やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

ヘボット! 35話「インスマ浜の呼び声」 感想

なんとアバンは華麗にスルー。仕事だからと無理をして、トラウマ眠るネジが島へやって来たムラキ。まだ書いてなかったと思うので触れとくと、彼はネジタウン近くの二刀流海岸に接岸したので、普通に考えれば彼の故郷くーるじゃぱんは、ネジが島から見て西側に存在すると思われる。わざわざ島を一周して接岸するなんて大変なこと、あの小さな船(15話)でするとも思えないし。
でも4話でネジの木が生えてるねっこを見てみると、おおよそロシア付近から生えてることが分かるので(そういえばエカテリーナとかウラジミールはロシア系の名前)、ネジが島かくーるじゃぱんどっちかの位置が微妙におかしい気がする。まぁ、そもそもの話をすれば何故大陸に島があるんだって言うね。みんなの心の中にあるってことでイインダヨ〜。


クトゥルフネタてんこ盛りエピソードなんだけど残念ながら僕ちん未履修のため、いつもより調べながら話していきます。
ヤミヤミネジが発掘された1931年は『狂気山脈にて』でミニスカート大学(違います)が南極大陸で狂気山脈を発見した年。であり『インスマスを覆う影』が執筆された年でも。
プロトタイプで大きめなのは、エース・オカがボキャネジを頑張って小型化していたことを思えば納得がいく。プロトタイプが残っているということは白いのは最近できたネジなのか、それとも逆に古いからこそプロトタイプがある(ないものは小型化成功後につくられた)のか。おそらく後者だろうね。光と闇が最初にあったってのは分かるけどそこにコロコロが混じってるのめっちゃ笑える。はじめにバンダイありき。その次コロコロコミック。ってメタネタかよ!
インスマスはロンドンから歩いて行ける距離とのこと(一説)もあってか、グチリームズ達が再登場。割と好きなので嬉ぴい。

ムラキを慰めるため、多分半分はネジをもたらしてもらうためにトップハム・ハット卿(まちがいないよ!)を探すことになったネジルたち。いつからネジが島はソドー島になったのだ? 小さい頃トーマスランドに連れてってもらったような気がする。静岡県にあったのね、てっきり東京かと。しかも実物大で走るトーマスもいるらしい、ちょっと見てみたいかも。ディズニーランドが東京で、USJが大阪なので、サンリオピューロランドは横浜か博多(名古屋はなんか違いそう)にあるものと思っていたんだけど「どんな理屈だ!」あれも東京にあるらしいですね「ダブりみたいに言うな!」。

ネコバスに乗ったら地獄行きってそんな都市伝説じゃあるまいし……。知り合いには分かってもらえないんだけど、ジブリ作品って基本めちゃくちゃ怖くない? トトロは普通に怪物だし、特にニィーッと歯を見せて笑うとことか無理です。千と千尋の両親がブタになっちゃうシーンも結構なトラウマ(比喩)で、まだオジサンが映写機回してた頃の金曜ロードショーでやってたのをチャーハン食いながら見てたら怖過ぎて震えた。「テレビ消して!」って、泣いたかもしらん。ハウルも溶けちゃう(?)とことか、かごめかごめとか、全体的に不気味すぎる。唯一まともに見れたのは『猫の恩返し』。あの猫たちもかわいい顔してやること結構エグい(勝手に猫に変えて幸せでしょ?って……)けど、見た目がかわいいので見てられないとはならない。苦手なとこといえばムタさんがまたたびゼリーに溺れるところと、継母に「こんな面白い映画見たよ」って話したら「それ前に私が面白いからって薦めたのに見たがらなかったやつじゃない」って怒られてめちゃ機嫌悪くなったという極めて個人的な思い出くらいだろうか。
ポニョは割と大きくなってから見たけど、あれもトトロ的な怖さがあったなぁ。そんな訳なので、コアなファンが付くのは分かるんだけどあれらが大衆にウケてるのが理解できないマン。

