やんまの目安箱

やんまの目安箱

ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダードライブ 第1クール(1〜11話) 感想メモ

 

第1話「俺の時間はなぜ止まったのか」

・ディナーを楽しんでる間に……っていうのは、最後の晩餐イメージかな。裏切り者はロイミュードかあいつか、或いはチェイスか。ただ夕食ってだけじゃなくて、一日の中でメインとなる(豪華な)食事のことを指すらしい。知らなかった……。
・仕事を仕事と割り切り笑わない 機械みたいな霧子、人間らしくやる気が出ない泊
・「重加速?……どんよりか」「追田警部補!?……ゲンさんか」
説明の仕方ワンパターンだな。一人合点にしないで他のメンバーとの会話にすればいいのに
究「捜査一課から追田警部補って人が来るらしいけど、どんな人なんだろう」
泊「ゲンさんか……」みたいな。
・シートベルトが顕著だが、ベルトというのは本来自分を締め付けて不自由さを与えるもの。僕は小さい頃から正装する機会が多かったので、ネクタイもだけどあぁいう苦しいタイプの装飾は好きじゃなかった。
でも変身ベルトは、好んで巻くのよね。子供って。一見自分を不自由にするベルトが、事故から見を守ってくれたり仮面ライダーという超常の力を与えてくれたりもする二面性。
・ゲンさんが重加速未体験なのってかなり謎だよな。海外にいたって同じことは起こってたんだし、元宇宙飛行士って訳でもないだろうし。単に寝てたから気付かなかったとかそういうことなのかな。
この時点では001の話は出てないので、そうじゃない解釈の道も書いとく。
・シフトカーと一緒なら重加速の中でも戦える……って、『ビルド』の万丈みたいね。フルボトルしゃかしゃかして戦ってた頃のさ。
・どんより=重加速現象って、当時中学生だった僕にはいまいち理解できてなかったんだけど、最近はうつっぽい症状もたまに出るので、なんとなく分かる。ただうつの場合、体がだるくて動かないだけじゃなく頭もどんよりするので、実際にはちょっと違う。
当時からずーっと、遅くなるのに重"加速"って表現がされることに違和感を覚えてはいた。今回見てて思ったのは、厳密には体が重くなってるんじゃなくて意識が加速されてるんじゃないかってこと。うつみたいに体が思うように動かないだけなら物理現象までもがゆっくりにはならないだろうし、あらゆるものを遅くしてると考えるよりは人間の意識にだけ変化を与えてると考えた方が自然。タキオン粒子によってカブトライダーは体だけでなく意識まで加速させるが、ロイミュードは重加速粒子によって意識だけ加速させる。
あんまり分かりやすい例が思い付かないけど、『BLEACH』でザエルアポロ倒すときにマユリが使った毒(百年先まで御機嫌よう)とか、『lain』のアクセラとか、最近だと『呪術廻戦』の無量空処が近いだろうか。体は物理的についていかないのに脳の情報処理だけは加速するから、「動けない」という認識になる。
そこで、ドライブとなって身体能力の方を物理的に強化することで、重加速下でも動けるようになると。
泊の口癖「考えるのやーめた」は強制的に考えさせる重加速現象へのアンチテーゼであり、でも時にはきちんとトップギアになる。このメリハリの話はこないだのゼンカイジャー10話「お昼も夜でもブルースカイ!」に似てるね。

 

第2話「仮面ライダーとはなにか」

・元人間とはいえ、AIが夢見る描写をこんなにあっさり……剰え「面倒な性質」呼ばわり。なんて贅沢な悩みだ。
ゼロワンで(AI要素よりも)お仕事紹介に力を注いでたのは、ドライブにエグゼイド(多分ビルドもエボルトがシンギュラリティに達したAI)と既に散々描いたつもりだったからだろうか。刑事ドラマの仮面を被ったAIドラマ、AIドラマの仮面を被ったお仕事ドラマ……。
・進ノ介が、胡散臭いベルトさんをどうにも信じられないって割とまともな理由でモヤモヤしてる……1話じゃただのサボり魔だったのに。尤も、疑うには情報が少な過ぎて勘の粋を出てないけど。警察ですらまだきちんとは掴めてないどんよりの仕組みに精通して、対抗手段までつくってる……というのは確かに疑うに足るけど、それだけじゃ敵と繋がりがあるとまでは言い切れないよね。「仮面の……ライダーだ!」と同じで、本作は仮面ライダーだから皆さん分かってますよね? この辺すっとばしていいですよね? みたいな、メタな思考を感じる。
・「ドライブは誰にでもなれるものじゃない、だから自分の分も泊さんには頑張って欲しい」という霧子の期待は、お前は健康体なんだからっていう早瀬のそれとも通ずるものがある。
1話のモヤモヤも、彼なりにまともな理由があったのかな。事故とはいえ人を傷付けた自分に、警察官として偉そうに権力を振るう資格はないと思ってる……とか? でもそれなら転職すりゃいい話だしな。早瀬は気にすんなって言ってくるから一応留まってるけど、自分的にはまだ納得できてない……みたいなところだろうか。自責の念で身動き取れなくなるのは思い当たるフシがあるので、若干気持ち分かる。
しかし誰もが誰かの代替品っていうのは、"仕事"ならではの概念だよな。現状既に進ノ介は、ベルトさん,霧子,早瀬,プロトドライブと4人もの人物の代わりとなっている。
おにぎり食べたい人の代わりにおにぎりつくったり、車に乗りたい人の代わりに車をつくったり、泥棒された人の代わりに犯人捕まえたり、きれいな服を着たい人の代わりにクリーニングしたり……分業して効率化をはかるとか色々目的はあれど、ともかく(一見)自分の利益とは関係ないことを他の誰かの代わりにやるのが労働の本質。権力を持った人々が奴隷に何でもやらせていた頃から、それは変わらない。
・「赤い肌は失格の烙印」
……何故? まず肌を赤くするって何、どっから出てきた能力なの。まだアイアンに進化する前の029の時点からやってるので、やらないだけでプレーンロイミュード全員に備わってるのか? 一応他のコブラ個体と違って首の部分が赤いらしいのでこいつ固有の能力っぽいけど、どこから生えたのか謎過ぎる。人間の外見や悪意をコピーする存在ではある訳なので、誰か人間から役立たずの証として赤く塗られた過去をもってるが故に、同じことができる能力を得た……のかもしれないけど、ヒューマギアと違ってそもそもロイミュードの存在が一般に知られてないので、そんな虐待をできる人間が(つくったやつくらいしか)いない。
劇中のロジックとして考えても分からないときは、テーマの視点へ逃げるに限る。赤は多分"赤点"から来てるんじゃないかな、と思う。で、ドライブもハートも赤。トライドロンと、ハートが盗んだ車も赤。ヒーローの色ではあるけど、こいつらも完璧じゃなくてどこか抜けてるところがある駄目な奴らなんですよ、みたいな意図があるのかな。
泊は言わずもがなサボり魔だし、ハートも機械が心持っちゃったら欠陥品同然。
公式読本でロイミュードはマイノリティだって三条さんが言ってて、やっぱヒューマギアとおんなじだなぁと思ったんだけど、薬を飲まなきゃいけない不健康な体≒赤を受け入れる→「駄目でもいい」っていう、『ゼロワン』でも描かれていたテーマに通ずるのかな? 舞台も同じ遊園地だし、アイアンのモチーフは選りすぐられ鍛え抜かれた完璧な肉体だし。
・意識はどんよりしないなら、ドライブたちの戦闘も認識されておかしくないんじゃない? と思ったけど、その辺は映像でフォローされてた。女の人が画面手前にいて、アイアンロイミュードがその横を走って逃げてるので、普通なら見えそうなもんだけど、体が動かないってことは視線を動かすことも簡単にはできないってことだから、焦点合わせてるところに向こうから入って来ない限りまともに視認はできない……っていうのが、女性の無反応さから伝わってきた。試しに視界に入れつつ焦点は合わせないで見てみると、どれだけよく分かんないかが分かると思う。まぁ、我々はドライブがどんなデザインなのか既に知ってるから脳内補完できちゃうけど。
・ドライブの変身音は、ディケイドを除くと初めてライダーの名前を名乗りあげる仕様になっている。ディケイドは他作品のライダーも登場して(しかも変身できて)分かりにくいからって理由でそうなってるだけなので特例。ベルトにクレストが浮かび上がるとことか、加速の「スピスピスピード!」とか、似てるとこもちょっとある。ディケイドと同じく記念作故にライダー名を読み上げるジオウ、が使う武器に、ドリルクラッシャークラッシャーってのがあるんだけど、めっちゃドライブドライバーみがあるのよね。
さっきも少し触れたけど、どことなくメタな視点が入ってる作品だと思う。話が進んできたら、また語るけど。
しかし、変身シークエンスのタイヤが飛んでくる演出、走行中に外れて転がってっちゃう事故みたいで見ててちょっと怖いな……。
・ラストで霧子が笑うとこ、なんとなーく適当にいい意味だと思ってたけど、改めてちゃんと意味考えてみると「あのだらしない泊さんが、私を助けてくれたかっこいい仮面ライダー? 似合わなすぎてウケる」みたいなニュアンスしか思い付かなかった。初めての笑顔が嘲笑のヒロインって……まぁ今は多様性の時代だしそう珍しくもないか。

 

第3話「だれが彼女の笑顔を奪ったのか」

・運転免許試験場に堂々とおいてあるトライドロン。あの謎の特状課マークがついてる間は認識阻害機能(ルパパトのマスク的な)でも働くのかね。
・芸術と女への欲望、ギャンブルベガス
・友達を名乗りながらロイミュードを抑圧するハートたちと死神チェイサー。051の近視眼的な自由は奪っているが、長い目で見ればロイミュード繁栄の先に自由が待っているというこの構図はゼロワンにそっくり(あっちは泣く泣くコアまで破壊するが)。
仮面ライダーに重めの幻想を抱いている様子の霧子。書いてて思ったけどスゲー名前だな、まさにどんよりモヤモヤって感じだ。なんで?
・ドライブはベルトに加えてシフトブレスも付けないと変身できない。玩具としてはこれが結構面白いものなんだけど(多分無線通信は車の鍵をイメージしてる)、ベルトさんとのバディ感は若干薄れてしまう気がする。お父さんスイッチならぬベルトさんスイッチみたいなものと理解すればよいのだろうか。
・霧子はデータ化されることに強い恐怖心を懐いているようだけれど、なんなら彼女は誰よりもベルトさん(クリムではなく、ベルトに意識を転送した跡の彼)と付き合いが長いであろうに、なんとも思わないのかね。「データ化するなんてイヤ」という感情は、どうしてもベルトさんに対する見下しや差別心と無関係ではいられない。
尤もこないだゼロワンと絡めて話したように、既に起きてしまったこととこれから起こることを同列に語ることはできないけれど。或いはベルトさんから肉体を失うつらさを伝え聞いてるからこそより怖い、という側面もあるのかもしれない。

 

第4話「誇り高き追跡者はなにを思うのか」

・キラメイジャーが必ずしも悪魔の魔のようにネガティブなニュアンスとは限らないと教えてくれたので、今見ると魔進チェイサーというのは、魔法のごとき進歩(十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない)≒シンギュラリティに至りそうなマシンを追跡しその足を引っ張る者、みたいな意味なんだろうな。ゼロワンでいうソルドシステム。
しかし普通は警察官の方が追跡者よね。追われてどうする、追われて。これもシンギュラリティに引っ掛けて主従逆転してるんだろうけどさ。
・トライドロンが自動運転(ベルトさん?)で霧子を連れてくのはなんかオートバジン思い出した。555(ファイズ)ってライダー同士で助け合うことはそんな多くないけど、バジンくんが助けてくれる仲間の大切さを教えてくれる。頼もし過ぎるんだよなあいつ、ロボだから自分の身を省みる必要ないのが強い。
・尻尾巻いて逃げ出したとか思ってごめん……と一瞬思ったけど、たまたまチェイサーが追ってこなかった(これいかに)から良かったものの、やはり残って足止めするのが警察官としての最適解だったのでは。力の源であるトライドロンから離れ過ぎると弱くなるとか、そういう設定でもあるんだろうか。そんなら自分の身も守ってこそだから逃げていいけど。
・約束の数……ってのは確か4体だよね、滅亡迅雷と同じ。今回のブレンのセリフを額面通りに"進化体"と捉えるなら、ハート,ブレン,ペイント,クラッシュ(幹部会に出てるんだから多分進化してるだろう)で既に揃ってることになるので、もしこの時点から"約束の数"の設定が固まってたなら(そしてそれをブレン達が知ってたなら)、同様に超進化体の存在も想定されていたことになるのかな。この時点では単に進化体の数が足りないという意味にも取れるが、ペイントに対して「新しい力に覚醒してくれるならいいけど」と言ってる通り更に進化せよという意味なんだな。
・AIのコピー元(師匠)もまたAI、というのはなんか面白い。たまたま同じような能力に覚醒した2体のロイミュード……というよりは、文字通りペイントロイミュードに師事して力を模したのが084って考えた方が、納得度は高い。ただコピーのコピーじゃ劣化しちゃうので、能力も不完全なものだったと。
「浅矢画伯の弟子・富士宮という男は存在しない」って前回言ってたからコピー元がないのかとも思ったけど、普通に考えたら「浅矢画伯の弟子をしてる富士宮はいないけど、弟子じゃない富士宮ならいた」という解釈に落ち着くのかな。その場合「本物の富士宮は弟子じゃない」みたいな表現になりそうなもんだが。まぁコピー元が全くないと考えるよりはまだ理解できる範囲だし、仮に本当に存在しないとしたらそれはそれで(人間をコピーした)ロイミュードをコピーしようとした特例っぽさが出るかも。実は能力が未熟なように浅矢画伯の若い頃みたいな容姿になっちゃって、同名じゃ不便だから名前だけどっかから取ってきた、とか。
・「これじゃまるで取り調べ」って、机叩いて脅すのは取り調べでも本当は駄目だよね、多分。フィクションの嘘、ってのはあるにしろ。
もちろん警察官が人を裁くのも駄目。"女の子を"って表現も軽口キャラのせいで若干印象いくない、男の子でも怒れよ。まぁ、霧子を助けた理想のナイト様……の後を継ぐ2代目仮面ライダーにならなきゃって話の流れだから、その辺意識しての言葉選びなのかもしれない。どんなしょーもない理由であれ、バディが不満たらたらで愚図ついてたら面倒だし。
・見返さないままに無礼を言うけど、謎解きパートは正直地球の本棚頼りであんま面白くないWとそう変わらない。きちんと見た上で言うならクウガの捜査パートとも同じ。なんか見つけた、気付いた、解析したってだけでドラマの進行とはほぼ関係ない。もはや偶然の産物みたいなもんよね、なんだよ「知り合いに電力調査マニアがいる」って。いや、人脈づくりに励んできた究ちゃん偉いって話なのかもしれんけども。その点はゼロワン4話の方が、多少強引とはいえよっぽど絡める努力してた(俯かずに前を見ろと言われてSDカード発見)。
公式HPで「ついに解決する浅矢の事件、見ないときっと“どんより”しちゃいますよ!」という文言を見たんだけど、あぁなんかそういうつもりなんだって納得した。グロンギ事件と違って「刑事(探偵)モノです!」って打ち出してるぶん、なんかちょっと真相に期待してしまうというだけの違い。要するに話の出来不出来とはあまり関係なく、本能的に「見ないとモヤモヤする」という状況をつくりだしてしまおうというためのギミックなのね。確かに気になるもんそりゃ、問題出されて答え見ないなんて。
・ゼロワンが放送してた時期に進ノ介の「ロイミュードは悪くない、人間の悪意をなぞっただけだ」がよく取り沙汰されてたけど、人型ロボットに同情するのは分かるとしても、ミニカーに感情移入するのは流石にちょっと絵面的に無理あるぞ。アバンギャルドすぎるだろ。何よ、ミニカーの親友のミニカーって(笑) そもそもこちとら、怪我で再起不能な人間の親友すらいないんだわ。
……でも僕も、5歳くらいのころはあんな風に、ありんこに傘さしてあげたりしたっけなぁ。その前の日には潰して殺してたから、罪悪感があったのかな。
・さっきは感心したけど、自律走行できるならペイント追えよトライドロン。やっぱ離れると駄目なのか?
後の展開も踏まえると、あそこで追ってたら結果的にドライブは霧子の元に辿り着けなかったかもしれないので、その判断は吉と出たと言えるものの。
・さっきとは打って変わって多弁なチェイサー。喋ってる内容から察するに、死神って呼ばれるの実はあんま好きじゃなくて不機嫌なのか?
でも実際、ロイミュードが人間殺してるとこって今のところ絶妙に映ってないよな。その割に、ドライブは容赦なくコアを破壊する。
・ハンドルが暴れ馬ってなかなかの恐怖……これも主従逆転要素かな。いい忘れてたけど、キーアイテムであるシフトカーもそうだし。(人が動かす)シフトレバーの入力に従うはずの車が、指示する側のレバーそのものになってしまう。
論理的な処理で機械に勝てる訳ないから人間ならではの直感で勝負だって判断は論理的だけど、元の戦闘が論理的だったようには別に見えん。
・霧子の奮闘は普通に良かった。自分と同じ目に合わせたくないってのは警察官の動機として分かりやすいし、恐怖が強ければ強いほどその思いに拍車がかかるのも分かる。
あと何気に、2話での嘲笑が活きてる。「"あの"泊さんが、頼りないながらも仮面ライダーとして戦ってるんだから、自分も頑張らなくちゃ」って。これが完全無欠なナイト様だったら、霧子は頼りっきりだったろう。自分は恐怖に怯えてるだけでも、仮面ライダーがみんなを助けてくれるんだから。

 

第5話「鋼の強盗団はなにを狙うのか」

・ランブルダンプでクラッシュに突撃した際、タイヤコウカンが解除されるのと同時に虹色の波状エフェクトがクラッシュに収束した。最初は情報量が多くて混乱したけど、これは展開されていた重加速空間が解除されましたよってことか。
・ドライブの活躍で輸送事件を未然に防げたのに、特状課の面々が自分たちの手柄かのように喜んでるのが謎過ぎる。単に被害が出なくて良かったって話でもないよね、明確に本庁の人がお礼言ってるし。でも進ノ介を除けば誰一人として現場にはいなかった。
白い目で見られていた特状課の活動が徐々に認められてきてグッときた、っていうそこそこ重要なシーンのはずなのになんなんこれ。三条陸さんって今んところこういう、意味の分からん話運びを知らん顔して流す人ってイメージがある。なんなら、酷いときは井上さんや高橋さんよりよっぽど酷い。ゼロワンといいキョウリュウジャー(主にノッさん周り)といい。ご存知の通りジオウ以降の僕は割と脳内補完を積極的にする方だけど、なんなんだろう……「このくらい情報出せば伝わるでしょ」ってバランス感覚が絶望的に合わないのかもしれない。
仮面ライダーについての情報を引き出すために、意味もなくおだててみた……と解釈すればギリ通る、かな。真に受けてる特状課の面々が馬鹿ってことになるけど。
・ジュースを撃つチェイス、マジで意味分かんな過ぎて怖い……。なんか、ゼロワン1話のヒューマギア撃ち殺す迅と似たものを感じる。不気味さの演出って、そういうことじゃないだろうに。
真面目に考えるなら、チェイスは「コアを破壊せず更生を促している」と口では言いつつも、プロトドライブ時代のプログラムもあって実はロイミュードを破壊することに達成感のようなものを覚えていて、にも関わらずハートから「守れ」と言われてちょっと不機嫌になった、とか?
そもそも感情を顕にするようなキャラだっけってところから不思議なんだけど、無口だと言われたかと思いきやベラベラ喋りだしたこともあったからなんでもいいや。
・シフトカーを常に携帯しない理由は、彼らにも一応自我がある(それにベガスのように何か役割を負ってる場合もある)から道具としてじっとしててくれない、させるのは申し訳ないみたいなことなんだろうけど、じゃあなんか携帯できるようなデバイス別で作れよって気もする。重加速の発生/相殺に必要なコア・ドライビアは、自我の発生と不可分なのだろうか。もしそうならテーマ的な繋がりもあるかも?
物質は存在するだけで重力(引力)でもって空間を歪める。これをディケイドは「(人は)存在するだけで世界を歪めてしまう(からいるべきではない)」みたいな感情的な問題にスライドさせていた、と僕は勝手に解釈しているけれど、重加速というのも似たようなものなのかもしれない。まだうまく言語化できてないけども。
・クールだねぇっていうか、こういうのを普通スベってるって言うんだよね。ジョーク言う相手くらい選ぼうよ。どう考えても笑う訳ないっていうか、煽りにしかならないじゃん。で、敵を煽るのは被害が拡大し得るので危険。
・チェイサーが人間に守る価値が本当にあるのか問うシーン、ジュースに八つ当たりしたシーンのせいでこれも虫の居所が悪いからでまかせ言ってるだけに聞こえる。自分が今ちょうどクラッシュ・ロイミュードに対して「守る価値ない」って思ってるのもあるんだろうが。でも、知恵がお嫌いならクラッシュなんてバカの鑑みたいなやつなのにね。
・バイラルコアはブレンたちが勝手につくれるんだ? バイラルというのはウイルスのことを意味するるらしい。見れば見るほどAIものね。
・何か気付きませんでした? と勿体ぶる霧子、"破壊の度合い"というアバウトな程度問題だけに自分の主観でしかないのか、それとも他の人にも共有できることなのか確かめたかったとすれば、理に適ってるな。進ノ介も気付いてましたって描写にもなるし。


第6話「戦士はだれのために戦うのか」

・「毒は注入されてもちゅうちゅう吸い出せば問題ナシ!」ってクローズドラゴンじゃん。
・付近の方が……って、ベルトさんは霧子やシフトカーに(せめてドライブピットだけでも)連絡したりとかできない訳? 人間も悪いやつばかりじゃないって描きたいのもあるんだろうけど、それはちょっとびっくりした。もしかすると、連絡はしたけど駆け付ける前に通報されたのかもしらんが。
・えルしつているか
加い違れう実なこめ
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しはないゃそ究がラ
な警漏 なんちでイ
い察 ルいなゃきダ
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 し  か報  を
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・あ、通報した市民にちゃんと触れるのね。てっきりよく見たら分かる小ネタみたいなものかと。だとしたらベルトさんが何してたのかとかもう少しちゃんと描写しといた方が良かったんじゃない? あの人には非重加速下で雑談までして思い切り目撃されててから、同じベルトしてるじゃんって気付かれてしまう。いつもみたいにふわふわ飛んで霧子を呼びに行ってましたってことにすればそこも解決できて一石二鳥なのに。
・密輸を黙認してる刑事の名前、エイジかよ。
・正義じゃなくて市民を守る……文脈を考えると「悪人じゃなくて善人を守る」って意味にも取られかねないセリフだけれど、りんなに指摘されたにも関わらずちゃんと社長のことも守ろうとしてたので、きちんとフォローがされている。いくら悪人でも、法で定められている以上の権利侵害は(法的には)許されない。
まぁりんなの裏切りが演技だったならその問いかけ自体微妙に意味が分からないのだけれど(マッドローグ感)、ドライブの開発担当として変身者に力を扱う資格があるのか見たかったってところだろうか。
・トライドロンの変形、あんま深く考えてなかったけどもひっくり返って飾りだった2つのタイヤを使い四輪駆動になるということは、タイプスピードは前輪駆動なのね。調べてみたらスポーツカーは後輪駆動が多いみたいなこと書いてあったけども。もしかすると内部でめちゃくちゃ複雑な変形して、動かしてなかった前輪を無理やり動くようにしてるのかもしらんが。

 

第7話「決定的瞬間はいかに撮影されたのか」

・London Bridge Is Falling Down
マザーグース 童謡って不気味
・予算が減らされてる? まぁこないだ認められたのは嘘だしな。
・やる気でねーってサボってるとこが印象的だけど、市民(記者)の善意を見て逆にやる気出るわーってなってるところが、大袈裟じゃなくちょっとしたアクセント程度に入ってるとこはいいなって思った。
スカイツリーが映ってる。クウガとW
・普通の嫉妬とは微妙に違う霧子の心情。自分の経験の中から似たような感情があるとすれば、「好きな人の彼氏と仲良くなりたい」だろうか。
自分がそのポジションに収まれないのはもう分かってるけど、自分の知らない人と付き合ってるのはなんか嫌だから、彼氏さんと知り合いになって、間接的にもっと好きな人のことを知りたい、みたいな。
早瀬に対して悪感情(ずるい,うらやましい)を抱くのが単純な嫉妬だけど、花束から分かるようにこの場合は悪しからず思っていて、想い人を幸せにしてくれるならむしろ感謝すら覚える。
ただそれとは別に、何もしてあげられない自分の情けなさと、そうは言ってもあんな冷たい言い方しなくてもいいじゃないかという気持ちのこもったバーニングソーラー。必ずしもネガティブな意味じゃない"光で照らしてあげる"という行為で持って相反する2つの感情を表現している。のか?
・右ハンドルだから、運転席に座ると必然的に下手(しもて)に位置しちゃうんだよな、ドライブって。ボツ案のタクシードライバーみたいに乗り合わせてるゲストのほうが主役ならそれも分かるけど(ただ普通助手席には乗らない)。

 

第8話「その胸に宿る秘密とはなにか」

・目が覚めるまで側にいてくれたのは明らかなのに冷たい態度取るの、なんか綾波っぽい。あっちは本当にただそう命令されて側にいただけだろうから全然違うけども。
・隠す様子もなくみんなの前で"シフトカー"という単語を口にする霧子。まぁ、刑事特有の隠語(ホシとかガイシャとか)みたいなものだと周りには思われてるのかな。それをカモフラージュするために普段からミニカーで遊んでると思われてる……とか。同僚なのに隠されてる方はどう思ってるんだかよく分からんけど。
・記者と進ノ介へのモヤモヤが同時に晴れる
・殺す価値もないからだ 防衛機制、合理化
・事件は作られるもの、捏造バンザイ
作者の視点
・重加速下で動ける霧子を一般人はどう思う?
ロイミュードと人間の共犯 超進化
自分との対話、BLEACH
半分洗脳してたからきちんと感情を利用できず、進化できなかった?
・細かい話だけど、具体的に久坂は何の罪に問われたんだろう。相手がロイミュードだけど、何かの教唆?
・スクープネタをマッハと絡めないのもったいなさすぎると思うんだけど、この時点ではまだその設定決まってなかった?
・私服の霧子……もはや別人。

 

第9話「どうすればクールボディになれるのか」

・そういえばジェネシスのコピーでは「熱い仮面ライダー」とか言われてたっけ。まぁタケル殿が切ないかと考えると信憑性は高くないけど、泊さんは一応熱いキャラクターってことになってるのね。
ギア入ってない時はクール……というよりは冷めてるって感じか。
・普段からトライドロン乗り回してて仮面ライダーの正体バレないのか問題だけど、普通に考えたらバイクと違って車の中にいる運転手なんてなかなかハッキリとは視認できないから(況して重加速下)、トライドロンとドライブを結びつけるためには「トライドロンの"近く"でドライブが戦ってる現場を目撃」が最低条件と考えると、序盤てことで頑張ってはいるけどやっぱりそこまで頻繁にあるシーンではないし、変な改造車乗り回してる警察官がいる……以上踏み込んだ理解にはなかなかならないのかも。
ロイミュードとトライドロンのCG戦は見たら仮面ライダーが乗ってるのかなって思ってもおかしくないけど、巻き込まないようなるべく人気のないところでやってるんだろうし。
そもそも更に興味ない人間からしたら、あくまで「やべえ改造車に乗ってるヤンチャな奴がよく免許センターに呼び出されてる」ってだけで、まさか警察官が乗ってるとは夢にも思わないかもしれない。
・軽口叩くのは好きにすればいいけど、今回はテクニックになれないとロイミュード倒せなくてまた被害が増えるんだから笑い事じゃないのよ。皮肉言って煽ったら余計にクールとは遠ざかるでしょう、アホなのベルトさん。
・激痛が走るのは一応シフトアップかフルスロットルのどっちかだったはずなので、普通のタイヤコウカン状態で能力発揮する分には問題ないってことよね。マッドじゃなくなっちゃうけど。
どちらにせよ、現実の医療だって麻酔しなかったら激痛なんてもんじゃないから、特別マッドって感じもしないが。……あぁ、自分で自分を治癒する場合は、麻酔かけたら治療する人が眠くなっちゃって治せないから、激痛に耐えるしかないってことか。理に適いすぎて普通だ。
・逆に頭が冷えるほど、今回の敵って特別残虐だったかなぁ? 確かに子供を人質にするのは卑怯だけど、本来の事件の方は本人も意図していなかった事故だし、悪気があってやった訳じゃないことを考えると、そうでもない気がする。何の意味もなく愉快犯的に子供を埋め込んだとかなら分かるけど、逃げる時間稼ぎだし。もっと悪く見せようと思えばできたはずなのに、どうして事故にしたんだろう。
「あくまで事故で悪気はなかった……かと思いきや、悪びれてないどころか今度は自分の意思でやろうとした」みたいなギャップで怒り心頭ってこと?

 

第10話「ベルトの過去になにがあったのか」

・クリスマスはあくまで誕生を祝う日である、というのは一旦置いといて、キリストの誕生日(みたいなもの)の一日前に生を受けたというのは意味ありげだし、この「一緒にされちゃって嫌だよね」というひとネタのためだけに設定されたものとはあまり思えない。
グローバルフリーズが起こった日付は釈迦の誕生日だそうだし。そこだけ聞くと仏教vsキリスト教って構図なのかなと思うけど、やっぱ宗教はきちんと勉強しなきゃだよなぁ……どういう思想の対立なのか分からん。ホンット雑な知識でいうと、諦める仏教と救済を期待するキリスト教って感じだろうか。
・真面目な堅物のチェイスと、緩くて関係ない軽口ばかりの泊。こうして対比されると、或人の原型でもあるのかな。音也が言うところの"遊び心"の体現者として。
・なるほど? チェイスとしては、仮面ライダーを倒すことで初めてプロトドライブだった過去を捨て、本当の意味で死神になれるのか。
・そういえば確か、仏教は死後の世界を否定してるとかって聞いたことある気がする。その解釈を採用するなら、あくまでコアを破壊せず現世にこだわるチェイサーと、破壊するドライブ,死んでベルトとしてだが復活してるクリム,自分の死を顧みない進ノ介で割と気持ちよくハマる。
仮面ライダーは2度死ぬという微妙に変な表現も、復活したキリストを念頭に置いているならしっくりくる。
・クリムは機械に芽生えたハート、反逆の意志が恐ろしい。デッドゾーンは疑似シンギュラリティ? 君の心が君を追い越したんだよ〜♪
ハートとブレン、心の在り処はどっち?

