やんまの目安箱

やんまの目安箱

ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダーアギト 24,25話「完璧マシン/激突再び」 感想

キャラクター

 津上翔一
・氷川さんの熱意に負けるかたちでG3-Xを装着し、アンノウンを撃破。素直に喜んでるけど……これだから天然は!
・彼がうまく扱えたのは、多分"無我の境地"に達してるからだろうな。アギトとして戦ってる時の翔一くんは、まさにそんな感じだもんね。執着というものをあまり持たず、淡々と敵を滅する。暴走こそしないけれど、あの姿勢の良さも含め、彼はギルスとは対照的に感情を込めて戦うってことをしないもんね。悪い言い方をすれば……そう、"戦うためだけの生物兵器"。だからこそ"同じ"G3-Xと波長が合ったんだと思う。
・知らないうちに『身長2m、体重150kg、岩をも砕く肉体とコンピューターの頭脳を持った男』にされてしまう。と文字に起こすと改造人間みたいだな。
・感情を顕にして戦うギルスに敗北し、全てを思い出す。これをきっかけに翔一くんにも何か変化があると嬉しいんだけど。

 

 氷川誠
・「小沢さんが設計したシステムに欠点があるとは思えません。僕の腕が悪いんです」
こういうとこ、なんというか、損な性格だよなぁ。最終的には自分の立場を省みず翔一にG3-Xを装着させたりまでして。この辺はG3-Xに欠陥があるのであって氷川が悪い訳ではないと言っていた小沢さんと繋がってる訳だけど。
・翔一G3-Xがアンノウンを倒して、黙ってしまう。切ないな……。

 

 北條透
・あの手品の件にはどういう意味があったんだろう。他人の真似はできても本物にはなれない、的なことなんだろうか? でもまさか、翔一のオリジナル手品って訳でもないだろうし……いや、彼は料理も結構オリジナルでつくるから、あの世界ではオリジナルなのかもしれない……?

 


提示された謎

2.翔一の記憶
7.アンノウンの目的
11.翔一が持っていた手紙
12.子供
14.子供が涼を助けた理由
15.あかつき号事件
16.風谷伸幸殺害事件
17.アギトマーク
18.沢木哲
19.ノアの方舟
20.裏返ったテニスボール
21.「こっちに来て」という音声
22.榊亜紀の目的

 


氷川さんがプロトタイプでデータを積み、涼がG3の脆弱性を示し、翔一くんがG3-Xの優秀さ(と同時に特殊さ)を証明した。その結論としての完成と考えると、なかなか感慨深いものがある。
今回は小沢さんという神が自分のつくった子供(G3-X)について考える話だったけど、"人の手に余るもの"をどうするのかって言う部分は、多分これから超能力についての話と絡めてきそう。

 

次話

仮面ライダーアギト 26,27話「蘇った記憶/涼、死す…」 感想

 

・ふふ、北條さん。「私に戦う意志はなかった」ってのが本当なら割といいセリフなんだけど、アンノウンを前に逃げた前科があるから、負け惜しみだからってのとのもまた違った情けないニュアンスも含んでしまうのが面白い。信用って大事ね。
・「こっち(海辺)に来て」と呼びかける女性。記憶がアンロックされた理由は謎だけど、G3同様ギルスとの対決が今になって効いてきたんだろうか。
雪菜であることを踏まえると、まぁ"こっち"の意味は「アギトとしての覚醒」或いは「彼岸」だろう。どっちにしても一人で寂しいんだろうなって感じだけど、それでいてなんだか対照的な2択だ。翔一くんにとって海はトラウマの場所であると同時に姉との楽しかった思い出の場所でもあるんだね。
落ちてる傘が気になる。普通に考えれば雨上がりってことになるので、流れとしては「雨降ってるのに雪菜がどうしても海に行きたいって言い出して、遠くから眺めてたところ晴れてきたもんだから、嬉しそうに翔一を誘っている」みたいな感じなのかな。なんなら雪菜は超能力で晴れることを予知してましたって描写でもあるのかも。ねぇ、今から晴れるよ? ……何気なく思い付いたから言ったけど、雪菜レベルになればアギトの力で晴れをもたらすこともできたりするんだろうか、太陽だし。
・天才 小沢澄子が犯した、たったひとつの過ちね……。G3にそれを求めたように、彼女もまた内面には不器用なところを抱えていると考えると、憧れだったであろうナントカ教授への態度や、氷川さんを心配して装着員から外したけど絆されてしまったことも頷ける。
・責任の"所在"とな。アギトのテーマは"居場所"である、というのは完璧受け売りだけど、なんか気になった。それを曖昧にするG3-Xの存在はどういう意味を持つ?
・小沢さんが信じた翔一くんを信じる氷川さん、そして出動する翔一G3-X。

・ゼロワンとはある意味対極的に、お互い責任の所在を自分に置きたがることで「どっちが悪いかなんて議論をするのはナンセンス」ということを描くのはなんか逆転の発想って感じだ。
・できるやつの謙遜は容易に人を傷付ける……。でも実際、ヒロアカの爆豪じゃないけども、自分ができることはできて当たり前で、他人に言われるまですごいかどうかなんて分かんないよな。相対評価なんだから。
コアラは毒性の強いユーカリを主食に選んだことで食料の奪い合いをせずに済んだけど、その代わり解毒で体力使うから一日眠いらしい。これは確かにざんねんな特徴かもしれないけど、2本足で立って脳が発達した結果、こんなにも悩みや苦しみを味わって生きている人間だって、他の動物からしたらざんねんないきものかもしれない。
・北條さんのあのリアクション、まさか本当に小沢さんのハッタリを信じてたんだろうか……。
しかし、真横にいる氷川さんをあのトリックで騙すには相当なミスディレクションの腕が必要だよな、どう見ても。器用な人だ。
・なるほど。完璧なものへ更に何かを付け加えるというのは、有り体に言えば"蛇足"ってことになる。だが装着者が無我の境地にいる人間ならば、無であるが故にG3-Xに足などという余計なものを足さなくて済む、という理屈な訳か。
制御チップを足すことで、G3-Xは小沢のつくりたかった完璧な蛇ではなくなってしまうかもしれないが、その代わり足を得てトカゲにでもなるのかもしれない。
親の想定とは違う何かになる子供……そして"蛇足"というワードはアギト終盤について見ても面白い。
・手品のタネを見破る、というのは"偏見を排除する"というのに通ずるか。
・ただ制御チップを備え付けたからってだけじゃなくて、冒頭で翔一がやってたジャンプしたアンノウンの足を掴むという印象的な戦法を真似していて、氷川さんの方もG3-X(と適合していた翔一)に自分を寄せているっぽいのがいいな。お互い歩み寄った結果の、調和。
・今回はこれまでの中でも随一と言っていいほど、アンノウンが空気だったな。アギトのヒールは主にギルスであって、アンノウンじゃあないのかもしれない。龍騎の敵が他のライダーで、555も敵側のドラマを描いたように。