やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダージオウ EP38「2019:カブトにえらばれしもの」 感想

キャラクター

 常磐ソウゴ
・同時変身というのが今回のウリだったはずで、それが一体何を意味するのかというのをずっと考えていたのだが、やはりカブト編ということもあって「共立ち」とするのが一番収まりが良いだろうか。例え対立しても、同じ仮面ライダーとして、或いは生きている者として、ともだちなんだと。

 

 ウォズ
・ギンガファイナリーは他ライダーの力を借りない純粋なパワーアップ(ジオウⅡ,ゲイツリバイブ)じゃないから目が水色じゃなくなっちゃうんだよな。それだけじゃなく、黄色なのでゲイツと被る。ワクセイは水色で、タイヨウは赤だけど。
他ライダーによるパワーアップといえばディケイドか。あれもキバと違って話題になってるの見なかったけど目の色が変わってる。破壊者繋がり? それとも通りすがり繋がり? 見上げる星〜♪
あと、他のミライドウォッチと違ってギンガの顔がどこにも描かれていないのも気になるんだよな。やはり"わたし"の不在? それを踏まえて思い返すと、レジェンドウォッチにはアーマータイム後の顔がどこにも書かれていないな。この辺は玩具について考える記事を別で書く予定だけど。
・「変身」"HENSIN"「キャストオフ」"Cast off"
響鬼が言わなかった反動か、カブトは二度繰り返すんだよな。ウォズとの関連を疑う。

 

 加賀美新
・仮にもレジェンドがあっさり捕まって、そのせいでウォッチを奪われる展開というのは文句が巻き起こりそうだなと思ってどんなケアがなされてるのか見返してみた。が、特に何もなかった。ソウゴとウォズが宇宙に気を取られている間に2対1でやられたのかとも思ったが、普通にパンチホッパーに負けたらしい。"ヒーロー性"を重視する人からは受け入れがたいことだろうな。今回のテーマを考えるとそれほどおかしな描写ではないんだけれど。
・「お前がそんなでっかいやつだからこそ……俺はお前を超えたいと思ったんだぞ!」
天道と加賀美は違う、の反対の意味になるセリフがなかったかと考えて、これを思い出した。ここからは加賀美が天道を目標にしていることがうかがえるし、この文脈に沿えば加賀美がカブトになろうとするのは強ち変でもないかと思った。
・選ばれしカブトと、選んだガタック……?
加賀美はカブトに変身しても加賀美でいられるけど、(僕の中の)天道は誰かにカブトに変身されたらアイデンティティが危うい気がする。
ひょっとすると"カブトは天道にしかなれない"のではなく、"天道がカブトにしかなれない"のかもしれない。なれたとしてもゼクトルーパー程度。そういう意味で僕の加賀美カブトへの嫌悪感は、やはり加賀美ではなく天道を否定された寄りの感情なんだよな。
あいつが持ってるのは"強さ(太陽)を演じられる強さ"であって、それはカブトの力と重なるところが大きい。生身でアクションしてるとこって1話の特訓を除けば殆どなかったし。
でもそれは加賀美も同じで、才能はそこそこあれど決して完璧とは言えない。本編終盤では天道を信じきれないし(僕はこれ「えぇ……」ってなったけど)、キックホッパーに負けることもあるし。それでも一人の小さな人間として、何度負けても立ち上がり戦おうとする姿は、先程言った天道のそれと通ずるものがある。
他者のために自分を変える(変身する)、"天の道"を往く者と言えるだろう。
それに天道がカブトゼクターを寄越したのだとしたら、画面の外でカブトに依存しない確固たるアイデンティティを確立したのかもしれない。僕の中ではまだちょっと危うかったというだけで、本編内でできてると言われたら多分そうなんだろうけど。

 

