やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーW 19話~ 感想メモ

仮面ライダーW 1~18話 感想メモ

 

第19話「Iが止まらない/奴の名はアクセル」

・風都探偵事務所1階、かもめビリヤード。カモメってのは初期段階の水の都と風都を繋ぐいい存在だと思う。
またフィリップの身柄を隠すためもあって、探偵事務所の場所を多少なりとも分かりにくくするカモフラージュ(仮面)の役割も担っているのだと思う。
翔太郎はまだ一人じゃ半人前だから、ビリヤードも下手?
・権力にはなびかないと言うけども、刃野との関係はどういう認識? あれは翔太郎の方から持ちかけた取引だからいい、みたいなことかな(1話じゃ刃野の方から寄越してるけど)。
・性行為の比喩であるWに続いて現れた仮面ライダー、照井は差し詰め2人の子供ってところだろうか。翔太郎のいいとことフィリップのいいとこを併せ持って、一人で一人前のハードボイルドさを持つあたり。
・記憶の凍結、氷河期と冷凍保存
・エンジンブレードを振り回す、もとい全力で振り切る照井。というか、重過ぎてむしろ振り回されているようにも見える。復讐という行為に。
・2人揃わないと変身できないなんて不便な奴らだと皮肉られてるけども、今までそんなことはほとんどなかったのに、アクセルと対置するためいつも以上にわがままなキャラにされてしまうフィリップが可哀想。何かに夢中になることはあれど、変身拒否までするのは稀だよね。ドーパントを前に翔太郎を生身のままにしておくのは危険だし。
・「ヒート以外考えられない相手だね」
Wって、話の筋は強引なとこも多いし結構色んなとこで引っかかるんだけど、こういう細かいセリフ選びとかが悔しいけどセンスいいので、なんとなく許しちゃうんだよな。まさに短所を長所で塗りつぶすタイプ。
見返す前はかすかな記憶と世間の評価を頼りに「目立つ短所がない代わりに大した長所もないつまらない作品」だと勝手に思ってたから、全く正反対で不思議な感覚。
・Wのクワガタムシとアクセルのカブトムシ、人気的に普通逆だろうと思ってたけど、落ち着いて考えりゃ2本ヅノ(顎だが)と1本ヅノなんだから当たり前だったわ。
・「この街の連中はドーパントを倒す超人を仮面ライダーと呼ぶんだろ」……正確には「風都を守る戦士」だと思うけどね。
この辺は完全に「ドライブは人を助けるライダー、マッハは敵をぶっ潰すライダー」と同じだ。よく言えば一貫してる、悪く言えば引き出しが少ない。
・僕も照井と同じことを思ったよ、今回のフィリップはいつにも増しておかしい。ファングを手に入れたことで当事者意識が芽生え始めているであろうことを加味しても、そんなに自尊心が高いイメージは全くなかった。殴られたって怒るでもなく「なんで殴られたのか分からない」と笑った男が、ちょっと煽られたくらいでどうしてそこまで怒るのか分からない。
……そのあと、「頭脳だけは大したもんだ」と言われて別に怒るでもないのも笑っちゃったよ。さっき「"僕たち"への侮辱は許さない」って言ったばっかだし、どちらかと言えばいつも翔太郎に「それを言うなら"俺たち"が、だろ?」ってツッコむ方なのに。コンビであることにこだわりがあるんじゃなくて、単に「半分以上は自分の功績なのにお前一人の手柄にはさせないよ」みたいな意味だったんだとしたら、自尊心の高さも翔太郎への侮辱には反応しないのも納得だけど。
・翔太郎に比べて照井は元々広い知識があるので、キーワードの選定がスムーズだしフィリップといいコンビ……というのが描きたいのは分かる。でも翔太郎程度の知識でもこれまで問題なくやれてたし、そもそも言葉じゃない"モノ"を見てキーワードを導き出す作業は、イメージに反してフィリップ自身がある程度できるから別に要らないんだよな。アノマロカリスの回で、破片から生物の牙だってとこまで絞り込めていたから。
・照井の胸元についている、逆さになったハートマークの首飾りが気になった。なんというか、見たことないけど「冷静と情熱のあいだ」って感じだよな。言葉遣いや態度は冷静そのものだけど、内に秘める復讐心は熱すぎる。
・氷が燃えるというのは聞いたことあるけど、炎が凍るってのは直感的にも有り得なさそうよね。単にヒートは炎ではなくあくまで熱だから、熱量で負けてWの肉体が凍ったって話ではあるんだろうけど。
・人間がバイクに……まさに主客転倒。復讐するライダーとしてはまぁ妥当って感じか。

