やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

ヘボット! 18話「ネジル、学校に行く」 感想

この間東京に行ったときヘボット上映会を思い出したくて新宿に寄ったところ、駅前にバカでかい音で路上ライブやってるグループがいくつかあって、頭がくらくらした(HYBRIDな私を見てて)。僕は感覚過敏のきらいがあるので、都会はいるだけですごく疲れる。一応そういうの禁止って書いてあったのに、ガン無視よ。大造〜!(おじいさんの名前!)

対象がどんなものなのかを把握する"五感"にはそれぞれ危険度があって、直接を体内に入れる味覚が一番キケン。「これ食べても大丈夫なやつかな」を確かめるために口に入れたんじゃあまり意味がない。あ、1つの感覚にフォーカスして考えるので、ここでは話題にしてない他の感覚は一旦ないものとして聞いてくださいね。麻婆には木綿豆腐がいいらしいですよ。
次が触覚。直接触れる訳なので、尖っていたらあわや怪我してしまうし、高温だったり硫酸だったりすると皮膚越しでもだいぶダメージがくる。きっと来るサマラ!
嗅覚の危険性を意識することは日常生活においてほぼないけど、フィクションでよくある吸引型の麻酔とか、火事の場での一酸化炭素とか、吸うことがすぐさま身体に影響を及ぼすことはある。
それに対して、視覚と聴覚は身体的な危険性はほとんどない。刺激(光や音)が強すぎると、その目や耳という感覚器官を失うことは有り得るけれど、生命の危機に直結するようなことはない。対象からある程度は距離をおいたままで、つまり安全なところから情報をキャッチできる優れた器官。
……なんだけれども、身体的にはそれだけ理がある代わりに、人が遅れて手に入れた"精神"にとっては、これがなかなか厄介なものなのよね。

体を近付けなければ容易にシャットアウトできる味覚触覚と違って、残りの感覚は時に情報をキャッチし過ぎてしまう。さっき言った路上ライブなんかがいい例で、「嫌なら聞かなければいい」が難しいのよね。
"身体的な危機"からは確かに離れられるんだけど、"精神的な危機"……すなわち不快さの視点から見ると、とても危険度の高い感覚だと言える。フケだらけの人間とか、別に身体的な危機はない(不衛生なので近寄りたくないとは思うかもしれないが)んだけど、何故か人は目に入るだけで不愉快になってしまう。「嫌なら見るな」で済む話ではなくて、視覚はどちらかと言えば受動的に"目に入る"ことの方が多いし、何よりそういう存在が見える範囲にいると知ってしまった時点で、例え目を瞑っても不快感は持続するのが心の難しいところ。エログロへの耐性なんかもそうで、急進的なゾーニングやそもそも存在自体を消さんとする勢力が何故生まれるかと言うと、根源的にはこの、感覚と精神のちぐはぐさに辿り着くのではないかと思う。

路上ライブや本の表紙なんかはむしろその性質を利用して、わざと目や耳に無理やり入れて興味を引こうとしてる訳だから、そりゃあ嫌な人からしたら堪ったもんじゃないよね。
この辺はもうどっちが悪いとかそういう次元じゃなくて、人間がうっかり手に入れた精神という神を持て余しているという話なので、一朝一夕で解決する問題ではない。よってここでは結論らしいものは出しません。強いて言うなら、セーラー服だからです。
最近の僕が感想を書くときに大事にしているのは、作品を知ってる人には新たな知識を、知識を求める人には作品を、という感じでそれぞれ別の世界と繋げることなので、トーマス並みに脱線が多いのは勘弁してください。

 

ネジルは生徒、ヘボットは教師として学校へ。ヘボット役の井澤詩織さんによる声色七変化は必聴。セドラー!
どんなモブでも再登場することが多いヘボットの中で、名前ついてるのに(確か)珍しくこの回しか出てこない、上に今回も別にそんな出てこないという影ウス同盟まっしぐらのキャラ、ボキャナ。ネジルは城を追い出されてるのであくまで"元"王子(グチリーマン談)のスカンピンだし、そもそもボキャボットと人間の恋ってあの世界的にはアリなのだろうか(禁断の方がときめくよね)。探せば普通にいそうではある。あ、ユーコさんと夏男さんのカップルなんかそうか。ヘボットタイプじゃないから思い浮かばんかった。もしネジルが奥さんとしてボキャナを選んだら、ヘボットは一体どんな気持ちになるんだろう。ボキャバトルをする相棒の座は変わらないけど、人生を共にする相手としては選んでもらえなかった……二股とも違うもんな。親友と伴侶は共存できるはずだし。情熱の赤いバラ〜そしてジェラシー♪

ネジルくん、確かにそういえば学校通ってない。ネジが島では義務教育という概念はないのね。王室育ちのネジルはともかく、同じく通ってなさそうなモエカストリオなんかは、ひょっとすると読み書きできなかったりするのかな……。
ネジの在り処はゴッドネジじゃなかったけど、ユートくんの言うように出処ではあるかもしれない。でも今のところ明言されてるのは、(王族の)ネジ魂だけ。そもそもあれは一体なんなんだろうね。次元ネジより前からあるんだろうか。
ネジ王の像あったけど、校長か何かなのか?
ユートくん、ネジが欲しいのかヘイミにいいとこ見せたいだけなのか微妙に分からんな。両方? 彼はボキャバトルをするのだろうか。MCネジーもボキャボットの一種らしいけど……?