 矢車想/アナザーカブト
・彼がアナザーカブトになるの、分かるような分からないような微妙な感じ。
彼のザビー時代を見返したけど、「俺が俺でなくなってしまう」のが怖くて行動した結果「自らの道を外れ」るというの面白いな。この前見たときはあんまり注目してなかったみたいだけど。
誰だったかも詳細も覚えてないけど、「私は普段それについて知っているが、それについて尋ねられると途端に分からなくなってしまう」みたいな言葉あったじゃない。そんな感じ。
「自分らしさってなんだ?」なんて気にしていないときのほうがかえって自分らしいみたいな発想。

youtu.be

アイデンティティ不安に陥るのも含めて自分ではあるんだろうけどもね。
そういう意味で後半の矢車って、後者的なニュアンスだな。
自分らしさを捨てたからこそ強烈な個性を手に入れた者、か。
なるほど、そこは天道と同じだ。
・「地獄兄弟は兄弟じゃない」というのは、「スコルピオワームは剣じゃない」とニアリーイコールの意味を持ってしまう。でもじいやや天道たち、そして僕ら視聴者にとってはあいつこそが"剣"だし、多分地獄兄弟の二人にとっても互いは"兄弟"なのだろう。
こう書くと、響鬼編の文脈に沿ってるな。「誰もが誰かにとってのヒーローになり得る」の拡張としての、「誰もが誰かに擬態できる」。
京介に続いて加賀美までが変身したことを「ワンパターン」と非難している人も見たけど、そこで今の僕のように「筋が通ってる」とはならないのは、ジオウはクソという結論が最初にあるからだろうか?
・「笑えよ……。誰か俺を笑ってくれよ」
ここの矢車はうまく言えないけど、すごくポジティブに見えたんだよな。

ここに書かれている通り夕日の効果もあるのかもしれないけど、"笑え"ってワードから、真っ先にクウガの「みんなに笑顔でいて欲しい」を連想したのよね。流石にそこまで陽性に振り切れた意味ではないけど、自分の無様さで誰かが笑顔になれるなら少しは報われるんじゃないか、みたいなニュアンス。もちろん「誰か俺を笑ったか?」と言いながら襲いかかる様子と矛盾するのは重々承知しているが、その上で尚そう見えたんだから仕方ない。
更にそれを踏まえて見返すと「お前は俺の兄貴なんかじゃない」というのはむしろ剣編と同じく"解放"のニュアンスにも思えてきて、だんだん解釈が明るくなっていく。笑えよ、矢車。

 

 