 

第20話「Iが止まらない/仮面ライダーの流儀」

・「俺に質問をするな」ってのは照井の口癖だけど、なんで質問してはいけないのか、好奇心のエンジンがブルンブルンです。仕方ないので自分で考えて答えを出すけど、質問には疑問詞のWが付きものだから、Wを憎んでいる照井としては気に食わないのかもしれない。いつ(When)?誰が(Who)?どこで(Where)?何を(What)?そして何故(Why)?
また、疑問視の中でもとりわけ「何故?」を受け付けないというのは、照井自身が思考を停止したがっていることの傍証とも言える。良く言えば「何故?の無意味さ」を悟っているのかもしれないが。
理由はさておき、ともかく目の前にある現実を淡々と受け入れるようなイメージ。逆に言えば、人は往々にして何かを素直に受け入れられないとき疑問を挟む。愛する者を失った人はよく「どうしてこんなことになったのか」「なぜあの人は死ななければならなかったのか」といった疑問を口にすると、ユング心理学入門に書いてあった。
(参考:"仮面ライダー"の定義を考える/自然と自由の象徴として)
更に言えば、フィリップも「何が気になるのか分からないから気になる」と言っていたように、謎を謎めいたままにしておくというのはそれはそれで意味のあること。またゼロワンの話だけど、ギャグのどこが面白いのかを説明してしまうのが無粋で野暮な行為なのと同じで、全てを理詰めで解き明かさずに、想像の余地を残しておくようなスタンス。幕や覆うという意味の"シュラウド"から力を与えられるというのも、そういったイメージを受ける。
・罪を憎んで人を憎まずの精神でやってきたってのは初耳です。これまでに1回くらい出しといて欲しかったよそのワード。
・2号ライダーより強化フォームが先なのって、少なくとも平成ライダーではそんなにないよね。新たに出てきた2号ライダーの販促パワーに負けないためにパワーアップする……みたいな漠然としたイメージがあったけど、改めて考えてみるとそうでもないのか。オーズ(ガタキリバ),フォーゼ(エレキ),ウィザード(フレイムドラゴン)とそういう形式が続くし。
・ネット使ったことないんか? Wのメモリと今回の事件でキーワードが合致しないなら、ヒットしなくて本がなくなってしまうという演出になるのが正解じゃないのか。それとも、地球の本棚にも「もしかして」とか言って、勝手に一部のキーワードをなかったことにして検索する機能でもついてるのだろうか。あれ本当に余計なお世話だよな、やめて欲しい。道具が意思を持つな。
・探偵と刑事。私的正義と公的正義……のようでいて、その実 後者の照井は私情で動き、前者の翔太郎たちはたまに情が移るものの基本的には「依頼人が頼むから」という他人事的な理由で動いているのが面白い。「情が"移る"」という表現になるのはベースが他人事だからこそで、翔太郎たちが何か直接被害を被っていることは多くない。
・人の心は検索できない……そうなのか。まぁ、できたらもっと早く解決したであろう事件も多いし、何より「感情、何それ?」みたいな初期のフィリップにも納得がいく。しかしこれまたゼロワンだ、「人の夢ってのはなぁ……検索すれば分かるようなそんな単純なものじゃねぇんだよ!」。
でもなんで? まずもって地球の本棚とは一体なんなのかが分からなければ、何故人の心がその限りではないのかを推察できない。ガイア理論的に考えるなら、地球の記憶には人間の心も当然含まれるはず。或いは記憶として保存されてはいるけど、それこそ複雑過ぎて明瞭に言語化(本化)はされてない故に"検索"ができないだけなのか。
そもそも、地球の記憶(アシックレコード)が実在して、それが脳内にインプットされたってとこまでは受け入れるとしても、あんな風に思うまま検索できる機能まで一緒についてきたというのはあまりにも出来過ぎだよね。後々明かされるんだろうか。
