やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーオーズ 第3,4話「ネコと進化と食いしん坊/疑いと写メと救いの手」 感想

第3話「ネコと進化と食いしん坊」

リコとリタ

・早速人の命よりメダルを優先するアンク。
ベルトは映司、メダルはアンクが持つことでお互い牽制しあえるのは分かったけど、やっぱり依然としてアンクが映司のどこにそこまで利用価値を感じてるのかが不明瞭なのよね。2度も思い通りにならなかった時点で他のやつを探そうという気に何故ならないのか。
ゆくゆくはバディになる2人だから、そこは敢えて想像の余地を残すというか、腐女子的な見方じゃないけどもこの時点から既に、アンクは映司に対して損得を超えた感情を抱いていたとも取れるようにしてあるのだろうか。
アンクは基本的に"自分のもの,一部だから"という理由でコアメダルを求めているけど、無欲な映司は彼にとって初めて"自分と決定的に違う"が故に抱いた「欲しい」だったとか。
そう考えると、同じ小林靖子氏の『龍騎』に近いものを感じる。自分のために戦う蓮が他人のために戦う真司に興味を持ち、「こいつもいずれ化けの皮が剥がれて、自分と同じようになるに違いない。でもそうならないとしたら、或いは……」という気持ちで観察するような感じ?

・メズールがガメルにメダルを分けてあげるのは、彼女の中に「上から目線で何かを施したい」という欲望があるからだろうか? 名前も"愛づる"からだそう。
ヤミーはセルメダルを生み出すための怪人だけど、グリードも自身の欲望を満たすことでセルメダルに変換できるんだろうか。覚えてる限りではそういう描写はなかったはずだし、ヤミーをつくる必要性もなくなってしまうので多分違うと思うけど。
だとするなら、本当にただ満足感を得たいがための行動ということになる。
メズールの頭部を担当しているシャチ≒イルカは知能が高く社会性もある生き物だと聞くから、それ故なのかな。そう考えると、割と賢い組のアンク(トリ),カザリ(ネコ)も、ウヴァ(クワガタ)とガメル(サイ)に比べたら頭良さそうかも。
ところでなんで彼女だけ声優が当てられてるのかね。

・映司に対して「道具が意志を持つな」ってな様子のアンク。
でも元を正せば、グリードも何かの目的で錬金術師につくられたメダルという道具のはずで、言わば無機物に命が宿った付喪神。彼はそのことを自覚してるんだろうか?
てかグリードの綴りが"Greeed"ってマジ!? どこの歯医者さんですか……。
あくまで自分が命令する立場だと主張するとこは「人間は欲望の奴隷」って感じがしてちょっと好き。『時計じかけのオレンジ』を見たときの僕の感想がまさにそれで、欲望が湧くかどうかを自分の意志でコントロールはできない以上、それに従うことを"自由"と見做すのは少し違う気がするのよね。
そのアンクと互角に渡り合う映司は、欲望に蓋をして理性を以て自分の行動を選択する"真の自由"の象徴なんだろうか。

(参照:A Clockwork Organ『時計じかけのオレンジ』 感想)

・倒れた比奈をただのバイト先……それも雇われたばっかのクスクシエに連れ込むというのもなかなか不思議な光景だけども、住み込みって訳じゃないよね? マンションあるし、信吾が使わないなら空き部屋になっちゃうし。
あれか、雇ってる以上は少なくとも住所を知ってるはずだから、それを聞こうとしたら中で休ませるよう言われて……って感じかな?

・カザリのヤミーは寄生型……らしいけど、なんで虫じゃなく猫が寄生するんだ? 一応飼ってる身としては、むしろ寄生虫にやられる話の方が聞くけど。

・ネット検索……というより厳密には電子機器?が趣味だったらしい信吾。Wの翌年ということで相棒が検索とくれば否が応でもフィリップが想起されるけど、イマイチ繋がらないので保留。

・うちの子はそうでもないのでホントか微妙だけど、猫はあればあるだけ食べちゃうらしい。エサがなかなか手に入らない生活をしてきた元野良だとそう、ってことなのかな。

・ヤミーのせいじゃないとは言うけど、もう食べたくないと言ってるのはじゃあなんなんだ。
そもそも、嫌がってるのを無理やり食べさせてそれで果たして欲望を満たしてると言えるのか? お腹痛いとかそういうのが嫌なだけで、体の不調さえなければもっと食べたいと思ってることに変わりはないからOK……ということなのだろうか。

 

第4話「疑いと写メと救いの手」

・公式サイトによると映司は"砂漠"のイメージらしいけど、だとすると砂嵐を操るカザリとは何かしらの共通点があるんだろうか。乾いてるということもそうだし砂地獄というものもあるし、欲望の象徴としては確かにしっくりくるけど、わざわざ敵幹部の一人にだけ同じ属性を与えるというのは、何かしらの意図がありそう。

