やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーセイバー ソロモン編(36話〜) 感想メモ

仮面ライダーセイバー カリバー編,SOL再結成編 感想メモ

 

 36話「開かれる、全知全能の力」

・"選ばれし者"ってのはルナが選ぶのね。前回の橋こそが選ばれた証だろうか。 何を根拠にか忘れたけど、まずワンダーワールドが先にあって、そこから仮の世界(我々の世界から見た夢と同様な存在)として飛羽真たちのいる現実世界が生まれたと僕は思ってるんだけど、そう考えるとカリバーの言ってた"真理=ワンダーワールドの力"というのは、納得の行く表現ではある。
・全知全能の書が完璧なら新しい聖剣が生まれていた……らしい。世界を滅ぼしたあとで"創り変える"と彼は言っていたので、その剣こそが新たな世界を記すペンとなるのかもしれない。
・ソフィア使ったら生まれないのかよ。ルナを模して作られた……というとこは本当だけど、普通に失敗作だったってことだろうか。ノーザンベースに結界を張るのが主な仕事っぽいけど、世界を繋ぐ能力の副産物として、その逆で世界と世界の繋がりを断ち、行き来できなくする=結界能力も得たってことだろうか。不完全だからなのか破られてたけど、だからこそマスターもいなくて重要度の低い出張所的なノーザンベースを任されてたのかも。
・普通の子供って感じのルナはともかく、ふわふわしてて掴みどころのないソフィアに心があるって言われても全然ピンと来ないな。まず出番が少なすぎるし。まぁ「隠し事をしててごめんなさい」なんていう、別に謝らなくてもよさそう(つーかどうでもいい)なことに罪悪感を覚えてるらしいことは、心があることの傍証のひとつではあるかもしれないけど。
・大き過ぎる力を手に入れ危険になるからという理由で飛羽真と対立してた面々……殊に、いたずら力を求めるのではなく大切な仲間,ひいては世界を守るために大いなる本の一部を手にした倫太郎が、力なんて要らないという飛羽真の背中を押す。そのうち力を手にすることにもなるだろうけど、ただマスターを止めてルナを救うことだけ考えていれば問題はない、と。
・こないだはマスターのことをメタ的視点を持つ存在として解釈したけど、今回を見るとゼロワン的な側面もあるのかなと。人類を守る(奉仕する)という与えられた使命に従うだけだったヒューマギアと、先代マスターたち。そしてシンギュラリティに達し、疑念を抱き反抗する現マスター・イザク。
本来自分の意志を持って動き、剰え剣士を剣として使ってしまうはずのキングエクスカリバー(のリペイントであるカラドボルグ)を、多分意志を持たないただの道具として使うというのも、意味深。
対してソードオブロゴスの剣士たちは、見返してないからなんとも言えないけどドライブのチェイスとか、ヒューマギアの面々もそうだけど、自由意志を獲得してもなお与えられた使命を受け入れ、自分の意志で選び取っているのだろう。
・変身する時にカラドボルグでボタン押さないのは、一瞬「まぁキングオブアーサーも変身してからキングエクスカリバー召喚されるしな」って思ったけど、変身前から普通に持ってるんだよな。
・散々戦隊っぽいと言われてきたセイバーだけど、それっぽいシーンを見れば見るほど、確かに似てるとは思いつつも逆に"違う"部分が浮き彫りになってるような感覚もある。こないだ養老天命反転地に行ったんだけれども、そこのメインパビリオンは"極限で似るものの家"という。名前にもあるし見れば分かるけど、実際のところ「これに似てる家なんかねーよ」って感じの建物なんだけども、だからこそ似ても似つかない両者の中に、極限的な共通点を見出すという精神活動を体験するための施設なのよね。まぁ、その逆。「これは"戦隊"のパブリックイメージとは明確に違うわ」って思った。
・聖人イサクの名前は笑うという意味らしい。
・今回の本といいカリバー編の光の柱といい、敵ライダーそのものじゃなくて謎のオブジェの対処をするのが倫太郎の役目なのか?
・結果的に世界が破滅するとしても、その手段として無数の"争い"が起こる状態というのは、バハト的には複雑な感情なのかね。
・ソフィアは「すべての剣士の力をひとつに」と言っていたけれど、まさにすべての力をひとつにまとめあげたオムニフォースを倒す訳なので、セイバーの最終フォームはブレイドキングフォームから始まりグランドジオウ、そしてランペイジバルカンに受け継がれたような「てんこもりフォーム」にはならないと思うんだよな。僕は好きだけどね、セイバーが本,ブレイズが剣のてんこ盛りにそれぞれなるガセとか発想は最高。
うーん、自分の欲望100%で考えるなら、ヒカリキュータマみたいなアイテムがいいかな。あれは本編じゃほぼ使われなかったけど、太陽と月が地球を照らしてくれるように、本人だけじゃなく他のメンバーにもスポットライトを当ててパワーアップしてくれるという珍しい能力を持っていた(太陽の光で輝くテンビンゴールド,月の光で豹変するオオカミブルー)。力の一旦しか出していないにも関わらず全員で挑んでもボロ負けしたんだから、全員が強化した状態で最終決戦に挑んで欲しい。見た目はバラバラな大人数でも、心はひとつ。
・セイバー×ゴーストも含めて考えると、デザストがラーメンの蓋を舐めて捨てたのは味を感じられないって描写なのかな。これまたオタク媚びって感じするけど。
・マスターの指示に従順で疑うことのなかった神代兄妹、イザクがマスターではないと分かって良くも悪くも迷うことなくあっさり離反するのは、まぁいい塩梅だったんじゃなかろうか。彼らにうじうじ悩まれても「興味ないよ」ってなるだけだろうから、いっそのことこれくらいサバサバしててくれた方が見やすい。変わったのはイザクの方で彼ら自身やその戦う動機は何ひとつ変わってない訳だし。
・神代兄妹が戦ってるのを察知できてたのは、あの儀式で一度リンクしたからだろうか。
・白いページに黒いインクで文字が書かれる。闇を操る月闇がセイバーという物語の展開を知ることができるのはそういうことか。おそらく光剛剣最光も、白が分かれば"白くない部分"も自然と浮き出るので、同様のことができる。
・タッセル、お前犠牲になったんか……と一瞬思ったけど、ユーリがあんまりにも軽く「飛羽真がそうなればいいと思ってた」って言うから、現実世界からいなくなることを"犠牲"だと認識してるのは賢人だけで、案外ワンダーワールドの守り人になることは別にそんな悪いことでもないんじゃないかな、と。タッセルがめちゃくちゃ楽しそうなのがその証拠よね。まぁ一人ぼっちではあるけど、たまにユーリが遊びに来てくれるし、自分も遊びに行けるみたいだし。
公式HPで聖剣のことを"栞"って表現してたのが咀嚼しきれてなかったんだけど、力を手に入れた剣士の成れの果てがタッセル(栞)なら少し分かった気になった。

