やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダー響鬼 九,十之巻「蠢く邪心/並び立つ鬼」 感想

キャラクター

 安達明日夢
・またも万引きを見て見ぬふり。彼はなかなか成長しないね。成長しちゃったら響鬼終わっちゃうんだけどさ。
・で、それはいいとして、もしかして万引き犯は薄汚れた悪で自分は穢のない者だと思ってる? 万引き犯だって、まさか本屋に恨みがあったからあんなことしたって訳じゃなかろうし、例えば普段の生活で何か色々と悩みがあってそういう行動に出ていたりだとか、貧乏で買えないとか、想像の余地はごまんとある。本屋の損害を気にするほどの余裕がなかったのだと。
それに悪さというのなら、明日夢がしたストーキングや、鬼の仕事を邪魔することや、待ちぼうけを食らわすことだって、立派に人を傷付け得ることだよ。例え悪意や害意がなくてもね。あくまで明日夢は、勢地郎やイブキ、持田の強さや優しさに包まれて甘えているに過ぎない。そういう、恵まれてる人間が結果的に"良い人"となり、恵まれずに非行に走った(そして許してくれる人が周りにいなかった)人間が"悪い人"とされる。そういうのってさ、不公平だよね。
・グラウンドで争う人を見て、涙を流す。これは……「自分もあの人たちと同じ人間だ」っていう悲しみのそれなのか、「嗚呼、どうして人は争ってしまうの」みたいな上から目線のそれなのか……。

 

 ヒビキ
・竜巻をぶっ壊す(?)。タケルやソウゴが免許持ってるのかって騒がれてたのは記憶に新しいけど、ここのヒビキさんて正真正銘の無免許運転じゃなかったっけ。明日夢の項でも言ったけど、これはあきらかに犯罪だよね。イブキさんにバイクの件を許す度量があって、"人助けのためだから"とルール違反を周りが黙認するから成立していることなんだけど、万引きだって人助けだよ。助けるのが自分か他人かの違いだけ。

 

 立花勢地郎
・「あぁやってさ、なんて言うか……"正しくないこと"? つまり悪いことだよね。そういうことをする人もいるから、世の中色々と大変なとこもある訳なんだけど、まぁここが難しくて、そういう気持ちって言うか、こう、悪意みたいなものってのは、誰の心の中にもあるものだからね。難しいね、人の気持ちはね」
一応、このセリフがあることで完全に「あっちが悪、こっちが善」みたいな独善にならずに済んでるけど、それでも少し足りないところはある。足りなかったとして、それは勢地郎さんにだってそれだけの余裕がないってことかもしれないし、それは明日夢やヒビキだってそうなんだけど、どうしたってヒーローものは「正義サイド/悪サイド」って認識になりがちというか、白倉さんの言うところの「出てきた瞬間に善悪が決まってしまってる」傾向があるから、「主人公側だからって正義の味方とは限りませんよ」と明確に示してもらわないと、彼らの言動が無意識のうちに正当化されていってしまうんだよね。

 

 

エグゼイドの話になるけど、僕がいつも例に出す永夢の殺人も、まさか主人公が人殺しに近いことをするなんて思ってもいないから、みんな気付かないんだよね。僕だって何度も見直して初めて「あれ?」ってなった。
だから、そういう贔屓目ナシで見ると、今のところ明日夢は「自分のことを棚上げして被害者ヅラしてる奴」ってことになると思う。

 

次話

仮面ライダー響鬼 十一,十二,十三,十四,十五,十六之巻「呑み込む壁/開く密/乱れる運命/喰らう童子/鈍る雷/轟く鬼」 感想 - やんまの目安箱