やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

魔進戦隊キラメイジャー エピソード1「魔進誕生!」 感想

キャラクター

 熱田充瑠
・非常識さ/斬新さ
正直見ていて痛々しさを感じる程度には、彼の言動はハジけていた。おそらく、ある程度の分別を弁えた人の多くは同じような感想を抱いたことだろう。
街の惨状を面白がり写真に収めようとするクラスメイト達もそうだが、いわゆる「最近の若者」に対して感じるおかしさというのは、新しいもの,理解できないものに対する拒否反応だと言える。
YouTuberが台頭し始めて数年、今や芸能人も積極的に参入するほど、それらのコンテンツはもはや当たり前のものになった。
僕の妹は一人っ子なので、暇さえあればずーっとYouTubeを見ている。まさに"そういう世代"だ。
僕も割と見る方ではあるけれど、訪れたらしいグループYouTuberの波(フィッシャーズや東海オンエアなど)はよく知らないのよね。果てはVTuberなんていう珍妙なものも生まれて、時代は刻一刻と変化していく。
従来正しいと信じられていた"倫理"も、扱う人間が変われば変わっていく。世代交代によって、その主導権は確実に"彼ら"の手に渡りつつあるのだ。

(参考:「感想を書く」とは)
充瑠が評価されたのは「良さ」ではなく「新しさ」だった。
生存競争の根幹は「数撃ちゃ当たる」の精神であると言っても過言ではない。生物多様性によって何かしらの性質が環境に適応して残っていく。
善悪はさておき、とにかく何か新しいものを生み出すことは重要だ。悪と見なされたものは淘汰されて、良いものが残る。或いは、残ったものが良いものとされるか。
事件を写真に撮り共有する野次馬精神は、『シン・ゴジラ』で描かれたようにいちはやく情報を広めることができる。最近話題のデマのように真偽の程はともかくとしても、「そういう可能性がある」と頭に入れておくことができるのは、うまく使えば十分価値がある。
「こういうのもアリなんじゃない?」を提案する姿勢は僕の好きなところではあるので、これからが楽しみ。

(参考:"仮面ライダー"の定義を考える/自然と自由の象徴として)

 

 ヨドンヘイム
・子供が下ネタを好む理由
1話の敵というのは往々にして作品にとって重要なファクターを背負っている。……はずだけど、蛇口って具体的すぎてどういう意味なのかさっぱり。
それでもしばらく考えてみた中で一番しっくりきたのは、男性器のメタファーである可能性。
下品な話ですけど、男児はそういうの好きだし有り得るかなと。共通モチーフのヒルとも似てるし。
この間 知的障害のある人がたくさんいる施設へ行ったんだけれど、その中の一人は自分の排泄物で遊びたがるという特徴を持っているという話を聞いて、衝撃を受けた。男児もそうだが、何故そんな"汚い"ことを好むのかと不思議で仕方なかった。
僕が出した結論は、排泄物とは「自分が(初めて)生み出した物」という意味を持っているのではないか、だ。
人は自分でつくりあげたものに愛着を持つ。子供の頃にありあわせのもので作ったスティライザー(アバレンジャーの武器)は、他のおもちゃとは違う意味で僕にとって大切なものだった。
ミニプラもそうだ。自分で組み立てる工程に価値がある。大人には塗装などより高いレベルで手を加える人もいるだろう。
つまりはそういうことだと思うのだ。
消化器官が云々という知識はなくとも、彼らはきっと本能的に「自分が生み出した物」だと知っている。だからこそ、それに愛着(?)を示すのではないか。偶然か必然か、男性器は実際には新たな生命を生み出す場所でもある。
清も濁も"生み出す"ことの象徴として、それに似せた蛇口なのだろう。

エディプス・コンプレックスをどう解決するのかは、見ものかな。

 


設定

・キラメイストーン
意思を持つ石、というのはまぁ予告からも分かってたし想像の範囲内だったけど、"充瑠の意思"を実現するための媒介だったのには驚いた。
想像してるだけでは何も生まれない、と言ってしまうと充瑠の長所が消えてしまうんだけれど(絵に描いた餅なんて言葉もある)、それを実現するバイパスがあるのなら、確かに想像力の豊かさは直接的な長所になり得る。
・キラキラの持つ二面性
エピソードZERO(配信版)も見たけど、どうやら充瑠はソウゴと同じで「思ったことが現実になる」タイプみたいね。今回充瑠がひらめくよりも前にキラメイジャーのデザインに乗り物の意匠が入っていたことは、その傍証となり得る。まぁ、タイヤや道路がモチーフだったから充瑠は乗り物をイメージした、という順番の可能性もあるが。
また今回は当然とは言え良い面だけがピックアップされてたけど、本編で扱われるかどうかは別として、敵を生み出したのも多分彼なんだろう。
キラキラネームという言葉があるが、字面から受ける印象とは違って侮蔑的なニュアンスを持っている。前身であるDQN(ドキュン)も、語感だけならあたかもハートを撃ち抜かれるような素敵なオノマトペだ。
DEATH NOTE』の主人公 夜神月も、カリスマ的な新世界の神として"キラ"と呼ばれているが、これも元々の意味は対照的に"KILLER(殺人者)"である。
このような二面性こそが、キラメイジャーのメインテーマなんだろうね。

 

 

合体ロボや武器の良さってやっぱり個別のメカの魅力があってこそのものだと思うので、戦隊の1話を見るときはいつもそこを気にしてるんだけど、キラメイジャーはその点 最高だったね。
レッドが特別な理由も割と納得できる。他の4人は"職"っていう既存の枠の中で きちんと 活躍してる(そういう意味ではイエローが次点かな?)のに対して、充瑠は"受け入れ先"が未開拓。需要を自ら生み出す姿勢は、マッチポンプ性とも繋がってくる。
だるま落とし攻撃とか無茶苦茶すぎて、大いに笑わせてもらった。期待してます。

(参考:ニートによる「仕事論」)

 

 

仮面ライダーゼロワン 第26話「ワレら炎の消防隊」 感想

 

次話

魔進戦隊キラメイジャー エピソード2「リーダーの証明」 感想