・去年の8月!? フィクションにおいて過去の話って言われると、何年,何十年と昔のことなのかと想像してしまう(だからそれにしては照井が今と変わらないなと当時から思ってた)けど、そんな最近のことだったのね……びっくりした……。
・悪魔と相乗りせず、復讐する。ビギンズナイト(夜じゃない)
・確かに、人間じゃなくドーパントを攻撃してる限り関係ない人を襲ってしまうってことは有り得よな。幻覚見せるとかなら別だけど、例え追ってる相手とは別人であっても、少なくともドーパント(アブないやつ)であることは確実なんだから。
・ファングのときと同じ、遺留品がわざとでミスリードさせられるパターン。トリックとか考える訳でもなく、割と簡単に実は……っていうちゃぶ台返しができる手法として、特に販促があって他に考えることが多いけど展開にもひと捻り欲しいときには重宝するのかね。
・別に、今回の事件は翔太郎の甘さ関係なくないか? だって照井は、人違いじゃなくて母親の方が仇だったなら普通に殺してた訳じゃん。でも翔太郎が止めたのは人違いだからじゃなくて、そもそも人を殺すなってところ。
甘さのおかげで殺さずに済んだという結果論も事実だけど、その甘さを認めてしまったら復讐ができなくなってしまう。
ビルド3話の「それは正義とは言わねぇぞ」みたいに絶妙な話の通じてなさがある。
・ヒートジョーカーのときにやってるファイアパンチはあくまでジョーカーが肉弾戦向きだから可能なことで、ヒートトリガーではできないのか? ジョーカーだろうがトリガーだろうが右半身は変わらないんだからできてもおかしくない気がするけど、見た目に反して能力は両サイドセットなんだな。ヒートジョーカーの左手でファイアパンチ(ルナジョーカーの左半身で伸縮)しないのは、演出の都合であってできるにはできるのかな。メタルシャフトやトリガーマグナムを左手で扱うのは見たことある気がするし。
・アクセルとヒートが被ってるのはデザイナー的には「そこまで考えてなかった(超意訳)」ってことらしいけど(正確にはWのデザインしてるときに2号に使いそうな色を使わないようにしようとかは考えなかった、ということだと思われる)、わざわざ初登場回でこんなにヒート使わんでもいいだろうに……。
と思ったけど、後々大した意味もなく"被ってるな"ってなるくらいなら最初っから割り切って、いや振り切って「氷属性の敵と戦うんだから、似たような赤い熱属性で戦うのは当たり前でしょ」と開き直ってるのか。
・あれ、仇ではないと確信する前に、殺すのをやめた。人を殺しちゃいけないなんて翔太郎に言われるまでもなく分かってるはずなのになんで?と思ったけど、危うく人違いで殺すところだったという経験を経て、合ってるにせよ間違ってるにせよともかく殺してしまったら取り返しが付かないから、例えば同じ殺すにしてもきちんと裁判で犯人であること,或いは死刑であることが確定してからにしようと思ったってところだろうか。
つまり、結論の保留……ゲイツっぽい、ひいては平成ライダーっぽい。
・考えてみたけど、アクセルのAはWほど色んな意味を見いだせなかった。というかWに比べてAが頭文字の言葉なんて一般的過ぎて、キーワードを絞り込めない。単数のA、ほぼ同じ意味だけどAlone(1人)、疑問のWに対するAnswer、W(翔太郎/フィリップと井坂)へのアンチテーゼという意味で否定の接頭辞A。接頭辞というのは本ブログでもちょくちょく説明してるけど、Aが頭につくことでシンメトリー(左右対称)がアシンメトリー(左右非対称)になったりする。
あとは精々、性行為(C)に対するA(キス)とか。Wが性行為である前提だけど。僕もあんま汚い話ばっかしたくないけど、そういう作品なんだもん……。

