やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE 感想

久しぶりに仮面ライダーの劇場版を楽しめた。

 

なんて言うんだろうな……今作の良さは、一言で言うなら"意味深"かな? すっきりしててよくまとまってるなって感じじゃなくて、よく分からないところがいくつかあるものの、だからこそまた見たいって思えるような。

 

あと、555のパラダイス・ロストもそんな感じだったけど、今作はそういう「この物語を要約するとこうなりますよ。こういうのを描きたいんですよ」という、本編を見る上での手がかりになるものだった。
パラロスの時は総集編とか言ったけど、これはこれでいいかなって気になった。まぁ、カブトの場合は本編がどこに向かってるのか分かりにくい上になかなか本筋が進まないってことも手伝ってそう感じるのかもしれないけど。 

 

7年前の隕石で消滅したのが本編だと渋谷。なんで渋谷かって考えると、僕は行ったことないのであまり知らないけど、よく聞くのは"若者の街"というフレーズ。その場所を壊すというのは、未来への希望とか、可能性とか、そういうものを壊すということに繋がるのかなーって、ぼんやりと思ってたんだよね。
で、劇場版では渋谷じゃなくて海が消える。海は渋谷よりもうひとつ前の"はじまり"の象徴な訳で、強ち間違いでもなかったのかなって。
それに海も若者も青いし、天道と加賀美の友情(友の心がが青くさい)とも繋がるし、これがカブトの柱なんだなっていうのは改めて確認できた。
一応言うと、若者はイメージ的には碧の方のアオだし、海(水)は黒だけど。

 

ただコーカサスの目も青かったんだよな。これ見よがしに青い薔薇まで持っていたし。ここがよく分からない。一応愛がどうとか言ってたから、彼にも語られなかった青くさいドラマがあって、その果てに辿り着いた境地があの強さと美しさだけを求めるキャラクターだったりするのだろうか。青い薔薇の花言葉は愛ではなく実際には"不可能"らしいし、何故かは分からないけど、何かを諦めたような切なさを感じるんだよね。美しさと切なさって通じるものがあるからかな。
ベースカラーの黄金色はザビー(マジョーラの黄色)のイメージが強くて、僕の中ではもうすっかり「集団」を象徴する色になっちゃってるんだけど、ガタックのおかげで勝てたのはちょっと木剋土を想起したりして。

 

結局奪ったハイパーゼクターの力で全部解決しちゃったのも、コーカサスが時間を戻せると知ってたようだったのに高速移動手段としてしか使わなかったのは何かを"諦めていた"からだとすると、カブトは諦めなかったからすべてをひっくり返せたのかなーって。
こんなこと書いてると、コーカサスの話が見たかったなと。絶対鬱々としたループものでしょ。
そんな描写これっぽっちもないのに、自分が劇中から感じ取った要素を組み合わせてこれだけの妄想ができてしまい、実際はただ強キャラ感出してた癖に割とあっさり負けただけのやつのはずなのに、なんだかものすごい重厚なドラマを持ったラスボスだったかのように錯覚してしまった。これが冒頭に言った"意味深"なんだけどね。

本編でも思わせぶりなことを色々言ってる加賀美陸が、ヤコブの梯子とか言い出したこともこれを加速させていて、僕はあんまり詳しくないからこそなんだか深淵な話をされているような気がしてしまった。軌道エレベーターっていう舞台装置ともかけてるんだろうし、かるく調べてみると"祝福"ってワードでタイトルのGOD SPEEDや青い薔薇、天道がハイパーゼクターを奪ったこととも繋がったりするから、これは視聴後の色んな方向への興味の広がりも含めて、見応えがあるなと。

 

いやー良かった。好き。米村さんってお世辞にも評判良くはないからどうなるかと思ってたけど、やっぱ自分で見てみないと分からないよな。お見逸れしました。

 

本編感想

現代の童話『仮面ライダーカブト』 本編感想 - やんまの目安箱