・いつから比奈ちゃん呼び? 苗字だと信吾もいるからややこしいのは分かるけど、彼のことは基本"刑事さん"だし、あまりに馴れ馴れしすぎる気も。
旅先で知り合ったばかりの人と仲良くなるには、やっぱり馴れ馴れしいくらいが丁度いいのかね。
・携帯を所持してない映司が、信吾の携帯を持つ

・家のない映司がクスクシエに行くしかないのは理解できたけど、比奈が自宅じゃなくてクスクシエに担ぎ込むのは分かんないぞ!? いくら知世子さんがいい人だからって、甘え過ぎでは……。
知らない人を自宅に入れるのは危ないけども、それを言ったら知らない人をバイト先に連れ込むのも危ない。大食い男の一件もあるし。
心配なら病院に連絡するのが普通であって、そこに「兄の行方を聞きたい」という事情を持ち込むのだったら、リスクを覚悟して自宅で手当するべきでは。勿論知世子さんがいいなら問題ないんだけども、比奈がそれを頼むに至る気持ちが理解できない。
「運んでる最中にたまたま知世子さんから電話が来て(あるいは道端で偶然会って)、流れで事情を話したらうちに来なさいと言われた」というパターンだけかな、違和感ないのは。


性悪説はリアリティがない

・アンクを心配するおじいさん好き。老人になると欲望が鳴りを潜めるのか、それとも単に自分の面倒くささと人の命とを天秤にかけて後者が勝っただけなのかは分からないが、醜い部分を描くだけにならないのがいい。
中二くらいに陥りがちな、人間の悪い部分を描いてる作品を取り上げて「リアルだ!」と評価する向きがあるけれど、あまりに極端な性悪説は結局のところリアリティがなくなる。本当に、嘘と欲望にまみれた騙し騙されのヒリつく人生がリアルなら、おそらくフィクションにまでそんなものを求めないだろう。
良いときもあれば、悪いときもある。それがリアル、てかフツー。

…………もしこれで、揺り動かしても目覚めなかったら財布のひとつもスれてラッキーとか思っての行動だったら嫌すぎるけどな! 指紋付いてるからやめとけよ爺さん!


・替えの湿布もあるから「大丈夫」のとこいいなぁ〜。ほんの少しだけ怖さというか圧力を感じさせつつも、それが頼もしさ,安心感に繋がるギリギリのニュアンスを表現できるの凄すぎる。しかもこの序盤で。

・映司ってセルメダルは割と何の脈絡もなく出すけど、戦闘時に何枚か拾っておいたのかな? 抜け目ない。


存在の線引き

・人間か怪物、どちらと組むか。この命題はアンクにとって、自らの存在を左右するかなり大きな選択だったのかもしれない。巧が、人間とオルフェノクの間で揺れていたのと同じような意味で。
今のアンクは右手を除いた8割が人間の体なので、人間の側につくのは当たり前といえば当たり前なのかもしれないが、それを差し引いても今回人間のテクノロジーの有用さを理解した訳なので、流れとしては自然だ。

 

・カザリの足はブランクなのにチーターメダルが出てくる不思議。まぁブランクになる条件が「該当メダルが0枚であること」だとしたら見え方として完全体に近い状態ばかりが映ることになってしまいかねないから、多分2枚か1枚以下なんだろうけど。
或いは、オーズと違ってグリードは綺麗に縦3分割されてる訳じゃなくて、その辺は結構曖昧な可能性もある。メズールも足担当であるはずのタコを模したマントが肩に付いてたりするしね。

・アンクが中の人間を助けるためにわざわざチーターを出したのは、そうしないと映司がいつまでも倒さないと分かってるから、かな。なんだかんだで舌打ちしながらもアンクが折れることの多い印象だけど、欲張りが故に我慢ができなくて「もういいからさっさとやれ」ってなっちゃうのかね。
メダルが溜まってなかったとしても少しは手に入る訳だし、グリードがいる限り次の機会はいくらでもあるし。

・この3,4話、なんでか知らないが日陰のシーンがやけに多かった気がした。夜で暗いことはあっても、昼なのにわざわざ日当たりの悪いところで撮影するのって割と珍しい気がしたんだけど、そうでもない? どういう演出意図なんだろう……見てる今が冬だから、変に気になるだけかな。
日差しが強くて画面が白飛びしちゃうからとか、そういう単純な理由の可能性もなくはないか。

 

オーズ感想一覧

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仮面ライダーオーズ/OOO 第2話「欲望とアイスとプレゼント」 感想

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