 

第21話「還ってきたT/女には向かないメロディ」

・おぉ? そうか。照井は刑事だけど、アクセルは別に警察とは何も関係ないし、むしろ復讐の道具な訳だから確かに隠した方が無難か。ガイアメモリ捜査課がガイアメモリ使ってるんかって話にもなるし。
・ファング回のアバレッドに続いて、刑事の話でデカイエローときたか。ディケイドが本人呼ばず代役で基本やりくりしてたのを受けて、こういうさらっとしたかたちで過去作の力を借りることにしたのかな。正直僕なんかは言われなきゃ気付かないから、当時盛り上げに成功してたのかはよく分からないけど。戦隊だしどっちかって言えばミライダーみたいね。
龍騎で東條が持ってたカフカの『変身』を読んだみたいに、お勉強としてチャンドラーの『大いなる眠り』を借りてきました。知らない人のために説明しておくと、翔太郎や荘吉が敬愛しているハードボイルド探偵フィリップ・マーロウが出てくるシリーズの第1作。パイロット版で翔太郎が例示してたのは『ロング・グッドバイ』だけど、とりあえずは1作目からかなって。
で、まだ翻訳を担当した村上春樹の後書きしか読んでないんだけど、そこでマーロウ(フィリップ特別するためにも、村上氏に倣ってこう書く)がどうして警察組織に与しないのかについて書かれていた。今回の話にも繋がってくるけど、組織の腐敗やしがらみに巻き込まれないために、あくまでいち個人として自由に行動したかったからではないかと。翔太郎のは単なる真似事だけど、非常に参考になる。
・真倉の発言、別に法が絶対正義だって言ってる訳じゃなくて、あくまでも「"警察官としては"するべきは逮捕まで」と言ってるのが、細かいけど実に正しい。警察官という役職自体が法に規定され立脚する存在なのだから、その立場としては法に従うべきだ、と。
・エンジンメモリ、放送当時は同じEの頭文字を持つ複数の能力が多義的に発動できる(例えばエナジーとか)もんだと勝手に思い込んでたから、なんでジェットとスチームなのか全く理解できてなかったけど、そうじゃなくてそれぞれジェットエンジン/スチームエンジン/電気エンジンと連想した能力ってことなのね。やっと理解した。アクセルのAは三角形だから、3種の能力なんだろう。ライダーとしても3人目(翔太郎,フィリップ,照井/スカル,W,アクセル)だし。
トライセラトップスは溝口ではなく九条だった……!って、そもそも視聴者の中で溝口がドーパントだと思ってた人なんていないよね。絶対ゲストの誰か、しかもWは悪女が多くて、照井のチームに所属したのに今後も続けて出るとは思えない。被害者が溝口だと勘違いした理由も、同じ曲を口笛で吹いてたからってのはちょっと弱過ぎるし。
・アクセルが登場したことで物語が加速する……のを期待してたけど、意外とそんなことはないんだよな。縦糸がほぼなかったところ照井の復讐っていう明確な短期目標はできたけれど、元々あった本筋であるフィリップの家族関係の話とはシュラウド以外関係なかったはずだし、現状はむしろ話が逸れて回り道しているような印象。
マッハなんかは完全にそういう役回りで、ドライブを食うレベルで本筋に関わってたけど。

 

