やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーディケイド 4,5話「第二楽章・キバの王子/かみつき王の資格」 感想

キャラクター

 門矢士
クウガの力
おしりぺんぺん(11:06)という表現は、なかなか面白い。クウガ1話の感想でもちょろっと触れたけど、あの作品からは何かを抑圧するような方向の力をすごく感じる。
知的好奇心を発露させた結果グロンギを復活させてしまったり、家族の見舞いに行くのを我慢したり、"抑制"エピソードなんてまんまだし、五代の暴力すらも最終的には否定されてしまう。
とてもクウガらしい使い方だなと。
しかしこうやってキバと並ぶと、やはりどうしても地味に見えるな……ライジングならまだ見劣りしないだろうけど。
(参考:仮面ライダークウガ EPISODE1「復活」 感想)

・擬態
ただ、自分が何者なのかを気にしている士がクウガにカメンライドするにあたって、何かしらの葛藤みたいなものはないのかなとも思った。
まぁ、それを言ったらディケイドに変身した時点で既に複数の顔を持ったことになる訳だし、今更ではあるのかな。むしろ彼は"ディケイドであること"をアイデンティティにしているフシがあるし。


 小野寺ユウスケ
・行きたい場所
ワタルに語りかけるシーン(17:02)、『アギト』28話の涼を思い出した。あのエピソード好きなので、ユウスケもかっこよく見えた。あっちは「どこに逃げても今は嘘にならない」って話だったけど、今回はどこか目的地があって、そこに行けるか行けないかって話らしい。
……いや、違うか? 最初のワタルはあの子と同じでただ「ここでないどこか」に行きたかっただけで、そんな気持ちではどこにも行けない。でも本当に行きたい場所(人とファンガイアが共に暮らせる世界)というのを見つけたなら、きっと行けると。そういう話か。
この間、僕も現実逃避したくて家出したのよね。帰りたくなくて、当てもなく家とは逆の方向へひたすら自転車を走らせた。結果的には2〜300kmくらい移動したけど、何も変わらなかった。まぁ、家出すると毎回「布団があるだけ家ってマシだな」とは思うけど。1日2日とかならまだしも、流石に何日も続くと体がボロボロになる。目的地かぁ……。
・共生
一人で戦うことのつらさを分かってるからこそワタルに優しくできるというのは、共感できるし好きだなぁ。
一方的に弱者を助けてくれる強者を待つんじゃなくて、自分も悩む等身大の弱者だけど、互いに手を取り合って欠けてる部分を補い合う関係。
僕は「自分もつらいことあったから気持ちが分かるよ」なんて言われてしまうと、「だったら悩みを聞いてもらって更に負担をかける訳にはいかない」と思ってしまうタイプなので、ちょっと憧れる。持ちつ持たれつってやつ。


 ワタル
・衝動
加害恐怖……とまではいかないけど、僕も最近似たようなことで悩んでるのよね。先日祖母が死んだんだけど、その連絡を受けて珍しく人前で「死への恐怖」に襲われてしまって、悲しくて寂しくて心細くて、横に座ってた地活のスタッフさん(女性)に、思わず抱き付きそうになった。
それからというもの、もし今度は我慢できずに抱き付いてしまったらどうしようと思うと怖くて、なんとなく避けている。
普通に考えて、恋仲でもない人が突然抱き付いてくるなんて加害以外の何ものでもないし、そんな気持ちを秘めていると知られたらきっと嫌われてしまうと思うと、どうしたらいいのか分からない。嫌われたくはないというエゴで、未だ僕からは話せていない。
「知らぬが仏」という言葉を信じるか正直に謝るべきなのかでずっと悩んでいる。
「人を襲わない限りにおいては共存してあげる」なんて、本当に共存と言えるのだろうか。それは"ありのままのファンガイア"を受け入れることにはならない。
今回の話の着地点は、「食べたい」のも本音だけど「食べたくない」のも本音だよね、という部分だった。掟とは自分を縛る不本意なものではなくて、自分の中にある「人を襲いたくない」という素直な気持ちを外在化したものであるべき、みたいな。
これは人間の側でも同じことが言える。「怖いけど、見た目で差別したくはない」と本心で思うことができたら、掟は意味をなし共存の道も生まれる。
・口の快感
ところで、僕は今まで生きてきて性行為というものをしたいと思ったことがないのよね。前述した抱擁への欲求というのはあるけれど、それ以上を求める気持ちはない。性行為と比べたら、吸血鬼のように「がぶっ」と噛み付くことの方が、まだしたいと思える。
フロイトの性的発達理論で言うと口唇期は一番最初の段階だけれど、むしろなんでわざわざ寄り道をするんだろうね? 生殖機能がまだないからと言って、口に関心を向けさせる理由があるようには思えない。いや、まぁ「吸う」ことに意味があるのは分かるけど、それを何故"性的"と解釈するのかが分からないと言うべきか。