 

第11話「暗黒の聖夜を防ぐのはだれか」

・チェイサーはゼロワンと似てるところがあるって話したっけ。全体のためを思って、個別のロイミュード/ヒューマギアを撃破する感じが。今回のデッドゾーンを超えそうになったら止めるっていうのも、暴走したマギアを止めるのに似ている。
・心臓と脳味噌……ではなく電気信号にこそこころは宿るという(言ってはない)ボルトロイミュードか。まぁ1クールのボスとして理解できんことはない。ロボットの幽霊って、ネタとしても面白いしね。
・何だったか忘れたけど、聖なる夜のクリスマスにも願い事が叶うんだっけか。チェイスに願いが届いたのはそれが人間のルールだから?
・タイプテクニック、全身緑ってのは当時からぎょっとしたというか、やっぱ素直にかっこいいってよりはオモシロ路線だよね。公式読本でもそうだって書かれててちょっと安心した。
しかしそれにしてもなんでよりによって緑なんだろうと思ってたけど、ブレンとも一応対になってるのか。赤いハート、黒いチェイサー(メディック)、緑のブレン。
でも「トライドロンのテクニックが緑だから」が説明になってないように、ブレンが緑だからってのも合わせて同時に決められた可能性があるので、他に緑である理由を探さなきゃいけない。
最初に思いついたのは、まぁざっくり言えば赤の補色が緑だから対比としてそうなった可能性。厳密には違うけども。もう1個は信号の色が赤(止まれ)と緑(進め)だから。黄色いドライブはいないけど、強いて言えばタイプワイルド ダンプとかタイプスペシャルがそれに当たるだろうか。というか、信号機の色自体も補色だからってのが理由だったりするのかな。
・今回から登場メディック。誕生ではないけれども、演出意図としては完璧に『フランケンシュタイン』だよね。ちゃんと見たことはないけども知識として知ってる範囲で話をすると、落雷のエネルギーで生まれた名前のない怪物は、生みの親であるフランケンシュタインにせめて孤独を癒やすための自分の伴侶(つがいとなる女の怪物)をつくるよう懇願するが、その願いは果たされない。
1話のアイアンが一瞬女性の姿を模していたことを除けば、女性型ロイミュードは初登場だし、まさにロイミュードとしては念願の存在と言えるのだろう。

 

仮面ライダードライブ 第2クール 感想メモ

機動戦士ガンダム 感想メモ

最初にちゃんと最後まで見たガンダムはUCで、その次がオルフェンズ。割と本流を知らないまま派生作品だけ見てる気持ち悪さはありつつも、かといってファーストガンダム50話見るのも大変で何度も挫折してるしなぁ……ってことで、図書館にあった劇場版を見ることにしました。以下は簡単な感想メモです。

 

 Ⅰ

・近所からあんな風に毛嫌いされてたら、引きこもってヒネた機械オタクにでもなるしかないわな。しかも本人とは関係ない親父の事情だし。ハロを作ったのも寂しかったからってのがあるのかな。「基本動作はコンピュータがやってくれるのか、親父が熱中する訳だ」というセリフから、どうやら父親のテムは特にAI分野の研究をしているっぽいので、自律型おしゃべりロボのハロもその技術や理念を踏まえてつくられたのかな。
しかしアムロ・レイって改めて考えると普通に日本人の名前っぽいのに、ちょっとイントネーションいじるだけでそうじゃなく聞こえる不思議。

・民間人よりガンダムを優先させろ……と言いつつ、アムロには「避難しないのか?」と心配する様子を見せるテム。アムロが怒るのも分かるくらい、割と身勝手な言動。まぁ当の本人はこうして現場で命張って作業してる訳だし、せっかく作り上げた連邦の希望を守りたい気持ちも分かるけど。でも劇中の会話だけからは何を目的にしてるのかはイマイチ分からん。出撃させずに今はともかく格納するつもりなのか、避難民の集まってくるホワイトベースを護る役割で起動するつもりだったのか。
他の明確なパイロット候補がこの場にいないっぽいところを見るに前者にも思えるけど、その場合アムロガンダムで出撃したのには親への反発心ってのもあったのかな。親父が夢中になって完成させ大事にしまっておきたいガンダムを、敢えて戦場に出して危険に晒すというのは。彼が戦う覚悟を決めるまでの感情の流れが、何度か見てるけど僕にはあまり伝わってこないのよね。ノリが軽いっていうか。でもそういう、こんな機械に夢中になって自分を放っといたことに対する苛立ちとかがあって、ガンダムを壊してやろうとかついでに自分が死んでも父は悲しまないんだろうとか、ある種やけにも近い感情が心の何処かにあったんだとしたら、なんとなく分かるかな。……エヴァ的な見方に寄り過ぎ?

・ザクのマスク様パーツを剥がす印象的なアクション。あんまり意識することないけど、歴史的には仮面ライダーの方が古いんだよな? なら、マスクを剥がすという行為にはそれなりの意味があるかもしれない。
話は逸れるけどゴジラウルトラマン仮面ライダーのシン化の流れ、作品が生まれた順にもきちんと沿ってるんだな。特撮じゃないけど、シン・ガンダムとかやって欲しい。あぁいうリメイクものって、教養として見た方がいいんだろうけどなかなか腰が上がらない……って層にとってはかなりありがたいものなので。

・「逃がすものか!」
なんで? 一応表向きには、家族を殺されたフラウを見てもうこんな犠牲は出すまいみたいな動機があったんだろうけど、それなら深追いする理由はない。敵討ち? と考えるのが一番しっくりくるけど、正直そこまでの積極性は乗ったときのアムロからは感じられなかったんだよな。うーん。
爆発を起こさずに倒すために(特撮に慣れてる身としてはコペルニクス的発想だが)コクピットを正確に狙おうってのも、そこまできちんと考えが回ってるなら人殺しの実感も湧いてこようものではないかと思うのだけれど、とにかく反応薄いんだよな。セリフが全てじゃない、表情から読み取れと言われたらそれまでだけれど。

若さ故の過ち……有名なセリフだけど、これもなんの話をしてるのか掴み取れないぞ。そもそもシャアっていま何歳なんだと思って調べたらなんと20歳! この貫禄で僕より年下な訳あるか! 中の池田修一さんは当時29歳とまぁ"分かる"年齢。でもあれか、発展途上で寿命も短かった頃は10代で大人の仲間入りしたりするし、アムロくらいの年齢から兵役につくこともあってしかも戦争中だから人もバンバン死ぬ……と考えたら、今の世の20歳とは精神的成熟度が違って当たり前なのかもしれない。
で、結局過ちってなんのことなのか。手柄を焦って命令違反を犯すジーンに過去の自分を思い出しているのか、それとも現在進行形でジーンの暴走(そしてデニムが止められない)を予想できなかったことについてなのか……両方ってことも有り得るか。

・なんでカイは突然叩かれたんだ……? 怪我人を前にしても手を貸す様子がないから? 不良みたいな口の聞き方ってのもよく分からんし、セイラさんが言いがかりつけてるようにしか見えない。空気読むのは苦手なんだ……。

・シャアとセイラの血縁に関しては、セリフだけでなくご丁寧に服まで同じ赤色で、説明するとことしないとこの温度差が激し過ぎてミスリードなんじゃないかって気にすらなる。

・相手がザクなら人間じゃないんだ……? はてなマークしか浮かんでこないので検索したら「人間と違って的がでかいからビームライフル当てやすい」と書いてあって膝を打った。その発想はなかった!

・今回のシャアとの戦闘はかなり見応えあった。素人が操作してもシャアを驚かせるほどの機体性能を持つガンダムと、訓練を積んだパイロットが乗ってうまいこと援護が成立するコア・ファイターの対比がいい。ガンダムコクピットになる訳だからコア・ファイターの方にもAIによる操縦アシスト機能はあるのかもしれないけど、もしパイロットが逆だったら、アムロの方は使い物にならないまま撃ち落とされて終わりだったのかもしれない。
ガンダムの方にエヴァのようなパイロットを固定せざるを得ない理由がある訳ではなさそうだし、じゃあ何故素人のアムロを乗せ続けるのかというのは普通に気になるとこだけど、ガンダムの性能でカバーすれば素人でも戦えるから単純に戦力が増えるってことなのかも。ヒロアカじゃないけど、レベル1とレベル50では、1レベルアップまでに必要な経験値の量が違う。つまり、レベル50のガンダムにとっては多少経験値のあるパイロットが乗ろうが素人が乗ろうが、大して変わらずレベルは50のまま。対してコア・ファイターはレベル20くらいなので、経験値ある人が操縦すればレベル25くらいのパフォーマンスが可能……みたいな理屈なのかもしれない。『DRIFTERS』で信長が銃のことをそんな風に説明してたっけな。
あと、ガンダムのAIは現状アムロが操縦したケースばかりラーニングしてるから、乗れば乗るほど他の人が操縦する際にアムロの癖とソリが合わなくなったりするのかもしれない。エヴァにも初号機にレイが乗る為にはプログラムを書き換えないといけないみたいな話があったし、AIアシストがない普通の自動車でさえ、中古だとハンドルやブレーキなどに前の持ち主の癖みたいなものが残ってたりするらしいし。

・大気圏突入の隙を狙って攻撃という無茶をやれるのも、ジオンには失うものが少ないからって感じがするな。シャアはジオンのエースだろうとは言え、それでもまだ本部にはザクも兵士も潤沢に控えているのが伺える。対して連邦のMSはこのホワイトベースにあるガンダムだけで、これをなくせば後はない感じがする。っていうか、逆にこれまでどうやって戦争してきたんだ? 戦車とか戦艦だけで戦ってたってことなのかな。

・「モビルスーツで戦う方がよっぽど僕らしくないよ!」
うわ、衝撃のセリフ。この一言好きだな……『仮面ライダー』だけを見て本郷猛という人間について分かった気になるのはおかしな話で、本来の本郷猛は仮面ライダーではない時期の方が長いただの人間だったはず。だから仮面ライダーとして戦っているのはあくまで特殊な状況であって、彼らしさは別のところにあるはずだ……みたいな話を(全話見たわけでもない癖に)したのよね、昔。「もはやこれはガンダムじゃない」みたいな問題にも通ずる話なのでぜひ読んで欲しい。(参考:"仮面ライダー"の定義を考える/自然と自由の象徴として)

・現場を、戦場を知らないってあんた、地球にジオンの領土があるってことは戦争して奪われたってことなんじゃないの? 地球は敵にとっては最終目標であって、むしろ最前線なのでは。コロニーが落とされたってのも地球の話だよね。

・「できるな」「分かるもんか」
これ、さっきアムロもブライトか誰かに対して同じように毒づいてたよね。ブライトとアムロって、実は似たもの同士なのかもしれない。こちらも若いのかと思ったらなんと36歳! シャアとどっこいぐらいかと思ってたけど、案外年下にいいようにされてるって感じなんだな……。

アムロは大気圏突入してから急にやる気なくしちゃったな。これが地球の重力ってやつなのか……コロニーやホワイトベースにも重力があるけど、もしかすると実際ちょっと気だるくなるぐらいの差はあるのかもしれない。

・「できればやっている」というこのセリフは、一瞬ガンダムパイロットを選ぶのかと思ったけども、単にその間ホワイトベースを放ってはおけないからってことなのかな。ここでも割と自由に出撃するジオン側との違いが見える。ガルマやシャアが背負ってるものは、ブライト(が自分で思ってるもの)ほど重くないらしい。連邦は本当に、量産して数で勝負というよりは、ガンダムホワイトベースにすべてをかけてるんだな。量産が追いついてないだけで、本当は強いのがたくさんいればいいんだろうけど。
アムロが返した言葉が「できるからやってる訳じゃない(つまり自分だってできない)」なことが、パイロットに何か資格が必要でアムロだけがそれを満たしてるって訳じゃないことを物語っている。ひょっとすると皮肉かもしれないけど。

・そして有名な「ぶったな」のシーンだけども、ブライトさんアムロが喋ってからノータイムで殴るから、こっちの感情がイマイチ付いていかないんだよな。劇場版だからカットされてるのかもだけど。
一時停止してよくよく咀嚼してみると、ブライトさんは実際にパイロットとしては全く素質がないボンクラで、それでも意地と努力で期待の星であるホワイトベースの乗組員にまで上り詰めたのかもしれない……だとしたら、できてる癖にできないって言うアムロに腹立つのは分かる、というところまで思考が追い付いた。でも二度目のビンタはなんでって説明できないな。「安っぽい人間に見えますか」のどこに腹立ったんだろう。さっき言った通り2人は案外似たもの同士なところがあるから、ブライトさん自身彼にはシンパシーを感じてたので、"安っぽい人間"というのが自分にも刺さる気がして逆ギレした? まぁ逆ギレするような人は高いか安いかで言ったら安っぽいわな……。
アムロアムロで、なんかこれまで嫌々乗ってきたかのような口ぶりだけど、1話では誰に言われた訳でもないのに本当に突然思い立ったように自分から乗ってたじゃん。元を正せばシャアたちが責めてきたせいで戦うことになった……という意味では確かに本意ではないんだろうから、それで「シャアめ」なんだろうけど。
しかし、なんで「親父にも打たれたことないのに!」なんて情けないシーンが有名なんだ? 「悔しいけど、僕は男なんだな」の方がよっぽどいいセリフなのに。フラウを危険に晒さないように戦う決意を固めるというのは間違いなく"男"だし(エヴァの1話にも通ずるね)、1話とほぼ同じ流れだったのであちらの説得力も増した。あの時は今回とは逆で、アムロの方がフラウを勇気付けてたけど。

・地球の重力のせいで気だるくなってやる気をなくしたんだ……とか半分冗談で言ったけど、吹っ切れた描写としてぴょんぴょん飛び回って戦う(重力に逆らう)ってことは、存外的外れでもなかったのかもしれない。
しかし「それでアムロよ」とはどういうことなんだろう。フラウにとってアムロガンダムに乗る以外取り柄のない男なんだろうか。まぁ、男の子が自分を守るためにロボに乗って命懸けで戦ってくれるなんてドラマチックなことがあったら、それまでの安穏とした日常なんかどうでもよくなっちゃいそうではあるけど。「私のために戦ってくれてこそアムロよ、戦わないってことはもう私なんてどうなってもいいってこと?」みたいな。え、なんかそう考えてくと「私がガンダムに乗る」って、乗る気なんかさらさらないのに自分を人質にとってアムロをやる気にするための方便に見えてきたぞ、なんて性悪な女なんだ……「悔しいけど」ってセリフは、アムロもフラウが本気じゃないと分かりつつも放っとけず女の口車にまんまと乗せられちゃう自分に対して言ってるのかも。

・銃を撃った反動で移動ってゼロワンでもやってたけど、このシャアザクが元ネタ? それとも更に元ネタがあるのか。

 

エスパーかもしれないって、後々を考えると重要そうなセリフだけど、やっぱり文脈が読めない。むしろアムロの方がマチルダに対して「何もかも知ってるよう」と評していた流れじゃん? それも急だったけどさ。アニメ版なら違うのかも……と思うけど、前に見た感じはどっちにしろ難解というかよく分かんなかったからな。
・仮にも地球で暮らしてたブライトの方が占領したてのジオンより地理に詳しくて、野球場の存在に気付けたといったところだろうか。そんなに有名なドームだったのね。

ガンダムの宇宙移民って、てっきりテラフォーミングされたどっかの惑星に置いてけぼりにされた人々が長い年月をかけて力をつけて地球の方に逆襲しにきている、地球人からすれば実質宇宙人との戦いみたいなものだと思っていたのだが、月の向こうとかそんなとこだったのか。びっくらこいた。

・戦争ものというか歴史っぽい感じの作品って、とにかく勢力図を把握するのにめちゃくちゃカロリー使うから、ファーストガンダムは何度か見ようとしてきたけど「アムロたちVSシャアたち」っていうある種アイコニックな構図が崩れてガルマっていう存在が出てくる辺りで、いつも視聴をやめちゃってたのよね。「あーこれ以上複雑になるとわかんない、もうムリついていけない」ってなる。
僕の中ではガンダムの壁としてずっと生きていたガルマが、ついにさっき死んだことになる。それを機にザビ家の面々が出てきて更に複雑になった訳だから、"壁"自体は死んでないけど。ガルマの置き土産ってところか……。

・実家が連邦軍の兵士に占領されている、ここもなんだか気持ちよくスパッと割り切れないところよね。ジオン軍だからって殺せばいいってもんじゃないというのは重ね重ね描かれてきたことだけど、連邦の人間も(少なくともアムロ少年にとっては)とてもひどいことをするっていう。客観的に見れば、廃墟と化した家に上がり込んで酒飲むくらいならそんなに罪の意識を持つようなもんでもない、況して戦争中の兵士が数少ない楽しみとしてって言うなら、素直に謝っただけ随分マシ。
アムロは幼少期大切にしていたであろう人形を見て、母との別れを思い出す。テムは技術者として純粋に、コロニー建設の様子をアムロに見せたいらしい。親心っぽいものなのは分かるけども、それがアムロにどう影響するのかよく分からないのでこれまた置いてけぼり感。母親の方は話から察するに、宇宙へ行ったことはあるものの体が弱いかなんかしらの理由で具合が悪くなってしまうのかな。高山病になりやすい体質とかあるけど、多分そんなイメージ。アムロが人形を持って行かなかったのはすぐ帰るつもりだったからかもしれないし、或いは残される母親がひとりぼっちにならないようにみたいな子供なりの気遣いだったのかもしれない。生きているにも関わらずそんなアムロの大事な人形を置いて行ったということから、母親がいかに慌てて、泣く泣くこの家を捨てたかが分かる。

アムロはなんでわざわざりんごおばさんにあんな声をかけたのか。僕はたまたま岡田斗司夫さんのガンダム講義を並行して見てるのでなんとなく思ったのは、劇場版ではカットされてるけど「アムロホワイトベースの中で食料の奪い合い(子供がトマトを盗んだり、大人が子供から食べ物を盗んだり)が常態化しているのを見ている」という描写があったからこそ、コインを拾ってる間にもう何個か持っていくつもりなんだと分かったし、それが許せなかったのかなと。特にアムロガンダムパイロットということで自分だけは多めに食事が与えられることに引け目を感じていたらしいので、恥ずかしげもなく弱いものから搾取する兵士に苛立つ。そこに家を占拠されてたことの腹いせも手伝って、あんな殴り合いに発展したと。

・ちょっと待ってやば……しんど……。
先程兵隊にも物怖じせず突っかかったように、死線をくぐり抜けてたくましくなってしまったアムロ。木偶(でく)人形を動かして遊んでいた頃とは違い、今はガンダムという兵器を動かす立派なパイロット。それでも生身の人間を撃つことには多少の抵抗を覚えていた彼だけど、おそらくフラウのときと同じく大事な母親という存在がすぐそばにいたからこそ、その身を案じる気持ちも手伝って敵兵を一方的に撃ち殺すということをやってのけてしまった。明確に目の前にいる人間を殺してしまったその瞬間、彼はもう引き返せないとタガが外れて、もう一人の兵士に向けむちゃくちゃに銃を乱射する。
そんな風に母を思う気持ちも半分くらいあっての行動だったのに、当の母親は「そんな子に育てた覚えはない」と絶句。これあれだよ、それこそ岡田斗司夫さんが解説してた『E.T.』の悲哀じゃん……母親からの拒絶……。
このチャプターのサブタイトルが"母性"ってのもなかなかどうして。子供に対して包み込むような愛情を与える反面、子供がその手の中から飛び出し自立することを許さないニュアンスも持っている(強くはならないで〜♪/無能)。いくら道徳を盾にしても、カマリアが言っているのは結局「あどけなくてかわいい子供だったあの頃のアムロに戻って」という我儘でしかない。アムロは、女の為に強くなれる……強い自分を演じられる"男"になってしまった。それが彼女には寂しいのだ。勝手な妄想だけど、多分アムロの性格から察するに(見た目は母似,中身は父似?)テム・レイも他のことには無頓着な生粋の機械オタクで、1話のアムロのように女の子であるカマリアに色々と世話を焼かれていたのだと思われる。そういうダメ男が好きな女としては、頼もしくなっちゃったら好きになれないのだろう。
「なんて情けない子だろう」というのも、本当にただ人に銃を向けるなんて云々って文脈で見るとよく意味が分からないんだけど(非情って意味なら通るがその用法あんまり見ない)、メタ的な視点から女(フラウ)にたぶらかされて……みたいなことに対して言ってるのだとすれば、理解できる表現。アムロ本人もその件については「悔しいけど」と漏らしていたので、彼に"情けない"と評されるような部分があるとすればそこぐらいのものだろう。同話で初登場したマチルダさんに、彼は恋をするらしいし。

・っていうか最初にアムロを見つけたシーンでも脇に息子っぽい子がいたけど、あの車の男の人を見るにマジで再婚してたのね。他の子はみんな戦闘機に寄ってったのに、一人だけわざとらしくカマリアのそばにいるからなんか怪しいなとは思ってたけど(正確にはもう一人子供がいたものの、こちらは他のモブと一緒にフェードアウトしている)。前の夫から反省をして、機械(戦闘機)には興味を持たないように育ててるのかもしれないとか考えると若干ゾッとする。

・さっき人形を置いてった理由は「残される母親がひとりぼっちにならないように」じゃないかと言ったけども、ここまでの流れを踏まえてみると家に置きっぱなしだったのも忘れ物として届けに来たのも、制作サイドからの「(新しい家族がいるから)もう彼女にとってアムロは要らない」という隠されたメッセージめいたものを感じる。
この離別を経て、アムロは明確にマチルダさんを求めるようになる。

・劇場版ではうまいこと母との別れが原因で白目になってるみたいな感じで繋がってるけど、テレビ放送時の順序は逆なんだよね? イセリナさんと一体何が……。
・グフ……めっちゃ活躍してるのに、アムロが不調っていう分かりやすい言い訳が用意されてて微妙にケチついてるのが販促番組の悲しい性だな。まぁ、素人の操縦するガンダムと互角くらいなシャアのメンツもあるので、これくらいの塩梅が実際ちょうどいいのかもしれない。

・はー……! 一握りのエリートだけが特権階級に甘んじる連邦の態度が、"超高性能なたった一体のガンダム"という存在にも如実に現れてるのか。しかもザク達と違って、パイロットの安全確保のためにコクピットが脱出用の戦闘機になっているという好待遇。ガンタンク,ガンキャノンと合計3機あるけども、ザクと比べたら狭き門なことに変わりはない。結局ジオンも「選ばれた民」を名乗ってる訳だから同じ穴のムジナだが。
1つ目のジオンと、2つ目のガンダム。連邦(複数の国)vs国という構図からも明らかなように、"独裁"に対する反発心……多角的視点の推奨というのは根本的なテーマではあるんだろうな。

獣電戦隊キョウリュウジャー 1〜12話 感想メモ

獣電戦隊キョウリュウジャー 13話〜 感想メモ

 1話「でたァーッ! まっかなキング」

・ゴレンジャーは漫画を1,2話だけ見たことあるくらいだけど、確かライダーとは対照的に戦隊側のシンボルが鳥だった気がする。そう考えると鳥の先祖(って表現でいいのか?)となる恐竜モチーフというのは、案外戦隊の王道を付いてるのかもしれない。そういやジュウレンジャーなんかは初代パワーレンジャーでもあるんだっけ。
・しかしこうやって改めて説明されてみると恐竜って不思議だな、"強い"と"絶滅した"という相反するイメージを兼ね備えてる。「あいつらを絶滅させるためには巨大隕石でも落とすしかない」みたいな感じで逆に強さが強調されてるのかしら。
・"日本らしさ"って竹やぶなんだ……どこかって言うと中国っぽいぞ、パンダとか。まぁ中国らしさ≒日本らしさみたいなとこはあるのかもしれないけど、かぐや姫ぐらいじゃないか? それ以前にヨーロッパとか北極圏ってだいぶざっくりだなってところからツッコんだ方がいいのか? それ言ったらロシアやアメリカは広いから国名だからってざっくりじゃないことにはならないけど、社会科マジで嫌いだったので数年前の僕だったらヨーロッパって国の名前だと思ってただろうから、日本,アメリカと並べるのは子供の教育上よくなさそう(ロンドンってイギリスよ)。"南海の孤島"はまぁ分かるとしても。
・キング、顔と声と所作が好き。その代わり、知能指数が下がってほか4人にまったく興味を抱けずモブに見える。
・後に大森Pがゼロワンを手がけたってこともあるけど、それを差し引いても敵のモチーフが"感情"ってのはすげぇ不思議というか気味が悪くて面白い。だって普通そういうのってフィクションじゃ肯定されるものだから。
・あと喜怒哀楽のうち喜と楽って何が違うんだ? ってのは肌感覚として確かにあるものだけど、それだけに留まらない哲学的意義が何かあるのだろうか、ラッキューロには。或いは意味がないことに意味があるタイプの存在にも思えるな。報連相の報告と連絡は何が違うんですかって思うけど、ほうれん草とのシャレであることにひとつの意義があるみたいに、"4である"こと自体が重要なのであって、楽は数合わせに過ぎないのかも。賢人トリン(3)に対する4(過剰)とか、若しくは戦隊5人に対する4(不足)とか。偉そうなのは百面のカオスと言うらしい。百面相って言ったら逆に表層的なもので感情のこもってない表情ってイメージなので、確かにどんな感情なのか分からないカオス状態。
・「人類自らの手で滅亡を食い止めるのが自分と恐竜達の夢」……って、恐竜は食い止められず滅亡した癖になんでそんな上から目線なんだ? 昔の強かったデーボス軍には勝てなかったけど自分らが弱らせたから人類でも勝てるだろみたいな話?
性自認ならぬキング自認とは一体……他者からの評価で自己規定しているようでいて、おそらくそれを自ら名乗っちゃうような自信家なところがキングと呼ばれる所以だと思われるので、王らしく双方向に循環している。最近だとキングオブアーサーとかが分かりやすいかな、セイバーがキングエクスカリバーを振るったかと思いきや、キングアーサーがセイバーを振るうこともある。人民の支持によって王は力を得て、その力で王は人民を支配する。
これはキョウリュウジャーとしての力もそうなのかな。キョウリュウジャーは獣電竜の力で変身して戦ってるんだろうけど、その獣電竜の力の源である獣電池には変身者がブレイブを込める必要がある。
ファミリーレストランで出会って、それだけでなく基地までそこにあるとなると、「戦隊メンバーとは家族みたいなものだ」ってことなのかな。そんなに詳しくないなりにしっくりくるものはある。
・順序が逆だが、ダイゴとガブティラの関係はキュウレンジャーのラッキーとガルのそれに似てるな。「俺はお前より強いから心配すんな」って。
・獣電池は全部で4本なのね。
・デーボス軍なのに肝心のデーボスが不在(無根拠性)ってのも、そういえば感情に通ずるものがあるな。ゼロワンでは仮面ライダーってこともあってそれがポジティブに捉えられてたけども。逆に循環は無根拠性を否定する簡易な方法のひとつ(ミュンヒハウゼンのトリレンマ)。
・第1話の敵はなんと氷河期そのもの。コオリワルドを見た後なので残念ながらそこまで規模がでかいようには見えないんだけれど、構図的には恐竜が勝てなかった相手に、恐竜と人間が力を合わせることで勝てたってことになるのかな。獣電竜たちの体は機械らしいし。
冷たいとか冷酷って"感情がない"と捉えられることもあれば、逆に"そういう感情"として見る向きもあり、『ユーリ!!! on ICE』なんかではアイスとのシャレでテーマでもある"愛"の象徴として描かれたりもしていたな。
キョウリュウジャーにドライブにビルドに、デザインとして胸に同じ向きの斜線があるのが気になる。"カミツキ(反骨精神)"がキーワードのひとつだし、斜に構えるってのは重要な要素なんだろうか。全体として本作は"王道"って括られてることが多いイメージだけど。
仮面もなかなか面白くて、でっかい口の中……獣電竜で言えば獣電池がある辺りにマスク様の模様があることでそこが口に見えるようになっている(今回のフィニッシュ技みたい)ので、表情があるんだかないんだかよく分からない。というよりは、比較的素直に感情表現をする動物(恐竜)に、嘘をついたりと複雑で分かりにくい人間の力が加わる……ゼンカイジャー的に言えば"ひみつのパワー"ってところだろうか。メンバーがお互いの素顔を知らないってのもそうね。

 

 2話「ガブリンチョ! カミツキがったい」

・デーボ・ペシャンゴ……"ヘコむ"から悲しみの怪人って訳ね、なるほど。
・兄とはいえ旦那じゃないブルーに対して、姪っ子のためにあそこまでキツい言い方するか普通? 元からそういう話だった訳じゃあるまいに、自分が勝手に産んだ子供の世話を手伝わせといてなんであぁも偉そうなんだ? 「ブルーがいいやつ」って思えるバランスを逸してる。
それとも出産前に旦那さんが死んで堕ろすかどうか迷ってたけど彼が背を押した(から責任がある)とか、そういう経緯があるんだろうか。
・最初から敵が巨大戦力も投入してるけど、わざわざお約束を破ってまでやる意味があるのかイマイチ分からない。破ったからには、これから先ずっとそれを続けるか、続けない理由をきちんと用意するしかない訳だけれど。
……でもまぁ、復活直後だから兵力が潤沢なだけかもな。最高傑作(自称)だったヒョーガッキがやられて戦力が削がれたみたいに、ゾーリ魔も今はたくさんいるから贅沢に使えるけど、だんだん倒されていくにつれて慎重に投入するようになるってことで、フェードアウトさせられるかもしれない。
・僕「え、それ壊しちゃうの?」
 敵「壊れたのになぜ泣かない」
 僕「だよね」
 ア「あなたなんかに人間の強さが分かるもんですか」
 僕「えっ、その言葉僕にも刺さるんだけど」
今回の理香の物分りのよさにはかなり違和感があるというか、ご都合主義を感じてしまう。何歳だか知らないけどあんな10歳にもならなそうな子供(子役の年齢は8歳)に、「恐竜は壊れちゃったけど、命は助かったからよかったと納得する」なんて理屈が通じるとはとても思えない。仮に子供だということを考慮しない場合、一度はあの恐竜のために彼女は身を呈した(つまり恐竜>自分)にも関わらず、自分が助かったから恐竜は壊れてもいいってのは、やはり若干納得し難い。あの時は咄嗟だったから……ってのは分からんでもないけど、わざわざそんな無理のある流れにしなくても、理香ちゃんが恐竜を守る以外の流れで危険な目に遭うようにするか、恐竜を犠牲にしないで助けるか(だって仮にもダイゴと同じく生身で獣電竜に勝った男でしょ)のどっちかで全然成立する。
もっと言うなら、流れ的に「家族へのリスクをカバーできるほどブルーは強い」って話だったのに、強いは強いけど大事な恐竜のモニュメントは犠牲にせざるを得ませんでしたって、それはちゃんちゃらおかしいじゃない。それで理香は悲しんでるけど、例え一時的に憎まれても命あっての物種だから後で説得して分かってもらうんだとかそういう話ならまだしも、「一度は壊れて悲しんでたし身を呈すほどに大事だった恐竜を壊されても今度はにこにこ笑ってました」は都合良過ぎだって。大好きな青いヒーローが助けに来てくれたからそっちに気を取られて恐竜はもうどうでも良くなったとか、そういうことでもないし。
そういうのぜーんぶひっくるめて自覚した上で、一旦ニヒリズムを経由して、「人間の感情は複雑で簡単に割り切れるものじゃないから、ここで笑うことも有り得なくはない」っていう"敢えて"の違和感なのかもしれないけど。
公式HPで「"バモラ! ムーチョ!"って直訳すると"とっても行くぜ"となりやや意味不明」と解説されてるのとか、アイガロンが何でもかんでも悲しい悲しいって言ってるのがあんまり本気に思えないように演出されてる(笑ってるときもあってこそ涙が際立つのであって、四六時中泣いてるならそれはもう無表情と同じ)のを見ると、そういう可能性もなくはない。「〇〇だから悲しむ(のが当然)」っていう風に割り切れてしまったら、その"感情"は条件反射的な反応に過ぎないと思われかねない。何故かは分からないけど笑みが、怒りが、あるいは涙が出てくる……感情や思いの力がシステマティックで無機質な唯物論と区別されるためには、そういう神秘性(よく分からなさ)が必要なので。
「変身するときなんでいちいちダンスするの?」って疑問のナンセンスさも、そういう視点に立つと理解できる。

 