 

 

ネジルは自分の"特別"だからと告げるヘイミ。ヘボットがネジルにとっての特別になる話は前回前々回とやったけれど、ネジル側は自明のこととしてスルーされてるのよね。
ヘボット的には、ネジ魂をくれて自分を生み出してくれた訳だから好きで当然って感じに見える。最初から嫉妬してるし。
生まれたばかりの子供は無条件で親のことが好き……という訳でもないと思うのよね。自分を生んでくれたから好きなんじゃなくて、あくまで生まれてからずっと一緒にいて、かつご飯とかをくれるから好きになるのであって、ただ生みの親というだけの人に対してそこまで強い愛着は持たない気がする。
そこへ行くとネジルは別にヘボットの世話をしてる訳ではないし、むしろして貰ってる側。普通は何年も養ってもらったという借りがあるからこそ、大人になって親が老いた時に世話をするのに、ヘボットは諸々すっ飛ばしてネジルのお世話をしている。終盤で明かされるネジ魂の作られ方を思えば解決する疑問ではあるんだけど、好意の発生過程についてはゼロワンの感想で詳しく考えたのでそちらも参考までに。

(参考:脳内補完と投影→ゼロワン 第39話「ソノ結論、予測不能」 感想)

 

実はヘイミもまた、親への愛から復讐を胸にやってきたのだった。
ネジが島クロニクルを手に入れて精神崩壊してしまったムラキ。改めて考えてみると、これは島の歴史という極めて巨視的な書物を読んだが故の虚無感に襲われている描写と見ることができる。ネジ柱をゆるませてしめる。ゆるませてしめる。そういう風に決まってるけど、一体何の意味があるんだ? と。僕らは本能という盲目的な意志に従って、子を生んでは死に、子を生んでは死にを繰り返して、どこともしれない場所へ向かっている。それだってマクロな視点に立てば同じこと。宇宙から見たらたかだが地球ひとつがどうなろうが、いわんや僕ら一人ひとりの生き死になんて知ったこっちゃないだろう。我々が天然痘コロナウイルスという小さきものを殲滅したいと願うことに何らの抵抗も感じないように。声が聞こえる。
戻って来るためには、今このとき(プレゼント・デイ プレゼント・タイム hahaha…)の小さな幸せ……でなくてもいいが、とにかく目の前のことに目を向けること。目で見て手で触り、その感覚にリアリティを感じられるうちはまだ大丈夫。
僕は人からたびたび「現実感がない」と言われる。目の前のことならまだしも、過去のことになると途端に自信がなくなる。さっきまで自分が何をしていたのか、胸を張って言えないときがある。僕が音楽聞いてたのにふざけて誰かに「ご飯食べてたよね」とか言われでもしたら、もう駄目。その光景が浮かんできて、曖昧な記憶とごっちゃになって、どっちがどっちだか分かんなくなる。
夢日記とか付けてるとそうなるって聞くね。僕は夢日記も付けてるけど、流石に非現実的なやつとの区別は付く。でも学校にいる夢とかだと自分でも知らんうちに記憶が書き換えられてるかもしれん。というか、非現実を非現実と言い切ることも実はあんまりできなかったりする。思考を読まれてるんじゃないかって不安は、病的なほど(日常生活をおくれなくなるほど)ではないけど多分普通の人と比べたらかなり多い方だと思う。だっていないって証明できないじゃん。他にも街で突然後ろを歩いてる人が包丁出して刺してくるんじゃないかとか、拳銃で撃たれるんじゃないかとか、特に根拠もないけどそうやって色々想像してちょくちょく怖くなる。……ない? あるよね?


それはいいとして、どうしてヘイミはネジルを待ち伏せできたのか。これも結構な謎だよね。そもそもネジルが転校(つか入学だけど)してきたのも気まぐれみたいなもんだし。わざわざくーるじゃぱんから来てまで、その可能性にかけて小学校に入学したとも考えにくい。子供だし学校行けば会えるやろ……と思ってたけどいなかった? もしかするとネジルたちに「学校ではいい成績を出せばネジがもらえる」という情報を流したのが、ヘイミなのかもしれない。或いはそういう次元じゃなくて、このイベントはもう確定で起こるものなのか。

最後の思わせぶりなユートくん。これは全話見た人の中でも「投げっぱなしだったのでは」という意見が多いと思われる。
僕はこないだも言ったけど、12話でわざわざMCネジーとスチャットが眼鏡を外して同じ青い目を見せてるのが意味深だったので、スチャットやユートと同じくMCネジーも"そう"なのかなぁと睨んでいる。青い目の時は……みたいな。でもユートくんは別に目の色青くないんだよな。出番多い割には一番謎めいてるかもしれん。
ちなみに貰ってたのはムシャムシャでもミズミズでもなくメロメロネジなので、成績の良し悪しとは関係ないと思われる。おそらくはヘイミをメロメロにしたいという至って私的な動機かな。メロメロンも内田岳志さんなんだよなぁ……。

ヘボットはお気楽極楽アニメなのに何をそんなにムキになって小難しく考えてるのだ。僕らはいつか消える、頭空っぽにしてゲラゲラ笑って楽しめばイインダヨ〜。Why so serious?

 

 

ヘボット!感想一覧

前話

ヘボット! 17話「ネジささる、ゆえにヘボあり」 感想

次話

ヘボット! 19話「ヨロシク、湯煙ロクンロー」 感想