 ワタルの父/ビートルファンガイア

士の演奏に聞き入ってたけど彼自身はあまり弾けないようだったので、おそらく殺されたであろう奥さんがバイオリン奏者だったのかね。
"名無し"というのは横のシンケンジャーでも扱われてたけど、そういえば王の資格ってのも似たものを感じる。
血統と根無し草か。

(参考:"仮面ライダー"の定義を考える/自然と自由の象徴として)

 


設定

・相互干渉
なるほど。士と写真館が外観を変えるのは、世界が士の目に映ることによってリ・イマジネーションされるのと同様、各世界の目に映る士たちもまた"本物"とは少し変わるということなんだな。それが士に与えられる役割であり、各世界にもディケイドという物語の中での役割が与えられる。
・キャッスルドラン
改めて見ると城とドラゴンということで、なんだか「ドラゴンにさらわれたお姫様を勇者が助ける」というよくある物語を連想させるな。
軽く調べてみたけれど明確な元ネタというのは出てこず、実際に僕が見たことあるのは、ディズニーの英語教材World Familyのビデオと、かいけつゾロリくらいだろうか。
ドラゴンを羽のはえたヘビだとするなら、どちらも"禁忌"のイメージがある。前者はイカロスね。
ユングはドラゴンを母親と解釈しているらしいけれど、僕はむしろ父親的な印象の方が強く受ける。とするならば、姫はエディプスコンプレックスの文脈で言うところの母親だろうか?
或いはより抽象的に捉えると、変化の象徴としてのドラゴンを退治することで、お姫様を妻に迎えて安定した家庭を手に入れる……というストーリーラインなのかな。そう見ると倒すのはむしろ自分の性欲ともとれるだろうか。
・旅の法則
キバーラが言っていた(10:04)のはどういう意味なんだろう? 「士が旅するのは、何かしら異物が紛れ込んでいる世界なのではないか」というファンの仮説があって、僕はこれを参考にしている。ディケイドの旅はジオウと似ていて、「既に破壊された世界を更に破壊することで逆に直す」みたいなことなのではないかと。タイムジャッカーがまずライダーの歴史を奪って、それを阻止するという名目でジオウが歴史を奪う……みたいに、ディケイドが壊す前から既に何らかの理由で壊れている必要がある。
もし他の誰でもないユウスケであることにも何かしら意味があるのだとしたら"世界にとっての異物"だということ以外にも条件があることになるけれど、なんだろうね。
士の知り合い……と仮定すると、海東は当てはまるけど鎌田が微妙になる。メタ的な意味でのディケイドオリジナルキャラクター、ってことだろうか。新規の敵怪人なんかはそれぞれの世界に用意されてるし、"小野寺ユウスケ"もオリキャラだ。でもそうすると逆に今度は広くなり過ぎなんだよな。うーん、難しい。
・チョコレート
元々は貴族の飲み物だったという点で王、バレンタインで恋愛と、『キバ』のかおりを表現するいいアクセントになっている。
バレンタインかぁ。基本的にお返しはしない主義を貫いていたんだけど、何度か貰ったことがある。チョコは大好物なので、理由は何であれ貰えるのはめちゃくちゃ嬉しい。
幼稚園の頃には手作りのホールケーキなんてすごいものを貰ったけど、その時もなんだかんだで何も返さなかったんじゃないかな。引越しが近くてバタバタしてたとかそんな理由だった気がする。今思えばふてぶてしいな。その子にはファーストキスも貰ったけど、名前すら覚えてないのよね。本命ってやつをくれたのはそれを除けばあと1人いて、そっちには一応お返ししたんだけれど、チョコ溶かしてスヌーピーの製氷機に流し込んで凍らせただけのしょぼいもので、市販のやつそのままあげた方がよっぽど良かったと後悔してる。貰ったのがカップケーキみたいなオシャレなやつだったし、全然釣り合ってないなぁと。
逆に義理でも結構手の込んでたりするし、器用というかなんというか。
てっきり地活でも何かイベントやるもんだと思ってて、教えてもらいながらなら僕でもなんかすごいのつくれるかと密かに楽しみにしてたんだけど、結局何もなかったな。代わりに(?)リンゴとチョコを貰ったので一緒に食べてみたら割とおいしかった。
……なんの話だろうね。ただの思い出話。
・キバアロー
半人半獣のケンタウロスとか、月の上弦下弦みたいな表現とか、原作に弓要素なんかなかった(ゲストがやってたくらい)のになんで弓矢なんだろうとずっと不思議だったんだけど、こじつけようと思えば連想ゲームくらいの関連は見出だせるもんだな。

 


イーブンに接していたつもりが、知らず知らず相手に負担をかけていたと知った時のショックってなかなかすごい。
特に僕は障害があるので、自覚なく迷惑をかけてるんじゃないかと思うと気が気でない。
平等ってなんなんだろう。

 

 

前話

仮面ライダーディケイド 2,3話「クウガの世界/超絶」 感想

次話

仮面ライダーディケイド 6,7話「バトル裁判・龍騎ワールド/超トリックの真犯人」 感想

 

過去作感想

綺麗な物語から汚い現実へ『仮面ライダーキバ』 本編感想