キャラクター
南方仁
・「俺はきっと、このためにここに来たのだ。この時のために。坂本龍馬を蘇らせるために」
やたら龍馬を助けることが使命だとか言ってたから何故かと不思議だったんだけど、なるほど。龍馬は額を斬られ、仁は脳外科医。しかも2人はタイムスリップしてすぐに出会い、包帯男と同じ声でもある。これを繋げればそうなるか。
・龍馬「先生には、この時代はどう見えたがじゃ。愚かなことも山ほどあったろう」
仁「教わることだらけでした。例えば……えっと、未来は、夜でもそこら中に明かりがついていて、昼みたいに歩けるんです。でもここでは、提灯を下げないと夜も歩くこともできないし、提灯の火が消えたら、誰かに貰わなきゃいけなくて、一人で生きていけるなんて、文明がつくった幻想だなぁとか。離れてしまったら手紙しか便る方法ないし、ちゃんと届いたかどうかも分からないし、人生って、本当、一期一会だなぁとか。あ、あと、笑った人が多いです。ここの人たちは、笑うのが上手です。コロリの治療のとき覚えてますか? 誰も私を信じてくれないところに、龍馬さん、一人で患者を担いで来てくれたじゃないですか。あれで、私に対する風向きが変わったんですよね。ペニシリンのお金が足りない時も、龍馬さん、千両箱担いで戻って来てくれたじゃないですか。本物の行動力っていうか、教わりましたよ、龍馬さんに。龍馬さんは、親友で、悪友で、私のヒーローでした」
冒頭のナレーションはそういう意味だったのか。そっか、タイトルは"仁"だもんな。あれはちゃんとテーマに沿っていたのか。
・「その顔を見て、ふと思った。咲さんは、俺がここにいなければ、こんな顔をすることはなかったんじゃないだろうか。俺は、ここにいる人たちを救えないばかりか、運命の歯車を狂わせているだけなんじゃないだろうか」
ここまで来てうじうじ悩むか。三隅の件といい、このくだり必要? 緒方先生のことを思い出す作業は必要だったろうけど、もうちょっとうまく絡められたのでは。これのせいで、恭太郎に「国のため」と諭したことの説得力が若干減った。
坂本龍馬
・「これも……儂を守るためじゃろう」
意識を失う直前にこれを言うってのは……流石というかなんというか。
・「先生……儂ゃ、ちゃんと先生の生まれてくる国、つくれたかのう……先生のように優しゅうて馬鹿正直な人間が、笑うて生きていける国を……」
龍馬は、野風と同じだったんだな。命を狙われるようになって、自由に動き回れなくなって、自分を籠の鳥と言っていた野風のことを思い出して、それで雪の髪留めを……。
後半はイマイチ何の話をしているのか分からなかった。「自分がいることで周りが不幸になっているかも」という悩みに対しての答えが「国のため、道のため」というのはどういうことなんだろう。
不幸だった野風が、子に夢を託したのと同じだろうか。「もう一度生まれてきたいと思える国をつくる」ということにも繋がるかな?
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