第22話「還ってきたT/死なない男」

・回想でも思いっきり映ってたけど、Wがトライセラトップスの右足にダメージを与えたとき照井はその場にいなかったじゃん。「フィリップがやけに嫌味っぽく言ってるから、そういうことなのかな」と察するくらいしか知る余地がない。
・19話、ヒートのくだりでセリフのセンスがいいって話をしたから、敢えて「変身解除した人間を攻撃」という絶望的な語呂の悪さには目を瞑ったのに、2回もやられたらそれは駄目ですよ。"生身の人間"でいいじゃん。
ドーパントは装着じゃなくて肉体変化系の怪人(というか装着系の怪人っているか? 響鬼に出てきた鬼の鎧くらいしか思い付かない)だから変身態も厳密には生身なので……ってことだとしても、丸腰とか無抵抗とか、表現のしようはあると思うんだけども。
・という話は置いといて、アクセルが九条を襲った理由を考えてみると、照井は質問するなで誤魔化したけど、十中八九「同じ復讐者(刑事)として気持ちが分かるから」だろうと思われる。フィリップの指摘で気付いたというのもカモフラージュで、そういうシンパシーから直観したというのが実際なのかな。
悪人とはいえ人を殺す以上は罪の意識から逃れることはできない。「まともな人間なら人を殺せば良心の呵責に死ぬまで苛まれ続けると思う。幸せを見つけることなんてもうできなくなる」というのは『プラチナエンド』のセリフだが、況して刑事を志す正義感の強い人間なら尚のこと。
だから照井は、仇を殺したあとは自分も死ぬべきだと思っていたのかもしれないし(Wに代わって自分が仮面ライダーの役を果たすと言っていたが)、同類である彼女が「もう手を汚してしまったから」と開き直り罪を重ねるのを止め、楽にしてやるために襲ったのかもしれない。同時に、蓮のように人を手にかけることで自分のブレーキを壊そうとしている側面もあるのかもしれない。
・亜樹子、唯一活躍したのが依頼人を守る話なのに、おそらく知り合いだからという理由で依頼人である真倉をぞんざいに扱ってしまう。わざわざ「俺は依頼人だぞ」って言わせてるあたり自覚的にそうしてるんだろうけど……あ、真倉は九条に惚れてるから真相を知って落ち込ませないためってこと? ふーん……彼女的には荘吉の死を隠されてたのは、自分への思いやりってことで納得できたのかね。パターナリズム
・また、霧彦に続いて今度は人殺しを野放しにしようとした。翔太郎、ハーフボイルドって言えばなんでも許されると思ってない? 誰も完璧じゃない……そりゃあそうだけど、その欠け具合の度が過ぎることを人は"悪"と呼ぶんじゃないのか。忘れてたとかそういう問題なの? 仮にも一人、船の方は目の前で……とまでは言わずとも、殺害現場を目にしてたよね。知らないやつ(況して悪いやつ)の死なんて知ったこっちゃないと言えばそれまでだけど。
翔太郎の甘さは、照井が学んだのと同じ「結論を保留にして猶予を与える」なんだというのが実感できたのは良かったけど。
・ディガル(DIGAL)・コーポレーションとは。井戸だけにDig-all?
・初変身のときはフィリップがファングを構えることでドライバーが出てきてたから「そういうこともできるんだ」と思ったけど、あれは翔太郎が既にベルトを装着してたからであって、そうじゃない場合はこうして連絡取る必要があるのね。不便だな。
良かったね、運良く絶交にならなくて。
・九条が刃野を襲おうとしたのは、照井に殺してもらうため……のように見えたけど、その前に照井を殺そうとしてるから違うのかな。でも実際死んでない訳だし、あくまで照井を煽るために過ぎなかったのかもしれない。
家族のことをダシにされ自分自身も殺されかけたことで、もしアクセルが怒りで剣を振るうようなら、自分の復讐心も正しかった、仕方ないことだったのだと思えるから、試したのかもしれない。「そこまでされても、あなたは私(復讐心)を否定できるのか?」と。
・今回の真倉、DEATH NOTEの松田をイメージしてるのかな。
・還ってきたT、ってのは、同じ恐竜メモリのティーレックスやテラーのことも暗に含んでると思うんだけど、それ以上思考が深まらない。一応メモだけしておこう。
読本によると「マグマ/ティーレックスとアイスエイジ/トライセラトップスが対になってる」とあって、少し納得した。それぞれWとアクセルの初登場に合わせて、地球と恐竜モチーフのドーパントを持ってきているということになるのかな。ただ地球は分かるとして、ファングと同じく恐竜がどうしてピックアップされるのかはまだしっくりきてない。

