やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーセイバー 第2章「水の剣士、青いライオンとともに。」 感想

書きかけなので順次追記していきます

キャラクター

 神山飛羽真
・覚悟

・ジャッ君と土豆の木


 新堂倫太郎
・優先順位
のっけから飛羽真に火炎剣烈火とライドブックを渡すよう交渉しに来た……訳なんだけれど、それは果たしてあの「アリかキリギリスアルターライドブック」による世界消失現象よりも優先すべきことなのか? 本人のセリフや公式サイトでの記述を参考にすると、今回の事件は前回のゴーレムメギドの騒ぎに乗じてほほ同時に始まったことであり、セイバーがメギドを倒してから飛羽真が原稿を書き上げるまでの時間、お前(或いはソードオブロゴス)は一体何をしていたんだという話に当然なる。だって、そのせいであそこまで侵食が進んでしまったんだからね。

組織には沢山の剣士が所属しているっぽいので、単に分担していて倫太郎が飛羽真の監視、他の誰かがメギドの殲滅を任されていた可能性もあるけど、だとしたら倫太郎じゃない方の戦士が役立たず過ぎるんだよな。実際にどうかはともかく、ドラマ的にはやられてばかりいる印象が強くなってしまってる裁鬼さんじゃあるまいし。もし同じ現象がこれまでも世界各地で起こってて、意外とみんなあくせく出動してるんだとしたら分からんでもないけどね。2体1対という変わり種のメギドだった訳だし、もしロゴスの想定通り一対一だったら勝ててた、のかもしれない。その場合なんで飛羽真たちは全く初めてのリアクションだったのかとか、レジエルが「最初のページは俺が開く」とこれまた初めてっぽいことを話してたことはどうなるのかという新たな疑問が生まれるけど。というか前回ラストの時点で「もう一冊は間もなくできあがります」と言及されているので、基地にある執筆マシンがあれで全部なら、同時に展開されていたワンダーワールドも2つきりで、他の戦士が出払っているということにはならなそう。またカリバーの言葉を信じるなら、セイバーが出てくるまでは他の剣士は何らかの事情(多分メタフィクション的な都合)で出てこられないっぽいので、やはり倫太郎が飛羽真にかかずらってる間は放置されてたということになるのかな。

そうなるとやはり、話は飛羽真から力を取り上げることの重要性にスライドするけれど、ここにはカリバーの存在が大きく関わってくる。かつて力を持ったまま裏切った彼の存在が前提にあり、更には現在 世界消失現象を引き起こしている元凶たるメギドの中心人物として暗躍していることを思えば、組織の一員として訓練を積んできた訳でもないどこの馬の骨とも知れぬホモサピエンスに聖剣を持たせておく訳にはいかないという気持ちは、なるほど理解できる。
てっきり今回語られるものと思ってたらスルーされてたけど、元々倫太郎は小説『ロストメモリー』がソードオブロゴスや15年前の事件にそっくりで、何か知っているのではと睨んでしばらく飛羽真の様子を見ていたとのことなので、正確には全く未知の人物ではないんだけど。

で、じゃあ倫太郎は何故飛羽真を認めたのか。尺の都合かさらさらと流されてるので、改めて紐解いてみる。
まずもって、彼の決め台詞(?)は「水勢剣流水に誓う。僕が必ず世界を守る」だ。今回だけで2,3回は言ってた。そう、この時点で約束を重んじる飛羽真とは結構気が合ってるのよね。ゴーストもよく決め台詞botとか言われてるけど、彼の場合"剣に誓う"というのは、実質的には自分との約束みたいなものだと思われるので、自らを鼓舞する意味で毎度言うことにはきちんとした理由があると言える。それとこっちが聞き飽きるかどうかは全くの別問題だけどな。
前回の飛羽真は自分と芽依、そして知り合いの亮太が巻き込まれている状態だったので、火事場の馬鹿力的な勢いで変身してしまったと言えるかもしれない。だが今回は実際に敗れていった剣士の話と、それを踏まえた自分の覚悟を知った上で、全く無関係だったにも関わらず首を突っ込んでまで人を助けに行った。「奇跡は一度、だったよな。じゃあ二度目は何だ?」ってな訳だ。
「大丈夫、安心して。何故なら僕が付いていますから」の意味はかなり迷ったけど、多分ゲイツ的な意思表明なのかな。もしお前が裏切りそうになったら自分が止めてみせると。普通に考えて水は炎に強いので、抑えられるだろうしね。
思い返すと、1話で芽依を救った手段もまた水で、何なのかはよく分からん吸い込むマシンに水を飲ませて詰まらせた(って表現でいいのか?)。裏を返せば、15年前の少女は「水がなかったから助からなかった」と言うこともできるかもしれない。あれらのシーンが比喩や象徴としての意味を持っているなら、この「僕が付いている」もなかなか深みのあるものに聞こえる。