 3話「あれるぜ! ざんげきのブレイブ」

・アミィはグリーンのような笑顔が目標……なのかと思ったけど、逆か。簡単に笑顔を見せないのが目標か? どちらにせよ、一応はジェントルの言うこと聞く気もあるんだな。
・「おつりは要らない」って本当にやられたら困りそう。
・気持ちは分かるけど、自分は生身でも平気で戦う割に他人の心配はするんだな。モンスター>獣電竜って訳じゃあるまいに。
・ガブリボルバーはカリバーと合体する都合もありそうとは言え、なんで電池入れるところが2箇所もあるんだろう? と思ってたけど、考えてみれば本物の電池もだいたいが2本1セットで、1本だけ入れて使うってなかなか見ないな。1本を普通に使える最小単位にすればいいのにと思うけど、プラスマイナス的な仕方ない理由があるのだろうか。変身ベルトは3本のこともあるけど。
・スピリットベースに置いとけば自然と充電されるんだ? そういや1話で日本は集まりやすいとか言ってたような。こういう細かい設定って、むしろ子供の方が児童誌とか図鑑で読んでて詳しいのかもな。
・ソウジくんはキングと呼ばれて嬉しいのか……? それともキングに屈辱を味わわせたいのか。でもダイゴは別に他人をキングと呼んで悔しがるような小さい人間ではない気もする。自分から提示したくらいだから実は悔しいのかもしれないけど。
・あの流れなら剣の勝負で銃使うのは反則……って、僕も空気読めないので全然分かんなかった。言われてみてもなお「そう……なのか?」って感じ。ソウジが銃使わないのはソウジの勝手って言うか、単に練習してないのが悪いんじゃないの。実戦じゃそんなの関係ないし、剣を得物に選んだなら、剣で銃にも対処するのは当然でしょ。
……これもしかしてあれか、外国人が「変身とか名乗りの隙に敵が攻撃しないのはおかしい」みたいな感覚に近いのか? 日本特有の"空気"というか。
色々言ったけど、素直に負けを認めるソウジくんは潔くて割と好きだよ。でも本当はただ負けただけなのに周りに「キングずるい」って言わせることでソウジの好感度が上がるのは、なんか微妙に騙された感ある。
・プラスマイナスって話したけど、ディノチェイサーは陰陽の太極図に似てるよね。竹林も手伝って中国っぽさゼンカイ。
・満月(大根)斬りというか円月斬りというか、ともかくこの切り方(厳密には切り方とは関係ないモーションだけど)ってよく見るけどどれが元ネタなんだろう。僕が覚えてるとこだとシンケンオーとか、ゴーカイジャーでもジョーの先輩がやってたよね。
・銃撃にバイク関係あるのか? と思ったけど、銃自体が高速移動してたら弾丸にもその分だけ初速度が足されて強くなる……か。分かるような分からんような。銃撃ってビームみたいな扱いされることも多いから物理的速度が力になってるって言われてもあんまりピンと来ないな。じゃあビームってなんなのと言われるとそれもまたよく分かんないけど。
・ロボの顔が「くわっ!」ってなる演出、ガオレンジャーの時から正直あんまりかっこよく思えないのよね。あれは古い作品だからCGのクオリティ的なもののせいだと勝手に思ってたけど、単純にロボ(機械)……それも非自律型のものに表情があるってことが気持ち悪いのかもしれない。
・ソウジくん、むすっとしてても元がかわいい系の顔だからか、あんまり「初めて笑ったね!」って感じしないな。EDで笑ってるからってのもあるだろうけど。

 

 4話「うちぬけ! ゆうきのガブリボルバー

・いつも違う女を連れてるって、それだけ振られてるってことなんじゃないの……? あ、じゃなくて飽きて自分から振ってるのか。自分を基準に物事見てちゃダメだよな。でもひどいなそれ、慰安って響きのせいもあるかな。
キャンデリラは確かに選ばれてないけど、部下のラッキューロは毎回出てるのであんまり気にならないな。笑顔を集めるって扱いにくいから、喜と楽が一緒くたになってるのはそういう意味ではいい采配なのかもしれない。理由はまだよく分かんないけど。
・かっこつけたいキャラとしては、バレてるのを下手に隠そうとするよりは動じない姿を見せる方が確かに効果的かも。
・イアン・ヨークランドってなんか聞き覚えあると思ったらリオン・アークランドだわ。黒いし。しかしどう見ても友達と名前逆じゃないか? 名前と顔が似合わない同士で気があったってところだろうか。まぁでもブラックがシローじゃおかしいか。
・ダイゴの言動、そんなことは別に描かれてないのに「彼も過去にトラウマをきちんと乗り越えた経験があるんだろうな」って感じさせる何かがある。ただ顔がいいから僕が無意識に贔屓してるだけかもしれないが。
・ん? スピリットベースでのチャージとブレイブインはまた別なのか。単に戦士の体力を温存するためって訳じゃないのね、イマイチ分かんないけど。
・見てる側としては画になってるから気になんないけど、5人揃ってポーズするときそっぽ向いてる2人ってどういう気持ちなんだろ。キャラも、スーツアクターさんも。
意味的には「戦隊だからって完全に意志が統一されてる(=ショッカー)訳じゃなくて、それぞれ微妙に違うところを見てるやつもいるけどそれでも力を合わせてる集団なんだ」みたいなことなんだろうけど。カブトの"共立ち"みたいな。
・キョウリュウジン ウエスタンね。そういえばブレイブ"フロンティア"とコラボしてたこともあったっけ。でも西部劇に斬撃の要素ってのは寡聞にして知らないな……そもそも西部劇自体よく知らないけど。まともに見たのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part3』と『ヘボット!』くらいでどっちも二次創作みたいなもんだし。でもイアンってアメリカじゃなくてヨーロッパにいたんじゃなかったっけ、いや間違ってはないんだろうけどさ。マカロニとかスパゲッティとか。

 

 5話「ドゴォーン! ムシバのアンキドン」

・過去作とはとマジで何も関係ないところで先輩だ後輩だやってるのがなんか面白い。「誰!?」感だけで言ったらディケイドのリマジキャラより強いかも。ニンニンもそうだけど、アニバーサリーイヤーでもないのに勝手に盛り上がる感じ割と好きよ。
・不謹慎だってちゃんと謝ってたけど、ノッさんの気持ち分かるな。ギャグのつもりじゃなくても、同じ発音の言葉って無意識に連想するからついつい出てきやすくなるのよ、普通に。
・戦隊をつくることはトリンの悲願だったらしい。キョウリュウジャーのコンセプトは、後のキュウレンじゃないけども「一人ひとりが十分な強さを持った"勇者"で、それが集まることで更に強くなる」みたいな感じらしいので、過去の戦士たちは個性……というか我が強過ぎてチームにはなれなかったのかね。
・主人公が牙の勇者だしカミツキ合体するし、それで虫歯の怪人って訳ね。キャンデリラのデビューでもあるし、見なくてもいい番外編的な単発回かと思いきや、まだ一応本筋なのね。まぁアンキドンの販促しなきゃいけないから捨て回であるはずがないんだけど、"ムシバ"って単語だけでなんか「あーはいはい、あんまり関係ないバラエティ回ね」ってなっちゃうのは僕がおかしいのか? なんかサブタイで損してる気がする。僕が子供だったら、どうせ歯磨きしろって説教されるんだろって思っちゃいそう。
・ブラックは……というかよく見たらブルーもピンクも顔の周りの黄色い牙の部分がギザギザしてないけど、パラサウロロフスたちって歯ないのか? 草食だからって歯がないってことはなかろうが、臼歯にしたってギザギザではなくともデコボコした線にはなりそうなものだけど。
歯っていうか、クチバシを意識したデザインなのか。
・「素直じゃない」って言われてすぐさま謝るしお礼も言うブラック、素直じゃない人の中では素直。でもそうね、例え相手がどんなに嫌いなやつでも、ありがとうとごめんなさいぐらいは言うのが人として最低限の礼儀よね。
・アンキドン、ムシバじゃなかった……? それどころかマジで今回の話とはなんも関係なかったじゃん。なんかズルいな。次回予告で次回の"ヒキ"の映像流すのが好きじゃないんだけど、それと似たような嫌さがある。期待させといてそりゃないよ。


 6話「ストップ! うたうキャンデリラ

・獣電竜はでっかいから、ウイルスの影響が出るまでに時間がかかった……? なんか、自分では納得できるんだけど人に説明できないな。
・地底移動速度を計算して考えられる範囲を探していた……って、所詮5人で探せる範囲なんだからよっぽど遅いんだな。速度って聞くと速い気がする不思議。
・普段いい子ちゃんとして自分を偽ってるアミィだからこそ敏感にラミレスの隠してた真意に気付くってのは分かりやすくていい。
・今回敵とは別にキョウリュウシアンも出てくるから、そのスーツをつくりたい都合で予算節約するために前回のパティシエはスーツじゃなくて服なのかなーとか思ってたけど普通に怪人体もあったし、なんならもう一体ウイルスのが出てきたしで大盤振る舞いね。
・ひえぇ……好きにならせといてぶん殴って"治療"とか、想像しただけで恐ろしい。恋を治すって聞いて一瞬でも成就させてあげるのかと思った僕が馬鹿だったけど、ラミレスがドン引きしてた(私の恋も終わった)のも頷ける……。
・あーね! メインが坂本監督だから(今回は違うけど)、キョウリュウジャーにとって敬うべき先輩ってパワーレンジャーのことか! ネイティブなBrave in!聞いてやっと分かった。そりゃ確かに、ゴーカイジャーも扱わなかっただろう。そういえば現代のメンバーも、ほぼ日本人だけど一応規模的にはワールドワイドに集めてたっけ。
・ステゴッチとドリケラは無印だから無個性扱いなのかと思ってたけど、なるほど他のやつと合わせてコンボ(?)になるのね。ソウジくんかわいい。

 

 7話「いかれ! ダイゴのだいピンチ」

・周りからは「軽っ」と言われてるけど、きちんと一瞬戸惑う演技が挟まってるのが自然でいい。それでもなお貸すのがキングの器って感じ。
・置き手紙も大事なもんのはずなのに島に忘れるって……弦太朗やんけ。フォーゼの時は「塚田さんの構成論的に忘れさせざるを得なかったので、仕方なく神棚に置いとくというフォローをした」みたいな述懐してた(公式読本)けど、それを経て神経図太くなったんだろうか。
それともあくまで絶対忘れないというのは弦太朗の話で、キングのパーソナリティなら忘れててもおかしくないと思ってるのか。や、でも改めて並べてみるとこの2人、僕の中ではかなり似たところに属してるけど。
……と思って1話を見返してみたら、彼に限ってはトリンのワープで意図せず来日しているので、まぁそれなら確かに置いてきてるのは無理もないかな、と理解できる。できるが、視聴者の全員がこの小さな違和感のために1話を見返してくれると思ってる訳でもないだろうから、今回だけ見て「父の置き手紙を忘れてきたやつ」と捉えられてもそこまで間違いじゃない,問題ない、と制作陣は認識していると思われる。全話執筆だからこそできる整合性の取り方ではあるんだろうが、だからといって視聴者に全話視聴の義務はないので、描写の積み重ねというのも良し悪し。尤も、置いてきたことはともかくとして、それを今の今まで忘れてたことは結局変わらない訳なので、どっちにしろ……という感じはあるが。
なんとかフォローを試みるなら、リュックに入ってる旅の道具が必要ない程度にはスピリットベースで落ち着いた生活ができてて、仲間とも家族のような関係を築けている……ということの表れなのかもしれない。無理がある。
・せっかく演技で「ちゃんと大事なんだな」って感じたのに、リュック忘れてるくだりのせいで「本当にそこまで大事だったのか?」って疑念が生まれてるの、めちゃくちゃもったいないな。キングの真骨頂が出てるすげーいい話なのに。
・前に見たときは、キングageする代わり普通に仲違いしてる4人の株が下がってるような印象を受けた気がするんだけど、そこは今見ると違うな。
つまんないとか足太いとか、4人が受けたのは正直子供の口喧嘩レベルなしょーもない罵倒なので、まぁ喧嘩するほど仲がいいってことで理解できる範疇だけれども、キングのペンダント壊すのだけはみんなドン引きしてた通りマジで洒落にならんので、だからこそ「そんなことするはずない」って思考になる。

 

 8話「ココドコ? めいろをぶっとばせ」

・理香の異様なまでの物分りの良さは、もうそういうキャラ付けってことで押し切るらしい。ブレイブ過ぎてなんも言えねぇ……。
・ノッさんの妹は旦那が親父ギャグ好きだったことくらい知っとけよ。じゃないと偽物だって証明にならんだろ。逆になんで知らないことしたの、意味分からん。2話もだけど、ノッさん絡みのドラマになるとどうしてこう変な話運びになるんだ?
「あんなに毛嫌いしてた私を?」ってのも、"キョウリュウブルー"に向かって直接毒吐いてたことなんてあったっけ。こっちはちょっと記憶曖昧だけど。
・ちょー今更だけど、すくすくジョイロってJOYとかかってるのね。
・ヒーローがおっさんじゃ悪いって感覚がよく分からぬ。昭和のヒーローなんて(当時はともかく)みんな偉そうにしてるいいおっさんじゃない。30歳と思ってるより全然若いけどヒビキさんもいるし。実際、役者さんの年齢は年々若くなってる気がするけど。奥野さんなんてマジ高校生だったもんな。トッキュウジャーも中身子供だし。
年齢それ自体じゃなくて、ギャグを含めた言動と合ってなくて引いてるって話なのかもしれないけど。

 

 9話「メチャつよ! プテライデンオー」

・マントって元々自分を大きく見せて威圧感を出すためのものなので、悪役ですよってアピールとしてはすごくぴったりハマってると思う。でもその悪役っぽさは一周回ってかっこいいので、素のプテライデンオーが弱く見えないか心配。
・百面神官ってのがいるくらいだから、ドゴルドの顔が面だったことにはそれほどの衝撃はない。だったら他の連中も元は人間で感情の仮面をかぶってるだけなのか、或いは中身のない空っぽなガワだけの存在なのかな……とは思うけど。仮面が割れてからは、怒りだけじゃなくて戸惑いとか恐怖みたいなものが垣間見えてるのもいい。
「ひ弱な人間」というのも、自分のみも自分で守れず死んで自分を一人ぼっちにした仲間たち、そして何より仲間を守れなかった弱い自分への怒りからくるものなんだろう。この辺の"自分への怒り"って部分は、こないだのキングの話にも通ずるものがあるね。
・ファングショット。武器にせよロボにせよ、割とすぐ合体しちゃうことも多いけど、やっぱり合体のいいところって強いものと強いものが合わさって更に強くなることだと思うので、まず個々の強さをきちんとアピールしてからの方が絶対合体後もかっこよく見えると思うんだよな。その点、イアンが使うんじゃいつも通りだけどキング一人で2つ使うっていう印象的な活躍させてから合体ってのは、結構良かった。

 

 10話「ザンダーッ! ゴールドふっかつ」

ドゴルドは怒ゴールドって……そんな自慢げに言えるようなネーミングでもなくないか。ドゴルド自身は空蝉丸が入る前からずっといたんだから、ダブルミーニングの2つ目にゴールドがあるくらいなら分かるけど、他の意味は特に思い当たらないし。怒号……ルド? 怒るど?
・ソウジの父親みたいな脇役をこうやって有効に再利用するのはいいと思うけど、せっかく「息子さんは強いから大丈夫」って話するならそこまでに見せ場つくっといてよ。特に弱いとは思ってないけど、今回だけ見たらまだアミィのズボラさに助けられただけじゃん、今んとこ。カットされたのかな。
ラッキューロも一応男の子らしいし、大森さん的には男女比4:1が一番しっくりくるのかね。キョウリュウジャーのアミィ、デーボス幹部のキャンデリラ、ドライブ45話で5人変身した際のメディック、ゼロワンのバルキリー
話逸れるけど、後者2つは構図がかなり似てるよね。ドライブ,ネクストシステム2人,ロイミュード2人ってのが、まんまゼロワン,エイムズ2人,滅亡迅雷2人ってのと対応してる。
・本作はパワーバランスが本当によく分からない。調子いいときは一人で幹部とも互角以上に渡り合えるのに、展開的に一旦やられるパートだと複数人でかかってもやられたりする。実際勝負にはそういう時の運的な側面もあるからある意味ではリアリティと捉えることもできるけど、まぁ普通にどうしても「都合がいいな」って気はするよね。
ゴールド登場で既存メンバーが霞まないように、わざわざ幹部勢揃いさせてバトルしてるんだろうけど。
ドゴルドの面が剥がれるのと連動してプテラゴードンもバイザーが上がって目が見えるのは面白い。空蝉丸なんて名前だから、せっかく中身が顕になっても空っぽってどういうこっちゃって感じだけど。
空蝉にはセミの抜け殻じゃなくて現人の訛りとしての意味もあるらしくて、古の戦士だけどスピリットレンジャーじゃなくてまだ生きてる人間だぜってことを強調する意図もあるのかな。
・ノッさんはいつもおじさんいじりされてるけど、それで言うと空蝉丸も結構年いってそうに見えるよな。時代錯誤な衣装と、あと顔の迫力な。肌の質感がどことなく『JIN-仁-』の大沢たかおさんに似てるのもあって、それこそ40近いって言われても納得してしまいそうな風格がある。400年前ならちょうど江戸時代? 仁は幕末だが(注:戦国時代だそうです)。しかしラミレスといい、おっさんを個性にするには被り過ぎでは……(笑)
装備はちょっと和風なくらいで、基本は普通に他のメンバーと同じくカタカナだけど、鎖国より前に伝来してきたのかな。つーかトリンはワープできるんだからあんま関係ないか。
・ザンダーサンダーは2本だったガブリボルバーから進化して電池3本。斬だー3だーって訳ね。電池モチーフで雷属性なんだからそりゃ強いわって感じの納得感があるけど、既存の5人は特にそういう属性みたいなのないのでなんかそう思うと寂しい気もする。
・元々3:2だったのに、ゴールドが加わったことで4:2になってしまった。何がって、顔に牙のデザインがあるかないか。やっぱ歯があった方が噛み付いてる!って感じするのに。ゴールドを除けば、胸にはみんな牙のギザギザがあるからいいか。
・登場、プテライデンオー。等身大じゃ完全に上位互換なのかなってくらい強く見えたけど、ロボだと神(キョウリュウジン)から王に格下げしてるのね。向こうは3体合体で、こっちは1体だからだろうか?
ジン=神ってことにしてるけど、一応"人" って可能性も無きにしもあらずで、その場合は王の方が強そう。

 

 11話「ウッチー! クールでござる」

アイガロンキャンデリラがベチャクチャ喋りながらも柱に触れるとこ、なんかめっちゃ"仕事中"って感じがして、妙にリアルで面白い。つまんない仕事でもこんな風に雑談しながらやれたら毎日そこそこ楽しいんだろうけど、そんなことしてたら僕の場合絶対にミスするからなぁ……。
・ゴーストでアカリがアイドルやってたとこか? 思いっ切り人間をdisってる歌詞なのに知ってか知らずかこんなにファンができてるのは、なんか小説クウガで見た光景だ。
・アミィ、やめよう? それ。ホントに。やめとけって。のび太だって時々気の迷いで、自分が大好きなしずかちゃんにやっちゃうくらいで、それですら多少は罪悪感とか覚えてたと思うけど(少なくともストーリー的には天罰食らう)、躊躇一切ないじゃん。まぁデーボモンスターにやったのはまだ理解もできたけど、自分はかわいいから何やっても許されると思ってるでしょ。それとも片恋したことないんか。
なんかこうしてムキになるのも馬鹿らしくなってきた、言えば言うほど自分が惨めな気持ちになるだけだわこれ……。
・武士(たぶん)が! 頭を! 下げた! しかもこんなにあっさり。こないだ『JIN-仁-』の話したけど、あっちはROOKIESの御子柴(名前が出てこん、確か恭太郎)が頭下げるまでを1時間かけて描いてたのに。
まぁ考えてみたらアミィはいいとこの出だから"平民"ではないのか。ウッチーはウッチーで剣の腕を見出されて成り上がったらしいから、お互い「ガラじゃないのに高い身分を与えられた」みたいなとこでも無意識にシンパシー感じてたのかもね。せっかくドゴルドの仮面が取れたのにまた別の仮面を被るとは、忙しない人だ……。
しかしなんかシンケンピンクみたいなこと言ってるな。
・一輪車…………もうちょっとなんとかしようとは思わなかったのか。どう取り繕っても結局は役者が得意だから披露しますってことでしかないから、開き直ってるのかもだけど。キャンデリラの人間態にもなんだか似たようなノリを感じるな。
・なるほど、ガブリボルバーは2本させるから予備として倍の4本。ザンダーサンダーは3本だから予備も増えて6本って訳ね。そうでなくても変身アイテム用と攻撃アイテム用で別個に用意しなきゃいけなくて消費激しそうだし。
そもそも獣電池ってどうやってつくられてるの? キョウリュウジャーの5人はもっと予備つくれないの? 等の疑問は浮かぶけど、正直別に電池の残り本数とかいちいち気にして見てないからな。どうでもいいっちゃどうでもいい。

 

 12話「ブットバッソ! せっしゃとキングどの」

・「人の良さ」って自分で言うことじゃない、けど、多分アミィの言葉をそのまま受け売りしてるだけなんだろうから素直さの表現になってるのちょっとうまいな。"尋常に"とは正々堂々みたいなニュアンスで、素直という意味でもあるらしい。
・前回今回と、連続で生身の人間を相手にするタイプのデーボモンスター。本当に生身好きなのね、坂本さん。まぁ僕はキングが見たくて見てるようなもんだから、本作に関しては有り難いけど。
ゼンカイもそうだったけど思いっ切り端午の節句だ。しかもまさに5月5日が放送日なのね。相撲のくだりとか唐突過ぎると前見たときは思ったけど、男の子が強く成長することを願う行事だし、時候を踏まえると自然だ。
ただ、元々は女性の行事だったとか。マツ知らの鯉のぼり特集で「女性に感謝して休んでもらう日だった(から、童謡こいのぼりにはお母さんが出てこないのではないか)」って話を聞いたんだけど、なんでも前日の4日には女の人が身を清めるために菖蒲で覆った小屋に籠もるのだそう。なんだか『生理ちゃん』で読んだような話だな。だから前回は、突然一輪車まで出してきてアミィを立ててたのかもしれない。
・既知の仲だったトリンの口出しもあってウッチーの虚勢は有名無実と化してたものの、そんなこと知る由もない当人が本音を漏らしたのは、2人きりになってみるとやっぱり親方様に嘘は付きたくなかったってことなんだろうね。 
主君を失ってるっていうのは、なんだか今のデーボス不在なデーボス軍みたいだな。
・強く育つよう願われている剛をはじめとする男の子たちはキョウリュウジャーに庇護され、ウッチーが守らなければと思ったキングは守られるまでもなく強い男だった。
・ガブティラが霧を超えて察知できたのはまぁ順当に、2人が分かりあったことでモチベーション上がって、いつもよりブレイブなるものが強く出ていたんだろう。
・雷の戦士なのにめっちゃ晴れ晴れとした表情……! でも「荒れるぜ」だからやっぱり雷って感じもする。あ、天気の話ね。"青天の霹靂"って言葉はあるけど、あくまであれはつくりばなしであって実際にあった訳ではないと思う、多分。"観測史上初"とは言うが、人類が観測を始めたのなんてたかだか数百年前とかだからアテにならん、みたいな話をどっかで聞いたように、地球ができてからの長い年月に一度くらいはそんな信じられないことが起きててもおかしくはないかもけど。

仮面ライダーゲンムズ ─ザ・プレジデンツ─ 感想

 前編

・名前つけろって言われて迷わず厘って答えるあたり、ヒューマギアのことはすげー見下してるんだな。本編でどんなだったかとかもう覚えてないけど。
・不必要に命を削る必要はないと思うぞ……むしろ健康を保つのも仕事のうちなんじゃないか。社員を使い捨ててそうな天津的にはそうなのかもしれないけど。
・バグスターウイルスって元がコンピュータウイルスだから、アークが生み出せるってのは理に適ってるのか。「それが人間に感染するようになった」っていうとびきりのファンタジーは、エグゼイドの初期設定なのでもう受け入れるしかない。異世界ものに「ドラゴンなんている分けないじゃん」とか言っても仕方ない、そういう世界なんだから。
ゼロワン世界でのエグゼイドは、あくまで高度な科学考証に基づくサイエンスフィクション作品として存在していて、科学的にあまりに正確だったが故にアークがバグスターウイルスを再現できてしまった……ってところだろうか。世界観的にエグゼイド達が実在したとはあまり思えないので。
・「自分も社長だったからストレスが分かる」→「部下を奪って孤独にする」ってことは、黎斗自身が孤独にストレスを感じてたってことになる訳だけど、その辺は確か小説から感じた気がする。厘≒イズ≒ポッピーとして見てもまぁ分からん話ではない。そういやぁジオウじゃ比奈を娶ろうとしてたなんてこともあったっけな……。
・黎斗、基本何言ってるか分からんから字幕付けてくれ。
・ゲンムズってタイトルだから、まぁゾンビの増殖か大穴で清長でも出てくんのかと思ってたけど、正宗かよ。"ゲンムズ"て、ゲンムが複数じゃなくてゲンムとその他色々って意味でも取れるのか? そういう用法、見たことあるような気もするしないような気もする、英語は分からん……。

 

 後編

・むぅ。まぁヒューマギアの言動が少しズレているのはいつものことなので、前回の予想(エグゼイド作中作説)をゴリ押ししてもいいんだが、一応は素直に受け取っておこう。
ジオウとかでよく使う思考法だけど、根本的に、ゼロワン世界にあるエグゼイド(幻夢Co.)が我々の知ってる『エグゼイド』と同一である保証はない。ただそっくりなだけの別世界かもしれないし、逆もまた然りで今回の作品はあくまでエグゼイドwithゼロワンという体なので、エグゼイド世界にあるサウザー(飛電In.)が我々の知る『ゼロワン』のものと同一であるとも限らない。そんならサウザーが黒くたって別にどうでもいい。
・宿主≒本来の目的を食い潰し蔓延していくそれ自体は無意味なウイルスって存在(主客転倒)をうまく話の構造に落とし込んだなって思ったけど、多分これ本編でもちゃんと意識されてたんだろうな。ゼロワンの作品かと思ったらゲンムが乗っ取って、でも最後はきっちりゼロワンに立ち戻る。なんなら正宗も黎斗もいつも以上に演技がキモかったから、マジで役が演技してたのかもしれない。ウイルスの方が宿主の影響を受けることもあるってのはパラドが証明してたはず(ゲーム好きは永夢由来)ので、彼らはあくまで天津の心の葛藤を代弁していただけなのかもな。
じゃあ天津は何に悩んでたのかってのは、まぁ正直真面目に考える気もないんだけど、最初に発症したときのセリフが「命を削って職務を全うしなければ……」だったところから考えるに、彼にも一応罪悪感めいたものがあって(RTの最後の一言はちょっと感動しちゃったクチ)、気概としては死んで償うぐらいの気持ちでいたんだけれども、普通に動物として生きたい、でも生きていいのだろうか……みたいな葛藤とか、そんなもんでいいにしましょう。ウイルスごときでも必死に生きようとしている姿を見て自分も生きて償う決意を固める……いい話なんじゃないの、知らんけど。

 

本編

エグゼイド感想一覧

ゼロワン感想一覧

特捜戦隊デカレンジャー 1〜12話 感想メモ

 

 1話「ファイヤーボール・ニューカマー」

・マスクが尋常じゃないくらいツリ目だな。結婚式場壊すし、髪の毛はハネハネだし、刑事だからっておかたく見えないように敢えて悪く見せたい?
・バンバンって名前は銃声かな? 当時、主人公のメイン武器が近接じゃなくて銃、しかも2丁なのは驚いた気がする。赤座はなんだろと思って調べたらアガサ・クリスティだと、まさかの女性モチーフ。しかもその後「+番茶」って書いてあるからなぜ急に番茶? と思ったけど、ホージーとかいるしみんなまとめてお茶由来ってことのね、クリスティもなんならそれに引っ張られてるのか。でもやっぱりなぜお茶。
・なるほど、ファイヤーボールってのは銃弾ってだけじゃなくてパトランプでもあるのね。納得感すごい。関係ないけどディズニーの『ファイアボール』って短編アニメは超オススメ、非常にユーモラス。
・いきーているからつらいんだー♪ 歌って場が和むのかと思いきや逆効果でした……って、ドジっ子的な演出なのか? とも思ったけど何事もなかったかのように真面目に指示してるからびっくりしたよ。ヒーロー見参、ヒーロー見参、ヒーロー見参……。
・最初の敵がバランス(しかもみんなして天秤"野郎"呼ばわり)って、まるで平和な日常をぶっ壊すって宣言みたい。悪さ(はぐれ,あぶない)をチラつかせたいのはバンに限った話じゃないのかな。
・ボスの口が常に半開きなのが気になる……。
・変身アイテムが警察手帳ってのはなるほど。確かに普通の人かと思ってたのに突然「こういうものです」って出されて刑事だと判明するのは"変身"みたいなもんだ。

 

 2話「ロボ・インパクト」

・「杳として知れなかった」だって。中学生の頃でさえ知ってたか怪しい表現だ。一般的な認知度は低くても刑事もの界隈では聞き慣れた表現だったりするのだろうか。
・バンは命令を無視した、らしい。言ってるのがクールじゃない仕切るなマンなので信憑性は微妙。上からの指示ってよりはセンちゃんによる現場の判断って感じだったので、同じく現場の判断でバンが殺すのもアリっちゃアリなのかもしれない。というかそうじゃないならマジでごめんじゃ済まん。デリート許可出てるのも描かれてないけど大前提。……まぁ少なくとも一人殺してるし、そもそもロボだから人権とか無いのかもだけど。
・「意味不明物体巨大版」……1話の時点から聞いたことない単語だったから若干引っかかってたけど、ジャスミンはこういうちょっと意味分からないことをボソッと言うキャラなのね。そうと分かったら正直好き、黄色だし。
・ふーん、なるほど。ボスの意図としては、絶妙なバランスでおかたくまとまってる4人へのアンチテーゼとしてわざわざ場を引っ掻き回すバンを入れたって感じなのかね。攻殻機動隊の少佐がトグサを引き入れた理由、みたいな。
・宇宙人的にはエスパーなんて珍しくもないって感じの反応が面白かった。ちょうど同じ時期のアギト配信じゃ真魚ちゃんが特別な位置にいるから。というか木野さんじゃん。
・クールじゃないだけで飽きたらずナンパまでし始めたぞホージーくん……バンはともかくイメージと違いすぎる……。
・パトシグナー(あと光るだけだと思ってたパトアーマー)、実力行使の戦隊メカとして見たら役立たずもいいとこだと子供心には思ってたけど、ある程度の遵法意識がある人間だったら普通警察に「止まりなさい」って言われたら従っちゃうよな。というか実力行使なんてしないに越したことはない訳で、こういうメカがあることによってSPDがただ敵を倒しゃいいと考えてる訳じゃないってことに説得力が出る。「(乳も肉もあまり食べないし毛も取れない……)おいヤギ、お前なんの役に立ってんだ? ちゃんと牧場の役に立ってるのか? はたらけヤギ」「いじめんな! ヤギをいじめんな!」
・ウォータースライダー(仮)で出撃するのは楽しそうで当時から好きだったな。
デカレンジャーロボ、めっちゃなで肩なので正直いつ見てもあまり強そうには……。でも逆に丸みがあるから安心,安全,平和みたいなイメージは持てるかも。子供の頃、初めて手にしたDXロボはこれだった。と言っても何年か経ってから飽きた従兄弟に貰ったんだけど。食玩のならデカベースロボについてたちっちゃいやつを持ってた、あれよくできてたよなー。
・みんなで力を合わせるんじゃなくて一人で勝手に武器合体させてトドメ、しかも4人は後ろで見てるだけ……王道作品みたいな呼ばれ方してるのもよく見るけどかなり尖ってるよな。

 

 3話「パーフェクト・ブルー

・人間だからミスはする……それは正しいけども、そう言って開き直る態度が駄目なんだと何故気付かない。
アキバ系犯罪者って偏見マシマシだけどいいのか。この問題意識そのものが「オタクと犯罪で連想するものがある」という前提がなければ生まれないものなので、ツッコんだ方の心が汚れてることになるから大っぴらに問題視もできないのかな。

 