 

 37話「未来を変えるのは、誰だ。」

・神代兄、イザクは敵と割り切るが組織を離れた野良犬たちと組むつもりもないっていう距離感は一貫してて割といいなって思ったけど、ずっと騙されてた癖にユーリの揚げ足取って「あいつはもはやマスターロゴスじゃない」とか言うのは正直馬鹿みたいにダサかったよ。知らなかったのお前ら2人だけだから。
ホージーもだけど、偉そうなキャラってそれだけでこっちも「言うだけのことはあるんだろうな?」って目で見ちゃうから、こんな細かい言動ひとつでも印象が損なわれてしまう。扱いが難しい。
・命を大事に思えばこそ、他人の犠牲は無視できないよなぁ……。他人が死んで自分が生きたらその後ずっと苦しまなくちゃいけない(犠牲を無駄にしないために後追い自殺もできない)けど、自分が死ぬなら自分はその死について考え苦しまなくて済むから楽なのよね。
・イザクに煽られても争わない人々。こんなにファンタジー色強い作品なのに、いやだからこそなのか妙にリアル。インツタがどうとか、確かに序盤はワンダーワールドとの対比でそういうとこあったわって少し懐かしくなった。
馬鹿じゃないから……というよりは、単に面倒くさいからってのが大きい気がするけど。
エグゼイドの仮面ライダークロニクルで描かれたように「人は娯楽のためなら容易に争い合う」のに、恐怖による脅しはむしろピンとこないというのはなんか面白い。
・賢人がずっと秘密にしてきたことをあっさりバラしちゃうユーリ。お前本当に自由な……と思ったけど、世界の終焉がすぐそこまで迫って賢人が行動に移す直前まで黙っててくれたと思えば、一応筋は通ってるのか。黙ったまま未来を変えられればそれでよかったけど、もう時間がないからみんなにも積極的に未来を変えるよう動いてもらうことにしたと。
・ソロモンが出てきたのに今更剣斬とセイバーが勝負するのかと思ったけど、16話に始まりスラッシュ,バスター,ブレイズと続いてたSOL組と対決するノルマ(?)がこれで一段落することになるのか。
戦闘自体はそれこそノルマ消化って感じで、風双剣の封印は何気に解かれていて万全のはずなのに、特に見せ場はなかった。デザストから学んだ剣技を披露するとかそういうこともなく、代わり映えしない猿みたいに飛び跳ねるだけのアクションで順当に負ける。
飛羽真は最初っから「人を助けたい」の一心で戦ってきて、力を求めるのもあくまでその手段でしかなかったのに対して、蓮は賢人の名前すら出さなくなって理由なく力を求める。主客転倒そのものは悪いことではなくて、むしろ強い力を与えてくれる(キングオブアーサー,キングライオン)けれど、そこから更にもう一転して元に戻れば、更なる強さが待っている(ドラゴニックナイト,タテガミ)。なんかどっかで聞いた話だな……と思ったけど、久し振りに名前を出します井筒俊彦『意識と本質』で読んだ禅の哲学だ。あっちは別に主客転倒の話ではないんだけどね。
「杖は杖であって、杖以外のもの(例えば花や鳥)ではない」という分節的な認識1から、「これは杖であって杖ではない(少し語弊がある。"ツエ"という言葉とは無関係なところでそのものを直観するような感じ)」という無分節的な認識2に移行する……という営み自体が一見"悟り"のようだけれど、実はそこから更に「やはりこれは杖である」という分節的認識3に帰着するのが大切なのだ、みたいな話。
目の前にある杖と呼ばれているモノの"本質"は、ただちょっと小綺麗に整えられた"木の棒"であって(という表現も適切ではないのだが)、先入観を捨ててその気になれば杖以外の用途……例えばバットとしても使える、すなわち杖であることにとらわれる必要はない。しかし、やはり杖として使うためになるべく最適化してつくられているものなので、杖以外のものでもあれると分かった上で、杖として使う。
