やんまの目安箱

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ドラマ(特撮)、アニメ等の話を中心に色んなことをだらだらと、独り言程度の気持ちで書きます。自分のための備忘録的なものなのですが、読みたい方はどうぞ、というスタンス。執筆時に世に出ている様々な情報(つまり僕が知り得るもの)は特に断りなしに書くので、すべてのものに対してネタバレ注意。記事にある情報、主張等はすべて執筆時(投稿時とは限らない)のものであり、変わっている可能性があります。

仮面ライダー龍騎 20,21話「裏切りの蓮/優衣の過去」 感想

キャラクター

 城戸真司
・手塚「それを責める資格はお前にない! 気を付けないと、お前も乗せられるぞ。お前はさっき、浅倉を倒そうと思ったんじゃないか? それが神崎士郎の手だ」
手塚自身は危ない人だけど、だからって筋の通ったことを言わない訳じゃない。ここに関しては100%賛同。
・「やっぱり俺、お前だけは……」
須藤の時も「お前"だけ"は」って言ってたよね。浅倉に対して自分からストライクベントまで撃ってるし、完全に"乗せられてる"。
・「俺……今までただ戦いを止めれば、全部解決すると思ってた。でももし蓮を止めれば、蓮の彼女が……」
これまでずっと、ライダー達はみんな浅倉のような戦闘狂か何かだと思ってたの? 確かにバカなキャラとして描かれてきたけど、ここまでくるとバカなんじゃなくて人の気持ちを想像できないとか、そういう障害の域なんじゃないかと思えてくる。積極的に戦う理由について考えたことないもんね、そういうの興味ないんだろうね多分。自分が正しいと思うこと(非戦)を押し付けることしか頭にない。
・「俺……戦いにきたんだ。お前がどうしても戦わなきゃいけないなら、俺が相手になる。俺が全力で戦う。お前の戦いの重さを受け止めるには、今はそれしか思いつかない」
やっと真司も問題と向き合うだけの情報を得た。そこから1話のうちにきちんとこういう答えを出したのはすごいと思う。

 

 秋山蓮
・手塚「俺が秋山なら、無理にでも浅倉と同じ側の人間になろうとする。外れかけた仮面を付け直すにはそれしかない」
真司達を裏切り浅倉を助け、引き返せないところまで自分を追い詰めようとしているのよね。でもそれっていうのは、前にも言ったように「戦うしかない」という状況を作ることによって思考停止するためのものなんだよね。より一般的な表現をするならヤケに近い。
・「お前にとっての戦いはそんな程度か」「気が変わった。龍騎は俺が自分で倒す。だから横から汚い手を出すな。それともうひとつ。こいつの前にまずお前を倒すことにした」
浅倉は"目的のために非情に戦える"のではなく"戦うこと自体が目的"なのだと気付き、その薄っぺらさを目の当たりにする。また変身前の真司に攻撃したのも非常に象徴的で、ライダーバトルに勝ち残って願いを叶えることなどどうでも良く、ただ暴力に浸りたいだけの浅倉であるが故の行動と言っていいだろう。
真司との勝負を浅倉に譲ったというのは、取りも直さず戦いに於ける葛藤(ここで言えば真司を殺せるのかどうか)からの逃げでしかない。自分の背負っているものを知って尚正面から受け止めようとする真司の誠意へのお返し、そして浅倉という"弱さ"への決別として、真司やその背後にある自分自身の矛盾と向き合う決意をする。

 

 浅倉威
・「せっかく自由の身になったってのにこんなところで燻ってるのはアレだな。暇潰しに戦わないか? 戦ってる間だけは頭がスッキリするんだ」
見ていて分かったけど、浅倉って言うのはただ暴力を振りまいて場をかき乱すためだけの舞台装置じゃなくて、物語的には"弱さ"とか"逃げ"の象徴なんだな。本人が言うところの「イライラ」……詰まるところ怒りや悲しみ、葛藤などと言った自分にとって都合の悪い感情と、一切向き合うことなく暴力によって"発散"させてしまう。そういった精神的な意味で誰よりも逃げ、誰よりも思考停止してしまった成れの果てとしてのキャラクターが浅倉なんだ。

 

 

大久保「ジャーナリストとしての心得その1。真実は1つだが正義は1つじゃない。ま、最終的には自分を信じるしかないんだけどな。ほ〜ら悩め悩め」
彼のバックボーンは描かれないので一般論の域を出ないのだけれど、これまでの龍騎がそれを如実に表しているので視聴者の視点ではきちんと説得力を感じる。自分としては、"正義"よりも"生き方"とか"信念"みたいな表現の方がしっくりくるけど、まぁそう違いはない。真司もちゃんと他の連中と同じステージに立ったし、ここからが本番だ。

 

次話

仮面ライダー龍騎 22,23話「ライアの復讐/変わる運命」 感想 - やんまの目安箱