 4話「サイバー・ダイブ」

・1,2話からまるでいい印象のなかったホージーが、まぁ仕方ないとはいえ勝手にミスして勝手に落ち込んで……正直興味ない。なんならバンより自尊心が強そうだったのは、実際これまで一度もミスしてこなかったという実績からだったのかと一応腑には落ちたけど、第一印象が悪いとなぁ。
あれだけいがみ合ってたバンの方はというと、1話での叱責(勝手に倒してんじゃねぇ)が効いてるのか2回も大人しくホージーの言うこと聞いてる訳だから、そこと比べてもやはり見劣りする。
・「見なよウメコ」テレレ‐
…………どういうこと? 一時停止してしばらく眺めてみたけど、マジで何言ってるのか分からない。まずもって一体どこに1があるのか、そんで他にたくさんある柱と何が決定的に違うのか、皆目見当が付かない。ジャスミンに念写ができれば、もうちょっと視覚的に分かりやすくなったろうに。
白い部分がめっちゃ横幅の広い1に見えると言われればまぁ分からなくないこともない。柱と違うのはただの棒じゃなくて上にチョン、下に横棒のついた紛れもない"数字の1"であること……だと無理に解釈しようにも、ジャスミンのイメージを見る限りは飾りのないただの棒なんだよなぁ。
なんか見れば見るほど怖くなってきた。彼らには何が見えてるの……?
・営利誘拐の罪が果たしてデリートに値するものなのかはともかくとして、デリートの方法に関しては一切問われないのだろうか? 殺人,殺人,営利誘拐と今回のケバキーアが一番罪状的には軽そうなのに、2人分の攻撃を受けてるから見た目的にはなんか苦しみが強そう。同じ殺すにしてもせめて苦しまない方法で……とか、そういう発想はないのかな。
ウェルネストーンにしたって、他の犯罪者に売ったらそりゃ確かに大変なことにはなるかもしれないけど、本人が悪用するつもりは一切なかった訳だし。
・反省してちょっとは丸くなるのかと思ったら偉そうな態度に磨きがかかってむしろ更にウザくなったな……。
ホージーを信頼したり励ましたりするところで、最初からバカキャラとして配置されててハードルの低いバンの株は上がってった、相対評価だけど。あと、一人がミスしてもみんなでカバーして取り返す……って意味で、チームとしてのデカレンジャーはいい関係だなって思うけど、ホージー個人に対しては結局魅力を見出だせなかった。

 

 5話「バディ・マーフィー」

・ライセンスがないウメコ……これはどっちなんだ? もし本来持っていて然るべきものならバンやホージーほどではないにせよ割とやっちゃってる感じだけど、そもそも勤務中じゃないのに警察手帳持ち歩いたりその身分を使うのってアリなの? なんか直感的には駄目っていうか、ヒーローとしてどうかはさておき、仕事として割り切るなら休みの日はちゃんと休むのが無難に思える。デカレンジャーは職業柄、事件が起こったら本来呼び出されて出勤扱いになるから結局いつも携帯しておくのが当然、なんだろうか。
まぁ、1話じゃウメコはプライベートで巻き込まれつつしっかり対応してた(歌うたって犯人刺激してたけど)から、差し引き若干マイナス……ぐらい?
元よりデカレンジャーの面々を"デキる集団"として描く気がさらさらないのは分かってきたので、あんまりうるさく言う気にもならないけど。「そうですね誰にもミスはありますね」しか言うことがない。
・なるほど、携帯してたかどうかよりも紛失してたってのがまずい訳ね。言われりゃその通りだ……けど、バンとホージーの時は叱る様子がまるでなかったボスなのでなんで今回だけ? という気持ちはある。あっちの方が確かにミスとしてはやばいけど、だからこそ2人とも最善を尽くそうという気持ちがあったにはあったんだろうから叱らない、でもウメコのは単に気が緩んでただけだから叱る、みたいな線引きなんだろうか。理解はできるけど、絵面としてボスには(特にバンを)もっと引き締めといて貰いたいものがある。
・人型わんわんがメカわんわんに指示を出している……ミッキーとプルート感……。しかしマーフィーはどう見てもaiboだな。
・周囲が呆れたマーフィーを、オイルの件を根拠に信頼するウメコ。彼女にも同じように周りは気付いてない長所が秘められてるって描写があったなら、似たもの同士ってことでボスがコンビに選んだことにもある程度の納得が行くのになと思ってたけど、マーフィーの賢さに気付く洞察力がそれに当たるのかな。そうか。
・ずっと思ってたけど、ナレーションいっつも説明の体をあまり為してないよな。説明してる風って感じ、エグゼイドみたいな。
・犯罪者になら水ぶっかけてもいいってか……。地活で水風船のぶつけあいみたいなイベントがあったんだけど、僕そのとき友達に買ってもらった服着てたからどうしても濡れたくなくて「濡らしたら蹴るからね」って予め言っといて距離置いて座ってたのに水かけられて、我慢できなかったから約束通り蹴っちゃったことがあったんだけど、向こうが先にやってきたのにこっちが一方的に悪いみたいに言われてどうしても解せなかった。絶対このエピソードは言わない方がウメコを責める正当性を保てたと思うけど、書いてちょっとすっきりしたからいいわ。

 

 6話「グリーン・ミステリー」

・え、バンだったら頭に雑巾乗せてるだけで雷落とすの!? ボスの怒る基準がマジで謎過ぎる……。そもそも何が悪いんだかよく分かんないけど、そのままの姿でデカレンジャーとして出動するのはマヌケでチームの尊厳を傷付けるとか、単純に気が緩んでるとか、そんなところだろうか。
でもまぁ、センちゃんが男性メンバーの中で一番しっかりしてるのは2話,4話で描かれてるからな。バカ2人と違ってきっちりやることやって、その結果ナンパしてないのに女性の方から食事に誘われる。デカレンジャーの中じゃ今んとこ彼とジャスミンくらいだよ、魅力感じるのは。正直あんまり面白くないからはやく追加戦士出てこないかなってずっと思ってる。
・脚本の都合で考えれば単なるミスリードの為のセリフに過ぎないんだけど、それでも犯人を逃したことを悔しがるバンの描写は良かった。真面目さとか責任感とかそういうものが感じられない部分が彼の弱みなので、こういう小さなことからコツコツと信頼を回復してほしい。
・デリート不許可! 今回の件が冤罪で、巨大化して暴走したのもアブレラの仕業だとはまだ現場にいるデカレンジャーですら確信を持ってないことだけれど、宇宙最高裁判所はきちんと「疑わしきは罰せず」の精神を持ってることになる。きちんとそいつが罪を犯したという確たる証拠があって、初めてデリートの許可が降りる。でもこれまでのアリエナイザーはそんなにきちんと立証してた覚えないじゃん、と一瞬思うんだけど、だいたいが劇中には描かれてないところで大量殺人してるって罪で許可されてるので、そっちはおそらくきちんと立証されてるんだろう、と信じたい。パッと思いつく例外は、劇中で描かれた営利誘拐の罪だけでデリート許可されたケバキーアと、過去の犯罪はバレてなかったらしい今回のリドミハ星人カーサス。現行犯……と言うのかな、あの誘拐は。実際あの女性の近くにいて監視してた、デカレンジャーとも応戦したというのは我々が目にした通りだけども、デカレンジャー目線で"誘拐した"確たる証拠ってあった? 加担した時点でデリートされるだけの罪が設定されてるんだろうか。或いはこの世界では自白(自分が誘拐したと隠さない態度)だけで十分な証拠として扱われるのか。例え現実の法律に詳しくたって作中の法律がどうなってるかはまた別問題なので、この辺はなんとも言えないな。もしかしたらウソ発見器的な機械や、能力を持った宇宙人がいるのかもしれないし、それなら自白の有効性は段違いになる。今回のカーサスもそうね。
でもビル破壊が器物損壊に含まれてるのは微妙に納得いかねぇ、特撮のお約束とはいえ。
・環境汚染から豊かな水を守るとか、動物を殺して食べるなんて野蛮だから野菜食べようって言うヴィーガンとか、その辺のが今回のリドミハ星人のモチーフになってるんだろうけど、植物性宇宙人がベジタリアンだったらそれはもう本末転倒じゃないか?(笑) 我々は基本、同じ動物として鳥,豚,牛が殺されるのは可哀想って論調で「植物なら痛みや苦痛を感じない(と自分は思う)から食べていい」って言ってる訳だけど、植物が植物食べたらそりゃ結局同族殺しだよ。そもそも彼女の言ってることがおかしいのはセンが指摘した通りだけども。
・人とは違った視点でモノを見られるというのは確かに大きな価値だけども、自分の見つけた真実は正しいと妄信してまだ状況証拠しかない段階で車投げつけるなんて暴挙をかますのは結局普通にNG。ジャスミンが言ってただけなので、本当は何もする様子がなければ助けられる(それも当然、器物損壊をせずに)自信があったのかもしれないけどね。
最近得た知識だけど、医療には「蹄の音を聞いたら、シマウマではなく馬を探せ」という格言がある。要するに、一風変わった見解よりも、まずは定石の見方をする方が無難だってこと。そもそも、あらゆる可能性を考えるならリドミハ星人じゃなくたって高圧水流カッターを持ってれば誰でもできる手口なんだから。

 

 7話「サイレント・テレパシー」

・変身してから現場に駆けつけるとか、そういう変なところは理屈っぽいんだよなぁ……。
・あ、パトシグナーが指示を出している。なるほど、それで1話とか5話とかで自分がリーダーだとか言ってた訳ね。
・八郎ヶ岳ってまんまクウガの九郎ヶ岳だけど、特に繋がりも見つからない。
ジャスミンの能力はヒロアカのナイトアイみたいに、乱用するものじゃなくて"ここぞ"ってときのために取っておくべきものなのかね。今回のように手がかりが掴める保証もなく使いまくるのは効率が悪い。
・え、またオタクモチーフの怪人? しかも誘拐罪ってとこまでケバキーアと同じ。はー、なるほどね。本作のターゲットはあくまで子供であって、細かいこと気にするようないい年したオタクにどう思われようと知ったことじゃない、ってところか。
勿論子供に対しては真摯に向き合ってるつもりなんだろうけど、本当に子供が気にしないであろうことは気にしないと。まぁ、僕も子供の頃は実際楽しんでたんだから成功してるっちゃしてるわな。
・ひかるくんと会話するためには変身前のほうがいい、この辺も筋は通ってる。

 

 8話「レインボー・ビジョン」

・なんとなーくだけど、今回ゲストや話作りの感じがウルトラマンっぽい。子供に向けてるから、かな。
・いくら親友だって、心の中でくらい愚痴も吐くよな。むしろ、本当は嫌なところもあるのに我慢してまで付き合ってくれてる友達こそ、真に大切にすべきではないか。
・自分が自分を好きにならないと、誰も好きになってくれない……か。自分にも刺さるようでいて、それができたら苦労はしないよとも思う。
まぁ、子供には自分を好きでいて欲しいかな。どこへ逃げても、今は嘘になんかならない。
ジャスミン。優しくするのには、相応の責任が伴うと思うぞ。自分はあの時からドギーについていって、結果的に幸せになれたかもしれないけど、ドギーと違ってジャスミンは責任を持ってこの子を引き取ったりとかはしないで、ただ「自分を好きでさえいれば友達ができるはず」っていう信念(信仰ともいう)だけを根拠に、この世界に希望を持たせるだけ。期待しなければ裏切られることもないのに、期待だけさせるのは残酷だよ。
警察を志す人だからってみんながみんないいやつとも限らないし。

 

 9話「ステイクアウト・トラブル」

・ザムザ星人って明らかに『変身』だけど、どういう繋がりがあるんだろ。Pixivには「甲虫に変身したザムザから出身星名が取られたカブトムシモチーフの怪人という秀逸な仕様になっている」と書かれているが、こういうモチーフ同士の繋がりって見てる方は一旦適当に流してから後で「そういうことだったのか!」ってなるからすごいような気がするけど、つくる側としては別にそんな大したことしてないよな。だいたい逆で、カブトムシモチーフの怪人だったからザムザって名前になったのかもしれないし。
そもそも作中のグレゴールが変身した毒虫は、背中にリンゴを投げつけられたらめり込んじゃうような体だったはず。甲虫なんて、実寸大ならそれでもリンゴぶつけられたら潰れるかもしれないけど、等身大でそこまでのダメージがあるのかは疑問が残る。「鎧のように固い背」という記述も見られるので確かにそうなのかもしれないけど、まぁ足がたくさんあったりもするし、どんな虫なのかイメージを固定しようとすること自体がナンセンスな気もするが。
シェイクスピアの方はマジでなんも分からん。悲劇ばっかりだから爆発オチ?
それにしても、普通逆だよな。種族名が作家名(フランツ星)で、個人名がその作中人物の名前(ザムザ)、って方がしっくりくる。恋人はグレーテとか、作中人物ではないけどフェリーツェとか。その上シェイクスピアだからよく分からん。
・バンは……まぁ知ってるけど、本当に目の前のことしか見えないんだな。子供みたいだ。途中から自分でも嘘ついてること忘れて真実一路! とか調子のいいこと言ってるし。
・ホージー、お前の話はいちいち信用ならん。格好つけた分だけ格好悪く見えるから大人しくしてた方がいい。劇中じゃ振られてる回数のがよっぽど多いだろ。
・はぁ? この話まだ続けるのか。マジでタルい。

 

 10話「トラスト・ミー」

・「しょうがないよね、好きになっちゃったんだもん」
なんかそう言われると全部納得してしまう自分がいる。バンも知らなかったとは言え、傷つけてしまったことをひどく後悔してるみたいだし。
・カラフルな4人組が人目を憚る様子もなく尾行してるの、シュール過ぎて笑っちゃったんだけど、考えてみると一応筋は通ってるんだな。マイラは嘘つかれるのが大嫌いだって分かったんだから、こそこそするよりむしろ堂々と、あからさまにした方が彼女に対しても不要なストレスを与えずに済むし、彼女を狙うものに対する牽制にもなる。
・仕事中に私情を挟むのは最低だけど、プライベート(散歩)中に仕事(護衛)をするのは、まぁ駄目って意見もあるだろうが許容範囲ではあるかな。一応ここは成長って見方をすれば良いのだろうか。
何かあったときに責任の所在がややこしくなるから、職務中じゃない時に(無責任に)首突っ込まれるのは迷惑だろうけど、バンは良くも悪くもバカだから、建前上プライベートだからって仕事中のときと比べて無責任にこなすなんて器用な手抜きはできなさそうだし。第一職務中だからってきちんとこなせてる訳じゃないんだから同じこと。
・マイラの方も、1回嘘ついたからって他の全部も嘘になる訳じゃない、バンが自分を思ってる事実は変わらないって分かって自分も嘘をつくってのは、いい成長なんじゃなかろうか。
・前もやってたけど、ロボ戦やってから等身大の敵にトドメ指すのって不思議な感覚だ。まさにおまけというか、お膳立てって感じ。正直ちょっとテンポ悪い気もする。

 

 11話「プライド・スナイパー」

・あのホージーを信頼して任せてるってことで、ボスへの信頼が3くらい下がりました。セリフで説明されてる功績(今まで1回しかミスしたことない)だけを見れば確かにぼーっとしてるセンちゃんより平均点は高いのかもしれないけど、劇中で描かれてる性格の悪さがこっちのイメージの半分以上をつくってるからな。プライドの化物。
一応今のところ、指摘してることはまともだけど。誤字脱字はそりゃ直さなきゃダメだ。
・地球を覆ってるバリアってなくなったままなんだっけ? 突き破ってきたの?
・"あのホージー"が素直に笑ってる……なんか怖い……。
親友だからという私情でボディチェックさせずに侵入させちゃうのは、もう完璧にただのミスよね。ノーミス記録は終わっちゃったから別にいいやって開き直って、気が緩んでるんでないの。だって「スルーせずちゃんとチェックしてれば防げた」って、ケバキーアの時と全く同じじゃない。失敗からなんも学んでないのな、バンの方がよっぽどマシだよ。あいつは多分自分がバカだって弁えてるし。
・ドギーって普段から割とシュール担当だけど、撃たれるところはつい笑ってしまった。何しても面白いな、この人。
まぁ、自分がホージーに留守を任せた結果侵入を許したんだから、自分のせいよね。
・エグゼイドのときもそうだったが、ヒーローはヒーローでも仕事としてやってる場合、僕はどうしても「お前それで金貰ってるんだったらちゃんとやれよ」と思ってしまうのよね。もちろんデカレンジャーもその限りだったけど、ヴィーノの話を聞いてる感じ命懸けるには結構な薄給らしい。「命懸けて当たり前だと思われる」ってのも身につまされる話だし、それ聞いたらなんかもうちょっと優しい目で見た方がいいのかなって気になってしまった、少しだけ。
なんだかうまく乗せられてる気がする……。
・ヴィーノに勝負を受けるメリット皆無でしょ。特撮じゃ割とよくあることだけども、人質の命が懸かってるのにそんな無謀な取り引きを提案するのはダメだと思う。自分の命懸けるのは好きにすればいいが他人の命まで勝手に懸けるな。
副作用でトリガーハッピーになってるから受けるはずだ……とか、なんか理由があったのかな。うーん、なさそう。
・プライドたっけぇなとは思ってたから、それを"誇り"って言い換えただけでなんかかっこいい風に見せられて悔しい。でも誇りがかかってるなら尚更言動には気を付けたほうがいいよ。
・……ジャッジメント省略された?
・ナレーター、せめて彼らのことをプロフェッショナルと呼ぶな。まだまだひよっこだがこれから頑張って成長するぞとか、そういう表現をしてくれればまだ見方も変わるのに。

 

 12話「ベビーシッター・シンドローム

・お風呂も泡も嫌いなので、ウメコのバスシーン(1話のバスジャックに乗り合わせたのは洒落か?)は見てると不愉快になるな……。それが原因でウメコが嫌いってことにはそんなにならないけど、できればあんまり映さないでほしい。
・犬といい赤子といい、ウメコは自分より立場が下のやつとコンビ組まなきゃキャラ立てられないのかな。
ちょっとした描写からおしゃぶりが小さくしてたって気づく洞察力も、マーフィーの時と全く同じ展開だし。
ウメコは実は捨て子だった……みたいな話?

 

13話〜

機界戦隊ゼンカイジャー 感想メモ

 

 1話「キカイ世界はキキカイカイ! 」

・トジテンドだっけ。ポパーは未だに読めてないんだよな……。
・普段は受け入れられるけど武器を持つことで嫌われる 混乱の最中、急な判断
カイトはむしろあげる
・なるほど、一人じゃコンビ名も何もないもんな?
・泣いた赤鬼 五色田の認めたものが戦隊
・ゼンカイ1話を見返して改めて思ったのは、差別意識の描き方が分かりやすいのにめちゃくちゃ鋭い。パリピとキカイノイドが対立してるときに石を振り上げるとか、街が混乱してるときに(いいことを何もせず)存在してるとか、人間だったら「よかった仲間がいた、一緒に逃げよう」となるところでならない。
ジュランが受け入れられたのは"お茶とお菓子"を用意したからであり、子供を助けたから。彼らが仲良く共存できるのはあくまで"理性"で「〜だから悪くない」と差別心を抑え込んでいるからであって、咄嗟の判断ではなかなかそれがうまく機能しない。
介人が他の人と違うのは、差別心と親の功績色眼鏡が相殺されてて、"いいことも悪いこともしてないキカイノイド"に対してある程度フラットに近い感情を持っている点。いいことをしたジュランには、石を持っただけで拒否感を覚えたパリピとは対象的に、剰えガトリングガンを持たせる。
・そういやゼンカイザーって名前もロボっぽいな。
・介人も機械じかけ(参考:A Clockwork Organ『時計じかけのオレンジ』 感想)

 

 MOVIEレンジャー

・1話を見た今のタイミングだからこそ、キカイノイドたる彼ら4人が、キカイノイドではなく人間を優先的に守ってる描写だけで少しくるものがあった。あぁやって少しくどいくらい善行アピールしないと危険視されちゃうんだろうなぁ……って。
・でもその危険視っていうのも理解できるようになのか、ガトリングで連射するシーンは若干「怖い」とも思わせるようなバランスに演出されてるように見えた。少なくとも僕は怖かった。
・ひみつのパワー、理屈で説明しきれない人間の底力
・ナレーション効果もあって本郷猛の名前は有名だけど、アカレンジャーの本名は僕知らないぞ……MOVIEレンジャーで「(誰だか知らない)おじさん」扱いされてたのになんか納得しちゃったもん。

 

 2話「ガオな野獣がごやっかい!」

・着想を得ただけで自分たちの力な五色田の戦隊ギア、世界を閉じ込めてその能力を盗み使うイジルデのトジルギア。
・人間が苦しむ姿よりずっと心にくるな……小動物……
・マッシュルームマザー
・キカイノイドは元々支配下にあった訳だから攻撃して脅す必要がないので、人間だけに効く胞子。むしろ手先みたいなもの。
・キカイメンバーに"戦う前にまず変身する"という認識がないの、ただのお約束破るネタってよりは、普段は怪人vs人間なところが元々向こうもこっちもキカイノイドで存在的には対等だからってのもあるのか。
人間は敵と同じステージに立つために変身が必須だけど、ジュランたちはそうでもない?

 

 3話「マジでぬぬぬな魔法使い!」

・キカイノイドも人間と変わらない食事でエネルギーを得るのね……バイオ燃料ってやつ? そういやデロリアン生ゴミで動いたりしてたな、あれは核反応起こしてたけど。
・摩擦がなくなりなんでも円滑な世界……と書くといいことっぽいけど、それはそれで困るのかね。
・ぬぬぬ……指文字って大体は由来が分かりやすくて覚えるのも簡単なんだけど、"ぬ"は盗むって手話が元になってるらしい。これでもなるべく分かりやすくした方なんだろうから、ぬって音がそれだけ抽象的で説明しづらいってことなのだろう。
・知らない癖に雑に否定すんな、か。魔法って手品みたいなイメージで、やってる本人は科学的というか理屈を持ってるんだけど、その過程を知らない人が勝手に"すごい"と錯覚するものって感じがある。Dr.STONEのクロムが妖術使いって呼ばれてたみたいな。占いと宗教って割と近い存在で、宗教というのは宗(世界の本質,根本)を教えるものであって、仕組みを理解することで結果を予測しようって姿勢自体は科学とそんなに変わらないのよね。ただ手段が違うだけで。
「理由なんてなんでもいい、それで自分を奮い立たせられるならな」じゃないけども、哲学者ファイヤアーベントはこれをAnything goesと表現している。この考え方好きなので、これまでも何度かブログで書いてるけど。
・氷パワーが弱まったから滑らなくなった……? そもそも氷って触ると割とくっついて離れなくなったりすることもあるけど、なんか関係あるのかな。

 

 4話「ブルブルでっかいおせっかい!」

・図書館のシーンにどうして経済学のコーナーが2つもあるのか、好奇心のエンジンがブルンブr……。
・ブルーン、今回こそ説明役として便利に使われてるけど、視聴者の側で気になってることがあるのにそこに目もくれず他のことに好奇心ブルンブルンさせてたら若干ヘイト溜まりそう。
・大体戦隊メンバーの名前って(一般名詞だけど固有名詞的に使われた)戦隊名+一般名詞(レッドとかシシとか1号とか)って構成で、リュウソウとか違うこともあるけど、基本は既存の言葉を"組み合わせ"ることで固有名詞化するに留まってることが多いイメージ。白倉さんがお色直しって言ってたのと近い。対して本作は、個々人を識別する部分がジュランとかマジーヌとか、明確な固有名詞になってるのが特徴的。トジテンドの掃除係でも、ゼンカイジャーのブルー担当ゼンカイブルーでもなく、ゼンカイになったブルーン≒"ゼンカイブルーン"。一般名詞じゃない故に覚えにくいと感じられることを危惧してなのか、名乗りの時にしっかりカタカナで名前が表示されてるのも優しい。覚えてる大人からするとちょっと野暮ったく見えるかもしれないけど。
例に挙げたキュウレンはキュウレンで、「一人ひとりがスーパースター」ってコンセプト故に名前の中に戦隊として共通の部分がないという特異性があって面白かったけど。キュウレンレッドでもシシレンジャーでもなくシシレッドって、どっちも固有名詞っぽさがないから一歩間違えるとただの赤い獅子じゃん……っていう。
・今更だけど、プラットフォームって白か。
そっか、ゼンカイジャーって5人揃ったら4体ロボが、キラメイで言えば4巨神が最初からいるようなもんなのか。でも初回は早々に変形しちゃったし、あの姿のまま戦うってのは過去ロボモチーフって設定上あるだけで実際にはほぼやらないのかな。

 

 5話「握り握られスシ大会!」

・キカイノイド、寝るんだ。スリープモード? ガオーンは電気羊の夢なんか見たらキレそうだけど誰にキレるんだろう、自己嫌悪……?
・悲しみを忘れ、いないことを受け入れて生活していた2人にとって、また会えるかもしれないという中途半端な希望はむしろつらいだけなんだな。片親であることをずっと嘆いてたけど、いざ会ってみたら思ってたのと違った……みたいな、むしろいない方が楽なパターン。
・なんでボッコワウスにバレてるんだっけ?
・掃除係がうっかり通れるようなゲートはちゃんと一方通行になってるんだな。攻め返される心配なく一方的に侵攻できるとか、トジルギアも大概だけどそれ抜きでもだいぶエグい。
・一緒くたにする寿司 密になる恐怖
・「他人より自分が大事なのは当然」……言ってることは人間の利他的側面を理解できないロボットみたいなんだけど、言い方に心がこもってるので全然そんな風に感じない。
・ジュランの家族たち絶対トジテンドに攫われてるじゃん…………そりゃ"腐ってる"って言われるわ。改造されて敵として出てくるパターン?
風が吹けば桶屋が儲かる……寿司だけに? 入院中、どういう繋がりだったか記憶と推論で思い出そうとしたけど、他はともかく三味線つくるために猫を乱獲するって部分は無理だったな。覚えてる人がいたから教えてもらえたけど。
・等身大のまま巨大戦っていうと印象に残ってるのはホウオウソルジャーだけど、等身大のまま巨大マイナソーに攻撃したり援護したりするシーンも序盤は結構あったイメージ。リュウソウは一度倒さずに巨大化するのが特徴的だったな、それが果たして「ロボ戦が怪人倒したあとのおまけになってる」問題への対処のつもりだったのかは分かんないけど。
・ところで青山さんの声ホントかわいいな。
・ゴーカイのレジェンド関係ない個人回が僕はあんまり面白くなくて、「ディケイドやジオウはその辺ちゃんと弁えてて、レジェンドを扱ってく中でキャラへの愛着を持たせてから(あるいは同時進行で)ドラマを描いてた。ディケイドほどキャラの性質が"レジェンドもの"という大前提と深く関わってるようにもまだ思えないし、個人個人の魅力を楽しみたいなら他の作品見るんだけどな」って風に言ってたんだけれども、まぁ今回次回も似たような印象ではある。「レジェンド出ないのか、つまんない」に対する「不快不可解ゴミあつかい!」なんだろうと思うと、ごめんとしか言いようがないが。
戦闘シーンは、スーツが派手だから見てて楽しい。でもだからこそ逆にロボ戦が没個性,無難に感じてるところもあったりなかったり。

 

 6話「不快不可解ゴミあつかい!」

・綺麗な部屋ってのは不合理極まりない。欲しいものがすぐ目に入って手で掴めるようその辺に放り出しておくのが一番いいと僕も思うよ、マジーヌ。タンスの引き出しとか閉めたくない。シーズンオフの服が入ってるところはいいけども、使う服は常に見えるように開けっ放しにしておく。か、床においとく。「後で洗濯しよう」ってきちんとまとめておくより、ちょっと邪魔だなって思うくらいの方が洗濯を忘れずに済む!
ゴミはゴミ箱に捨てるけど、ゴミ出しはどうせするならたくさん溜めてから一気に持ってった方がエネルギー消費が少なくて地球に優しい。
・僕もゴミ拾いはたまにするよブルーン。ゴミだらけで景色に溶け込んでたらむしろ気にならないけど、電車の中とかに落ちてたらすごく排除したくなるよね。他にも色々使えるし、常にゴミ袋は携帯するようにしている(リュックに入れっぱなし)。
・制作発表で着ぐるみ4人って判明した時点から、これはコロナ対策も兼ねてるんだろうなって話が出てたけども(着ぐるみなら仮にスーツアクターが感染しても代役を立てやすいので単純にリスクが1/5)、だとするならファンが望んでるような毎回様々なゲストを呼んで話を展開する形式は、あまり褒められたものではないかもしれない。新しい人と関われば関わるほど、感染リスクは高まる。ただゼンカイの目指すオープンな態度とは合ってるから、物理的には無理でも精神的にそこを描く予定なのかな。
・お掃除ロボットといえばうちにもルンバ的な何かがいるけど、僕はあんまりかわいいと思ったことないな……。もっとかわいいねこがいるから、いつか彼女が死ぬときがきたら、ルンバでもかわいく思えるのかもしれないけど。
・特撮ではよくある光景だけど、銃口から出たモノが自分に当たって変身って、普通に考えたら危ないよな。1回死んで転生……的な、ヒーローの彼岸性を表現してるんだろうか。それとも敵に向けている銃がもし自分に向いたら? という反転可能性テストみたいなことなのか?
・ゴミのくささって言ったら生ゴミとかが元凶のことが多いけど、生物好きなガオーンが嫌がるってのはなんか面白いな。動物くささみたいなのは大丈夫だけど、腐ったりしたら嫌か。無機物は腐るイメージないけど、キカイノイドは成長して大きくなるくらいだからひょっとすると腐りもするのかもしれない。
・トジテンド怪人は一人ひとりが1つの並行世界の力をまるごと使ってる訳なので、何気に毎回被害の規模がすごいんだよな。
しかしこのゴミの山、どう見ても被災地の瓦礫の山を思い起こさせる。大掃除大作戦は、やっぱり復興を意識してるのかね。白倉さんの「あのときヒーローは助けてくれなかったと、憎んだ人もいたかもしれない」という発言を踏まえてみると激アツなのが今回。
めちゃくちゃでぐちゃぐちゃな無秩序。壊されていく街をただ呆然と立ち尽くして見守るしかない人々……。自分でもどういう感情なのか分からないけど、そういうカオスな情景をこの目で見てみたい気持ちがある。あれから10年(ってことはそういやちょうどゴーカイジャー/オーズの頃か)、もう既に瓦礫の山などは撤去されてしまってて、行っても見られないんだろうか。被災した人からすれば忘れたい,消し去りたい出来事なのかもしれないし、そんな他人事気分で「見たい」なんて言っていいものなのかも分からないけど。かと言って資料館みたいなところじゃ味気ないしなぁ……。
しかし、あんなことがあってもまた再び建物とか色々つくろうって気になる人類のメンタルがすごい。僕だったらそれこそゴミ電波のように「どうせ頑張ったってまた地震が来たら全部めちゃくちゃにされてゼロになっちゃうし、どーでもいいやー」ってなりそう。
・マジーヌはゴミ屋敷に慣れてるからやる気が削がれたりしないってところ、もうちょっと派手にピックアップしてもよかったんじゃないかなぁ。よくある戦隊の個人回みたいに、みんなは駄目になってるけど一人だけで立ち向かうって感じに。ブルーンも掃除係として耐性あっておかしくないし、コンビとしても描ける。
・ゴミ拾いするヒーローって確かいたよな……セッちゃんが明らか検索してみるよう視聴者を誘導してるので、制作陣的の念頭にある(ローカル)ヒーローがいるんだろう。
しかしゴミバスターズ……ってそうか、ゴーカイが10年前ってことは、ゴーバスターズが震災後初の戦隊になるのか。

 

