やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

ヘボット! 36話「恋のヘラがえしがえしがえし」 感想

ひらひらエプロンのヘボネジコンビかわゆい。全国のいもチン難民……じゃなかった。いもチンファンのためにアレンジレシピを披露。
ラーメン大好き小池さん。手塚作品におけるヒゲオヤジやランプのように、様々な藤子不二雄作品に顔を見せる彼。こういうのをスター・システムというのだけれど、ヘボットのキャラはこれに近いところがある。前回、ユーコさんたちがネジ製作所じゃなくて宿を経営してたのとか、まさにそれ。エピソードごとに違う役割,ロールを演じている。1話ごとに彼らは別人であって、と同時に同一人物でもある。でもそれって究極的にはこの現実世界における僕らも同様で、体は日々代謝を繰り返して別の細胞に変わっていくし、意見も心もころころ変わる。本当の意味で同一性を保っていられる存在なんていないので、ヘボットのキャラもまた"同じ"であり得る。

 

屋台をやってるエトボキャボットの元に、ヘボネジを誘うゲキドラ。それはキャラ被りというのではぶへっ。一緒に誘われたフリフリット,シャレシャーレ、そしてミズミズキ。父がやたら聞いてるので最近は嫌いですね、ハナミズキ。「僕の我慢がいつか実を結びますように」って、やかましか。あなたの我慢はあなたが自分の意志でしていることであって、それの報いを僕に求めないでください。ちなみに水だけでもお腹は膨れます。僕はそれで5日もたせました。
という訳で登場ダガシープ。エトボキャはモチーフの繋がりがすぐ分からないこともちょこちょこあるけど、個人的なダントツは彼。寅さんってお前ヒツジやろがい! 車寅次郎ってカッタイ以外の何者でもない、僕は見たことないけど。彼の実家は団子屋さんで、本人はテキ屋だとか。たーまやー、とーらやー。その辺から屋台や駄菓子を連想するのは分からなくもないんだけど、だから一体ヒツジからどうやって寅さんに……って、そっかわたあめか。「おめぇさん」ってのも多分セリフから取ってるんだろうけど、それだけなのかなぁ。なんかまだピーン! とこない。
ヘラ焼き一代にやってきたウラミジーヌ・ヘボコフ。ダガシープに告白されるも、手酷く振る。

かなり珍しいかたちのヘボットタイプ(なのか?)で「食べてイチコロ ハブーダ」の店主テキーダの語尾は「ありんす」。これはくるわ言葉と言って、江戸時代の遊女……吉原とかで俗に言う水商売をしている女性たちが使う独特な言葉遣い。スゴスゴ関連で最近は性的に気の多い人の話ばかりしているな。遊女たちも色んな人と寝ているし、そこへ遊びに行く男性たちも好色家と言って差し支えないだろう。恋多きダガシープが一途になるまでの話である今回の敵役としては申し分ない。
僕がすぐ思い付くのは、やっぱり『JIN-仁-』。あの作品自体、作者が吉原の遊女たちを梅毒という性感染症から救うために、現代の医者を江戸時代にタイムスリップさせた話なので、印象に残ってるのは当然っちゃ当然。しかし、性病を治すための特効薬が"ペニシリン"とは、なんとも皮肉な話だよなぁ。語源としては、ペニシリンを産出する青カビ(細長い形をしている)の学名Penicilliumなんだけど、更に辿っていくと鉛筆/pencilなんかにも派生した、尻尾を意味するラテン語penisに行き着くので、同根であることが分かる。ハブの毒の血清がハブの毒からできているように、まさに「毒を以て毒を制す」を体現している。ハンマーセッション好きだったな。
またハブはお酒づくりにも使われていて(ハブ酒)テキーラとも関係してるし、テキ屋の寅さんはハブに噛まれてなくなったらしい。呑処のパブも引っかかってるのかな。もちろん、蛇は男根の象徴でもある。最初に唆されたのが女性のイブだったのはそういう訳だろうか。2人で果実を食べるというのは性交の暗喩で、その後に恥を覚えて善悪に関する知恵を手に入れたのは、現代で言われている賢者タイムというものに似通っているかもしれない。

ヘボットは根幹にそういう性的な要素があって、作品を分析する上で避けて通れないから下品な話ばっかしてるけど、僕は基本あまり好まないので、こういう真面目な文脈でしか性の話題は出さない。ガクジュツテキキョーミというやつ?

客を取られて商売上がったり叶ったり引き取ったりなので、子供を使って宣伝してみるテキーダ。
うちの親がやってる宗教は夏祭りとかやるので、みんなで屋台出したりするんだけど、子供的には宗教関係なくお祭りって楽しいものなので、結構いい思い出もある。小学生なったくらいからは売り子とかもやらされて、特にご褒美が出る訳でもないんだけどそれはそれで楽しいのでよくやってた。あんまり羞恥心とかない方なので、ターゲットを絞って直接売り込むとかはともかく、宣伝しながら歩くくらい全然できる。気分はきり丸ごっこって感じ、伝わります? 『忍たま乱太郎』のきり丸。いかがっすかぁ〜って、彼は絶対タダ働きなんかしないだろうが。昔から忍たまの脚本は、東映不思議コメディシリーズなんかで有名な浦沢義雄師匠が書いてらっしゃる。ボーボボもシリーズ構成やってるのか、知らなかった。石平監督にとって神様みたい人らしく、ヘボットのノリは彼を参考にしているところもあるとか。NHKで確か毎日放送してたはずだし1話15分もないので、めっちゃ視聴ハードル低い作品。必ずしも浦沢脚本が見れるとは限らないけど、それでも大抵は面白いので、ぜひ一見してみて欲しい。

 

ダガシープが何故振られるのか、その心は…… 「ホレっぽくて周りが見えなくなる」ってそれネジルくん君が言うかね。ネジならなんでも愛して飛び付くネジ極道(byギャクラン)の君が。
プレゼントなぁ。中学の頃から好きで今もうっすら繋がってる友達がいて、去年は気を引きたかったのか彼女の誕生日に10,000円くらいのものをあげたんだけど、その後なんだか虚しくなってしまった。そもそも向こうは彼氏いるし。今年はお金ないので、モノをあげなかったら関係が切れてしまうのか若干気になっている。でも、なんだかんだ給料日になったら3000円くらいあげたくなっちゃうかもしれない。きちんと仕事してる人からしたら僕があげられる金額なんて大したことないかもしれないと思うと、ちょっと躊躇うけど。そもそもなんで好きになったかって言えば向こうが優しくしてくれたからであって、そう考えると僕もあくまでその優しさがもらえないとしたら好きじゃなくなるような、ゲンキンなやつなのかもしれないけど。人はとうして人を好きになるんだろうね。
「あいつ俺のこと好きなのかな」という勘違いへの返報としてある人を好きになり、相手は相手でそうして生まれた好意への返報というかたちで本当に好きになるようなこと、きっとあるだろう。ダガシープの例で言えばまさにそうで、ヘボットにいいとこ見せたいがためにした善行にときめいてしまった。そういう僅かなすれ違いがインフレーションを起こした結果なのではと、理屈では一応の答えを出してみたけど、別に僕も人生経験豊富な訳じゃないから本当に単なる机上の空論に過ぎない。感情とはげに不思議なものなり。
(参考:脳内補完と投影→ゼロワン 第39話「ソノ結論、予測不能」 感想)

 

……書きかけ? うん、いいと思う!

 

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