禅問答に代表される"訳の分からなさ"というのは通過点でしかなくて、わざわざ逆張りして杖をバットとして認識する(無分節的無秩序)ことが悟りの全てではなく、先入観を外して「他の可能性を知る」ことが重要なのだと。杖はバットであり、花であり、鳥でもあり、そして杖でもある。
ってな訳で閑話休題、哲学からセイバーの話に主客回帰します。
・組織の一員として動くべきだった倫太郎は11話で私情を挟んで賢人を助け、32話で私情と使命を合致させた。だからこそ、彼は今では素直に賢人を心配できる。そりゃ「変わったな」とも言われようもの。倫太郎は一応、組織に従って苦しみながらも飛羽真と敵対してた人だからな。
・命と引き換えに世界を救う……って話で聞いてる分には特に違和感なかったけど、いざこうして映像で見てみると思ってたより全く途中過程というか紆余曲折がなさすぎて謎。
どうやら闇黒剣なら命と引き換えにソロモンをどうにかして世界の崩壊も止められる(ただしチャンスは一度)ってことらしいけど、それは一体どういう能力なんだろう。光の剣(ユーリ)もだけど、最初に生まれた聖剣だからって色々できるようにしすぎで単純に煩雑。応用で色々できてるだけで能力自体はひとつだったりするんだろうか。
たまたまかもだけど、ジャオウじゃなくてあくまでジャアクドラゴンのストーリー音は、そういえば「かつて世界を包み込んだ暗闇を生んだのはたった1体の神獣だった」なので、たった一人で(しかも基本フォームで)世界規模の敵と渡り合えるのは案外筋通ってるのかもしんないなと思ったり。
・剣士が多いのは、コロナでゲストを呼べなくてもレギュラー(内輪)だけで多少でも多様な展開づくりができるようにってことなのか、やっと分かった。っていうかどっかで見たのを思い出しただけかもしれない。
・ブーメラン発言って何かとやり玉に挙げられるけど、普通に考えて自分と他人が全く同じ扱いなはずがないんだよな、さっきも言ったけど。だから別に「お前は駄目だけど俺ならいい」って話でも全然いいんだけど、違う解釈も用意しておくと、(一人で)勝手に決めるるのが駄目なのであって、飛羽真が賢人と違って問答無用に相手から聖剣を封印するようなことはせず剣で対話することを試みてきたのは今回ノルマ消化してたように明らか(メギドは微妙なものの)。だから、飛羽真はきちんと他人の意見を聞いた上で物語の結末を考えてるしオッケー、ってことなのかな。
一応賢人もサンドイッチは食べてくれたけど、結局ユーリが暴露するまで一人で抱えて真意は明かさなかったし。倫太郎が気絶してなかったのは、僅かながら説得が効いてて賢人の拳にも迷いがあった……のかもしれない。
・光と闇の力とやらでソロモンを封印するのもな、まぁエモーショナルが似たようなことやってたけど、どういうことなのか説明しようと思うと分からんからできない。
しかしユーリ、割となんでもできるし今回やったみたいに賢人から闇黒剣を取り上げちゃえば犠牲は止められたのでは? なんて思ったけど、聖剣になったことのある身としては、闇黒剣が賢人を主人として認めている以上はその剣の意思を尊重して口出ししないみたいな信念でもあったのかね。今回以降は、別に持たせといてもできないらしいからもう取り上げる必要ないけど。
・「主人公が小説家だから、セイバーという物語の力を使う最強フォーム」はアリだと思ってたけど、ストーリー音声を聞くにタテガミが一応それに当たるのかな。倫太郎がこれまで歩んできた道(使ってきたブック)を読み上げたり、歴代剣士の思いが詰まってるらしかったり。
・ゼロツードライバーといいセイバーの新しい聖剣といい、令和はコレクションアイテムよりはベルトの方をアップデートする路線になるのかな。
そういえばイザクが、本来なら儀式の結果新たな聖剣が生まれるはずだったって言ってたな。結局本しか出なかったから、仕方なく本の力の一端であり"聖剣"にはカウントされてないキングエクスカリバーもといカラドボルグを使ってるけど。
飛羽真は仲間集めの結果として聖剣を束ねて、あの青い剣を召喚するのか。