 7話「魔界の王子は気がみじかい!」

・介人の持ち味である誰にでもオープンな姿勢、メンバー集めが一段落したらそこが大人しくなっちゃうんじゃないかと懸念していたけども、杞憂だったな。ゼンカイジャーに誘いこそしなくても、めちゃくちゃ積極的に話しかけるじゃん。ついでに、キカイノイドばっかりに囲まれて、ガオーンみたいに人間嫌いなんじゃないかって見えちゃうんじゃないか問題も潰してるし。
・キカイノイド組のデザインはこの混戦でも目立っていい味出してるけど、これを超えなきゃいけないこれからの戦隊はハードル高いぞ……全員集合させようものなら視線持ってかれるし、かと言って似たようなデコボコデザインだと二番煎じになるし。
ロボ玩具がメインならいっそのこと等身大戦なくしてロボットものに振り切るとか、そういう大胆な方向転換も視野に入ってくるかもしれない。ロボの集合なら、ゼンカイジャーだけ悪目立ちしたりはしないし(まぁそもそも集合させなきゃ別にそこまで問題ではないんだけど)。アニメはたくさんあるけど、実写で純粋な人間が乗り込むロボットものって意外と新しい気がする。
・まぁね、守んなきゃいけないってことはそれだけか弱いってことだし、強かったら可愛げもないしね。というか、今回のガオーンはなんか介人に対してキカイノイド相手なら平気で戦ってきた癖に、ってならないためのクッション、悪く言えばカモフラージュとして使われてる感じがする。「ジュランたちがすごいんだよね」も、正直あいつらそこまで考えてるようには見えないから論点ずらしてるだけに見える。正直でいいけどさ。実際問題、眉ひとつ動かさずにいつものノリで殺してたら結局こっちが「えー」ってなるんだから。
・カタカナ表記のゼンカイジャーと違って英語……だけでなくキラキラした当て字(崇帝示威座亜)までやってくるとは……。むしろ今の若い子の感覚的にはこっちの方が親しみ持てたりして。
しかし、半分人間となるとどう考えても五色田博士の子供であり介人の弟にあたる人物である可能性が大だけど、というか最初の仲良さそうな意地の張り合い思い出したらそれしかない気もするけど、仲間になる……のかなぁ? 個人的にはステイシーくんは死ぬ演技が映えそうに見えるので、加入するとしてもガイソーグ的なポジションになるんじゃないかと思うけど。
こっちは倒すべきか迷ってるのに向こうは平気で生身の人間相手に撃ってくる辺り、いいキャラしてるよな。変身を待ったのは、イジルデになるべく多く戦闘データを集めるよう言われでもしたからだろうか。巨大ロボが等身大の相手に攻撃するご法度も何気に破ってるし。
・ちょっと待って、いま踏み潰そうって言った? やばい、笑い過ぎてお腹痛い……(笑)
ところで、戦隊はロボ玩具がメインだからライダーと比べてヒーロー体のパワーアップ機会が少なくて終盤でも基本フォームで戦ってるイメージだけど、その辺特殊なゼンカイはどうなるんだろうな。
ロボ強化のタイミングでゼンカイジャーもパワーアップして新たな形態になるのか、今のまま別のロボに乗り込むのか。
「ロボ玩具の販促を等身大戦でも」というコンセプトをそのまま守るなら、ゼンカイジャーの強化体を模したロボが変形合体して巨大ロボになる?
或いはデータス的な感じで等身大の面を持った新キャラで、巨大戦ではジュランたちロボットが乗り込み操作することになるのか。
「ロボットがロボットを操作」は白倉さんが好きそうな発想。というか僕が好き。というかシュリケンジン。
・「過去作出てこなくてつまんなーい」→「不快不可解 気がみじかい!」
散々な言われようだ……(笑) でも僕は今回割と見てて楽しかったな。結局大事なのってスーツなんだよね。ディケイドのコンプリ21も活躍してないとかって文句言われてるけど、あれはもうデザインとして存在してるだけで既にひとつの大きな価値なのよ。僕なんかあのスピンオフTTFCで見られる部分すら見てないけど、装動も買ったし言っていいなら「好き」って言える。好きの安売りだと思われようが構わん、"存在論的ヒーロー"ってある意味ではそういうことだと思うし。極論、存在していて図鑑を賑わせてくれればそれでいい。
それと似たようなもので、出てくりゃそれである程度は溜飲が下がる。少なくとも僕はね。

 

 8話「ドアtoドアで別世界?!」

・キアトリンガーは本物だから平気で、ギアトジンガーはパチモンだからエネルギー切れを起こすのかと思ってたけど、普通に考えてゼンカイメンバーはあんな無茶苦茶に巨大戦力使わないからエネルギー足りてるってだけの話なのかもしれない。
だとしたらイジルデさん別に悪くない。でも全力全開で戦おうとするステイシーくんも間違ってない。
・ドアを介して色んなところにワープって、デンライナーみたい。ゾロ目の時にドアを出入りすれば……ってやつ。ロケ地も同じとこがあったっぽいし。多分ブルーンが最初にいたところ。
まさしく未知の世界へのドア。新戦士登場のお膳立てとして理屈は通ってる、のかな。でも正直このくだりはつまんなかった、何より長い。見た目だけはコロコロ変わってるけど話は一切進まないし、尺稼ぎって感じ。にしては労力かけ過ぎな気もするけど。せめてあの観光地巡りのシーンは、セッちゃんか誰かがここはどこどこじゃんって解説してくれれば(あれはあれで何度も聞くとうるさいが)勉強になるんだけど。
・僕は色んなところで言ってる通り、浮気って悪くないと思うのよね。好きになるのは理屈じゃないし、そうやすやすと理性でコントロールできるようなものじゃない。Aさんと付き合ってるなら他の人に抱く好意は抑圧しないといけないというのはおかしな話で、そんなの単なる早いもの勝ちでしかない。sumikaの『Lovers』って曲に「ねぇ、浮気して!」って歌詞がある。曰く、選択肢が自分しかいない状態ではなく、浮気して色んな相手と比べた上で自分を選んでくれた方が長く続く気がするから、ということ。
その気持ちは非常に分かるし、じっくり比べた結果他の人の方がいいと思ったなら、その人と付き合った方がきっと幸せになれるんだろうから応援してあげる方がいい。
この辺はやっぱり『キバ』の話になってくるよね。音也はゆりと真夜、2人に注いでも足りるほどの愛を持っていた。音也が真夜に浮気してゆりが振られたんじゃなくて、ゆりの方が"2人を愛する音也"という存在を受け入れられなくて振った。
「どっちも愛してる」じゃ駄目かどうかは、器の問題。
・てっきりセッちゃんサイズだと思ってたけど、ゲゲってこんなでかいのね。ギアトリンガーは五色田オリジナルだけど、ゲゲはセッちゃんのプロトタイプだったりするんだろうか。それを小型化して、更にモチーフとして取り入れたのがギアトリンガー。今んとこトジテンドが五色田の技術をパクったって話だけど、そうなってくると五色田もトジテンドにインスパイアされてるから循環することになる。
・自分が捨てられたかどうかは、自分がどう信じるのかによって決まる……介人のこのスタンスは両親が不在で事実確認ができないからこそのものであって、ステイシーくんにはなかなか通用しない。いや、どれだけ言動が自分に好意的/敵対的だったとしても、究極的には相手の本心を知ることなんてできやしない訳なので、信じることに全く意味がないとは言わないけど。
・ほ、ホントに踏み潰しやがった……よっ、待ってました! 等身大の敵にも全力全開、巨大化して倒す。それでこそゼンカイジャー!
・現状ゼンカイザーだけDXサイズの玩具がないけど、今回の名乗りがあることで一応は本編再現って言い訳ができるね。
・僕は結局全話見た訳じゃないんだけど、白倉さんの「キラメイジャーはメンバーがしっかりしてた」って評価、なかなかに歴史舗装って気がする。"しっかりした人"はあんなハチャメチャな決めポーズ取らないでしょ。充瑠も加入後は割と落ち着いてまともだったけど、1話の時点じゃ完全に奇人だし。型にはまらずしっかりとした自分を持ってる、って意味なら分かるけども。
しっかりしてるってイメージの半分くらいは、メカがみんなきちんと四角くまとまることに由来してるんじゃないかと勝手に思ってる。シュリケンジンみたいにモチーフも見た目もバラバラ……じゃなくて、みんなビークルで綺麗に長方形っていう枠組みの中に収まってるから。
・「自由求めて世界から世界へ」って聞くと、なんか不自由な世界から逃げ回ってるみたいね。自分が今いるところにイチから自由をつくろうってならずに、既にどこかで存在している自由を掴み取ってやろうってことか、海賊だからそれでいいのかもしれんが、
・なるほど。フルネームだとゾックス↑・ゴールドツイカーで普段はゾックス↓とイントネーションが変わるとややこしいから、ゾックス↓・ゴールドツイカー→っていうなんか微妙に奇妙な呼び方になってるのか。
・しかしあのツーカイダンス、玩具から導き出され得る楽しさを逸脱している……もはや関係ない……。
今日だけで何回見てるんだこの変身。恥じらいとか躊躇みたいなものが微塵も感じられなくて、もう本当心底楽しそうに踊ってるからマジで見ててツーカイ、気持ちいい。ほんの少しでもそういう気持ちが見えるだけでも成立しなくなるすげー危ういバランスに思えるのに、何度見ても隙が見付からない。しかも本編,CM,YouTubeと既に3パターンもあってどれも遜色ない出来。この自信に満ちた所作、ほれぼれする。
正直、予告で見たときは恥ずかしかったし度肝抜かれたけど、ちゃんと見れば見るほどすごい。スルメってやつだね。
・あれ、海賊ってくらいだからステイシーとは対象的に血の繋がってない家族かと思いきや、普通に双子なのね。しかもロボっぽいやつと。
ん、違うか、弟同士が双子なだけでゾックスとの関係は分からんか。
・そういえば、ステイシーと介人は異父兄弟なんじゃね説とかあったなぁ。懐かしい。
・割とおいしい能力なのに、暗黒ギア速攻で破壊されちゃうからビビったよなぁ。いつの間にかそんなの使わなくてもステイシーはステイシーとして定着したけど。

 

 9話「世界海賊、愉快ツーカイ!」

・季節ネタで柏餅。ちょうど僕も数日前に友達からもらって食べたとこだったので、こういうリンクはなんか嬉しい。世界に入った気がするというか、"今を生きてる"感じがする。
しばらくクリスマスさえもほぼ無縁な生活してたので、最近は人間らしい文化と触れ合う機会が増えて楽しい。正直葉っぱの苦み?が移ってて子供の頃から手放しでうまいと言えるようなシロモノではないんだけど、そこはそれ、年に1回のイベントだからね。まぁいいでしょう。
・技術泥棒トジテンドから更に盗む、義賊の要素も入ってるってことか。
食い逃げって、一瞬豪快なようでいてなんか逆にみみっちいな。しかもたかだか駄菓子屋よ? ステイシーくんでさえ、あのたこ焼きは多分お金払ってただろうに。そこが逆に、極悪じゃなくて可愛げのあるちょいワルくらいの印象に留めてくれてるんだろうけど。
・ドアワルドとか柏もちワルドとか、たまたまそればっかりあるこことは無関係な平行世界というよりは、「自分の世界に入り込む」的なニュアンスの内面世界のことをそう表現してるだけな気がしてきた。マツコの知らない柏もちの世界……あの番組も何でなのか考えたことないけど、チャプターとか表示しててメタ的な視点があるよね。
・「しょうがない!」とは言うけども全然驚く様子がないし、叩いて被ってじゃんけんぽんやるためにわざわざあの採石場まで行く意味がないので、介人も薄々……というか半分くらいは戦うしかないって分かって誘ったんだろうね。
・ツーカイオーは金と銀の2色だけど、ツーカイザーは金色だけよね。オーレンフォームは一応銀だけど、どちらかといえばギアの色的に、シンケンフォームの赤と対な青。
じゃあ銀色は誰かと考えると、今回のW変身見て思ったけどゼンカイザーしかいないよね、ギアの絵も白銀だし。そのうちパワーアップして銀の戦士になるのかもしれない。
・見返して分かったけど、フリントは海賊トピア出身だから元々柏餅を知らなくて、でも話の流れ的に柏餅中毒にさせるために、冒頭で初めて食わせてもらってたのね。
しかし柏餅ってどうやら子孫繁栄の意味を持った食べ物らしくて、それをこんだけ欲するってのはなんだか性欲のメタファーっぽいな。争奪戦ってのも子孫を残すためにはよくあることだし、ゼンカイザーとツーカイザーの勝負もなんかそう見るとメスの取り合いって感じする。
へー! 桃の節句の桜餅の方は、柏餅を食べる習慣の対になるように始まっただけで特に意味はないとする説もあるらしい。そりゃマジーヌもがっかりするわ。
・転売の何が駄目なのか、未だによく分かってない自分がいる。(参考:転売は何が悪い?)
・ツーカイザーのフォームチェンジ、一応電王みたいにSDの弟が憑依してる設定だけど、結果生まれた性格は割とどっちでもないよね。カッタナーがクールかって言うとそんな感じしないし、リッキーも熱血かと言われるとうーん……?ってなる。どっちもかわいい系だからそもそもバトルしなそう。
ゾックスに元から備わってる性格と合わさることで"創発"したものなんだろう。どちらかといえば、ゼンカイジャーがギア使ったときの"ごっこ遊び"に近い。
・柏手(かしわで)と拍手(はくしゅ)って別物だと思ってたけど、なんだか神秘的でこっちが元ネタかと思ってた柏手の方が、むしろ単なる誤字らしくてびっくり。柏はカシワでしかないのに対して、拍の方は拍子とか拍車とか使いどころ多いだろうになんで間違えるんだと思ったけど、昔はもっと自然が身近で、植物の名前や生態、そこから生まれる花言葉みたいな文化とかが一般常識として流布してたんだろうなと考えると、抽象的で目に見えない"拍"より"柏"の方が概念として強かったのかもしれない。
・烈火大斬刀で袈裟斬りってなんかイメージと違うからびっくりした。真上から振り下ろしてるような印象だけど、でも実際1話見てみたら横一文字に切ってたので、本編とは関係ない勝手な思い込みだったかも。

 

 10話「お昼も夜でもブルースカイ!」

・まぁ人質の場合、実際に危害加えるのはトジテンドだからな。理屈は通ってる。
しかし、ガン無視とは言ってもちゃんと当たらないように気を遣ってたんだろうし、例えこれが助けるつもりのヒーローだったとしても敵の制止を無視して攻撃することに変わりはないんだから、介人に言われてるほどゾックス悪くなくね? とは思った。白倉さんは「なんだかんだゴーカイジャーは偽悪的なだけだった(けどゾックスは違う)」って言ってたけど、まぁ実際悪いことはしてきたんだろうが、今見えてる部分に限って言えば彼もまた立派な偽悪者だよね。弟のためっていう精神的弱みを見せないために、人助けする気はないなんて言ってるだけで。
・ただごめん、「弟を元に戻すため」って聞いてもまだリッキーカッタナーとは別に弟がいるんだろうなって思ってた。無意識にあいつらのこと、勘定に加えず無視してた。家族って言ってもただ販促の都合でいる賑やかしでしょ? みたいな。ホントごめん。機械差別ってこういうとこだよな。
逆に介人は順応性高過ぎて誤解。そうなんだよね、意外とこうやって寛容ぶった態度取ることでむしろ相手を傷つけちゃうことって、あるのよね。例えば男っぽい見た目してる女の人に対して「そういう女の人もいていい」と思って女として接したら、男として扱われたい人だった……とか。「障害者でもいいじゃん」って励ましたつもりが、「そうか、やっぱり自分はそうやってフォローされなきゃいけないような"障害者"なんだな……」って落ち込ませちゃったりとか。相手のありのままを受け入れてるつもりでも、そのありのままが本人にとって好ましいかどうかは分からない。
しかし、見た目は人間の姿が別にあるとして、名前はそのままリッキー/カッタナーなのね。もしかしたら千と千尋みたいに、名前も奪われて(デフォルメされて)るのかもしれないけど。
・一見、ゾックスにはSDワルド以外と戦う動機はなくてゼンカイジャーに任せてればいいように思えるけど、もしカシワモチワルドやマヒルワルドでゼンカイジャーの世界が征服できてしまったらトジテンド的にはそれでオールオッケーな訳だから、違うワルドでもさっさと倒して、別の怪人を送り込ませないといけないのね。なるほど。
・『ゼンカイジャー』の基地はどこも合成で閉塞感がないように見せてるけど、それでも見慣れるとあんまり広さ感じないね。むしろのっぺりした印象に変わりつつある。
・待って、「逃げられた」じゃなくて「握られた」って言ってたのね……なんか違和感はあったけども。やっぱ字幕ってないとダメだわ。
・時間感覚なんて相対的なものだから、時計とかがそう言うならそうなんだってしばらくは思っちゃうよな。実際。長ーーく感じる1日って、あるし。
・みんな等しく大事でずっと真昼なんじゃなくて、あれは好きこれは嫌いっていう"メリハリ"が大事って話ね。なるほどよくできてる。
「地球に住んでないからさ」という、至極単純で説得力のある答え……まさに痛快。ありがとうございます! 水辺でも躊躇ないダンス、痺れる……。
・なるほど……ゼンカイジャーがゴツゴツしてて的が広いのは、後ろにいるみんなを守るためだったのね……ってなんか聞いたことあるフレーズだ、チャドかな。
・ ゼンカイジャーのロボ戦は没個性的だって言ったけど、ディケイドもゴーカイもジオウもだいたいが現行作品と過去作品のコラボはしても過去作同士の絡みってほぼやらないところを、ジュウレンとガオレン、マジレンとボウケンって過去作同士だけで組み合わせてるとこは面白いと思う。

 

 11話「渡る世間は鬼ごっこかい?!」

・「赤い卵の方が若干高いことから、高級なイメージを持っている人もいる」らしい。値段なんか比べるまでもなく、赤い卵は白い卵のパチモンだと思ってた……だって卵の絵を書くとき、赤く書く人まずいないでしょ。こういう素朴な感覚が、人種差別とかを生むのかもしれない。
まぁ、親や祖父母が赤いの買ってきたら普通に食べるし、僕ももし安かったら赤いの買うけど。
・双子って聞くと何もかも同じ……みたいなイメージを勝手に持つけど、なかなか相容れないリッキーとカッタナー。そういえば高校時代、9人中4人でクラスのほぼ半数が双子だったけど、彼らも結構対照的だったな。同調しようとする双子もいれば、鏡像みたいに反発する双子もいるってことなんだろう。
あれだけ争ってるから、てっきりフリントが代金払うのに抵抗あるから2人に1個しかパン買ってくれなくて、半分こしなきゃいけないが故にどっちにするかって話なのかなと思ってたけど、聞いてる感じ特にそういうことでもなくただ好みが分かれてるってだけらしい。相当ヒマなんだな……って、カレーパン40個!? 大食漢なのか買い溜めなのか、将又買うだけ買って食べきれなかったら豪快に捨てるのか(良い子は真似しちゃ駄目)。前に油断してたらカビちゃったことがあったのでパンはなるべく早く食べるようにしてるんだけど、宇宙空間だとカビないのかな。
ホイップクリームとあんこの組み合わせは最高です。
・この鬼ごっこはもはやゾンビっていうか、普通にまんまコロナだね。ただ周りに感染させちゃうだけで、意識は保ってる訳だし……ってかちゃんと読んだら公式HPにも書いてあったわ。こないだのかりそめ天国で「みんなゾンビになれば平和」って話があったけど(パチンコ繋がり)、今回の鬼ごっこに関してはマジでそうね。鬼じゃない人を追っかけちゃうこと以外は正気なんだから、追っかける人さえいなければ多分普通に暮らせる。……って油断してたら、キノコワルドの時みたいに痛い目見るかもしれないか。鬼になるくらいならよくない?(笑)
あんまりリンクした話できそうになかったから偶然かもしれないけど、おでこに鬼の面ってどう見ても響鬼ライダーよね。
・ガオーンの「キカイノイドだから大丈夫でしょ」って、自分で言うとなんだか言い訳くさいぞ。誰かから「信頼の証だったんだな!」って言われて、「(都合いいから)それいただき!」みたいなノリに聞こえる。
ブルーンが「ひどい……」って言ってるから、案外自覚的にそう見えるよう演出してる気もするけど。
・介人が鬼ごっこ得意……っていうのは、周りに影響されないで自分を貫き通す、みたいな意味だろうか。鬼側でも得意だったなら、逆に周りに影響を及ぼすインフルエンサー的な、カリスマ性とかになるのかな。
渡る世間は鬼ばかり』というタイトルには「自分が鬼だと周りも鬼に見える」という意味が込められていられるらしいので、介人は自分が鬼じゃないから鬼に捕まらない(ジュランのことも鬼だと思わない)のかもしれない。
・今回は結果的に前と同じことになったからフリントが後悔するのは気持ちとして分かるんだけど、実際あれほど喧嘩の沸点低いと毎回注意してたらマジでキリないから「後悔するくらいなら普段から止めとけよ」ともならない絶妙なバランス。
デカのホージーと違って職務中でもあるまいし(配信11話)。
・なんとなくスルーしてたけど、SDトピアの呪いってなんだ……? 海賊だから恨み買うまではいいとして、呪いはどっから出てきたんだ。単に、"ほにゃららトピア"はあくまでほにゃららが特徴的なだけの平行世界であって、その中にも色々あるし呪う文化だってあってもおかしくないってことでいいのかな。トジテンドか誰かの策略だったりしない? 2人を呪った張本人が後々登場するとか。
っていうか、改めて考えたらSDワルドが出てくるのはほぼ確実なのか。みんながSD体型にされてまたてんやわんやするんだろうけど、こうして書くとマジでワルドの仕業って感じするな。世界の力を悪用してるところが。でも2人が戻っちゃったらロボ出せなくなるしゾックスの戦う理由もなくなるから、かなり終盤の話? まぁ、呪いは解けてこれからは自由に変身できるようになりましたで済む気はするけど。新しいSD体型の玩具は、きっと出るんだろうな。
・僕は根本的に違和感を覚えなかったんだけど、公式Twitterの表現見てると増やし鬼って意外とマイナーだったりするのか? みんな知ってるもんじゃないの?
ルールはそれでいいとして、ロケットタッチはさしもの鬼ゴッコトピアにもないやろ……ズルすぎる……。SDトピアの呪いと同じで、鬼ゴッコトピアにも(鬼ゴッコとは直接関係なく……いやもしかすると宇宙空間でも鬼ゴッコができるよう)ロケットはあるからその力を使ったのだ……みたいなことなのか? 何でもアリやん……。
・フリントさん、なんだろうな……演技がどうこう以前に、時々目が泳いでる(?)のがすごく気になる。顕著なのはギアを自慢して「天才全開!」って言われてるとこ。なんかどこに焦点合わせてるのかよく分かんないっていうか、心ここにあらずって感じがする。不思議……。
・これは完全にシュリケンジャーの話だけど、疾風流と迅雷流双方の元祖・宇宙統一忍者流の天空忍者、更には冷凍解凍どっちもできるマッチポンプ感に"千"本ノックときたら、これはもう正体タウザント様しか有り得ないだろって思ってるんだけど、結局最後まで見てないから確かめられずにいるのよね。でも調べてるところそんな話は見かけない不思議。同じこと思った人、他に誰もいないの?
ちなみに「シュリケンジャーはタウザントと戦ってる描写があるから別人」みたいな話とはちょっと違う。必ずしも同一人物ってことではなくて、背負ってるテーマ的なものが同一というか。まぁタウザントの片割れ(分身)……みたいな解釈をしてもいいけど。
・並べて見比べてみると、ゼンカイオーは2人でひとつ(ジュラン+ガオーン→ジュラガオーン)、ツーカイオーは1人でふたつ(クロコダイオー→クロスカイオー+クローリングオー,リッキー/カッタナー)ってことで対になってるっぽいことが分かる。
だから何なのかはまだ分かんない。

 

 12話「ノロノロマイマイ、カタい貝!」

・ゼンカイのサブタイってカイ縛り……というよりは多分「怪奇蜘蛛男」的な感じで怪人の方をピックアップしてるせいで「ツーカイオー登場!」みたいな分かりやすい見どころの情報がなくて、絶妙に視聴意欲をそそられないんだよな。絶対そこで損してる部分はあると思う。
・ガオーンの「キカイノイドだから」は微妙だったけど、今回の「ツーカイザーの方が子供には人気」ってのは、すごくいいバランスに前のエピソードを踏まえてたと思う。別になんの理由がなくても(メタ的には新戦士だし)納得出来るけど、10話を踏まえるとまた違って見えるよね。
地球に守るべきものがないトジテンドや介人を信頼しているゾックスは心置きなく暴れられるけど、ゼンカイジャーは周りの被害を気にしながら戦わなくちゃいけないので、いつもいい格好ばかりという訳にはいかない。「ヒーローは多いよなぁ、守るものが!」ってやつ。市民を守るために銃弾をその身に受けながら耐えるのも、意味が分かってるとかっこいいけど、子供からするとツーカイに敵を倒すのに比べたら地味でつまらないと思うかもしれない。元々あの5人はわちゃわちゃしてて、かっこいいってガラじゃあんまりないし。こっそり後ろ指をさしてキカイノイドを差別?してるっぽいのを差し引いてもね。
・カタツムリワルド、普通に考えたら遅いのは自分だし、人対象系で触れた人間を遅くするとかならまだ分かるけども、何故か重加速様の能力な不思議。世界対象系……と捉えるなら現状は一番効果範囲の狭い怪人かも、侵略もノロノロなのね。Pixivでは「これまで登場したワルドの中で最も変化した部位が少ない」とあるので、もしかすると不具合かなんかでカタツムリトピアの力を十全には発揮しきれていないみたいな裏設定があるのかもしれない。まぁ、世界全体がノロノロになっちゃったら、ほぼ打つ手ないもんな。宇宙からフリント達がなんとかしてくれるのを待つしかない。
・とにかく突っ込んでノロノロになっちゃうゾックスはあの双子が憧れた兄貴だなぁ……って思ったけど、フリントの説明を聞いてると、上空から見てた限りはあくまで人対象系のワルドかに思えたけど、今回は限定的な範囲に対して効果を発揮する特殊なやつだったので意表を突かれて食らってしまった、という流れなのか。
・気持ちだけ置いてったけど実質食い逃げされたことに変わりはないのに、きちんとゾックスの分もパンケーキ残しとくヤッちゃん……。
・ゆっくりでもできることをコツコツやる兄貴かっこよすぎか。助けなんか要らないと言ってのけるだけはある。ありすぎる。
・フリントもフリントで、盗むだけじゃなくてオリジナルにない技をプログラムしたりもできるのね。まぁツーカイザーだってパクリ100%ではないしな。ターボレンジャーに高速化する技がないらしい、というセッちゃんの解説のおかげで、元ネタを知らない人にもあぁ彼女がいじったんだなと分かるの優しい。なんなら今までで一番意味のある解説だったかも。
ただ「銃弾も遅くなる」ってところがグレーになってるのはツッコんだほうがいいのかな。高速化の力がこもった銃弾そのものも速いってのは分からんでもないけど、タンバリン攻撃は先に撃っとかないと届かないし、どっちにしろゆっくりなら避けられちゃうはず。
キョウリュウジャーブレイブ見てて思ったけど、ゾックスは馴れ合って一緒にゼンカイダンスはしない代わりに、一人で勝手にヨホホイダンス踊るんだな。
他にもレッドが変身銃を配って仲間を集めるところとか、名乗りの時に文字で名前が表示される(ほんの一瞬かつハングルだから分かりにくいけど)ところとか、共通点がいくつか。
・ちゃっかり紛れ込むだけじゃなく上手(かみて)に立つゾックスさん、図々しい……(笑)
・ツーカイオーカッタナーの頭、烈火大斬刀と同じ富士山の噴火かと思ってたけど、おもちゃウェブによるとちょんまげでもあるらしい。なるへそ……。
・サラバーイのとき、ロープがちゃんと体重かけてる足の方にぐいってなった。今までこれやってたっけ?
見直したら、10話で介人が乗り移るときになってました。カット割っててぐいってなる瞬間が映ってなかったから気付かなかったけど、ちゃんと掴んでるところを支点に曲がってる。

 

 13話「リサイクルすりゃもう一回!」

・コスモスの感想で書いたことコピペすると、猫とか犬とか動くおもちゃを見ると飛び付くけど、楽しく遊んでるって認識なのは人間だけで、本人たちは実は「体は本能的に動いちゃうけど正直疲れる」とか思ってるかもしれないよね。
今回は話すこと少なそうなので完全に余談な上に汚い話で申し訳ないけど、僕が性的なもの苦手なのってそういう部分が大きくて、まぁ勿論ベタベタするものは生理的に気持ち悪いと感じちゃうとかそういう側面もあるけども、そうじゃなくて正常に興奮的な反応をしまうからこそ、体が自分の意思と関係なく動かされる感じが嫌ってとこもあるのよね。ネット見てると、扇情的な広告とかが不意に目に入ることもある訳よ。するとそれまで全然そんなことなかったのに、急に頭がそれに支配されて、というのは誇張した表現だけど、ともかく自分の思い通りにいかなくなる。男性は分かりやすいけど、中高生のときとか歩けなくなって困るみたいな話あるじゃん、そういう感覚。
本当に鬱陶しいし、邪魔でしかない。性的快感なんてなくていい、知的快感だけで生きていける。
"くすぐられる"ってのも似たような話で、感情と関係なく純粋な反射として笑っちゃうじゃん。小さい頃くすぐりに弱かったからよくやられてたんだけど、あれもまぁまぁ不愉快。やる方は楽しいってのも分かるけどな。
・海賊逮捕してロジャーて(笑)
・ダミーのギアをそのままダミーのギアとして使うのはリサイクルとはなんか違うでしょ。失敗作の空ギアとかなら分かるけどさ。
・ゼンカイジャーは基本、かっこいいとかってよりは"親しみやすい"よね。
・ツーカイザー加入でゼンカイオーが砲台モード使うんだろうけど、なんかもうひとひねり欲しいな。

仮面ライダーセイバー カリバー編,SOL再結成編 感想メモ

約束、後に残る
神獣生物物語 メギド、ハルマゲドンの地
男根の象徴なので女性ライダーは……?
紅白、白黒 ホロウ ディアブロ
赤き龍(サタン)と白馬に乗った救世主 666、アスタリスク
ペンは剣よりも強し
ライダーデザインには本要素なし
快刀乱麻 単純明快
3冊、3ライダー 1→2→3→4ページ
四聖獣 玄武、亀甲模様も6
ジャックと豆の木 ヤコブ
セイバーのXは4(アスタリスク)、ブレイズのVは3、エスパーダのO
道具の剣に魂が宿る ゼロワン
本 無機物に投影する
セイバー/聖刃 救世主
ロゴス(論理)とミュトス(物語)
カリバーとブレイズ似てる エスパーダは天使の輪っか
タッセルは栞
シャボン玉、儚い ワンダーワールド
「MAEGAKI EIEN GAHONN IYORIUMI DASARERU」
3冊コンボ、ビルドトライアル
バンクED尺稼ぎ
シミー紙魚 アリかキリギリス
3冊セットししないと本来の力を出せないのはセキュリティ
言葉は線状 頭の中では同時に存在しているのをピューっとマヨビームにしないといけない
XPでキリスト、セイバーと水勢剣
世界の勢力均衡、イギリス カリバーは必要悪?
大いなる本→世界→本 アルターライドブックは再翻訳
本と剣、どっちが先か 循環構造は宗教的な自己言及
アカシックレコード 十字架は去勢
始まりと同じ文字で終わる アルファとオメガが同一
虚構が助けてくれる 宗教と仮面ライダー
剣に文字 ワカタケル シンケンジャー
ウロボロス 聖体
カリバーOP、ゼロワン
契り パン キリスト
メギドの丘ハルマゲドン ヨハネの黙示録
ページプッシュ 激土のリード 無理矢理感
フェンリル、ハンミョウ、歌う骨 キマイラメギド
2ページ目が開く
クロスファイア シンケン
almighty アルマゲドン
King of Author 主従逆転
ファンタスティックライオン ヴェネツィアの獅子
15年前は響鬼 父親と師匠
光あれ、指示の順が逆転 ひか"あり"

 

 7話
尾上はリベラシオンでの修練に耐えられないから抜かれた? メドゥーサ 
前回の剣斬からそうだけど、本来バンクシーンの方が使いまわし前提の手抜きなのに、それがなくて従来と同じ現実の景色を背景に変身エフェクトがかかる方式の方がむしろ"手抜き"に見えるの、あの演出が大成功してる証だな。
月光、暗黒、斬撃 空耳翻訳
魔王

 8話
賢人闇落ちフラグ、いつか気持ちが分かる ED、生み出せなくなる 代々受け継ぐ、子孫と弟子 king of author 

 9話
力を制御する輪っか ヘンゼルはヨハネ、グレーテルはゲーテ
スラッシュがエグゼイドっぽいってのはもう聞き飽きたけどマイティアクションXがお菓子を食べてパワーアップするゲームだったってのは今初めて思い出したな。

 10話

 11話
誰かと話すタッセル 忘れたままでいい 倫太郎の私情

 12話
三人での約束に意味がある? 少女ルナ 15年前に同じ光景を見た 扉に吸い込まれたルナ 賢人は飛羽真の言うことしか聞かない 市民を助けて扉を開く ずっと一緒、永遠 絶対助ける バイクで約束の場所の場所へ向かう

 13話
カリバーの柱 ルナの力、真理の扉から持ってきた

 14話

 