 

H・P・ラヴクラフトって、書いてる内容とは打って変わって素敵な名前ですよね。ラブをクラフトするだなんて。ちなみにグチリームズの回でも話題に出したとおり、ジョン・H・ワトソンのミドルネームは"ヘイミッシュ"とする説が有力。テケリ・リ! テケリ・リ!
「神の名をみだりに唱えてはならない」とはよく言うけども、物理的に言えないとはなんて合理的なのでしょう。ヘイミいわく、地上に人間が現れる前、 この世界では闇の神と光の神が数十億年間も戦い続けていたらしい。

バック・トゥ・ザ・フューチャー』という作品(以下BTTF)がある。こないだ放送されましたね、僕も何年かぶり見た。無印では過去,2では未来を舞台とし、そこまでは分かるんだけど3では何故かウエスタンに行くんですよ。幼い僕はどうしてもそこに納得が行かなかったんだけれど、ある程度分別を弁えた今なら手がかりくらいは分かる。社会科はダントツで苦手科目で勉強もしてこなかったのでなんか間違ってることあったら教えて欲しいんだけど、元来BTTFの持つテーマは、おそらくアメリカ人の民族性を否定してしまうのだと思う。西部開拓時代、先住民のインディアン(ネイティブアメリカン)がいたにも関わらず、彼らは開拓の名目でそこを占領して自分たちの土地とした。だから「元いたところ(未来)に戻るべき」だと言うのなら、アメリカ人はイギリスに帰らなくてはならない。まぁそのイギリスに住んでた人たちも、現在の日本人の祖先が元は大陸から来たように、どこかから渡ってきたのだろうけど。
僕の予想ではその根源的な矛盾を解決するためにつくられたのが3で、だからこそ歴史や未来への影響を無視して、本来なら異物であるドクが「今目の前にある恋」を優先させて過去に残るのだ。過去,未来ときて、最後は「現在」だったという訳だ。これなら幼き僕も膝をうち氷解することだろう。

ラヴクラフトアメリカ人であることを踏まえて見ると、ヘイミの言う光と闇は白人と黒人(非白人)であり、"古のもの"というのはネイティブアメリカンのことなのではないか。往々にして新しいものは白く古いものは黒いし、最終的に光の神が闇の神を封じ込めて制圧したというのも符合する。面白いのは、クトゥルフの魅力はむしろその「不気味なもの」の方であること。人ならざる怪物に喩えるほどの差別意識を持ちながら(違うかもしれないけど)、それでもその闇を愛好するというのは愛憎入り混じり過ぎててすげぇ人間! って感じ。

 

尻岩と帽子岩だけど、これはクトゥルフで検索してもそれらしき元ネタが出てこない。でかい岩を神聖視する文化はたくさんあるので特別違和感はないけど(これいかに)、なんでいきなり岩なのかは気になる。ムラキが推理するシーンでも、シリと帽子というキーワードはメモから出てるけど"岩"だけは本当に突然出てきている。ちなみに、多分「頭じゃなくて尻が帽子をかぶる」ってのが"混沌"を意味してるのだと思います。

ユーコさんが裏で言ってる「ガリレオフィガロー! マンマミヤレミゴー!」は、……ドンドンパン!……ドンドンパン!の『WE WILL LOCK YOU』とかで有名なQUEENというバンドの『Bohemian Rhapsody/ボヘミアン・ラプソディ』という曲の一節。ミュージカル映画にもなってて僕も機会があって見たんだけど、僕はあんまり楽しめなかった。僕が勝手にあの曲自体の映画化だと期待してたのも大いにあるだろうが、単純に話もつまんなかった。どっかで見たことあるようなバンドのイザコザと、どっかで見たことあるようなセクシャリティの話と、どっかで見たことあるような難病の話。「QUEEN」というブランド以外に特筆すべき魅力が分からなかった。僕はあくまで「ボヘミアン・ラプソディ」が好きなだけでバンド自体のファンという訳ではないので。もしあなたが僕と同じく「人を殺してしまった男とママの話」が見たいなら、伊藤計劃虐殺器官』をおすすめします。でも、そういえばフレディも、結構な浮気者だったな。

