やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダードライブ 第2クール 感想メモ

仮面ライダードライブ 第1クール(1〜11話) 感想メモ

 

第12話「白い仮面ライダーはどこから来たのか」

地上げ屋ね……。こないだ重松清の『疾走』を読んだとこなので、コミカルに演出されてるけど割とあくどいやつだなって感じる。
暴力団まがいとは言うけども、見た目だけで言えばこの警察たちの方がよっぽどヤクザなのは、現さん目線で演出されてるからかな。にしてもオーバーだけど。
・道作りながら走るシフトカー、改めてじっくり見せられるとめっちゃデンライナーだな。
・どんより現象って、マジでよく分かんないよな。ウォズギンガが無効化してたことも参考にして、単純に重力を操ることで体を重くしてるんだったら落下速度がゆっくりにはならないだろうし。っていうかむしろ、月より重力の低い月面で活動してる宇宙飛行士の方がよっぽどどんよりしてる気がするのも不思議だ。やっぱ物理は勉強しないとかなぁ……。
意識だけが加速しているので体がついていかない説は今回の現さんの着地でやっぱあるかなって思ったけど、ちゃんと見てたら反例は普通にありそう。
公式では"相対速度の低下"としか説明されてないからな。重力によって時間の流れが遅くなることがあるってのも聞いたことあるけど……重力の発生源が地球じゃなくてロイミュードだから(重加速はロイミュードから放射状に広がる)下方向への加速はしないって理屈なら、じゃあ逆にどうしてロイミュード方向へ引っ張られるような描写はないのかってとこが気になる。SF考証なんて中途半端な知識でするもんじゃないけど、いち視聴者として分からんなっていうのが正直なところ。
・小説家ウラジーミル・ナボコフの『ロリータ』に由来する言葉だって聞いてから、しばらくは小説自体は普通の純文学なんだけど意味が変遷して今のような用例が定着した……もんかと思ってたら、その小説からしていかがわしい内容なのね。中学の頃に友達が読んでたから、どんな話か聞いとけばよかった。や、たぶん聞かされたのを聞き流してただけか。
Android5.0……もとい"ロリポップ"は普通の単語だからというのもあってそういう勘違いをしてたんだけども、そのLollyは舌という意味らしい。Lの音(ラ行)は舌を使うから、かな?
・しかし素顔を隠すための仮面なのに、その仮面の顔すら隠さなきゃいけないというのはなんともナンセンスな話だ。
・重加速を無効化するピコピコ2号……って、要するにコア・ドライビア搭載型ってこと? シフトカー以外に携帯できるかたちでつくれるならつくっとけよって話は前にしたけど、あれだけバカでかい形にすればロイミュードやシフトカーたちのような自我の発生を力づくで抑え込めるってことだろうか。
・現八達を置いて逃げるのは果たしてアリなのかと思ったけど、結果的には狙いが仮面ライダーだったので正しい判断ではあったのかな。そもそもとっさの判断でミスすることは、そこまで責めるもんでもないけど。
・劇中演出である推理シーンの画面をはたき落としたり、登場シーンを盛り上げようと舞台に上がって派手なエフェクトかけたり、大仰な名乗りや決めポーズを決めたりと、マッハはかなりメタなキャラクターらしい。まぁ「このライダー、ライダー!」だもんな。ドライブに先駆けて挿入歌としてテーマソングまで流れるし。ただ初変身シークエンスなのに、どう見てもタイヤの付く場所が間違ってる(後ろ向いてるので右肩に付くはずが左についてる)のが当時から気になる。
しかし翌年のゴーストも「完璧! 白い仮面ライダー!」ってサブタイ付けてたけど、そこはあんまり被りとか気にしないのね。今見てる戦隊も、アバ,デカと、基本メンバーと別に黒白の追加戦士(アバレブラック,アバレキラー/デカマスター,デカブレイク)ってめっちゃ被ってるし。なんならウルザード,マジマザーも似てる。

 