 16話

 18話
なるへそ。今回のエピソードは見ようによってはむしろ飛羽真の方が"人の話を聞いてない"んだな。新米ひよっこ剣士の癖に「自分だけがメギドの真実を知って正確に対処しようとしている」と傲慢になって、一方的にユーリやみんなを止めた。
こりゃ倫太郎たちばっかり責めてられないわ。
 ユーリの口ぶりから、最光じゃなくても聖剣で切れば万事解決な可能性すらあって、きちんとSOLで学んでいる剣士たちにとっては自明のことだから切りかかっていただけで、本当に飛羽真が早合点して暴走してたのかもしれない。
それをユーリのキャラ性を利用してただのギャグに消化し見易くしてるのか。
 ユーリから見ると
「(アヴァロンでカリバーを止めようとしてた)セイバーに戦いを挑む倫太郎たち→メギド側に寝返ったのか?」
「その直後あたりからメギドを倒すことに疑念を抱き始める飛羽真→寝返った倫太郎達のほうが正しいのではと感じてるのか?」

「今の剣士は俺とは相容れない」なのかな。

 23話

小説家は嘘つき、方法は必ずある
マスターの偉さを、禁書のやばさをよく分かってない 無知は罪
かっこいいDK
はじまりの人 憑依、閉じる終わらせる力 DKH
未知なるものに飲み込まれるとき 闇を切り裂くのは光か魂さ
忘却の果てには悲しみが破滅の手
イカは何がしたい? 煙に巻く
飛電製作所、ショッカーから抜けて新たな組織を作る 残る倫太郎
悲哀の魂、理解されないが故に力を求める

 26話
飛羽真「倫太郎、俺はやっぱりルナに言われた男の子を救いたい。あの子は一体誰なんだろう……え、裏切者は神代さんでカリバーが賢人?」
今週はこの訳の分からなさをとりあえず楽しむみたいなバランスにギリギリ収まってた印象だけど、これを綺麗に線で繋げる自信があるのかと思うと次回が楽しみ。
結局誰の話をしたいのかって考えると、まぁみんな"孤独"ってキーワードでくくれるとは思うんだけど、それをどうドラマで見せるのか。

 27話
・ドラゴンが力を恐れた人間たちに襲われたってのはみんなに「力を求めてて危険だから聖剣回収する」って狙われてたのとまんま通じるから飛羽真があそこまで体張るほど彼に感情移入してたのは割と分かる……というか、あれはもはや感情移入とかそういう次元じゃなくて飛羽真自身な気がする。
・友達がみんな死んじゃったのも、彼に新たな友達をつくるだけの心の余裕がないこともどうしようもない事実で、そうなってしまった……というか多分そうなってなくても、"魂を救える"のは結局宗教や思想なんだろうな。
丁度アギトの感想に書いたけど、死んだ昔の友達は土に還ったり千の風になったりして、どこにもいないからこそどこにでもいる。そういうある種の綺麗っぽい嘘,つくりばなしが救いになるというのは、作家らしくもあり、実に救世主(セイバー)らしい。
・勝手に新たなストーリーを継ぎ足す禁忌を犯したら「もう助からない」らしいので、飛羽真もゆくゆくは真司みたいに死ぬんだろうか。セイバーでやったらまごうことなきキリストの贖罪だな。
あぁ、死の悲しみを受け入れ乗り越えることは死を肯定することにも繋がるので、レジエル殺害もアリになるのか。
・飛電製作所も若干そうだけど、令和は白倉さんがどちらかと言えば否定的に言ってた「裏切り者の仮面ライダーがショッカーから離反して、同族を仲間にしてって新たな組織をつくる話」を肯定的に捉えてやってく感じなのが、なんか知らんけど結構好み。

 29話
・物語の不幸なキャラを助けたいと思うこと、思うだけならあるよね。行動するのは無理があるけど。
・賢人はエクレア好きじゃないのかな。3話じゃ真っ先に食べてたけど。
・マスターの目的は本と剣を全部揃えること……のはずだけど、エレメンタルドラゴン誕生も計画のうちってのはどういうことなんだ? 単に、揃えたいけどプリミティブは扱いが面倒だから大人しくさせたかったってだけかな。怪物的な怪物の本的な。
・剣士は必要ない……もしユーリが剣のままだったら、例え剣士が全員殺されて剣だけ集められたとしても、ユーリは光剛剣として無闇に倒されない立場で戦うことができることになるけど、そういう意図もあったのかな。
・今更だけど、元々SOLにいた剣士達って"人間"だったのか。ソフィアやタッセルみたいにあっちの人かと思ってた。
・全知全能の書って2000年前から失われてるの? ユーリたちが戦ってたのは1000年前だけど、この辺どういう設定だっけ。最初の反逆者は4人組だったから確かに今の(そして1000年前の)3幹部じゃ数が合わないけども。……4人?
・4賢人、複数人が話し合って意思決定をする"均衡"の象徴
・この青き鬣が新たに記す気高き王者の戦いの歴史。
この群青に沈んだ命が今をも紡ぐ刻まれた歴史。
・くすんだ赤と青、EPドラゴンと神代兄妹
・倫太郎の中にある過去の正しかった組織vs今の歪んだ組織
・秘すトリー開示 逆さにする関係からかエンブレムが唯一ライダーの顔と違う? そういや最光もエンブレムなかったような。
あの能力は飛羽真達を見てる感じ、任意の範囲内にいる人間を対象に(途中からは自分だけを対象してる)、少し先の未来を先取りして現在に持ってくるって感じなのかな。倫太郎は戦闘中で右往左往してたから分かりにくいけど、明確な目的地のある飛羽真が混乱少なく先へ進んでたので、本来A地点から3分後にB地点へ移動するとして、能力を発動すると今すぐB地点にワープするのか? 凌牙本人は先取りする未来の時間にどこへ行くかは自分で決めとけばいい訳なので混乱しない。もし凌牙が明確な意志でもって倫太郎や飛羽真達をもワープさせてるなら、飛羽真に対して「(予想があたって)やはり来たか」とは言わないだろう。予想も何も自分で誘導したんだから。
・能力が未来先取り(ただし現時点で予想される未来)なら、飛羽真と倫太郎の会話は確かに待たなくちゃいけない。話をする前の飛羽真に剣と本を渡す気がなかったのなら、そこから未来を先取りしても手には入らない。もし本人の意志とか関係なくただただ本当に確定した未来を先取るだけなら、発動した結果デュランダルが劣勢になってる可能性も有り得るのであまり意味がない。
・倫太郎のためなら、きちんと話をして分かりあったあとなら、あれだけ嫌がってた本と剣を差し出してもいい?

  30話
・飛羽真は謝らんのか。カリバーの言葉を信じて組織を疑って、それが正しかったのは結果論でしかない。まぁみんな的には「倫太郎が謝る道理なんてない」って感じだから、飛羽真も謝らなくていいんだろうけど、なんかちょっとモヤるな。
・「ワンダーワールドが見える」ってのは、文明が発達する前は多分当たり前のことだったんだよな。自然の偉大さに神を感じたり、夜空の星を見て動物やストーリーを見出したり、突飛な物語は日常の中に当然とあった。世界最古の彫刻に、ライオンの頭を持つ人間を象ったライオンマンというのがある。芸術はすべて模倣から始まると言うが、とするなら彼らの目にはもしかするとライオンマンが見えていたのかもしれない。麻薬等による幻覚かもしれないけれど、その区別が付かなければ実在しているも同然。
・人とメギドの分離……剣士から剣になってキングアーサーに使われたり(キングオブアーサー)、逆に今度はドラゴンモチーフのない純粋な剣士となってドラゴンを使役したり(ドラゴニックナイト)、ユーリからもらった2つのアヴァロンの力……曰く"試練"を乗り越えた飛羽真だからこそできることでもあるのかね。
・セリフでも言ってたけど、「組織は僕にとって家族なんです」って言うならじゃあ今の自分たちは違うんだ? それより大事じゃないんだ? みたいな気持ちになってしまうのはよく分かる。芽依と倫太郎は出会ってそんなに経ってないとはいえ、非戦闘員にも関わらず戦場に赴き倫太郎のそばにいた芽依の気持ちは結構強い、なんでかはよく分からんけど。甘い物好きのよしみ……というか、(自分の見る限り)飛羽真に初めてできた対等な友達として好き?
・さっきの理屈で言うと、倫太郎も剣にこそなったことはないけれど、キングライオン大戦記でずっと使役される側だったライオンへの変形を身に着けてるので、分離能力に覚醒する条件は満たしてるかもしれない。
・蓮のことは正直興味なかったけど、片方だけ封印されたってことは、それを補う闇落ち変身アイテム(ダークセイザブラスター的な)がプレバンで発売する可能性があるかもしれないな、そんなら楽しみだ。スーツはあんまり怪人寄りにならずかっこいい感じ……シルバラくらいのバランスに収まると嬉しい。
・チェシャ猫気取り?のメギド、アリス見たことないんだよな……
・つらいよな……倫太郎には罪の意識があるから、罪のない芽依が自分より犠牲になることを許せない

 

31話

・北の守護者……というのは流れからしてソフィアだろうけど、好都合というのはどういうことだろう。彼女が結界を張ったことでノーザンベースは安全になり組織としての求心力も戻ったので人が集まりやすく、裏を返せばノーザンベースさえ落としてしまえばこっちのもの、みたいなこと? 或いは本から生まれたというソフィアの生い立ちに関係があるのだろうか。
……っていうか、そうか。"本と剣を一箇所に集める"ことが目的なら、マスターロゴスが自分の持ってる分をノーザンベースに持っていけば達成できてしまうのか。
・飛羽真には選択肢があったけど、倫太郎にはそれがないので芽依ではなく飛羽真を守るしかない。試合で勝ったら分離できる可能性のある火炎剣烈火を倫太郎が使って(仮にも剣士としては先輩だし)自分が救う……ってことか?
・烈火が自らの炎で自らを鍛えられるように、相手の剣も鍛えられる……理屈としては分かるな。不完全だった飛羽真の分離能力の方もおそらく研ぎ澄まされてるんだろうから、倫太郎がワガママ言って余計な寄り道させてる訳でもない。
・死なずにワンダーワールドの一部になる……飛羽真が言ってた死後の世界(死んだ魂は自然に還る)と全く同じ話じゃん。
沈まぬ太陽なくす世界で問われるのは、何を信じるのかだろう〜♪
北風と太陽作戦ってのは、イマイチ分からんけど、アクセサリーが邪魔なら本人に外させてしまえってことなんだろうから、ネコメギドがブレイズの攻撃に対する盾として使う……のを見越して威力弱めの峰打ちにしといて、その隙に飛羽真がってことなのかな。あの分離防御自体初めて見た気がするから(違ったらごめん)、前に一度見せてたらもっと自然だったけど。
・……今回は結構演出も冴えてて盛り上がったんだけど、以前そこまで重要でもない流れで「本が完成した瞬間に斬って分離する」ってのを飛羽真がやってのけてたので、一応ユーリにリスキーだと咎められてはいたものの、最悪それでいいんじゃねってのが頭の片隅にあって本気では芽依を心配になれなかった。まぁだから、助かったときのギャグ演出がむしろしっくり来たくらい。緊迫感こんなもんだったよねって。

 

 32話
・マスターとストリウス、こないだのプリミティブドラゴンのときに知り合ったのか、それとも最初からグルなのか。アナザーブックを書く方法とか、彼から横流しされたSOLの禁書とかで学んだのかもしれない。あるいは逆で、ストリウスが現マスターをSOLに送り込んだのか。
・マスターは弓使い……なのかな? これはあくまでFGOの話だけど、弓は剣に強くて、そして槍に弱い。デュランダルに一矢報いられる展開来るか?
・新しい玩具が出る前に、きちんとキングライオンにも見せ場を用意した前回、かなり良かったよな。
・飛羽真がいち早くデュランダルの能力に気付くの、理に適ってはいるんだよな。初登場回に僕が彼の能力についてなんとなく理解できたのも、何より飛羽真の動き(さほど混乱せず前進し続ける)が最大のヒントになってたし、今回も気付く直前に、倒れてる状態で抹消に巻き込まれて再び同じところに現れている……つまり、やっぱりワープじゃない。彼の能力は謂わば"未来の先取り"なので、飛羽真は本来あのまま何秒間か地面に這いつくばっていたであろうから、移動しない。対してユーリはデュランダルに向かって走ってたので、少し先の地点に出現する。
抹消から再界時までのタイミングさえ分かれば、凌牙本人と同じく数秒後に何しとくか決めておけば混乱はしない。後ろを取られるのは分かりきってるので攻撃もできる。
・"全知全能の書の一部"って、全部のライドブックがそうだよね? 別にタテガミだけが特別な訳じゃ全然ないと思うんだけど。量の問題なのかな、同じ一部でも端書き数行とまるまる1章じゃ重みが違う。
本に先代剣士たちの思いが詰まってたように、今の飛羽真たちの戦いも全知全能の書を構成する1ページであることに変わりはないと思われる。ワンダーワールド物語ライドブックもそうだけど、セイバーの最終フォームはそういう自己言及的な本になるのかな。
・ソフィア様からの問いかけ、流れが読めない。なんであの人はあの場面でそんなことを気にしたんだ? 「ブレイズ、あなたの戦う理由はなんですか?(私を守るためではなく世界を守る為でしょう、早く逃げなさい)」ってことだろうか。からの、世界じゃなくて自分の家族であるSOL(勿論ソフィアも)を守る、だから逃げません! って流れなのか。
タテガミ氷獣戦記の胸でなく頭にあるライオンの意匠が、世界を守るために仲間を裏切るという主客転倒から脱却し、剣士(主)とライオン(客)が本当の意味でひとつになったことをよく表している。胸にあったときは「ライオンの力を使う剣士」って感じだけど、顔にあると「倫太郎自身がライオン」って感じ。

 

 33話
・鍵なんて預かってたっけ。セイバーはちょいちょいこういうことがある。なんでだろうな、僕が真面目に見てないからなのか、描写の仕方が下手なのか。
玩具っぽくないアイテムは重要じゃないって勝手に判断してスルーしがちってのは根本的にあるとして、単純に要素が多過ぎるのもあるとは思う。
・凌牙が鍛錬してるのは、サウザンベースにある精神と時の部屋だろうか。これも名前忘れたわ。
・なるべくなら暗黒剣に触れていたくないんだな、賢人。どんな境遇だろうと生きてる限りお腹は空く……ゴーストからの文脈もあるし平成(以降)ライダーっぽくていい感じなんだけど、蓮のラーメンといい、なんかファンへの目配せ的な風に見えちゃってる面もある。
・ルナを模倣して作られたソフィア……なんかアルターブックみたいね。でも飛羽真が驚く意味は分からないぞ。だったらどうだっていうのよ。割とどうでもいいでしょ、正直あの人。
・「これで話は終わりだ」の話ってstoryのことでもあったのね。
飛羽真が自分を犠牲に世界を救う未来……それを本人に伝えたくないって気持ちは、ヒロアカのナイトアイみたいだ。多分賢人は代わりに自分が死ぬつもりなんだろうし、それを飛羽真に気取られたら絶対未来は変えられないから言えないのだろう。
・風と煙じゃ相性最悪だろと思ったけど、風のエンブレムは封印されてるから今は猿飛の力だけで戦ってるんだっけ。
・争いの絶えない楽しい世界……マスターロゴスはどうやら"こっち側"の感覚を持った人間らしい。作中人物からすれば正気の沙汰じゃないけども、メタ的に見ればライダー達が命がけで戦う様を楽しんでる我々と言ってることは同じ。
元シンケンゴールドの人だけど、彼は光のモヂカラを使ってたからってのもあって最初に雷鳴剣を使ってたのかな。ユーリとも何か因縁があるのかもしれない。
・「俺と……ルナと飛羽真はバラバラになったんだ」の言い方がいい。仲の良い"ルナと飛羽真"を一歩引いたところから見てる賢人の立ち位置がよく分かる。自分を勘定に入れてなくて、2人さえ助かればいいと思ってるのが伝わってくる。
・"世界の結び目"と言う表現があんまりピンときてなかったんだけど、世界(物語)を一本の紐として見たとき、結び目というのは始まりと終わりを繋いでウロボロスのような円環をつくることになる。靴紐とかを思い浮かべてもらうと分かりやすい。
だから何だって言われるとまだよく分かんないけど、でもなんとなくイメージできた気がする。
キリがないので少し触れるだけにしておくけど、世界史の用語として実在する、アレクサンドリアを指す言葉でもあるらしい。ゴルディアスの結び目って話とも関連がありそう。
・強くなった倫太郎に助けられることで自分の弱さを痛感してメギド落ちする流れ……うまいな。今は剣の力が封じられてるとはいえ、そんなものは弱さの言い訳にはならない。蓮のストイックさがどんどん逆効果にハマっていく感じ、思ったよりはいいぞ。
ただ前も言ったけど、どうせ仲間入りした賢人くんに助けてもらうんだろうなって見え見えなのがね。逆にこれで違ったらそりゃびっくりだけど。

 

 34話
・ルナを犠牲にはできないからソフィアを、分かる
・争いの絶えない世界に創り変えたいマスターロゴスと、争いをなくすために世界ごと消そうとしていたバハト。
・体の痛みも剣のままでは味わえなかったものだから最高……ってのはエックスソードマンになったときにも言ってたことだけど、このままだと本気で死ぬのかもね。割と無条件にいるだけで好きなキャラなんだけどな。
死なないバハトと死ぬユーリで対比にするんだろうけど……そもそもバハトはどうやって不死身の体を手に入れたんだ? メギドと同じく禁術ってことで説明がつくもんなんだろうか。
・金と銀、2つの力で……って言ってるのに1本じゃんとずっと思ってたけど、そういや暗黒剣も使ってたって設定あったな。でも暗黒剣も金色よね。飛羽真(ドラゴニックナイト)に使われてた時は、ちょうど金と銀の2本だったけど。
・人間がいるから争いがなくならない……という友人の主張を踏まえると、ユーリが剣になったのもなんか分かる気がするな。それを振るう人間が何を考えてるのか、剣の側からしか分からないものがあるのかも。
・こうして見るとファルシオンってめっちゃゴーストカラーね
・光と闇の力で封印……そういえば映画でも、エモーショナルドラゴンの白黒2匹の龍が再封印してたっけ。あいつらも元々破滅の本から出てきた存在だったから、なんとなくそういうこともできるんだろうなと思ってたけど。

 

 35話
・あー、うーん? 1話ではルナが消えて、先代が火炎剣烈火を地面に突き刺す(封印する)ことで事態を収束させた。この2つに何か因果関係があるなら、反対に火炎剣烈火を引き抜いて本来の力を引き出していくことで、閉じ込められていたルナも解放される……のかなと思った。
なんか一瞬「わかった!」って気になったけど、やっぱりよく分かんないかも。「カリバー(隼人)が飛羽真とルナを引き裂いた」ように見えてたけど、実は先代の方が、全知全能の書に到達できないようにルナをあの本に閉じ込めてた……ってのは、ありそうな話ではある。先代はカリバーになった訳だから、カリバーが、でも強ち間違いって訳じゃないし。
・「止めても……無駄ですね」
ソフィアさんはルナの代わりに自分が犠牲になることをずっと前から覚悟してるからこそ、ここで強く止めないのかな。確かに最初に見たときから、なんとなく憂いというか諦めみたいな空気はまとってた(からカリバーと内通してるんじゃないかとか思ってた)。
・地獄兄弟もだけど、外でカップラーメンってどうやってお湯調達してるんだ? こないだ家出したときは安売りしてたからカップラーメン買ったものの、結局お湯をタダで注げそうな場所がなくて、最悪水で食べればいいかって感じだったのよね。近所のスーパーはイートインコーナーにお湯があったはずだけど、そんなにどこにでもはないよね。携帯コンロとか鍋も買ってて、普通にお湯沸かしてるんだろうか。
しかし蓮は……最初から闇落ちする前提だったからあんまりいいカッコさせてもらえてなかったのかな。わざわざここで見せ場つくんなくてもいずれイベントあるから、みたいな。
・神代兄はいい加減背後に回るワンパターン戦法をどうにかしなよ……と思うけど、ここまで頑ななのには訳でもあるのかね。剣と同じで代々伝わってきた由緒正しき戦法だから(卑怯だけど)、それをきちんと受け継いだ上で勝たないと神代家の名が廃る……とか。
・賢人はわざわざ全部の聖剣封印しなくても、一本だけでいいんじゃない? って言ってる人を結構見たけど、公式HPにもある通り1クール目のラストでは6本でも扉開いてたんだから、別に11本と19冊揃わなくても(不完全な状態で良ければ)儀式自体はできるのだろう。だから賢人はなるべく多くの聖剣を封印しなくちゃいけない。しかも、剣の数が減って不完全な儀式になればなるほど、それを補うためにソフィアで代用せずルナ本人を犠牲にする必要性が増すかもしれない。
その可能性まで考えたら、賢人的にはもう全部封印してどっかに隠してしまう以外の選択肢がない。
・蓮にとってはもう世界を守るため……なんておためごかしはどうでもいいんだろうからいいとして、飛羽真はなんで約束の場所に来たのか。どこかに身を潜めていた方が良かったのではないか。「約束の場所に来ない」と言うと飛羽真のキャラ的には有り得ない行為だけど、描かれてる範囲では別に約束したの飛羽真じゃないからな。
ただ、例え来なかったとしても、いつかはサーベラやデュランダル、バハトに見つかって、戦いに負ければ剣と本は奪われてしまうのだから、早いか遅いかの違いでどちらにしても結果は同じことではある。戦って、勝つしかない。
こういう「結局こうなるんだからその過程はすっ飛ばす」みたいなのって、結構作劇のテクニックみたいなものなんじゃないかと最近は思うのよね。例えば最強フォームを使っても勝てない相手と戦わせるんだったら、(販促的に弱いイメージを付けないためにも)基本フォームで負けさせとく、とか。今のはナメプだったんじゃないかとか口挟むのって、そんなに多数派じゃないと思うし。
そういう訳で、結果が同じならこそこそ隠れるより正面から堂々と来たほうがカッコがつくのでそうするというのは、それなりに筋が通ってると思う。
考えてみれば、変身できない尾上や倫太郎たちが人質にされる可能性もあるしな。というか、扉開くためにルナが利用されることも分かりきってるんだから飛羽真が来なかった場合それは約束破ったことになるわ。何言ってんだ。
・飛羽真が黙って変身したから、エモーショナルドラゴン出したかっただけかよって思ったけども、普通に考えたらそれで1回ファルシオンを封印できた訳で、今回もそれができれば(あとは破滅の本さえマスターから奪えれば)とりあえず1本剣が減るから、暗黒剣の使い手じゃなくて基本は封印できない飛羽真的には、割と最善手だったかも。
・聖剣が形作ってた紋様、明らかにセフィロトの樹だけどあれは10個だから似てるだけかなと思って危うくスルーしかけた。一応調べといてよかった、ダアト(知識)っていう隠された11個目のセフィラがあるらしい。そこには虚無が配置されてる。
・あの架け橋は明らかルナから生えてるけど、これも世界を繋ぐ力の一旦だろうか。飛羽真と手を繋ぐことすらできないで世界を繋げるなんて、できなそうだもんな。
・あっさり復活したユーリ。そういえばカリバーも、ドラゴニックナイトにやられたのに聖剣から復活してたっけな。光と闇の剣にはそういう力が備わってるんだろう。
・賢人が雷鳴剣を拾わなかったのは、暗黒剣の力を背負う責任から逃げないため、かな。もう1本あるって思ってたら、心のどこかで「暗黒剣じゃなくても世界を救えるかも」って思ってしまうから。

 

仮面ライダーセイバー ソロモン編(36話〜) 感想メモ

僕のヒーローアカデミア メモ

※アニメしか見てません

 1期
"僕だけが" ヒーローの孤独性 ↔きっと誰かが

麗日お茶子って確かに語呂はいいけど何でお茶なのかって考えたら、強いて言えば緑だからかな。

デクVSかっちゃん1で"借り物の力"を強調してたところから、「君の力じゃないか」を経て2なのか。なるほどね。


 2期
オールマイトのウサミミ、ピースサイン
体育祭、自他の境界
デクを助けた過去の面々
オールマイトじゃないし、轟もエンデヴァーじゃない
君に傷ひとつつけられちゃいないぞ 君の力じゃないか
オールマイトの真似は破滅的過ぎる
行き過ぎたオールマイトへの憧れ、ステイン
俺だけが吹っ切れてよしにはできない
本名のショート、あだ名(変身)のデク 自己定義
爆豪のヒーロー名は本人の意志と関係なく自然定着する形で"かっちゃん"になりそうな気がするけど、どうなるんだろ。

血を舐めると動きが止まる 吸血鬼
足など,腕など捨て置け 今は足が,拳があれば 相互補完
無個性の弟に力をストックする個性を与えた
正義は悪から生まれる


 3期
自己犠牲賛美への否定、洸汰 個性そのものを憎む
マスキュラー、AKIRA
できもしねぇことやりたがった 悪いのお前だろ
水を指す
常闇の暴走

顔なしのAFO
爆豪とエンデヴァー
心配する母親 家を出る
二次性徴
オリジナリティ,自己の確立、シュートスタイル
エンデヴァーと同じ目 何かを排斥する冷たい目
「勝つ」じゃなく「負けるか」
選ばれた者と選ばれなかった者
無個性だから助けられ、強いから助けてもらえなかった
ドラえもんだらけ 自己の拡散
病気は治さなきゃ、ペストマスク

 

 4期
個性を奪う/増強する リアリティとファンタジーのバランス
理性と感情のせめぎあい 迷わない狂気
完璧にやらなきゃ、期待に応えたいのはヤクザも同じ
強気を挫き弱きを助く侠客、ヒーローは強き者
武器ではなく持てる力だけで 環の個性は武器扱い
後先考えず飛び出せる勇気、狂気 やり遂げる実力
弱いから強さを騙る入仲、ヒーローが笑うのと同じ
何でも治せるご都合主義の塊、治崎
心のない外道、ヒーローと同じ狂気
自分の個性が本当は何かなんて、神じゃないので分からない
未来を見るのではなく決定する個性かもしれない
自分のせいで他人が傷付くより自分が傷つく方が楽、ヒーローと同じ
助からなきゃ
薬には手を出すな 人の道を外れる外的要因
マッチポンプ 本人の意志を無視した余計なお世話
理を壊し未来を変える
マクロとミクロ、要素還元主義と創発
ナイトアイの死 リアリティの方
4期は特に、ヒーローとヴィランの境界線を曖昧にしている

需要と供給の接続効率 クソガキも使いよう
近くの優しさ、オールマイトの救えなかった者
壊理とは真逆(でもないが)の幼児的万能感
"何でもできる"と"何にもできない"は裏表、自意識過剰
「自分が抱え込めば解決する」もまた万能感
個性特異点 個性の起源は元々人体改造?
見下したままじゃ、自分の弱さに気付けない
体と合ってない個性 無理やり
サプライズ、自分の殻に閉じこもらない他者との交流
混沌と自由、義賊
跳ね返すだけのジェントル 中身
(見た目だけだが)"小さい女の子"のために戦う2人
「まだ負けてないぞ」4期のデク、もはや怖いんだよな
笑い方を知らない女の子の笑顔とから、あまりにも丁寧なまでに、全部が全部ブーメラン
"自分の幸せ"という甘い禁断の果実を齧る
シリアスとギャグのバランス
ゆるいけどかっこいいホークス
力だけで思想のない脳無でも、No.1就任直後のエンデヴァーを襲わせることでセンセーショナルな事件に
半冷半燃のショートより、ただの炎の方がシンボリック
弔を追い詰めた、頼れる象徴オールマイトが生んだ「誰かが助けるだろう」という空気に逆らったエンデヴァー
逆に、自分じゃ1位にはなれないと諦め他人に託すホークスの力も合わせたフェニックス、そして勝利


 5期
自分がトップに立てないってのは、そういう汚れ役を請け負ってることもあっての発言だったのか
コミックの通り、続き 夢は現実に
あるはずのない意思、特異点というのは力を溜め過ぎってことだろうけど 初代がそうだったようデクにも本来なら顕在化するはずのない、個性を最大限引き出す個性的な何かが備わっていた? 心操も、操った人間の個性を最大限引き出す練習はしていておかしくない
心操の個性を初見殺しに留めない案として変声機ってのは想像できたけど、本当にそれだけなら聞こえてくる方向とかでバレそう 今回は宍田が個性の関係でバカになってたから効いたんだろうけど、その辺も機械でいじくればなんとかなるもん?立体音響的な某で

男女問題についてまた考える(1/2) 五輪森会長の女性蔑視発言編

一時期は積極的にフェミニストの方をフォローして話を読み、自分なりの考えをツイートするなどしていたことがあったけれど、こうして単発の記事にするのはそれなりに久しぶりのこととなる。
これを書いている現在僕は精神科へ入院しており、コロナとの兼ね合いもあって面会や外出が全面的に禁止され、インターネットを含め外界との接触機会がほぼなくなっているのだが、唯一あるのは病棟ラウンジのテレビ。一人になりたい訳でない場合は大抵ラウンジでそれを眺めているのだけれど、丁度僕が入院した頃から連日に渡り、オリンピックの森会長についてのあれこれが取り沙汰されていることが非常に多い。正直「ウンザリ」という言葉が最もしっくりくる。僕の精神衛生上、非常によくない話題だったので、その鬱憤を晴らすためもありこうして筆を執っている。
もうひとつ、たまたま患者仲間から借りて読んだ小説『82年生まれ、キム・ジヨン』もまた似たような話題だったのだけれど、こちらは結構面白かったのでその感想という側面もある。
この2つを混ぜ合わせて、全体として男女平等について改めて考えていきたい。
普段ならある程度するであろう下調べや裏取りができないので、投稿前に一通りチェックはするものの、この記事に正しさのようなものは期待しない方が良い。


森さんの会見後、僕の記憶が確かならば当初論点はそこになく、「コロナ禍においてオリンピック開催を断言したこと」に対しての批判が飛び交っていた。僕は先述の理由から彼の発言を、気まぐれに流れるテレビから断片的に読み取るしかない訳なので、そこのもどかしさはありつつも、概ね「聞く限り具体的な方法については言及されていないし、開催できる道を模索することはいわゆる"新しい様式"の文脈に沿っているし、ニュースタンダードをこの機会にうまく提示できれば、滅多にない日本開催のチャンスを印象的なものにできるという意味で理に適っている」と感じたので、まず"森さんを批判的に取り上げるメディア"に対して悪感情を抱いていた。もし僕が知らないだけで彼が方法について述べていたのなら、「開催宣言なんてありえない」「これに問題を感じないのが問題」なんていう表面的で同調圧力だけやたら出すようなやり口じゃなく、何故駄目なのかきちんとその方法の是非を問うべきだとイライラした。


そしてそのうち、話題は"女性蔑視と取れる発言"へと移った。本題である開催するのかどうかを知ることができないままだったこともあり、「そんなのどうでもいいよ」という気持ちが正直あった。露悪的にそのままにしておいてもいいが一応書いておくと、女性が差別されることがどうでもいいのではなく(じゃあ非常に心を痛めたかと問われるとそんなこともないけども)、差別がいけないなんて当たり前のことをわざわざ今言わなくてもいいから開催の是非を教えてくれ、みたいな気持ち。まぁ五輪も興味ないっちゃ興味ないが、新しい様式になるならそれはちょっと気になる。
普段も割とそうだけどこの記事においてはより一層、理性で濾したものだけをアウトプットするのではなく、敢えて"思ってしまったこと"も含めて素直に書こうと思う。傷付いた方がいたら申し訳ない。