 

第23話「唇にLを/シンガーソングライダー」

・クイーン&エリザベスって、変な名前だよな。普通クイーン・エリザベスだよね。彼女らも2人で1人みたいなもんだからってことだとして、同じことをやるにしても姓と名で分けるならまだ分かるのに何故か敬称と名前。
・僕は割と変な曲が好きなので、このジミーの曲も聞き慣れたってのもあって普通に思える。凛として時雨のTKさんは裏声で歌うのがデフォルトだし、最近だと崎山蒼志の『嘘じゃない』とかなんとも言えない声の出し方してるけど面白いよね。Cö shu Nieのこれっていうキャッチーなメロディがないままふらふら乱高下する曲調も好きだし、男と女を行ったり来たりするのが特徴的なバンド 女王蜂の『金星』は、一瞬だけ高音になって戻ってくるのなんかそのまま。
まぁ10年も前だしな。
・翔太郎……一応かっこついてない自覚あったのか。それでもやり続けるハートの強さはすごいよ。大丈夫、僕的には荘吉よりはずっとかっこいい。って言われて嬉しいのかは知らんけど。
「お前の歌で勝ち残れるはずがない」という、まぁある種自分の価値観を押し付けるのにも似た発言、予告で聞いたときはどうなんだろうと思ったけど、自分に似てるというのを踏まえた上で聞くなら前回の照井と同じような心境だし、割と良かったかも。似たもの同士だからこそ、本当は自分の歌が評価されるはずないとジミーも気付いているはずで、目を覚ますなり貫き通す(ただし人に迷惑をかけない範囲で)なりどういう反応を示すのか窺っているのだろう。
・いつも赤だから、黒いジャケットがなんかめちゃくちゃ渋くかっこよく見えるな照井……ブラックスパイダーマンみたいだ。
・タネ明かしはいいけど、ネタを知ってる身からするとさっき結構おかしなこと起こってたよ? ライアーは「お前の剣じゃ傷つけられないぜ」という嘘をついたのに、照井は当たってメモリブレイクしたと錯覚した。「やられた〜」って言ってそれを信じるなら分かるけど、「お前の攻撃は効かん」って嘘を信じたなら「何!? 本当に効かない!」ってなるはず。「本体は逃げたのか……」がそれに該当するってことなのかな。
電波塔の道化師ってのは、テレビ……というかマスコミは信頼できないよみたいな皮肉のつもりなのかな。スイーツのときと同じで、歌パートもあったしバラエティ回っぽい外面でありながら、ライアーというジョーカー(嘘付き,ピエロ)との関連が深いモチーフに、さらっと井坂登場と、なかなか馬鹿にできない内容、この作劇手法は意図的なんだろうか。
・ルナトリガー、任意の相手を避けて銃弾を当てられるから援護射撃で共闘するには便利なフォームだし、何よりアクセルと並ぶと赤青黄で色鮮やか。
・ウェザー、前回見せたときはガイアウィスパー鳴らさなかったけど、画面停止してよく見れば普通にWeatherって読めたから、知ってた人は知ってたけどそこまでしない層には初めての情報ってことになるのかな。
帽子を被ってるのが、気になる。

 

