは意識的に徹底されていたことなのだと思われる。
それ自体はいいことだと思うんだけど、こうやって割り切って何人かのキャラにだけフォーカスした方が、おそらく話も作りやすいし見る側としても分かりやすくていいので、ここは一長一短なところ。

 

まとめ
"急がば回れ"に気付いたときはなるほどって思ったけど、あんまりその話も広がらなかったし全体的に薄味だった。ただこれは僕が再視聴組ゆえに飛彩の過去はもう分かってるから、ほぼそれを明かすだけの今回は面白味を感じないってだけの話かも。

 

エグゼイド感想一覧

裏面

仮面ライダーエグゼイド 6話「鼓動を刻め in the heart!」 否定的感想

 

前話

仮面ライダーエグゼイド 第5話「全員集結、激突Crash!」 肯定的感想