男女を問わず"フェミニスト=女性主義者"を名乗る方のお話には納得のいかないことも多い僕だけれど、おそらくこの件もその界隈で大きく賑わっている、のだろう。
何が気に食わないかと言えば、主には平等主義(男女平等と書くと順序が問題になったりするし、別に性別の問題に限定する必要もないのでこう書く)ではなく"女性主義"という表現を選び、実際そういう言動が見られること。
ニチアサ界隈を超えて「男がプリキュアになったっていい(観てもいい)」というエピソードが話題になった際、「結局救われるのは男の子であって女性じゃない」とか不満を言っていた人がいたけれど、あれは傍目に見ていてもとても腹が立った。抑圧されていた人が救われることは喜びこそすれ、僻むものではない。フェミニストの方が言う不当な逆差別認定と同じ種類のものだろうに。そういった気持ちが湧いてきてしまうこと自体は仕方ないにしても、理性のフィルターを通してなおその感情に正当性めいたものを感じているように見受けられた人については理解に苦しまざる得ない。もし僕の勘違いで身に覚えのある人がこの世に一人もいなかったなら良いと思う。
まったく言わなくていいことだが、僕自身は「プリキュア(や、女の子がいっぱい出てきてそれを楽しむ種類の作品)を見ている大人の男性」に対して言い知れぬ気持ち悪さを覚えてしまう方の人間だったりする。性嫌悪にも近い感情だが、加えて「男性がたくさん出てくる作品を見ている女性」にはそこまで強い拒否反応がないことを鑑みるに、男性嫌悪的な感情であるとすることもできると思う。トクサツガガガに出てくる任侠さんとか、そんな目では見ていないのかなと頭では理解できるけど、やっぱりちょっと嫌だと思う。フィギュアとかポスターとか部屋に置いてあると特に。僕も化物語とか好きだけどね、けいおんも面白かったし。
誰が悪いかと言えばたぶん僕の心が狭いのが悪い、ごめんなさい。これはプリキュア好き男性の件に限らず、同調圧力だけやたら出す人やフェミニストの方など、このテキスト内に出てくるものに限らず、僕の嫌なこと全般に言えるけども。


話を森さん問題へのイライラに戻そう。あの発言は僕の中では「本当に女性が嫌いで抑圧したいというよりは、主には会議の進行を妨げる行為に対して鬱憤が溜まっていた(それに誘発されて女性嫌悪的な感情が漏れ出た)」と認識している。彼があの場で「女性は話が長い」のようなかたちで自分の鬱憤を表現してしまったことは、起こらないに越したことはないと思うし、そういう表現をしてしまったのは意識的にか無意識的にかは問わず事実として彼の中に多少なりとも女性嫌悪的な感情があったからであると理解することができるのも分かる。
だが表現が不適切だからといって、不適切なことをやり返すことに正当性は感じない。多くの番組では"女性蔑視発言"という表現が使われていたけれども、口頭では「女性蔑視"と取れる"発言」とされていることも多かった印象を受けた。そう認識しているのなら、例えば女性蔑視"的"発言、不適切発言などとやわらげて表現すべではないか、そうしないのは"不適切な表現"ではないのか。
謝罪会見かなんかで記者の言った「女性は男性と比べて発言を控えるべき立場だと思っているということですか?」なんかは、僕が該当部分を聞いてないだけかもしれないが明らかに「そこまで言ってない」と感じた。そう解釈するためには「たまたま彼の周りで女性の話が長いことを女性全体のことのように誤解している、のではなく、森さんは男性の話の長さだけ不当に(例えば内容の重要性とは無関係に)許している」ことが読み取れないといけない訳だけれど、飛躍しているというかやはり意地悪な見方のように感じる。不適切な表現と不適切な読解でお互い様、むしろ謝ってないぶん後者のほうがタチが悪い。こういう輩がいるから「面白おかしくしたいだけなんだろ」という反省しているとは思えない発言にも、ある程度の同情をしてしまう。


「やられたらやり返す」じゃないけども、悪いことをした人間に対しては悪いことをしてもいいという感覚は根強くある。ミラーリングなんて用語が存在するくらい、フェミニズム界隈ではそういう事案をよく見かける。『キム・ジヨン』185pの解説では、韓国の女性は結婚して子供が生まれると名前ではなく「誰々の母親」といった役職で呼ばれるようになる文化に対するミラーリングとして、本書では主人公の夫以外の男性に名前が設定されていないことを指摘し、「男に名前は必要ない」と当て付けられている。僕は平和への手段として報復(罰)は適当ではないと思っていて、ミラーリングにも同様にモヤモヤを覚えることが多い。アナーキーに開き直って「やり返されてもいいなら何してもいい」とするならそれはそれで全然構わないのだけど、一応法律では私刑は禁止されていることもあり、されたら傷付くと分かっていることはやらないに越したことはないと思う。「男は生物的に加害性を持っているのだから配慮しろ」という言説は僕にとって女性関係の問題に興味を持つきっかけのひとつだったと思うけど、今思えばミラーリングの一種だったのかもしれないと分かるものの、当時は非常に不快感(正確には罪悪感)を覚えた。自分の中にある性嫌悪的感情は幼少期に継母から去勢されそうになった経験に由来するものと思っていたけれど、今思えば存外その件も影響しているのかもしれない。
余談だが、普段韓国ドラマにもK-POPにも触れない身からすれば、韓国人の名前というのは見慣れなくて覚えにくいので、役割で記載し固有名詞が必要最小限に抑えられているのは『キム・ジヨン』が読みやすい一因であり長所であると思う。


あるコメンテーター(?)は、「あれは表現が不適切だっただけの"本心と違う失言"ではない。事前に予防線(こういうことを言うとまた…)を張っていたのだから意図的な発言だった」と言っていたのだけれど、言ってはいけないことだと自覚していたのなら、それこそミスであることの表れではないのか。「これだから女は」みたいな本心があったとしても、取り繕おうという気持ちもまた本心としてあった。だが結果として嫌悪感が多めに表出してしまった、或いは表現自体は本人の意図通りだったが思っていたよりも悪く受け取られてしまった、という意味でのミスである。僕はそういう理解をしたのだが、彼はそうは捉えなかったらしい。
僕の認識では、"女性蔑視発言"のようなキャッチーだが僕にはイマイチ的確だと思えない言葉や、微妙に無理を感じる解釈でもって批判的に報じたメディアもまた、その伝達ミスの共犯者である。当初はそこまで女性関連の部分は注目・問題視されていなかった(ピックアップして報道されていなかった)というのは、発言そのものではない外的要因が多少なりとも印象や解釈を悪く誘導していた側面があったことの傍証ではないかと思っている。
僕の目が森さんを責める側に厳しいのも、自由に情報収集ができない状況で的の外れたような報道ばかりしていることに対する苛立ちという側面、つまり精神科へ入院中であるという極めて個人的な事情に由来するところが大きいと思う。まぁ森さんばかり責められて一方的だと思うので、こういう声もあってよかろう。
しかし僕も大概話が長い。まだ続きます。


ここまでは森さんにも非があることは自明のこととして無批判に受け入れて話をしたけれど、そこにも疑問を向けてみたい。果たしてあの発言は本当に不適切だったのか。

まず思うのは、先程も少し触れたがくだんの会議における"長い話"というのがどのようなものたったかがきちんと分からない以上はなんとも言えないという点。森さんへの否定的態度とともに「本当に必要な話は会議が長引こうがしないといけない」なんてことを言っていた人がいたけども、そんなことは少なくとも僕にとってわざわざ言うまでもない当たり前過ぎること(そりゃあ、会議を長引かせてでも話すべきことは会議を長引かせてでも話すべきだろう、トートロジーだ)であって、森さん自身も謝罪会見で「(性別によってではなく)場に即しているか否かで発言を控えるべき」と言っていたように自覚しているところであると思われる。僕は法律における推定無罪の考え方が好きなので、彼についても相応の根拠がなければ本人にとってなるべく都合の良いように解釈していることが多い。

可能なのであれば実際に会議に参加していた他の人がどう感じていたか、場に即していたのかを吟味したいところ。ただ、世論が森さん批判一色に染まってしまっては彼に有利な証言は心理的にしにくくなってしまうので、なかなか難しいけれど。話の内容をよく吟味する前に、森さんに肯定的か否定的かという態度だけで「じゃあお前も女性の敵だな」と思われて曲解されてしまうことが怖くなる。すると何を言うにもまずは「自分も彼は悪いと思う」という枕詞で意思表示をしなければという気持ちになって、また"世論"の壁が大きくなる。『キム・ジヨン』に至ってはこの本を「読んだ」とツイートしただけで、おそらく「(各々の思う悪い)フェミニズムに賛同なのだ」と受け取られたのだろう、大炎上したらしいことが帯に謳い文句(?)として書かれている。沈黙は共犯なんて風にも言うけれど、それもあって、大した根拠なく悪い方へ捉えることはあまり良いことではないと思う。


次に考えたのは、話の長さと女性であることの関係。オリンピックなんて20数年生きてきても未だまともに見たことないほど興味がないので認識が間違っていたら申し訳ないが、"オリンピックの精神"は性差までを否定するものではないはず。男女や身体障害の有無でもって枠を分けているのは、もしかすると表向きには深い意味はないとされているのかもしれないが、やはりそれらの間に横たわる厳然とした"特徴の差"を意識したものに思えてならない。女性よりも男性、障害者よりも健常者の方が身体能力が高く、同じ土俵で戦わせるのはある種不公平である、という肌感覚。
実際、保険の授業では男性の方が筋肉質に育つとかなんとか聞いた気がするし、そういった性差は事実であるとの認識は一般的なものだと思う。
では当然、身体的特徴はそうだとしても、精神的特徴はどうかという話になる。僕は体が男性/オスなので(握力が20もないような雑魚だが)体験したことはないけれど、聞くところによると女性の生理は精神にも影響を及ぼすらしい。健康な精神は健康な肉体に宿る、と言ったりするけれど、体の調子が悪ければ自然と不機嫌になるというのは生理とは分けて考えても理解できる。
そうでなくとも、普段から薬物によって精神的安定を得ている身からすれば、こころを肉体的,物質的なあれこれからまったく乖離させて考えることには、無理を感じるものがある。
ただ公平を気取って「話が長いかどうかは個人の特徴であって人それぞれ、女かどうかは関係ない」と言うのは簡単だけれど、例えば女性ホルモンなどの身体的女性性と話の長さの因果関係について本当に"ない"と自信を持って言い切れる人がどれだけいるだろうか。仮に因果関係があったとして、それは必ずしもただちに「すべての女性は話が長い」ということにはならない。別の要因によって打ち消されることもあるかもしれないし、故に裏を返せば「事実、女性の話が必ずしも長いとは限らない」ことだけから、因果関係がないことを証明はできない。


更に言えば森さんの場合、両者の間に因果関係がある(女性であることが話の長さを引き起こしている)ことを強調するものではなく、あくまで相関関係がある(理由はさておき女性は話の長いことが多い)ことを言っているように受ける。
女性ホルモンなどの身体的女性性と無関係だったとしても、たまたまそういう女性が多いということは有り得る。それらを見て「女性はおしゃべり」「電話も長い」のようなイメージが流布し、自分は女性であると自認している人の中で暗示のような効果を発揮して、余計に話の長い女性が増える……とか、そういうことはないとも限らない。なんにせよ、「女性のいる会議は(多く,一般に)長引く」ということは少なくとも森さんの周囲だけで言えば事実であり適切な表現なのかもしれないし、ひょっとすると世界規模でデータを取ってみても案外そのような結果が出るかもしれない。勿論、そんなことない可能性もある。たまたま自分の周りがそうじゃないだけであることを完璧に否定するためには、女性が出ているすべての会議をリサーチしなければならない。少なくとも半数以上かな? でもまぁ、結局全部でいくつ会議があるのか分からないと半数がどのくらいなのかも分からないか。


本当に性別(ここでは生殖機能を指す)を考慮せずにオリンピックを開く場合、もし筋肉量云々の理由で枠が分けられているなら実際の筋肉量によって区別すべきだろう。邪魔な胸の有無が争点なら、胸が小さくて筋肉量も遜色ない女性は男性と一緒に競うべきかもしれない。
だいたい、国別に代表を決めることからしてどうなのだとみんな薄々思っているのではないか。例えば、本当なら世界で3位になれる実力のある人が、一国からの出場人数が2人以下であることによってその栄冠を得る機会を奪われているかもしれない。
あの国はこの競技が強いとか、あの国の女子は強いとか、僕の見てきた「オリンピックの楽しみ方」はそういうものだった。代表になった僅かな人数だけを見て(無意識に)その国に対する内的イメージを形成する。
もっと言えばこれは、スポーツそのものが孕んでいる特徴でもあると思う。普段から身近にいる人はこの限りではないけども、多くの人は試合という限られた場だけを見て選手のすごい/すごくないという評価をする訳だから、どうしても"偏見"のそしりは免れない。練習の時の記録なら、相手の調子が悪い時なら勝ってたかもしれない。そういった不確実性を努力によって埋めようとしているのだろうけれど。少なくとも僕の周りにおけるオリンピックの受け取り方とは、"偏った見方でそのものの特性を推察すること"は矛盾しないどころか相性がいいと感じている。


これは僕が昔から言っていることだが、偏見それ自体は悪くない……というか、全知になれない以上は仕方がない。ただ、それを弁えずに広い範囲の話をすると「違うんじゃない?」と言われたり、「こうある"べき"なのだ」と主張したりそれをもって抑圧したりすると初めて問題視される。
悪いのは偏見それ自体ではなくて、そこから発生する(多く無自覚的な)強制,抑圧の方だ。「男性は一般に力が強い」だけならまぁ自分は違うがそうなのかな、で終わるけれど、「男性ならば力が強くなくてはならない」と言われたらちょっと待ってくれ、となる。同様に「女性のいる会議は時間がかかる」が、もし「だから女性は会議に参加できない、発言できないようにしよう」とでもなれば、これは確かに立ちたがって抵抗するべきかもしれない。だが彼にそこまでの意思があったか? 僕には「自分は不適切だと感じることが多いので、場に適しているかどうかもう一度よく考えてから発言して欲しい」程度の意図であって、ただ女性だからというだけの理由で何かを抑圧する旨の意思は感じられなかった。女性に限定する必要があったかと言えば、実際その会議に出ていた話の長い女性たちに自分のことかもしれないと思い自省してもらう為には意味のあることだと思う。確か前の方で「うちの恥を言います」みたいなことを言っていた記憶もあるから、その文脈を適用すればあくまで「(多くの女性は長く話したくても場を弁えているだろうに、うちの)女性は話が長い」という意味だったと理解できなくはない。
勿論、そう言いたかったのに現実としてうまく伝わってないのだから、彼のその発言自体「場に適しているかもう一度よく考えてからすべきだった」ことではあるんだけれど(つまりメディアはキャッチーで分かりやすい表現を使ったり面白おかしくするためにわざと意地悪な解釈をしたりするので、そこまで考慮して慎重に発言すべきだった)、ブーメラン発言であることは必ずしも主張が間違っていることを意味しない。「お前はどうなんだ」と問いたくなるということは、その主張自体の正しさをある程度は認めていることになる。だって「差別はするべきです、私はしませんが」なんて言ってる人がいたとしたら、「じゃあ差別しろよ」より「なんでするべきなんだよ」が先にくるのではないか。仮に「じゃあ差別しろよ」と言ったとしても、十中八九は皮肉であって「差別はよくない」というニュアンスを含むと思われる。
ということなので、森さんの「空気を読もう」という主張自体はそれなりに真っ当なものだったと思う。

 

正直旬も過ぎてしまったし、続き(キム・ジヨン編)は書かないかも……。

被害者の論理(1/3):トーンポリシングについて

被害者の論理(2/3):性犯罪等について

被害者の論理(3/3):性差について

性描写について思うこと/グリッドマンの抱き枕カバーの騒動を受けて

トランス女性(MTF)は女風呂に入れる?/性別とは一体何か

「男性VS女性」の構図が表すもの/平山亮さんのインタビューを読んだ感想

進撃の巨人 1巻/1期1,2,4,5話 感想

これを書いている現在は、アニメファイナルシーズン(4期)放送のおよそ一月前。世間的には今更感もあろうが、いつか必ず感想記事は書くつもりだったので気にせずいきます。
原作の方を初めて読みつつ、既に知ってるアニメも並行して見て思いついたことを横断的に語る。1期については、TVアニメシナリオ集ってのも副読本として読む。作品のテーマにかこつけて、『進撃の巨人』という作品の内側にこもるのではなく、他の作品や自分語り等の脱線話も多く盛り込んでいく予定なので、悪しからず。特に僕は普段仮面ライダーの感想を書いていて、アニメ版のメイン脚本家である小林靖子さんは仮面ライダーも手がけている方なので、絡めて話をすることも多いと思う。

 

第1話『二千年後の君へ』

アバンタイトルは、巨人の出現など我関せずといった風に空を飛ぶ2羽の鳥からスタート。僕はずっとカモだと思ってたんだけど、調べてみると同じカモ科でもガンではないかという説もあり。確かにカモだと泳いでばっかで空飛ぶイメージあんまないけど、ガンなら僕でも知ってる渡り鳥だから"自由な存在"のメタファーとしてしっくりくるかも。更には小学校で教わる『大造じいさんとガン』ってあるよね。あれは食用に狩りをする大造じいさんが、巧みに知恵を働かせて仲間を守る"残雪"という名のガンを、ただ人間から一方的に狩られる鳥ではなく、人間と同じく尊厳を持った存在……すなわち対等なライバルとして認めるまでの話。まさに『進撃の巨人』という作品を象徴しているような、ぴったりの作品だ。
そしてその鳥を見つめる緑の瞳、有名な"嫉妬"を表す慣用句ね(Green-eyed-monster)。映像では鳥が目に映ってるんだけど、ここで本来エレンが見ているのは、鳥じゃなく超大型巨人なのが興味深い。後で触れます。
また、残雪ではなく大造じいさんが飼い慣らして狩りのための囮に使った方のガンだと思って見るなら、ライナーとベルトルトの暗喩にも見える。
開幕いきなり脱線話だけども、こういう見方もなかなか面白いものでしょう? ちなみに僕は、自分の解釈が「正しい」かどうかにはあまり興味がない。もしかすると、制作スタッフのつもりとしてはガンとは別の鳥で全然違う意味を込めてたのかもしれないけど、勘違いだろうがなんだろうがあくまで「僕にはそう見えた、そしてそう捉えると面白かった」ということを重視している。


場面は一転、壁外調査の様子へ。シナリオでは"巨大樹の森"とされているんだけれど、劇中で印象的に出てきたのはウォール・マリア内にあるはずなので、少なくともこの時点でのライターの認識としては"巨大樹の森"は固有名詞ではなく、マリアの外にも似たような森があるということになるのね。知らなかった。
他にもこのシーンはキースやエルヴィン、ハンジにミケなどメインキャラばっかり出てるし、なんならこの後に名前だけ出てくるモーゼス・ブラウンにもきちんとセリフが当てられている。初見の時からずっと「単なる世界観説明のためのイメージ映像であって、明確にいつどこであったことなのかは設定されてない」ものだと思ってたのでびっくり。……いや、普通に考えて、あのかっこいい立体機動装置のお披露目からまさか負けるとは思わないじゃんね。「人類の力を思い知れ!」って言ってるし、興奮冷めやらぬままOP入るし。このセリフを言ってるのが誰あろうモーゼスその人で、付近に巨人はあの一体のみとのことなので、十中八九こいつに負けて死んだってことになる。にわかには信じられん。

 

「いってらっしゃい」と声をかけるミカサらしき影。家という壁から出ることを祝福する、非常に印象的な一コマ。だが同時に「帰ってきなさい」という強い意志も感じる、というか目を覚ました現実のミカサは実際そう言っている。
髪が伸びてるということはエレンが夢で見ていたのは過去の出来事なのかなと一瞬思うけども、髪を切るってこともあるので必ずしも過去とは限らない。まぁ見た感じそんな大人びてるようにも思えないけど。アニメでは食われるカルラのシーンがあるので、明確に未来ということになっている。或いはシナリオの記述にあるように過去も未来も現在も"ランダム"なのか。
気になるとこを細かく追って見ると、最初は目を覚ました後の風景にも映っている、風に揺れる青い花(シナリオ本によると紫)。それが血に染まって、開かれた巨人の口、持ち上げられる兵士、占領される原っぱ、そして食べられる。ここまではイメージとしてすんなり理解できるとして、次からがなかなか難しい。まず明らかなのは暖炉と偉そうな服。一見すると椅子か何かに服がかかってるのかと思ったけど、目を凝らすと首元に人の手らしきものが認められ、僕が椅子の肘掛けか何かだと思ってたところは腕の断面だろうか。次に映るのは散らかった子供部屋。カーテンの奥から肌色の何か(巨人の指?)が覗いている。泣きっ面に蜂、みたいなカットもあるね。雫は見えないので涙は枯れ果ててるみたいだけど。で、カルラが締め。
全体的な含意としては「女子供や身分の高い者も見境なく殺される」みたいな感じかな。偉い人は基本内地にいるはずなので、シーナにまで悲劇の波紋が広がった未来を予期させる。さっき言った首元の手が小さめの巨人のものなのか、それとも人間による殺害なのかは分からないけれど。
徐々に意識が戻っていた原作と違い、エレンがはっと驚いて目を覚ますと、2羽の鳥が飛び立つ。アバンのあいつらだとしたら、迫る危機を予知して空へ逃げたってことになるのかな。夢を思い出そうとしていると2人の上に雲がかかり、泣いていることに気付いた途端 一気に晴れる。夢というのが現実逃避を意味しているとするなら、"今ここにある現実"を素晴らしいものとして受け入れるようなテーマがなんとなく窺える。
プレゼント・デイ プレゼント・タイム Hahaha……

序盤は噂されてた通りループものっぽい雰囲気が確かにあって、ゼロワンであった"涙"をきっかけとして時間が"戻る"ような演出が想起される。

 

"845年"のテロップを挟み、画面には外へ睨みを利かす壁上固定砲が映される。原作でも見開きでウォール・マリアの大きさが描かれてから、同じく壁上から街を見下ろすような絵が差し込まれる。
固定砲のレールの向きが横と縦で異なっているのがなんか気になる。そもそも同じ壁でもシガンシナを挟んだ別物な訳なので、アニメで修正されたというよりは両立する描写なのかもしれないけど。アニメの方はシガンシナを背にしていて正真正銘"壁外"に対する砲台なのに対して、漫画のはひとつ内側なので両側に街がある。縦(前後)に移動できるということは、(万が一占領された)シガンシナに加えてマリアの内側、そのどちらもを砲撃対象としているような印象を受ける。矢印を砲台の射撃として、簡易に図解するとこんな感じ。
 アニメ
マリア内|シガンシナ⊃→巨人領域
 原作
マリア内←|→シガンシナ⊃巨人領域
普通に考えたらシガンシナ内の門を突破されたとして、壁の上からマリア内に向けた砲撃(←)というのは巨人をいたずらに内地に向かわせることになりかねない。巨人に通常兵器は効かないということになってるが、実際に壁外調査の際にはあの砲台を使って周辺の巨人を追い払っているはずなので、殺せはしなくとも威嚇する程度の効用はある訳で、そんなことをすれば巨人はマリアから離れる=ローゼに近付く。じゃあ逆にこれがうまい具合に機能するシチュエーションというのを考えてみると、壁外ではなくマリア内から突然巨人が現れ、壁内からシガンシナ区に入ろうとしてくる巨人を追い払いたいケースくらいのものだろうか。すなわち、こんな感じ。
ローゼ内|トロスト⊃→巨人領域←|シガンシナ⊃
まぁ、本当にその為にあぁいう構造になってるんだとしたら後で出てくるトロスト区の外壁も同じく縦であって然るべきなので、作者の意図とは多分違うと思うけど。

 

これまではなんとなく流してたんだけど、エレンとミカサはシガンシナから出てローゼ/マリア間(しかもシナリオによるとローゼの近く)にまで薪を集めに行っていたらしい。「現在公開可能な情報」によると壁と壁の間はおよそ100kmで、車飛ばしても1時間、フルマラソン世界記録で換算しても軽く4時間はかかる。子供の足で本当にローゼ付近まで歩いたとはとても思えないので(どんなおつかいだ)、流石にこれは誤植かもしれない。もし無料の公共交通機関が整備されてるんだとしたら、社会保障のレベルが高過ぎる。有料なら親から交通費を貰った可能性もあるが、前後の話の繋がりからして大して時間が経ってる様子もないので、やはり誤植説が濃厚。

ハンネスたちが番を務める門は、原作では馬車がすれ違ってもまだ余裕があるくらい広く描かれてるのに、アニメでは子供2人でも狭そうな小さいものに変更されている。というか全体的に町並みからは閉塞感を覚えるので、これもそういった演出の一環だろうか。エレンの家も平地から石段の上に変わり、画面の情報量が増えて同印象に一役買っている。
エレンが"イザッてとき"について語る合間に一瞬だけ入る、魚が殺される意味深なカット。しばらく意味するところが分かんなかったけど、これも慣用句シリーズで「まな板の上の鯉」だろうか。一般常識の範囲だとは思うけど、映像で見せられると意外と分かんないもんだな。拾いそびれてる小ネタもまだまだ沢山ありそう。
グリシャの功績について、原作ではさらっと触れるだけなのに対してシナリオでは詳しく言及されてるんだけど、映像では結局カットされてて情報量がそこまで変わってない。「確かに流行り病の時は(グリシャの受け売りで)エレンが言う通り、みんなが危機感を持たず状況を甘く見た結果として痛い目を見た。でも巨人はまた別でやっぱり大丈夫だよ」というハンネスの主張は、確かに文脈を逃さずひとつひとつ丁寧にきちんと追えば分かりそうでもあるけど、リアルタイムに流れていく会話劇から読み取るのは至難の業ではないか。少なくとも僕は分かんなかった。
「ヤツらにこの50mの壁をどうこうできるとは思えない」という説明は、素直に受け取ればただ巨人が来なくて安心だねって話なんだけど、同時に外へ出たいエレンにとってそれは絶望的なことでもあるのよね。だって15mの巨人がいくら中に入ろうとしても太刀打ちできない壁に、人間の中でも更に子供のエレンが勝てるはずもなくて、安心と不自由のトレードオフが強調されている。
エヴァの最終回で似たような話があったな。真の自由を手にしたとき、人は何をしていいか分からず不安になる。「不自由をやろう」てな風に束縛を受けることで、やることが明確になり安心できる。いきなり「好きなものは?」と聞かれると漠然とし過ぎてて戸惑うかもしれないが、「好きな色は?」なら選択肢が少なくなる代わりにイメージが湧きやすい。
人間には、壁≒ATフィールド≒細胞の壁が必要なのだ。でなければ、生命のスープ(L.C.L.)へと逆戻りしてしまう。

彼らのサボりを肯定するのとも違うが、現実問題として四六時中ずっと警戒している訳にはいかない(余談だけど4×6=24だからこれで常にって意味になるのか、一六銀行みたいだ)。母の胸に抱かれて眠る子供のように〜、リラックスして息をつく時間がないとやっていけない。「本気で殴り合えば多分お前のほうが強い、だがお前は俺には勝てない。なーんでだ? お前には遊び心がない、心の余裕がない。張り詰めた糸はすぐ切れる、そういうことだ」とえら〜い人も言っていた。
逆に張り詰める時間がないとどうだろう。ディズニーのSFコメディアニメ『ファイアボール』では、ロボットが支配するディストピアのいち形態として、ヴィントシュトレ卿(ドイツ語で凪)による"かゆいところに手が予め存在している"ような「完璧すぎる統治」が提示されている。求めるまでもなく全て与えられた結果、人は言葉を失ったという。『PSYCHO-PASS』におけるユーストレス欠乏症という概念も興味深い。これは人が生きるために最低限必要なストレスすらも失ってしまった結果として植物人間のような状態になってしまう病気で、まさに"凪"の極地と言える。
重要なのは適度な緊張と適度な安堵。両者のバランスが保たれることで、人は健康に生きることができるのだ。酒に酔うこともまた夢と同じで、そういった退屈でストレスフルな現実からの逃避と言える。
1話の時点でここまでテーマを掘り下げちゃって、後々書くことなくならないか心配だが、出し惜しみはせずに行こう。

 

鐘が鳴り、調査兵団が帰還してくる。万全を期しているだろうとはいえ、一旦は門を開けるということで警鐘を鳴らしてるのかな? 門の仕組みとしてはおそらく二重になってて、内側に通路がある形(図1)だと思われる。
図1 壁内|通路|壁外
図2 壁内|通路←壁外
図3 壁内←通路|壁外
まず外寄りの門を開けて、兵士が通路に入る。万が一ここで巨人の侵入を許してしまったとしても、内側の門が閉まっているので壁内には入り込めない(図2)。その一体なり二体なりを討伐したら壁外から巨人が入らぬように外門を閉め、通路内の兵士が壁内に入る。人数が多いと通路に入り切らないかもしれないが、その時は何度かに分けて入るのだろう。或いは、周囲に見当たらなければ両方開けてしまうか。
こうして改めて考えてみれば、門の部分が弱いというのは頷ける。他の部分と違って真ん中が空洞になっているのだから当然だ。

モーゼスは、腕しか帰ってこれなかった。やりきれない気持ちを合理化するために、彼の死にせめて"意味"を見出そうとする母親。キースの口ぶりからすると、壁外拠点の設置は結局進展しないままに敗走してきたのかな。
彼らの肩を持つと暗中模索って本当に大変で、先のことは分からない以上、どこまで行けば望むような成果が得られるのかというのは全くもって読めない。この間隣町のスーパーへ買い物に行ったら、自転車がパンクしたのよね。
モーゼス母「そんな、自転車が……でもキャベツは? キャベツは買えたんですよね!?」
キース「なんの成果も! 得られませんでした!」
……余談はさておき、「全てのカラスが黒いとは限らない」という保証が欲しいとき、一体何匹のカラスを捕まえて確認すれば十分だと言うのだろう? 500匹調べて全部黒かったとしても、日本中を調べても世界中を調べてもまだ足りない。何故なら過去や未来にいる可能性は否定できないからだ。
ちなみにネットで検索すれば白いアルビノカラスの存在はすぐに確認できるのだが、これは現実世界に引きこもらずネットという"外の世界"へ出て確かめたから言える結果論であって、調べる前には「検索すれば見つかるかどうか」は分からない。仮にネット上に白いカラスの実在を示す情報がなかったとしたら、結果論的には「時間の無駄だった」と評価されてしまう。厳密な話をすると今の時代には合成とかCGって可能性もあるので、ネット上で確認しただけでは確証とは言えない。まだ「白いカラスもいる」という命題に対する信頼は100%にはならないのだ。
例えば受験勉強でも、今では模試の判定なんてものがひとつの指針として設置されているが、その年の倍率がいかほどか分からない以上、全幅の信頼を置くことはできない。A判定だろうが落ちる可能性はゼロではない(どころかそこそこある)ので、不安ならばもっともっと勉強するしかない。例えFラン大学でも、東大レベルの学力を持った人が、家が近いとか遊びたいとか適当な理由で大勢受験しない保証はどこにもない。「そんなことまずないだろ」と余裕ぶっこくのも自由だけど、それは本作に準えるなら「50m級の巨人なんている訳ないだろ」に相当する。
抽象的になってきたので壁外調査に話を戻そう。100人以上いた兵士のうち80人ほどを殺されてしまったとき、指揮官は「近くにいた巨人はなんとか倒せて今のところ見当たらないが、もし2体同時に現れでもしたら我々は全滅してしまうだろう」と不安に思って、退却したとしよう。だが、「実は壁の外にいた巨人はさっき倒したので最後で、そのまま進んでいれば外の世界について知ることができた」という可能性はゼロではない。もちろん同様に「さっきので最後なんてことはなく、少し進めば依然として巨人がうじゃうじゃいる」という可能性も十分ある。
「仮に倒し尽くしたのなら次の調査で分かるだろうから、今は一旦退却するべき」というのは一見正しそうだが、巨人がどうやって生まれるのか分からない以上、次の調査に行く頃にはまたうじゃうじゃに逆戻りしているかもしれない可能性を考えたら、今のうちに少しでも情報を集めるべきだと言える。何が正しいかは、結局のところ進んでみないと分からない。
極論 壁外調査をしなければ、既に巨人は死滅しているにも関わらず、意味もなく「遠くにはまだいるかもしれない」と恐怖して壁の中に引きこもり続けるということも考えられる。そう考えると"やってみなくちゃ分からない"というある種無謀なチャレンジ精神は、完全に否定されるべきものではないだろう。
まぁ「折角壁を超えたのに、居眠りしてサボってた結果薪が全然集まりませんでした」ってのは同情の余地あんましないけどな(苦笑)