設定

・「関係ないとは言い切れない」
仮面ライダーギンガは4/1に存在が発表されて、劇中内時間で5月に入ったであろう35話に登場した。これは改元とほぼ相似形をなしている。ジオウは"平成ライダー"である以上、令和になったならば滅びなければならないということだろうか? 宇宙(外側)から飛来するという点も物語外にあるメタな現実を彷彿とさせるし、この解釈でほぼ間違いはないだろう。
元号は基本的には天皇の交代とともにされるらしく(と言っても一世一元と定められたのは明治の頃だそう。元々そういう習慣はあったがその他の改元理由がなくなったというだけなのだろうか)、天皇とは何かを遡るとアマテラスの子孫ということになっている。またこのアマテラスの兄弟がツクヨミスサノオである。というところまでしか分からないんだな。仮面ライダーを読み解きたいだけなのにどうしてキリスト教とか仏教とか記紀神話とかを調べなくちゃいけないのか僕にはほとほと分からないんだが、教養にもなるし調べたい。カブトの感想記事(リンクは下にあります)でも似たようなことを言ったが、"子供向け"というのは深過ぎる。誰か代わりに読み解いて教えて。
・今更感ある話だけど、これまでタイムジャッカーは「オリジナルの力を奪ってアナザーライダーを生み出してる」と思ってたのが、オリジナルが消えないとなると崩れるんだよな。単なる遠隔模倣ととればいいのかな。アナザーウォッチとレジェンドウォッチが共存していた以上、不可能なことではないはず。
・それはそうと「見落としてること」にも関係あるかもしれない話だけど、アナザージオウから連なる2019のアナザーライダー達は、元となるウォッチが「既にある」ものとして描かれているのよね。それまでのようにオリジナルから奪うなどしてブランクから変化させる描写が何故か揃ってひとつもない。ただ定着したからカットしているだけともとれるが、カットと言ってもピキーンと鳴って変化するだけの数秒の話なのでなぁ。1期が全部そうならディケイドに関連があるかもと睨んだだろうが、ファイズは違うんだよな。
・「カブトがジオウという番組を乗っ取る」というのは、「ワームに自分の居場所を奪われる(なりすまし)」という不安と合致する。
勝手な想像だけど、仮に子どもたちは仮面ライダーがチャンバラやってれば楽しいものだとするなら、擬態も乗っ取りも容易にできるよな。積み上げてきた愛着はこれから積み上げればいいだけだし(カブトを知らない子供たちからしたら新番組と大差ない)。
少なくとも僕はディケイド〜オーズあたりまでストーリーやキャラクターを意識したことはほぼなかった。
変身前の記憶って、前にも言ったけど唯一剣崎が伊坂に捕まってCTスキャンみたいなのされるシーンだけで、他は全然覚えてない。あと「ディケイドが他と比べて短い」というのも後年になってから気付いた。途中で他の番組にすり替わったとしても、気付くことはなかったかもしれない。
・「奴らは隕石を止めようとしているが無理だ。お前の力がなくてはな」
皆さんは覚えておいでだろうか、ジオウ補完計画。その1.5話にて、王とは"神と人を繋ぐ門"だと言われている。
これは歴史が好き(教員免許も持ってるらしい)なカウンセラーさんからの受け売りなのだが、先述した天皇のように時の為政者たちは、自分の権力に説得力を持たせる為にしばしば物語(神話)をつくったという。王は神の名の元に力を得るのだ。
ちなみにこの関係はまさしく物語の制作陣ともリンクしたりする。16話辺りの感想(ジオウEP15 感想)でも似たような話をしたが、例えば白倉さんの持つ権威(という表現が気に食わなければ"叩き甲斐"と言ってもいい)というのは彼が作り上げてきた物語(の評価)に支えられており、物語は白倉さんから力や命を与えられ、白倉さんは物語から権力を貰う。この2者は互いに依存している。
これらのことから、僕が過去にやたら固執していた「すべて常磐ソウゴの手の内説」とでも言うべき解釈は、スウォルツやSOUGOの暗躍が明らかとなった現在でもそれなりに説得力を持ち得るものだと言える。"どちらのせい"とかそういうことではないのだ。
なんでも好きなように選べる、選ばれしものならば。
ちなみにそうだとすると、今回は天道とソウゴの2人が自分以外の人間に"太陽"の力を預けたという構成になる。「一体自分以外誰の強さ信じられる」?
・カブトゼクターがライドウォッチになる描写がとやかく言われてた気がするんだけど、何がどういうことなのか全然分かってない。いつも通りじゃない? 変身アイテムが消えてライドウォッチが生まれる。アギト編では逆にライドウォッチが消えて変身ベルトが出てきてた。
……あぁ、ブランクウォッチはってことか。なるほど、それなら「ウォッチだったものがゼクターになってて、それが戻った」っていうややこしい解釈が必要になるのもやっと分かった。
そもそもブランクウォッチ自体がどこからともなく現れるものだから、僕はそれなしでウォッチ化してもそんなに違和感ないけど。

 

 

ウォズが「カブトの力は宇宙の力」と言っていたが、これを踏まえるとなるほど、前回のキバ編の話を発展させてるんだな。
隕石の落下とは外部からの加害を指し、その力を使うことは傷を受け入れることを意味するという話を前回した。
アナザーカブトたる矢車の態度は俗にヤケクソとか開き直りとか言われる種類のものであり、これも確かに一種の"傷の受け入れ"ではある。ただしこの方法は成長を伴わないことが多い。
対して加賀美はソウゴとの会話で、今のままでも立派な戦士である≒カブトになる必要はないと自分を肯定することで本物のカブトへと変身する。やはりよくできた構成ではある。
……僕は付いていくぞ。

 

 

過去作感想

現代の童話『仮面ライダーカブト』 本編感想