仮面ライダーブレイズ


 ソフィア
・北極と白鳥と下火
ロゴスの基地は北極にあるとのことだけど、大陸があるのは南極の方で、基本的に陸地はないと教わったはず。つまりそんなものは存在し得ないのでは? 海底の下にもずっと続く安定した土地がないというだけで、海の上に浮いてる氷の膜というかたちでは存在して、その上にあるということなのかな? どちらにせよ儚い印象を受けはする。それでいてカチッと凍っているので永遠とも通ずる。フィクションにおいて現実世界の事象に全く新たな説明を加えることがよくあるが、セイバーもご多分にもれずそういうギミックがあるのかもしれない。要するに「北極に大陸がないのは実はメギドによって消失し、ワンダーワールドに書き換わってしまったから」みたいな話。普通のホモサピエンス(正確には現生人類はホモ・サピエンス・サピエンスらしいけど)じゃないっぽい倫太郎やソフィアがいる時点で純粋な現実世界ではあるまいし、おそらくそんなような背景があるのだと思われる。1話時点でアルターブックがいくつもあったのも過去にそういうことがあったからだろうけど、飛羽真たちがそれを知らなかったのは……記憶が書き換えられている?(ヘボット脳)

話は逸れるけど、ノーザンと聞いて僕が連想するのは2つ。イナズマイレブンの必殺技「ノーザンインパクト」と、マクロスFの曲『ノーザンクロス』。好きだったよ〜♪ クロスといえばセイバーの顔は十字模様。意味的には"北方の十字"で、はくちょう座のことを表す言葉である。ギリシャ神話の主神ゼウスが変身したとも言われていて、ここでは剣と同様、男根のメタファーとして描かれているように見受けられる。ギリシャ神話はアーサー王伝説と同じヨーロッパ方面の伝聞だし、加えてエクスカリバーと並ぶ聖剣伝説のひとつとしてセイバーの紹介で挙げられていた天叢雲剣の持ち主ヤマトタケルもまた、白鳥になったと言われているらしい。
また、通常炎は上に向かって燃え上がるにも関わらず、火炎剣烈火の柄は、刃のある方を上にすると明らかに下火になっているのが気になっていたのよね。上向きにするとバックルに挿したとき干渉してしまうとか、スロットのブレイブドラゴンの変身ページと繋げて見れば、肩のドラゴンが火を吹いている方向と合致するとか、いくつか説明のしようはあるのだけど、このはくちょう座の形もイメージソースのひとつだと考えれば、僕はかなり合点がいった。
これだけ繋がる要素があれば、まさか無関係ではあるまい。

・ソフィアの正体と危機感
しかしどっからどう見ても、飛羽真の夢に出てくる女の子ですよね。ゴーストのタッグということでミスリードなんてややこしくなることはそうそうしないような気がする! ので、本人という体で話を進めます。調べてみたらソフィアって名前の王妃がいて、旦那さんはコンスタンティノス1世と書いてあって「この人たしか初めてキリスト教を認めたローマ皇帝じゃね?」と思ったけど、ギリシャの王様で全くの別人でした。ちゃんちゃん。多分本当に関係あるのは三位一体のひとつロゴス(キリスト)に捧げて作られたアヤソフィアという博物館の方で、こちらはローマ皇帝の方のコンスタンティヌスにも縁があるらしい。意味的には哲学(Philo-sophy)の語源としても有名な"叡智"。
もし倫太郎の項で話したように第2のカリバーが生まれることを危惧するなら、"聖剣が選んだ"というだけの理由で飛羽真を信用するのは危険極まりない。その上でソフィアに理があるとすれば、飛羽真がどんな人物なのかを知っていなければ話が噛み合わない。とは言っても、今のところ描かれてる白い少女は「飛羽真が(約束を守れなかった故に)救えなかった」存在なので、それでもなお信頼が続いているのかは微妙だけど。あと幼馴染みらしいエスパーダこと賢人や飛羽真本人と比べて、どう見てもひと回りくらい年が違うのはどういうことだろう。彼女だけ吸い込まれた先で時空の狭間を何年も彷徨った……とか? あそこが現実の書き換わったワンダーワールドだと仮定するなら、メギド達が何故か嫌う"人間"を生かしておくとは思えない。多分彼らが排除したがっているのは「自由意志を持っていて、物語の通りに動かないやつ」だと思うので、今のソフィアたちは書き換えられた結果「意志なく筋書きに従って動くだけのキャラクター」になっている可能性がある。たまたま彼女に与えられた役割が年上の設定だったから、それに合わせた外見になったのかもしれない。
後述するセリフを踏まえると、ソフィア個人としてはカリバーのような者が生まれることにはそこまで抵抗がないというか、むしろそれが本人(聖剣)の意志ならば尊重するべきとすら思っているようにも見える。