第13話「私の弟にはなぜブレーキがないのか」

・ブチ切れてモノに当たる霧子。剛もいつだったか、チェイスと霧子がいい感じなことに(?)腹立ててなんか蹴っ飛ばしてた気がする。「面白くねぇ〜」って。
AIものでモノに当たるのは若干どうなんだという気はしなくもないが。
しかし霧子が怒る理由、分かるようで分からん。弟でもなれるもんなら自分がなりたかったとか、弟なんかがなったら白馬の王子様"仮面ライダー"のイメージが落ちるとか、或いは警察でも何でもない弟を危険な戦いに巻き込むなとか、色々解釈のしようはあると思うんだけどどれも何故だかしっくりこない。そもそも感情を表に出すキャラではないはずで、だから表出するからにはよほど何か思ってるんだろうけど、コミカルに演出されてるからかなぁ……何の感情も伝わってこない。
・世界でたった2人だけの兄弟、ね。蛮野が生んだという意味においては108体のロイミュードも兄弟みたいなものだから、その辺を念頭に置いての発言なんだろう。もちろん、進ノ介と結婚したら文字通り義兄になるってのも含めて、だけど。足すとキリよく、しかも110バーン!になるのは何か意味があるのか? でもチェイサー、若しくは進ノ介も足すと111か。
・人間が演じている以上はなかなかそうは見えないけど、感情を持たないロイミュード同士の会話って、ほぼほぼこれ↓(1:20〜)だよな。物音を聞いて真似するうさぎと、その声を聞いて真似するうさぎ、そしてそれを聞いてまた返事をするうさぎ。そこに意味などなく、ただプログラミング通り刺激に対して反応するだけ。
ナンバーが000だからって戸惑う理由もよく分からないし("普通じゃない"くらいの認識なんだろうが)、その疑念もハートの説明になってない説明で落ち着いたりとマジで中身がない。
グロンギ達も感情を持たない訳では別にないけれど、別言語を使ってて物理的に意味が汲み取れないので似たような風に見えたりもする。
youtu.be

・白倉さんが以前Twitterで、春映画はキャラクターの総数も多いし仮面ライダーのデザインも色々だからどれが味方でどれが敵か分からないというリプに対し「基本は"変身"するほうが味方」という答え方をしていた。今回重加速を発したマッハは、このルールに従ってなのか変身シーンが映されていない。
・そもそもマッハって、重加速を無効化できる相対的速さに加えて、ドライブより更に速く動けるから"マッハ"なんじゃないの? 生身の人間と比べたら普通の仮面ライダーだってそれなりに速く動けるだろうに、わざわざ重加速を発する意味が分からない。
仮面ライダーって元々敵の力を使う怪物でしょ、なんて話もだけど、展開に作者の意図が透けて見えて自然さがない。
尤も前回言ったようにマッハがメタな存在だということを考えると意図的かもしれないし(ただキョウリュウジャー見てたらそうは思えない)、今配信してる牙狼の4話みたいに、登場人物目線で自然な反応というのは視聴者的にはじれったく感じることもあるから良し悪しなのだけれど。こっちはホラーという怪物を知ってて作中人物は知らない。だから「負けたら死ぬゲーム? バカバカしい」みたいな反応って必要だけど鬱陶しい段取りなのよね。
・それはそれとして、目的のために怪人と同じ恐怖を与えるというのはこないだアギトでもやってたよね。翔一くんと氷川さんがアンノウンの真似をして、自白をさせる作戦。僕はあれ正直どうかと思ったけども、そう考えるとマッハは犯罪者ではない人間も巻き込んでるから更にタチが悪い。
せっかく制御装置がついてるなら、展開範囲くらい操作すりゃあいいものを。……と思ったけど、バンド売人の情報を聞いてるところを他の一般人に聞かれて更に悪用する人が増えないように、ってことでもあったのかな、一応。
・昔から一人なのに「レッツ変身」なのが気になってたけど、それ言ったら初代のOPからか。あれは表向きは愛機であるバイクと一緒にってことで、メタ的には見てる子供も一緒にってことなんだろうけども。で、それが後に2号ライダーってニュアンスも付属して、高寺さんの言ってた「仮面ライダーらしさとはバディ感」みたいなイメージにも繋がってくるのだと思う。
愛と勇気だけが友達……じゃないけども、バイク(ドライブの場合車)だけが心を許せる唯一の理解者であるというのは、仮面ライダーの孤独を演出する上で重要なピースなのだと思う。父が結構バイクいじりとかする人なので、かなりしっくりくる。自分の世界に入り込んでる感じというか、ある種のナルシズムにも近い雰囲気。昭和見てないから、バイクいじりする仮面ライダーっていうと涼くらいしか思い付かないし、彼はおやっさんにやってもらってるからそこまで孤独じゃないけども。
・ガンマンと言えば保安官、つまりは正義の味方なはずだけど、同時に悪役的なイメージもある。西部劇見たことないからウッディとマーティー、あとのび太しか知らないけど。
・海外で活動してた……と言っても、剛はあくまで特訓をしてたのであって、実戦でロイミュードを破壊したのは今回が初ということになるのか。
・渋滞があったらそれに従うしかない従順な車と、すいすい抜かしていくアウトローなバイク。そのコントラストはいいね。
ドライブがマッハのブレーキになるというのも、ゲイツがドライブウォッチ使ってたことを思うとエモい。
・どんよりバンドをばらまくことの意味についてなんか思い付いた気がするけど忘れてしまった……。ヒントはボルトの模倣。