第24話「唇にLを/嘘つきはおまえだ」

・ちょっと待て。よく話を聞いてみると、いよいよこれは「嘘の代償」の話なんじゃないか? 才能がある、スピックは流行ると嘘を吹き込んだ女と、騙されていたことを知ったジミー。
ライアーが「街の涙を拭う2色のハンカチ」的な感じでジミーの涙を吹いていたのも印象的。
・Wはのメタファー、表向きには井坂先生がそっち側の役割を担っていくらしい。
・冴子さん……あんたびっくりするくらい分かりやすいな……。井坂"深紅"郎に惚れてるから赤いスーツって、そりゃ若菜も小馬鹿にしたような笑顔を浮かべるはずだわ。何が面白いって、本人はそれを自覚してなさそうなのが一番面白い。首ったけじゃん。その若菜も、フィリップから電話来てそれどころじゃなくなってるのが更にウケる。
気持ちは、分かるけどさ。僕も入院中気になる人がいたんだけど、その人が好きって言ってたからなのか気が付いたらコブクロ聞いてたり、似たような名前のキャラが出てくる『バクマン。』を読みたくなったり(アニメの主題歌コブクロ)、手紙に「あなたの将来に光がありますように」って書いてあったからなのか仮面ライダー最光の玩具が無性に欲しくなったり。なんか、退院したあとのしばらくはそんなことばっかりで自分が情けなかった。人を好きになるって、不便なもんだ。
・ジョーカーの翔太郎が道化師を演じてる……ここまでやられても、昔の僕はピエロ繋がりだって気付かなかったのか。鈍感極まりなくて情けなくなる。
フィリップもただ女装が様になってるだけじゃくて、なんなら一瞬口元がちゃんと若菜に見えるのがすごい。姉弟としてキャスティングされてるだけのことはあるって感じか。
亜樹子の男装もなかなかいい。美少年探偵団って感じ。
平成ライダーって、ちょいちょい作品の壁を超えて同じSE使うよね。今回の亜樹子がショック受けてるときのはドライブで片岡鶴太郎さんがよく使うやつだし、エグゼイドのバグスターユニオンが出す「キイィィキキィ」って感じの軋む音はゼロワンのデイブレイクの時にも使われてた。もっと前にも使われてた気がするけどパッとは出てこないな。
BGMとかは毎年一新されるけど、使い回すとことそうじゃないとこの線引きってなんなんだろう。SEのデータベースは共有だから、ジオウでドライブアーマーの必殺音声がビルドドライバーにドライブフルボトル挿した時の音になってたりという有り得なさそうなミスも起こったのだろうか。そもそもドライブフルボトルなんて、本編どころかあらゆる映像媒体で1回も使われてない(ガンバライジングくらい)のに……。
・才能があるというのが嘘なら、頑張って売れて真実にしてしまえばいい、というのが今回の結論だと思うんだけれど、Wは基本そういう方針でいくのね。少女Aのパパとして、風都の人々を守る仮面の騎士になったのもそうだけど。
フィクションを単なる嘘のままで終わらせない的な意気込みはクウガにも通ずるものがあるし、その2体のアーマータイムが出た平ジェネFOREVERのテーマにも繋がるかも。
・ファンならあの『風都タワー』がラブソングだと、ひいては作品に秘められたテーマに気付かないといけない……プレッシャーが重いな。なるだけ頑張ります。

 