 

帰宅した2人を見て、エレンの嘘を見抜いてしまうカルラ。嘘つくと耳が赤くなるなんてなんだかピノキオみたいね。人に作られし存在はロボット三原則のように枷を背負わされてしまう……と考えると、メタフィクションの香りがする。
「ご飯を食べるのは背負子を片付けてからにしなさい」と叱られてエレンが聞こえないふりをするシーンは、カットされているけどかなり重要。これがあることで後の「最期くらい言うこと聞いてよ」の説得力がかなり違ってくる。告げ口したミカサもだけど、母親は子供の自由を抑圧する"壁"として描かれている。散らかすのも駄目、調査兵団に入るのも駄目、アレもダメ ダメダメ、これもダメ ダメダメ、君のタメ ダメダメ……「え、なんで?」。でも母親は、不自由と同時に安心も与えてくれる。先日読んだ『学問のすすめ』の現代語訳版にも似たよう話があって、曰く保護と命令はセットで行われなければならない。親子で言えば、保護とはその身を健康に保つために十分な衣食住や金銭などを与えること、命令とはそうして得たものの適切な使い方を教え指図すること。どちらかが欠けるとたちまちバランスが崩れ悪い結果をもたらす。
またここでは少し触れるのみに留めるが、エレンにとってミカサやカルラが「自分の自由を奪う壁」であるのと同様に、エレンもまた彼女らにしてみれば同様の性質を帯びる。「エレンの安全を確保したい」という2人の願いと自由は、エレンの求めるものとトレードオフなので。
何故外へ出たいのかと父に問われ「外の世界を知らずに過ごすなんて嫌だ」と答えるのは分かるとして、「先人の死に報いるため」というのは子供が言うにはいささかませてるというか、この頃のエレンにそんな使命感,義務感みたいなものがあるようには思えず浮いているような印象を抱いていたんだけど、今思えばこれもまた"原初的欲求"なんだなと理解できる。ようやく1話の半分に到達したくらいなのに文字数が8000字に差し掛かりつつあるので、前言撤回しもったいぶらせてもらおう。

 

話は絡まれてるアルミンのシーンへ。ここも象徴的で結構好きな部分。壁(家)の外には敵もいっぱいいるけど、助けるべき仲間もいる……それだけで危険を顧みず外へ出る理由としては十分よね。
これはアルミン本人が一番よく分かっていることだろうけど、彼の言っていることって実はめちゃくちゃブーメランなのよね。いじめっ子がアルミンの理屈に言い返せない(降参している)から殴ることしかできないのと同じように、アルミンは腕力では対抗することができないと負けを認めてるから、殴り返せず屁理屈を並べることしかできない。双方ともに、相手の土俵では勝ち目がないことを分かっているから勝負を自分の得意分野に持ち込もうとしている(自分の殻に閉じこもっている)という意味では、同レベルなのだ。それを自覚しているからこそ、ミカサやエレンの威を借りないといけない、頭でっかちで非力な自分が許せないのだろう。本当に強い人間は、相手の得意分野できっちり勝ちを収めて心身ともに屈服させることができる。『めだかボックス』の黒神めだかなんかはまさにそういうタイプだね。まぁ、力に見合う人間性も持ち合わせていたのなら、無理やり屈服させるなんて大人げないことはしないのが一番いいのだが。するべきは論破ではなく説得。相手に本心から「向こうが正しい」と思わせるのが本当の勝ちというものだろう。

彼ら3人は、主人公なので当然といえば当然だがエレンを中心として(殊にミカサ←エレン←アルミンの順で)並ぶことが多い。んだけども、アニメでは見栄えが同じになって退屈するのを防ぐためかアレンジを加えてあって、石段に座ってるシーンは画面の横で見るとミカサ←アルミン←エレンなんだけど、縦で見るときちんとミカサ←エレン←アルミンの順になっているのが面白い。
この順番になんの意味があるのかというのは、直後に分かる。アルミンは異変を真っ先に感じ取り、走った先で巨人を見る。それを見たエレンは「(ソコカラ)何が見える?」と後を追い、そのエレンの後を追うミカサ。
3人の関係はそれぞれ未来,現在,過去に対応している。未来に夢を見て予測能力も高いアルミンに、直情径行型で衝動的なエレン、そして過去に執着するミカサ。
画面には上手(かみて)と下手(しもて)があって、漫画だと顕著だが時間にも流れる方向というものがある。このブログは左横書き(→に進む)なのでそのまま未来→現在→過去の順に並べるとアルミン→エレン→ミカサになってしまうのだが、漫画は右縦書き(←に進む)なので、絵面としては「ミカサ←エレン←アルミン」の方が多い。もちろんこれ以降のあらゆる描写がこれに当てはまっているとは言わないが、なんとなくの傾向としてあるとは思う。

 

さて、ようやく先述した緑の瞳の話までやってきたぞ。オープニングでは自由に空を飛ぶ鳥に向けられているかのように描かれていた"嫉妬の視線"だけれど、このとき実際に見ているのは紛れもなく超大型巨人。これの意味するところはただひとつ、「あんなにでかけりゃさぞ自由だろうなぁ」だ。エレンにとってこの超大型巨人は、生まれて初めて見た"外の世界のもの"であり、クソ忌々しい壁をぶっ壊してくれた存在でもあり、その結果として口うるさく自由を奪ってくる過干渉な母親を殺してくれた大恩人、ということにもなる。だから彼は、人類の宿敵に対し羨望の眼差しを向けるのだ。
命の危機であることは事実だし、母を殺した仇としての憎しみも嘘じゃないはずなので、当然そんなことは口が裂けても言わないだろうが、ここでは言葉にせず映像(行間)でほんのり匂わすことで、あくまで無意識の奥底にある気持ちであることを表現しているように見える。漫画では色こそ分からないけれど、陰る目元とは対照的に瞳自体は不自然なほどに澄んでいてとても綺麗なのよね。そういう目線で見ると「その日、人類は思い出した。ヤツらに支配されていた恐怖を、鳥籠の中に囚われていた屈辱を……」というナレーションも、あくまで人類規模の話であって、エレンという個人の感情については触れていないと取れる。そもそもエレンは思い出すまでもなく忘れていなかったのだから、ここで言う"人類"に彼は含まれない。
恐ろしくて排除したい人類の天敵だというのは大前提として描きつつも、必ずしも巨人は忌むべき存在ではないということもまた、水面下でひっそりと描かれていると言える。

 

第2話『その日』

100余年前、巨人に追い詰められた人類は強固な壁を作った。『ユトリ最強世代』じゃないけども、人間は根源的に"壁"を作りたがる存在なのよね。その結果として生まれたのが、論理と言語だろう。壁というのはひとつの比喩で、要は"あちら"と"こちら"ってな風に区別すること。そしてここが最重要なんだけど、何かと何かを別のものだと区別するということは、何かと何かを同じものだと見做すことと表裏一体を為している。
分かりやすさのために、物理的な壁に一旦話を戻そう。仮に、壁を挟んだ向こう側を西ベルリン、こちら側を東ベルリンとする。このとき、西と東を比べて別のものと見做しているのと同時に、"西ベルリン"と"東ベルリン"それぞれの中にある様々な人や集落などを一緒くたにまとめて同じものと見做していることが分かるだろうか。
犬と猫は違う、今どきはAIでもこの区別ができる。だがこの一言を発するためには、まず「ミニチュアダックスポメラニアンドーベルマンも全部同じ犬」「アメショもスコティッシュラグドールも全部同じ猫」という前提がなければならない。ポメラニアンドーベルマンはえらい違いだが、それでも僕らは"犬"という言葉で括って"猫"をはじめとする他の動物から切り離す。もしこの世にひとつも同じものがなければ、わざわざ取り立てて「違う」と言う必要もないだろう。
生き物はみな細胞膜などの壁を持っている。そうやって外界と内側を区別しリソースを囲い込むのは、生物が根源的に持つ衝動なのだと言える。無秩序へと向かうエントロピー増大の法則に抗うかのように、壁を作って世界を整理整頓し秩序付けようとする。

普段は意識しないが、こういった峻別は人間などが自然を見て勝手に(恣意的に)つくったものであって、決して絶対的なものではない。それが顕著に現れる有名な例が、色彩感覚だろう。虹は世界共通で七色ではなく、赤,橙,黄や青,藍,紫などを区別する習慣がなければ、色数は違って受け取られる。オレンジが赤色と黄色を分かつ壁を壊し得るどっちつかずの存在であるように、コウモリは鳥類と哺乳類の境界を曖昧にする。
人間と巨人はウォール・マリアによってきっちり区別されていたのだが、知性を持つと思われる超大型巨人の出現によってその常識の壁は壊されてしまった。理屈では分かっていたはずの他でもないアルミンが「巨人は最大でも15mのはず……」と呟いているのが皮肉で面白い。
「ありえない」なんてことはありえないし、この世には不思議なことなど何もない。
そもそも我々や過去の作中人類からすれば「3m級の人間≒巨人」からして十分"おかしい"訳で、でもどうしようもなく現在する(現に存在する)と認めたからこそ「巨人は3〜15m」という認識が生まれる。観察に基づく経験則を重んじるならば、目の前にいる60mの巨人も否定するのではなく受け入れるしかない。人間の予測にとらわれない超大型巨人は、やはり自由の象徴として機能している。
まぁアルミンは自分の目で見て確かめた訳じゃないので、すぐさまこの視座に立つことを求めるのは酷というものだけれど。

 

さっきの威勢はどこへやらと、アルミンに負けず劣らず狼狽えるエレン。なんかで読んだ人間の心理的発達段階の話に「親が見ていてくれて、帰る場所があるから探険できる」みたいな表現があったけど、まさにそれ。よくあるストーリーの類型として「行きて帰りし物語」ってのもあるね。安心(基本的信頼感)があってこそ、初めて外への欲求が生まれてくる。親がいなければ反抗もできない。
ちなみに、このシーンでもやはりミカサはエレンの後を追っている。純粋な身体能力で言えば追い抜いていてもおかしくないのにこうなっているのは、偏に彼女の低い主体性によるものだろう。

カルラは、飛んできた壁の破片によって壊れた家の下敷きになってしまっていた。ここで興味深いのは、壁と家と母親、どれも元来"安心"を司るものだと言うこと。保守的で安全をを求めるカルラは、同じく安全のためにつくられた壁と家によって"身動き"が取れなくなる、謂わば自縄自縛。実際、彼女のセリフは「(自分は助けずに)逃げなさい」「戦ってはダメ」「行かないで……」と、ネガティブで抑圧的≒保守的なものが多い。その結果として巨人に食べられるというのには、非常に強いテーマ性(安寧への忌避)を感じる。

「ママンが死んだ」とは今読んでいるカミュの小説『異邦人』の印象的なフレーズだが、ニーチェの「神は死んだ」を思わせる翻訳だ。思わせるというか、単に両方とも僕が最近読んだからそう思うだけかもしれない。まぁそれを差し引いても、母なる神という概念はありふれたものであって、繋げることはそう不自然ではなかろう。1話を見る限りではあまり関連性を見出せない「二千年後の君へ」というサブタイトルからも、やはり神の匂いがする。今の時代に二千年と言えば西暦以外にないし、西暦は言わずもがなキリストを基準としている。これらを元に、サブタイの発言者を仮にキリスト≒神的存在としたとき、"君"に何かを託しているような口ぶりから彼は既に死んでいると思われる。願いは呪いでもあって、託された者は責任という首輪を付けられる。この1話(漫画では2話目だが)で、何かを託すようなニュアンスを持ったものとは何かと考えると、ひとつしかない。だがそれが何かを明言するのは、もう少し後にしよう。

母を助けることに固執するが故に、あわや3人とも殺されそうになったところへ助けに来るハンネスさん。「カルラの言う通り見殺しにして2人と逃げるか、自分の恩返しの為に戦うか」という彼の葛藤は、6巻で描かれるエレンのそれを彷彿とさせる。他人の言うことを受け入れて従うか、跳ねのけて自分の意志を通すか……単純だが根深い。トロッコ問題にも似ているが、結局論点となるのは"意志と責任"だ。
アニメのハンネスからはその葛藤が取り除かれ、その代わりに「俺の恩返しを通す!」という迷いなき意志が巨人を前にしてあっさり折られてしまうという、落差による絶望感を強調した演出に変更されている。
おもむろに体を持ち上げ、口元に運ぶカルライーター。目を背けるミカサと、直視するエレン。舞う血飛沫。
この血、最初に「なんか流行ってるらしい」と聞かされて見たときには形も飛び方もヘンテコだなぁとしか思わなかったんだけど、こうやって細かな描写も見ていくと花びらをイメージしたものなんだなと理解できる。これはシナリオ本にも書いてあるのでおそらく公式見解で、1話冒頭(OP後)でも印象的に描かれていたし、分かりやすいのは主題歌の「踏まれた花の名前も知らずに」かな。アニメでは一貫して人を花に見立てていて、だから散り際には花びらが舞う。人間を植物に喩える表現と言えば、先述した植物人間もそうだが、一番はパスカルの「考える葦」だろう。こういう風にほんのり匂わされてるだけのことの方が、明言されたセリフよりも意外と重要なキーワードだったりするもの。
「綺麗だな」と思って花を摘む。巨人にとって人を食い殺すことは、そのような感覚なのかもしれない。脳内お花畑なのだと思えば、無邪気なのも頷ける。

 

アニメ2話、ウォール教徒は「罰を受けるのはそれまでに悪いことをしてきたから」と説く。これは一種の公正世界仮説という信念であり、道徳や倫理規範とは分けて考えるべきものだ。
だってこのウォール教徒は結局食い殺されていて、しかもこの敬虔さから考えるに"罪深き魂"を自称しつつもそこらの人よりかはよっぽど誠実に生きていたと思うのだ。つまりどういうことかと言えば、この仮説に目的があるとすればそれは「罰が嫌なら正しく生きよ」という前向きなメッセージを送ることではなくて、あくまで「自分(や他人)が受ける不幸に納得し受け入れる」ためのロジックなんだな。
もちろん副産物としては生まれ得るんだけど、副産物であることは揺らがない。どれだけ正しく生きたつもりでも、悪い結果が起きたなら自覚してないだけで自分の何かが悪かったのだと"解釈する"。本質的に諦め以外のものを導かないのがこの考え方の厄介なところ。

だが、じゃあハンネスに責任転嫁するエレンはどうだろう。大人であるハンネスは、彼に自己責任論を諭す。「この世のすべての不利益は、当人の能力不足で説明がつく」と言うが、これらにはきちんと「だから自分を改めよ」という願いが付属している。虚無感を超克しようという強い意志がある。ニーチェの哲学は進撃の巨人と強い関係があるので調べてみることをおすすめする。というか、進撃の巨人そのものが現代のニーチェとして機能していると言ってもいい。酷似しすぎててびっくりしたもん。

 

さながらノアの方舟のごとく、船で逃げる人々。グリシャも「2つ上の街」と表現していた通り、内地に行けば行くほど標高は高くなるのが進撃世界。当然川は上から下へ、内から外へと流れるはずなのに、船でどうやって内地へ行くんだろう? ……と思っていたが、よくよく見れば船の真ん中にロープがあって、それをローラーで手繰り寄せて上流する仕組みになっているらしい。なるほどな、100年もあったならそれくらいは整備されててもおかしくなさそうだ。
船で内地へ行けるのは分かったけど、そもそも壁に開閉門だけじゃなくて水門もあるというのはこれまでなんとなく見てるだけじゃ気付かなかったことなので、1話冒頭の見開きから「これ実質穴みたいなもんなのでは?」と疑問に思っていたのだけれど、事実なんとかやってけてることを考えれば、巨人は水にも弱いのだろうか。後々明かされる事実も踏まえるなら、巨人の体は大きさに比べて重量が軽いのでまず水圧に逆らえなかろうというのと、どちらかといえば物質というよりは高温のエネルギー体みたいなイメージなので、水によって体温が下がると弱ってしまうのかもしれない。夜に動けないのにも関係しているかも? ※11話『応える』にて、一番頑丈な箇所だと判明。穴を開けながらより頑丈にって、どうやるんだろう。

あとこのシーンはもうひとつ分かりにくいポイントがあって、一番悪さしてるのは「停泊してる船で"シガンシナを脱出"するんだ!」と叫ぶフーゴ。このセリフのせいで、あたかもシガンシナから船が出ているかのように思ってしまうのだけれど、実際は内門を超えたウォール・マリアの中で、更に内側へ避難せよ(シガンシナから離れろ)という話をしている。前後の繋がりを考えればすぐ分かるんだけど、流し見だと難易度高い。だから船に乗っているということは、エレンとミカサはいつの間にかシガンシナからは出られていることになる。もしかすると門兵のハンネスが多少融通を利かせて優先的に逃したのかもしれない。カルラを助けられなかった後悔から、マリア内地を助けるためにシガンシナに取り残された人を見殺しにする決断に納得できない流れもいい。そのせいもあって、結局は救えたかもしれない大勢の人間が死ぬこととなる。

情報だけで実感が湧かないトロスト区の委員会。こういうの見ると東日本大震災を思い出すな。遠いとどうしてもそうなってしまうよね。僕も当時小学生だったので、その恐ろしさを感じたのは割と最近。というかさっきもYouTubeで映像を見たんだけど、絶望しかない。これがフィクションじゃないという事実に心底恐怖する。
しかし執拗に川を映すから連絡手段と川が何か関係あるのかと思ったら、普通に早馬らしい。うーんだとするとあれかな、壁内が基本トップダウン方式を採用しているが故に、僻地から内地への情報伝達が遅いことを川の流れ(上から下へ)に見立てているのかな? ちなみに僻地(へきち)と表現したのは壁に近いことと街はずれであることをかけたシャレです、今後も使うかも。
委員はウォール・マリア陥落に対し、自分たちでは責任を負い兼ねると判断を保留。こういう態度は自由、或いは意志を語る上では鍵になってくる。今僕が思い浮かべてるのはかなり後半の展開だけど、感想ではもう少し早い段階で触れることになりそう。単純にネタ切れで。


「どうして……! 俺が……人間が弱いから?」
自分の話をごく自然に人類規模の話に拡大させてしまうの、逆にリアルよね。人間は主語を大きくしがち(でかい)。人間の中にも巨人に勝てるくらい強いやつはいる、これからいくらでも出てくるので、エレンが勝てないのは「人間である以上仕方のないこと」ではない。
続く有名なフレーズ「駆逐してやる、一匹残らず!」。かなり強い彼の語気のせい(クチクがカチクに似てるので、屠殺的な印象もついてるかも)で、まるで"根絶やし"ほどに強いかのように感じるんだけれど、"駆逐"という単語自体の持つニュアンスはあくまで「追い払う」くらいのものらしい。
そもそもあまり馴染みのない単語なので、『舟を編む』的に言えば用例採集カードがエレンのこれと「駆逐艦」の2枚しかないような状態。さらに僕は駆逐艦については名前だけでどうしてそう名付けられたかまでは知らないので、実質的には1枚だけ。コーパス(覚えたてなので無理にでも使いたい)として心許ないことこの上ない。
「弱いやつは泣くしかないのか?」という疑問から導かれるべき結論は本当はもっと別なことだと思うんだけど、そこはエレンが生来持つ暴力性の成せる業だろうか。だって
"弱いやつ"が泣かなくて済むようにしたいなら、巨人を力でどうこうしても意味がない。巨人より強くなって追い払ったとしても、立場が入れ替わるだけで「強いやつが弱いやつを虐げる」構図自体は変わらない。

「お前のためなんだ」を押し付け無理やり予防接種(仮)を受けさせられるのなんかもまさにそうで、パターナリズムなんて呼ばれたりします。予防接種の痛み,怖さ<該当疾病の苦しみ、というのはあくまで親の価値観であって、物心ついた子供が本当に同じように思うかは分からない。虫歯の痛みと毎日歯を磨く面倒さとかね。
ところでグリシャが内地から帰るシーンだけど、これまでと一転して画面左側が"壁の外(シガンシナ方面)"になっているので、また非常に紛らわしい。わざわざそうするということは何か別の意図があると考えるのが自然で、いの一番に思い付くのはやはり上手/下手なんだけれど、これを意識する人がどれだけいるかと考えるとこのシーンくらいは逆にしても良かったんじゃないかなと思わなくはない。或いはちょっとダサいけど正面向かせるか。
もしこれが「無事を願いつつも内地へ向かっている」シーンだとするなら辻褄は合うが、シナリオではローゼに向かっていると書いてあるので。

 

"まるで家畜"を体現するかのように、空になった食糧庫に集められる避難民たち。
同じ壁内人類でも、ひとつ壁を超えれば別物のように捉えられる。同じ日本人でも県によって区分けされているのと似ている。この辺の区別は本当に曖昧というか、その時々で都合よく解釈される。自分に得があるときは「同じ」、損がある時は「違う」ことにする。何故って、本質的にはどっちでもいいから。
10万円給付されるとなったら「同じ日本人だから貰える」と思うけど、懲役5年となれば「自分はそんな悪いことしてないから(同じ日本人だけど)違う」と感じる。給付金なら悪人(例えば前科有り)には渡さない制度にした方がいい、或いは悪人の自覚があるので受け取りませんって"考えてはいけない"理由は特にないのにね。
お恵みなんて要らない、家畜にはならない……全てのの人間に等しく平等な価値があるというけれど、『スクライド』のカズマのようにそれを否定する者もいる。シャルルの言葉を借りれば、そのような人生は死んでいるも同然。自分の力で何も勝ち取らない人間に、権利などない。
パンと共に、自分一人じゃ何もできない弱さを受け入れ噛み締めて、強くなることを決意するエレン。
そして、口減らしに祖父を殺されたアルミンもまた意を同じにする。
ただ、このウォールマリア奪還作戦って考えてみたらそんなに悪いこととも言い切れないのかもしれない。自分が食う分に見合った働きができないのなら、生きている価値はないとも言える。少なくとも僕みたいな穀潰しのニートは、その一例だろう。

それとは対極に、実力で選ばれた訓練兵上位10名のエリートたち。なんとなくスルーしてたけど、よく見るとアルミンはメインキャラなのに入ってないのね。意外。

 

第3話『解散式の夜』

本来4巻の回想で描かれていたジャンとの諍いを直前に持ってきたために、言い合いの相手がトーマスに変わっている。原作でのジャンの現実的なセリフ回しも結構好きなので惜しいところだけど、ミカサに嫉妬してキレるというのはトーマスじゃできないし、どちらか片方ならこっちなのは仕方ない。
でも、エレンの「"勝てないと思う"から諦めるってとこまで聞いた」という煽りまでなくなってるのは、どうにかして入れられなかったのかと思ってしまう。
本人は"現実を見てる"つもりで喋っているけど、未来は誰にも分からない以上、あくまでそれはトーマス(ジャン)が頭の中で行ったシミュレーションの結果を見ているに過ぎないということを指摘するかなり重要なセリフなので、もう少し強調して欲しかったというのが個人的なところ。俗に言う「それってあなたの感想ですよね?」みたいなもの。……我ながらこの比喩は俗っぽ過ぎてあまり良くなかったな、今のナシ!


……アニメではぼかされてて分かりづらいけど、ミカサの言う「エレンを生かしたい」って、めちゃくちゃ重い愛なんだな。
以前、友達が自殺しようか考えていると知ったとき、本当に死んでしまったらどうしようと考えてボロボロ泣くくらい悲しかったのに、止めることはできなかった。
ただでさえ死を考える程に追い詰められている人に対して、更に加えて「それでも生きて欲しい」なんて呪いをかけるのは、無責任だと思ったから。
仮に僕の言葉で自殺を踏みとどまってくれたとして、死のうとした根本の原因が消えてなくなることはない。そんな簡単に解決するならそもそも自殺など考えないだろうし、かと言って僕が何か助けになれるとも思えない。
「死ね」と言った結果相手が死んだら責任が取れないように、「生きて」といった結果として相手がこれから先味わう一生分の苦しみに対して、僕は責任を取れない。生きて欲しいと言うからには、まぁ一生は言い過ぎにしても、少なくとも今相手が抱えている問題に対する具体的な解決策くらいは提示できなくちゃいけない。
ちょっと重いのでアニメの話にすり替えると、コードギアスに「お前は奇跡の責任を取らなければならない」というセリフがある。圧倒的な武力を持つ日本がブリタニアという国に蹂躙される中で、藤堂という男は唯一白星を勝ち取った。結果的に日本国はブリタニア支配下に占領されたが、藤堂の起こした奇跡の一勝は日本人に(ありもしない)一縷の希望を抱かせる結果となった。そして主人公のルルーシュは、彼に対して「お前が希望を抱かせたのだから、最後まで責任を持ってその希望を叶える責任がある」と説く。

つまり、ミカサは「死ぬはずだった自分に生きる希望を与えたのだから、死ぬまで自分を幸せにする(生きてそばにいる)責任がエレンにはある」と言いたいのだと思う。
……っていうか、友達を例に出すまでもなく、僕もこないだ同じこと思ったっけな。その時は僕の方が「生きて」って言われて、そういうあれこれを考えて自分は泣く泣く言葉を飲み込んだのに、どうしてこの人は軽々しくそんなことが言えるんだろうと不思議で仕方なかった。「じゃあ貴方が僕を生きていたいと思えるほど幸せにしてくれるんですか、できないでしょ」と。

あれだな、そういえば呪術廻戦にも似たような話があったっけ。あっちは「自分が助けた人間が将来人を殺したらどうする」って問いだったけど、根本的な部分は一緒で、ともかく人の生き死にに関わるなら、その人の一生に対して責任を追わなくてはいけないのではないかということ。トムソーヤの続編、ハックルベリー・フィンの冒険でも、似たような問題が議論されていた。
無論、これはあくまで自問自答する類の問題であって、例えば医療従事者などに対して他人がいたずらに吐きかけるようなものではないということは断っておく。

 

未来の功績に対して先取りして報酬を貰うことで責任感を高める行為は、理屈としては分かるけど僕はあんまり好きじゃない。
いや、アニメの話としては気合の描写としてオシャレだし好きだけど、実際に「絶対土地を奪還するから肉貰っていいよね?」って場面に出くわしたら絶対あげたくない。
行動経済学では常識だけど、人間は将来の価値を現在のそれに比べて低く見積もる傾向がある。端的に言えば、今すぐ100円もらえるのと明日100円もらえるのとでは基本は今の100円の方が価値が高いし、今5000円貰えるのと来年1万円貰えるのとでは金額的には明らかに後者の方がいいのに、前者にも魅力を感じてしまう。だって将来何があるかなんて分からないもんね。くれる相手が蒸発するかもしれないし、もっと言えば自分が生きてるかさえ確かじゃない。
ただ、責任感や自分との約束というのはこの後(アニメ版ではこの前)の話と繋がっている大事な要素なので、無責任さと紙一重だけど良しとしよう。
しかしサシャお前、ふかし芋を半分譲るだけであんなに嫌がってたのに、自ら進んで肉を分けるなんて、少しは集団生活というものに慣れたということだろうか。

 

第4話『初陣』

突如現れた超大型巨人。
どの媒体でも「開閉扉を狙った」って言ってるけど、"扉"って基本は回転式の開き戸を指す言葉であって、劇中のようなスライド式のものにはあまり使わない印象なので、違和感。上下に開け締めするので"引き戸"というのもなんか違うし、かと言って"シャッター"でもない。僕は広くとって"開閉門"が一番しっくるんだけども、どうだろうか。
一説によると開き戸の方が引き戸と比べて防犯性が高く、日本においては城門などの攻められそうな部分を除いて、後は引き戸で済まされることが多いのだとか。その点海外は治安の問題なのか、イメージ通り開き戸の採用率が高いらしい。
確かに、引き戸って戸の全体が動くから力づくでやったら最悪パカッと外せそうだけど(襖とか障子とか)、開き戸は片方が蝶番など金属でしっかり固定されてるから、そうはいかない。更に言えば、同じ開き戸でも外開きより内開きの方が、ドアの前に重いものを置いたりして侵入者を防げるので安全。それに日本的な視点で言えば、洪水や津波のときも、内開きなら水圧でドアが開かないなんてことにはなりにくい。
ここまで話してきてあれだけど、そもそもこの"戸"という漢字自体、元は開き戸を表した象形文字な訳なので、"引き戸"という表現も微妙に矛盾している。本当の意味で正確にスライド式の入口を指す言葉というのはないのかもしれない。Doorもなかなか引き戸に対しては使わないよな、自動ドアだけは例外だけど。中国でも英語圏でも開き戸が一般的過ぎて、わざわざ個別の名前がついていないのかな?
自動ドアがスライド式なのは、まず勝手に開くと向こう側にいる人が危ないし、蝶番の部分の一点を軸に扉全体を動かすのは難しそう。どっちもセンサーを用意するとか、力点を作用点に近付けるとかして解決はできそうだけど、自動で開くならスライド式の方が確かにスマートな気はする。
最初に断った通り進撃とはほぼ関係ないドアについての雑談だけど、世間では「ボーッと生きてんじゃじゃねぇよ!」がトレンドだし、その姿勢自体は進撃のテーマとも通ずるものがあるので、良しとしましょう。


恐怖で手が震え、落ち着かないアルミンの気持ちが少し分かる。噂に聞く東日本大震災と比べたら全然マシだったんだろうけど、以前富士山に登ろうとしたとき、計画不足で大雨だったにも関わらず意地で登ろうとしたんだけど、登山道に上から流れてきた雨水がどんどん溜まって、かなり勢いの強い川みたいになってたのよね。富士山の麓までもわざわざ自転車で行ったから「今更引き返せない」と思って意地だけで登り続けたんだけど、下りのときに楽だろうと思って押していた自転車は気を抜いたらすぐに流されてしまいそうで(結局途中で放棄した)、時折往来する大型車でさえも走ってるんだか流されてるんだか分からないような状態。当然視界も悪い訳で、一歩でも足を滑らせたら流されてしまうかもしれない上に、その間に車でも来たらとても止まれる余裕はないだろうから轢かれるかもしれない。
「本当に死ぬかもしれない」という精神状態に陥ったとき、僕もこのアルミンみたいに、ぶつぶつ独り言を言うことでなんとか自分を保つしかなかった。ひたすら事実を確認して、自分で自分を説得,納得させるような。


アニメオリジナルのピクシスがんバルト候とチェスに興じる部分、シナリオのにのみ「ヤツぁ5年前もワシの留守に来ましてな、よっぽどワシのことが嫌いなんですな」というセリフが記載されている。
明らかに、今回調査兵団の不在を狙ったように5年前の襲撃もピクシスが不在であるのを知った上で超大型巨人は現れたということを示唆している訳だけれど、この頃はまだ現在とは違った展開になる予定だったんだろうか。その場合、5年前の襲撃よりも以前から壁内に巨人側の人間がいて、ピクシスの動向が分かる程度には兵団の内部に潜んでいたことになるので、外部からの攻撃というよりは内部に潜む敵との内戦になる予定だったのかもしれない。


後にエレンが暴走する際、その理由として解釈されがちなミカサとの言い争い。これをしっかり理解するためには、確かにアニメのように先に訓練兵時代の話を知っておく必要があるな。アニメで見ててもいまいち分からなかったとこなので、原作派は言わずもがなだろう。
ということで、ここでは4巻の内容(と僕の感想)を先取りして読んでいる前提で話を進める。
(参照:進撃の巨人 4巻/1期3,4,13,14話 感想)

エレンがミカサに説いているのは、重ね重ね話題に出した「力に伴う責任」だ。兵士として戦うため装備を与えられているミカサには、その力を私欲のためではなく公益のために使う義務がある。
当初の僕のように、エレンのことを単なる「その場その場の激情に従って生きてる人」として見ていたら、この辺のやりとりはあんまりピンとこなくて当然。


天を仰ぎ口を開けて呆けるエレンは、さながら空っぽの人形のよう。外に関する本はいけないものだなんて、無批判な遵法意識だけ持ち合わせて。
1話ではあれだけ輝いていた目も、ぼんやりとして覇気がない。
意味はまだよく分からないけど、コミックスの裏表紙は表紙の絵を目だけ不気味に光らせたものになっているのよね。
その瞳に色を与えたアルミンを助けて、エレンは食べられてしまう……。

 

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