仮面ライダーとは
聖剣に選ばれた戦士のことを、この世界ではそう言うらしい。これを"定義"と呼ぶのは、俗な表現をするなら流石に「ガバガバ」過ぎる。何故かって、だって"聖剣"が何なのか全く定義されてないもん。聖剣ソードライバーとは似ても似つかない激土や、二刀一対の翠風(はやて)までもが含まれるにも関わらず、例えば次回出てくる紫のメギドが使っている剣はどうして違うのか、一体誰がその線引きをしているのかについては一切触れられていない。そんなことでいいならゼロワンだって、ゼツメライザーとレイドライザー以外のベルトを指す総称としてライダーベルトとかそういう用語を作れば(用語を作らずとも同じ種類のものだと認識さえすれば)、すぐさま解決してしまう。多くの人が言っている「仮面ライダーの定義」などというものは、その程度の非常に薄っぺらい話なのよね。ただ「一歩後退」するかしないかというだけのことに、果たしてどれほどの意味があるのか。ここで言う後退とは、当ブログでは何度も名前を出しているミュンヒハウゼンのトリレンマにおける"無限後退"のそれを意味します。

本編内ではその後、"仮面ライダー"の称号を授かった自分はどう振る舞えばいいのかとの問いに対して、ソフィアは「この戦いは、いにしえより始まり未来永劫続く終わりなき戦い……どうするかは、あなたの心に委ねます」と答えている。前半はぶっちゃけそれっぽいだけでほぼ関係ない話なので(ゴーストでも多かったな、微妙に噛み合ってないセリフ回し)、要約すると実質「好きにすれば?」である。劇中ではどうなのか現状は明かされていないが、バンダイのキャラクター的にはカリバーも仮面ライダーなので、その力で人間の自由のために戦おうが世界征服のために戦おうが、聖剣に選ばれた後のことは知ったこっちゃなく仮面ライダーだということになる。つまり、仮面ライダーの精神性についても全く未定義のまま(特に規制がないことが定義とも言える)。
定義という言葉の意味が僕の思っている通りなら、何かを定義する際には必ずしも抽象的で小難しい話(自然数におけるペアノの公理みたいな)をする必要はなくて、該当する要素を全て羅列することでも本旨は果たせる。自然数の場合は無限個あってそれが不可能だから代替案としてそういう抽象的な操作が必要だけれど、ゼロワン世界の仮面ライダーくらいなら簡単に定義できる。「ゼロワン(,ゼロツー,001),バルカン(ランペイジバルカン,オルトロスバルカン),バルキリー,滅,亡,迅,雷,サウザー,アークゼロ,アークワン,1型,エデンのことである」と、余裕で140字に収まる。これだってひとつの立派な定義だ。
なんとなくふわふわしたまま使っている人は、いま一度自分の言う"定義"という言葉がどういう意味を持っているのか、きちんと確認してみて欲しい。「言葉の指すものが全て分かること」「指示内容すべてに通じる厳密な抽象的特性」「辞書に乗ってるレベルの一般的な言葉への言い換え」「簡潔でそれっぽい説明」……同じようで全部違う。
(参考:"仮面ライダー"の定義を考える/自然と自由の象徴として)

 

 

先行レビューでの寂しいイメージから一転、劇中で印象的に使われてて株がうなぎのぼりのページプッシュ必殺技だけど、玩具でやるとライドブックが若干軋む上にバックルと干渉して傷が付いちゃうのはかなり難点よね。僕のブレイブドラゴンは微妙に不良品なのか、これをやればやるほどにネジが緩んでいく。何度締めても緩んできてパーツが浮いてしまうので、あまりやりたくない。
でもこのアクションって、本に対しては割と無意識にやるよね。特に教科書なんかでやりがちだけど、ページが開きにくいときに"のど"をギュッと押して折り目を付ける。本だってモノなので当然その行為によって傷んでいくのだけど、これは野球グローブを柔らかくするようなもので、傷付けるというよりは馴染ませていると言った方がしっくりくる。
バンダイの設計が悪いんじゃないかと言われてるけれど、そう考えるとひょっとしたら"仕様"なのかもね。

 

今週の本

3月のライオン
羽海野チカさんによる漫画。高校生でありながらプロ棋士としての人生を歩む桐山零を主人公に、人との関わりや人生の中で生まれてくる様々な葛藤が、色彩豊かなタッチで描かれていく。第一印象は失礼ながら「片付けとか苦手そう」で、今もそのイメージはそう崩れていない。キャラの心の声とか作者の声とか、とにかく色んなものが詰め込まれててページが騒がしい。視点があっちこっちに飛ぶのも魅力のひとつで、大抵のキャラは主観が描かれるのでどっちが勝っても嬉しいし悲しいみたいな。
まだ連載中で僕も12巻までしか持ってないのだけど、妻子捨て男編だけはちょっと毛色が違って苦手だったりもする。基本的に登場人物は全員頑張り屋さんなので、怠惰な人が読むと元々結構耳が痛いタイプの作品ではあったんだけど、あの辺りの話は(いじめっ子ですら全否定はしなかったのに)ほぼ一人の人間に対する「信じられない」「どうして?」という忌避の感情が描かれるので、心に潜む罪悪感を的確に刺激してくる。全体的にはやっぱり大好きなんですけどね。にゃんこも出てくるので猫好きにも。
9/18までなら、マンガParkとか言うアプリで全話無料公開中だそうです。

 

 

前話
仮面ライダーセイバー 第1章「はじめに、炎の剣士あり。」 感想

次話
仮面ライダーセイバー 第3章「父であり、剣士。」 感想