やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダージオウ EP22「ジオウサイキョウー!2019」 感想

キャラクター

 常磐ソウゴ
・アナザーリュウガは攻撃をはね返す鏡。彼を倒すには自分を倒す覚悟が必要だと言うゲイツに対し、即座に「無理ゲー」と諦めるソウゴ。なるほど、アナザーリュウガの被害者<自分というのがちゃっかり描かれてた訳か。もちろん自己犠牲的なことをする側面があるのも事実だけど。
・鏡「ほらね。そういうとこ、お前が聖人君子じゃない証だ」
ソウゴに対して"聖人君子だな"と思ったことは、そんなにないけどね。自己犠牲ができるとこも含めて、変わってるなとかズレてるなとか、そういう印象の方が強い。まぁ聖人君子という概念自体"変わってる"と言ったらそうなので、似たようなもんかもしれないけど。
・「俺は……」
ツクヨミがソウゴの表面だけを見て褒めそやしたことがきっかけで逆説的に「自分の本心」に気付くというのは、なかなか面白い。確かにあるよね、こういうこと。「自分ってそんないいやつではないんだけどな……」みたいな。褒められることに罪悪感が生じるとでも言おうか。
・鏡「認めろ。お前は俺だ」
なるほどな。前回は集合の包含として捉えたけど、単にソウゴが「俺(実像)はお前(鏡像)とは違う」と思っていることを鏡目線で言ったとき、「お前(実像)は俺(鏡像)ではない」となる訳か。逆に、鏡の中のソウゴは実像を受け入れてるってことになるのかな。
・「光と闇、過去と未来。2つの世界を統べるのが、真の王だ」
対置として考えるなら、今のソウゴが"過去"、オーマジオウが"未来"になるんだろうけど、じゃあ"現在"はどこにあるんだ? それが"オーマの日"?
・「善も悪も、光も闇も、すべて受け入れる。その力で俺は、未来を切り開く!」
受け入れて進む姿勢は、電王(良太郎)のそれと似ている。"すべて受け入れる"とした上でゲイツの敗北をなかったことに(否定)して自分の望むままに作り変えてしまうというのは、"ジオウサイキョウ"の言葉が示すように"独善"への一歩でもある。僕は電王について「あれだけ肯定に満ちた物語だったはずなのに、カイたちが否定されてしまったこと」が未だに解せていないんだけれど、それこそ僕はそこに独善性を感じた。
白倉さんの作品は傾向としてプレイヤー的であって、「これが"絶対"ではなく、あくまで一人の人間がそういう選択をしたというだけ」というスタンスを感じる(だから主人公が敵を殺すことにパラドックスは生じない)んだけれど、今回は"絶対的なヒーロー(正義)"というものと真っ向から勝負するつもりなんだろうか。

 

 明光院ゲイツ
・城戸真司を犠牲にしようとした自分が許せないという感情に任せて攻撃した結果、同じライダーの力じゃないからリュウガは無事で、対して自分のウォッチはきっちり壊れちゃうってのは、なんというかこう……本末転倒ここに極まれりというか、でもそこがゲイツっぽくもある。

 

 ツクヨミ
・「悲しいけど、私たちが取るべき選択は……見えたね」
あの能力に何か具体的なトラウマがあるような印象を受けた。この辺はいつか語られるんだろうか。

 

 ウォズ
・今回アナザーリュウガが出てきたのはタイムジャッカーが士から情報を得たからであって、元を辿ればそれはウォズの仕業でもある。結構なタイムラグがあったけど、"ゲイツへの対抗策"という意味で一貫してるし、一応これは「計画通り」ってことでいいのかな。

 

 もうひとりのウォズ
・"アナザーリュウガを倒せない"ことが"自分を倒せない"ことを意味するならば、前回のウォズの自問自答も少し違って見えるね。というか自問自答であった意味が分かる。鏡に話しかけているんだから、回答者は自分しかいない。
・「この手どうだ。分け身の術!」
姑息だけど面白いな(笑) どれだけ見かけの上で分身しても、"自分が本物である"という認識がある以上は"自分"に返ってくる。
・ところでうちのブログでは以前から彼のことを"作者"として捉えてるけど、舞台に出てきちゃうともうそれは"一人のキャラクター"になり下がる(?)よね。神様にも似たようなことが言える気がした。

 

 城戸真司
・「そうしないと俺は……鏡にも映らない。空っぽのまんまだ」
"鏡に映らない"の意味するところがまだよく分からない。それならアナザーリュウガにはね返されないから倒せるのでは? とか思ったけど、空っぽじゃそもそも攻撃なんかできないのかな。

 

 大久保大介
・前回、釣りをしつつも過去の話に夢中で魚が食いついてることに気付かないっていう演出があったのよ。それを踏まえた上での今回の水面を見合う演出はグッときた。最近ようやく、少しずつだけど、こうやってセリフには書かれてない映像表現を読み取る力が付いてきた気がする。もしかするとト書きの時点でもうあったものかもしれないけど。

 


設定

・「リュウガウォッチを手に入れることはできない」
実際は1/1000の確率で鏡を割ると繋がる……んだよね? というかミラーワールド自体はソウゴがやったようにリュウガに付いていくことが可能。その上で時間を遡るか何かしてリュウガウォッチをつくることは不可能ではない気がするんだけど……。そもそも劇場版の歴史が"なかったこと"になったのかは明確に描かれていないし。劇場版が本編のループのひとつってのはあくまで俗説だと僕は認識してた(優衣の過去の相違、タイムベント主体である士郎の消失より)んだけれども、その辺どうなんだろう。
・前回のウォズのセリフ(本来であれば、君がオーマの日と呼ばれる日に使うものだ)を信じるならば、逢魔の"魔"というのは鏡の中の自分ということになるのかな。しかし他のキャラもそれに向けて頑張ってるということは、ソウゴ"に限らず色んな人……精々小さくても全仮面ライダー(アナザー含む)規模で、鏡の中の自分と向き合わざるを得なくなる、ということになる……のか?
・「攻撃が強くてはね返せないんだ」
特に根拠はないけど、これはちょっと違うというか、あくまでゲイツの認識はこうだってだけで、僕には違って見えた。鏡像に投影される"自分の裏面"が内在化している以上、反射するものはない。攻撃が裏面のぶん強くなってるのも事実だろうけどね。

 

この間、白倉さんの『ヒーローと正義』を読んだ。今は人に貸していて手元にないので読み返したりとかできないんだけれど、キーワードである「"わたし(たち)"と"あいつ(ら)"」を頭の片隅に置きながら見ると、非常に面白い。

 

ジオウ感想一覧

前話

仮面ライダージオウ EP21「ミラーワールド2019」 感想

次話

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過去作

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