 

第14話「彼女を狙う黒い影はだれか」

・チェイサーのナンバーに対するリアクション、なんでこのタイミングなの。クリスマスだから3話前だよね。前回一応ベルトさんがチェイスに訊ねてたけど、一応言葉の上では否認されてて別に確認取れた訳ではあまりないし。
・ストーカーね。"チェイサー"が象徴するように、人間を追いかけるという意味においてはロイミュードとして至極正しい姿な気がするけれど、ブレンは気に食わない様子。
・マッハはシフトにせずバイク,車のまま力を使う、主客転倒しないシステム。人間は人間、機械は機械と割り切って、情が移ったり相棒にしたりはしない? マッハドライバーのモチーフはマフラー、つまり排気ガス……要らないものを捨てる為のもの。欠陥のある機械は壊すだけ。
ただ、ライダーでありながら右腕だけはバイクになってることと、本来バイク(とライダー)のほうが標識(シグナル)に従うべきなのに、自分自身が標識になってしまうという部分はある。
また日本人が英語をかっこいいと思うように、アメリカ帰りのマッハは日本語の変身音、MONKEY MAJIK感がある。彼らの曲の歌詞って「外国人が頑張って日本語使ってる」ような感じがすごく出てて、言葉選びとかに独特な面白さがあるのよね。英語話者が日本の英語歌詞を聞いたらこんな気分なんだろうなって。
・ふんふん、なるほど。泊さんはイケてるアメリカンボーイを気取ってるから、ギーク(発明家ボルト)やナード(ストーカー)が嫌いなんだな? だからそいつら相手だと沸点が低くなってテクニックになる。
・単なる好奇心でチェイスに真実を明かすブレン、すごくラーニング途中の機械って感じだし、ひた隠しにする剛との対比としても成立してて面白い。

 