ところでこれ、もしかしてロールの話? 「マンマミヤレミゴー→なんて運命だ、自由にさせてくれ」? ロールに従うのが当たり前の(神様的なネジ王すらそう思ってる)世界でロールに逆らうっていうのは、ガリレオ的かもしれない。今ちょうどヤミヤミで闇落ちしてソトホートのしもべになってることに対してかもしれないし、「Let him go→逃がしてやれよ」はスゴスゴのことにも思える。ユーコさんは女性なのでhimだと性別が食い違っちゃうけど、Let me goのmeが指してるのは明らかにユーコさんだよね。いや、ユーコさんがヴィーテ/フィーネに対して「ネジルをはなしてやれ」って言ってたことかもしれんな、或いは両方か。ヘボミアン。

納豆みたいな男ヘボクラフトの正体はヤミヤミソトホート。ムラキが納豆くさい(靴下1週間履きっぱなし)のは彼が闇の力を持ってるからかもしれない。なんだかんだで復活に一役買ってるし、ラストでプロトタイプヤミヤミネジをゴルフクラブで打ってツッコんだら暗黒岩のネジ穴に入っちゃって、せっかくソトホートは落ち着いたのに結局ほぼゲロ呼び出してるし、肌も黒いし。
ヘイミの正体がキラキ・ラ・ムー(逆さにするとムラキになります)なのも、光と闇が同じ出自、むしろ闇から光が生まれたというのはよくある話。人類がネズミだった頃……? と思ったけどあれか、哺乳類の祖先としてのネズミの話か。恐竜と一緒に暮らしてたとかいうやつ。キラキラネジのコンボ映像(王将を巡るムラキとヘイミの親子愛)でネジ王が感激して引き分けにしたのも、ムラキが闇属性なのだとすれば話が繋がる。はー!


今回の見どころはもちろんクトゥルフ神話要素ではあるんだけど、ヘボットのいちエピソードとして見てもすごく面白いのよね。普段はギャグアニメとして1話ごとに色々リセットされがちなのに(少なくとも言及はしない)、なんでかめちゃくちゃ過去エピソードのネタを拾ってるのだ。
ムラキのトラウマ(15,18),ムシバから脱出できたの?(33),ソトホートの弟ヤミ雄(31),フニャフニャッチ大将の王将(15),グチリームズ(32),ネジルじゃなくポリドロに相談するギャクラン(7),ユーコたちの夏の思い出(3),ヘイミの恨み(18),ヤヨの心を奪ったイケメン ヘボクラフト(31)。
パッと思い付くだけでこんなにも。しかもうっすら匂わせるとかじゃなくて、ほぼセリフできちんと明確に「過去の話」として触れられてる。当時は特に何も思わなかったけど、今改めて見るとめちゃくちゃ浮いてるよ、これ。「王将がツー……お正月!」とか自分でもよく思い出せたなと。お土産としてキーホルダー買うほど気に入ってたのねあのギャグ。更に更に、過去だけじゃなく未来とも繋がっているのが恐ろしいところ。南極大陸で発掘されたとかみんなネジになっちゃったーとか、どっからどう聞いても「すべてがNになる」への前フリだよね。
特にキリがいいわけでもシリアスパートが進む訳でもない1話なのに、どうしてこんなに詰め込まれてるのだろう。不思議過ぎる。理由はともかく、ずっと追ってるファン的には頭の中でこれまでの色んな要素が繋がるのは見ていて気持ちがいいよね。かなりお気に入りになってしまった。

……ところでデンタウロス、モゲドリル星人といいヤミヤミといいお前操られてばっかで可哀想だな。

 

ヘボット!感想一覧

前話

ヘボット! 34話「流さネジられて」 感想

次話

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