第25話「Pの遊戯/人形は手癖が悪い」

・ギジメモリとガジェットは最初から持ってるけど、あれはどうやって手に入れたものなんだろう。元は荘吉の持ち物だったのを、そのまま使ってる感じ?
しかしフィリップ、頭でっかちじゃなくて意外となんでも器用にこなすよな。
・評論家の言うことにも一理ある。実在の人物をモデルにフィクションをつくることが本人の尊厳を脅かすというのは、よくある話。俗っぽいところだとBL界隈における"ナマモノ"とか、最近だとスーパーヒーロー戦記は本当に石ノ森章太郎氏の本音を代弁できているのか、とか。生前の彼は寛容な言葉を遺していたのかもしれないが、実際見てみたら「やっぱりここまでやっちゃったらもう自分の思ってた仮面ライダーじゃないよ」と思うかもしれない。
もっと身近なことで言えば、僕はよく「自分の経験」を人に話すことについて悩むことがちょくちょくある。紛れもなく自分の経験ではあるんだから自分の所有物も同然、ツイートしようが物語にしようが勝手だと思う半面、その経験に関わった他の人はそれを見てどう思うか、と。例えば「虐待されてました」と言うのは簡単だけど、親からしてみたら「虐待はオーバーだ、名誉毀損だ」と思うかもしれない。「昔付き合ってた彼女が〜」みたいなのも相手にとってはなかったことにしたい黒歴史かもしれないし、「友達に奢ってもらった」程度の話でさえ、「自分の知らないところで勝手に自分の話をしないで」と思うかもしれない。
そうは思いつつも、呟いちゃうんだけどね。
・亜樹子のメイン回ってことでなかなか見る気にならなかったんだけど、よく見たら高校の頃の国語の先生に似ていることに気付いた。そうやって見てるとなんか面白い。普段の幼くてわがままな言動は絶対にしないけど、リコちゃんに対して見せる優しい態度には面影がある。黒ジャケットの照井もだけど、とにかく見てるだけで楽しい要素っていうのはあると強いよね。
・バイクをブルンブルンつってふかすの、全く意味ないただのかっこつけだと思ってたけど、一応適度にやる分には必要なことなのね。勉強になった。
・理由はどうあれ、自分のことを信じてくれるっていうのはそれだけで嬉しいことだったりする。信じるという行為は、別に積極的に何かをする訳ではないけども、何故か人の心を動かす力になり得る。
ハイキューの日向なんかが分かりやすくそうだけど、(無根拠に)人を信じるのもある種の才能。或人のヒューマギアへの信頼、ヒューマギアの或人への信頼にも似たものがある。

 

第26話「Pの遊戯/亜樹子オン・ザ・ラン」

・そうか、クレイドール……若菜も人形って訳ね。そりゃそうだ。
もうひとつ加えると、探偵と依頼人の関係もまた一種の操り人形みたいだと思った。リコがパペティアードーパント代理人として戦闘に出るように、Wやアクセルもまた依頼人や被害者の代わりにドーパントと対峙し拳を振るう。リカコちゃんからの依頼を受けて人形を拾った亜樹子もその範疇。
荘吉の娘としてじゃなくて、ちゃんと亜樹子本人の行動を根拠に信頼して頼って来た依頼人というのもまたいい。
・またまた来ました「嘘の代償」のお時間です。少女Aこそ再登場しないけど、こうしてちょくちょくフォローしてくれるの正直嬉しいよ。というか、もう一人の少女Aである亜樹子はずっといるけど。
「人形の声が聞こえるなんて嘘、だって人形(仮面ライダー)は人形(物語の産物)だもの」という真実を、伝えてしまった亜樹子。更にリカコちゃんのことが最優先だからとはいえ、リコのことをぞんざいに扱ってしまう。
依頼人(本体)のためなら自分(操り人形)はどうなってもいい、みたいなことを描きたいのは分かるけど、流石に依頼人の大切な人形に当たるのはちょっと微妙よね。このシーンがあるからこそ、「人形の心配なんかする(呪いの人形がどうのと吹聴する)亜樹子はおかしい」という視聴者の気持ちを封殺する効果があるんだけど。
ゼロワンも、1回くらい或人に「ヒューマギアなんか人命と比べたら壊すべき」という判断をさせておけば、逆説的にそうでないということを描けたのかもしれない。
口であれこれ理想を言うのは簡単だけど、実際それが実現してみると「そんなつもりじゃなかった」って思うのも人間。こないだホビージャパンの社員が、転売を容認するようなツイートをしたことで炎上して、それを受けて会社をクビになったという事件があった。「関係者でありながらそんな発言をするなんて許されない」とか「人に仇なすなら例え人の形をしていて心のようなものがあろうとも壊すべきだ」とか、それはそれで正しいと思いつつも、実際に人(のようなもの)が苦しむ様を見たら気分が悪くなることは矛盾しない。
(参考:命にふさわしい/amazarashi)

 ・リコを通して依頼者だけでなく探偵自身も大切にすることを描こうとしているのかと思ったけど、現状はまだそこまで踏み込むつもりがないらしい。