第15話「その想いが届くのはいつか」

・バイクが合体したのはチェイス仮面ライダーだから……説明になってるようななってないような微妙なライン。
確かにチェイス仮面ライダーなら、その全容はクリムたちにバレていることになるし、無理やり合体するシステムをつくることができた理由のひとつではあるんだろうが、そんなことを言ったらロイミュードだって彼らが作ったものには違いない。
まぁ、この時のブレン的には真実をバラしたいだけで文脈なんかどうでもいいので、気にするだけ無駄か。
ドクロをはじめとする物騒なデザインはあくまで死神になってからペイントしたもので、グローバルフリーズの日には無地のライドチェイサーを駆りロイミュードを撲滅していた……ということになるのかな。ただ"車なのにライダー"と同様、バイクに対してドライブって使うかぁ? という疑問はある。
・ふと思ったけど、ドライブって名前だけだとなんだかすごく牧歌的だよなぁって前から思ってたのよね。この辺はゼロワンで掘り下げられてた"不必要なもの"を許容する姿勢にも繋がってくるのかもしれない。本作で言うと課長の占い、とかね。
・……霧子、ちょっとオカシイ人なのね。人間を守るロイミュード、という意味でチェイスと重ねるのは分かるよ。でも今回のロイミュードがある人間を守るために襲ってるのは、ロイミュード(怪物)でなく同じ人間。殺してはないんだろうけども、この二者を同じと見做してチェイスを信じる足がかりにするには、人間を襲うというのは致命的すぎるのでは。むしろチェイスの信用を落とす行為だと思う。
・上述の通り話運びに違和感があったのでまた三条さんかと思ってたら、長谷川さんだった。都合の悪い自分に見ないフリして逃避するってネタはフォーゼでもやってたね。
記憶を消される……というのはチェイスと同じだ。情報データだけ消去するブレンに対し、メディックの取る危険な方法というのは記録されてる部分を物理的に破壊するとかそういうことかな。
"医療"って、意外と発想が馬鹿というか、力技だなぁと最近思うのよね。「人体には無数の血管が張り巡らされている。ならそこに同じく管ぶっ刺して直接流し込もう」とか、「なんでかは分からんがこの成分を投与するとこういう効果が現れるから都合いいし使っちゃおう(麻酔など)」とか。『JIN-仁-』の4話で頭をかち割って血腫を取り除くシーンなんかはそれが如実に描かれていて、素人や漢方医にとってはオペそのものが「人殺し」に見えてしまう。
一昔前の医療って結構宗教チックな側面が強いというか、五行に合わせて五気とか、完全に思想入っちゃってるよね。そういうのをとことん廃して現実だけを見つめていると、力技にならざるを得ないのかもしれない。
・自分を振ったから殺した、でも本当は愛してくれているが故の行為だった……。
どうして最後まで信じてあげられなかったのか、というのは、ゼロワンを踏まえて聞くといいセリフだけど、完全に結果論ではある。実際今のチェイサーは、別に遠回しに人を守っている訳じゃあない。ただロイミュードのために、ロイミュードを一時的に倒しているだけ。

 

第16話「沢神りんなはなぜソワソワしていたのか」

・りんなさん、一応頭の片隅くらいには特状課の一員として潜入捜査……くらいの気持ちはあったんだろうか。情報提供は恥ずかしくてできない代わりに。
・ライドクロッサーと同様、ドライブシステムとネクストシステムをひとつにするデッドヒート。
ドライブは、過去のライダーが出てくる訳でもないのに変身音で名前を名乗った(ドライブ! タイプスピード!)珍しい……というか初めてのライダーだという話は前にしたけれど、実質的に"マッハの力"(超デッドヒートではチェイサーの力)を使うこのフォームの存在を思えば、ドライブもまたディケイドやジオウと同じ「他のライダーの力を使うライダー」ということになる。後に出てくるチェイサーマッハ、マッハチェイサーもまた、同じ文脈で括ることができる。
似たような前例としてはウィザード ビーストマント(ビースト ウィザードスタイル)があるけれど、鎧武 バナナアームズは微妙に違うのが味噌。あの時使ったのはあくまで"バナナロックシードの力"であって"バロンの力"ではない。いやーニュアンスが難しい。バロンが使う力のひとつって意味ではバロンの力だけども、"仮面ライダーバロン"そのものをメタに捉えて抽出した力とは違う。バナナの力で変身するバロンに対して、シグナルマッハの力で変身するマッハは「このライダー、ライダー!」のコピー通り、トートロジー的な側面がある。或いはオートポイエーシス
ちなみに同じく変身音で名前を名乗るゴーストには、ゼロゴーストの力を使う闘魂ブースト魂(トウサン魂)がある。ディープスペクターやネクロムスペクターなんかもそうだね。
元々メタな視点を持っていて挿入歌と共に登場したマッハの力を手に入れたことで、強くなるだけでなくドライブ専用のテーマ曲『Don't lose your mind』までをもゲットしたのが面白い。
・暴走するという設定も、上述した「他のライダーの力を使ってる」ことから説明できると思う。自分じゃない誰かの力を使ってるんだから、思うようにいかないのは当然。ドライブの体の中にマッハの意思が宿ってるようなものだとイメージすると分かりやすいだろうか。クライマックスフォームがあっち行ったりこっち行ったりするのと理屈としては同じ。
マッハの意思、ってのは、剛のというよりは多分ネクストシステムの意思だと言った方がより正確だと思う。ドライブシステムがベルトさんと同調しなくてはならないように(あんま描かれてないけど)、ネクストシステムにもサポートAIが付いていると思われる。それとうまくシンクロできないことが、暴走の主原因なんじゃないかな。未完成かどうかはあまり関係なくて、2つのシステムを融合させるというコンセプトから生じている原理的欠陥、よく言えば仕様。